JP2000352559A - 接合検査装置及び方法 - Google Patents

接合検査装置及び方法

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JP2000352559A JP2000025247A JP2000025247A JP2000352559A JP 2000352559 A JP2000352559 A JP 2000352559A JP 2000025247 A JP2000025247 A JP 2000025247A JP 2000025247 A JP2000025247 A JP 2000025247A JP 2000352559 A JP2000352559 A JP 2000352559A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実装された電子部品の電極接合部のX線検査
において、高さ方向を含む3次元形状の検査精度を向上
可能な、接合検査装置及び方法を提供する。 【解決手段】 X線発生器111と、X線シンチレータ
115と、撮像装置120と、制御装置121とを備
え、教示治具125を用いて得られた接合部分の厚みと
X線透視画像の明るさとの関係を示す第1較正情報を予
め上記制御装置に格納し、上記撮像装置から供給された
上記装着部分のX線透視画像について上記第1較正情報
を用いて上記装着部分内の上記接合部分における厚さ情
報を生成するようにした。よって、上記接合部分におけ
る高さ方向を含む3次元形状の検査精度を向上すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフリップチ
ップ、BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チッ
プスケールパッケージ)等のような電子部品であってそ
の裏面に電極がある電子部品を含む表面実装部品の電極
と、例えば回路基板のような被装着体に形成されている
電極との間の接合状態をX線透視画像に基づき検査す
る、X線を用いた接合検査装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透視型X線検査機を用いた実装検
査方法としては、部品実装後の回路基板にX線を垂直に
照射するように配置したX線発生器と、当該回路基板を
透視したX線を検出するX線検出器とを用いて、回路基
板及び回路基板上の電子部品を透視したX線を画像に変
換して、該画像を目視検査、又は画像認識装置による自
動検査にて、部品の電極と回路基板の電極との接合部の
位置ずれ、電極間のショート、半田等の接合材の過不足
やボイド、半田ボールの飛散や異物の混入等を検査して
いた。
【0003】又、断層型X線検査機を用いた実装検査方
法としては、部品実装後の回路基板にX線を斜めから照
射するように配置したX線発生器と、当該回路基板を透
視したX線を検出するX線検出器とを、それぞれ上記回
路基板と平行な平面上で互いに同期して回転させ、上記
回路基板の一定の高さに焦点を合わせてそれ以外の高さ
に位置する面を上記回転動作でぼかすことにより上記回
路基板の水平断面画像を得て、両面実装基板の表側と裏
側を個別に検査できるX線ラミノグラフィーと呼ばれる
手法を用いたX線検査方法も実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、携帯情報機器等
の電子機器の市場では、商品の小型、軽量化が求められ
ており、電子機器を構成する回路基板に対しても小型、
軽量化の要望が強くなっている。そのため、電子部品の
裏面に電極を設けることによりパッケージサイズを小型
化したBGA(ボールグリッドアレイ)や、それをさら
に小型化して半導体ベアチツプと同じくらいの大きさに
したCSP(チップスケールパッケージ)などのパッケ
ージ部品、さらにはパッケージ化されていない半導体ベ
アチップにおけるバンプ電極を介して回路基板上に直接
実装するフリップチップ実装が広く採用されつつある。
【0005】ところで、回路基板上への電子部品の実装
では、電極接合部に不良があると電子機器が正常に動作
しないので、接合不良のある回路基板はその製造工程の
できるだけ早い段階で回収し、修理又は廃棄する必要が
ある。ところが、上述のBGA、CSPや、フリップチ
ップでは、電極が電子部品の裏面にあるため実装後にお
いて電極接合部は外から見えないので、従来のリード付
き電子部品のように電極接合部の外観検査ができないと
いう問題があった。そのため、電極接合部の不良は、電
子機器が動作可能な状態まで組み立てられた後の機能検
査によって初めて発見されており、実装不良のある回路
基板に対しても無駄な組立工程を経る必要があった。こ
のロスコストを削減するために、実装直後において上記
電極接合部をX線を用いて非破壊で検査しようとする取
り組みがなされており、電極接合部の3次元的形状検査
が求められている。
【0006】しかし、従来の技術では、検査箇所の材質
やX線照射条件によりX線吸収係数が異なるため、単に
X線画像の濃淡から検査箇所の高さ方向の形状を定量的
に測定するということはできず、半田等の接合材の3次
元的形状測定が困難であった。又、物質を透視するX線
量は物質の厚さに対して指数関数的に減衰する。よっ
て、X線シンチレータから発せられる光をカメラで撮像
してその画像濃淡により物質の厚さを測定する場合、撮
像系における、画像の濃淡のダイナミックレンジと分解
能の制限とにより、検査対象物の薄い部分では上記X線
シンチレータの輝度が測定領域を越えてしまい、その結
果、画像情報が欠落し、一方、検査対象物の厚い部分で
は検査対象物の厚みの変化量に対するX線画像の濃淡の
変化量を正確に測定ができないという問題点があった。
【0007】さらに、X線画像の電子増幅による粒子ノ
イズやX線焦点の大きさによる画像ぼけ等の影響で画像
が不鮮明となるため、画像計測精度が劣化し、高精度な
検査が困難であった。又、上記透視型X線装置による両
面実装基板の検査では、基板の表面の部品と裏面の部品
が重なって写るため、通常の撮像方法及び認識方法で検
査することが困難である。又、上述の断層撮影方法を用
いた検査装置は、構造的に設備コストが高くなるという
問題点があった。本発明はこのような問題点を解決する
ためになされたもので、実装された電子部品の電極接合
部のX線検査において、検査箇所の高さ方向を含む3次
元形状を高精度で検査可能な接合検査装置及び方法を提
供することを第1目的とし、検査箇所の輪郭形状の検査
精度を従来に比べて向上可能な接合検査装置及び方法を
提供することを第2目的とし、透視型X線装置を用いて
両面装着後の被装着体の表面と裏面とをそれぞれ個別に
検査可能な接合検査装置及び方法を提供することを第3
