JP2004347384A - X線ct装置及びx線ct装置による画像作成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】X線センサの測定による第一の減衰率データに基づき被検体の形状データを作成する手段を有するX線CT装置であって、推定又は計算された被検体の第二の減衰率データに基づき、該被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データを作成可能に構成する。或いは、X線CT装置により測定された第一の減衰率データに基づき被検体の形状データを作成する第一の工程と、推定又は計算された被検体の第二の減衰率データに基づき該被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データを作成する第二の工程と、該第二の工程により作成された該被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データ及び該第一の工程で作成された形状データに基づき画像を作成する工程とを含む。
【効果】X線CT装置により計測された被検体全体画像の品質が向上できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線CT装置及びX線CT装置による画像作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置による計測や画像作成方法については、例えば、特許文献1及び特許文献2があげられる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−85397号公報
【特許文献2】
特表2002−528216号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、X線CT装置により計測されたデータに基づく画像構成に関して、画像精度については考慮されていない。
【0005】
本発明の目的は、X線CT装置により計測された被検体全体画像の品質を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
推定又は計算された被検体の減衰率データに基づき、該被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データを作成可能に構成する。
【0007】
【発明の実施の形態】
産業用X線CT装置は、物体の内部形状を観察,計測するために、非常に有用な装置である。このため、最近では自動車会社を中心に開発品の形状計測や、鋳造品の巣の分布計測などに適用される。
【0008】
X線CT装置は、物体の断層像を得るための装置で、X線源から照射され被検体で吸収され減衰したX線量をセンサアレイで測定して、計測データとして使用する。このため、厚い被検体になるとX線が透過せず、センサで測定できないため、測定データから断層像を再構成することが困難な場合がある。
【0009】
また、産業用X線CT装置で撮影される物体は様々であるが、その中には非常に扁平な形状を持つものも多い。たとえば、図8に熱交換器の断面形状の一例を示す。熱交換器は、筐体21の内部に伝熱管22と、その周囲に溶接されたフィン23とを備えている。熱交換器内には多数の伝熱管22とフィン23が実際には配置されるが、伝熱管22とフィン23が正確な形状を保ち溶接されているかどうかの確認は性能上非常に重要である。このため、X線CT装置で内部の断面形状を検査することは非常に有効な方法である。しかしながら、熱交換器の断面は筐体21や伝熱管22のように非常に長い直線状の部分が存在する。このような形状はX線CT装置による断層像の撮影には課題が多い。
【0010】
図9は、産業用X線CT装置の構成を示す。X線CT装置13は、X線ファンビーム2を出力する電子線加速器1と、被検体14を設置するスキャナ3,被検体14を透過してきたX線を検出するX線センサ4(X線センサ4−1からX線センサ4−512)と、X線センサ4のS/N比を向上させるためX線センサ4への散乱X線の入射を抑える役割をするコリメータ5,X線センサ4の出力信号を増幅し、デジタル信号に変換する信号処理装置10、および信号処理装置10からのデジタルデータを収集すると共に装置全体を制御する制御装置6,画像の再構成を行う画像再構成装置7,画像再構成により作成された画像やその他の情報を表示する表示装置8,制御装置6からの制御指令により電子線加速器1とスキャナ3の動作を制御するコントローラ9を備えている。
【0011】
図9のX線CT装置13は、被検体14を回転させて1断面を撮影する第3世代のX線CT装置13を示しており、スキャナ3は回転機能のほかに、被検体の各高さの断面撮影を行うために上下に動作する機能を備えている。
【0012】
