JP2000346411A - 換気装置 - Google Patents

換気装置

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JP2000346411A
JP2000346411A JP11151022A JP15102299A JP2000346411A JP 2000346411 A JP2000346411 A JP 2000346411A JP 11151022 A JP11151022 A JP 11151022A JP 15102299 A JP15102299 A JP 15102299A JP 2000346411 A JP2000346411 A JP 2000346411A
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安良 牧野
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義巳 岩村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転、停止時の外観性能に優れた換気装置を
得る。 【解決手段】 送風機1を組付けた本体枠2の吸込側と
なる前面に化粧グリル3を装着した換気装置について、
その化粧グリル3を、本体枠2に装着する前面の開放し
たグリル枠部7と、グリル枠部7に一端側において枢支
され、通常においてはグリル枠部7の前面を被覆し、駆
動機22等によってグリル枠部7の外周部に略扇形の通
風空間8を形成する可動パネル部9とにより構成し、そ
のグリル枠部7を、可動パネル部9の枢支側の本体枠2
の前面に対する離反距離の方が反枢支側の本体枠2の前
面に対する離反距離より大きく構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送風機を組付けた
本体枠の前面に装着した化粧グリルが開閉動する換気装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】前面の化粧グリルが停止時には本体枠の
前面を覆い、運転時には本体枠から離れて通風路を形成
する換気装置は、化粧グリルにより容易に意匠性を高め
ることができ、送風機等が隠れているためインテリア性
にも富み広く用いられている。従来のこの種の換気装置
としては、例えば特開平8―128690号公報や実開
昭59―72433号公報に示されているようなものが
ある。前者は図19に示すように、送風機40を有する
本体41の前面に、開閉動するパネル42を備えたグリ
ル枠43が装着されている。グリル枠43は中央に本体
41に連通する通気口を有し、この通気口に蓋状にパネ
ル42が装着されている。パネル42はグリル枠43に
前後方向へ平行移動できるように組付けられ、通常はグ
リル枠43に密着し通気口を塞ぐ位置にバネにより付勢
されている。グリル枠43の内側には駆動機44とこれ
によって回動するアーム45が設けられ、駆動機44に
よりアーム45が回動することにより、アーム45に押
されバネの付勢に抗してパネル42がグリル枠43から
離反し、通気口が開放するものである。後者は、図20
に示すようにグリル枠43の前面にパネル42が回動可
能に装着され、駆動機によって閉止状態からドアのよう
にパネル42が大きく開くように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の換気装
置において、前者は運転時においても内装部品を隠すこ
とができ、外観性能が優れているが、大風量の処理が困
難であり、低騒音化も図りにくいといった問題点があ
る。即ち、壁面に取付けて排気を行う換気装置には、送
風機40に圧力が殆どかからない施工条件が主であり、
一般に軸流ファンや斜流ファンが多く用いられている
が、軸流ファンは大風量が得られ低騒音でもあるが、圧
力に弱く、送風羽根の全面をパネル42で覆う構造では
送風羽根に圧力がかかり、送風性能が悪化する。そのた
め上記した従来の換気装置では、送風羽根に少し圧力が
かかる条件で中風量が得られ、騒音レベルも中程度の斜
流ファンが採用されている。一方、後者の換気装置にお
いても送風性能を確保するにはパネル42を大きく開か
せなくてはならず、運転時の外観性能が大きく損なわれ
るといった問題点がある。
【0004】本発明は、係る従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、その課題とするところは、
運転、停止時の外観性能に優れた換気装置を得ることで