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1態様の接合
検査装置は、電子部品の部品側電極と上記電子部品が装
着される被装着体の被装着体側電極との接合部分に照射
するX線を発生するX線発生器と、上記接合部分を透過
したX線を可視光に変換するX線シンチレータと、上記
X線シンチレータから送出された上記可視光にてなる上
記接合部分のX線透視画像を撮像する撮像装置と、上記
接合部分の厚みとX線透視画像の明るさとの関係を示す
第1較正情報を予め格納し、上記撮像装置から供給され
た上記接合部分のX線透視画像について上記第1較正情
報を用いて上記接合部分における厚さ情報を生成する制
御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0009】上記第1較正情報は、上記部品側電極と上
記被装着体側電極との上記接合部分と同じ材質にてなり
複数の測定点において上記X線の透視方向に沿った厚み
が互いに異なりかつそれぞれの上記厚みが既知である教
示治具を用いて得られ、上記X線発生器、X線シンチレ
ータ、及び撮像装置を用いて、上記被装着体及び電子部
品に代えて上記教示治具をX線撮像して、上記各測定点
におけるX線透視画像の明るさを求め、得られる各測定
点の厚みと各明るさとの関係に基づいて上記接合部分の
厚みとX線透視画像の明るさとの関係を示した情報であ
るように構成することもできる。
【0010】上記制御装置は、上記第1較正情報に代え
て又は上記第1較正情報とともに、各測定点における厚
みと、上記測定点におけるX線透視画像の明るさが検出
用明るさに達するまでに要する画像蓄積時間との関係を
示した第2較正情報を格納し、上記撮像装置から供給さ
れた上記装着部分内の検査箇所における明るさが上記検
出用明るさに到達するまでの時間を元に上記第2較正情
報に基づいて上記検査箇所の厚さ情報を生成することも
できる。
【0011】又、本発明の第2態様の接合検査装置は、
上記第1態様の接合検査装置において、上記X線発生器
は、上記接合部分を含み上記被装着体上に上記電子部品
が装着された装着部分にX線を照射し、上記撮像装置
は、上記装着部分のX線透視画像を蓄積する画像蓄積部
を有し、上記制御装置は、上記X線透視画像の蓄積開始
時において上記X線透視画像内の最も明るい部分の明る
さが白色に到達するまで上記撮像装置に対して上記X線
透視画像の蓄積を行わせるように構成することもでき
る。
【0012】又、本発明の第3態様の接合検査装置は、
上記第1態様又は第2態様の接合検査装置において、板
状の上記被装着体の一方の面に装着される上記電子部品
と他方の面に装着される上記電子部品との少なくとも一
部が上記被装着体を間に挟んで互いに重なり合って配置
される場合であって、上記一方及び他方の両面に装着さ
れたそれぞれの上記電子部品における上記装着部分の上
記厚さ情報を生成するとき、上記制御装置は、上記一方
の面に装着された電子部品の上記接合部分の第1厚さ情
報を求め、さらに両面にて重なり合って電子部品が装着
されたところの上記接合部分について第2厚さ情報を求
め、該第2厚さ情報から上記第1厚さ情報を減算して上
記他方の面に装着された電子部品の上記接合部分の厚さ
情報を求めるように構成することもできる。
【0013】又、本発明の第4態様の接合検査方法は、
電子部品の部品側電極と上記電子部品が装着される被装
着体の被装着体側電極との接合部分にX線を照射し、上
記接合部分を透過したX線を可視光に変換して該可視光
にてなる上記接合部分のX線透視画像を撮像し、上記接
合部分の厚みとX線透視画像の明るさとの関係を示す第
1較正情報を用いて、上記接合部分のX線透視画像につ
いて上記接合部分における厚さ情報を生成する、ことを
特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態である接合検査
装置、及び該接合検査装置にて実行される接合検査方法
について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図
において同じ構成部分については同じ符号を付してい
る。又、上記「課題を解決するための手段」に記載する
「被装着体」の機能を果たす一例として本実施形態では
電子部品104が装着される回路基板103を例に採る
がこれに限定されるものではなく、例えば、電子部品1
04が装着される、液晶表示部を有する基板や、さらに
は電子部品104を装着する部品等を含む概念である。
又、上記「課題を解決するための手段」に記載する「電
子部品」としては、上述したように樹脂封止され裏面に
電極を露出させたような電子部品や、パッケージ化され
ていない上記フリップチップ実装されるベアチップのよ
うな電子部品等を含む概念である。又、以下に記載する
第1及び第2実施形態に記載する「電子部品104」と
して、上記BGA、CSP、フリップチップ等の表面実
装部品を例に採る。
【0015】第1実施形態;図1に示すように、本実施
形態の電極接合検査装置101は、大別してX線発生器
111と、X線シンチレータ115と、撮像装置120
と、制御装置121とを備える。又、上記撮像装置12
0は、カメラ117、及び該カメラ117が送出する撮
像情報が供給される画像処理装置118から構成され
る。上記X線発生器111は、電子部品104の裏面に
形成された部品側電極と、該電子部品104が装着され
る回路基板103に形成された被装着体側電極との接合
により回路基板103上に電子部品104が装着された
装着部分151に照射するX線152を発生する。ここ
でX線の照射条件としては、約50kVから200kV
程度の電圧を用い、本実施形態では、90kV、0.5
mAを使用している。又、上記装着部分151へX線を
照射するときの上記照射条件は、後述の教示治具125
を使用して較正情報を得るときに使用した照射条件と同
一の条件である。尚、本実施形態では、X線152は上
記装着部分151の範囲に照射されるが、少なくとも、
上記部品側電極と上記被装着体側電極との接合部分の範
囲に照射されれば良い。上記X線シンチレータ115
は、上記装着部分151を透過したX線を、該X線のX
線強度に比例した光量を有する可視光に変換する。この
とき、X線152は、透過した少なくとも一つの物質の
厚みと、該物質におけるX線吸収係数に応じて減衰され
るので、回路基板103及び電子部品104の上記装着
部分115における各部分のX線減衰量に応じたX線透
視画像がX線シンチレータ115に映し出される。よっ
てX線シンチレータ115は、上記X線透視画像に対応
して可視光を発生する。
【0016】X線シンチレータ115から発した上記可
視光は、ミラー116にて反射させてカメラ117に入
