JP3542055B2 - 塩化物吸収剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は種々の工業上の流体から塩化物を除去する技術に係わり、特に接触改質ガソリン、接触改質ガスなどの炭化水素流から塩化物を効率よく除去する吸収剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油系炭化水素に含まれる塩化物は、原油に由来するものと触媒反応に由来するものがある。また、その形態は無機塩化物と有機塩化物が存在することが知られている。このような塩化物、特に塩化水素などの無機塩化物は、下流の装置腐食などの問題を引き起こす。また、有機塩化物であっても、これが混入した改質ガスをガスタービン発電用燃焼ガスあるいは水素製造用に使用すると、塩化物による腐食が発生する。
【0003】
触媒反応に由来する塩化物であるが、例えば、重質ナフサからガソリン基材を製造する接触改質触媒は、有機塩化物などを用いて活性が付与されている。このため、このような触媒を使用した場合は、反応工程において有機塩化物が分解して生成する塩化水素が脱離し、生成物とともに反応器外に排出される。また、炭化水素の一部が有機塩化物化したものや、添加した有機塩化物が反応器外に排出される。特に劣化した触媒を塩素化合物などで再生した場合は、かなりの高濃度の塩化水素が、反応器外に排出される。また、反応工程と再生工程が分離している移動床式接触改質プロセスにおいても、オキシクロリネーションにより再生された触媒が反応工程に塩素を持込むため、同様に反応器内で塩化水素が生成し、生成物と伴に反応器外に排出される。
【0004】
このような塩化物のうち、無機塩化物については、アルカリ系の吸収剤あるいはアルカリ洗浄液を用いて除去するのが一般的である。固体の吸収剤の例としては、特公昭52−35036号公報に記載のある酸化亜鉛と酸化カルシウムを吸収成分とし、これに不活性な結合剤として粘土鉱物を添加した吸収剤がある。また、特表平7−506048号公報には、アルカリ金属を担持した活性アルミナを用いて炭化水素中の塩化物を吸収する方法が開示されている。装置の腐食を防ぐために、触媒層直後に吸着剤層を設置した例が、特開平7−8315号公報に開示されている。この例の吸着剤は、吸着した塩化水素を容易に脱離しないものとして酸化カルシウム、酸化ナトリウムなどの酸化物をゼオライトなどの耐火性酸化物に担持したものを使用している。
【0005】
一方、有機塩化物については、アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコラートを炭化水素に添加し、120℃以上の温度で有機ハロゲンと反応させることにより、無機ハロゲン塩として除去する方法が特開昭63−8482号公報に開示されている。また、酸化マグネシウムと粘土等の不活性結合剤を混合・成形して有機塩化物除去用触媒とし、これをガード床触媒として、不均一化触媒またはアルキル化触媒の前段に設置することで有機塩化物を除去する方法が特開昭61−85336号公報に開示されている。その他に、吸収剤として知られているアルミナやゼオライト(ハロゲン排ガスへ応用した例が特公平6−24624号公報、特開昭6−47233号公報等に開示されている)も使用されている。
【0006】
無機塩化物については、前記アルカリ系吸収剤が有効に働くことが知られている。しかし、有機塩化物については有効なものが見当たらないのが実情である。すなわち、アルコラートを用いる方法では処理操作が煩雑であり、酸化マグネシウムを用いる方法は、吸収速度に難点がある。また、活性アルミナ等を主成分とする吸収剤を用いる方法は、塩化水素などの無機塩化物と有機塩化物を同時に吸収できる点では好ましいが、両者を吸収できる条件では吸収容量が不足しがちである。
【0007】
無機塩化物をアルカリ系吸収剤を用いて処理し、有機塩化物を活性アルミナ等を主成分とする吸収剤で処理する方法も考えられるが、無機塩化物の吸収に適する温度(アルカリ土類金属と遷移金属を使用した一般的な吸収剤で、150〜250℃程度)と有機塩化物の吸収に適する温度(室温〜100℃程度)が異なるのが普通である。無理に同一条件で処理すると、吸収剤の寿命が極端に短くなる。また、活性アルミナ等を主成分とする吸収剤は、操業条件の変動によって吸収した有機塩化物を脱離することがあるばかりでなく、飽和吸着量に近付くと脱離を起こしやすくなる。
