JP3599986B2 - フリップチップ接合検査方法および検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体を回路基板に実装するフリップチップ実装の接合検査において、X線撮影装置や赤外線顕微鏡等のベアチップ内部の観察手段、およびレーザー変位計等のベアチップ裏面の高さ測定手段を用いて、半導体と回路基板の接合部のオープン不良を検査する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フリップチップ実装の接合検査方法としては、X線を用いてバンプ接合部の透視画像を撮像し、目視にて接合部のバンプと電極ランドの位置ずれ、バンプつぶれ等の形状不良、バンプの脱落、隣設する電極ランド間での接合剤のショート等の不良を検査していた。また、接合部のバンプと電極ランドの間隔が10μm以上離れたオープン不良は、X線装置を斜めに配置して得られる斜め透視画像を目視で確認することにより検査していた。さらに、10μm以下のオープン不良はバンプ接合部を切断して断面を顕微鏡で確認する破壊検査法によっても行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、携帯情報機器等の電子機器の市場では商品の小型・軽量化が求められており、電子機器を構成する回路基板に対しても小型・軽量化の要望が強くなっている。そのため、従来のように半導体ベアチップを、電極リードが付いたパッケージ部品に組み立ててから回路基板に実装するのではなく、半導体ベアチップの電極パッドにバンプと呼ばれる導通性にある突起物を形成し、バンプを介して回路基板上に半導体ベアチップを直接実装することにより電子回路の小型・軽量化を実現できるフリップチップ実装工法が広く採用されつつある。ところで、電子回路の実装では電極接合部に不良があると電子機器が正常に動作しないので、接合不良のある回路基板は製造工程のできるだけ早い段階で回収し、修理または廃棄する必要がある。ところが、フリップチップ実装では接合部が外から見えないため、従来のリード付き電子部品のように接合部の外観検査ができないという問題があった。そのため、接合部の不良は電子機器が動作可能な状態まで組み立てられた後の機能検査によって初めて発見されており、実装不良のある回路基板も組立工程に供給されていた。このロスコストを削減するために、フリップチップ実装直後のバンプ接合部を、X線を用いて非破壊で検査しようとする取り組みがなされているが、現在使用されている最も分解能の高いX線装置を用いても、バンプと電極ランドのオープンが10μm以下の場合はオープン不良の検出が困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のフリップチップ接合検査方法および装置では、フリップチップ実装された回路基板面にX線を照射し、回路基板のX線透視画像から複数のバンプ接合部の位置を検出し、次に、バンプ接合部の裏側の半導体の裏面の高さと、バンプ接合部近傍の回路基板面の高さを測定し、その測定値の差が一定の範囲内に有るかどうかを調べるように構成したものである。
これにより、5μmから10μm以下のバンプ接合部のオープン不良を検出することができる。
また、前記バンプ接合部位置検出方法として用いたX線透視画像による方法に代えて、赤外線顕微鏡による方法を用いたフリップチップ接合検査方法および装置である。
半導体ベアチップのように薄いシリコンで作られた対象物は赤外線を透過するので、赤外線顕微鏡でバンプ位置の検出が可能であり、X線装置を使う場合に比べて安全で低コストな検査装置を構成できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1および請求項3に記載の発明は、半導体を回路基板に実装するフリップチップ実装の接合検査において、フリップチップ実装された回路基板面にX線を照射するX線発生器と回路基板を透過したX線を検出して回路基板のX線透視画像が得られるX線検出器とを備えたバンプ接合位置検出手段と、前記回路基板面および回路基板上に実装された半導体の裏面の高さを測定する高さ測定手段を有し、前記バンプ接合位置検出手段が検出したバンプ接合位置で、バンプ接合部の裏側の前記半導体の裏面の高さと、バンプ接合部近傍の回路基板面の高さを、前記高さ測定手段により測定し、その測定値の差によりバンプ接合部のオープン不良を検出することを特徴とするものであり、5μmから10μm以下のバンプ接合部のオープン不良を検出することができ、同時にX線画像により接合部の位置ずれ等の不良も検査できるという作用を有する。
【0006】
請求項2および請求項4に記載の発明は、請求項1および請求項3記載のフリップチップ接合検査において、バンプ接合位置検出手段がX線発生器およびX線検出器に代えて赤外線顕微鏡であり、半導体を透過した赤外線を検出することにより半導体の裏面のバンプ接合位置を検出することを特徴とするものであり、X線装置を使う場合に比べて安全で低コストに検査を実施でき、5μmから10μm以下のバンプ接合部のオープン不良を検出することができるという作用を有する。
