JP2000355676A - 熱硬化性粉体塗料組成物 - Google Patents
熱硬化性粉体塗料組成物Info
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Abstract
ブロッキング性と、前記塗料組成物を塗装して塗膜とし
たときの優れた外観特性を同時に発現すること。 【解決手段】 樹脂組成物成分(A)、硬化剤成分
(B)、及び、固形流動調整剤成分(C)を含有してな
る熱硬化性粉体塗料組成物であって、成分(A)は、成
分(B)と反応性を有するビニル系重合体を含有してな
り、成分(B)は、成分(A)と反応性を有する硬化剤
を含有してなり、成分(C)は、20℃において固体で
ある、ビニル系重合体を含有してなり、成分(A)のS
PAと成分(C)のSPCとの関係が、下記数式(1)
[数1]と下記数式(2)[数2]を同時に満足する熱
硬化性粉体塗料組成物。 【数1】 【数2】
Description
組成物に関し、さらに詳細には、本発明は、優れた貯蔵
安定性(耐ブロッキング性等)、外観特性(耐クレタリ
ング性、耐ハジキ性、平滑性、鮮映性等)、物理特性
(硬度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候性、耐酸性、耐
溶剤性等)を有し、特に車輌塗装用途に好適な焼付塗膜
を与えることのできる熱硬化性粉体塗料組成物に関す
る。
れ、自動車用などの厳しい品質を要求される分野に使用
するために、種々の要求が満足された塗料が開発され、
使用されてきた。
又はグローバルな環境保全、労働安全衛生環境改善、火
災や爆発の予防、省資源等、の観点から、溶剤型塗料に
かわって、粉体型塗料(以下、「粉体塗料」という。)
への変更が期待されてきた。そして、歴史的又は社会的
要請により、粉体塗料の高機能化・多様化への期待が大
きくなるに従い、粉体塗料にも、溶剤型塗料に匹敵する
高度な塗膜性能(例えば、耐候性、耐酸性雨性、耐擦傷
性等)が要求されるようになってきた。しかし、粉体塗
料に要求される塗膜性能が厳しくなってきたにもかかわ
らず、必ずしも、このような要求を完全に満足する粉体
塗料が上市されてきたとはいえない。従来型の粉体塗料
の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂及びポリエス
テル樹脂粉体塗料が挙げられる。しかし、これらは耐候
性に問題があるばかりでなく、最近特に問題となってき
た酸性雨に対する耐性にも問題があり、自動車車体塗装
等の分野においては、問題があった。
昭48−38617号公報)により、アクリル系粉体塗
料が提案され、顕著な耐候性の改善が実現した。その
後、アクリル系粉体塗料に関して多くの研究がなされて
いる。しかしながら、これらアクリル系粉体塗料は、外
観特性、物理特性、化学特性、貯蔵安定性、特に平滑性
と耐ブロッキング性を同時に十分満足するものではなか
った。平滑性を向上させるためには、溶融粘度を低下さ
せることが最も効果的である。しかし、溶融粘度を低下
させるためには、ガラス転移温度を低下させなければな
らず、この方法では、平滑性と耐ブロッキング性の両性
能を満足することは不可能であった。
は、平滑性向上及びクレタリング防止を目的として、常
温において液体(低Tg)であるアクリルポリマーが流
動調整剤として使用されている。その研究は古くから行
われており、外観特性、物理的特性、化学特性を改良す
る塗料又は樹脂組成物(特開昭57−49672号公
報、USP5523349, 5648117(特開平7−179789号
公報)等)が提案されている。また、反応性の流動調整
剤として、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキ
シ基等反応性官能基をその分子内に含有し、塗膜形成時
に主剤成分、または硬化剤成分と反応して塗膜物性を向
上させる組成物(USP5212245(特開平8−325480
号公報)、WO97/23573(特開平9−227799号公
報)等)が提案されている。しかし、これら流動調整剤
は、全て常温において液体(低Tg)であり、塗料の耐
ブロッキング性を低下させてしまう原因となっていた。
さらに、これら流動調整剤は、常温において高粘度な液
体であるため塗料製造の際の作業性にも問題があった。
剤成分をシリカ粒子、ワックス(USP5735944)に吸着さ
せ固体状にした流動調整剤が開発されている。しかし、
これら固形流動調整剤も、シリカ粒子に吸着させた流動
調整剤については、塗膜の透明性、外観等に問題があ
り、ワックスに吸着させたタイプについては耐擦傷性、
リコート性等に問題があり、貯蔵安定性、外観特性、物
理特性、化学特性等全てを満たした、熱硬化性粉体塗料
組成物を提供するものではなかった。
術の問題点に鑑み、貯蔵安定性、外観特性、物理特性、
化学特性を有した、熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、
アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)を提供する。特
に、自動車等の車輌の車体、及び、自動車等の車輌の部
品(アルミホイール、ワイパー、ピラー、ドアハンド
ル、フェンダー、ボンネット、エアスポイラー、スタビ
ライザー、フロントグリル等)の塗装−特に、上塗り塗
装−に好適に適用される、熱硬化性粉体塗料組成物(例
えば、アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)を提供す
る。
流動調製剤や、従来の技術による液体状流動調製剤を粉
体塗料組成物に配合することによっては、同時に実現す
ることが困難であった、粉体塗料組成物として貯蔵する
際の優れた耐ブロッキング性と、前記塗料組成物を塗装
して塗膜としたときの優れた外観特性を同時に発現する