【0008】
このため、塩化水素などの無機塩化物吸収処理用の装置と有機塩化物を除去するための装置を別の条件で運転する必要があった。しかし、このようにすると、塩化水素と有機塩化物の除去は完全になるものの、コスト的に不利である。
【0009】
以上のことから、有機塩化物の吸収容量が大きくかつ吸収速度の十分早い吸収剤が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機塩化物などにより活性化した触媒を用いて重質ナフサなどを処理するプロセスから流出する有機塩化物、あるいは原油に由来する有機塩化物を、効率良く除去する吸収剤を提供することを目的とする。さらには、無機塩化物用の吸収剤の使用温度とほぼ同じ温度条件で、有機塩化物を効率良く除去する吸収剤を提供することを目的とする。つまり、塩化水素などの無機塩化物の吸収に適する条件(塩化水素の脱離が起こり難いアルカリ土類金属と遷移金属を用いた吸収剤を使用し、処理温度が100〜250℃程度)で、有機塩化物を効率よく吸収除去でき、かつ有機塩化物の吸収容量が大きく、吸収した有機塩化物の脱離が起こり難い吸収剤を提供することである。
【0011】
このようにできれば、塩化水素などの無機塩化物と有機塩化物を効率良く吸収できるようになり、かつ2種類の充填剤を同じ運転条件で使用可能なため、コスト的に有利になる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意研究を進めた結果、酸化亜鉛と通常は不活性な成分として知られているベントナイトとを混合して成形したものが、驚くべきことに200℃程度の温度で有機塩化物を吸収することを発見した。このような現象は、今まで知られていなかったものである。さらに検討を進めた結果、この吸収剤は室温から400℃の広い温度範囲で有機塩化物を吸収できるばかりでなく、プロセス条件の変動があっても有機塩化物の脱離が起こり難く、前記目的に適合することを見出した。すなわち、本発明は、塩化物処理触媒を用いて石油留分を処理するプロセスにおいて、該触媒から流出する有機塩化物を吸収除去するに当り、ベントナイトと酸化亜鉛を混合して成形した吸収剤を使用することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明者らは上記の吸収剤に無機塩化物吸収成分を配合して、無機塩化物の吸収能を一層増強して有機塩化物と無機塩化物の両方をバランスよく同時に吸収できることを見出した。即ち、本発明は、塩化物処理触媒を用いて石油留分を処理するプロセスにおいて、該触媒から流出する有機塩化物を吸収除去するに当り、ベントナイトと酸化亜鉛に塩基性化合物を配合して成形した吸収剤を使用することを特徴とし、実用上の利点が大なる吸収剤を提供することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の吸収剤は、ベントナイトと酸化亜鉛を主成分とする。ベントナイト以外の粘土であっても、酸化亜鉛と混合することにより有機塩化物を吸収できるものであれば、どのようなものでも使用可能である。しかし、他の粘土として、カオリン、ガイロメ粘土、木節粘土などがあるものの、有機塩化物を吸収できるものを入手できる可能性は少ない。ベントナイトは、乾燥粉末状のものが好適に使用できる。また、湿式で混合・混練する場合は、水を含んだ粘土状のものも使用可能である。
【0015】
ベントナイトの混合割合は、乾燥粉末として5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%である。5重量%を切ると、有機塩化物の吸収速度が低下するため好ましくない。また、50重量%を超えると有機塩化物の吸収量が低下するため、やはり好ましくない。
【0016】