あり、運転、停止時の外観性能が優れ、大風量の処理が
できる低騒音の換気装置を得ることであり、その換気装
置の機能の向上や安定性を推進することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項1の発明は、送風機を組付けた本体枠の吸込側
となる前面に化粧グリルを装着した換気装置について、
その化粧グリルを、本体枠に装着する前面の開放したグ
リル枠部と、グリル枠部に一端側において枢支され、通
常においてはグリル枠部の前面を被覆し、駆動手段によ
る回動によってグリル枠部の外周部に略扇形の通風空間
を形成する可動パネル部とにより構成し、そのグリル枠
部を、可動パネル部の枢支側の本体枠の前面に対する離
反距離の方が反枢支側の本体枠の前面に対する離反距離
より大きく構成する手段を採用する。
【0006】前記課題を達成するために請求項2の発明
は、請求項1に係る前記手段におけるグリル枠部の本体
枠の前面に対する離反距離を、可動パネル部の枢支側か
ら反枢支側に向かって円弧形状をもって漸減させ、可動
パネル部もグリル枠部に倣って円弧状に構成する手段を
採用する。
【0007】前記課題を達成するために請求項3の発明
は、請求項1又は請求項2のいずれかに係る前記手段に
おける可動パネル部を、弾性部材の付勢により通常にお
いてグリル枠部の前面を被覆するように構成するととも
に、駆動手段を駆動機と、伝達機構を介してこの駆動機
により回動されるクランクとにより構成し、クランクの
回動により可動パネル部の背面を押圧して弾性部材の付
勢に抗して可動パネル部を回動させるようにする手段を
採用する。
【0008】前記課題を達成するために請求項4の発明
は、請求項3に係る前記手段におけるクランクの当る可
動パネル部の背面にクランクが摺動する傾斜付きの摺動
部を設ける手段を採用する。
【0009】前記課題を達成するために請求項5の発明
は、請求項3又は請求項4のいずれかに係る前記手段に
おけるクランクの必要以上の回動を規制する回動規制手
段を設ける手段を採用する。
【0010】前記課題を達成するために請求項6の発明
は、請求項3〜請求項5までのいずれかに係る前記手段
におけるクランクに伝達機構との連結部の移動を防止
し、しかも整流機能も果たす整流手段を設ける手段を採
用する。
【0011】前記課題を達成するために請求項7の発明
は、請求項1〜請求項6までのいずれかに係る前記手段
における駆動手段を、可動パネル部の枢支側に配設する
手段を採用する。
【0012】前記課題を達成するために請求項8の発明
は、請求項1〜請求項7までのいずれかに係る前記手段
におけるグリル枠部に、その前面における可動パネル部
の枢支側に、可動パネル部側に延出する整流手段を設け
る手段を採用する。
【0013】前記課題を達成するために請求項9の発明
は、請求項1〜請求項8までのいずれかに係る前記手段
におけるグリル枠部と可動パネル部とにより形成される
略扇形の通風空間に整流手段を設ける手段を採用する。
【0014】前記課題を達成するために請求項10の発
明は、請求項6又は請求項8のいずれかに係る前記手段
における整流手段が本体枠の吸込み部分と駆動手段側と
の障壁構造をなすようにする手段を採用する。
【0015】前記課題を達成するために請求項11の発
明は、請求項1〜請求項10までのいずれかに係る前記
手段におけるグリル枠部に、挿入口を形成しこの挿入口
に可動パネル部側に設けた支持突縁を挿入して可動パネ
ル部をグリル枠部に回動可能に枢支するとともに、可動
パネル部の支持突縁により可動パネル部の閉止状態にお
いては挿入口が塞がれる構成とする手段を採用する。
【0016】前記課題を達成するために請求項12の発
明は、請求項11に係る前記手段における支持突縁に、
グリル枠部の挿入口の口縁に引っ掛かり可動パネル部の
抜け出しを防止し、かつ可動パネル部の回動範囲を限定
する回動規定手段を設ける手段を採用する。
【0017】前記課題を達成するために請求項13の発
明は、請求項1〜請求項12までのいずれかに係る前記
手段におけるグリル枠部の開放部分の口縁をR形状に構
成する手段を採用する。
【0018】前記課題を達成するために請求項14の発
明は、請求項1〜請求項13までのいずれかに係る前記
手段における送風機を軸流ファンで構成する手段を採用
する。
【0019】前記課題を達成するために請求項15の発
明は、請求項1〜請求項14までのいずれかに係る前記
手段における可動パネル部の背面にクッション材を貼着