ことを可能とする熱硬化性粉体塗料組成物を提供するこ
とにある。
技術の問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、成
分(C)がシリカ粒子、ワックス等副原料を使用せず、
ビニル系重合体、特に(メタ)アクリル系ビニル重合体
のみで、20℃において固体である固形流動調整剤を開
発し、優れた貯蔵安定性、外観特性、物理特性、化学特
性を有した熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、アクリル
系熱硬化性粉体塗料組成物)を提供するこができる知見
を見い出し、本発明を完成するに至った。
した事項により特定される。
分(B)、及び、20℃において固体である固形流動調
整剤成分(C)を含有してなる熱硬化性粉体塗料組成物
であって、前記成分(A)は、成分(B)と反応性を有
する樹脂組成物成分を含有してなり、前記成分(B)
は、成分(A)と反応性を有する硬化剤を含有してな
り、前記成分(C)は、ビニル系重合体を含有してな
り、かつ、成分(A)の溶解性パラメーターSPAと、
成分(C)の溶解性パラメーターSPCとの関係が、下
記数式(1)[数7]と下記数式(2)[数8]を同時
に満足するものであることを特徴とする、熱硬化性粉体
塗料組成物。
分(B)、及び、固形流動調整剤成分(C)の組成比
が、成分(A)と成分(B)の合計重量を基準として、
成分(C)が、0.01〜10重量%であることを特徴
とする、上記[1]に記載した熱硬化性粉体塗料組成
物。
が、ビニル系重合体を含んで構成されるものである、上
記[1]又は[2]に記載した熱硬化性粉体塗料組成
物。
が、(メタ)アクリル酸エステル系ビニル重合体を含ん
で構成されるものである、上記[3]に記載した熱硬化
性粉体塗料組成物。
酸エステル系ビニル重合体」が、(a−1) 1分子中
に少なくとも1個のラジカル重合性不飽和二重結合を有
し、ラジカル重合性不飽和二重結合以外の反応性官能基
を有さない少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体、及び、(a−2) 1分子中に少なくとも
1個のラジカル重合性不飽和二重結合と少なくとも1個
の硬化剤成分(B)と反応性を有する非ラジカル重合性
の官能基を併せ持った少なくとも1種の(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体を含んでなる反応系で重合して得
られたものである、上記[4]に記載した熱硬化性粉体
塗料組成物。
と反応性を有する非ラジカル重合性の官能基」が、グリ
シジル基である、上記[4]又は[5]に記載した、熱
硬化性粉体塗料組成物。
量100重量部に対して、(a−2)が20〜60重量
部である、上記[4]乃至[6]の何れか1項に記載し
た、熱硬化性粉体塗料組成物。
が、30〜120℃のガラス転移温度を有するものであ
る、上記[1]乃至[7]の何れか1項に記載した、熱
硬化性粉体塗料組成物。
カルボン酸、及び/又は、その線状無水物を含んで構成
されるものである、上記[1]乃至[8]の何れか1項
に記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
酸」が、「脂肪族多価カルボン酸」である、上記[9]
に記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
体」が、30〜80℃のガラス転移温度(Tg)を有す
るものである、上記[1]乃至[10]の何れか1項に
記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
体」が、(メタ)アクリル酸エステル系ビニル重合体を
含んで構成されるものである、上記[1]乃至[11]
の何れか1項に記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
体」が、(メタ)アクリル酸エステル系ビニル重合体の
みで構成されるものである、上記[1]乃至[12]の
何れか1項に記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
体」が、1000〜20000の数平均分子量を有する
ものである、上記[1]乃至[13]の何れか1項に記
載した、熱硬化性粉体塗料組成物。
ーSPAと、成分(C)の溶解性パラメーターSPCとの
関係が、下記数式(3)[数9]と下記数式(4)[数
10]を同時に満足するものであることを特徴とする、
上記[1]乃至[14]の何れか1項に記載した、熱硬
化性粉体塗料組成物。
ーSPAと、成分(C)の溶解性パラメーターSPCとの
関係が、下記数式(5)[数11]と下記数式(6)
[数12]を同時に満足するものであることを特徴とす
る、上記[1]乃至[15]の何れか1項に記載した、
熱硬化性粉体塗料組成物。
成物(A)は、成分(B)と反応性を有し、溶解性パラ
メーターが8≦SPA≦13であれば、特に限定される
ものではない。ビニル系重合体、ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂等、熱硬化性粉体塗料用として使用可能なも
のであれば、特に限定されない。好ましくは、ビニル系
重合体を使用することができる。
において、(a−1)を構成する単量体は、1分子中に
少なくとも1個のラジカル重合性不飽和二重結合を有
し、ラジカル重合性不飽和二重結合以外の反応性官能基
を有さない少なくとも1種の単量体であれば特に制限さ
れない。
具体例としては、炭素原子数が1〜14のアルキル基又
はシクロヘキシル基を有するアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステル単量体、例えば、メチル−、エチル
−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、
