JP2000351683A - 耐酸化保護層を有する炭素質材料およびその製造方法 - Google Patents

耐酸化保護層を有する炭素質材料およびその製造方法

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JP2000351683A JP2000106099A JP2000106099A JP2000351683A JP 2000351683 A JP2000351683 A JP 2000351683A JP 2000106099 A JP2000106099 A JP 2000106099A JP 2000106099 A JP2000106099 A JP 2000106099A JP 2000351683 A JP2000351683 A JP 2000351683A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温における高強度(高い耐熱衝撃性)と、
材料としての高い信頼性(靱性、耐衝撃性、耐摩耗
性)、耐環境性(耐食性、耐酸化性、耐放射線性)等に
加え、省エネルギー、容作業性の観点から軽量性を併せ
充足するとともに、大気中で少なくとも800℃、好ま
しくは、1000℃以上の高温下でも実質的に酸化され
ることがない新規な炭素質材料、および同炭素質材料の
製造方法の提供。 【解決手段】 炭素質材料の表面に少なくともホウ素含
有層と、さらに、所望に応じてガラスおよび/またはセ
ラミックスからなる層とを、大気中で少なくとも800
℃で実質的に酸化されることがない耐酸化保護層とし
て、形成することにより製造されうる、大気中で少なく
とも800℃で実質的に酸化されることがない耐酸化保
護層を炭素繊維の表面に有する炭素質材料、および同炭
素質材料の製造方法により達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、大気中で少なく
とも800℃で実質的に酸化されることがない耐酸化保
護層を有する炭素質材料、同炭素質材料の製造方法、お
よび同複合材料の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】 今日においては、技術革新が急速に進
む中で、大気中で少なくとも800℃、好ましくは、1
000℃以上の高温下でも実質的に酸化されることがな
い材料の出現が、宇宙往還機やスペースプレーン等の宇
宙開発分野や、酸素の存在下で使用される窯道具や、セ
ラミックコンデンサー用のセッター、壁掛け型の大型デ
ィスプレ−として知られているプラズマテレビ用の保護
ガラスの製造等といった分野で特に熱望されている。勿
論、このような分野で使用するためには、高温における
高強度(高い耐熱衝撃性)と材料としての高い信頼性
(靱性、耐衝撃性、耐摩耗性)、耐環境性(耐食性、耐
酸化性、耐放射線性)等に加え、省エネルギー、容作業
性の観点から軽量性が要求されることはいうまでもな
い。
【0003】 このような分野の内、一部の分野におい
ては、従来から、耐熱性に優れ、かつ高強度である窒化
珪素や炭化珪素材料が用いられてきたが、固有の性質と
して脆さという欠点を有しており、小さな傷に対しても
極めて脆く、熱的、機械的衝撃に対しても充分な強度を
有していなかった。
【0004】 また、このセラミックスの欠点を克服す
る手段として、連続したセラミックス系繊維を複合化さ
せたセラミックス系複合材料(CMC)が開発され、一
部分野での用途開発が行われている。そのような試みの
中には、直径が10μm前後のセラミックス長繊維を、
通常、数百本〜数千本束ねて繊維束(ヤーン)を形成
し、この繊維束を二次元または三次元方向に配列して一
方向シート(UDシート)や各種クロスとしたり、また
上記シートやクロスを積層したりすることにより、所定
形状の予備成形体(繊維プリフォーム)を形成し、この
予備成形体の内部に、CVI法(化学的気相含浸法)や
無機ポリマー含浸焼成法等によりマトリックスを形成し
たり、または、上記予備成形体内部にセラミック粉末を
鋳込み成形法によって充填した後に焼成することによ
り、マトリックスを形成して、セラミックマトリックス
中に繊維を複合化したセラミックス系繊維複合材料(C
MC)が開発されている。
【0005】 このような、CMCの具体例としては二
次元または三次元方向に配列した炭素繊維の間隔に炭素
からなるマトリックスを形成してなるC/Cコンポジッ
ト、SiC繊維とSiC粒子を含む成形体にSiを含浸
させて形成されるSiC繊維強化Si−SiC複合体等
が知られている。しかし、このようなSiC繊維強化S
i−SiC複合体は、耐酸化性、耐クリープ性、耐スポ
ーリング性等には優れるものの、SiC繊維はSi−S
iC等との潤滑性に劣るため、母体と繊維間の引き抜き
効果が小さいことから、C/Cコンポジットに比べて靭
性に劣り、そのため耐衝撃性が低く、また、一部に炭素
繊維を使用しているので酸素の存在下では、容易に燃焼
してしまうという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は上記した従
来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、高温における高強度(高い耐熱衝撃性)と、
材料としての高い信頼性(靱性、耐衝撃性、耐摩耗
性)、耐環境性(耐食性、耐酸化性、耐放射線性)等に
加え、省エネルギー、容作業性の観点から軽量性を併せ
