JP2000348912A - 電圧非直線性抵抗体磁器およびバリスタ - Google Patents

電圧非直線性抵抗体磁器およびバリスタ

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JP2000348912A
JP2000348912A JP11160485A JP16048599A JP2000348912A JP 2000348912 A JP2000348912 A JP 2000348912A JP 11160485 A JP11160485 A JP 11160485A JP 16048599 A JP16048599 A JP 16048599A JP 2000348912 A JP2000348912 A JP 2000348912A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型化しても機械的強度を簡単かつ安価に向
上させることができる電圧非直線性抵抗体磁器およびバ
リスタを提供する。 【解決手段】 電圧非直線性抵抗体磁器よりなる電圧非
直線性抵抗体11の対向面に対して一対の電極12,1
3が配設されている。電圧非直線性抵抗体磁器はZnを
含む酸化物を主成分として含んでおり、添加物としてC
o,Al,希土類元素など、あるいはCo,Al,B
i,Sbなどを含んでいる。残留炭素の含有量は少ない
方が機械的強度が高くなり、31重量ppm未満となっ
ている。また、炭素の含有量が少なくなりすぎるとバリ
スタ電圧が低くなってしまうので、希土類元素系では7
重量ppmよりも多く、Bi系では10重量ppmより
も多い方が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛を含む酸化物
を含有する電圧非直線性抵抗体磁器およびそれを用いた
バリスタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、サイリスタ、トランジスタあるい
は集積回路などの半導体素子および半導体回路に関する
技術が急速に発展してきている。それに伴い、計測、制
御、通信機および電力機器などの広い分野において半導
体素子および半導体回路が使用されるようになり、これ
らの機器の小型化および高性能化が急速に進展してい
る。ところが、一方で、これらの機器およびその部品の
耐電圧性能、耐サージ性能あるいは耐ノイズ性能は十分
ではなく、異常なサージあるいはノイズから保護する必
要がある。そこで、一般には、バリスタを用いることに
より異常なサージあるいはノイズからそれらの機器およ
びその部品を保護している。
【0003】バリスタには、例えば、炭化ケイ素(Si
C),酸化チタンストロンチウム(SrTiO3 )ある
いは亜鉛(Zn)を含む酸化物などをそれぞれ主成分と
する電圧非直線性抵抗体磁器を用いたものが知られてい
る。中でも、亜鉛を含む酸化物を用いたものは、一般
に、制限電圧が低く、電圧非直線指数が大きいなどの特
徴を有しているので、半導体素子のように過電流耐量の
小さなもので構成される機器を過電圧から保護するのに
適している。よって、最近では、この亜鉛を含む酸化物
を用いたバリスタが炭化ケイ素を用いたものに代わり広
く利用されるようになっている。
【0004】なお、この亜鉛を含む酸化物を用いたバリ
スタでは、電圧非直線性抵抗体磁器に添加物としてコバ
ルト(Co)およびアルミニウム(Al)の他、希土類
元素およびその他の元素、またはビスマス(Bi),ア
ンチモン(Sb)およびその他の元素などを含むことに
より各種の特性を得ている。最近では、低電圧化による
薄型化および小型化が進んでおり、特に機械的強度の改
善が望まれている。通常、機械的強度を向上させるに
は、ホットプレスを用いて製造したり、原料粉末の粒径
を小さくして焼成温度を下げ結晶粒径を小さくしたり、
あるいは種々の添加物を添加して結晶粒径を小さくする
などの方法がとられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ホット
プレスを用いて製造すると製造コストがかかり、製造工
程も通常の製品に比べて長くなり、しかも設備的にも高
価なものとなってしまうので、結果的に製品が高価とな
ってしまうという問題があった。また、原料粉末を微粉
化すると、製造する際に原料の取り扱いが難しく、かつ
原料を微粉化する工程が新たに必要となるので、製造が
難しく煩雑となってしまうという問題があった。更に、
デバイスの小型化および薄型化の観点からは、電圧非直
線性抵抗体磁器の単位厚さ当たりのバリスタ電圧を向上
させる必要があった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、薄型化しても機械的強度を簡単にか
つ安価に向上させることができる電圧非直線性抵抗体磁
器およびそれを用いたバリスタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による電圧非直線
性抵抗体磁器は、亜鉛を含む酸化物を含有するものであ
って、炭素の含有量が31重量ppm未満のものであ
る。
【0008】本発明による電圧非直線性抵抗体磁器で
は、炭素の含有量が31重量ppm未満となっているの
で、機械的強度が改善される。
【0009】なお、本発明による電圧非直線性抵抗体磁
器では、例えば、コバルトを酸化コバルト(CoO)に
換算して0.2重量%以上5重量%以下の範囲内で含む
と共に、アルミニウムを酸化アルミニウム(Al