射させる。このようにミラー116を設けるのは、X線
の照射範囲外にカメラ117を配置しX線の直射による
カメラ116のダメージを避けるためである。カメラ1
17にて撮像された上記装着部分151の画像は、画像
処理装置118にて画像処理される。電子部品104の
上記部品側電極と、回路基板103の上記被装着体側電
極との接合部分には、一般的にX線の吸収率が高い鉛や
錫等の重金属材料が使われることから、X線による透視
画像に対応する上記可視光を画像処理することで、上記
接合部分は、上記装着部分151内での上記接合部分の
周辺部に比べて黒く表示される。よって、上記接合部分
とその周辺部とを区別することができる。画像処理後の
画像は、制御装置121及び表示装置の一例としてのモ
ニタテレビ119に送出される。
【0017】制御装置121は、上記X線発生器11
1、カメラ117、及び画像処理装置118に接続さ
れ、これらの動作制御を行うとともに、さらに、記憶装
置122には、上記接合部分の厚みとX線透視画像の明
るさとの関係を示す第1較正情報を格納し、撮像装置1
20の画像処理装置118から供給された上記装着部分
のX線透視画像について上記第1較正情報を用いて装着
部分151内の上記接合部分における厚さ情報を生成す
る。さらに、上記記憶装置122には、上記接合部分に
ついて良好な接続が行われた場合の上記接合部分におけ
る良品厚さ情報が格納されている。図6〜図8には、上
記BGAタイプの電子部品104と回路基板103の接
合部分の断面図を示し、図6には、電子部品104の上
記部品側電極1041と、該電子部品104が装着され
る回路基板103に形成された被装着体側電極1031
とが半田ボール1042及びクリーム半田1032にて
正常に接合された、良品の場合が示され、図7にはクリ
ーム半田1032が不足している場合が示され、図8に
は半田ボール1042とクリーム半田1032とが接合
していない接触不良、いわゆるオープン不良の場合が示
されている。上述した電極接合検査装置101にてX線
による厚さ測定を行ったとき、図7の半田不足の場合に
は、半田ボール1042の周辺部分1033の厚さが上
記良品の場合に比べて低くなり、又、図8の上記オープ
ン不良の場合には、半田ボール1042の中心付近での
厚さが上記良品の場合に比べて厚くなる。このように、
制御装置121は、上記部品側電極1041と上記被装
着体側電極1031との上記接合部分における厚みを上
記画像の濃淡に基づき観察し、上記良品の場合の厚み情
報と比較することで、該接合部分の接合の良否を判定す
る。
【0018】ここで、上記第1較正情報とは以下のよう
にして求める。即ち、図3に示すような、上記部品側電
極と上記被装着体側電極との上記接合部分に同じ材質に
てなり例えば階段状やくさび状等の形状にてなり複数の
測定点1251−1、1251−2、…を有する教示治
具125であってその厚み方向である上記X線の透過方
向1252に沿った厚みが互いに異なりかつ各厚みが既
知である教示治具125を、上記X線発生器111、カ
メラ117、及び画像処理装置118を用いて撮像す
る。本実施形態では、教示治具125は、半田ボール1
042と同一材質の材料にて作製されている。又、上記
同一材質とは、X線の透過率が同一である材質をいい、
具体的には材料成分及び該成分の含有量の両者が同一で
ある材質をいう。又、教示治具125は9つの測定点1
251−1〜1251−9を有するが、厚みの異なる測
定点の数はこれに限定されるものではない。上記撮像に
より画像処理装置118から送出される画像1253
は、図4に示すように上記測定点1251−1から12
51−9に向けて、教示治具125の厚みが増加するに
伴い、順次、画像濃度、本実施形態では白黒カメラを使
用しているので白色の濃度値が段階的に減少していく。
上述のように各測定点1251における教示治具125
の厚みは判っているので、各測定点1251の厚み寸法
と各測定点1251に対応する相対画像濃度値との関係
に基づいて、横軸がX線透過物質の厚さ、縦軸が相対画
像濃度を表す座標系にそれぞれの上記測定点1251の
濃度値をプロットして各プロットを結ぶ近似曲線を作成
し、図5に示す対数曲線1254を作成することができ
る。このようにして求まった上記対数曲線1254を表
す情報が上記第1較正情報に相当する。又、該第1較正
情報は、回路基板103上に電子部品104が装着され
た上記装着部分151の上記接合部分を検査する前に制
御装置121の上記記憶装置122に格納されている必
要があるが、その格納方法は、検査開始前に実際に上記
教示治具125を使用して上記第1較正情報を得て格納
してもよいが、実際的には、予め求めた上記第1較正情
報を記録した例えばフロッピーディスク等の記録媒体か
ら供給してもよいし、又、通信回線を使用して供給する
方法等、公知の方法を採ることができる。 又、上記画
像濃度を示す画像全体の各画素毎に、上記対数曲線12
54を使って変換すればX線透視画像を厚さを表す画像
に変換することもできる。
【0019】このように構成される電極接合検査装置1
01における動作を以下に説明する。検査対象である、
回路基板103上に電子部品104が装着された上記装
着部分151に対してX線発生器111からX線152
を照射して、上記装着部分151を透過した画像情報に
対応してX線シンチレータ115から送出される可視光
をカメラ117にて撮像する。カメラ117にて撮像さ
れたX線透視画像は画像処理装置118に送出され画像
処理が行われ、処理後の画像は、制御装置121へ送出
される。制御装置121は、上記第1較正情報と、上記
処理後の画像における上記相対画像濃度とに基づいて、
上記装着部分151の内、特に上記接合部分の厚み情報
を生成し、さらに、該厚み情報と上記良品の場合の厚み
情報とを比較して、各接合部分の接合の良否を判断す
る。
【0020】上述したように、上記第1較正情報を使用
することで、検査箇所である上記装着部分151につい
て、回路基板103及び電子部品104の厚み方向に沿
った高さ方向を含んだ3次元形状にて高精度で検査する
ことが可能となる。
【0021】第1変形例;上述した電極接合検査装置1
01の変形例として以下の構成を採ることもできる。本
変形例では、上記カメラ117に代えて、図9に示す画
像蓄積型のカメラ1171を使用する。X線を用いた非
破壊検査では、検査対象に入射したX線の強度と検査対
象を透過した後のX線強度の関係は、I=I0exp(−μ
x)、にて表される。ここで、Iは透過X線の強度、I
0は入射X線の強度、μはX線が透過した物質の吸収係
数、xは当該X線が透過する物質の厚み、である。上記
画像蓄積型のカメラ1171は、長時間露光可能なシャ
ッター機構1172と、撮像画像を蓄積可能な、画像蓄
