JPH09225296A - 固体塩化物吸収剤 - Google Patents

固体塩化物吸収剤

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JPH09225296A
JPH09225296A JP8033642A JP3364296A JPH09225296A JP H09225296 A JPH09225296 A JP H09225296A JP 8033642 A JP8033642 A JP 8033642A JP 3364296 A JP3364296 A JP 3364296A JP H09225296 A JPH09225296 A JP H09225296A
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calcium
absorbent
chloride
absorption
weight
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JP8033642A
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Kazukiyo Miura
一清 三浦
Junji Mikami
純司 三上
Tsuneyoshi Takase
経義 高瀬
Mitsuhiro Ohashi
満広 大橋
Kaoru Fujiwara
薫 藤原
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Toyo CCI KK
Eneos Corp
Original Assignee
Toyo CCI KK
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機塩化物などにより活性化した触媒を用
いて重質ナフサなどを処理するプロセスから流出する塩
化水素などの無機塩化物、あるいは原油に由来する無機
塩化物を、効率良く吸収でき、しかも圧壊強度の大きな
吸収剤を提供すること。 【解決手段】 酸化亜鉛が25〜45重量%、カルシウ
ム分が酸化カルシウムとして25〜45重量%、不活性
結合剤を10〜25重量%、及び1000℃揮発分が2
〜30重量%からなることを特徴とする固体塩化物吸収
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は種々の工業上の流
体、特に直留ナフサ、接触改質ナフサ、接触改質ガスな
どの炭化水素流から塩化水素などの無機塩化物及び有機
塩素化合物などの塩化物不純物を効率よく除去する吸収
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】石油系炭化水素に含まれる塩化物は、原
油に由来するものと触媒反応に由来するものがある。ま
た、その形態は無機塩化物と有機塩化物が存在すること
が知られている。原油に由来する、無機塩化物、有機塩
化物は、直留ナフサなどに含まれ、後段に流出する。こ
のような塩化物は、下流の装置腐食などの問題を引き起
こす。
【0003】一方、重質ナフサからガソリン基材を製造
する接触改質触媒は、有機塩化物などを用いて活性が付
与されている。このため、このような触媒を使用した場
合は、反応工程において有機塩化物が分解して生成する
塩化水素が脱離し、生成物とともに反応器外に排出され
る。特に劣化した触媒を塩素化合物などで再生した場合
は、かなりの高濃度の塩化水素などの無機塩素化合物及
び有機塩素化合物が、反応器外に排出される。また、反
応工程と再生工程が分離している移動床式接触改質プロ
セスにおいても、オキシクロリネーションにより再生さ
れた触媒が反応工程に塩素を持込むため、同様に反応器
内で塩化水素などの無機塩化物及び有機塩化物が生成
し、生成物と伴に反応器外に排出される。
【0004】このような塩化物のうち、塩化水素などの
無機塩化物については、アルカリ系の吸収剤あるいはア
ルカリ洗浄液を用いて除去するのが一般的である。固体
の吸収剤の例としては、特公昭52−35036号公報