2 3 )に換算して0.001重量%以上0.05重量
%以下の範囲内で含む場合がある。
【0010】また、本発明の一つの形態としては、ラン
タン,セリウム,プラセオジム,ネオジム,サマリウ
ム,ユウロピウム,ガドリニウム,テルビウム,ジスプ
ロシウム,ホルミウム,エルビウム,ツリウム,イッテ
ルビウムおよびルテチウムからなる群のうちの少なくと
も1種の希土類元素を、酸化物(R2 3 ;Rは希土類
元素)に換算し希土類元素の合計で0.2重量%以上5
重量%以下の範囲内で含む場合もある。この場合、炭素
の含有量を7重量ppmよりも多くすれば単位厚さ当た
りのバリスタ電圧を比較的高くすることができるので好
ましく、20重量ppm以下とすれば機械的強度をより
改善できるので好ましい。
【0011】更に、異なる一つの形態としては、ビスマ
スを酸化ビスマス(Bi2 3 )に換算して0.5重量
%以上5重量%以下の範囲内で含むと共に、アンチモン
を酸化アンチモン(Sb2 3 )に換算して1重量%以
上10重量%以下の範囲内で含む場合がある。この場
合、炭素の含有量を10重量ppmよりも多くすれば単
位厚さ当たりのバリスタ電圧を比較的高くすることがで
きるので好ましく、26重量ppm以下とすれば機械的
強度をより改善できるので好ましい。
【0012】本発明によるバリスタは、亜鉛を含む酸化
物を含有する電圧非直線性抵抗体磁器を用いたものであ
って、電圧非直線性抵抗体磁器は、炭素の含有量が31
重量ppm未満のものである。
【0013】すなわち、本発明によるバリスタは、本発
明の電圧非直線性抵抗体磁器を用いたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0015】(第1の実施の形態)本実施の形態に係る
電圧非直線性抵抗体磁器は、亜鉛を含む酸化物を最大含
有物である主成分として例えば90重量%以上含んでい
る。この電圧非直線性抵抗体磁器は、また、添加物とし
て表1に示した元素を含んでいる。すなわち、コバルト
と、アルミニウムと、ランタン(La),セリウム(C
e),プラセオジム(Pr),ネオジム(Nd),サマ
リウム(Sm),ユウロピウム(Eu),ガドリニウム
(Gd),テルビウム(Tb),ジスプロシウム(D
y),ホルミウム(Ho),エルビウム(Er),ツリ
ウム(Tm),イッテルビウム(Yb)およびルテチウ
ム(Lu)からなる群のうちの少なくとも1種の希土類
元素と、カリウム(K),ルビジウム(Rb)およびセ
シウム(Cs)からなる群のうちの少なくとも1種のア
ルカリ金属元素と、クロム(Cr)と、マグネシウム
(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(S
r)およびバリウム(Ba)からなる群のうちの少なく
とも1種のアルカリ土類金属元素と、ケイ素とを含んで
いる。
【0016】
【表1】
【0017】これら添加物の元素のうちの少なくとも一
部は亜鉛を含む酸化物に含まれ、残りの一部は亜鉛を含
む酸化物の粒界に存在している。亜鉛を含む酸化物の粒
界に存在する添加物は、どのような状態で存在していて
もよい。例えば、添加物のうちの1種類の元素で酸化物
を構成していてもよく、複数の元素で酸化物を構成して
いてもよい。なお、これらの添加物を含む理由は次の通
りである。コバルト,希土類元素およびアルカリ土類金
属元素は非直線特性を向上させるためであり、アルミニ
ウムは制限電圧を低くしかつ漏れ電流を少なくするため
であり、アルカリ金属元素およびクロムはサージ寿命を
改善するためであり、ケイ素は高温高湿中での負荷寿命
を改善するためである。
【0018】また、これら添加物の好ましい含有量は先
の表1に示した通りである。すなわち、コバルトは酸化
コバルト(CoO)に換算して0.2重量%以上5重量
%以下の範囲内であることが好ましい。0.2重量%未
満であると十分に非直線特性を向上させることができ
ず、5重量%を超えるとサージ寿命が低下してしまうか
らである。アルミニウムは酸化アルミニウム(Al2
3 )に換算して0.001重量%以上0.05重量%以
下の範囲内であることが好ましい。0.001重量%未
満であると十分に制限電圧を低くすることができず、
0.05重量%を超えると漏れ電流が増大してしまうか
らである。希土類元素は、希土類元素をRとするとR2
3 で表される酸化物に換算し希土類元素の合計で0.
2重量%以上5重量%以下の範囲内であることが好まし
い。0.2重量%未満であると十分に非直線特性を向上
させることができず、5重量%を超えるとサージ寿命が
低下してしまうからである。
【0019】アルカリ金属元素は、酸化物(K2 O,R
2 O,Cs2 O)に換算しアルカリ金属元素の合計で
0.01重量%以上0.5重量%以下であることが好ま
しい。0.01重量%未満であると十分にサージ寿命を
延長することができず、0.5重量%を超えると焼結が
阻害され焼結状態が悪化してしまうからである。クロム
は酸化クロム(Cr2 3 )に換算して0.03重量%
以上0.5重量%以下であることが好ましい。0.03
重量%未満であると十分にサージ寿命を向上させること
ができず、0.5重量%を超えると焼結が阻害され焼結
状態が悪化してしまうからである。
【0020】アルカリ土類金属元素は、酸化物(Mg
O,CaO,SrO,BaO)に換算しアルカリ土類金
属元素の合計で0.02重量%以上0.5重量%以下の
範囲内であることが好ましい。0.02重量%未満であ
ると十分に非直線特性を向上させることができず、0.
