JP2000351976A - 塩素化合物除去剤 - Google Patents

塩素化合物除去剤

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JP2000351976A JP11162931A JP16293199A JP2000351976A JP 2000351976 A JP2000351976 A JP 2000351976A JP 11162931 A JP11162931 A JP 11162931A JP 16293199 A JP16293199 A JP 16293199A JP 2000351976 A JP2000351976 A JP 2000351976A
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経義 高瀬
Atsushi Kitagawa
淳 北川
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靖 塩谷
Akihisa Nagai
明久 長井
Mitsuhiro Inoue
光浩 井上
Shinichi Watabe
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機塩素化合物などにより活性化処理し
た触媒を用いて重質ナフサなどを処理するプロセスにお
いて、処理ナフサ中に流出する塩化水素などの無機塩素
化合物のほか有機塩素化合物または原油に由来する無機
塩素化合物および有機塩素化合物を長期間にわたり連続
的に効率良く除去できる塩素化合物除去剤および除去方
法を提供する。 【解決手段】 酸化亜鉛とアルカリ土類金属ケイ酸塩を
主成分とする塩素化合物除去剤であって、酸化亜鉛の濃
度が10重量%〜90重量%、アルカリ土類金属ケイ酸
塩の濃度が10重量%〜90重量%であることを特徴と
する塩素化合物除去剤およびそれを用いる炭化水素流か
らの塩素化合物の除去方法。本発明の塩素化合物除去剤
によれば、その表面にグリーンオイルなどの重合物の生
成が見られず、従って、長期間にわたり連続的に無機お
よび有機塩素化合物を除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の工業上の流
体流、特に、炭化水素流から塩素化合物を吸収除去する
ための固体の塩素化合物除去剤およびそれを用いる炭化
水素流中の塩素化合物を除去する方法に関するものであ
り、さらに詳しくは、石油精製工程において製造される
直留ナフサ、接触改質ナフサ、接触改質ガスなどの各種
炭化水素流から微量含有される塩素化合物を長期間にわ
たり安定して効率よく吸収除去することが可能な固体の
塩素化合物除去剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油系炭化水素に含まれる塩素化合物
は、原油に由来するものと石油精製工程における接触改
質、接触異性化等の触媒反応の際に混入するものがあ
り、その形態として無機塩素化合物と有機塩素化合物の
存在が知られている。そして、原油に由来する無機塩素
化合物および有機塩素化合物は、原油の蒸留工程から得
られる炭化水素留出油に随伴され、直留ナフサなどにも
含まれている。
【0003】一方、石油製品の混合基材として用いられ
るナフサ等の液状炭化水素からガソリン基材を製造する
ために白金等の貴金属系触媒を用いる接触改質反応が利
用されているが、接触改質装置においては貴金属成分の
再分散化による触媒の再生および触媒活性の調節のため
に有機塩素化合物の注入による活性化処理が行われてい
る。このため、塩素化合物を用いて活性化処理された触
媒を使用した場合、その触媒から流出した塩素化合物が
接触改質装置等の反応工程において分解することにより
生成する塩化水素などが水素ガスまたは接触改質油と共
に反応器外に排出され、後段に流出する。このような塩
素化合物が後段に流出した場合下流の装置を腐蝕させる