電子線加速器1は、制御用ケーブル16によりコントローラ9に接続されている。コントローラ9によりX線ファンビーム2の発生・停止が制御される。スキャナ3も同様に制御ケーブル15でコントローラ9に接続されている。コントローラ9によりスキャナの回転・上下位置の調整が可能である。
【0013】
X線センサ4は、X線ファンビーム2の発生点を見込むように一列に複数配置されている。このセンサ数が多いほど撮影解像度が向上する。本例では、このX線センサ4を512個(X線センサ4−1からX線センサ4−512)設置している。X線センサ4は、電子線加速器1からスキャナ3の回転と同期して所定角度ごとにX線パルスが出力される毎に、被検体14を透過してきたX線を検出する。
【0014】
制御装置6には、X線センサ4からの出力されたX線量に対応する信号が、X線センサ4から送られてくる。また、この制御装置6からコントローラ9に種々の指示信号が伝達される。また、X線センサ4からの出力されたX線量に対応する信号は、増幅されデジタル信号に変換された後、信号ケーブル17を通して制御装置6を経由して画像再構成装置7に送られる。
【0015】
上記信号によって画像再構成装置7で、画像の再構成が行われ、表示装置8にて画像が表示される。
【0016】
本例では、被検体を1回転する間に1920回データを測定する。すなわち、0.1875度ごとにX線量を測定する。512個のセンサがあるため、1断層を再構成するためのデータは512×1920個のデータ量になる。
【0017】
センサに入るX線量は被検体14で吸収され減衰した量となる。すなわち、センサで測定されるX線量Iと線源の強さI0 の関係は(1)式で表される。
【0018】
I=I0 ×exp(−μρt) …(1)
ここで、μはX線の全減衰係数(cm2/g)、ρは物質の密度(g/cm3)、tは物質の透過厚さ(cm)である。
【0019】
1MeV電子線加速器を使用した場合、発生するX線のエネルギーは1MeVを上限として低エネルギーにまで分布する。平均エネルギーを300keVとし、一例として熱交換器に使用される銅の場合、μは0.0589、ρは8.9である。したがって、この値を(1)式に代入すると、(2)式となる。
【0020】
I=I0 ×exp(−0.524t) …(2)
センサに入るX線量は被検体の厚さにより指数的に減少する。X線は粒子的性質を持つので、センサに入るX線量は1回測定あたりのフォトン数で考えることができ、1MeV電子線加速器を使用した場合のセンサに入るフォトン数は1万個程度である。被検体が厚くなると(2)式に従い、センサに入るフォトン数は減少する。測定系が理想的であってもフォトン1個未満の計測はできないので、この場合のX線CT装置のダイナミックレンジはフォトン10000個から1個の4桁となる。
【0021】
この場合の実際の銅の厚さを考えると、(2)式より、
I0 /10000=I0 exp(−0.524t)
t=ln(10000)/0.524=17.57(cm) …(3)
従って、(3)式に示すように、銅の厚さ17cm以上の被検体ではデータが取得できないことになる。現実のX線CT装置では測定系のノイズなどの要素が加わるため、さらに制限される。
【0022】
X線CT装置で被検体の断層像を再構成する場合にはその元データとして、減衰率が使われる。減衰率は、次式で与えられる。
【0023】
減衰率=ln(I0/I)=μρt=0.524t (銅の場合) …(4)
すなわち、被検体のない場合には0、たとえば上記の銅厚さ17.57cm では9.2となり、それが測定限界である。
【0024】
以上に示したX線CT装置13を用いて、図8の熱交換器の断層像を撮影しようとすると、銅製の非常に厚い部分を透過するX線を測定しなくてはならない場合が生じることがわかる。図10ではそれを模式図で示してある。スキャナ3のターンテーブルの回転中心がP点にある場合の、中心付近のセンサが測定するX線の通過経路を回転角度θが0,45,90度の3つについて示している。
【0025】
熱交換器の厚さは長辺20cm,短辺7cmである。0度と45度方向では銅の厚さ(経路上にある銅製部分の厚さの合計)は2cm弱であるが、90度方向では伝熱管をX線が通過する方向のため、20cmの厚さがある。これを(4)式で減衰率に換算すれば、約1と10.5 である。しかし、本例のX線CT装置13では銅20cmの厚さの減衰率10.5 は測定できないのは明らかである。
【0026】
このような場合のX線センサの測定データを図示すると図11のようになる。図11は熱交換器をX線CT装置13で撮影した場合のあるセンサデータから得られた減衰率を示している。横軸は回転角度θである。測定された減衰率データ33は前述のような銅の厚い部分では測定限界32を超えるため、測定が困難である。ただし、このような部分は通常の被検体14では測定データのごく一部分である。この部分では、通常測定系のノイズの影響で、X線量Iは非常に0に近くなったり、場合によってはマイナスになったりするため、減衰率は非常に大きな値や値がとれないような状態になる。