イソブチル−、n−アミル−、イソアミル−、n−ヘキ
シル−、シクロヘキシル−、2−エチルヘキシル−、オ
クチル−、2−エチルオクチル−、デシル−、ドデシル
−、シクロヘキシル−等のアクリル酸エステル又はメタ
クリル酸エステルを含むアクリル酸誘導体又はメタクリ
ル酸誘導体等を挙げることができ、これらを単独で又は
2種以上を混合・組合せて使用することができる。
他の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン等の芳香族ビニル類、マレイン酸やイタ
コン酸等のジカルボン酸のエステル類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ふっ化ビニル、モノクロロトリフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン、クロロプレン等の
ハロゲン化エチレン系不飽和単量体類、アクリロニトリ
ルやメタアクリロニトリル等のニトリル類、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、エチレ
ン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、炭素原子数
4乃至20のα−オレフィン等のα−オレフィン類、ラ
ウリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、
ビニルピロリドン、4−ビニルピロリドン等の含窒素ビ
ニル類等他のエチレン系不飽和単量体を挙げることがで
き、これらを単独で又は2種以上を混合・組合せて使用
することができる。
体」なる語の概念には、特定の化合物の水素原子が、他
の原子あるいは原子団Rによって置換されたものを包含
する。ここでRは、少なくとも1個の炭素原子を含む1
価の炭化水素基であり、より具体的には、脂肪族、実質
的に芳香族度の低い脂環族、これらを組み合わせた基、
又はこれらが窒素、硫黄、けい素、燐などで結合される
ような2価の残基であってもよく、これらのうち特に、
狭義の脂肪族系の構造のものが好ましい。Rは、上記の
ものに、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ル基、アルコキシル基、シクロアルコキシル基、アリル
オキシル基、ハロゲン(F、Cl、Br等)基等が置換
した基であってもよい。これらの置換基を適宜選択する
ことにより、本発明に係る粉体塗料組成物により形成さ
れる塗膜の諸特性を制御することができる。
の向上、基剤への密着性、硬さに寄与すると考えられ
る。
て、スチレン等の芳香族ビニル類やブタジエン等の共役
ジエン類を多用(例えば、(A)の全量に対して、40
重量%以上使用)した場合も、得られる塗膜の耐候性が
低下する傾向がみられる場合があり、このような場合は
好ましくない。好ましくは20重量%以下、さらに好ま
しくは10重量%以下の使用にすべきである。成分(a
−1)において、アクリロニトリル等のニトリル類を多
用した場合は、塗膜の着色が大きくなる傾向が見られる
場合があり、外観上好ましくない。
重合体(A)において、(a−2)を構成する単量体
は、1分子中に少なくとも1個のラジカル重合性不飽和
二重結合と少なくとも1個の非ラジカル重合性の反応性
官能基を併せ持った少なくとも1種の単量体であれば特
に制限されない。
ては、グリシジル基、エポキシ基、水酸基、アミノ基等
であり、特に限定されるものでないが、好ましくはグリ
シジル基を上げることができる。
とも1つの不飽和二重結合を分子内に有するエチレン性
不飽和単量体の具体例としては、例えば、グリシジルメ
タクリレ−ト、グリシジルアクリレ−ト、β−メチルグ
リシジルメタクリレ−ト、β−メチルグリシジルアクリ
レ−ト、アクリルグリシジルエ−テル等が挙げられ、こ
れらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用する
ことができる。
量は、(a−1)と(a−2)の合計量に対し、20〜
60重量%であり、好ましくは30〜55重量%、より
好ましくは40〜50重量%である。20重量%未満で
は耐擦傷性、耐酸性雨性等が劣ってしまう。また、60
%を超えると、十分な溶融時間を得ることができず外観
特性が損なわれてしまう。
安定性、粉体塗料焼付時に塗料組成物流動性低下に起因
する塗膜平滑性等を考慮して、成分(A)のガラス転移
温度は30〜120℃であり、好ましくは40〜110
℃、さらに好ましくは50〜100℃である。ガラス転
移温度が30℃未満では、貯蔵安定性が低下してしま
う。また、120℃を超えると、好ましい溶融粘度が得
られず外観特性が低下してしまう。
する重合体のガラス転移温度は、フォックス(Fox)
の式より計算により求めることができる。ここで、フォ
ックスの式とは、共重合体を形成する個々の単量体につ
いて、その単量体の単独重合体のガラス転移温度に基づ
いて、共重合体のガラス転移温度を算出するためのもの
であり、その詳細は、ブルテン・オブ・ザ・アメリカン
・フィジカル・ソサエティー,シリーズ2(Bulle
tin of the American Physi
cal Society,Series 2)1巻、3
号、123〜頁(1956年)に記載されている。フォ
ックスの式による共重合体のガラス転移温度を評価する
ための基礎となる各種エチレン性不飽和単量体について
のガラス転移温度は、例えば、新高分子文庫・第7巻・
塗料用合成樹脂入門(北岡協三著、高分子刊行会、京
都、1974年)168〜169頁の表10−2(塗料
用アクリル樹脂の主な原料単量体)に記載されている数
値を採用することができる。
おいて、溶解性パラメーターはFedorsの方法によ
り決定される。該方法は「Polymer Engin
nering and Science,14巻、2月