5重量%を超えると高温高湿中での負荷寿命において劣
化しやすくなるからである。ケイ素は二酸化ケイ素(S
iO2 )に換算して0.005重量%以上0.1重量%
以下の範囲内であることが好ましい。0.005重量%
未満であると高温高湿中での負荷寿命を十分に向上させ
ることができず、0.1重量%を超えるとサージ寿命が
低下してしまうからである。
【0021】更に、この電圧非直線性抵抗体磁器は、炭
素(C)の含有量が少ない方が機械的強度および非直線
特性を向上させることができ、できれば炭素を含まない
方がより好ましい。ここでは、炭素の含有量を31重量
ppm未満とすることにより、その効果を十分に得るこ
とができるようになっている。なお、より高い効果を得
るには炭素の含有量を20重量ppm以下とする方が好
ましく、15重量ppm以下とすれば更に好ましい。但
し、一方で、炭素の含有量が少なくなると単位厚さ当た
りのバリスタ電圧が低くなってしまうので、薄型化する
場合には炭素の含有量があまり少なくなりすぎるのは好
ましくなく、例えば、7重量ppmよりも多い方が好ま
しい。
【0022】なお、この電圧非直線性抵抗体磁器は、全
体の組成が上述した範囲内にあれば完全に均質でなくて
もよく、例えば異相を含んでいてもよい。また、この電
圧非直線性抵抗体磁器の結晶粒径は、例えば、5μm以
上200μm以下の範囲内であり、10μm以上100
μm以下の範囲内であれば好ましい。
【0023】このような構成を有する電圧非直線性抵抗
体磁器は、例えば、次のようにして製造することができ
る。
【0024】図1はその製造方法の工程を表すものであ
る。まず、原料粉末として、酸化亜鉛(ZnO)の粉末
と、上述した添加物の元素を含む酸化物あるいは水酸化
物または炭酸塩の粉末とを用意し、添加物の含有量が上
述した通りとなるようにそれぞれを秤取る。次いで、例
えば、この原料粉末に純水と必要に応じて分散剤とを加
えて混合する(ステップS1)。その際、原料粉末の平
均粒径は例えば0.1μm以上5.0μm以下とする。
均一に混合することが容易であり、取り扱いも容易にで
きるからである。
【0025】続いて、例えば、この混合した原料粉末を
乾燥させ、粉砕し(ステップS2)、バインダと必要に
応じて分散剤とを添加して造粒し(ステップS3)、乾
燥させる(ステップS4)。その際、バインダには、ポ
リビニルアルコール(PVA;以下、PVAと言う),
エチルセルロース,ナイロンなどの有機バインダまたは
純水などを用いる。
【0026】そののち、例えば、造粒し乾燥させたもの
を加圧成形し(ステップS5)、大気雰囲気中において
300℃以上800℃以下の範囲内の温度において加熱
しバインダを除去する(ステップS6)。この加熱時間
は例えば0.5時間以上5時間以下とする。なお、この
脱バインダは、大気よりも酸素分圧の高い雰囲気中で行
ってもよく、純酸素雰囲気中において行ってもよい。
【0027】バインダを除去したのち、例えば、100
0℃以上1450℃以下の範囲内まで昇温し、その温度
で焼成する(ステップS7)。この焼成時間は例えば
0.5時間以上5時間以下とする。また、この焼成は、
大気中で行ってもよく、大気よりも酸素分圧の高い雰囲
気中、あるいは純酸素雰囲気中において行ってもよい。
更に、脱バインダ後であれば密閉した容器中で焼成して
もよく、昇温の際に窒素ガスあるいはアルゴンガスなど
の不活性ガス雰囲気中としてもよい。なお、脱バインダ
工程(ステップS6)と焼成工程(ステップS7)と
は、連続して行っても不連続に別々に行ってもよい。こ
れにより、本実施の形態に係る電圧非直線性抵抗体磁器
が得られる。
【0028】このようにして製造される電圧非直線性抵
抗体磁器は、例えば、バリスタを構成する材料として好
ましく用いられる。
【0029】図2はバリスタ10の一構成例を表すもの
である。このバリスタ10は、例えば、一対の対向面を
有する円板状の電圧非直線性抵抗体11と、この電圧非
直線性抵抗体11の対向面に対してそれぞれ設けられた
一対の電極12,13とを備えている。この電圧非直線
性抵抗体11は、本実施の形態に係る電圧非直線性抵抗
体磁器により構成されている。また、電極12,13
は、例えば、銀などの金属により構成されている。
【0030】このバリスタ10は、上述したようにして
電圧非直線性抵抗体11が形成されたのち、その対向面
に例えば銀ペーストが印刷され、例えば500℃以上7
00℃以下の温度で焼き付けられることにより、製造さ
れる。
【0031】また、このバリスタ10は、例えば、次の
ようにして用いられ、作用する。
【0032】図3はこのバリスタ10を用いた電気回路
の一構成例を表すものである。この電気回路は、例え
ば、電子レンジあるいは電話器などの電子機器21を電
源線22を介して図示しない電源に接続するものであ
り、バリスタ10は電源線22に対して電子機器21と
並列に接続される。これにより、電源線22を介して例
えば雷サージが侵入した場合、バリスタ10により雷サ
ージ電圧aがバリスタの制限電圧bに制限され、電子機
器21にはバリスタ電圧bが印加される。よって、電子
機器21に過電圧が印加されることが回避される。
【0033】また、ここでは、バリスタ10の電圧非直
線性抵抗体11における炭素の含有量が31重量ppm
未満となっているので、機械的強度および非直線特性が
高くなっている。よって、厚さを薄くしても割れあるい