もう一つの成分である酸化亜鉛については、特に制限はないが、有機塩化物の吸収性能の点で、比表面積が20〜100m2/g、好ましくは30〜80m2/g、より好ましくは40〜70m2/gのものが好適に使用できる。このような酸化亜鉛は、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等を350〜400℃でか焼することにより得られる。これらの水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等は、水溶液から結晶化させたものが好ましく、例えば炭酸アンモニウム亜鉛水溶液から沈殿させた炭酸亜鉛、均一沈殿法で得られる水酸化亜鉛などが好適に使用できる。酸化亜鉛の配合量は、20〜95重量%、好ましくは25〜90重量%である。20重量%を切ると、有機塩化物の吸収容量が低下する。また、95重量%を超えると、ベントナイト量が減ることによる吸収速度の低下が起こるため好ましくない。
【0017】
酸化亜鉛とベントナイトは、既知の一般的な手段により混合成形して本発明の吸収剤とすることができる。剤の形状及びサイズは、その使用形態により様々であり、一般的には直径が1〜6mmで長さが3〜20mm程度の円柱状ペレットが好適に用いられるが、種々のサイズの異形状のペレット、錠剤形状、顆粒状及び破砕粒、また噴霧乾燥による微粒子など、特に制限はない。
【0018】
一般的な押出し円柱状ペレットの製造方法を例示する。所定量の酸化亜鉛粉末とベントナイト粉末をニーダーあるいはマーラー等の混合混練装置で十分に乾式混合した後、混合粉末1重量部に対して0.2〜0.5重量部の範囲で水を添加して混練する。水を添加する際には混練物の不均質が生じないように分割投入するのが望ましい。また添加水分量が上記の範囲外では成型が困難となり、吸収剤として成型した物の機械的強度が低下し、粉化し易くなるため望ましくない。得られた混練物を押出し成型機あるいはペレタイザーで所定の形状サイズのダイスを用いて円柱状ペレットに成型する。これを、200〜500℃、好ましくは250〜400℃の温度で乾燥した後、必要であれば所望の長さに粉砕する。得られた乾燥物を篩分けし、吸収処理に使用する。
【0019】
本発明の吸収剤は、湿式混練のみでも製造可能である。この場合、ベントナイトは乾燥粉末、粘土状の塊りに拘らず、混練前に十分分散した状態にしてから添加する必要がある。最も効果的な分散方法は、予め水で十分分散させる方法である。分散が不完全だと、均一な混合物が得られず、有機塩化物吸収性能も低下する。
【0020】
本発明の吸収剤は、比較的高温度まで有機塩化物を吸収できるが、ガス状の有機塩化物に対しては、室温付近でも使用できる。従って、室温から400℃の広い範囲で使用可能であるが、通常は20〜300℃、特には80〜250℃の範囲で好適に使用できる。液体状の炭化水素に含まれる有機塩化物に対しては、50〜400℃、好ましくは100〜300℃、特に好ましくは150〜250℃の範囲で有効である。本発明の吸収剤は、吸収した有機塩化物の脱離が起こり難い。これは、有機塩化物の吸収剤としては比較的使用温度が高いことと、酸化亜鉛及びベントナイトの触媒作用のため、有機塩化物が分解して酸化亜鉛と反応結合し、無機塩化物として固定されるためと考えられる。また、実施例に示したように、粘土として比表面積の低いカオリンを用いた場合に有機塩化物の吸収性能が出ないことから、ベントナイトのような比表面積の高い粘土が有機塩化物の分解固定化に有効に作用していると考えられる。
【0021】
さらに、有機塩化物ばかりでなく塩化水素などの無機塩化物を一層効率的に同時に除去する目的で、塩基性アルカリ金属化合物及び塩基性アルカリ土類金属化合物から選ばれる1種あるいは2種以上の塩基性化合物を添加することができる。前述したように、本発明の吸収剤は比較的高温まで有機塩化物を吸収できるため、無機塩化物の吸収に適する温度、すなわち150〜250℃で十分有機塩化物を吸収できる。このため、アルカリ土類金属化合物あるいはアルカリ金属化合物の添加によって、有機塩化物の吸収容量は若干犠牲になるが、有機塩化物と無機塩化物の両方を同じ吸収容器で効率良く吸収できるため、有機塩化物と無機塩化物の両方を含むガスに対しては、このような吸収剤が有効である。
【0022】