に記載のある酸化亜鉛と酸化カルシウムを吸収成分と
し、これに不活性な結合剤として粘土鉱物を添加した吸
収剤がある。また、特表平7−506048号公報に
は、アルカリ金属を担持した活性アルミナを用いて炭化
水素中の塩化物を吸収する方法が開示されている。装置
の腐食を防ぐために、触媒層直後に吸収剤層を設置した
例が、特開平7−88315号公報に開示されている。
この例の吸収剤は、吸着した塩化水素を容易に脱離しな
いものとして酸化カルシウム、酸化ナトリウムなどの酸
化物をゼオライトなどの耐火性酸化物に担持したものを
使用している。
【0005】このような吸収剤は、充填直後は無機塩化
物を効率良く吸収するが、工業規模での使用では、吸収
容量が不足しがちなものが多い。特に、活性アルミナ等
を主成分とする吸着剤は、充填初期において吸収速度も
早く、有効に作用するが、吸着容量が少ない。また、操
業条件が変化した場合に、吸収した塩化水素などの無機
塩化物を、脱離する問題点を有している。
【0006】さらに、業界でよく知られていなかったこ
とは、有機塩化物がかなり初期の時点からリークし、し
かもその濃度が原料中の濃度より増加する場合があるこ
とである。これは物理吸着により塩化物を吸収した場
合、多成分吸着において吸着力の弱い有機塩化物が吸着
力の強い塩酸により追い出されるためと考えられる。ア
ルカリ金属を担持した活性アルミナ等を主成分とする吸
着剤で処理する方法は、吸着容量は改善されるものの、
吸着した塩化物を脱離する問題点は解決されない。
【0007】一方、特公昭52−35036号公報に記
載のある酸化亜鉛と酸化カルシウムを用いる吸収剤は、
吸収速度は活性アルミナよりも若干劣るものの、理論的
な吸着容量が大きくしかも吸着吸収した塩化水素などを
化学結合によって保持するため脱離し難い点で優れた吸
収剤である。しかし、実機で使用した場合、理論吸収量
の数%程度吸着しただけで、交換に至る場合がある。こ
の原因は、前記固体吸収剤の圧壊強度が不足しており、
炭化水素などに含まれる微量の水分によって使用中に吸
収剤が粉化あるいは軟化し、吸収剤層自身の圧密や後に
続くストレーナ、触媒層などの目詰りにより圧力損失が
増大することである。特に常温付近で使用し、また共存
する水分が比較的多い使用条件の場合、処理する流体中
の塩化物との反応で生成した塩化亜鉛や塩化カルシウム
が潮解して吸収剤の強度劣化を著しく促進することがあ
る。これを改善するために不活性結合剤の量をみだりに
増加すれば、容易に強度を高めることができるが、理論
吸収量の低下を招くのみならず、吸収剤の細孔物性の変
化により吸収速度が低下するため実用的ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決した酸化亜鉛とカルシウム化合物を主成分とする
固体塩化物吸収剤を提供するものである。すなわち、不
活性結合剤の量を従来許容される範囲内に留めて吸収剤
の圧壊強度を高めることで、水分などによる吸収剤の軟
化及び粉化を防止し、塩化水素などの無機塩化物及び有
機塩化物などの実効的な吸着容量を理論吸収量の50〜
90%程度までに高め、塩化物を長期に渡って吸収でき
る固体塩化物吸収剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究を進めた結果、酸化亜鉛とカル
シウム分の組成を酸化亜鉛が25〜45重量%、カルシ
ウム分が酸化カルシウムとして25〜45重量%とする
とともに、成形剤の乾燥時にカルシウム分の一部を炭酸
化することで、吸収剤の圧壊強度が著しく高まり、使用
中の強度劣化が減少して軟化及び粉化が起こり難くなる
ため、結果として吸収剤の寿命が著しく延びることを見
出した。
【0010】塩化物に対する本吸収剤の理論吸収量は、
酸化亜鉛濃度に大きく依存し、酸化亜鉛が25重量%未
満では塩化物吸収容量が不足する。また、酸化亜鉛濃度
が上記範囲外になると圧壊強度が低下する。特に、酸化
亜鉛濃度が45%を越えると理論吸収量は増えるもの
の、塩化物の吸収に伴う強度の劣化が著しくなり、軟化