は欠けがなく、高い信頼性を有している。更に、電圧非
直線性抵抗体11における炭素の含有量を7重量ppm
よりも多くするようにすれば、単位厚さ当たりのバリス
タ電圧が高くなり、薄型化が可能となる。
【0034】なお、ここでは、電子機器21を電源に対
して接続する電源線22にバリスタ10を配置するよう
にしたが、アース線と電源線との間に配置する場合や、
あるいは電話回線などの信号線に配置する場合もある。
【0035】このように本実施の形態によれば、電圧非
直線性抵抗体磁器における炭素の含有量を31重量pp
m未満とするようにしたので、簡単かつ安価に機械的強
度および非直線特性を向上させることができる。よっ
て、この電圧非直線性抵抗体磁器を用いてバリスタを構
成すれば、機械的強度および非直線性を高くすることが
でき、薄いものであっても割れあるいは欠けの発生を防
止することができる。よって、信頼性を向上させること
ができると共に、小型化および低価格化を図ることがで
きる。
【0036】特に、炭素の含有量を7重量ppmよりも
多くするようにすれば、単位厚さ当たりのバリスタ電圧
を高くすることができ、薄型化を図ることができる。ま
た、炭素の含有量を20重量ppm以下、更には15重
量ppm以下とするようにすれば、より機械的強度およ
び非直線性を高くすることができる。
【0037】(第2の実施の形態)本実施の形態に係る
電圧非直線性抵抗体磁器は、第1の実施の形態と添加物
の元素が異なり、かつ炭素の最適含有量が異なることを
除き、第1の実施の形態と同一の構成を有しており、同
様にして製造され、同様にして用いられ、同様に作用す
る。よって、ここでは、図1乃至図3を参照し、同一の
構成要素には同一の符号を付して、同一部分についての
詳細な説明を省略する。
【0038】この電圧非直線性抵抗体磁器は、亜鉛を含
む酸化物を最大含有物である主成分として例えば80重
量%以上含んでいる。この電圧非直線性抵抗体磁器は、
また、添加物として表2に示した元素を含んでいる。す
なわち、コバルトと、アルミニウムと、ビスマス(B
i)と、アンチモン(Sb)と、クロムとマンガン(M
n)およびニッケル(Ni)からなる群のうちの少なく
とも1種と、銀(Ag)と、ケイ素とを含んでいる。第
1の実施の形態と同様に、これら添加物の元素のうちの
少なくとも一部は亜鉛を含む酸化物に含まれ、残りの一
部は亜鉛を含む酸化物の粒界に存在している。亜鉛を含
む酸化物の粒界に存在する添加物は、第1の実施の形態
と同様に、どのような状態で存在していてもよい。
【0039】
【表2】
【0040】なお、これらの添加物を含む理由は次の通
りである。コバルトおよびアンチモンは非直線特性を向
上させるためであり、アルミニウムはバリスタ電圧を低
くしかつ漏れ電流を少なくするためであり、ビスマスは
非直線特性を向上させると共に焼結性を向上させるため
であり、クロム,マンガン,ニッケルおよび銀はサージ
寿命,温度特性および1mm当たりのバリスタ電圧V
1mA /mm のばらつきを改善するためであり、ケイ素は高
温高湿中での負荷寿命を改善するためである。
【0041】また、これら添加物の好ましい含有量は先
の表2に示した通りである。すなわち、コバルトは酸化
コバルト(CoO)に換算して0.2重量%以上5重量
%以下の範囲内であることが好ましい。0.2重量%未
満であると十分に非直線特性を向上させることができ
ず、5重量%を超えるとサージ寿命が低下してしまうか
らである。アルミニウムは酸化アルミニウム(Al2
3 )に換算して0.001重量%以上0.05重量%以
下の範囲内であることが好ましい。0.001重量%未
満であると十分に制限電圧を低くすることができず、
0.05重量%を超えると漏れ電流が増大してしまうか
らである。ビスマスは酸化ビスマス(Bi23 )に換
算して0.5重量%以上5重量%以下の範囲内であるこ
とが好ましい。0.5重量%未満であると十分に焼結さ
せることができず、5重量%を超えると非直線性が低下
してしまうからである。
【0042】アンチモンは酸化アンチモン(Sb
2 3 )に換算して1重量%以上10重量%以下である
ことが好ましい。1重量%未満であると十分な非直線性
を得ることができず、10重量%を超えると焼結が阻害
されてしまうからである。クロム,マンガンおよびニッ
ケルは酸化物(Cr2 3 ,MnO,NiO)に換算し
それらの合計で0.2重量%以上3重量%以下であるこ
とが好ましい。0.2重量%未満であると十分にサージ
寿命を向上させることができず、3重量%を超えると焼
結が阻害されてしまうからである。
【0043】銀は酸化銀(Ag2 O)に換算して0.0
2重量%以上0.5重量%以下の範囲内であることが好
ましい。0.02重量%未満であると添加の効果を得ら
れず、0.5重量%を超えると非直線性が低下してしま
うからである。ケイ素は二酸化ケイ素(SiO2 )に換
算して0.005重量%以上0.5重量%以下の範囲内
であることが好ましい。0.005重量%未満であると
高温高湿中での負荷寿命を十分に向上させることができ
ず、0.5重量%を超えるとサージ寿命が低下してしま
うからである。
【0044】更に、この電圧非直線性抵抗体磁器は、第
1の実施の形態と同様に、機械的強度および非直線特性
については炭素の含有量の少ない方が好ましく、できれ
ば炭素を含まない方がより好ましい。一方、薄型化を考