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図1から図4を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の請求項1および請求項3記載のフリップチップ接合検査方法および検査装置の説明図である。図1において、X線発生器1から照射されたX線は、回路基板2と回路基板2上に接合されたフリップチップIC3を透過し、X線センサー4のセンサー面で光に変換されて画像化される。フリップチップ接合の接合部はX線の吸収率が高い鉛や金等の重金属材料が使われているので、X線画像では接合部が周辺に比べて黒くなり、その位置を容易に特定することができる。次に、フリップチップIC3の裏面で接合部の上部に当たる位置の高さを、測定精度1μm以下のレーザーフォーカス変位計5により測定する。さらに、接合部に最も近い位置の回路基板面の高さを測定し、図3に示すように、全接合点の測定結果から最小二乗法により、IC裏面の高さを表す直線(y=a1 x+b1 )と、回路基板面の高さを表す直線(y=a2 x+b2 )を求め、それぞれの直線の傾きの差(a1 −a2 )が一定値以上になっている場合は、フリップチップICの片側が浮いているオープン不良と判定する。このとき、レーザーフォーカス変位計5はX線撮影に影響しないようにX線を透過するミラー6を介して横方向から測定できるようにする。
【0008】
(実施の形態2)
図2は本発明の請求項2および請求項4記載のフリップチップ接合検査方法および検査装置の説明図である。図2において、赤外線顕微鏡7により図4に示すフリップチップIC裏面のバンプ接合部の位置を検出する構成のものである。半導体ベアチップのように薄いシリコンで作られた対象物は赤外線が透過するので、X線によるバンプ位置検出手段に代えて、赤外線顕微鏡でバンプ位置を検出することが可能であり、X線装置を使う場合に比べて安全で低コストな検査装置を構成できる。次に、フリップチップIC3の裏面で接合部の上部に当たる位置の高さを、測定精度1μm以下のレーザーフォーカス変位計5により測定する。さらに、接合部に最も近い位置の回路基板面の高さを測定し、図3に示すように、全接合点の測定結果から最小二乗法により、IC裏面の高さを表す直線(y=a1 x+b1 )と、回路基板面の高さを表す直線(y=a2 x+b2 )を求め、それぞれの直線の傾きの差(a1 −a2 )が一定値以上になっている場合は、フリップチップICの片側が浮いているオープン不良と判定する。
【0009】
【発明の効果】
以上のように、本発明のフリップチップ接合検査方法および検査装置によれば、従来検査が困難であったバンプと電極ランドのオープンが10μm以下のフリップチップ接合部のオープン不良の検査においても、信頼性の高い検査が可能になるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1および請求項3記載の検査方法および検査装置の説明図である。
【図2】本発明の請求項2および請求項4記載の検査方法および検査装置の説明図である。
【図3】本発明の請求項1から請求項4記載の高さ測定方法の説明図である。
【図4】フリップチップ接合状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 X線発生装置
2 回路基板
3 フリップチップIC
4 X線センサー
5 レーザーフォーカス変位計
6 ミラー
7 赤外線顕微鏡
Claims (4)
- 半導体を回路基板に実装するフリップチップ実装の接合検査において、フリップチップ実装された回路基板面にX線を照射するX線発生器と回路基板を透過したX線を検出して回路基板のX線透視画像が得られるX線検出器とを備えたバンプ接合位置検出手段と、前記回路基板面および回路基板上に実装された半導体の裏面の高さを測定する高さ測定手段を用い、前記バンプ接合位置検出手段が検出したバンプ接合位置で、バンプ接合部の裏側の半導体の裏面の高さと、バンプ接合部近傍の回路基板面の高さを、前記高さ測定手段により測定し、その測定値の差によりバンプ接合部のオープン不良を検出することを特徴とするフリップチップ接合検査方法。
- 半導体を回路基板に実装するフリップチップ実装の接合検査において、フリップチップ実装された回路基板面に照射され回路基板を透過した赤外線を検出して回路基板の赤外線透視画像が得られる赤外線顕微鏡を備えたバンプ接合位置検出手段と、前記回路基板面および回路基板上に実装された半導体の裏面の高さを測定する高さ測定手段を用い、前記バンプ接合位置検出手段が検出したバンプ接合位置で、バンプ接合部の裏側の半導体の裏面の高さと、バンプ接合部近傍の回路基板面の高さを、前記高さ測定手段により測定し、その測定値の差によりバンプ接合部のオープン不良を検出することを特徴とするフリップチップ接合検査方法。
- 半導体を回路基板に実装するフリップチップ実装の接合検査において、フリップチップ実装された回路基板面にX線を照射するX線発生器と回路基板を透過したX線を検出して回路基板のX線透視画像が得られるX線検出器とを備えたバンプ接合位置検出手段と、前記回路基板面および回路基板上に実装された半導体の裏面の高さを測定する高さ測定手段を有し、前記バンプ接合位置検出手段が検出したバンプ接合位置で前記高さ測定手段により測定した、バンプ接合部の裏側の半導体の裏面の高さと、バンプ接合部近傍の回路基板面の高さの測定値の差によりバンプ接合部のオープン不良を検出することを特徴とするフリップチップ接合検査装置。
- 半導体を回路基板に実装するフリップチップ実装の接合検査において、フリップチップ実装された回路基板面に照射され回路基板を透過した赤外線を検出して回路基板の赤外線透視画像が得られる赤外線顕微鏡を備えたバンプ接合位置検出手段と、前記回路基板面および回路基板上に実装された半導体の裏面の高さを測定する高さ測定手段を有し、前記バンプ接合位置検出手段が検出したバンプ接合位置で前記高さ測定手段により測定した、バンプ接合部の裏側の半導体の裏面の高さと、バンプ接合部近傍の回路基板面の高さの測定値の差によりバンプ接合部のオープン不良を検出することを特徴とするフリップチップ接合検査装置。
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