充足するとともに、大気中で少なくとも800℃、好ま
しくは、1000℃以上の高温下でも実質的に酸化され
ることがない新規な炭素質材料、および同炭素質材料の
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記の
様な現状に鑑みて種々検討した結果、大気中で少なくと
も800℃で実質的に酸化されることがない耐酸化保護
層を有する炭素質材料により上記の目的が達成されるこ
とを見いだして、本発明を完成させたものである。さら
に、炭素質材料の表面に少なくともホウ素含有層と、さ
らに、所望に応じてガラスおよび/またはセラミックス
からなる層とを、大気中で少なくとも800℃で実質的
に酸化されることがない耐酸化保護層として、形成する
ことを特徴とする、大気中で少なくとも800℃で実質
的に酸化されることがない耐酸化保護層を有する炭素質
材料の製造方法により、上記の目的を達成することを見
いだして、本発明を完成させたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】 本発明に係る炭素質材料は、そ
の基材として、主として炭素繊維からなる原料を使用す
るものである。本発明に使用する炭素質材料としては、
先ず第1に、炭素繊維が挙げられる。このような炭素繊
維としては、その製法、使用原料を問わず使用可能であ
る。実際の使用に際しては、炭素繊維をバインダー等を
使用して、所定形状に成形して、使用する。耐久性の点
から以下にいうC/Cコンポジットが好ましい。さら
に、このC/CコンポジットにSiを含浸させた複合材
料も、本発明でいう炭素質材料に含むものである。かか
るSiを含浸させた複合材料としては、以下に定義し、
詳述するSi−SiC系複合材料、SiC系複合材料が
好適に使用される。なお、ここで、本明細書において
は、炭素質材料とは、炭素繊維それ自体はいうまでもな
く、広義には、炭素繊維に含まれる、C/Cコンポジッ
トをも含むものである。加えて、このC/Cコンポジッ
トに所定量の金属珪素を含浸して得られる、特定の加工
をした炭素質材料である、Si−SiC系複合材料もS
iC系複合材料も炭素質材料に含むものである。これら
のものの性状、製造方法等については以下に詳述するこ
ととする。なお、称呼上の混乱を避けるために、本明細
書の以下の記述においては、炭素質材料とは、C/Cコ
ンポジット、Si−SiC系複合材料、およびSiC系
複合材料をも包含する用語として使用する。従って、本
発明においては、基材としては、狭義の炭素繊維のみな
らず、上述の複合材料の両者が使用可能である。
【0009】 本明細書において、C/Cコンポジット
とは、炭素繊維の束のマトリックスとして作用する粉末
状のバインダーであって、焼成後には炭素繊維の束に対
して遊離炭素となるピッチ、コークス類を包含させ、さ
らに必要に応じてフェノール樹脂粉末等を含有させるこ
とによって、炭素繊維束を調製し、この炭素繊維束の周
囲に、熱可塑性樹脂等のプラスチックからなる柔軟な被
膜を形成し、柔軟性中間材としてのプレフォームドヤー
ンを得る。このプレフォームドヤーンを、特開平2−8
0639号公報に記載されている方法によりシート状ま
たは織布状にし、必要量を積層した後、ホットプレスで
成形し得られた成形体、または、この成形体を焼成して
得られる焼成体をいう。すなわち、本発明においてC/
Cコンポジットとは、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素と
から構成され、該炭素繊維は、特定の本数からなる炭層
繊維束からなる積層構造を構成しており、炭素繊維以外
の炭素は、該積層構造と積層構造との間の空隙をマトリ
ックスを形成して、埋めている構造を有する、特定積層
構造とマトリックスの構造からなることを特徴とする複
合材料をいう。
【0010】 基本素材として使用するC/Cコンポジ
ットとしては、直径が10μm前後の炭素繊維を、通
常、数百本〜数万本束ねて繊維束(ヤーン)を形成し、
この繊維束を熱可塑性樹脂で被覆して調製した柔軟性糸
状中間材を得、これを特開平2−80639号公報に記
載されている方法によりシート状にし、このシート状と
したものを二次元または三次元方向に配列して一方向シ
ート(UDシート)や各種クロスとしたり、また上記シ
ートやクロスを積層したりすることにより、所定形状の
予備成形体(繊維プリフォーム)を形成し、該予備成形
体の繊維束の外周に形成されている有機物からなる熱可
塑性樹脂等の被膜を焼成し、上記の同皮膜を炭化除去し
たものを使用すればよい。なお、本明細書に於いて、参
考のために特開平2−80639号公報の記載を引用す
る。本発明に於いて使用するC/Cコンポジットは、上
記のヤーン中の炭素繊維以外の炭素成分は、好ましくは
炭素粉末であり、特に好ましくは黒鉛化した炭素粉末で
ある。
【0011】 本発明において、Si−SiC系複合材
料とは、55重量%〜75重量%の炭素と、1重量%〜
10重量%の珪素と、10重量%〜50重量%の炭化珪
素とから構成され、少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維
以外の炭素成分とを含有するヤーンが層方向に配向しつ
つ三次元的に組み合わされ、互いに分離しないように一
体化されているヤーン集合体と、このヤーン集合体中で
隣り合う前記ヤーンの間に充填されているSi−SiC
系材料からなるマトリックスとを備え、0.05〜0.