前記のアルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムが使用でき、その塩基性化合物として、これらの金属の酸化物、水酸化物、炭酸化物等が使用できる。添加する場合の配合量は、それらの酸化物換算の重量として50重量%以内、好ましくは20〜45重量%である。50重量%を超えると、塩化水素の吸収には問題がないが、酸化亜鉛が減少することになり、有機塩化物の吸収容量が減少するので好ましくない。
【0023】
これらの中でもコストの点で、特に水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムなどが好適に使用できる。これらは、ベントナイトと酸化亜鉛の配合時、混合時、或いは混練時の任意の工程で添加できるが、配合時に添加するのが最も好ましい。また、水酸化ナトリウムについては、混練時に水溶液として添加するのが好ましい。
【0024】
これらの無機塩化物吸収剤を配合する場合は、酸化亜鉛の配合量を適宜減少させる必要があり、酸化亜鉛として20〜60重量%、好ましくは25〜50重量%の範囲で好適に使用できる
本発明の有機塩化物吸収剤は、塩化物等により活性化処理した触媒を用いて石油留分を処理するプロセスで発生する有機塩化物の除去や原油に由来する有機塩化物の除去に適用される。また、本発明の有機塩化物吸収剤に無機塩化物吸収剤を配合したものを用いると、有機塩化物と無機塩化物を同時に吸収できるため、実操業上好ましい。前記の活性化処理した触媒を用いるプロセスは、ナフサ留分の接触改質、移動床式接触改質プロセスにおけるオキシクロリネーションなどの触媒再生プロセス、触媒の乾燥や水素還元などの前処理工程、芳香族化などの反応工程などを含む。石油留分としては、重質ナフサや軽質ナフサなどが挙げられる。また、塩化物処理により活性化した触媒としては、例えば上記重質ナフサを接触改質してガソリン基材を製造するための触媒、軽質ナフサからベンゼンを製造するための触媒、重質ナフサからBTXを製造するための触媒などがある。このような触媒の具体例としては、通常の接触改質触媒や各種ゼオライトに周期律表第VIII族貴金属を担持した触媒などが挙げられる。
【0025】
【実施例】
(液状炭化水素中の有機塩化物吸収性能試験)
6〜8メッシュに篩分けた吸収剤26.4mlを容器に入れ、LHSV:2.0hr ̄1、温度:200℃、圧力:2.0×106Paで吸収試験した。試験液は、直留ナフサであり、試験中の平均有機塩化物濃度は、塩素として7.8ppmであった。吸収前後の液をサンプリングし、微量電量分析で塩素濃度を測定し、塩素除去率を求めた。
【0026】
塩素除去率(%)=(入口濃度−出口濃度)×100/入口濃度
(ガス状炭化水素中の塩化物吸収性能試験)
6〜8メッシュに篩分けた吸収剤150mlを容器に入れ、GHSV:4540hr ̄1、温度:25℃、圧力:3.5×106Paで吸収試験した。
【0027】
試験ガスは、重質ナフサの接触改質ガスであり、平均有機塩化物濃度は塩素として3ppmであり、平均無機塩化物濃度は塩素として10ppmであった。有機塩化物は、吸収前後のガスを溶剤に吸収させ燃焼法により塩素濃度を測定し塩素除去率を求めた。無機塩化物は、吸収前後のガスをアルカリ水溶液(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム水溶液)に吸収させ、イオンクロマトグラフィーで塩化物イオンの濃度を測定し塩素除去率を求めた。
【0028】
(実施例1) 10kgのベントナイト粉末と25kgの酸化亜鉛粉末をニーダーで10分間乾式混合した。この酸化亜鉛粉末は、炭酸アミン亜鉛Zn(NH3)4CO3の水溶液を加熱することで沈殿として得られた炭酸亜鉛を370℃で熱分解することにより調整した。このようにして得られた酸化亜鉛粉末の比表面積は55m2/gであった。また、ベントナイト粉末の比表面積は52m2/gであった。乾式混合に引き続いてニーダー中へ12kgの水を10分間かけて除々に添加混合し、その後30分間混練した。得られた混練物を4.7mmのダイスを用いてペレット状に押出し成形し、300℃で1時間乾燥した。乾燥ペレットを破砕して6〜8メッシュに篩分け、液状炭化水素(直留ナフサ)に含まれる有機塩化物の吸収試験を行なった。結果を表1に示す。