えると炭素の含有量があまり少なくなりすぎるのは好ま
しくない。ここでは、炭素の含有量を31重量ppm未
満とすることにより、機械的強度および非直線特性に十
分に高くできるようになっており、より高い効果を得る
には炭素の含有量を26重量ppm以下とする方が好ま
しく、19重量ppm以下とすれば更に好ましい。ま
た、薄型化を考えた場合には、炭素の含有量は10重量
ppmよりも多い方が好ましい。
【0045】このように本実施の形態によれば、電圧非
直線性抵抗体磁器における炭素の含有量を31重量pp
m未満とするようにしたので、第1の実施の形態と同一
の効果を得ることができる。特に、炭素の含有量を10
重量ppmよりも多くするようにすれば、単位厚さ当た
りのバリスタ電圧を高くすることができ、薄型化を図る
ことができる。また、炭素の含有量を26重量ppm以
下、更には19重量ppm以下とするようにすれば、よ
り機械的強度および非直線性を高くすることができる。
【0046】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について詳細
に説明する。
【0047】(第1の実施例)まず、原料粉末として、
酸化亜鉛(ZnO)を97.1g、酸化コバルト(Co
3 4 )を1.5g、酸化アルミニウム(Al2 3
を0.002g、水酸化ランタン(La(OH)3 )を
0.14g、酸化プラセオジム(Pr6 11)を0.9
g、炭酸カリウム(K2 CO3 )を0.07g、酸化ク
ロム(Cr2 3 )を0.08g、炭酸マグネシウム
(MgCO3 )を0.08g、炭酸カルシウム(CaC
3 )を0.1gおよび二酸化ケイ素(SiO2 )を
0.02gそれぞれ秤取り、それらをポリイミド製のポ
ットに入れ、純水を加えて酸化ジルコニウム製のボール
を用い回転台に載せて混合した。表3に原料粉末として
混合した混合物とその混合量をそれぞれ示す。
【0048】
【表3】
【0049】次いで、混合した原料粉末を蒸発皿に移
し、乾燥機で乾燥させ、粉砕したのち、バインダを添加
しながら造粒し、蒸発皿に移して乾燥させた。なお、そ
の際、バインダの種類を変化させ、バインダにPVAを
用いたもの、エチルセルロースを用いたもの、あるいは
純水を用いたものをそれぞれ作製した。続いて、造粒し
乾燥させたものを成形密度3〜4g/cm3 、直径1
2.0mm、厚さ1.5mmの円板状に加圧成形し、大
気雰囲気中において2時間加熱し、バインダを除去し
た。なお、その際、脱バインダ温度を変化させ、バイン
ダの種類が同じものについて800℃,700℃または
600℃でそれぞれバインダを除去した。
【0050】そののち、窒素ガス雰囲気中において12
00℃まで昇温を行い、大気雰囲気中において1290
℃で4時間焼成を行った。これにより、9種類の電圧非
直線性抵抗体磁器の試料(実施例11〜19)を得た。
【0051】この得られた試料(実施例11〜19)に
ついて残留している炭素の含有量をそれぞれ調べた。こ
こでは、堀場製作所製の炭素・硫黄分析装置(EMIA
520)を用い、試料を酸素気流中において高周波加熱
により燃焼させ、赤外線吸収方により測定した。それら
の結果をバインダの種類および脱バインダ温度条件と共
に表4にそれぞれ示す。このように、バインダの種類と
脱バインダの温度とを異ならせることにより、残留する
炭素の含有量に違いが生じていた。
【0052】
【表4】
【0053】また、同様にして得られた他の試料(実施
例11〜19)について、対向面に銀ペーストをそれぞ
れ印刷し、600℃で焼き付けて、バリスタをそれぞれ
作製した。そののち、作製したバリスタについて、1m
m当たりのバリスタ電圧V1mA /mm と、1mAから10
mAにおける電圧非直線指数α10とをそれぞれ測定し
た。なお、電圧非直線指数α10は、数1に示した式によ
って求められる。それらの結果についても表4に合わせ
てそれぞれ示す。また、1mm当たりのバリスタ電圧V
1mA /mm と炭素の含有量との関係を図4に、電圧非直線
指数α10と炭素の含有量との関係を図5にそれぞれ示
す。
【0054】
【数1】 α10=log(10/1)/log(V10mA/V1mA ) V10mA;10mAにおけるバリスタ電圧 V1mA ;1mAにおけるバリスタ電圧
【0055】更に、同様にして得られた他の試料(実施
例11〜19)について、縦2mm、横4mm、厚さ
0.4mmの大きさに加工し、デジタル荷重試験器を用
いJIS(R1601)に従って抗折強度試験をそれぞ
れ行った。それらの結果についても表4に合わせてそれ
ぞれ示す。また、抗折強度と炭素の含有量との関係を図
6に示す。加えて、これらの試料(実施例11〜19)
について、結晶粒径を調べたところ、いずれも15μm
〜20μm程度の大きさであった。
【0056】なお、本実施例11〜19に対する比較例
11として、バインダにPVAを用い、脱バインダ温度
を400℃としたことを除き、本実施例11〜19と同
一の条件で電圧非直線性抵抗体磁器の試料を作製した。
この試料についても、本実施例11〜19と同様にし
て、残留している炭素の含有量、1mm当たりのバリス
タ電圧V1mA /mm 、1mAから10mAにおける電圧非
直線指数α10および抗折強度をそれぞれ測定した。それ
らの結果を表4および図4乃至図6にそれぞれ合わせて
示す。また、この試料についても結晶粒径を調べたとこ