6の動摩擦係数と、0.5%〜10%に制御された気孔
率とを有する複合材料をいう。この材料は、平成10年
9月4日付の出願に係る特願平10−267402号に
開示された方法により製造することができる。従って、
特願平10−267402号の内容をここに引用する。
【0012】 なお、ここで、Si−SiC系材料と
は、未反応の状態で残存する珪素からなる珪素相からほ
ぼ純粋な炭化珪素に至るまでの、いくつかの相異なる相
を含む、典型的には珪素相と炭化珪素相からなるが、炭
化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変化しているS
iC共存相を含みうるものをいう。従って、Si−Si
C系材料とは、このようにSi−SiC系列において、
炭素の濃度として、0mol%から50mol%までの
範囲以内で含まれてる材料の総称である。本発明に係る
Si−SiC系複合材料においては、マトリックス部が
Si−SiC系材料により形成されていることとなる。
【0013】 また、このSi−SiC系複合材料は、
好ましくは、ヤーンの表面から離れるのに従って珪素の
含有比率が上昇する傾斜組成を有するマトリックスを有
している。また、このSi−SiC系複合材料において
は、好ましくは、炭素繊維からなるヤーン集合体は、複
数のヤーン配列体から構成されており、各ヤーン配列体
はそれぞれ特定本数の炭素繊維を束ねて構成したヤーン
をほぼ平行に二次元的に配列することによって形成され
ており、各ヤーン配列体が積層されることによってヤー
ン集合体が構成されている。これによって、Si−Si
C系複合材料は、複数層のヤーン配列体を特定方向に積
層した積層構造を有することになる。
【0014】 図1は、ヤーン集合体の概念を説明する
ための概略斜視図であり、図2(a)は図1のIIa−
IIa線断面図であり、図2(b)は図1のIIb−I
Ib線断面図である。Si−SiC系複合材料7の骨格
は、ヤーン集合体6によって構成されている。ヤーン集
合体6は、ヤーン配列体1A、1B、1C、1D、1
E、1Fを上下方向に積層してなる。各ヤーン配列体に
おいては、各ヤーン3が二次元的に配列されており、各
ヤーンの長手方向がほぼ平行である。上下方向に隣り合
う各ヤーン配列体における各ヤーンの長手方向は、直交
している。すなわち、各ヤーン配列体1A、1C、1E
の各ヤーン2Aの長手方向は、互いに平行であり、かつ
各ヤーン配列体1B、1D、1Fの各ヤーン2Bの長手
方向に対して直交している。各ヤーンは、炭素繊維と、
炭素繊維以外の炭素成分とからなる繊維束3からなる。
ヤーン配列体が積層されることによって、三次元格子形
状のヤーン集合体6が構成される。各ヤーンは、後述す
るような加圧成形工程の間に押しつぶされ、略楕円形に
なっている。
【0015】 各ヤーン配列体1A、1C、1Eにおい
ては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリックス8A
が充填されており、各マトリックス8Aはヤーン2Aの
表面に沿ってそれと平行に延びている。各ヤーン配列体
1B、1D、1Fにおいては、隣り合う各ヤーンの間隙
には、マトリックス8Bが充填されており、各マトリッ
クス8Bは、ヤーン2Bの表面に沿ってそれと平行に延
びている。本例では、マトリックス8A、8Bは、それ
ぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相4A、4B
と、炭化珪素相4A、4Bよりも炭素の含有割合が少な
いSi−SiC系材料相5A、5Bからなっている。炭
化珪素相中にも珪素を一部含有していてよい。また、本
例では、上下方向に隣接するヤーン2Aと2Bとの間に
も、炭化珪素相4A、4Bが生成している。
【0016】 各マトリックス8Aと8Bとは、それぞ
れヤーンの表面に沿って細長く、好ましくは直線状に延
びており、各マトリックス8Aと8Bとは互いに直交し
ている。そして、ヤーン配列体1A、1C、1Eにおけ
るマトリックス8Aと、これに直交するヤーン配列体1
B、1D、1Fにおけるマトリックス8Bとは、それぞ
れヤーン2Aと2Bとの間隙部分で連続している。この
結果、マトリックス8A、8Bは、全体として、三次元
格子を形成している。
【0017】 本発明において、SiC系複合材料と
は、炭化珪素と炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分とか
ら構成され、骨格部と骨格部の周囲に形成されマトリッ
クスとからなる構造を有するSiC−C/Cコンポジッ
ト複合材料であって、炭化珪素の少なくとも50%はβ
型で、骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分に
より形成されており、その骨格部の一部分には炭化珪素
が存在していてもよく、マトリックスは、炭化珪素によ
り形成され、前記マトリックスと前記骨格部とは一体的
に形成されており、かつ、前記複合材料は0.5%〜5
%の気孔率と二山型の平均気孔径の分布を有する複合材
料をいう。
【0018】 従って、このSiC系複合材料は、骨格
部として、各炭素繊維が炭素繊維束から構成されている
C/Cコンポジットを用いており、そのため、その一部
にSiCが形成されていても、各炭素繊維としては炭素
繊維としての構造が、破壊されることなく保持されてい
るために炭素繊維が炭化珪素化により短繊維化すること
がないので、原料であるC/Cコンポジットの有する機
械的強度がほぼ保持されるか、炭化珪素化により増大す
るという大きな特徴を有している。しかも、ヤーン集合
体中で隣り合うヤーンの間に、SiC系材料からなるマ
トリックスが形成された複合構造を有している。この点
で、上記のSi−SiC系複合材料とは異なる。なお、
この材料は、平成11年2月9日付の出願に係る特願平
11−31979号に開示された方法により製造するこ
とができる。従って、特願平11−31979号の内容
をここに引用する。
【0019】 本発明において、SiC系材料とは、炭
素との結合度を異にする炭化珪素を含有する材料をい
い、このSiC系材料は以下のようにして製造されるも
のをいう。本発明では、C/Cコンポジットに対して、
金属珪素を含浸させるが、その際、金属珪素はコンポジ