号、147〜154貢、1974年」に記載されてい
る。
ターSPA]樹脂組成物成分(A)の溶解性パラメータ
ーSPAは、8以上、13以下の範囲内である。
ーSPAは、一般的には、7.0〜14.0の範囲であ
る。
成分(A)の数平均分子量は、約1,000〜約10,
000の範囲が好ましく、約1,500〜約5,000
の範囲がより好ましい。数平均分子量が約1,000未
満では、貯蔵安定性、物理特性、化学特性が低下してし
まう。また、10000を超えると、好ましい溶融粘度
が得られず外観特性が低下してしまう。
調整する方法としては、ドデシルメルカプタンなどのメ
ルカプタン類、ジベンゾイルスルフィドなどのジスルフ
ィド類、チオグリコール酸2−エチルヘキシルなどのチ
オグリコール酸の炭素原子数1〜18のアルキルエステ
ル類、四臭化尿素などのハロゲン化炭化水素類の連鎖移
動剤、イソプロピルアルコール、イソプロピルベンゼ
ン、トルエン等の連鎖移動効果の大なる有機溶剤の存在
下に重合する等の手段を用いることができる。
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポ
リスチレンを標準として評価することができる。
の合成法は、実質的に所望の特性を有するものが得られ
るのであれば、特に限定されないが、溶液重合法が好適
に使用される。
化剤成分(B)は、樹脂組成物成分(A)と反応性を有
する硬化剤であれば特に限定はされない。好ましくは、
多価カルボン酸、及び/又は、その線状無水物からなる
群から選択された少なくとも1種類の化合物である。こ
の化合物は本発明の粉体塗料用樹脂組成物の分子内に存
在するエポキシ基(グリシジル基)と反応する硬化剤成
分である。
族、芳香族、脂環族の何れの化合物も使用できる。芳香
族多価カルボン酸の具体例としては、例えば、イソフタ
ル酸、トリメリット酸等が挙げられ、これらは単独で又
は組み合わせて使用する事ができる。脂環式多価カルボ
ン酸の具体例としては、例えば、ヘキサヒドロフタル
酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられ、これらは単独
で又は組み合わせて使用する事ができる。また、カルボ
キシル基を有するポリエステル樹脂等も使用できる。但
し、本発明においては、脂肪族多価カルボン酸系化合物
を用いることが、平滑性、耐候性等の塗膜特性の点で好
ましい。
なる語の概念には、狭義の脂肪族のみならず、実質的に
芳香族度が低い脂環族をも包含する。すなわち、この
「脂肪」化合物なる語の概念には、少なくとも1個の炭
素原子を含む2価の炭化水素基を分子内に有する、実質
的に芳香族度の低い化合物からなる群をも包含し、具体
的には、狭義の脂肪族基のみならず、実質的に芳香族度
の低い脂環族基、これらを組み合わせた基、又はこれら
が水酸基、窒素、硫黄、けい素、りんなどで結合される
ような2価の残基を分子内に有する化合物からなる群を
も包含し、さらに具体的には、上記のものに例えば、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリル基、アルコキシル
基、シクロアルコキシル基、アリルオキシル基、ハロゲ
ン(F,Cl,Br等)基等が置換した基を分子内に有
する化合物からなる群をも包含する。これらの置換基を
適宜選択することにより、本発明に係る共重合体の諸特
性(耐熱性、強靭性、分解性、強度特性等)を制御する
ことができる。本出願の明細書において用いる「脂肪
族」化合物なる語の概念には、一種類の化合物のみなら
ず、二種類以上の組合せによるものをも包含する。
の例について説明する。
肪族多価カルボン酸は、実質的に、分子内にカルボキシ
ル基を、少なくとも2個有する脂肪族化合物であれば、
特に制限されず、1種類又は2種類以上を用いることが
できる。
脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン
酸の具体例としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、クエン酸、ブラシル酸、ウンデカン2酸、
ドデカン2酸、エイコサン2酸、オクタデカン2酸等が
挙げられ、これらの中では、ドデカン2酸が好ましく、
これらは単独で又は組み合わせて使用する事ができる。
関して、脂環式多価カルボン酸については、芳香族度が
高くなるに従い、塗膜特性が劣化する。
中のグリシジル基1当量に対し、多価カルボン酸(B)
中のカルボキシル基は、0.3〜1.2当量が望まし
く、0.5〜1.1当量が好ましく、0.7〜1.0当
量がより好ましい。カルボキシル基等量が0.3未満で
は、耐擦傷性、耐酸性等が低下し、1.2を超えると平
滑性、鮮映性等外観特性が低下してしまう。
は、20℃で固体であり、かつ、溶解性パラメーター
が、7≦SP C<SPAであるビニル系重合体であれば特
に制限はされない。
物の貯蔵安定性、粉体塗料焼付時に塗料組成物流動性低
下に起因する塗膜平滑性等を考慮して、成分(C)のガ
ラス転移温度は30〜80℃が好ましく、さらに好まし
くは40〜75℃である。ガラス転移温度が30℃未満
では、貯蔵安定性が低下してしまう。また、80℃を超
えると、好ましい溶融粘度が得られず外観特性が低下し
てしまう。
PC]成分(C)の溶解性パラメーターSPCの好ましい
数値範囲は、数式(1)[数13]及び数式(2)[数
14]で示される。なお、数式(1)及び数式(2)に
おいて、SPAは、成分(A)の溶解性パラメーターを
示す。
より好ましい数値範囲は、数式(3)[数15]及び数
式(4)[数16]で示される。なお、数式(3)及び
数式(4)において、SPAは、成分(A)の溶解性パ
ラメーターを示す。
SPc>SPAの場合には、(C)の効果が十分に発現せ
ず、外観特性、物理特性、化学特性が低下してしまう。
は、好ましくは9.4以下であり、より好ましくは9.