及び粉化による吸収剤層、ストレーナの目詰りなどに起
因する差圧の増大のため、実際に使用可能な吸収容量は
低下する。圧壊強度が、特定の組成範囲で向上する理由
は明確でないが、酸化亜鉛との共存下で水酸化カルシウ
ムから炭酸カルシウムへの転化が強度の向上と強度劣化
の減少に寄与しているものと考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の固体塩化物吸収剤は、塩
化物等により活性化処理した触媒を用いて石油留分を処
理するプロセスで発生する塩化水素などの塩化物の除去
や原油に由来する塩化物の除去に適用される。前記の活
性化処理した触媒を用いるプロセスは、ナフサ留分の接
触改質、移動床式接触改質プロセスにおけるオキシクロ
リネーションなどの触媒再生プロセス、触媒の乾燥や水
素還元などの前処理工程、芳香族化などの反応工程など
を含む。石油留分としては、重質ナフサや軽質ナフサな
どが挙げられる。また、塩化物処理により活性化した触
媒としては、例えば上記重質ナフサを接触改質してガソ
リン基材を製造するための触媒、軽質ナフサからベンゼ
ンを製造するための触媒、重質ナフサからBTXを製造
するための触媒などがある。このような触媒の具体例と
しては、通常の接触改質触媒や各種ゼオライトに周期律
表第VIII族貴金属を担持した触媒などが挙げられる。
【0012】本発明の吸収剤は、酸化亜鉛とカルシウム
分を主成分とする。酸化亜鉛について特に制限はない
が、塩化水素などの無機塩化物の吸収性能の点で、比表
面積が20〜100m2/g、好ましくは30〜80m2
/g、より好ましくは40〜70m2/gのものが好適
に使用できる。このような酸化亜鉛は、水酸化亜鉛、炭
酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等を350〜400℃でか焼す
ることにより得られる。これらの水酸化亜鉛、炭酸亜
鉛、塩基性炭酸亜鉛等は、水溶液から結晶化させたもの
が好ましく、例えば炭酸アンモニウム亜鉛水溶液から沈
殿させた炭酸亜鉛、均一沈殿法で得られる水酸化亜鉛な
どが好適に使用できる。酸化亜鉛の配合量は、25〜4
5重量%、好ましくは30〜40重量%である。25重
量%を切ると圧壊強度が低下し、しかも塩化物吸収容量
が著しく減少するため好ましくない。また、45重量%
を超えると、やはり圧壊強度が減少するため好ましくな
い。
【0013】一方、カルシウム分は原料として、水酸化
カルシウムを使用する。水酸化カルシウムは市販の粉末
が使用でき、特に制限はないが、炭酸カルシウム含有量
の少ないものが好ましい。炭酸カルシウム含有量が多い
と、最終的に吸収剤に含まれる炭酸カルシウム含有量が
変化するばかりでなく、圧壊強度が低下することがあ
る。また、酸化カルシウムも水酸化カルシウムと同様に
使用できるが、混練時に水の添加量を増やす必要があ
る。しかし、水を加えた場合に発熱するため、取扱に注
意する必要がある。また、混練時の発熱により、吸収剤
製造時の温度条件制御が難しくなる。このため、酸化カ
ルシウムを用いるメリットは少ない。カルシウム原料
は、最終的に水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及び酸
化カルシウムの混合物になるが、通常の使用条件では、
水酸化カルシウムと炭酸カルシウムが主なカルシウム成
分である。カルシウム分の配合量は酸化カルシウムとし
て、25〜45重量%、好ましくは28〜40重量%で
ある。この範囲から外れると、圧壊強度が低下し、吸収
剤が粉化することによる吸収剤層、ストレーナなどの目
詰りにより、実際に使用可能な吸収容量が減少するた
め、好ましくない。
【0014】以上の吸収剤主成分に、不活性結合剤を配
合する。結合剤は、一般に市販されている粘土、シリカ
ゾル、水ガラス、アルミナゾル、水酸化アルミニウム、
ベーマイト型含水アルミナなどが使用できる。粘土とし
ては、通常入手できる可塑性を有するものであればどの
ようなものでも使用可能である。このようなものとして
カオリン、ガイロメ粘土、木節粘土、ベントナイトなど
