JP4429423B2 - 塩素化合物除去剤及びそれを用いる炭化水素流体中の塩素化合物の除去方法 - Google Patents

塩素化合物除去剤及びそれを用いる炭化水素流体中の塩素化合物の除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の工業上の流体から塩素化合物を除去する技術に関するものであり、さらに詳しくは、酸化亜鉛系塩素化合物除去剤及び該塩素化合物除去剤を用いて炭化水素流体から無機塩素化合物及び有機塩素化合物を除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石油系炭化水素に含まれる塩素化合物は、原油に由来するものと石油精製工程における触媒反応の際に炭化水素中に混入されるものがあり、その形態として無機塩素化合物と有機塩素化合物の存在することが知られている。
原油に由来する無機塩素化合物及び有機塩素化合物は原油の蒸留工程から得られる留出油等に随伴され直留ナフサ等にも含まれている。
【0003】
一方、石油製品の混合基材として用いられるナフサ等の液状炭化水素からガソリン基材を製造するために利用される白金等の貴金属系触媒を用いる接触改質工程では改質触媒の再生又は触媒活性の調節のために有機塩素化合物等の注入による触媒の活性化処理が行なわれている。従って、有機塩素化合物等により活性化処理された触媒の使用により水素の存在下での改質反応工程において有機塩素化合物が分解することにより生成する塩化水素等が改質油等に含有される。
このような塩化水素等の塩素化合物が反応器外に排出され改質生成油等と共に後段に流出すると下流の装置を腐蝕させる等の問題を引き起こすために、改質生成油から塩素化合物を除去することが不可欠とされている。
【0004】
前記塩素化合物のうち、塩化水素については、従来からアルカリ系の固体吸着剤又はアルカリ洗浄液を用いて除去するのが一般的である。例えば固体吸着剤の事例として、特公昭52−35036号公報には酸化亜鉛と酸化カルシウムを吸着成分とし、クレイを添加した吸着剤が記載されている。また、特表平7−506048号公報には、アルカリ金属酸化物を担持した活性アルミナを用いて炭化水素中の塩素化合物を吸着除去する方法が開示されている。さらに、塩素化合物との接触による装置の腐蝕を防ぐために、石油精製装置、例えば接触改質装置の触媒層の直後に近接して塩素化合物除去剤層を設置した例が特開平7−88315号公報に開示されている。そして該除去剤としては、吸着した塩化水素が容易に脱離しないものとして酸化カルシウム、酸化ナトリウム等の酸化物をゼオライト等の耐火性酸化物に担持したものが記載されている。
【0005】
しかしながら、このような従来提案されている塩素化合物除去剤は、吸着塔に充填直後は無機塩素化合物を効率良く吸収するが、長期間にわたる連続的な工業規模での使用にとっては吸着容量が不足しがちなものが多い。特に、活性アルミナ等を主成分とする吸着剤は、充填初期において吸着速度も早く有効に作用するが、吸着容量が少ないという難点があり、また、操業条件が変化した場合に、吸着した塩化水素等が脱離する問題点も有している。
一方、前記の特公昭52−35036号公報に記載されている酸化亜鉛を用いる吸着剤は、吸着速度は活性アルミナよりも若干劣るものの、理論的な吸着容量が大きく、しかも吸着した塩化水素等を化学結合によって保持するため脱離し難い点で優れた吸着剤である。
【0006】
ところで、これらの吸着剤は実用に供するためには押出成形等でペレット状に成形する必要があり、一般的には、価格、汎用性という面からベントナイト、カオリン等のクレイが結合剤として使用されている。しかし、これらの酸化亜鉛系塩素化合物吸着剤は酸化亜鉛と塩素化合物の反応を利用したものであるため、塩素化合物の吸着の進行とともにルイス酸性を有する塩化亜鉛を生成する。このような固体酸性を示す材料上では流体中の炭化水素と塩素化合物が反応して、有機塩素化合物が生成し、吸着塔のその出口濃度が入口濃度より高くなることが知られている。この塩化亜鉛の生成の結果、酸化亜鉛を用いた吸着剤でも長期使用においては前述した問題が生じ、十分な塩素化合物除去性能を発揮できないという問題がある。酸化亜鉛系塩素化合物除去剤であって有機塩素化合物の生成を抑制した高性能な塩素化合物除去剤の開発が不可欠なものとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題の第一は、前記の問題点を解決し長期使用に耐え得る酸化亜鉛を含む塩素化合物除去剤を提供することにある。特に、炭化水素流体中の塩素化合物を除去する際に用いられる塩素化合物除去剤であって、有機塩素化合物の生成の抑制可能な酸化亜鉛系塩素化合物除去剤を提供することにある。