1以下であり、さらに好ましくは8.9以下である。
Cは、好ましくは9.4〜7.0であり、より好ましく
は9.1〜7.0であり、さらに好ましくは8.9〜
7.0である。
を低下させる効果が十分に発揮されず耐クレタリング
性、耐ハジキ性、外観特性が損なわれてしまう。さら
に、塗膜を疎水性にする効果も損なわれ、耐酸性雨性を
低下させてしまい、その効果を十分に発揮することがで
きない。
Cは、通常、7.0〜14.0の範囲である。
量は、成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に
対して、好ましくは、0.01〜10重量部がであり、
さらに好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは
0.5〜2重量部である。0.01未満では、表面張力
を低下させる効果が十分に発揮されず、耐クレタリング
性、耐ハジキ性、外観特性が損なわれてしまう。さら
に、塗膜を疎水性にする効果も損なわれ、耐酸性雨性を
低下させてしまい、その効果を十分に発揮することがで
きない。また、10重量部を越えてしまうと塗膜表面の
架橋密度の低下により物理特性、化学特性等が低下して
しまう。
量は、1000〜20000が好ましく、さらに好しく
は2000〜10000である。分子量は、1000未
満では物理特性、化学特性等が低下してしまい、その効
果が十分に発揮されない。また、20000を超える
と、外観特性が損なわれてしまう。
いて固体、かつ、溶解性パラメーターが、7≦SP C <
SPAであるビニル系重合体を含有するものであれば特
に制限はされない。
アクリル系ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸エス
テル系ビニル重合体等)を好ましく使用することができ
る。
様としては、Tgが高く、SP値が小さいイソブチルメ
タクリレート、イソボルニルアクリレート等を挙げるこ
とができる。
は、炭素原子数が1〜14のアルキル基又はシクロヘキ
シル基を有するアクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステル単量体、例えば、メチル−、エチル−、n−プロ
ピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル
−、n−アミル−、イソアミル−、n−ヘキシル−、シ
クロヘキシル−、2−エチルヘキシル−、オクチル−、
2−エチルオクチル−、デシル−、ドデシル−、シクロ
ヘキシル−等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステルを含むアクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導
体、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
の芳香族ビニル類、マレイン酸やイタコン酸等のジカル
ボン酸のエステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ふ
っ化ビニル、モノクロロトリフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレン、クロロプレン等のハロゲン化エチレ
ン系不飽和単量体類、アクリロニトリルやメタアクリロ
ニトリル等のニトリル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピレン、イ
ソプレン、ブタジエン、炭素原子数4乃至20のα−オ
レフィン等のα−オレフィン類、ラウリルビニルエーテ
ル等のアルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン、
4−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル類、ビニルアミ
ド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、
ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタアクリレート等の水酸基含有ビニル単量体
類、グリシジルメタクリレ−ト、グリシジルアクリレ−
ト、β−メチルグリシジルメタクリレ−ト、β−メチル
グリシジルアクリレ−ト、アクリルグリシジルエ−テル
等のグリシジル基含有ビニル単量体類、アクリル酸、メ
タクリル酸等のカルボキシルキ含有ビニル単量体類、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチル等のアミノ基含有ビニル単量体類等のエ
チレン系不飽和単量体を挙げることができ、これら2種
以上を混合・組合せて使用することができる。
法は、実質的に所望の特性を有するものが得られるので
あれば、特に限定されない。乳化重合、懸濁重合、溶液
重合法が好適に使用される。
に添加される種々の添加剤が添加される。