がある。これらの中でも、入手の容易なカオリン、ベン
トナイトが好適に使用できる。これらは、乾燥粉末状の
ものが好適に使用できるが、湿式で混合・混練する場合
は、水を含んだ粘土状のものも使用可能である。
【0015】本発明の固体塩化物吸収剤には、1000
℃揮発分(主に水分と炭酸分)が2〜30重量%、好ま
しくは4〜20重量%含まれる。
【0016】シリカ原料としては、シリカゾル、水ガラ
スなどが使用できる。水ガラスは、ナトリウム分を多く
含むため、塩化水素の吸収容量を向上させる意味で好ま
しい。しかし、多く加え過ぎると吸収剤が緻密になり、
圧壊強度が高くなり過ぎるため吸収容量が大幅に低下す
ることがある。このため、水ガラスは0〜5重量%程度
の添加量に抑える。これらのシリカ原料は、水溶液とし
て混練時に添加する。
【0017】また、アルミナ原料としては、アルミナゾ
ル、水酸化アルミニウム、ベーマイト型含水アルミナな
どが使用できる。アルミナゾルは混練時に水溶液として
添加する。水酸化アルミニウム、ベーマイト型含水アル
ミナは、粉末状のものが好適に使用できるが、湿式で混
合・混練する場合は、水を含んだ沈殿状のものも使用で
きる。
【0018】粘土、シリカ、アルミナから選ばれる1種
或いは2種以上は、乾燥粉末として10〜25重量%、
好ましくは12〜22重量%配合する。10重量%を切
ると、圧壊強度が低下する。また25重量%を超える
と、圧壊強度は高まるが、塩化物の吸収速度が低下する
ばかりでなく、塩化物の吸収容量が低下するため好まし
くない。
【0019】酸化亜鉛、水酸化カルシウム及び不活性結
合剤は、既知の一般的な手段により混合成形して本発明
の吸収剤とすることができる。剤の形状及びサイズは、
その使用形態により様々であり、一般的には直径が1〜
6mmで長さが3〜20mm程度の円柱状ペレットが好
適に用いられるが、種々のサイズの異形状のペレット、
錠剤形状、顆粒状及び破砕粒、また噴霧乾燥による微粒
子など、特に制限はない。
【0020】一般的な押出し円柱状ペレットの製造方法
を例示する。所定量の酸化亜鉛粉末と粘土質結合剤粉末
をニーダーあるいはマーラー等の混合混練装置で十分に
乾式混合した後、混合粉末1重量部に対して0.2〜
0.5重量部、好ましくは0.3〜0.4重量部の範囲
で水を添加して混練する。水を添加する際には混練物の
不均質が生じないように分割投入するのが望ましい。ま
た添加水分量が上記の範囲外では成型が困難となり、吸
収剤として成型した物の機械的強度が低下し、粉化し易
くなるため望ましくない。得られた混練物を押出し成型
機あるいはペレタイザーで所定の形状のダイスを用いて
円柱状ペレットに成形する。これを200〜500℃、
好ましくは250〜400℃の温度で乾燥した後、必要
であれば所望の長さに粉砕する。得られた乾燥物を篩分
けし、吸収処理に使用する。乾燥温度は、高い程焼結が
進み強度が向上し、また吸収性能もある程度までは向上
するが、500℃を超えると密度の増加及び過度の炭酸
化により吸収性能が低下する。また吸収剤容器への充填
密度が上がりコスト的には不利となるので、500℃を
超える温度は好ましくない。
【0021】得られた吸収剤に含まれるカルシウム分
は、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及び酸化カル
シウムが主である。このうち、炭酸カルシウムは酸化カ
ルシウムとして全量基準で5〜16重量%、好ましくは
7〜12重量%になるように製造条件を制御する。具体
的には二酸化炭素に接する時間の制御であり、乾燥熱ガ
ス中の二酸化炭素濃度と乾燥時間と乾燥温度を調節する
ことで制御できる。炭酸カルシウム含有量が多い場合
は、乾燥熱ガス中の二酸化炭素濃度を下げるとともに、
乾燥温度を高め、乾燥時間を短くする。混練時間を変え
ても炭酸カルシウム含有量を変えることができるが、本
吸収剤の混練時間が短いため、現実的ではない。炭酸カ
ルシウム含有量が16重量%を超えると圧壊強度が低下
する傾向がある。また、5重量%を切るような吸収剤は
圧壊強度が低下する傾向があるばかりでなく、塩化水素