積部に相当する画像メモリ1173とを有し、微弱な光
量の撮像対象部分、言い換えるとX線透過量が少ない撮
像対象部分でも、長時間露光を行うことにより、上記相
対画像濃度を引き上げることができる。
【0022】X線シンチレータ115は、透過したX線
の強度に比例して発光するので、同一の検査条件、検査
対象物にて上記画像蓄積時間を変化させた場合、撮像に
より得たX線透視画像の上記相対画像濃度と透過物質の
厚さとの関係は、図10に示すようなグラフで表され
る。尚、この図10に示すような関係を測定するときに
も、上述した教示治具125を使用することができる。
又、図11には、例えばX線発生器111から照射され
るX線152の強度を強、中、低と変化させた場合にお
いて、上記相対画像濃度と画像蓄積時間との関係が示さ
れている。同一の相対画像濃度を得ようとしたとき、当
然ながら、X線152の強度が最も強い場合(グラフ1
61)、上記画像蓄積時間が最も短く、次に上記強度が
中程度の場合(グラフ162)が次に短く、上記強度が
最も低い程度の場合(グラフ163)が最も長くなる。
【0023】図14〜図18を参照して、画像蓄積時間
の違いによる上記相対画像濃度の変化を説明する。尚、
図14〜図17は、上記接合部分の内の一つの部分にお
ける、上記画像処理装置118から送出された上記処理
済画像を示し、上記接合部分に相当する画像164と、
上記接合部分の周辺部分の画像165と、測定ライン1
66とを示している。又、図14は、上記画像蓄積時間
が1秒の場合の画像であり、図15は4秒の場合であ
り、図16は8秒の場合であり、図17は16秒の場合
の画像である。図18の(a)〜(d)は、図14〜図
17の各測定ライン166に対応しており、各測定ライ
ンにおける輝度を示すグラフであり、図18の(a)〜
(d)における横軸は、測定ライン166に沿った座標
値、具体的には画素数を表しており、縦軸は輝度値、具
体的には本実施形態では0〜255階調を示している。
【0024】図14における画像蓄積時間が1秒の場合
では、画像蓄積時間が短すぎる為に全体に画像が暗く、
図18の(a)に示すように、接合部分の画像164と
その周辺部分の画像165との境界が明確に識別できな
い。図15における画像蓄積時間が4秒の場合でも、図
18(b)に示すように上記画像164と上記画像16
5とのコントラストは十分でない。図16における画像
蓄積時間が8秒の場合、図18(c)に示すように上記
画像165の上記相対画像濃度がカメラ1171のダイ
ナミックレンジの最大値に達して、上記画像164と上
記画像165とのコントラストが最大になり、上記接合
部分の大きさや形状の判定に最適な画像となる。後述の
ように、画像蓄積開始から上記相対画像濃度がカメラ1
171のダイナミックレンジの最大値に達するまでの時
間が登録され、登録された蓄積時間にて撮像を行うこと
で、常に図18の(c)に近い相対画像濃度で検査を行
うことが可能となる。一方、図17における画像蓄積時
間が16秒の場合、図18(d)に示すように上記画像
165の上記相対画像濃度がカメラ1171のダイナミ
ックレンジの最大値を超えてしまうことから、上記接合
部分の画像164の大きさが実際より小さくなり、上記
接合部分の正確な形状判定ができなくなる。
【0025】このような画像蓄積型のカメラ1171を
有する電極接合検査装置における動作は、大きく分け
て、画像蓄積時間決定動作と検査動作とに分けられる。
上記画像蓄積時間決定動作は、検査対象物に最適な画像
蓄積時間を求める動作である。つまり、図12に示すよ
うに、ステップ(図内では「S」にて示す)1では、検
査対象物の、電子部品104を装着した回路基板103
を当該電極接合検査装置にセットし、上記装着部分15
1に対してX線発生器111からX線を照射する。ステ
ップ2では、カメラ1171のシャッター機構1172
にてシャッターを開き、X線シンチレータ115から発
せられミラー116を介して供給されるX線透視画像の
蓄積を開始する。ステップ3〜ステップ5にて、制御装
置121は画像処理装置118から一定時間毎に供給さ
れる処理済画像に基づいて、上記X線透視画像における
コントラストが最大になるまでコントラストの判定を繰
り返す。ここで、コントラストが最大になるとは、X線
透視画像の蓄積を開始した時点で上記X線透視画像内の
最も明るい部分が、本実施形態では上記相対画像濃度の
最大値、つまり白色に達した時点にてコントラストが最
大になったものと判断する。尚、上記コントラストが最
大になった判断としては、上記X線透視画像内の最も明
るい部分が上記相対画像濃度の最大値に達した時点に限
定するものではなく、例えば上記最も明るい部分が上記
相対画像濃度のある設定値に到達した時点とすることも
できる。又、上記最も明るい部分とは、撮像した上記X
線透視画像内の最も明るい画素をいう。上記図14〜図
17に示す例の場合、X線透視画像の蓄積を開始した時
点で上記X線透視画像内の最も明るい部分は、図14に
示す上記画像165に対応する。よって、該画像165
が上記相対画像濃度の最大値に到達した時点である図1
6に示される時点にてコントラストが最大になったもの
と判断される。上記コントラストが最大になったと判断
されたならば、制御装置121は、ステップ6にて上記
X線152の照射を停止し、ステップ7にてX線透視画
像の蓄積開始からコントラストが最大になるまでに要し
た時間を登録する。
【0026】上記検査動作では、上記画像蓄積時間決定
動作にて用いた検査対象物と同一若しくは同程度の、電
子部品104を装着した回路基板103が当該電極接合
検査装置に搬入され、ステップ8にて上記装着部分15
1に対してX線発生器111からX線を照射する。ステ
ップ9では、カメラ1171のシャッター機構1172
にてシャッターを開き、X線シンチレータ115から発
せられミラー116を介して供給されるX線透視画像の
画像メモリ1173への蓄積を開始する。次に、ステッ
プ10では、制御装置121は、カメラ1171に対し
て上記ステップ7で登録された画像蓄積時間にわたり画
像蓄積を続けさせた後、ステップ11にて画像処理装置
118から処理済画像の供給を受け、ステップ12でX
線の照射を停止する。そして制御装置121は、ステッ
プ13では、上述したように予め格納している上記良品
厚さ情報と上記処理済画像との比較を行うことで検査箇
所である上記接合部分の良否判定を行う。
【0027】以上説明したように本変形例によれば、回
路基板104の接合部分を含む画像の中で撮像開始時に
最も明るい部分がカメラ1171のダイナミックレンジ
の最大値に一致するまで画像蓄積時間を制御するように
構成した。これにより、接合部分とそれ以外の背景部分
とのコントラストが最大になり上記接合部分の輪郭形状