さらに、本発明の課題の第二は、炭化水素流体からの無機塩素化合物及び有機塩素化合物の両者の長期連続的な除去が可能な方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、酸化亜鉛を含む塩素化合物除去剤にアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を添加することにより有機塩素化合物の生成が抑制され塩素化合物の除去可能な使用時間が大幅に長くなることを見いだし、これらの知見に基づいて本発明の完成に到達した。
【0009】
すなわち、本発明の第一は、炭化水素流体中に含有される塩素化合物の除去に用いられる塩素化合物除去剤であって、酸化亜鉛と結合剤とからなる塩素化合物除去剤にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選択される少なくとも一種の塩基性化合物を塩素化合物除去剤全重量基準で少なくとも10重量%添加してなり、有機塩素化合物生成の活性を抑制したことを特徴とする塩素化合物除去剤に関するものである。
【0010】
また、本発明の好ましい実施の形態によれば
▲1▼酸化亜鉛と結合剤とからなる塩素化合物除去剤にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選択される少なくとも一種の塩基性化合物を塩素化合物除去剤全重量基準で少なくとも10重量%添加してなり、
▲2▼細孔直径1000Å以上の細孔容積が少なくとも0.05ml/gであり、細孔直径100Å以上の細孔容積が少なくとも0.35ml/gであり、細孔直径10Å以上の細孔容積が0.40ml/gであり、かつ
▲3▼圧縮強度が少なくとも0.7kgである炭化水素流体中の塩素化合物除去剤を提供するものである。
【0011】
本発明の第二は、塩素化合物を含有する炭化水素流体を酸化亜鉛と結合剤を含有する塩素化合物除去剤にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選択される少なくとも一種の塩基性化合物を添加してなる塩素化合物除去剤と接触させることを特徴とする炭化水素流体からの塩素化合物の除去方法に関するものである。
【0012】
本発明の好ましい実施の態様によれば、
▲1▼無機塩素化合物及び有機塩素化合物を含有する液状炭化水素流を常温から400℃の温度で前記塩素化合物除去剤と接触させる炭化水素流体からの塩素化合物の除去方法、
▲2▼前記炭化水素流体と前記塩素化合物除去剤との接触を、有機塩素化合物の生成を抑制した条件下において30日以上連続して行なうことからなる炭化水素流体からの塩素化合物の除去方法
を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明について以下にさらに詳細に説明する。
本発明の塩素化合物除去剤は、酸化亜鉛及び結合剤を含有する塩素化合物除去剤に添加されたアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選択される少なくとも一種の塩基性化合物から構成されるものである。
【0014】
酸化亜鉛についてはその性状が特に限定されるものではないが、塩素化合物の吸着性能を維持する点から比表面積が20m2 /g〜100m2 /gであり、特に40m2 /g以上のものが好適である。また、酸化亜鉛の製造方法についても特に限定されるものではなく、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等を仮焼することにより製造したものでよい。これらの水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等の亜鉛化合物は、各々の水溶液から結晶化させたものを用いることができる。例えば、炭酸アンモニウム亜鉛水溶液から沈殿により得られた炭酸亜鉛等が好ましい。