などの装置上の問題を引き起こすことになる。従って、
前記問題の発生を防止し、円滑な装置の運転を行なうた
めには塩素化合物を除去する必要がある。
【0004】前記無機および有機塩素化合物のうち、塩
化水素については従来からアルカリ系の固体吸収剤また
はアルカリ洗浄液を用いて除去するのが一般的である。
例えば、固体の塩化物吸収剤の例としては、特公昭52
−35036号公報には酸化亜鉛と酸化カルシウムを吸
収成分とし、これに不活性結合剤としてクレイを添加す
ることにより得られる固体塩化物吸収剤が提案されてい
る。また、特表平7−506048号公報には、アルカ
リ金属塩を担持した活性アルミナを用いて炭化水素中の
塩化物を吸収除去する方法が開示されている。さらに、
装置の腐蝕を防ぐために、ハロゲン処理触媒層の直後に
ハロゲン吸収剤層を設置した例が特開平7−88315
号公報に開示されている。この例のハロゲン吸収剤とし
ては、吸収した塩化水素を容易に脱離しないものとして
酸化カルシウム、酸化ナトリウムなどのアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の酸化物をゼオライトなどの耐火
性酸化物に担持したものを使用している。
【0005】しかしながら、このような吸収剤は、いず
れも吸収塔に充填直後は塩素化合物を効率良く吸収する
が、工業規模での連続的な使用では吸収容量が不足しが
ちなものが多い。特に、活性アルミナ等を主成分とする
吸収剤は、充填初期において吸収速度も早く有効に作用
するが、吸収容量が小さいという難点があり、また、操
業条件が変化した場合に、吸収した塩化水素などの無機
塩素化合物が脱離する問題点も有している。
【0006】一方、前記の特公昭52−35036号公
報に記載の酸化亜鉛を用いる吸収剤は、吸収速度が活性
アルミナよりも若干劣るものの、理論的な吸収容量が大
きく、しかも吸収した塩化水素などを化学結合によって
保持するため脱離し難い点で優れた吸収剤である。
【0007】ところで、これらの吸収剤は実用に供する
ためには、通常、押出し成形などで、例えば、ペレット
状に成形する必要があり、一般的には、価格、汎用性と
いう面からベントナイト、カオリンなどのクレイが結合
剤として使用されている。しかし、これらの入手の容易
なクレイは流体中の炭化水素の重合を引き起こし、生成
するグリーンオイルなどの重合物で吸収剤表面が完全に
覆われ、塩素化合物吸収剤としての性能が劣化してしま
い、その結果、短期間で塩素化合物のリークが起こり、
十分な除去性能を発揮できないという問題があった。こ
のような状況下において、特に液状炭化水素中の塩素化
合物を効率よく連続して除去できる塩素化合物除去剤の
開発が切望されてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、工業上の流体流から塩素化合物を除去するにあた
り、前記問題点を解決した酸化亜鉛を含む固体の塩素化
合物除去剤を提供することにある。すなわち、本発明
は、流体中の炭化水素の重合によるグリーンオイルの生
成を抑制することにより塩素化合物除去剤の性能低下を
防止し、塩素化合物を長期にわたって吸収除去できる固
体の塩素化合物除去剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
前記の塩素化合物除去剤の開発状況に鑑み、前記課題を
解決するために鋭意研究を進めた結果、ペレット結合剤
としてアルカリ土類金属ケイ酸塩に着目し使用したとこ
ろ、従来の汎用品であるベントナイトを使用した場合に
比べて、長期間にわたり炭化水素流体中の塩素化合物の
リークが起こらず、かつ、グリーンオイル等の重合物の
生成も見られないことが判明した。結果として、塩素化
合物を長期間連続して除去することができるようにな
り、塩素化合物除去剤の性能が大きく向上することを見