などの塩化物の吸収性能が出難い。
【0022】本発明の吸収剤は、乾式混合工程を省略し
て湿式混練のみでも製造可能である。この場合、分散し
難い粘土などは、混練前に十分分散した状態にしてから
添加する必要がある。最も効果的な分散方法は、予め水
で十分分散させる方法である。分散が不完全だと、均一
な混合物が得られず、圧壊強度が低下する。
【0023】本発明の吸収剤は、比較的高温度で塩化物
を吸収できるが、ガス状の塩化水素などの塩化物に対し
ては、室温付近でも使用できる。従って、室温から40
0℃の広い範囲で使用可能であるが、通常は10〜14
0℃、特には10〜130℃の範囲で好適に使用でき
る。液体状の炭化水素に含まれる塩化物に対しては、5
0〜400℃、好ましくは70〜250℃、特に好まし
くは100〜200℃の範囲で有効である。本発明の吸
収剤は、塩化水素などの塩化物を化学的に吸収し、塩化
亜鉛、塩化カルシウムなどの安定な化合物として固定す
るため、吸収した塩化物の脱離が起こり難い。
【0024】
【実施例】(圧壊強度の測定) 木屋式デジタル硬度計
(KHT−20型)を用いて測定した。測定は、加圧テ
スト棒として5mmφのものを用い、1試料について2
5回行なった。得られた測定値のうち、値の大きい方か
ら2点と、小さい方から3点を除いた20点の平均値を
測定値とした。
【0025】(組成分析) 亜鉛及びカルシウムは通常
の化学分析で定量し、それぞれ酸化亜鉛及び酸化カルシ
ウムの重量%として算出した。水酸化カルシウム及び炭
酸カルシウムは熱重量分析から、200〜520℃での
減量をCa(OH)2→CaO+H2O↑、520〜90
0℃での減量をCaCO3→CaO+CO2↑の分解によ
るものとしてそれぞれ水酸化カルシウム及び炭酸カルシ
ウムの重量%として算出した。不活性結合剤は500℃
乾燥基準の配合量をその重量%とした。
【0026】(ガス状炭化水素の吸収性能試験) 3/
16インチのペレット状に成形した吸収剤を1m3の吸
収塔に充填した。これを、GHSV 2300h~1、温
度:30℃、圧力:3.5×106Paで連続試験を行
なった。測定は5日毎に行ない、測定項目は吸収塔入口
の圧力とストレーナ出口の圧力の差圧及び無機及び有機
塩化物吸収率である。
【0027】無機塩化物吸収率は、吸収前後のガスをア
ルカリ溶液(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム水溶
液)に吸収させ、イオンクロマトグラフィーで塩化物イ
オン濃度を測定し、除去率を算出した。
【0028】有機塩化物吸収率は、吸収前後のガスを有
機溶剤に吸収させ、燃焼法により塩化物濃度を測定し、
除去率を算出した。
【0029】試験ガスは、重質ナフサの接触改質ガスで
あり、試験中の平均無機塩化物濃度は塩素として10p
pm、平均有機塩化物濃度は塩素として3ppm、水分
濃度は100ppmであった。
【0030】(実施例1) 10kgの粘土粉末、20
kgの酸化亜鉛粉末及び26kgの水酸化カルシウム粉
末(酸化カルシウムとして20kg)をニーダーで10
分間乾式混合した。この酸化亜鉛は、炭酸亜鉛を370
℃で熱分解することにより製造した。この炭酸亜鉛は炭
酸アミン亜鉛Zn(NH34CO3の溶液を熱分解し、
炭酸亜鉛を沈澱させたものである。このようにして得ら
れた酸化亜鉛の比表面積は55m2/gであった。
【0031】乾式混合に引き続いてニーダー中へ17k
gの水を10分間に分けて徐々に添加混合し、その後3
0分間混練した。得られた混練物を、3/16インチの
ペレット状に押出し成形し、300℃で1時間乾燥し
た。吸収剤の比表面積は31m2/gであった。乾燥
後、ガス状炭化水素(重質ナフサの接触改質ガス)に含
まれる塩化物の吸収試験を行なった。結果を表1に示す
が、吸収開始時の差圧は7.8×103Pa(約0.0
8kgf/cm2)であったものが、205日目に2.
9×104Pa(約0.3kgf/cm2)まで上昇し
た。この間の塩化物除去率は、95%以上であった。
【0032】(実施例2〜3) 酸化亜鉛粉末を17.