がより鮮明になる。よって、上記接合部分の輪郭形状の
検査精度を向上することができる。
【0028】第2変形例;又、上述のように画像蓄積が
可能なカメラ1171を使用した場合には、以下のよう
な変形例を構成することもできる。即ち、同一の検査条
件、検査対象物にて上記画像蓄積時間を変化させること
で得られる、上記図10に示すような、撮像により得た
X線透視画像の上記相対画像濃度と透過物質の厚さとの
関係に基づいて、図19に示すように、画像蓄積時間を
横軸に、透過物質の厚さを縦軸に取って、相対画像濃度
値が例えば50に達するまでの、透過物質の厚さと画像
蓄積時間との関係を表すグラフを作成することができ
る。制御装置121の上記記憶装置122に、上記第1
較正情報に代えて、又は上記第1較正情報とともに、上
述の画像蓄積時間と透過物質の厚さとの関係を示した第
2較正情報を格納する。尚、上記画像蓄積時間を定める
ときの上記相対画像濃度値は上述の50に限定されるも
のではなく、画像蓄積時間から透過物質の厚さを求める
のに、各検査対象に応じて適切となる検出用明るさに対
応する値であればよい。尚、上記第2較正情報を得るた
めに、例えば上記教示治具125を用いることもでき
る。即ち、教示治具125の各測定点1251につい
て、各測定点1251の厚みは既知であるから、所望の
厚みの測定点1251における上記相対画像濃度値が例
えば50に到達するまでの時間を求めることで、上記第
2較正情報を得ることができる。このような第2較正情
報を使用することで、制御装置121は、画像処理装置
118から供給される処理済画像内の任意の厚さ検査し
たい箇所について、上記相対画像濃度が例えば50に達
するまでの画像蓄積時間を測定することで、検査対象物
における上記処理済画像内の上記任意の厚さ検査箇所に
おける透過物質の厚さを求めることができる。
【0029】上記第2較正情報を使用した場合におけ
る、上記接合部分の良否判定動作は図20に示す動作に
て実行される。ステップ21では、電子部品104を装
着した回路基板103が当該電極接合検査装置に搬入さ
れ、上記装着部分151に対してX線発生器111から
X線を照射する。ステップ22では、カメラ1171の
シャッター機構1172にてシャッターを開き、X線シ
ンチレータ115から発せられミラー116を介して供
給されるX線透視画像の蓄積を開始すると同時に、ステ
ップ23ではカメラ1171の画像メモリ1173への
画像蓄積時間の測定を開始する。
【0030】次に、ステップ24〜ステップ26にて、
X線透視画像の画像蓄積と、該X線透視画像内において
厚さ測定を行いたい任意の厚さ検査箇所における上記相
対画像濃度の値が設定値、例えば上記50に到達したか
否かの判定を繰り返す。上記相対画像濃度が上記設定値
に到達したならば、制御装置121は、ステップ27に
てX線透視画像の蓄積開始から上記設定値到達までの画
像蓄積時間を測定し、ステップ28にてX線の照射を停
止する。次に、制御装置121は、ステップ29にて、
ステップ27にて求めた上記画像蓄積時間を元に、上記
第2較正情報を使用して上記厚さ検査箇所における厚さ
を求める。そしてステップ30にて、制御装置121
は、上記厚さ検査箇所における厚さと、予め記憶装置1
22に格納した、良品の場合において上記厚さ検査箇所
に対応する箇所の基準厚さとを比較し、検査箇所である
上記厚さ検査箇所の良否判定を行う。
【0031】以上説明したように本変形例によれば、X
線透視画像の画像蓄積時間を制御できるカメラを使用し
て、厚さ測定を行う上記厚さ検査箇所の画像濃度が所定
の値になるまでX線透視画像を蓄積し、当該蓄積時間か
ら測定箇所の厚さを求めるようにしたことから、検査箇
所の厚さを測定する際に、接合部分の厚さが大きく変化
しても上記蓄積時間を変化させることで厚さ測定の分解
能を最大にすることができ、よって検査精度を従来に比
べて向上させることができる。
【0032】第3変形例;さらに上記制御装置121
は、上述のような機能に代えて又は上述の機能に付加す
るようにして、以下のような機能を実行するように構成
することもできる。即ち、上述した各例では、画像処理
装置118から供給される処理済画像に基づいて上記接
合部分の上記厚みを求めたが、本例では、上記処理済画
像を元に回路基板103に装着されている電子部品10
4の位置ズレを求める。以下に具体的に説明する。上記
部品位置ズレの自動検査は以下のように行われる。ま
ず、回路基板103に形成された上記被装着体側電極の
NC座標データと、回路基板103に形成されている2
つの補正マークのNC座標データとを、予めCADデー
タ等から制御装置121の記憶装置122に格納してお
く。尚、上記NC座標データとは、どの部品を回路基板
上のどの位置にどの順番で装着するか等の部品装着動作
に関する情報であるNCプログラム内に含まれる、上記
被装着体側電極や補正マークの座標データであり、例え
ば当該電極接合検査装置101に設定された座標系にお
ける原点を基準として得られる絶対的な座標データであ
る。当該電極接合検査装置101に、電子部品104装
着済の回路基板103が搬入された後、上述のX線撮像
により画像処理装置118から得られる処理済画像に基
づき上記2つの補正マークの位置を認識し、上記搬入に
よるX、Y方向及び回転方向の位置ズレ量を求める。さ
らに、当該位置ズレ量から回路基板103の上記被装着
体側電極における上記NC座標データを補正し、補正後
の上記被装着体側電極の補正NC座標データと、上記処
理済画像から求めた電子部品104の部品側電極の実際
の位置データとのズレ量を求めることにより行う。
【0033】さらに図21、22を参照して上記部品位
置ズレの検査方法を説明する。図21において、ステッ
プ41では、検査対象であり電子部品104装着済の回
路基板103が当該電極接合検査装置101に搬入され
た後、上記装着部分151にX線が照射される。図1で
は、電子部品104の全体を網羅してX線152が照射
されている図示となっているが、一般的には、X線15
2の照射範囲は電子部品104の全範囲よりも狭い。よ
って、次のステップ42では、図22に示す補正マーク
1034へ上記照射範囲を移動させるため、X,Y方向
への移動装置131又は移動装置132にて回路基板1
03又はX線発生器111を移動させる。次のステップ
43にて、制御装置121は画像処理装置118から供
給される上記処理済画像に基づき補正マーク1034の
実際の位置を求める。同様に、ステップ44にて、補正
マーク1035へ移動し、ステップ45にて制御装置1
21は補正マーク1035の実際の位置を求める。次
に、ステップ46にて、制御装置121は、補正マーク
1034及び補正マーク1035の上記NC座標データ