いだし、これらの知見に基いて本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明は、工業上の流体流から
塩素化合物を吸収除去するための塩素化合物除去剤であ
って、酸化亜鉛およびアルカリ土類金属ケイ酸塩を主成
分とすることを特徴とする塩素化合物除去剤に関するも
のである。
【0011】また、本発明の好ましい実施の態様によれ
ば、 前記アルカリ土類金属ケイ酸塩の濃度が、塩素化合物
除去剤全重量基準で10重量%〜90重量%である塩素
化合物除去剤、 前記酸化亜鉛の濃度が、塩素化合物除去剤全重量基準
で10重量%〜90重量%である塩素化合物除去剤、お
よび 前記塩素化合物除去剤の細孔特性として細孔径100
0Å以上の細孔容積が少なくとも0.01ml/gであ
り、細孔径100Å以上の細孔容積が少なくとも0.2
ml/gであり、細孔径10Å以上の細孔容積が少なく
とも0.4ml/gであり、かつ圧縮強度が少なくとも
1kgである塩素化合物除去剤を提供するものである。
【0012】さらに、本発明によれば、塩素化合物を含
有する炭化水素流を前記塩素化合物除去剤と接触させる
ことを特徴とする炭化水素流中の塩素化合物の除去方法
を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の塩素化合物除去剤は、塩
素化合物等により活性化処理した触媒を用いて石油炭化
水素留分を処理するプロセスで発生する塩化水素などの
塩素化合物の除去に適用され、また、原油に由来する塩
素化合物の除去にも適用が可能である。
【0014】前記の塩素化合物等により活性化処理した
触媒を用いるプロセスは、特に限定されるものではな
く、ナフサ留分の接触改質プロセス、移動床式接触改質
プロセスにおけるオキシクロリネーションなどの触媒再
生工程、触媒の乾燥や水素還元などの前処理工程、芳香
族化などの反応工程などを含む。前記石油炭化水素留分
としては、重質ナフサや軽質ナフサなどが挙げられる。
また、塩素化合物により活性化処理した触媒としては、
例えば、前記重質ナフサを接触改質することによりガソ
リン基材を製造するための触媒、軽質ナフサからベンゼ
ンを製造するための触媒、重質ナフサからBTXを製造
するための触媒などがある。このような触媒の具体例と
しては、通常の接触改質触媒や各種ゼオライト等の耐火
性無機酸化物に周期表第8族貴金属を担持することによ
り得られる触媒などが挙げられる。周期表第8族貴金属
としては、例えば、白金、パラジウム、レニウム、イリ
ジウム、オスミウム等を使用することができる。
【0015】前記の有機塩素化合物処理により活性化し
た触媒を使用した場合、特に、劣化触媒を塩素化合物処
理により再生した触媒を使用した場合には有機塩素化合
物が流体中に混入し、また、反応工程において有機塩素
化合物が分解し相当量の塩化水素が生成し流体中に混入
し前記の問題点が生起する。
【0016】本発明の塩素化合物除去剤は、主成分とし
て酸化亜鉛およびアルカリ土類金属ケイ酸塩とから構成
され、添加成分として塩基性アルカリ金属化合物および
塩基性アルカリ土類金属化合物等を含有させてもよい。
【0017】本発明の塩素化合物除去剤において、アル
カリ土類金属ケイ酸塩は、天然物または合成物質のいず
れでも良く任意に選択することができる。例えば、天然
クレイの場合、温石綿、斜頑火石、タルク、アタパルジ
ャイト(パリゴルスカイト)、セピオライト、パラモン
モリロナイトなどのマグネシウムケイ酸塩、ランキナイ
ト、ラルナイト、ワラストナイトなどのカルシウムケイ
酸塩、モンチセライト、メルウィナイト、オケルマナイ
トなどのマグネシウムとカルシウムの複合ケイ酸塩を挙
げることができる。また、合成物質の場合、沈殿反応に
より合成したマグネシウムケイ酸塩、カルシウムケイ酸
塩などを挙げることができる。
【0018】本発明の塩素化合物除去剤中のアルカリ土
類金属ケイ酸塩の配合量は、塩素化合物除去剤全重量基
準で10重量%〜90重量%、好ましくは20重量%〜