酸化亜鉛の配合量は、塩素化合物除去剤全重量基準で10重量%〜70重量%、好ましくは20重量%〜60重量%である。配合量が10重量%に満たないと塩素化合物の除去効果が十分でなく70重量%を超えても増量に見合う塩素化合物の除去効果が得られないばかりか有機塩素化合物の生成量が増加するという難点が生ずることから配合量の制御は肝要である。
【0015】
本発明の塩素化合物除去剤は、酸化亜鉛、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の塩基性化合物の主成分に加えて結合剤が構成要素の一つとされる。結合剤としては、可塑性を有する粘土、例えば、カオリン、ガイロメ粘土、木節粘土、ベントナイト、セピオライト、アタパルジャイト(パリゴルスカイト)、タルク等を挙げることができるが、本発明の目的の達成には、特に、セピオライト、アタパルジャイト(パリゴルスカイト)、タルク等のアルカリ土類金属ケイ酸塩を用いることが好ましい。さらに、結合剤として一般に市販されているシリカゾル、水ガラス、アルミナゾル、水酸化アルミニウム、ベーマイト型含水アルミナ等を添加してもよい。これらの結合剤は、乾燥粉末状のものが好適に使用できるが、湿式で混合・混練する場合は、水を含んだ粘土状のものも使用することが可能である。
結合剤の配合量は、塩素化合物除去剤全重量基準で80重量%以下、好ましくは、20〜70重量%である。結合剤の配合量が80重量%を超えると、有機塩素化合物に対する除去性能が低下するという難点が生ずる。
【0016】
本発明の塩素化合物除去剤の構成要素としてのアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の塩基性化合物は、アルカリ金属化合物としては、ナトリウム、カリウム及びリチウムの化合物から選択され、また、アルカリ土類金属化合物としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム及びストロンチウムの化合物が選択され、各々、酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩の形態で使用することができる。これらのなかではアルカリ金属水酸化物が好ましく、また、アルカリ土類金属化合物、例えば、マグネシウム、カルシウムの水酸化物が好適であり、特に消石灰が好ましい。
【0017】
本発明の塩素化合物除去剤中のアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物の配合量は10重量%以上であり、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜60重量%である。配合量が10重量%に満たないと塩素化合物除去剤の有機塩素化合物の生成抑制能が低下し使用時間を長くすることができない。一方、80重量%を超えると除去剤の強度が低下し、また塩素化合物の除去率が低下するという問題も生ずる。
本発明の塩素化合物除去剤は、酸化亜鉛、結合剤及びアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物を、既知の一般的な手段により混合成形することにより製造することができる。
本発明の塩素化合物除去剤の特異性は、前記のような化学組成を有することにあり、さらに、次に示す特定の細孔分布を具備し、多孔性であるにも拘らず高度の強度を有する点にある。
【0018】
すなわち、全細孔容積が少なくとも0.40ml/gであり、1000Å以上の細孔直径における細孔容積が少なくとも0.05ml/gであり、100Å以上の細孔直径における細孔容積が少なくとも0.35ml/gであり、10Å以上の細孔直径における細孔容積が少なくとも0.40ml/gである細孔構造を有し、かつ圧縮強度が少なくとも0.7kgのものである。
【0019】