ろ、実施例11〜19と同様に、15μm〜20μmの
大きさであった。
【0057】これらの結果から、炭素の含有量が少ない
方が電圧非直線指数α10が大きくなり、かつ抗折強度が
大きくなることが分かった。例えば、炭素の含有量を3
1重量ppm未満とすれば、抗折強度を約6.4kgf
/mm2 よりも大きく従来と同等あるいはそれ以上とす
ることができる。また、炭素の含有量を20重量ppm
以下とすれば、抗折強度を約8.0kgf/mm2 以上
とすることができ、炭素の含有量を15重量ppm以上
とすれば、抗折強度を約8.5kgf/mm2以上とす
ることができる。一方、炭素の含有量が少なくなると1
mm当たりのバリスタ電圧V1mA /mm が低くなり、素子
の薄型化が難しくなることも分かった。例えば、炭素の
含有量を7重量ppmよりも少なくすると、バリスタ電
圧V1mA/mm は約148V/mmよりも低くなってしま
う。
【0058】すなわち、炭素の含有量を31重量ppm
未満とすれば、非直線特性および機械的強度を改善する
ことができ、薄くしても割れあるいは欠けの発生を防止
でき、信頼性を向上させることができると共に、小型化
および低価格化を図れることが分かる。また、炭素の含
有量を7重量ppmよりも多くすれば、単位厚さ当たり
のバリスタ電圧を高くすることができ、素子の薄型化を
図れることが分かる。
【0059】(第2の実施例)まず、原料粉末として、
酸化亜鉛(ZnO)を89.1g、酸化コバルト(Co
3 4 )を1.2g、酸化アルミニウム(Al2 3
を0.006g、酸化ビスマス(Bi2 3 )を2.5
g、酸化アンチモン(Sb2 3 )を5.9g、酸化ク
ロム(Cr2 3 )を0.6g、炭酸マンガン(MnC
3 )を1.2g、酸化ニッケル(NiO)を0.00
5g、酸化銀(Ag2 O)を0.1gおよび二酸化ケイ
素(SiO2 )を0.1gそれぞれ秤取り、それらをポ
リイミド製のポットに入れ、純水を加えて酸化ジルコニ
ウム製のボールを用い回転台に載せて混合した。表5に
原料粉末として混合した混合物とその混合量をそれぞれ
示す。
【0060】
【表5】
【0061】次いで、混合した原料粉末を第1の実施例
と同様にして乾燥させ、粉砕したのち、バインダを添加
しながら造粒し、乾燥させた。その際、第1の実施例と
同様に、バインダの種類を変化させ、バインダにPVA
を用いたもの、エチルセルロースを用いたもの、あるい
は純水を用いたものをそれぞれ作製した。続いて、造粒
し乾燥させたものを第1の実施例と同様にして加圧成形
し、バインダを除去した。その際、第1の実施例と同様
に脱バインダ温度を変化させ、バインダにPVAまたは
純水を用いたものについては800℃,700℃または
600℃でそれぞれバインダを除去し、バインダにエチ
ルセルロースを用いたものについては800℃または7
00℃でそれぞれバインダを除去した。
【0062】そののち、大気雰囲気中において1290
℃で焼成を行った。これにより、8種類の電圧非直線性
抵抗体磁器の試料(実施例21〜28)を得た。この得
られた試料(実施例21〜28)について、第1の実施
例と同様にして、残留している炭素の含有量をそれぞれ
調べた。その結果を表6に示す。第1の実施例と同様
に、バインダの種類と脱バインダの温度とが異なること
により、残留する炭素の含有量に違いが生じていた。
【0063】
【表6】
【0064】また、同様にして得られた他の試料(実施
例21〜28)について、第1の実施例と同様にして、
1mm当たりのバリスタ電圧V1mA /mm 、1mAから1
0mAにおける電圧非直線指数α10および抗折強度をそ
れぞれ測定した。それらの結果を表6に合わせてそれぞ
れ示すと共に、バリスタ電圧V1mA /mm と炭素の含有量
との関係を図7に、電圧非直線指数α10と炭素の含有量
との関係を図8に、抗折強度と炭素の含有量との関係を
図9にそれぞれ示す。更に、本実施例21〜28につい
ても結晶粒径を調べたところ、第1の実施例と同様に、
いずれも15μm〜20μm程度の大きさであった。
【0065】なお、本実施例21〜28に対する比較例
21として、バインダにエチルセルロースを用い、脱バ
インダ温度を600℃としたことを除き、本実施例21
〜28と同一の条件で電圧非直線性抵抗体磁器の試料を
作製した。また、他の比較例22として、バインダにP
VAを用い、脱バインダ温度を400℃としたことを除
き、本実施例21〜28と同一の条件で電圧非直線性抵
抗体磁器の試料を作製した。これらの試料についても、
本実施例21〜28と同様にして、残留している炭素の
含有量、1mm当たりのバリスタ電圧V1mA /mm 、1m
Aから10mAにおける電圧非直線指数α10および抗折
強度をそれぞれ測定した。それらの結果を表6および図
7乃至図9にそれぞれ合わせて示す。また、これらの試
料についても結晶粒径を調べたところ、実施例21〜2
8と同様に、それぞれ15μm〜20μmの大きさであ
った。
【0066】これらの結果から、本実施例についても炭
素の含有量が少ない方が電圧非直線指数α10が大きくな
り、かつ抗折強度が大きくなることが分かった。例え
ば、炭素の含有量を31重量ppm未満とすれば、抗折
強度を約5.8kgf/mm2よりも大きく従来と同等
あるいはそれ以上とすることができる。また、炭素の含
有量を26重量ppm以下とすれば、抗折強度を約6.