と上記実際の位置データとから、補正マーク1034及
び補正マーク1035の位置ズレ量を求め、該位置ズレ
量に基づき、回路基板103上の各被装着体側電極10
36の位置を求める。次に、ステップ47にて、検査対
象の接合部分の位置へ移動し、ステップ48にて、画像
処理装置118からそれぞれの部品側電極1043の位
置を認識する。次にステップ49にて、制御装置121
は、求めたそれぞれの部品側電極1043の位置データ
を元に、下記の数1に示す計算式に基づいて電子部品1
04の位置ずれ量を求める。ステップ50でX線の照射
を停止した後、ステップ51にて、部品側電極1043
と上記被装着体側電極1036とが互いに外れることな
く接合しているか否かの良否判定を行う。
【0034】
【数1】
【0035】ここで、dXP:X方向の電子部品の位置
ズレ量、dYP:Y方向の電子部品の位置ズレ量、dθ
P:回転方向の電子部品の位置ズレ量、xki:検出さ
れたそれぞれの上記部品側電極のX座標、yki:検出
されたそれぞれの上記部品側電極のY座標、xni:そ
れぞれの上記部品側電極のNC座標データにおけるX座
標、yni:それぞれの上記部品側電極のNC座標デー
タにおけるY座標、n:電極数、である。又、上記回転
方向の電子部品の位置ズレとは、図22に示す部品中心
1044を回転中心とした電子部品104の回転量であ
って、上記NC座標データ上の電子部品104の位置に
対する実際の電子部品104の位置とズレ量である。
【0036】以上説明したように本変形例によれば、複
数の上記被装着体側電極に対応する複数の部品側電極の
位置ずれ方向、及び位置ずれ量の各平均値から電子部品
104の水平方向の位置ずれ量と回転方向の位置ずれ量
とを求めるように構成した。よって、電子部品の実装位
置ずれ量を高精度に計測することが可能となる。
【0037】第2実施形態;上述の第1実施形態におけ
る電極接合検査装置101は、回路基板103の片面に
電子部品104を装着したものに対して検査を行う装置
である。一方、該第2実施形態では、図23に示すよう
に、上述した電極接合検査装置101からなら2台の電
極接合検査装置101Aと電極接合検査装置101Bと
について、上記電極接合検査装置101Aに備わり、上
記制御装置121に相当する制御装置121Aと、上記
電極接合検査装置101Bに備わり、上記制御装置12
1に相当する制御装置121Bとを接続する。そして回
路基板103の両面に電子部品104を装着したものに
対して上記接合部分の接合検査を可能とする電極接合検
査装置201である。該電極接合検査装置201は、概
略、以下のように動作する。
【0038】即ち、電子部品の両面実装工程において、
回路基板の一方の面をA面、他方の面をB面としたと
き、最初に行われるA面実装工程では片面のみに電子部
品が実装されているので、上述の第1実施形態の電極接
合検査装置101にて上記接合部分についてX線を用い
た検査が可能である。しかし、該回路基板を反転して上
記B面に電子部品を実装すると上記A面にも実装部品が
存在することから、X線透視画像では上記A面とB面が
重なった画像となり、そのままでは検査が困難になる。
そのため、上記A面のX線透視画像を基板反転に合わせ
て画像を反転し、上記B面のX線透視画像から前記A面
の反転画像を減算することによりB面のみの画像を抽出
して検査する。このとき、上記A面、B面の上記X線透
視画像の上記相対画像濃度は透過物質の厚さの対数関数
で表されるので、単純に両者を減算してもB面だけの画
像を抽出することはできない。そのため、上記画像の減
算は、X線透視画像を対数変換して作成した、厚さに関
する画像により行う。又、A面画像とB面画像とを対応
させる為に、回路基板にバーコード等にて識別情報であ
る基板IDを印刷しておき、上記A面の撮像を行う電極
接合検査装置で読み取った基板IDと、撮像したA面に
おける上記厚さ画像とを一緒にして、上記B面の撮像を
行う電極接合検査装置に送信する。該B面の電極接合検
査装置では、検査対象基板から読み取った基板IDと上
記A面の電極接合検査装置から送られた上記基板lDが
一致したとき、B面の電極接合検査装置にて得た厚さ画
像から上記A面の電極接合検査装置にて得た厚さ画像を
減算して接合検査を行う。
【0039】以下、図24を用いて上記接合検査動作に
ついて説明する。回路基板103のA面に装着された電
子部品104の接合部分を検査するA面検査工程におい
て、ステップ61にて、上記A面に電子部品104を実
装した回路基板103を搬入し、ステップ62にてX線
を上記B面側から照射する。次にステップ63にて制御
装置121Aは画像処理装置118からX線透視画像の
供給を受け、ステップ64にて制御装置121Aは、上
記X線透視画像の相対画像濃度について透過物質の厚さ
の対数関数で表されているのを、厚さの関数に変換して
接合部分を検査する。ステップ65では、変換した上記
厚さの関数にて表された、第1厚さ情報に相当する画像
情報と当該回路基板のID(識別情報)とを、回路基板
103のB面に装着された電子部品104の接合部分を
検査する電極接合検査装置101Bに送信し、ステップ
66でX線照射を停止する。ステップ67では、生産を
続行するかどうかの判断を行い、続行するときにはステ
ップ61に戻ってステップ61〜67を繰り返す。又、
上記電極接合検査装置101Aによる検査後、回路基板
103は、部品実装機へ搬送され、B面側に電子部品1
04が装着される。
【0040】一方、回路基板103のB面に装着された
電子部品104の接合部分を検査するB面検査工程で
は、ステップ68にて、予め上記電極接合検査装置10
1Aから上記第1厚さ情報と上記基板IDを受信し、電
極接合検査装置101Bの制御装置121Bの記憶装置
122に記憶しておく。次に、ステップ69では、B面
側にも電子部品104が装着されて両面に電子部品10
4が装着された回路基板103が電極接合検査装置10
1Bに搬入される。ステップ70にて、A面側からX線
が照射される。次にステップ71にて、制御装置121
Bは画像処理装置118からA、B両面に装着されてい
る電子部品104のX線透視画像の供給を受ける。ステ
ップ72では、制御装置121Bは、上記制御装置12
1Aと同様に当該X線透視画像を第2厚さ情報に相当す
る厚さ画像情報に変換した後、上記電極接合検査装置1
01Aから供給された、同じ基板IDを有する回路基板
103の上記第1厚さ情報を反転、つまり厚さの高、低
が逆転するようにして、減算することによりB面に装着
された電子部品104の接合部分のみの厚さ情報を抽出
する。次に、ステップ73では、制御装置121Bは、
抽出された上記厚さ情報に基づきB面に装着された電子
部品104の接合部分を検査した後、ステップ74でX