ット内の炭素繊維を構成する炭素原子および/または炭
素繊維の表面に残存している遊離炭素原子と反応し、一
部が炭化されるために、C/Cコンポジットの最表面や
炭素繊維からなるヤーンとヤーンとの間には、一部炭化
された珪素が生成し、かくして上記のヤーンとヤーンと
の間には炭化珪素からなるマトリックスが形成される。
【0020】 このマトリックスにおいては、極微量の
珪素と炭素とが結合したが炭化珪素質の相から、純粋な
炭化珪素結晶相に至るまで、いくつかの相異なる相を含
みうる。しかし、このマトリックスには、X線による検
出限界(0.3重量%)以下の金属珪素しか含まれな
い。つまり、このマトリックスは、典型的には炭化珪素
相からなるが、炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的
に変化しているSiC質相を含みうる。従って、SiC
系材料とは、このようなSiC系列において、炭素の濃
度として、少なくとも0.01mol%以上から50m
ol%までの範囲以内で含まれてる材料の総称である。
なお、炭素濃度が、0.01mol%未満に制御するに
は、C/Cコンポジット中の遊離炭素の量とに関係で、
添加する金属珪素の量の厳密な計量が要求されること
と、最終工程での温度管理が複雑になるので実質的でな
い。従って、理論的には、炭素濃度を0.001mol
%程度まで制御することは可能である。
【0021】 このSi系複合材料について、図面を使
用してさらに説明することとする。このSiC系複合材
料の骨格部も、基本的には図1に示したものと同じであ
る。本発明に係るSiC系複合材料を、図1においての
IIa−IIa線で切断した場合の断面図は、図3
(a)、同じく図1においてのIIb−IIb線で切断
した場合の断面図は、図3(b)として示す。SiC系
複合材料17の骨格は、Si−SiC系複合材料7の骨
格と同様に、ヤーン集合体16によって構成されてい
る。ヤーン集合体16は、ヤーン配列体11A、11
B、11C、11D、11E、11Fを上下方向に積層
してなる。各ヤーン配列体においては、各ヤーン13が
二次元的に配列されており、各ヤーンの長手方向がほぼ
平行である。上下方向に隣り合う各ヤーン配列体におけ
る各ヤーンの長手方向は、直交している。すなわち、各
ヤーン配列体11A、11C、11Eの各ヤーン12A
の長手方向は、互いに平行であり、かつ各ヤーン配列体
11B、11D、11Fの各ヤーン12Bの長手方向に
対して直交している。各ヤーンは、炭素繊維と、炭素繊
維以外の炭素成分とからなる繊維束13からなる。ヤー
ン配列体が積層されることによって、三次元格子形状の
ヤーン集合体16が構成される。各ヤーンは、後述する
ような加圧成形工程の間に押しつぶされ、やや楕円形に
なっている。
【0022】 各ヤーン配列体11A、11C、11E
においては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリック
ス18Aが充填されており、各マトリックス18Aはヤ
ーン12Aの表面に沿ってそれと平行に延びている。各
ヤーン配列体11B、11D、11Fにおいては、隣り
合う各ヤーンの間隙には、マトリックス18Bが充填さ
れており、各マトリックス18Bは、ヤーン12Bの表
面に沿ってそれと平行に延びている。図3(a)および
図3(b)に示したように、マトリックス18A、18
Bは、それぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相
14からなっている。炭化珪素相の一部は、小突起部1
9として表面に突出するか、あるいは、複合部材の内部
においては、炭素繊維層に突出していてもよい。この様
な小突起部の内部には、中央値が約100μmの孔径を
有する気孔(空隙:15)が形成されている。なお、こ
の小突起部19は、殆どが原料のC/Cコンポジットの
炭素繊維以外の炭素成分からなるマトリックスの跡に沿
って形成されるので、ヤーンとヤーンとの間隔および/
またはヤーン配列体とヤーン配列体との間隔を適宜選択
することにより、単位面積当たりの小突起部19の密度
を調整することが可能である。隣接するヤーン12Aと
12Bとの間にも、炭化珪素相14が形成されていても
よい。
【0023】 各マトリックス18Aと18Bとは、そ
れぞれヤーンの表面に沿って細長く、好ましくは直線状
に延びており、各マトリックス18Aと18Bとは互い
に直交している。そして、ヤーン配列体11A、11
C、11Eにおけるマトリックス18Aと、これに直交
するヤーン配列体11B、11D、11Fにおけるマト
リックス18Bとは、それぞれヤーン12Aと12Bと
の間隙部分で連続している。この結果、マトリックス1
8A、18Bは、全体として、三次元格子を形成してい
る。
【0024】 次に、本発明に係る、大気中で少なくと
も800℃で実質的に酸化されることがない、耐酸化保
護層を有する炭素質材料について説明する。本発明に係
るこの炭素質材料は、上記の様に所定の形状を有する炭
素質材料に、大気中でも800℃を超える高温下でも、
実質的に酸化されることがない耐酸化性保護膜が形成さ
れている材料をいう。ここで、実質的に酸化されないと
は、大気中で、所定の高温、例えば、800℃の条件下
で、試料を少なくとも24時間保持したときに、重量の
増減が0.5%以下のことをいう。大気中で少なくとも
800℃で実質的に酸化されることがない耐酸化保護層
としては、ホウ素含有層、ガラス、およびセラミックス
から選らればれた少なくとも1層からなる層をいう。複
数からなる耐酸化保護層の例としては、ホウ素含有層と
ガラスからなる層、ホウ素含有層とセラミックスからな
る層、ホウ素含有層、およびセラミックスとガラスから
なる層等が挙げられる。勿論、セラミックス層として
は、相異なる複数のセラミックス層から形成されている
ものも含むことはいうまでもない。これらの層の積層の
順序は、所望とする性能、使用状況等により適宜選択す
ればよいことはいうまでもない。勿論、上記以外の層を
上記の層と層の間に設けてもよい。
【0025】 なお、ホウ素含有層が少なくとも形成さ
れていることが必要である。好ましくは、ホウ素含有層
は、通常、より基体表面に近い層、好ましくは、最内
層、すなわち、所定の形状をした炭素質材料の表面の上