【0027】
このような測定データを用いて画像再構成をした結果を図12に示す。再構成された画像24には熱交換器の筐体の画像25,フィンの画像27,伝熱管の画像26と同時に、被検体の厚い部分にそってアーチファクトと呼ばれる偽の画像28,29,30,31が強く現れる。このようなアーチファクトは画質を非常に劣化させ、たとえばフィン23と伝熱管22の接合面の検査は困難になる。すなわち、測定限界32を超えるような厚さ部分が被検体14の一部にでもあると被検体全体の断層画像を大きく劣化させるという課題がある。
【0028】
以上のように、産業用X線CT装置では測定限界を超えるような厚さ部分が被検体の一部にでもあると被検体全体の断層画像を大きく劣化させるという課題がある。
【0029】
被検体の一部分の透過厚さがX線CT装置の測定限界厚さを超えても、被検体の断層画像品質の劣化を抑えることが望ましい。
【0030】
本発明の実施の形態では、被検体の断面設計データから求めたX線CT測定不能位置の減衰率に基づき、該X線CT測定不能位置の形状データを作成する手段を備えているので、X線CT装置の計測被検体全体画像の品質を向上することができる。また、X線CT装置に被検体の設計データから求めた断面設計データを供給する手段と、減衰率測定不能位置の減衰率を、該断面設計データから求めた減衰率で代用する機能を有する画像再構成装置とを設けることにより、被検体の一部分の透過厚さがCT装置の測定限界厚さを超えても、被検体の断層画像品質の劣化を抑えることができる。
【0031】
また、本発明の実施の形態では、測定された各センサの減衰率データ中の測定限界を超えた部分を求め、その前後データから該部分の減衰率を推定してその推定値を挿入する機能を有する画像再構成装置とを設けることにより、被検体の一部分の透過厚さがCT装置の測定限界厚さを超えても、被検体の断層画像品質の劣化を抑えることができる。
【0032】
また、本発明の実施の形態では、測定された各センサの減衰率データ中の測定限界を超えた部分を求め、該部分に既定の減衰率を挿入する機能を有する画像再構成装置とを設けることにより、被検体の一部分の透過厚さがCT装置の測定限界厚さを超えても、被検体の断層画像品質の劣化を抑えることができる。
【0033】
また、本発明の実施の形態では、X線CT装置のX線センサにより測定された第一の減衰率データに基づき被検体の形状データを作成する第一の工程と、推定又は計算された被検体の第二の減衰率データに基づき該被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データを作成する第二の工程と、該第二の工程により作成された該被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データ及び該第一の工程で作成された形状データに基づき画像を作成する工程とを含むことにより、X線CT装置の計測被検体全体画像の品質を向上することができる。
【0034】
(実施例1)
以下、より具体的に、本発明の実施例を図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施例の構成を示す図である。本図を用いて概要を説明する。
【0035】
図1において、図9と同じ番号の機器は同様の機器である。本実施例では画像再構成装置の代わりに画像劣化防止機能のついた画像再構成装置11と被検体の設計データから求めた断面設計データを供給する断面設計データ供給装置12を設けた。断面設計データ供給装置12には被検体の設計データ(3次元CADデータなど)をあらかじめ格納しておく。
【0036】
撮影者は、制御装置6にあらかじめ被検体の撮影位置(スキャナ3からの高さ),断層撮影枚数,断面設計データ供給装置12から取得する被検体のデータの名称などの撮影条件を入力した後、断層撮影をX線CT装置に開始させる。これらのデータは撮影開始前に制御装置6から画像再構成装置11に送信される。断層撮影が開始され、被検体14断面分のデータ(以下、断層測定データ)が測定されると、画像再構成装置11に断層測定データが送信され、画像再構成装置11は断層測定データを用いて断層像の再構成を開始する。
【0037】
画像再構成装置11は、断層測定データに対応する断面設計データを断面設計データ供給装置12に要求(19)し、断面設計データ供給装置12は断面設計データを送信する(20)。これにより、画像再構成装置11は被検体の断層測定データと対応する断面設計データを用いて、画質のよい断層像を再構成し、表示装置8に表示することができる。
【0038】
図2は、画像再構成装置11の動作を示すフローチャートである。断層撮影が開始されると、制御装置6から断層測定データを取得する(L1)。次に、断層測定データから減衰率(ln(I0/I))を計算し減衰率データ(実測値,第一の減衰率データ)を求める。