70重量%の範囲で採用される。アルカリ土類金属ケイ
酸塩の配合量が10重量%に満たないと成形体の圧縮強
度が低下し、一方、90重量%を超えると除去性能が低
下するおそれが生ずる。
【0019】また、本発明の塩素化合物除去剤中の酸化
亜鉛の性状および製造方法等については特に制限はない
が、塩素化合物の除去性能維持の点で、比表面積が20
2/g〜100m2 /g、好ましくは30m2 /g〜
80m2 /g、さらに好ましくは40m2 /g〜70m
2 /gのものを使用することができる。
【0020】このような酸化亜鉛は、水酸化亜鉛、炭酸
亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等を350℃〜400℃で仮焼す
ることにより製造することができる。これらの水酸化亜
鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等は、水溶液から結晶化
させたものが好ましい。例えば、炭酸アンモニウム亜鉛
水溶液から結晶化させた炭酸亜鉛および均一沈殿法によ
り得られる水酸化亜鉛等を挙げることができる。
【0021】塩素化合物除去剤中の酸化亜鉛の配合量
は、塩素化合物除去剤全重量基準で10重量%〜90重
量%、好ましくは20重量%〜70重量%である。酸化
亜鉛の配合量が10重量%に満たないと塩素化合物に対
する十分な除去性能を欠如し、一方、90重量%を超え
ても増量に見合う効果は得られないばかりでなく、アル
カリ土類金属ケイ酸塩の配合量の低下に伴なう成形体強
度の低下の問題が生ずる。
【0022】本発明の塩素化合物除去剤において、酸化
亜鉛とアルカリ土類金属ケイ酸塩の配合割合は、前記各
配合量の範囲内で任意に選択することができるが、特
に、酸化亜鉛:アルカリ土類金属ケイ酸塩(重量比)=
1:0.5〜1:1.7の割合が除去性能および成形体
強度等の観点から好ましい。
【0023】本発明の塩素化合物除去剤は、酸化亜鉛、
アルカリ土類金属ケイ酸塩および必要に応じ他の添加剤
を従来から既知の一般的な手段により混合成形して調製
することができる。塩素化合物除去剤の形状およびサイ
ズは、その使用形態により種々のものが採用される。一
般的には直径が1mm〜6mmであり、長さが3mm〜
20mm程度の円柱状ペレットが好適に用いられるが、
種々のサイズの異形状のペレット、錠剤状、顆粒状およ
び破砕粒、また噴霧乾燥による微粒子など、特に制限は
ない。
【0024】また、本発明の塩素化合物除去剤は、以下
に述べるように特異な細孔特性、特に特異な細孔容積分
布を有するものである。具体的には水銀圧入法により測
定した細孔径1000Å以上の細孔容積が少なくとも
0.01ml/gであり、細孔径100Å以上の細孔容
積が少なくとも0.02ml/gであり、また、細孔径
10Å以上の細孔容積が少なくとも0.4ml/gであ
り、かつ圧縮強度が少なくとも1kgのものである。こ
のような細孔容積分布を有することにより、酸化亜鉛の
塩素化合物との接触効率を向上し除去剤の性能を向上さ
せることができる。一方、細孔径1000Å以上の細孔
容積を制御することにより機械的な強度の低下を抑制す
ることができる。次に、本発明の塩素化合物除去剤の製
造方法として一般的な押出し成形による円柱状ペレット
の製造方法を例示する。
【0025】先ず、所定量の酸化亜鉛粉末とアルカリ土
類金属ケイ酸塩粉末をニーダーまたはマーラー等の混合
混練装置で十分に乾式混合した後、混合粉末1重量部に
対して0.2重量部〜0.5重量部、好ましくは0.3
重量部〜0.4重量部の範囲で水を添加して混練する。
水を添加する際には混練物の不均質が生じないように分
割投入するのが望ましい。得られた混練物を押出し成形
機またはペレタイザーで所定の形状のダイスを用いて円
柱状ペレットに成形する。これを、200℃〜500
℃、好ましくは250℃〜400℃の温度で乾燥した
後、必要であれば所望の長さに粉砕する。得られた乾燥