に直接形成されていることが好ましい。このように構成
することにより、最表面に形成された耐酸化保護層に何
かの原因で、剥離やひび割れ等が生じても、ホウ素含有
層の有する耐酸化特性により炭素質材料が保護されるこ
ととなるからである。勿論、所望により、ホウ素含有層
と基材である炭素質材料の表面との間に、プライマー層
やセラミックスからなる層等を設けてもよい。
【0026】 ホウ素含有層を本願発明に係る炭素質材
料の使用態様に応じて、最外層に設けてもよい。例え
ば、最外層として、炭化ホウ素を使用した場合には、4
00℃以上の酸化雰囲気中に曝された場合には、炭化ホ
ウ素が酸化され、溶融状態の酸化ホウ素が形成され、炭
素質材料である基体表面を保護することができる。勿
論、長時間400℃以上の酸化雰囲気中に曝されされる
場合には、炭化ホウ素層が全部酸化ホウ素となり、基体
表面が露出することとなり、基体表面が容易に酸化され
てしまう。従って、長期間に亘り400℃以上の酸化雰
囲気中に曝されされる様な用途では、最表面が、ガラス
からなる層やセラミックスからなる層が形成されたもの
を使用することが好ましい。
【0027】 ホウ素含有層の厚さは10μm〜500
μm、好ましくは50μm〜200μmである。10μ
m未満では、均質な連続層としてホウ素含有層を形成す
ることが困難であるからである。また、500μmを超
えて炭化ホウ素層を形成させても、耐酸化性の向上は期
待できず、ホウ素含有材料が高価であることから経済的
でない。ホウ素含有層は、直接材料表面に塗布して形成
することも可能であり、また、溶射や、CDV法により
形成することができる。アルゴンなどの不活性ガスと共
にホウ素含有材料を炭素質材料の表面に溶射することに
より形成することができる。なお、ホウ素含有層を形成
するのに、使用するホウ素含有材料としては、ホウ酸ガ
ラス、ホウケイ酸ガラス、窒化ホウ素、炭化ホウ素等の
耐酸化性の高い材料が挙げられる。なかでも、耐酸化性
の観点からは、炭化ホウ素が好ましい。
【0028】 ガラスからなる耐酸化保護層は、高温で
の耐酸化性を高めるので好ましい。ガラスとしては、高
融点ガラス、例えば、コーニング社製のパイレックスガ
ラス(登録商標)が挙げられる。このものも、ホウ素含
有層と同様に溶射により、層形成を行えばよい。この層
の厚さは、ホウ素含有層の厚さと同じ、10μm〜50
0μmである。10μm未満では、800℃を超す高
温、例えば、1000℃を超す高温に曝されたときに、
充分な耐酸化性を示さないことがあるので好ましくな
い。500μmを超えてこのガラス層を形成させても、
特に、耐酸化性の向上は期待できず、折角基体として使
用されている炭素質材料が有する軽量性という利点を損
なうことにもなりかねないので好ましくない。
【0029】 セラミックスからなる層としては、第II
Ia族,第IIIb族,第IVa族〜第VIa族元素の酸化物、
炭化物、窒化物、あるいはこれらの混合物を主成分とし
て含むものから形成されたものをいう。より好ましく
は、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化
物、あるいは、珪素、チタン、ジルコニウム等の炭化
物、または、これら金属の窒化物から選ばれた材料を主
成分とするものが挙げられる。なお、セラミックスから
なる層を設ける場合には、ガラスに比較して、弾性率が
高いために、熱膨張係数が同じでも、高い熱応力が発生
しやすい。熱応力を緩和するために、マイクロクラック
を内在させたセラミックスからなる層を、形成すること
が好ましい。マイクロクラックは、それ自体は、酸素を
透過するが、ホウ素含有層を内層として、組み合わせて
使用することにより、酸化により生成した酸化ホウ素が
マイクロクラックの微細構造中に保持され、結果とし
て、酸素の進入を阻止することができる。
【0030】 マイクロクラックを内在させたセラミッ
クスからなる層とは、アルミナ、および/またはジルコ
ニアからなる層をいう。これらの酸化物からなる層は、
ホウ素含有層、例えば、炭化ホウ素が酸化条件下に曝さ
れとき、酸化ホウ素が生成し、生成した酸化ホウ素は、
炭素に吸着されないので、系外に流出してしまい、保護
層としての用をなさなくなるのを防止する作用を示す。
アルミナ、および/またはジルコニアからなる層は、基
体である炭素質材料の炭素繊維と炭素繊維との間隙に無
数の微細な孔が形成されたスポンジ様構造体を形成して
おり、この構造体に酸化により生成した酸化ホウ素が吸
着されて、酸化ホウ素とアルミナ、および/またはジル
コニアからなる、いわゆる耐酸化性のガラス層が形成さ
れて、炭素繊維からなる基体の表面を保護することがで
きるという作用を示すものである。このようなスポンジ
様の酸化物層の上に、ガラス、またはセラミックスから
なる層をさらに形成してもよい。これにより、一層の耐
酸化性が発揮させることとなる。なお、ホウ素含有層と
セラミックスからなる層、および/またはガラスからな
る層間等、各層間の熱膨張係数の比は、熱応力の発生を
防止する観点から1:2またはそれ以下であることが好
ましい。
【0031】 セラミックスからなる層として、釉薬か
らなる層を形成してもよい。釉薬からなる層は、ガラス
からなる耐酸化保護層と比較して若干低いものの、80
0℃を超す高温での耐酸化性をより確実にすることがで
きるので好ましい。釉薬としては、ガラス製の釉薬、お
よび琺瑯製の釉薬が好適に使用される。ガラス製の釉薬
としては、例えば、池袋琺瑯社製の琺瑯である、GL−
400およびGL−700系のものが好適に使用され
る。琺瑯製の釉薬としては、通常、鉄板などの琺瑯処理
に使用される、琺瑯が好適に使用される。すなわち、酸
化珪素が45ないし55%、酸化ホウ素が10ないし2
0%、酸化アルミが5ないし10%、酸化アルカリが1
5ないし30%、酸化アルカリ土類が0ないし10%、
その他の酸化物が5ないし15%からなる釉薬が好適に
使用される。このものは、常法に従い、フリットコート
し、そのコートを大気中で、約10分程度1000℃程
度に加熱し、いわゆるセルフグレージングを行い、釉薬
からなる耐酸化保護層を形成すればよい。この層の厚さ
も、ホウ素含有層と同じ厚さ、すなわち、10μm〜5
00μm程度でよい。10μm未満では、ほぼ800℃
の高温に長時間曝されたときに、充分な耐酸化性を示さ