的に応じ、適宜、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミドなどを包含する合成樹脂組成物、繊維素又は繊
維素誘導体などを包含する天然樹脂又は半合成樹脂組成
物を配合して塗膜外観又は塗膜物性を向上させることも
できる。
じ、適宜、硬化触媒、顔料、流動調整剤、チクソ剤(チ
クソトロピー調整剤)、帯電調整剤、表面調整剤、光沢
付与剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、
ワキ防止剤、酸化防止剤等の添加剤を配合してもよい。
また、クリアコートとして使用する場合に少量の顔料を
配合し、完全に隠ぺい性の発現しない程度に着色してい
てもよい。
成物成分(A)、硬化剤成分(B)、固形流動調整剤成
分(C)を含む組成物を機械的に混練する際の被混練物
の温度は、実質的に均一な粉体塗料組成物を調製できれ
ば特に制限されない。溶融混練装置としては、通常、加
熱ロール機、加熱ニーダー機、押出機(エクストルーダ
ー)等を使用する。
に均一分散させておき、成分(B)を混ぜ、上記方法等
により混練することができる。成分(C)を成分(A)
中に、予め、均一分散させる方法の具体例としては、例
えば、成分(C)と成分(A)を、所定の温度にて溶解
し混合する、又は、所定の温度にて適当な有機溶剤を用
い溶解させ、脱溶剤する等が挙げられる。
る方法の具体例としては、例えば、ロール機、ニーダー
機、ミキサー(バンバリー型、トランスファー型等)、
カレンダー設備、押出機(エクストルーダー)等の混練
機や捏和機を、適宜、組み合わせ、各工程の条件(温
度、溶融若しくは非溶融、回転数、真空雰囲気、不活性
ガス雰囲気等)を、適宜、設定して、充分に均一に混合
し、その後、粉砕装置により、均一な微細粉末状態の粉
体塗料組成物を得る方法を採用することができるが、こ
れらに限定されるものではない。
より得られた塊状塗料は、冷却の後、平均粒径10〜9
0μm程度となるように粉砕される。使用される粉砕器
の具体例としては、例えば、ハンマーミル等が挙げられ
る。
れた粉体塗料は、静電塗装法、流動浸漬法等の塗装方法
によって、熱硬化性粉体塗料組成物の粉末を、塗装対象
物に付着せしめ、加熱して熱硬化させ塗膜を形成させ
る。本発明の熱硬化性粉体塗料組成物の焼き付けは、通
常、約100〜約180℃、より好ましくは、約120
〜約160℃の温度において、通常、約10〜約60分
間、行なうことにより、架橋反応を行うことができる。
焼き付け後、室温までに冷却後、優れた特性を有する塗
膜を得ることができる。
上塗り塗料として使用する場合、その下塗り塗料とし
て、従来の溶剤型塗料のみならず、水性塗料を使用した
場合においても、焼き付け後の塗膜は溶剤型塗料を用い
た場合と同様に、本発明の塗料は優れた特性を有する。
は金属粉入りを含む)を塗装し、所定の時間乾燥させた
後、本発明の熱硬化性粉体塗料組成物を上記の方法によ
って下塗り塗料の上に付着せしめ、加熱して熱硬化させ
塗膜を形成させる。
装方法は、自動車の車体又は自動車部品(アルミホイー
ル、ワイパー、センターピラー等)へも使用される。
適当な又は公知・公用の塗装方法により形成した塗膜
は、優れた貯蔵安定性(耐ブロッキング性等)、外観特
性(耐クレタリング性、耐ハジキ性、平滑性、鮮映性
等)、物理特性(硬度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候
性、耐酸性、耐溶剤性等)に関し、優れた性能を有す
る。
び態様は、本出願に係る発明の内容の理解を支援するた
めのものであって、その記載によって、本発明が何ら限
定される性質のものではない。
い限り、重量による値である。
架橋の黒色塗料を、りん酸亜鉛処理を施した0.8mm
厚のボンデライト鋼板に、20μm厚で塗装し、その
後、170℃、30分間焼付けをして、下地処理鋼板を
調製した。
なった。
30℃で7日間貯蔵後粉体を取り出し粉体塗料のブロッ
キング状態を目視及び指触で観察し、◎〜×で評価し
た。
した。
6.14に準ずる。)により評価した。表示は鉛筆硬
度記号で示した。
る擦傷試験を行ない、摩擦の前後で光沢の(20°グロ
ス)評価を行ない、光沢保持率を算出した。
置した。その後、硫酸滴を拭き取り、外観を観察して、
◎、○、×で評価した。
擦った後、その塗膜を観察して、◎、○、×で評価し
た。
い、促進テスト前後の塗膜の光沢度を測定し、光沢残存
率(%)を求めた。光沢残存率は下記式(7)[数1
7]により計算した。
拌機、温度計、還流コンデンサー及び窒素導入管を備え
た4ッ口フラスコにキシレン66.7部を仕込み、還流
温度まで昇温した。ここに表1に示す単量体(部)に重
合開始剤としてターシャリーブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート6.0部を溶解し、その混合溶液を
5時間に渡り滴下して、さらに、その後は100℃で5
時間保持した。得られた重合溶液の溶剤を除去すること
によりビニル系共重合体(製造例1〜3)を得た。表1