好ましい細孔分布としては細孔直径1000Å以上の細孔容積が少なくとも0.05ml/gであり、細孔直径100Å以上の細孔容積が少なくとも0.40ml/g以上であり、細孔直径10Å以上の細孔容積が少なくとも0.45ml/g以上のものである。特に、全細孔容積に対し細孔直径1000Å以上の細孔容積;5%以上、細孔直径100Å以上1000Å未満の細孔容積;50%以上、細孔直径10Å以上100Å未満の細孔容積;45%以下のものが有用である。
前記細孔容積は、水銀圧入法により測定したものである。
【0020】
塩素化合物除去剤の形状及びサイズは、その使用形態により任意に選択することができる。例えば、種々のサイズの異形状のペレット、錠剤形状、顆粒状及び破砕粒、さらに噴霧乾燥による微粒子等も使用することができ、特に制限はないが、一般的には直径が1〜6mmで長さが3〜20mm程度の円柱状ペレットを用いることが好ましい。
【0021】
次に、本発明の塩素化合物除去剤の一般的な押出し円柱状ペレットの製造方法を例示する。
所定量の酸化亜鉛粉末とアルカリ土類金属水酸化物粉末をニーダー又はマーラー等の混合混練装置で十分に乾式混合した後、混合粉末1重量部に対して0.2〜0.5重量部、好ましくは0.3〜0.4重量部の範囲で水を添加して混練する。水を添加する際には混練物の不均質が生じないように分割投入するのが望ましい。得られた混練物を押出し成形機又はペレタイザーで所定の形状のダイスを用いて円柱状ペレットに成型する。これを、200〜500℃、好ましくは250〜400℃の温度で乾燥した後、必要であれば所望の長さに粉砕する。得られた乾燥物を篩分けし、粒径分布を調整した後、塩素化合物除去剤として仕上げる。
【0022】
本発明の塩素化合物除去剤の製造においては、乾式混合工程を省略して湿式混練のみでも製造可能である。この場合、分散し難い粘土等は、混練前に十分分散した状態にしてから添加する必要がある。最も効果的な分散方法は、予め水で十分分散させる方法である。分散が不完全であると均質な混合物が得られず、圧縮強度が低下するという問題が生ずる。
【0023】
前記のようにして得られる本発明の塩素化合物除去剤は、塩化水素等の無機塩素化合物を化学的に吸着し、安定な化合物として固定するため、吸着した塩素化合物の脱離が起こり難い。さらに、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物が添加されていることにより有機塩素化合物の生成の活性を抑制したものである。
【0024】
次に、本発明の塩素化合物除去剤を用いる工業上の流体、特に炭化水素流体からの塩素化合物の除去方法について説明する。
すなわち、本発明の炭化水素流体中の塩素化合物の除去方法は、塩素化合物を含有する液状炭化水素流体を前記塩素化合物除去剤と接触させることから構成される。
【0025】
前記液状炭化水素流体としては限定されるものではなく、石油精製工程から得られる炭化水素流体であれば、沸点範囲の如何を問わず、種々の炭化水素留分を用いることができる。特に、有機塩素化合物で活性化処理した貴金属触媒が接触改質装置等で使用された際に流出した塩化水素等の無機塩素化合物及び活性化剤として使用した有機塩素化合物を含有する接触改質油等の炭化水素流体を本発明の塩素化合物の除去方法の対象として用いることができる。さらに、塩素化合物が混入されたものであれば無機化合物又は有機化合物等の形態に拘らず使用することができる。
【0026】
本発明の炭化水素流体中の塩素化合物の除去方法において、処理条件として、常温から400℃までの広範囲の温度を採用することができるが、好ましくは10℃〜200℃であり、特に10℃〜150℃の低温条件が好適である。また、圧力は0.1MPa〜15MPa、好ましくは0.1MPa〜5MPaであり、線速度は1cm/分〜100cm/分、好ましくは10cm/分〜80cm/分である。このような処理条件を採用することにより有機塩素化合物の生成を抑制し、長時間の塩素化合物の除去処理を可能とし、前記無機塩素化合物及び有機塩素化合物の除去において前記塩素化合物除去剤の性能を効果的に発揮させることができる。
また、本発明の塩素化合物の除去方法において、塩素化合物除去剤は、例えば固定床、流動床又は移動床等のいずれの反応形式でも用いることができるが、特に装置面及び操作上から固定床が好ましい。
【0027】