ないことがあるので好ましくない。500μmを超えて
この琺瑯層を形成させても、特に、耐酸化性の向上は期
待できず、折角の基体として使用されている、炭素質材
料の利点である軽量性を損なうことにもなりかねないの
で好ましくない。
【0032】 以下に本発明に係る複合材料の製造方法
である、炭素質材料の表面に少なくともホウ素含有層
と、さらに、所望に応じてガラスおよび/またはセラミ
ックスからなる層とを、大気中で少なくとも800℃で
実質的に酸化されることがない耐酸化保護層として、形
成することからなる、大気中で少なくとも800℃で実
質的に酸化されることがない耐酸化保護層を有する炭素
質材料の製造方法について、詳述することとする。基体
である炭素質材料を最終用途に応じた所望の形状に加工
し、このものの表面に所望とする耐酸化被膜が形成され
るように選択した材料を塗布、溶射、または、CVD法
等を適宜選択して形成すればよい。例えば、ホウ素含有
層を溶射により形成する場合には、ホウ素含有材料を不
活性ガス、例えば、アルゴンと共に溶射する。溶射条件
については、特に制限はなく、通常、金属加工分野にお
いて採用されている条件に従えばよい。溶射は、所定形
状保持材の各表面ごとに行ってもよく、また、全表面を
同時に行ってもよいが、均一性の確保や溶射用器具の制
約上、各表面ごとに行うか、あるいは所定形状保持材を
一定の速度で回転させながら行うことが好ましい。溶射
炭化ホウ素の厚さは、上述したように、通常は10μm
〜500μm程度である。
【0033】 例えば、炭素質材料の表面に、ホウ素含
有層からなるホウ素含有材料を塗布するなどして第1の
保護層を形成した後、かくして形成された保護層の上に
ガラスからなる層および/またはセラミックスからなる
層を形成する。場合よっては、琺瑯層を形成してもよ
い。ガラス層は、パイレックスガラス等の微粉末を炭化
ホウ素と同様に溶射して、形成する。この層の厚さは、
ホウ素含有層の厚さと同じ、10μm〜500μm程度
である。琺瑯層は、常法に従い、上述した琺瑯材をフリ
ットコートし、そのコートを大気中で、約10分程度1
000℃程度に加熱し、いわゆるセルフグレージングを
行い、琺瑯層を形成すればよい。上述した通り、耐酸化
保護膜を形成する順序は、設計性能、使用目的などに応
じて、選択すればよい。形成方法も、積層順序、材料の
特質等を考慮して、塗布、含浸、溶射、CVD法等公知
の方法を適宜選択、組み合わせて使用すればよい。
【0034】 ガラス層あるいは琺瑯層とホウ素含有層
との間に、アルミナ、および/またはジルコニアからな
る、マイクロクラックを内在するセラミックス層を設け
てもよい。この層の場合も、溶射により行えばよい。こ
のマイクロクラックを内在するセラミックス層とは、上
述したように、ホウ素含有層が酸化条件下に曝されと
き、酸化ホウ素が生成し、生成した酸化ホウ素は、炭素
に吸着されないので、系外に流出してしまい、保護層と
しての用をなさなくなるのを防止する作用を示す。
【0035】 かくして製造される本発明に係る大気中
で少なくとも800℃で実質的に酸化されることがない
耐酸化保護層を有する炭素質材料は、基体として使用す
る、炭素質材料が、耐衝撃性が強く、熱膨張係数も低
く、軽量であることから、その性質をそのまま保持しつ
つ、堅牢な耐酸化保護層がその表面に形成されているの
で、大気中でも高い耐酸化性を示すと共に、摩耗などの
機械的作用に起因する微粉末の発生も極めて少ない。さ
らに、耐熱衝撃性の強いホウ素含有層が耐酸化保護層の
少なくとも1層として形成されているので、耐熱衝撃性
に富む。また、表面の平面度も、極めて高い。従って、
プラズマテレビ用のガラスパネルの焼成の際の、セッタ
ー用部材や、各種窯道具用の材料等としてとして極めて
好適に使用できる。
【0036】
【実施例】 以下、本発明の具体的態様について実施例
によりさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超
えない限りこれらの実施例によって限定されるものでは
ない。実施例中の耐酸化特性の測定は下記の方法で行っ
た。
【0037】(耐酸化性の予備試験)試験試料を800
℃に昇温した大気中に5分間試料を保持した後、重量を
測定し、試験前の重量と比較して、その減少率W2を下
記式により求めた。 W2=(W0−W1)/W0×100 但し、式中W0は、耐酸化性試験前の重量を、W1は耐酸
化性試験後の重量を、W2は重量減少率を表す。
【0038】(耐酸化性の測定試験)試験試料を800
℃に昇温した大気中に所定時間試料を保持した後、重量
を測定し、試験前の重量と比較して、その重量の増減率
2'を下記式により求めた。 W2'=(W0−W1)/W0×100 但し、式中W0は、耐酸化性試験前の重量を、W1は耐酸
化性試験後の重量を、W2'は重量の増減率を表す(減少
は、数字の前に−記号を付け区別した)。
【0039】(悪環境下の耐酸化性試験)試験試料を3
%の水蒸気を含むアルゴン雰囲気下、室温1000℃の
チャンバー内に50時間保持した後、重量を測定し、試
験前の重量と比較して、その減少率W2'を下記式により
求めた。また、各試料の外観を肉眼および顕微鏡下で検
査しひび割れ発生の有無を検査した。 W2'=(W0−W1)/W0×100 但し、式中W0は、耐酸化性試験前の重量を、W1は耐酸
化性試験後の重量を、W2'は重量の増減率を表す(減少
は、数字の前に−記号を付け区別した)。
【0040】(製造例) (1)Si−SiC系複合材料の製造 炭素繊維を一方向に引き揃えたものにフェノール樹脂を
含浸させ、直径10μmの炭素長繊維を約1万本束ね、
繊維束(ヤーン)を得、このヤーンを簾状にしたヤーン
配列体(プリプレグシート)を作り、これを図1のよう
に配列し、プリプレグシート積層体を得、このプリプレ
グシート積層体に炭素系接着剤を塗布し、ヤーン同士を
固着した。固着後、型から固着体を離型させ、離型させ
たプリプレグシート積層体をオーブン中に入れ、含浸さ
せたフェノール樹脂を180℃、常圧で硬化させた後、
窒素雰囲気中で2000℃で焼成した。次いで得られた
炭素繊維強化炭素複合材料に純度99.9%、平均粒径
1mmのSi粉末を添加し、このものを炉内温度130
0℃、炉内圧1hPaの焼成炉内に入れ、炉内に毎分ア