する手段を採用する。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜図18によって示す本実施
の形態は、図1〜図3に示すように送風機1を組付けた
風洞を構成する本体枠2の吸込側となる前面に化粧グリ
ル3を着脱可能に装着した換気装置に関するものであ
る。送風機1は電動機4に軸流式の送風羽根5を着脱可
能に装着して構成され、本体枠2前面のベルマウスをな
す吸込口6から本体枠2の後部の排気口へ向かう換気流
を形成する。化粧グリル3は、本体枠2に着脱可能に装
着される前面の開放したグリル枠部7と、グリル枠部7
の下端側において枢支され、通常においてはグリル枠部
7の前面を被覆し、駆動手段による回動によってグリル
枠部7の外周部に図1に示すような略扇形の通風空間8
を形成する可動パネル部9とにより構成され、本体枠2
の前面全体を覆い換気装置の前面の意匠を構成してい
る。
【0021】グリル枠部7は、本体枠2の周側に嵌合す
る立上り部10に続く前面部を備えたプラスチックより
なる枠構造体で、前面部の下縁部11は、図4に示すよ
うに部分的に前方に突出していてその段差部12に可動
パネル部9を枢支するためのスリット状の挿入口13が
間隔をもって下向きに形成されている。グリル枠部7の
立上り部10は可動パネル部9を枢支する側の下部が最
も高く構成され、反枢支側である上部に向かって円弧を
なして高さが漸減している。従って、グリル枠部7の前
面部と本体枠2の前面との離反距離は、可動パネル部9
を枢支する枢支側が大きく反枢支側に向かって漸減して
いる。グリル枠部7の下縁部11に続く立上り部10を
除く他の立上り部10には可動パネル部9の周側部が外
側から嵌る段差14が形成され、この段差14を持つ立
上り部10に続く両側縁部15と上縁部16と下縁部1
1によりグリル枠部7の前面部が形成されている。この
前面部に囲まれる開放部分は、本体枠2の送風羽根5の
臨む吸込口6に連通し、その口縁は図5に示すように吸
込み性能を向上させるべくR形状17に構成されてい
る。
【0022】可動パネル部9は、グリル枠部7の下縁部
11を除く前面部全体を被覆する形状を備え、グリル枠
部7に倣って図1,2に示すように円弧状に形成されて
いる。可動パネル部9の下端縁には、図6に示すように
グリル枠部7の挿入口13に遊嵌できる支持突縁18が
突出して形成され、この支持突縁18を挿入口13に差
込むことにより、支持突縁18を支点として可動パネル
部9が図7,8に示すように回動可能に枢支される。支
持突縁18の端には挿入口13の口縁に掛止まるフック
部19を備えた回動規定突起20が形成されていて、可
動パネル部9の挿入口13からの抜止めと、挿入口13
口縁への当接により可動パネル部9の回動範囲が限定さ
れている(図7,8参照)。可動パネル部9の背面とグ
リル枠部7の前面との間には弾性部材としてのバネ21
が掛け渡され、このバネ21によって可動パネル部9は
グリル枠部7の前面部に密着する状態に付勢されてい
る。グリル枠部7に密着した状態の可動パネル部9の前
面とグリル枠部7の下縁部11とは図2に示すように段
差なく連続した曲面を構成し、停止時の換気装置の前面
意匠を構成している。このような可動パネル部9の枢支
構造を採用することにより、ピン等による構造より製造
が容易であり、破損も少なく機能の安定性を確保するこ
とができ、万が一、バネ21の掛着部等の破損が生じて
も、回動規定突起20のフック部19により可動パネル
部9がグリル枠部7から外れ落下してしまうようなこと
もない。
【0023】駆動手段は、駆動機22と、伝達機構とク
ランク23とにより構成され何れもグリル枠部7の可動
パネル部9の枢支側に配設されている。駆動機22は図
3に示すようにグリル枠部7の下部一側寄りに取付けら
れ、備え付けられている伝達機構を構成するワイヤ24
を巻き取り、また繰り出すことができる。クランク23
は略M型に構成され、グリル枠部7の前面における開放
部の中央直下に両端が支持構造25により回動可能に支
持されている(図9,10,11参照)。支持構造には
クランク23の必要以上の回動を規制する回動規制突起
26が図10,11に示すように形成されている。この
回動規制突起26により、清掃時等に化粧グリル3を本
体枠2から外し、可動パネル部9を外してもクランク2
3は回動規制突起26により自由回動が拘束され、化粧
グリル3の再組付け時には必ず元の状態に戻ることにな
り、メンテナンス性が向上する。
【0024】クランク23の中央の凹状部分には図9に
示すように駆動機22からのワイヤ24の端が連結具2