線照射を停止する。ステップ75では生産を続行するか
どうかの判断を行い、続行するときにはステップ68に
戻ってステップ68〜75を繰り返す。
【0041】以上説明したように本第2実施形態によれ
ば、両面実装後の回路基板におけるX線透視画像の上記
第2厚さ情報から、表面のみ実装した後の回路基板にお
けるX線透視画像の上記第1厚さ情報を減算すること
で、回路基板の裏面の接合部分を検査する機能を有する
ように構成した。よって、透過型X線装置を用いて両面
実装後の回路基板の表面と裏面とに実装された電子部品
の接合部分をそれぞれ個別に検査することができる。
【0042】上述の第1及び第2実施形態では、検査対
象として、電子部品104の裏面に形成された部品側電
極と、回路基板103に形成された被装着体側電極との
接合部分を例に採っているが、これに限定されず、例え
ば複数の電子部品同士の接合部分を検査対象とすること
もできる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の第1態様の
接合検査装置、及び第4態様の接合検査方法によれば、
制御装置を備え、被装着体と電子部品との装着部分のX
線透視画像について第1較正情報を用いて上記装着部分
内の接合部分における厚さ情報を生成するようにした。
ここで上記第1較正情報は、被装着体と電子部品との接
合部分に同じ材質にてなりX線の透視方向に沿った厚み
が互いに異なりかつ各厚みが既知である複数の測定点を
有する教示治具を用いて得られた上記接合部分の厚みと
X線透視画像の明るさとの関係を示す情報である。よっ
て、上記装着部分について、上記被装着体及び電子部品
の厚み方向に沿った高さ方向を含んだ3次元形状にて高
精度で検査することが可能となる。
【0044】又、本発明の第2態様の接合検査装置によ
れば、画像蓄積が可能な撮像装置を備えることで、上記
X線透視画像の蓄積開始時に最も明るい部分が白色に到
達するまで画像蓄積時間を制御するように構成した。こ
れにより、上記接合部分とそれ以外の背景部分とのコン
トラストが最大になり上記接合部分の輪郭形状がより鮮
明になる。よって、上記接合部分の輪郭形状の検査精度
を向上することができる。
【0045】又、本発明の第3態様の接合検査装置によ
れば、被装着体の表裏両面に電子部品が装着された被装
着体におけるX線透視画像の第2厚さ情報から、上記表
裏面の一方の面のみに装着した後の上記被装着体におけ
るX線透視画像の第1厚さ情報を減算することで、上記
被装着体の上記表裏面の他方の面に装着された電子部品
の接合部分を検査するように構成した。よって、透過型
X線装置を用いて上記被装着体の両面に実装された電子
部品の接合部分をそれぞれ個別に検査することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態における電極接合検査
装置の構成を示す図である。
【図2】 図1に示す電極接合検査装置にて教示治具を
撮像した状態を示す図である。
【図3】 図2に示す教示治具の斜視図である。
【図4】 図2に示す電極接合検査装置にて教示治具を
撮像したときのX線透視画像を示す図である。
【図5】 図1に示す電極接合検査装置にて作成した第
1較正情報を説明するためのグラフである。
【図6】 回路基板と電子部品との接合部分であって良
品の場合を示す断面図である。
【図7】 回路基板と電子部品との接合部分であって半
田不足の場合を示す断面図である。
【図8】 回路基板と電子部品との接合部分であって接
続不良の場合を示す断面図である。
【図9】 図1に示す電極接合検査装置に備わるカメラ
部分の変形例を示す図である。
【図10】 図9に示すカメラにて画像蓄積時間を変化
させた場合において、相対画像濃度と透過物質の厚さと
の関係を示すグラフである。
【図11】 発光体の輝度を変化させた場合において、
相対画像濃度と画像蓄積時間との関係を示すグラフであ
る。
【図12】 図9に示すカメラを使用して撮像を行う場
合であって画像蓄積時間の設定動作を行うときの動作を
示すフローチャートである。
【図13】 図9に示すカメラを使用して撮像を行う場
合であって設定した画像蓄積時間にて撮像を行い接合部
分の良否判定を行うときの動作を示すフローチャートで
ある。
【図14】 図9に示すカメラを使用して撮像を行う場
合であって画像蓄積時間が不足している状態の画像を示
す図である。
【図15】 図9に示すカメラを使用して撮像を行う場
合であって画像蓄積時間が不足している状態の画像を示
す図である。
【図16】 図9に示すカメラを使用して撮像を行う場
合であって画像蓄積時間が良好な状態の画像を示す図で
ある。
【図17】 図9に示すカメラを使用して撮像を行う場
合であって画像蓄積時間が超過している状態の画像を示
す図である。
【図18】 (a)は図14に示す測定ラインに沿った
位置と輝度との関係を示すグラフであり、(b)は図1
5に示す測定ラインに沿った位置と輝度との関係を示す
グラフであり、(c)は図16に示す測定ラインに沿っ
た位置と輝度との関係を示すグラフであり、(d)は図
17に示す測定ラインに沿った位置と輝度との関係を示
すグラフである。
【図19】 一定の相対画像濃度に達するまでの画像蓄
積時間と、透過物質の厚さとの関係を示した第2較正情
報を説明するためのグラフである。
【図20】 上記第2較正情報を使用して接合部分の良
否判定を行う動作を示すフローチャートである。
【図21】 回路基板に装着された電子部品の位置ズレ
の検査動作を示すフローチャートである。
【図22】 回路基板に装着された電子部品が位置ズレ
状態にある場合を示す図である。
【図23】 本発明の第2実施形態における電極接合検
査装置の構成を示す図である。
【図24】 上記接合検査動作を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
101…電極接合検査装置、103…回路基板、104
…電子部品、111…X線発生器、115…X線シンチ
レータ、120…撮像装置、121…制御装置、125
…教示治具、201…電極接合検査装置、1173…画
像蓄積部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻村 昌治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 奥村 一正 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品(104)の部品側電極と上記
    電子部品が装着される被装着体(103)の被装着体側
    電極との接合部分に照射するX線を発生するX線発生器
    (111)と、 上記接合部分を透過したX線を可視光に変換するX線シ