に、得られた共重合体の特性値も併せて記載した。
2]撹拌機、温度計、還流コンデンサー及び窒素導入管
を備えた4ッ口フラスコにキシレン66.7部を仕込
み、還流温度まで昇温した。ここに表2に示す単量体
(部)に重合開始剤としてターシャリーブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート6.0部を溶解し、その
混合溶液を5時間に渡り滴下して、さらに、その後は1
00℃で5時間保持した。得られた重合溶液の溶剤を除
去することによりビニル系共重合体(比較製造例1、
2)を得た。表2に、得られた共重合体の特性値も併せ
て記載した。
拌機、温度計、還流コンデンサー及び窒素導入管を備え
た4ッ口フラスコにキシレン66.7部を仕込み、還流
温度まで昇温した。ここに表3に示す単量体(部)に重
合開始剤としてターシャリーブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート1.2部を溶解し、その混合溶液を
5時間に渡り滴下して、さらに、その後は100℃で5
時間保持した。得られた重合溶液の溶剤を除去すること
によりビニル系共重合体(製造例1〜7)を得た。表3
に、共重合体の特性値も併せて記載した。
5]撹拌機、温度計、還流コンデンサー及び窒素導入管
を備えた4ッ口フラスコにキシレン66.7部を仕込
み、還流温度まで昇温した。ここに表4に示す単量体
(部)に重合開始剤としてターシャリーブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート1.2部を溶解し、その
混合溶液を5時間に渡り滴下して、さらに、その後は1
00℃で5時間保持した。得られた重合溶液の溶剤を除
去することによりビニル系共重合体(比較製造例1〜
5)を得た。表4に、共重合体の特性値も併せて記載し
た。
(製造例1〜3)と(B)を表5に示す割合(部)で配
合し、(A)、(B)合計100重量部に対して、固形
流動調整剤(C)(製造例1〜7)を表5に示す割合
(部)、チヌビン144(チバガイギー社製、光安定化
剤)、ベンゾイン(ワキ防止剤)を各1部ずつ、チヌビ
ン900(チバガイギー社製、紫外線吸収剤)を2部添
加し、上記混合物を加熱ロールにて90℃の条件下溶融
混練して冷却後、粉砕機にて微粉砕し、150メッシュ
の篩を通過した区分を集め粉体塗料を得た。得られた粉
体塗料を下地処理鋼板上に静電スプレーにて60〜70
μmの膜厚になるように塗装後、150℃で30分間加
熱しテスト板を得た。
(A)(製造例1、2)又は、(A)比較製造例1、2
と(B)を表6に示す割合(部)で配合し、(A)又
は、(A)比較例と(B)の合計100重量部に対し
て、固形流動調整剤(C)(製造例1)又は、(C)比
較例(比較製造例1〜5とBYK360P)を表6に示
す割合(部)で配合したた以外は、実施例1と全く同様
な方法によりテスト板を得た。
1で形成した粉体塗料及び塗膜の評価を行なった結果を
表7に示す。また、これに関連する比較例1〜10で形
成した粉体塗料及び塗膜の評価を行った結果を表8に示
す。表7に示した実施例1〜11の粉体塗料組成物は本
発明の数値範囲内であり、これらの結果は、本発明が優
れた貯蔵安定性(耐ブロッキング性等)、外観特性(耐
クレタリング性、平滑性、鮮映性等)、物理特性(硬
度、耐擦傷性等)、化学特性(耐候性、耐酸性、耐溶剤
性等)を有した塗膜を与えることのできる熱硬化性粉体
塗料組成物であることを示している。
求範囲外の使用量であり、この場合、請求範囲未満で
は、耐擦傷性、耐溶剤性が劣った。また、請求範囲を超
える範囲では、外観が劣った。
囲外の使用量であり、請求範囲未満では、外観、耐クレ
タリング性、耐酸性が劣った。また、請求範囲を超える
範囲では、耐擦傷性、耐酸性、耐溶剤性が劣った。
が、(SPA−1)より大きい場合であり、外観、耐ク
レタリング性が劣った。
度が本願発明の請求範囲外であり、この場合、請求範囲
未満では、耐ブロッキング性が劣った。また、請求範囲
を超える範囲では、外観、耐クレタリング性が劣った。
基を有した場合であるが、(C)が過剰量の反応性基を
有した場合には、外観、耐クレタリング性が低下してし
まう例である。
マーを吸着させて固形にした流動調整剤を使用した場合
の例である。この場合、外観、耐クレタリング性が劣っ
た。
した。
した。
困難であった、貯蔵安定性、外観特性、物理特性、化学
特性を有した、熱硬化性粉体塗料組成物(例えば、アク
リル系熱硬化性粉体塗料組成物)に関するものであり、
特に、自動車等の車輌の車体、及び、自動車等の車輌
の部品(アルミホイール、ワイパー、ピラー、ドアハン
ドル、フェンダー、ボンネット、エアスポイラー、スタ
ビライザー、フロントグリル等)の塗装−特に、上塗り
塗装−に好適に適用される、熱硬化性粉体塗料組成物
(例えば、アクリル系熱硬化性粉体塗料組成物)を提供
するものである。
を配合した本発明に係る熱硬化性粉体塗料組成物によ
り、従来の技術による固体状流動調製剤や、従来の技術