5kg及び22.5kg、水酸化カルシウム粉末をそれ
ぞれ30kg及び23kgとした以外は実施例1と同様
に試験した。結果を表1に示す。吸収開始時の差圧は
7.8×103Paであったものが、それぞれ180日
目及び170日目に2.9×104Paまで上昇した。
この間の塩化水素などの無機塩化物除去率は、95%以
上であった。
【0033】(実施例4〜5) 酸化亜鉛粉末を22k
g及び18kg、水酸化カルシウム粉末をそれぞれ32
kg及び21kgとし、粘土粉末をそれぞれ7.5kg
及び12.5kgとした以外は実施例1と同様に試験し
た。結果を表1に示す。吸収開始時の差圧は7.8×1
3Paであったものが、それぞれ190日目及び17
5日目に2.9×104Paまで上昇した。この間の塩
化水素などの無機塩化物除去率は、95%以上であっ
た。
【0034】(比較例1) 酸化亜鉛粉末を15kg、
水酸化カルシウム粉末を33kgとした以外は実施例1
と同様に試験した。結果を表1に示す。吸収開始時の差
圧は7.8×103Paであったものが、95日目に
2.9×104Paまで上昇した。しかし、塩化水素な
どの無機塩化物除去率は、55日目に90%を切った。
【0035】(比較例2) 酸化亜鉛粉末を25kg、
水酸化カルシウム粉末を20kgとした以外は実施例1
と同様に試験した。結果を表1に示す。吸収開始時の差
圧は7.8×103Paであったものが、70日目に
2.9×104Paまで上昇した。この間の塩化水素な
どの無機塩化物除去率は、95%以上であった。
【0036】(比較例3) 酸化亜鉛粉末を23kg、
水酸化カルシウム粉末を19kgとした以外は実施例1
と同様に試験した。結果を表1に示す。差圧は、吸収開
始時に7.8×103Paであったものが、70日目に
2.9×104Paまで上昇した。この間の塩化水素な
どの無機塩化物除去率は、95%以上であった。
【0037】(比較例4) 酸化亜鉛粉末を17kg、
水酸化カルシウム粉末を20kg及び粘土粉末を15k
gとした以外は実施例1と同様に試験した。結果を表1
に示す。差圧は、吸収開始時に7.8×103Paであ
ったものが、305日目に2.9×104Paまで上昇
した。しかし、塩化水素などの無機塩化物除去率は、3
0日目に90%を切った。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の固体塩化物吸収剤は、塩化物等
により活性化処理した触媒を用いて石油留分を処理する
プロセスで発生する塩化水素などの無機塩化物の除去や
原油に由来する無機塩化物の除去に適用される。本発明
の吸収剤は、圧壊強度が高いために、粉化し難く、吸収
剤層や後に続くストレーナなどの目詰りを起こし難い。
従って、吸収剤の吸収容量の理論値近くまで長期間使用
可能である。本発明を用いれば、吸収容量が多きく、長
期間に渡って使用できしかも、吸収した無機塩化物の脱
離が起こり難いため、操業上の利用価値が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 経義 東京都港区赤坂一丁目九番十三号 東洋シ ーシーアイ株式会社内 (72)発明者 大橋 満広 岡山県倉敷市潮通2丁目1番地 株式会社 ジャパンエナジー水島製油所内 (72)発明者 藤原 薫 岡山県倉敷市潮通2丁目1番地 株式会社 ジャパンエナジー水島製油所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工業上の流体流から塩素化合物を除去す
    るための固体塩化物吸収剤であって、酸化亜鉛が25〜
    45重量%、カルシウム分が酸化カルシウムとして25
    〜45重量%、不活性結合剤が10〜25重量%からな
    ることを特徴とする固体塩化物吸収剤。
  2. 【請求項2】 前記カルシウム分が、水酸化カルシウ
    ム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムから選ばれる1
    種あるいは2種以上であることを特徴とする請求項1に
    記載の固体塩化物吸収剤。
  3. 【請求項3】 前記不活性結合剤が、粘土、アルミナ、
    シリカから選ばれる1種あるいは2種以上であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の固体塩化物吸収剤。
  4. 【請求項4】 前記カルシウム分の原料が水酸化カルシ
    ウムであり、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムが原料
    水酸化カルシウムから転化したものであることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の固体塩化物吸収剤。
JP8033642A 1996-02-21 1996-02-21 固体塩化物吸収剤 Pending JPH09225296A (ja)

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JP8033642A JPH09225296A (ja) 1996-02-21 1996-02-21 固体塩化物吸収剤

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