物を篩分けし粒度分布を調整した後、塩素化合物除去処
理に使用する。
【0026】また、本発明の塩素化合物除去剤は、乾式
混合工程を省略して湿式混練のみでも製造可能である。
この場合、分散し難い粘土などは、混練前に十分分散し
た状態にしてから添加する必要がある。最も効果的な分
散方法は、予め水で十分分散させる方法である。分散が
不完全であると、均一な混合物が得られず、圧縮強度が
低下するという問題が生ずる。
【0027】本発明の塩素化合物除去剤は、以上説明し
たようにして調製され前記化学組成を有することから、
塩化水素などの塩素化合物を化学的に吸収し、塩化亜鉛
等の安定な化合物として固定する作用を有するため、吸
収した塩素化合物の脱離が起こり難いという利点があ
る。
【0028】さらに、本発明による、塩素化合物を含有
する炭化水素流を前記塩素化合物除去剤と接触させるこ
とから構成される炭化水素流中の塩素化合物の除去方法
において、処理条件として常温から400℃の温度を採
用することができるが、好ましくは10℃〜140℃で
あり、特に10℃〜130℃が好適である。また、圧力
は、0.1MPa〜15MPa、好ましくは、0.1M
Pa〜5MPaであり、線速度は1cm/分〜100c
m/分、好ましくは、10cm/分〜80cm/分であ
る。このような処理条件を採用することにより前記塩素
化合物除去剤の性能を効果的に発揮させることができ
る。また、本発明の炭化水素流からの塩素化合物の除去
方法において塩素化合物除去剤は、固定床、流動床また
は移動床のいずれの反応形式をも採用することができる
が、装置面および操作上から固定床が好ましい。
【0029】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明を具体
的に説明する。もっとも本発明は、実施例等により何ら
限定されるものではない。なお、実施例および比較例に
おいて使用した塩素化合物除去剤の細孔容積分布の測定
法および除去性能評価方法は次の通りである。
【0030】(塩素化合物除去剤の細孔容積の測定方
法)水銀圧入法による(島津製作所製オートポアIII 9
420を使用した。)。
【0031】(液状炭化水素中の塩素化合物除去性能評
価試験)1/16インチのペレット状に成形した塩素化
合物除去剤を内径5cmの反応管に100cmの高さに
充填して塩素化合物除去塔を作製し、これに塩素化合物
を含有する液状炭化水素を温度40℃、圧力1.7MP
a、線速度40cm/分で連続的に通過させ、塩素化合
物除去塔入口と出口の無機塩素化合物濃度および有機塩
素化合物濃度を各々測定した。無機塩素化合物は、液状
炭化水素をイオン交換水で抽出し、得られた抽出液中の
塩素化合物イオン濃度をイオンクロマトグラフィーで測
定した。有機塩素化合物はイオン交換水で抽出した後の
抽残液である液状炭化水素中の塩素化合物濃度を微量電
量滴定分析法で測定した。塩素化合物除去性能評価試験
後の塩素化合物除去剤から塩素化合物除去剤単位重量当
たりに吸収された塩素量(重量(%))は、試験後の除
去剤を粉砕し、イオン交換水で抽出した後にイオンクロ
マトグラフィーで塩素濃度を分析した値から算出した。
塩素化合物除去性能評価試験に使用した液状炭化水素
は、リフォーメート(密度;0.818、沸点範囲;8
0℃〜200℃)であり、試験中の無機塩素化合物の平
均濃度は塩素として2mg/kg、有機塩素化合物の平
均濃度は塩素として1mg/kg、水分濃度は30mg
/kgであった。
【0032】(実施例1)5kgの酸化亜鉛粉末および
5kgのタルク粉末をニーダーで10分間乾式混合し
た。乾式混合に引き続いてニーダー中へ3kgの水を1
0分間かけて徐々に添加混合し、その後10分間混練し
た。得られた混練物を1/16インチのペレット状に押
出し成形し、270℃で1時間乾燥した。ここで得られ
た塩素化合物除去剤の全細孔容積は0.55ml/gで
あり、1000Å以上の細孔径における細孔容積が0.