【0029】
(実施例2〜4) ベントナイト粉末を3、6及び15kg、酸化亜鉛粉末をそれぞれ32、29及び20kgとした以外は実施例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
【0030】
(実施例5〜7) ベントナイト粉末を8kgに固定し、酸化亜鉛を13、17及び21kgとし、これにそれぞれ水酸化カルシウム粉末を29、25及び21kg配合し、添加水量を17kgとした以外は実施例1と同様にして吸収剤を調製して試験した。結果を表1に示す。
【0031】
(実施例8) 実施例1の吸収剤を使用し、ガス状炭化水素(接触改質ガス)に含まれる塩化物の吸収試験を行った、サンプリングは5日間毎に行った。その結果、90日間経過後に出口側のガスに含まれる無機塩化物が塩素として1ppmを超え、200日間経過後に出口側のガスに含まれる有機塩化物が塩素として1ppmを超えた。
【0032】
(実施例9) 実施例7の吸収剤を使用し、実施例8と同様に試験した。その結果、120日間経過後に出口側のガスに含まれる有機塩化物が塩素として1ppmを超え、275日間経過後に出口側のガスに含まれる無機塩化物が塩素として1ppmを超えた。
【0033】
(比較例1〜2) ベントナイト粉末を1及び20kg、酸化亜鉛粉末をそれぞれ34及び15kgとした以外は実施例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
【0034】
(比較例3) 酸化亜鉛を配合せずに、ベントナイト粉末17kg、水酸化カルシウム粉末を17kgとした以外は実施例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
【0035】
(比較例4) ベントナイトのみを成形し、実施例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
【0036】
(比較例5) ベントナイトを比表面積が12m2/gのカオリン粉末に変えた以外は、実施例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
【0037】
(比較例6) 吸収剤として活性アルミナを使用し、実施例8と同様に試験した。その結果、35日間経過後に出口側のガスに含まれる有機塩化物が塩素として1ppmを超えた。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
本発明の塩化物吸収剤は、塩化物等により活性化処理した触媒を用いて石油留分を処理するプロセスで発生する塩化物の除去や原油に由来する塩化物の除去に適用される。本発明の吸収剤は、無機塩化物の吸収に用いるアルカリ系吸収剤の使用に適する温度である150〜250℃において、効率良く有機塩化物を吸収でき、吸収容量も大きく、かつ吸収した有機塩化物の脱離が起こり難いため、操業上の利用価値が大きい。さらに、本発明の塩化物吸収剤に無機塩化物吸収剤を配合したものを用いると、無機塩化物の吸収効率が一層増強され、有機塩化物と無機塩化物とをバランスよく同時に効率的に吸収できるため、有機塩化物と無機塩化物の両方を含むガスに対して特に有効である。
Claims (3)
- 有機塩化物並びに無機塩化物を除去する吸収剤において、ベントナイトと酸化亜鉛を含有し、酸化亜鉛の濃度が20〜95重量%であり、ベントナイトの濃度が5〜50重量%である塩化物吸収剤。
- 更に塩基性アルカリ金属化合物及び塩基性アルカリ土類金属化合物から選ばれる1種あるいは2種以上の塩基性化合物を含有し、それらの合計が酸化物として50重量%以内である、請求項1記載の塩化物吸収剤。
- 前記塩基性化合物が水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムから選ばれる1種あるいは2種以上の塩基性化合物である請求項2に記載の塩化物吸収剤。
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