ルゴンガスを20NLの割合で流しながら、4時間保持
した。次いで、炉内圧はそのままとし、炉内温度を16
00℃に昇温させて、Siを含浸させた。かくして、S
i、Si−C、炭素繊維からなるSi−SiC系複合材
料を得た。得られた焼成体を切断、外周加工して、9m
m×9mm×9mmの大きさの試験片を製造した。
【0041】(2)耐酸化保護層の形成 上記(1)で得た9mm×9mm×9mmの大きさの試
験片を治具にセットし、試験片を一定の速度で回転させ
ながら、純度99.5%、平均粒度25μm以下の炭化
ホウ素の粉末(ESK社製)をアルゴンプラズマで溶射
し、表面に約50μmの厚さの炭化ホウ素層を予備的に
形成させた。さらに、別の治具に付け替えを行った後、
試験片の全面に溶射を行った。この試験片を上記の耐酸
化性の予備試験に供した。比較として、同じ大きさのS
i−SiC系複合材料の試験片、ISO63の耐酸化カ
ーボンの試験片を同様に予備試験に供した。予備試験の
結果は、炭化ホウ素からなる耐酸化保護層を形成させた
試験片では、実質的な重量減少が認められなかった。し
かし、Si−SiC系複合材料の試験片では、約33%
の重量の減少が、また、ISO63の耐酸化カーボンの
試験片では、約95%の重量減少が認められた。
【0042】(3)耐酸化保護層の形成 そこで、上記(1)で得た9mm×9mm×9mmの大
きさのSi−SiC系複合材料に炭化ホウ素を溶射し、
炭化ホウ素の層の厚さが50μmの炭化ホウ素の耐酸化
保護層を有する複合部材を製造した。このものにさらに
アルミナを溶射して、厚さ50μmのアルミナの耐酸化
保護層を有する炭素質材料を製造した。この試験片を上
記の耐酸化性の測定試験に供した。上記(2)で得られ
た本発明に係る炭素質材料の試験片も同一の試験に供し
た。また、比較例として、Si−SiC系複合材料の試
験片も同一の試験に供した。その結果は、図4に示す。
Si−SiC系複合材料の試験片の場合には、試験開始
1時間後には、遊離炭素が全て燃焼してしまった。炭化
ホウ素層のみの場合には、試験60時間迄は、特に変化
はみられなかったが、80時間経過後には、遊離炭素が
全て燃焼してしまった。この試験片の場合には、試験片
を保持していたアルミナ製の治具に固着してしまった。
一方アルミナをさらに溶射したものは、100時間後で
も重量に変化が認められなかった。なお、試験片を保持
していたアルミナ製の治具には固着しなかった。
【0043】(4)耐酸化保護層の形成 上記(3)の耐酸化保護層の形成において、アルミナ
の代わりにアルミナとジルコニアとの1:1の混合物を
溶射して、厚さ50μmのアルミナの耐酸化保護層の代
わりに、厚さ50μmのアルミナとジルコニアとの1:
1の混合物からなる耐酸化保護層を炭化ホウ素層の上に
形成した炭素質材料を製造した。このもの試験片を上記
の耐酸化性の測定試験に供した。上記(2)で得られた
本発明に係る炭素質材料の試験片も同一の試験に供し
た。また、比較例として、Si−SiC系複合材料の試
験片も同一の試験に供した。その結果は、図5に示す。
結果は、上記の図4とほぼ同様であった。すなわち、S
i−SiC系複合材料の試験片の場合には、試験開始1
時間後には、遊離炭素が全て燃焼してしまった。炭化ホ
ウ素層のみの場合には、試験60時間迄は、特に変化は
みられなかったが、80時間経過後には大部分の遊離炭
素が燃焼してしまった。一方アルミナとジルコニアとの
1:1の混合物を溶射したものは、80時間後でも重量
に変化は殆ど認められなかった。
【0044】 上記の耐酸化保護層の形成〜で得ら
れた本発明に係る材料3種と、比較例として、Si−S
iC系複合材料を用いて悪環境下の耐酸化性試験に供し
た。すなわち、試験試料を3%の水蒸気を含むアルゴン
雰囲気下、室温1000℃のチャンバー内に50時間保
持した後、重量を測定し、試験前の重量と比較して、そ
の増減率W2'を上記式により求めた。また、各試料の外
観を肉眼および顕微鏡下で検査しひび割れ発生の有無を
検査した。試験結果は、以下の表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】 上記の表から明らかな通り、B4C(炭
化ホウ素)/アルミナからなる耐酸化保護層を形成した
場合には、長時間800℃以上の高温に曝す条件下で使
用しても、実質的な変化は、質量、外観共に認められな
かった。しかし、B4C(炭化ホウ素)/アルミナ/ジ
ルコニアからなる保護層の場合には、重量変化は、極め
て少なかったが、表面にひび割れが生じていた。しかし
ながら、図5に示した結果を併せ考慮すれば、乾燥条件
下で使用する様な用途では、充分使用可能と判断され
た。勿論、炭化ホウ素のみからなる耐酸化保護層の場合
には、折角、酸化ホウ素が酸化の結果生成しても、炭素
繊維との濡れ性がよくないために、保持されることなく
流失してしまうことから、大気中で800℃以上の高温
に曝す条件下での使用は実質的に不可能であることは明
らかである。なお、上記のように、炭化ホウ素に、アル
ミナ、または、アルミナ/ジルコニアからなるマイクロ
クラック内在保護層を設けることにより、炭化ホウ素が
酸化されて酸化ホウ素が生成しても、この保護層に保持
されて流失しないために、耐酸化性が著しく向上するも
のと考えられる。
【0047】(5)耐酸化保護層の形成 上記(3)耐酸化保護層の形成において、アルミナの
代わりにパイレックス(登録商標)ガラスを溶射して、
厚さ50μmのアルミナの耐酸化保護層の代わりに、厚
さ50μmのパイレックスガラス層からなる耐酸化保護
層を炭化ホウ素層の上に形成した複合部材を製造した。
この試験片を上記の耐酸化性の測定試験に供しところ、
80時間後でも重量に変化は殆ど認められなかった。
【0048】
【発明の効果】 上記の試験結果から明らかなように、
本発明に係る耐酸化保護層が形成された炭素質材料の場
合には、高温における高強度(高い耐熱衝撃性)と、材
料としての高い信頼性(靱性、耐衝撃性、耐摩耗性)、
耐環境性(耐食性、耐酸化性、耐放射線性)等に優れて
いることはいうまでもない。加えて、基体としてC/C
コンポジット、あるいは、同コンポジットに金属珪素を
含浸処理して製造したSi−SiC系複合材料、または
SiC系複合材料を使用しているので、大気中での耐高
温特性に加えて、軽量で、容作業性が要求される分野、