3kgf/mm2 以上とすることができ、炭素の含有量
を19重量ppm以上とすれば、抗折強度を約6.5k
gf/mm2 以上とすることができる。一方、炭素の含
有量が少なくなると1mm当たりのバリスタ電圧V1mA
/mm が低くなり、素子の薄型化が難しくなることも分か
った。例えば、炭素の含有量を10重量ppmよりも少
なくすると、バリスタ電圧V1mA /mm は約179V/m
mよりも低くなってしまう。
【0067】すなわち、炭素の含有量を31重量ppm
未満とすれば、非直線特性および機械的強度を改善する
ことができ、薄くしても割れあるいは欠けの発生を防止
でき、信頼性を向上させることができると共に、小型化
および低価格化を図れることが分かる。また、炭素の含
有量を10重量ppmよりも多くすれば、単位厚さ当た
りのバリスタ電圧を高くすることができ、素子の薄型化
を図れることが分かる。
【0068】なお、以上の実施例においては、本発明の
電圧非直線性抵抗体磁器の1組成についてそれぞれ具体
的に述べたが、他の組成についても同様の結果を得るこ
とができる。
【0069】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態および実
施例に限定されるものではなく、種々変形することがで
きる。例えば、上記実施の形態および実施例では、添加
物としての元素を具体的に説明したが、本発明は、上述
した全ての元素を含んでいる必要はなく、また、上述し
た元素以外の元素を含んでいてもよい。
【0070】また、上記実施の形態では、本発明の電圧
非直線性抵抗体磁器を用いたバリスタ10の用途につい
て具体的に説明したが、本発明は、上述した以外にも、
サージあるいはノイズを排除したい場合に広く用いるこ
とができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように請求項1乃至請求項
8のいずれか1に記載の電圧非直線性抵抗体磁器によれ
ば、炭素の含有量を31重量ppm未満とするようにし
たので、簡単かつ安価に機械的強度および非直線特性を
向上させることができるという効果を奏する。
【0072】特に、請求項4または請求項5に記載の電
圧非直線性抵抗体磁器によれば、少なくとも1種の希土
類元素を含む場合において、炭素の含有量を7重量pp
mよりも多くするようにしたので、単位厚さ当たりのバ
リスタ電圧を高くすることができるという効果を奏す
る。
【0073】また、請求項5に記載の電圧非直線性抵抗
体磁器によれば、少なくとも1種の希土類元素を含む場
合において、炭素の含有量を20重量ppm以下とする
ようにしたので、機械的強度および非直線特性をより向
上させることができるという効果を奏する。
【0074】更に、請求項7または請求項8に記載の電
圧非直線性抵抗体磁器によれば、ビスマスとアンチモン
とを含む場合において、炭素の含有量を10重量ppm
よりも多くするようにしたので、単位厚さ当たりのバリ
スタ電圧を高くすることができるという効果を奏する。
【0075】加えて、請求項8に記載の電圧非直線性抵
抗体磁器によれば、ビスマスとアンチモンとを含む場合
において、炭素の含有量を26重量ppm以下とするよ
うにしたので、機械的強度および非直線特性をより向上
させることができるという効果を奏する。
【0076】更にまた、請求項9乃至請求項16のいず
れか1に記載のバリスタによれば、本発明の電圧非直線
性抵抗体磁器を用いるようにしたので、簡単かつ安価に
機械的強度を向上させることができる。従って、例え
ば、薄いものであっても割れあるいは欠けの発生を防止
することができ、信頼性を向上させることができると共
に、小型化および低価格化を図ることができるという効
果を奏する。
【0077】特に、請求項12,請求項13,請求項1
5または請求項16に記載のバリスタによれば、電圧非
直線性抵抗体磁器が少なくとも1種の希土類元素を含む
場合において、電圧非直線性抵抗体磁器における炭素の
含有量を7重量ppmよりも多くするようにしたので、
また、電圧非直線性抵抗体磁器がビスマスとアンチモン
とを含む場合において、電圧非直線性抵抗体磁器におけ
る炭素の含有量を10重量ppmよりも多くするように
したので、単位厚さ当たりのバリスタ電圧を高くするこ
とができ、薄型化を図ることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電圧非直線性抵抗体
磁器の製造工程を表す流れ図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電圧非直線性抵抗体
磁器を用いたバリスタの構成を表す断面図である。
【図3】図2に示したバリスタを用いた電気回路の構成
を表す回路図である。
【図4】本発明の第1の実施例における1mm当たりの
バリスタ電圧V1mA /mm と炭素の含有量との関係を表す
特性図である。
【図5】本発明の第1の実施例における電圧非直線指数
α10と炭素の含有量との関係を表す特性図である。
【図6】本発明の第1の実施例における抗折強度と炭素
の含有量との関係を表す特性図である。
【図7】本発明の第2の実施例における1mm当たりの
バリスタ電圧V1mA /mm と炭素の含有量との関係を表す
特性図である。
【図8】本発明の第2の実施例における電圧非直線指数
α10と炭素の含有量との関係を表す特性図である。
【図9】本発明の第2の実施例における抗折強度と炭素
の含有量との関係を表す特性図である。
【符号の説明】
10…バリスタ、11…電圧非直線性抵抗体、12,1
3…電極、21…電子機器、22…電源線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA11 AA13 AA14 AA28 AA32 AA36 AA42 AA43 AA60 BA04 GA09 5E034 CA08 CA09 CB01 CC02 CC03 CC06 DA03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛(Zn)を含む酸化物を含有する電