【0039】
また、センサ間の感度補正や、ハードニング補正が従来と同様に行われる(L2)。
【0040】
次に、断面設計データ供給装置12から測定高さでの断面設計データを取得する(L3)。測定高さはあらかじめ入力された撮影位置や撮影枚数から計算できるので、被検体の位置(設置方向や回転中心)を決めておけば、断面設計データ供給装置12は被検体のCADデータから断面設計データを容易に作成できる。断面設計データは、2次元のビットマップ画像であり、被検体が設計どおりにできていれば、被検体の断層画像と同じものになる。
【0041】
画像再構成装置11は、断面設計データを用いて、各センサの各角度による減衰率(第二の減衰率)を計算する。回転中心や設置方向をあらかじめ決定してあるので、図10に示したように各角度でのX線透過直線上の被検体の厚さを足して、(4)式を適用することにより、計算された減衰率の推定値が求まる。減衰率の推定値がX線CT装置の性能から決まる測定限界を超えた領域については、実測の減衰率データを対応する推定値に置き換えて補正する(L5)。
【0042】
補正された減衰率データは、再構成処理に必要なデータを得るための補間(L6),画像再構成処理(L7)により断層像に再構成される。
【0043】
図3はあるセンサに対応する減衰率データを模式的に示した図である。実測の減衰率データ33が測定限界32を超えた部分、40と41は設計データ等からの計算又は推定値に置き換えることにより、データの質が向上する。つまり、被検体の断面設計データから求めたX線CT測定不能位置の減衰率に基づき、該X線CT測定不能位置の形状データを作成する手段を備えたことによりデータの質が向上する。
【0044】
以上のように、X線センサの測定による第一の減衰率データに基づき被検体の形状データを作成する手段を有するX線CT装置であって、推定又は計算された被検体の第二の減衰率データに基づき、被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データを作成可能に構成しているので、実測の減衰率データ33が測定限界
32を超えた部分40と41を、設計データ等からの計算又は推定値に置き換えることが可能となり、データの質が向上し、全体画像の品質を向上することが可能となる。
【0045】
図4は、比較例での被検体例(図8)を本実施例で撮影した場合の断層画像
43であり、測定限界以上の減衰率が、被検体の設計データから推定され、補正値として使用されているので、アーチファクトのない品質のよい断層像が得られる。
【0046】
以上述べたように、本実施例によれば、X線CT装置に被検体の設計データから求めた断面設計データを供給する手段と、減衰率測定不能位置の減衰率を、該断面設計データから求めた減衰率で代用する機能を有する画像再構成装置とを設けているので、被検体の一部分の透過厚さがCT装置の測定限界厚さを超えても、アーチファクトのない品質のよい断層像が得られる。
【0047】
(実施例2)
次に第2の実施例について説明する。本実施例のX線CT装置の構成は図1の実施例から断面設計データ供給装置12を除いた構成であり、また画像再構成装置11の機能が異なる。図5に画像再構成装置11の動作のフローチャートを示す。L1,L2,L6からL8は図2と同様の動作であるので、L21,L22のみ説明する。
【0048】
本実施例では、被検体の設計データを用いずに、実測の減衰率データの中で減衰率が閾値(測定限界)を超えている領域をサーチし(L21)、各センサの減衰率データごとに前後のデータから減衰率を推定し、閾値を超えている減衰率データはその推定値で置き換える(L22)。
【0049】
図6は減衰率データと補正した結果を示している。測定限界32を超えた領域では前後のデータからの推定値を使用する。直線44,45は両側のデータから直線で外装した場合、曲線46と47は2次曲線で推定値を求めた場合である。
【0050】
本実施例では、推定値の精度は第一の実施例には劣るが、測定限界を超えた部分の減衰率の推定値を決定でき、再構成した断層画像の品質を向上させることができ、また、被検体のCADデータがない場合にも適用できる効果がある。
【0051】
以上のように、本実施例2では、測定された各センサの減衰率データ中の測定限界を超えた部分を求め、その前後データから該部分の減衰率を推定してその推定値と置き換える機能を有する画像再構成装置により、測定限界を超えた部分の減衰率の推定値を決定でき、再構成した断層画像の品質を向上させることができ、さらに被検体の設計データがない場合にも適用できる効果がある。
【0052】
(実施例3)
次に第3の実施例について説明する。図7は画像再構成装置11の動作のフローチャートを示す。本実施例では被検体の設計データを用いずに、実測の減衰率データの中で減衰率が閾値(測定限界)を超えている領域をサーチし(L11)、該領域の減衰率をデフォルト値に置き換える(L12)。デフォルト値は測定限界の減衰率である。