【実施例】
以下、本発明について実施例及び比較例により具体的に説明する。もっとも本発明は実施例等により何ら限定されるものではない。
なお、実施例等で調製した各塩素化合物除去剤の除去性能は、次の液状炭化水素中の塩素化合物除去性能試験により評価した。
【0028】
(液体炭化水素中の塩素化合物除去性能試験)
1/16インチのペレット状に成形した塩素化合物除去剤を内径5cmの反応管に100cmの高さに充填して塩素化合物除去塔を作製し、これに温度40℃、圧力1.7MPa、線速度40cm/分で液状炭化水素を頂部から連続的に通過させ、除去塔出口でサンプリングした液状炭化水素を試料として無機及び有機塩素化合物濃度を各々測定した。
無機塩素化合物は液状炭化水素をイオン交換水と接触させ抽出して得られた抽出液についてイオンクロマトグラフィーで塩素化合物イオン濃度を測定した。
また、有機塩素化合物はイオン交換水で抽出した後の抽残液の液状炭化水素について微量電量滴定分析で塩素化合物濃度を測定した。
また、試験後の塩素化合物除去剤中の塩素化合物含有量(除去剤単位重量当たりの塩素重量(%))は試験後の除去剤を粉砕し、イオン交換水で抽出した後にイオンクロマトグラフィーで塩素濃度を分析した値から算出した。
塩素化合物除去性能試験において液状炭化水素流体としては、リフォーメート(比重15/4℃:0.818、初留点80℃〜終点200℃)を使用し、試験中の平均無機塩素化合物濃度は塩素として2mg/kg、平均有機塩素化合物濃度は塩素として1mg/kg、水分濃度は30mg/kgであった。
【0029】
(塩素化合物除去剤の細孔容積の測定方法)
島津製作所オートポアIII 9420を用いる水銀圧入法による。
(塩素化合物物除去剤の圧縮強度の測定方法)
木屋式硬度計を用いて測定し、試料を試料台に乗せ、徐々に荷重をかけ、試料が破壊した時の値を圧縮強度とした。
【0030】
(実施例1)
5kgの酸化亜鉛粉末、2kgのセピオライト粉末及び3kgの消石灰をニーダーで10分間乾式混合した。乾式混合に引き続いてニーダー中へ3kgの水を10分間かけて徐々に添加混合し、その後10分間混練した。得られた混練物を1/16インチのペレット状に押出し成形し、押出成形体を空気中で270℃で1時間乾燥し塩素化合物除去剤を調製した。
このようにして得られた塩素化合物除去剤は、次に示すように全細孔容積;0.65ml/g、細孔直径1000Å以上の細孔容積;0.20ml/g、細孔直径100Å以上の細孔容積;0.55ml/g、細孔直径10Å以上の細孔容積;0.65ml/gであり、圧縮強度が0.7kgであった。
この塩素化合物除去剤を塩素化合物除去性能評価試験に供した。除去性能を塩素化合物のリークが開始されるまでの処理時間の長さ(日数)により評価したところ、無機塩素化合物については30日以上となり、また、有機塩素化合物についても30日以上であった。
【0031】
(参考例1)
5kgの酸化亜鉛粉末、2kgのベントナイト粉末及び3kgの消石灰をニーダーで10分間乾式混合した。乾式混合に引き続いてニーダー中へ3kgの水を10分間かけて徐々に添加混合し、その後10分間混練した。得られた混練物を1/16インチのペレット状に押出し成形し、押出成形体を空気中で270℃で1時間乾燥し塩素化合物除去剤を調製した。ここで得られた塩素化合物除去剤の細孔構造を次に示す。
全細孔容積:0.53ml/g
細孔容積(≧直径1000Å):0.25ml/g
細孔容積(≧直径100Å) :0.40ml/g
細孔容積(≧直径10Å) :0.53ml/g
圧縮強度 :1.2kg
この塩素化合物除去剤を前記塩素化合物除去性能試験に供したところ、無機塩素化合物のリークまでの時間が30日以上、有機塩素化合物についても25日であった。評価結果を表2に示す。
【0032】
(参考例2)
5kgの酸化亜鉛粉末、2kgのベントナイト粉末をニーダーで10分間乾式混合した。乾式混合に引き続いてニーダー中へ6kgの水酸化ナトリウム水溶液を10分間かけて徐々に添加混合し、その後10分間混練した。得られた混練物を1/16インチのペレット状に押出し成形し、押出成形体を空気中で270℃で1時間乾燥し塩素化合物除去剤を調製した。