7により連結されている。ワイヤ24はクランク23の
下方に設けられたプーリ28に掛装され、巻き取りによ
る引っ張り方向がプーリ28によって略90度変えられ
るようになっている。クランク23には板状の整流板2
9が図9に示すように嵌め装着されている。この整流板
29はクランク23の両端縁を差込み固定する係合片3
0と差込み深さを規定するストッパ31と中央にワイヤ
24のクランク23との連結部の連結具27を係合させ
る係合孔32とを備えていて、ワイヤ24の連結部の移
動を規制する機能も果たしている。
【0025】クランク23と整流板29とは、可動パネ
ル部9を閉じ状態に付勢しているバネ21の力を可動パ
ネル部9の背面を介して受け、通常においては起立状態
になっている。このクランク23の当る可動パネル部9
の背面には、図11に示すように枢支側に下傾する傾斜
面33付きのクランク摺動部34が設けられている。そ
して、クランク摺動部34を除く可動パネル部9の背面
には、クッション材35が貼設され、結露の防止と可動
パネル部9の閉止時のグリル枠部7への衝突音の発生が
防止されている。可動パネル部9の回動量は、クランク
23の回動量に寄与するため駆動機22の誤差や部品組
立て時の誤差により可動パネル部9の回動量にばらつき
が生じ易いが、クランク摺動部34に傾斜面33を構成
することにより、クランク23の回動量が変化しても可
動パネル部9の回動量を略一定にすることができ、品質
の安定性を高めることができる。
【0026】上記のような構成の本実施の形態の換気装
置は、通常は可動パネル部9がグリル枠部7の前面に密
着して可動パネル部9の枢支側から可動側に向かって厚
みが漸減する意匠を構成しており、壁面からの突出量も
少なくインテリア性の高い外観性能を示している。勿
論、本体枠2側は化粧グリル3で総て隠されており、ク
ッション材35により可動パネル部9とグリル枠部7と
の間の気密も保持され、外気の侵入も防止されている。
この状態では、枢支部分の挿入口13も支持突縁18が
起立して塞いでおり、挿入口13からの外気の室内側へ
の侵入も防止されている。このように可動パネル部9は
外観性能を向上させるばかりでなく、停止時の外気(冷
気)の侵入を防ぐシャッター機能も果たしている。
【0027】換気装置に電源が供給されると送風機1が
運転し、これとともに駆動機22がワイヤ24を巻き取
り始め、クランク23を回動させる。クランク23は可
動パネル部9のクランク摺動部34を摺動していき、可
動パネル部9の背面を押圧し、バネ21の付勢に抗して
可動パネル部9を回動させ、図1に示すように大きくな
い所定の角度に開かせる。この時、クランク23の当り
面はクランク摺動部34の傾斜面33であるため、回動
によっても押圧力は安定して可動パネル部9に作用す
る。これにより、グリル枠部7の側部と可動パネル部9
の側部との間に略扇形の通風空間8が形出され、ここか
ら室内の空気が本体枠2に吸込まれていき、本体枠2の
後端から室外へ排気される。この運転状態においても送
風機1の送風羽根5等は可動パネル部9で隠されてい
て、斜めの状態にあった可動パネル部9が起立よりやや
倒伏した状態に開くため、化粧グリル3のフラット感が
得られインテリア性も外観性能も良好に維持される。運
転状態において電源の供給が断たれると、送風機1は停
止し駆動機22の巻き取り力もフリーになり、バネ21
の付勢により可動パネル部9が回動し、初期の閉状態に
戻る。この時、クッション材35においてグリル枠部7
に当るので、衝突音も殆どしない。
【0028】化粧グリル3は可動パネル部9を回動させ
開閉する構成であるため、換気装置の標準施工状態であ
る可動パネル部9の枢支側を下、可動側を上にして施工
してあれば、換気装置の運転停止時に外気(冷気)が可
動パネル部9とグリル枠部7の合わせ面よりたとえ漏れ
たとしても、人が居る化粧グリル3の下の床側には外気
が直接流れることはなく、天井側に流れるため外気侵入
による不快感を低減できる。また、可動パネル部9を回
動させる駆動機22やプーリ28、クランク23等を枢
支側に集約して配設してあるため、可動側の厚さが最も
薄くなり、インテリア性に優れ、略扇形の通風空間8も
広い特性の良好な換気装置となる。
【0029】送風羽根5の中心位置は本体枠2の中心よ
り可動パネル部9の可動側に偏心した位置になっている
ので、グリル枠部7の厚みが薄い部分から効率よく送風
羽根5に空気を吸い込ませることができ、この点でも良
好な特性を得ることができる。可動パネル部9の背面の
クッション材35は衝突音を軽減する機能とともに、外