各種窯道具等の器具、例えば、プラズマデスプレー用パ
ネルの製造に使用されるセッター等として極めて優れた
材料であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る耐酸化保護層を有する炭素質材
料の基体として使用する、Si−SiC系複合材料およ
びSiC系複合材料の基本構造をなすヤーン集合体の構
造を模式的に示す斜視図である。
【図2】 (a)は、Si−SiC系複合材料を図1の
IIa−IIa線で切断した場合の断面図であり、
(b)は、同材料を図1のIIb−IIb線で切断した
場合の断面図である。
【図3】 (a)は、SiC系複合材料を図1のIIa
−IIa線で切断した場合の断面図であり、(b)は、
同材料を図1のIIb−IIb線で切断した場合の断面
図である。
【図4】 本発明に係る耐酸化保護層を有する炭素質材
料の一態様である炭化ホウ素/アルミナからなる保護層
を有する炭素質材料の耐酸化性の測定試験の結果を示す
グラフである。
【図5】 本発明に係る耐酸化保護層を有する炭素質材
料の別の態様である炭化ホウ素/アルミナ/ジルコニア
からなる保護層を有する炭素質材料の耐酸化性の測定試
験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1Eおよび1F…ヤーン配列
体、2A…ヤーン、2B…ヤーン、3…繊維束(ヤー
ン)、4A…炭化珪素相、4B…炭化珪素相、4C…炭
化珪素相、5A…Si−SiC系材料相、5B…Si−
SiC系材料相、5C…Si−SiC系材料相、6…ヤ
ーン集合体、7…繊維複合材料、8A…マトリックス、
8B…マトリックス、11A、11B、11C、11
D、11Eおよび11F…ヤーン配列体、12A…ヤー
ン、12B…ヤーン、13…繊維束(ヤーン)、14…
炭化珪素相、15…空隙、16…ヤーン集合体、17…
繊維複合材料、18A…マトリックス、18B…マトリ
ックス、19…小突起部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 清志 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 伊藤 重則 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 佐藤 清 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気中で少なくとも800℃で実質的に
    酸化されることがない耐酸化保護層を有する炭素質材
    料。
  2. 【請求項2】 該炭素質材料がC/Cコンポジット、S
    i−SiC系複合材料、またはSiC系複合材料である
    ことを特徴とする請求項1に記載の炭素質材料。
  3. 【請求項3】 該保護層が複数層から形成されており、
    少なくともうち1層はホウ素含有層であり、該ホウ素含
    有層の上には、ガラスあるいはセラミックスからなる層
    が形成されていることを特徴とする請求項1または2に
    記載の炭素質材料。
  4. 【請求項4】 該ホウ素含有層が炭化ホウ素を主成分と
    して含むものであることを特徴とする請求項3に記載の
    炭素質材料。
  5. 【請求項5】 該ホウ素含有層が溶射により形成された
    ものであることを特徴とする請求項3または4に記載の
    炭素質材料。
  6. 【請求項6】 該ガラスが高融点ガラスであることを特
    徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の炭素質材
    料。
  7. 【請求項7】 該ガラスからなる層が溶射法またはセル
    フグレージングにより形成されてものであることを特徴
    とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の炭素質材
    料。
  8. 【請求項8】 該セラミックスからなる層が溶射または
    セルフグレージングにより形成されたものであることを
    特徴とする請求項3に記載の炭素質材料。
  9. 【請求項9】 該セラミックスからなる層がマイクロク
    ラックを形成していることを特徴とする請求項3〜8の
    いずれか1項に記載の炭素質材料。
  10. 【請求項10】 ホウ素含有層の熱膨張係数とマイクロ
    クラックを形成している該セラミックス層の熱膨張係数
    の比が1:2またはそれ以下である請求項9に記載の炭
    素質材料。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の炭素質材料より製造したことを特徴とする大型材焼成
    用セッター。
  12. 【請求項12】 耐酸化保護層を溶射により炭素質材料
    の表面に形成することを特徴とする、大気中で少なくと
    も800℃で実質的に酸化されることがない耐酸化保護
    層を有する炭素質材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 溶射により形成する耐酸化保護層がガ
    ラスおよび/またはホウ素含有層であることを特徴とす
    る請求項12に記載の炭素質材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 炭素質材料の表面に少なくともホウ素
    含有層と、さらに、所望に応じてガラスおよび/または
    セラミックスからなる層とを、大気中で少なくとも80
    0℃で実質的に酸化されることがない耐酸化保護層とし
    て、形成することを特徴とする、大気中で少なくとも8
    00℃で実質的に酸化されることがない耐酸化保護層を
    有する炭素質材料の製造方法。
  15. 【請求項15】 ホウ素含有層を溶射により形成後、ア
    ルミナおよびジルコニアから選ればれた少なくとも1種
    類の酸化物を溶射し、マイクロクラックを内在する層を
    形成することを特徴とする請求項12〜14のいずれか
    1項に記載の炭素質材料の製造方法。
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