    圧非直線性抵抗体磁器であって、 炭素(C)の含有量が31重量ppm未満であることを
    特徴とする電圧非直線性抵抗体磁器。
  2. 【請求項2】 更に、 コバルト(Co)を酸化コバルト(CoO)に換算して
    0.2重量%以上5重量%以下の範囲内で含むと共に、 アルミニウム(Al)を酸化アルミニウム(Al
    2 3 )に換算して0.001重量%以上0.05重量
    %以下の範囲内で含むことを特徴とする請求項1記載の
    電圧非直線性抵抗体磁器。
  3. 【請求項3】 更に、 ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジム
    (Pr),ネオジム(Nd),サマリウム(Sm),ユ
    ウロピウム(Eu),ガドリニウム(Gd),テルビウ
    ム(Tb),ジスプロシウム(Dy),ホルミウム(H
    o),エルビウム(Er),ツリウム(Tm),イッテ
    ルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)からなる群
    のうちの少なくとも1種の希土類元素を含むと共に、 その含有量は、前記希土類元素をRとするとR2 3
    表される酸化物に換算し前記希土類元素の合計で0.2
    重量%以上5重量%以下の範囲内であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の電圧非直線性抵抗体
    磁器。
  4. 【請求項4】 炭素の含有量が7重量ppmよりも多い
    ことを特徴とする請求項3記載の電圧非直線性抵抗体磁
    器。
  5. 【請求項5】 炭素の含有量が20重量ppm以下であ
    ることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電
    圧非直線性抵抗体磁器。
  6. 【請求項6】 更に、 ビスマス(Bi)を酸化ビスマス(Bi2 3 )に換算
    して0.5重量%以上5重量%以下の範囲内で含むと共
    に、 アンチモン(Sb)を酸化アンチモン(Sb2 3 )に
    換算して1重量%以上10重量%以下の範囲内で含むこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電圧非
    直線性抵抗体磁器。
  7. 【請求項7】 炭素の含有量が10重量ppmよりも多
    いことを特徴とする請求項6記載の電圧非直線性抵抗体
    磁器。
  8. 【請求項8】 炭素の含有量が26重量ppm以下であ
    ることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電
    圧非直線性抵抗体磁器。
  9. 【請求項9】 亜鉛(Zn)を含む酸化物を含有する電
    圧非直線性抵抗体磁器を用いたバリスタであって、 前記電圧非直線性抵抗体磁器は、炭素(C)の含有量が
    31重量ppm未満であることを特徴とするバリスタ。
  10. 【請求項10】 前記電圧非直線性抵抗体磁器は、更
    に、 コバルト(Co)を酸化コバルト(CoO)に換算して
    0.2重量%以上5重量%以下の範囲内で含むと共に、 アルミニウム(Al)を酸化アルミニウム(Al
    2 3 )に換算して0.001重量%以上0.05重量
    %以下の範囲内で含むことを特徴とする請求項9記載の
    バリスタ。
  11. 【請求項11】 前記電圧非直線性抵抗体磁器は、更
    に、 ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジム
    (Pr),ネオジム(Nd),サマリウム(Sm),ユ
    ウロピウム(Eu),ガドリニウム(Gd),テルビウ
    ム(Tb),ジスプロシウム(Dy),ホルミウム(H
    o),エルビウム(Er),ツリウム(Tm),イッテ
    ルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)からなる群
    のうちの少なくとも1種の希土類元素を含むと共に、 その含有量は、前記希土類元素をRとするとR2 3
    表される酸化物に換算し前記希土類元素の合計で0.2
    重量%以上5重量%以下の範囲内であることを特徴とす
    る請求項9または請求項10に記載のバリスタ。
  12. 【請求項12】 前記電圧非直線性抵抗体磁器は、炭素
    の含有量が7重量ppmよりも多いことを特徴とする請
    求項11記載のバリスタ。
  13. 【請求項13】 前記電圧非直線性抵抗体磁器は、炭素
    の含有量が20重量ppm以下であることを特徴とする
    請求項11または請求項12に記載のバリスタ。
  14. 【請求項14】 前記電圧非直線性抵抗体磁器は、更
    に、 ビスマス(Bi)を酸化ビスマス(Bi2 3 )に換算
    して0.5重量%以上5重量%以下の範囲内で含むと共
    に、アンチモン(Sb)を酸化アンチモン(Sb
    2 3 )に換算して1重量%以上10重量%以下の範囲
    内で含むことを特徴とする請求項9または請求項10に
    記載のバリスタ。
  15. 【請求項15】 前記電圧非直線性抵抗体磁器は、炭素
    の含有量が10重量ppmよりも多いことを特徴とする
    請求項14記載のバリスタ。
  16. 【請求項16】 前記電圧非直線性抵抗体磁器は、炭素
    の含有量が26重量ppm以下であることを特徴とする
    請求項14または請求項15に記載のバリスタ。
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