    ンチレータ(115)と、 上記X線シンチレータから送出された上記可視光にてな
    る上記接合部分のX線透視画像を撮像する撮像装置(1
    20)と、 上記接合部分の厚みとX線透視画像の明るさとの関係を
    示す第1較正情報を予め格納し、上記撮像装置から供給
    された上記接合部分のX線透視画像について上記第1較
    正情報を用いて上記接合部分における厚さ情報を生成す
    る制御装置(121)と、を備えたことを特徴とする接
    合検査装置。
  2. 【請求項2】 上記第1較正情報は、上記部品側電極と
    上記被装着体側電極との上記接合部分と同じ材質にてな
    り複数の測定点において上記X線の透視方向に沿った厚
    みが互いに異なりかつそれぞれの上記厚みが既知である
    教示治具(125)を用いて得られ、上記X線発生器、
    X線シンチレータ、及び撮像装置を用いて、上記被装着
    体及び電子部品に代えて上記教示治具をX線撮像して、
    上記各測定点におけるX線透視画像の明るさを求め、得
    られる各測定点の厚みと各明るさとの関係に基づいて上
    記接合部分の厚みとX線透視画像の明るさとの関係を示
    した情報である、請求項1記載の接合検査装置。
  3. 【請求項3】 上記X線発生器は、上記接合部分を含み
    上記被装着体上に上記電子部品が装着された装着部分に
    X線を照射し、 上記撮像装置は、上記装着部分のX線透視画像を蓄積す
    る画像蓄積部(1173)を有し、 上記制御装置は、上記X線透視画像の蓄積開始時におい
    て上記X線透視画像内の最も明るい部分の明るさが白色
    に到達するまで上記撮像装置に対して上記X線透視画像
    の蓄積を行わせる、請求項1又は2記載の接合検査装
    置。
  4. 【請求項4】 上記X線透視画像内の最も明るい部分
    は、上記X線透視画像内において上記接合部分以外の部
    分である、請求項3記載の接合検査装置。
  5. 【請求項5】 上記制御装置は、上記第1較正情報に代
    えて又は上記第1較正情報とともに、各測定点における
    厚みと、上記測定点におけるX線透視画像の明るさが検
    出用明るさに達するまでに要する画像蓄積時間との関係
    を示した第2較正情報を格納し、上記撮像装置から供給
    された上記装着部分内の検査箇所における明るさが上記
    検出用明るさに到達するまでの時間を元に上記第2較正
    情報に基づいて上記検査箇所の厚さ情報を生成する、請
    求項1記載の接合検査装置。
  6. 【請求項6】 上記制御装置は、さらに、上記部品側電
    極と上記被装着体側電極とが良好に接合したときの良品
    厚さ情報を有し、生成した上記接合部分の厚さ情報を上
    記良品厚さ情報と比べることで上記接合部分の良否を判
    断する、請求項1ないし5のいずれかに記載の接合検査
    装置。
  7. 【請求項7】 板状の上記被装着体の一方の面に装着さ
    れる上記電子部品と他方の面に装着される上記電子部品
    との少なくとも一部が上記被装着体を間に挟んで互いに
    重なり合って配置される場合であって、上記一方及び他
    方の両面に装着されたそれぞれの上記電子部品における
    上記装着部分の上記厚さ情報を生成するとき、上記制御
    装置は、上記一方の面に装着された電子部品の上記接合
    部分の第1厚さ情報を求め、さらに両面にて重なり合っ
    て電子部品が装着されたところの上記接合部分について
    第2厚さ情報を求め、該第2厚さ情報から上記第1厚さ
    情報を減算して上記他方の面に装着された電子部品の上
    記接合部分の厚さ情報を求める、請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の接合検査装置。
  8. 【請求項8】 上記X線発生器は、上記第1較正情報を
    得るためにX線を発生したときと同一の照射条件にて上
    記接合部分へのX線の照射を行う、請求項1ないし7の
    いずれかに記載の接合検査装置。
  9. 【請求項9】 電子部品(104)の部品側電極と上記
    電子部品が装着される被装着体(103)の被装着体側
    電極との接合部分にX線を照射し、 上記接合部分を透過したX線を可視光に変換して該可視
    光にてなる上記接合部分のX線透視画像を撮像し、 上記接合部分の厚みとX線透視画像の明るさとの関係を
    示す第1較正情報を用いて、上記接合部分のX線透視画
    像について上記接合部分における厚さ情報を生成する、
    ことを特徴とする接合検査方法。
  10. 【請求項10】 上記接合部分を含んだ装着部分におけ
    るX線透視画像内において上記接合部分とそれ以外の部
    分とのコントラストが最大になるように上記X線透視画
    像の蓄積を行う、請求項9記載の接合検査方法。
  11. 【請求項11】 上記第1較正情報に代えて又は上記第
    1較正情報と共に、各測定点における厚みと、上記測定
    点における明るさが検出用明るさに達するまでに要する
    画像蓄積時間との関係を示した第2較正情報を予め備
    え、上記装着部分内の検査箇所における明るさが上記検
    出用明るさに到達するまでの時間を元に上記第2較正情
    報に基づいて上記検査箇所における厚さ情報を生成す
    る、請求項9記載の接合検査方法。
  12. 【請求項12】 上記部品側電極と上記被装着体側電極
    とが良好に接合したときの良品厚さ情報と、生成した上
    記接合部分の厚さ情報とを比べて上記接合部分の良否を
    判断する、請求項9ないし11のいずれかに記載の接合
    検査方法。
  13. 【請求項13】 板状の上記被装着体の一方の面に装着
    される上記電子部品と他方の面に装着される上記電子部
    品との少なくとも一部が上記被装着体を間に挟んで互い
    に重なり合って配置される場合であって、上記一方及び
    他方の両面に装着されたそれぞれの上記電子部品におけ
    る上記接合部分の上記厚さ情報を生成するとき、上記一
    方の面に装着された電子部品の上記接合部分の第1厚さ
    情報を求め、次に両面にて重なり合って電子部品が装着
    されたところの上記接合部分について第2厚さ情報を求
    めた後、該第2厚さ情報から上記第1厚さ情報を減算し
    て上記他方の面に装着された電子部品の上記接合部分の
    厚さ情報を求める、請求項9ないし12のいずれかに記
    載の接合検査方法。
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