前記塩素化合物除去性能を評価したところ、30日で無機塩素化合物がリークした。有機塩素化合物については25日でリークした。結果を表2に示す。
【0033】
(比較例1)
2kgの酸化亜鉛及び2kgのセピオライト粉末をニーダーで10分間乾式混合した。乾式混合に引き続いてニーダー中へ3kgの水を10分間かけて徐々に添加混合し、その後10分間混練した。得られた混練物を1/16インチのペレット状に押出し成形し、押出成形体を空気中で270℃で1時間乾燥し塩素化合物除去剤を調製した。ここで得られた塩素化合物除去剤の細孔構造及び圧縮強度は次の通りである。
全細孔容積:0.55ml/g
細孔容積(≧直径1000Å):0.02ml/g
細孔容積(≧直径100Å) :0.31ml/g
細孔容積(≧直径10Å) :0.55ml/g
圧縮強度 :2.4kg
このようにして得られた塩素化合物除去剤を前記塩素化合物除去性能試験に供した。評価結果を表2に示す。評価結果によると無機塩素化合物のリークは30日以上で生じ、一方、有機塩素化合物については10日であった。
【0034】
(比較例2)
5kgの酸化亜鉛及び5kgのベントナイト粉末をニーダーで10分間乾式混合した。乾式混合に引き続いてニーダー中へ3kgの水を10分間かけて徐々に添加混合し、その後10分間混練した。得られた混練物を1/16インチのペレット状に押出し成形し、押出成形体を空気中で270℃で1時間乾燥し塩素化合物除去剤を調製した。ここで得られた塩素化合物除去剤を前記塩素化合物除去性能試験に供した。評価結果を表2に示す。評価結果によると無機塩素化合物のリークは10日経過時に生じ、有機塩素化合物についても5日経過時にリークが生じた。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明の塩素化合物除去剤は、塩素化合物等により活性化処理した触媒を用いて石油留分を処理するプロセスで発生する塩化水素及びその他塩素化合物の除去や原油に由来する塩素化合物の除去に有用である。酸化亜鉛及び結合剤を含む塩素化合物除去剤にアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物からなる塩基性化合物を添加することにより有機塩素化合物の生成を抑制し長期間にわたり使用可能な塩素化合物除去剤を提供することができる。
特に、本発明によれば前記塩素化合物除去剤を用いることにより炭化水素流体から無機及び有機塩素化合物の両者を効率よく長期間にわたり除去することができる。

Claims (5)

  1. 炭化水素流体中に含有される塩素化合物の除去に用いられる塩素化合物除去剤であって、酸化亜鉛と結合剤であるセピオライト、タルク又はアタパルジヤイト(パリゴルスカイト)とからなる塩素化合物除去剤にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選択される一種の塩基性化合物を前記塩素化合物除去剤全重量基準で少なくとも10重量%添加し有機塩素化合物生成の活性を抑制したことを特徴とする塩素化合物除去剤。
  2. 前記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物が酸化物、水酸化物、炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種の塩基性化合物である請求項1に記載の塩素化合物除去剤。
  3. 前記塩素化合物除去剤全重量基準で、前記酸化亜鉛の含有量が10重量%〜70重量%、前記結合剤の含有量が80重量%以下であり、前記アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物からなる群より選択される少なくとも一種の塩基性化合物の含有量が10重量%以上である請求項1に記載の塩素化合物除去剤。
  4. 塩素化合物を含有する炭化水素流体を請求項1に記載の塩素化合物除去剤と接触させることを特徴とする炭化水素流体中の塩素化合物の除去方法。
  5. 前記炭化水素流体と前記塩素化合物除去剤との接触温度が、常温から400℃の範囲である請求項4に記載の塩素化合物の除去方法。
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