【0053】
閾値は測定限界でなく、それよりも少し低い値(たとえばノイズを考慮して
20%低い値等)に設定することもよい。デフォルト値は1つでなく、該領域の前後での減衰率データの変化が急な場合には測定限界よりもかなり高いデフォルト値,変化が緩やかな場合には測定限界に近い低いデフォルト値というように、2つ以上にすることもよい。
【0054】
本実施例では、推定値の精度は第一の実施例には劣るが、測定限界を超えた部分の減衰率の推定値を決定でき、再構成した断層画像の品質を向上させることができ、また、被検体のCADデータがない場合にも適用できる効果がある。
【0055】
本実施例3では、被検体として銅製の熱交換器を例に挙げたが、無論被検体はどのような材質でも、形でもよい。複数の材質から構成されていても、減衰率はそれぞれの厚さに対応して計算できるので、同様に補正が可能であることは無論である。
【0056】
また、以上の実施例では電子線加速器をX線源に用いたが、より低エネルギーのX線を発生するX線管を用いたX線CT装置にも同様に適用できる。
【0057】
また、実施例3では、測定された各センサの減衰率データ中の測定限界を超えた部分を求め、その部分に既定の減衰率を挿入する機能を有する画像再構成装置により、測定限界を超えた部分の減衰率の推定値を決定でき、再構成した断層画像の品質を向上させることができ、また、被検体のCADデータがない場合にも適用できる効果がある。
【0058】
【発明の効果】
本発明によると、X線CT装置により計測された被検体全体画像の品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のX線CT装置構成図。
【図2】画像再構成装置の動作を示すフローチャート。
【図3】あるセンサに対応する減衰率データの模式図。
【図4】熱交換器を本実施例で撮影した場合の断層画像図。
【図5】実施例2の画像再構成装置の動作のフローチャート。
【図6】実施例2における減衰率データと補正結果を示す図。
【図7】実施例3の画像再構成装置の動作のフローチャート。
【図8】熱交換器の断面形状図。
【図9】産業用X線CT装置の構成図。
【図10】熱交換器の断面形状におけるX線透過経路の模式図。
【図11】あるセンサデータから得られた減衰率曲線と被検体角度の関係を示す図。
【図12】熱交換器をX線CTで計測し画像化した断面画像図。
【符号の説明】
1…電子線加速器、2…X線ファンビーム、3…スキャナ、4…X線センサ、5…コリメータ、6…制御装置、7,11…画像再構成装置、8…表示装置、9…コントローラ、10…信号処理装置、12…断面設計データ供給装置、13…X線CT装置、14…被検体、15…制御ケーブル、16…制御用ケーブル、
17…信号ケーブル、21…筐体、22…伝熱管、23…フィン、24,25,26,27,28,29,30,31…画像、32…測定限界、55…記憶媒体。
Claims (5)
- X線センサの測定による第一の減衰率データに基づき被検体の形状データを作成する手段を有するX線CT装置であって、
推定又は計算された被検体の第二の減衰率データに基づき、該被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データを作成可能に構成したX線CT装置。 - 被検体の断面設計データから求めたX線CT測定不能位置の減衰率に基づき、該X線CT測定不能位置の形状データを作成する手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
- 測定されたX線センサの減衰率データ中の測定限界減衰率を超えた部分を求め、その前後データから該部分の減衰率を推定してその推定値と置き換える機能を有する画像再構成装置を設けたことを特徴とするX線CT装置。
- 測定されたX線センサの減衰率データ中の測定限界減衰率を超えた部分を求め、該部分に既定の減衰率を挿入する機能を有する画像再構成装置を設けたことを特徴とするX線CT装置。
- X線CT装置による画像作成方法であって、
X線CT装置のX線センサにより測定された第一の減衰率データに基づき被検体の形状データを作成する第一の工程と、
推定又は計算された被検体の第二の減衰率データに基づき該被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データを作成する第二の工程と、
該第二の工程により作成された該被検体の計測部位の少なくとも一部の形状データ及び該第一の工程で作成された形状データに基づき画像を作成する工程と、を含むことを特徴とするX線CT装置による画像作成方法。
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