による液体状流動調製剤を粉体塗料組成物に配合するこ
とによっては、同時に実現することが困難であった、粉
体塗料組成物として貯蔵する際の優れた耐ブロッキング
性と、前記塗料組成物を塗装して塗膜としたときの優れ
た外観特性を同時に発現することができる。
Claims (16)
- 【請求項1】 樹脂組成物成分(A)、硬化剤成分
(B)、及び、20℃において固体である固形流動調整
剤成分(C)を含有してなる熱硬化性粉体塗料組成物で
あって、 前記成分(A)は、成分(B)と反応性を有する樹脂組
成物成分を含有してなり、 前記成分(B)は、成分(A)と反応性を有する硬化剤
を含有してなり、 前記成分(C)は、ビニル系重合体を含有してなり、か
つ、 成分(A)の溶解性パラメーターSPAと、成分(C)
の溶解性パラメーターSPCとの関係が、下記数式
(1)[数1]と下記数式(2)[数2]を同時に満足
するものであることを特徴とする、熱硬化性粉体塗料組
成物。 【数1】 【数2】 - 【請求項2】 樹脂組成物成分(A)、硬化剤成分
(B)、及び、固形流動調整剤成分(C)の組成比が、
成分(A)と成分(B)の合計重量を基準として、成分
(C)が、0.01〜10重量%であることを特徴とす
る、請求項1に記載した熱硬化性粉体塗料組成物。 - 【請求項3】 成分(A)の「樹脂組成物成分」が、ビ
ニル系重合体を含んで構成されるものである、請求項1
または2に記載した熱硬化性粉体塗料組成物。 - 【請求項4】 成分(A)の「ビニル系重合体」が、
(メタ)アクリル酸エステル系ビニル重合体を含んで構
成されるものである、請求項3に記載した熱硬化性粉体
塗料組成物。 - 【請求項5】 成分(A)の「(メタ)アクリル酸エス
テル系ビニル重合体」が、(a−1) 1分子中に少な
くとも1個のラジカル重合性不飽和二重結合を有し、ラ
ジカル重合性不飽和二重結合以外の反応性官能基を有さ
ない少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル系単
量体、及び、(a−2) 1分子中に少なくとも1個の
ラジカル重合性不飽和二重結合と少なくとも1個の硬化
剤成分(B)と反応性を有する非ラジカル重合性の官能
基を併せ持った少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体を含んでなる反応系で重合して得られた
ものである、請求項4に記載した熱硬化性粉体塗料組成
物。 - 【請求項6】 (a−2)の「硬化剤成分(B)と反応
性を有する非ラジカル重合性の官能基」が、グリシジル
基である、請求項4又は5に記載した、熱硬化性粉体塗
料組成物。 - 【請求項7】 (a−1)と(a−2)の合計重量10
0重量部に対して、(a−2)が20〜60重量部であ
る、請求項4乃至6の何れか1項に記載した、熱硬化性
粉体塗料組成物。 - 【請求項8】 成分(A)の「樹脂組成物成分」が、3
0〜120℃のガラス転移温度を有するものである、請
求項1乃至7の何れか1項に記載した、熱硬化性粉体塗
料組成物。 - 【請求項9】 成分(B)の「硬化剤」が、多価カルボ
ン酸、及び/又は、その線状無水物を含んで構成される
ものである、請求項1乃至8の何れか1項に記載した熱
硬化性粉体塗料組成物。 - 【請求項10】 成分(B)の「多価カルボン酸」が、
「脂肪族多価カルボン酸」である、請求項9に記載し
た、熱硬化性粉体塗料組成物。 - 【請求項11】 成分(C)の「ビニル系重合体」が、
30〜80℃のガラス転移温度(Tg)を有するもので
ある、請求項1乃至10の何れか1項に記載した、熱硬
化性粉体塗料組成物。 - 【請求項12】 成分(C)の「ビニル系重合体」が、
(メタ)アクリル酸エステル系ビニル重合体を含んで構
成されるものである、請求項1乃至11の何れか1項に
記載した、熱硬化性粉体塗料組成物。 - 【請求項13】 成分(C)の「ビニル系重合体」が、
(メタ)アクリル酸エステル系ビニル重合体のみで構成
されるものである、請求項1乃至12の何れか1項に記
載した、熱硬化性粉体塗料組成物。 - 【請求項14】 成分(C)の「ビニル系重合体」が、
1000〜20000の数平均分子量を有するものであ
る、請求項1乃至13の何れか1項に記載した、熱硬化
性粉体塗料組成物。 - 【請求項15】 成分(A)の溶解性パラメーターSP
Aと、成分(C)の溶解性パラメーターSPCとの関係
が、下記数式(3)[数3]と下記数式(4)[数4]
を同時に満足するものであることを特徴とする、請求項
1乃至14の何れか1項に記載した、熱硬化性粉体塗料
組成物。 【数3】 【数4】 - 【請求項16】 成分(A)の溶解性パラメーターSP
Aと、成分(C)の溶解性パラメーターSPCとの関係
が、下記数式(5)[数5]と下記数式(6)[数6]
を同時に満足するものであることを特徴とする、請求項
1乃至15の何れか1項に記載した、熱硬化性粉体塗料
組成物。 【数5】 【数6】
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