01ml/g、100Å以上の細孔径における細孔容積
が0.30ml/g、10Å以上の細孔径における細孔
容積が0.55ml/gであった。また、圧縮強度は
2.4kgであった。このようにして得られた塩素化合
物除去剤をリフォーメートに含まれる無機および有機塩
素化合物の除去性能評価試験に供した。前記の評価試験
結果によると、本発明の塩素化合物除去剤は、無機塩素
化合物のリークが始まるまでの時間が30日以上、有機
塩素化合物のリークが始まるまでの時間が30日以上の
結果を得た。また、除去剤中の塩素量は30日経過時点
で4.3%であった。評価結果を表1に示す。
【0033】(実施例2)酸化亜鉛粉末を2kgおよび
セピオライト粉末を2kgの割合にしたこと以外はすべ
て実施例1と同様にして塩素化合物除去剤を調製し塩素
化合物除去性能評価試験に供した。評価試験の結果、無
機塩素化合物のリークが開始するまでの時間が30日以
上であり、同様に有機塩素化合物のリークが開始するま
での時間が30日以上であった。また、除去剤中の塩素
量は30日経過時点で4.3%であった。評価結果を表
1に示す。
【0034】(実施例3)タルク粉末5kgの代わりに
ワラストナイト粉末を5kg用いたこと以外すべて実施
例1と同様にして塩素化合物除去剤を調製した。前記塩
化物除去性能評価試験に供したところ、無機塩素化合物
のリーク開始まで30日以上、有機塩素化合物について
も30日以上の結果を得た。また、除去剤に吸収された
塩素量は4.1%であった。
【0035】(比較例1)酸化亜鉛粉末を2.5kg、
水酸化カルシウムを酸化カルシウムとして2kgおよび
ベントナイト粘土粉末を1kgにしたこと以外はすべて
実施例1と同様にして塩素化合物除去剤を調製しこれを
塩素化合物除去性能評価試験に供した。評価試験の結
果、無機塩素化合物はリーク開始まで20日、有機塩素
化合物についてもリーク開始まで20日の結果を得た。
実施例1のカルシウムケイ酸塩を使用した塩素化合物除
去剤と比較して除去性能は著しく低下した。評価結果を
表2に示す。
【0036】(比較例2)酸化亜鉛粉末を2kgおよび
ベントナイト粘土粉末を2kgにしたこと以外はすべて
実施例1と同様にして塩素化合物除去剤を調製し塩素化
合物除去性能評価試験に供した。除去剤組成を表1に、
評価結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】以上の実施例および比較例から、酸化亜鉛
とアルカリ土類金属ケイ酸塩とを併用して調製した除去
剤を用いた場合、無機塩素化合物および有機塩素化合物
共にリークまでの期間が著しく延長され、また、除去剤
の塩素化合物吸収量も大きいことが分かる。
【0040】
【発明の効果】本発明の塩素化合物除去剤は、有機塩素
化合物等により活性化処理した触媒を用いて石油留分を
処理するプロセスで生成する塩素化合物の除去や原油に
由来する塩素化合物の除去に適用され、除去剤表面での
グリーンオイル等の重合物の生成が抑制され、塩素化合
物除去性能を低下させることなく炭化水素流中の無機塩
素化合物および有機塩素化合物を同時に長期間にわたり
連続的に除去することができる。また、本発明の塩素化
合物除去剤は、吸収能力が大きく、しかも、吸収した塩
素化合物の脱離が起こり難いため、操業上の利用価値が
極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩谷 靖 山口県下関市彦島迫町七丁目2番10号 (72)発明者 長井 明久 愛媛県今治市山方町一丁目乙195番地4号 (72)発明者 井上 光浩 愛媛県越智郡菊間町種4501−2 (72)発明者 渡部 慎一 愛媛県越智郡菊間町種4501−2 Fターム(参考) 4G066 AA18B AA30B BA25 BA26 BA38 CA33 DA09 FA02 FA03 FA22 FA27 FA37

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工業上の流体流から塩素化合物を吸収除
    去するための塩素化合物除去剤であって、酸化亜鉛とア
    ルカリ土類金属ケイ酸塩を主成分とすることを特徴とす
    る塩素化合物除去剤。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ土類金属ケイ酸塩の濃度
    が、塩素化合物除去剤全重量基準で10重量%〜90重
    量%である請求項1に記載の塩素化合物除去剤。
  3. 【請求項3】 前記酸化亜鉛の濃度が塩素化合物除去剤
    全重量基準で10重量%〜90重量%である請求項1に
    記載の塩素化合物除去剤。
  4. 【請求項4】 前記塩素化合物除去剤の細孔径1000
    Å以上の細孔容積が少なくとも0.01ml/gであ
    り、細孔径100Å以上の細孔容積が少なくとも0.2
    ml/gであり、細孔径10Å以上の細孔容積が少なく
    とも0.4ml/gであり、かつ圧縮強度が少なくとも
    1kgである請求項1ないし3のいずれかの1項に記載
    の塩素化合物除去剤。
  5. 【請求項5】 塩素化合物を微量含有する炭化水素流を
    請求項1ないし4のいずれかの1項に記載の塩素化合物
    除去剤と接触させることを特徴とする炭化水素流中の塩
    素化合物の除去方法。
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