気温度が低くなった場合の可動パネル部9表面での結露
の発生を防止する機能も果たす。
【0030】図12〜図15によって本実施の形態の換
気装置Aと、他の代表的な構成と思われる可動パネル構
造36を備えた換気装置B,Cを例示して特性について
説明する。図12は本実施の形態の換気装置Aであり、
図13は化粧グリル枠の厚みが一定厚で、フラットな可
動パネル構造36を備えた換気装置Bであり、図14は
化粧グリル枠の厚みが一定厚で、可動パネル構造36が
平行移動する換気装置Cである。図12,13,14に
おける二本の矢印は、いずれも送風羽根5に対する直線
的な吸込流の範囲を示している。換気装置Cでは、送風
羽根5に効率良く空気が吸込まれないため、排気風量が
確保できなくなる圧力点が非常に低い。換気装置Bで
は、換気装置Cよりも特性は良いものの、送風羽根5の
正面から吸込める極一般的な換気装置と比較すると特性
は劣る。換気装置Aでは、吸込流が広範囲に確保でき、
送風羽根5に対する抵抗(圧力)が低くなり優れた特性
が得られる。換気装置Aと換気装置Bとの通風空間8で
ある側面開口面積を比較しても、図12,13の図中に
付随して示すように前者の方が1.5倍ほど広く確保す
ることができる。送風特性を示した図15でもわかるよ
うに換気装置Aは、正面から吸込める換気装置(図15
にDで示す)に近い特性が得られており、非常に効率良
く送風羽根5に吸込まれることになる。
【0031】次に、可動パネル部9の枢支側にある整流
板29について説明する。整流板29がないと、流速の
高い空気が送風羽根5に吸込まれず、図16に示すよう
に可動パネル部9の枢支側に渦が発生し、騒音値が高く
なる。整流板29があると渦の発生が抑制され図17に
示すように空気を効率良く送風羽根5に吸込ませること
ができ、換気装置の低騒音化が推進できる。開放風量6
0m3 /h程度を処理する場合、騒音値を約1デシベル
程は低下できる。
【0032】本実施の形態の整流板29は、ワイヤ24
のクランク23に対する連結部の位置ずれを防ぐ機能も
備え、少ない部品点数でクランク23の安定した動作を
確保しているものである。また、整流板29はその可動
パネル部9を回動させる機構部に対し障壁構造となって
いて、機構部に塵埃が付着することも防止でき、換気装
置の寿命を延ばし、品質を安定したものとすることがで
きる。
【0033】渦は吸込流の流速を低くすれば防ぐことが
可能であり、図18に示すように可動パネル部9の側面
部分に配置しても効果がある。この場合、可動パネル部
9の可動側近くに設ける方がより効果的である。この整
流板29は伸縮可能な構成とし、可動パネル部9を付勢
しているバネ21に沿って設けることにより、側方から
バネ21を隠すこともでき、運転時の換気装置の意匠性
を向上させることができる。
【0034】なお、同様な構成で電動機4と送風羽根5
を反転させ給気用の換気装置を構成してもよく、これに
より可動パネル部9が給気流を天井側に案内するため、
室内に居る人に直接給気流が当ることがなく、快適性の
高い給気による換気が実施できる。また、送風機1につ
いては軸流ファンが適しているが、斜流ファンでも適用
することができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、運転、停止時
の外観性能に優れたインテリア性に優れた換気装置が得
られる。
【0036】請求項2の発明によれば、請求項1に係る
前記効果とともに、外観性能がより向上する。
【0037】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2のいずれかに係る前記効果とともに可動パネル部
の回動動作を安定したものとすることができる。
【0038】請求項4の発明によれば、請求項3に係る
前記効果とともにクランクの回動量のばらつきを吸収す
ることができ、機能の安定性を推進できる。
【0039】請求項5の発明によれば、請求項3又は請
求項4のいずれかに係る前記効果とともに分解組立が容
易になり、メンテナンス性が向上する。
【0040】請求項6の発明によれば、請求項3〜請求
項5までのいずれかに係る前記効果とともに、特性の向
上と機能の安定性とを少ない部品点数で推進できる。
【0041】請求項7の発明によれば、請求項1〜請求
項6までのいずれかに係る前記効果とともに化粧グリル
の可動パネル部の回動側をより薄い厚みにでき、インテ
リア性がより向上する。
【0042】請求項8の発明によれば、請求項1〜請求
項7までのいずれかに係る前記効果とともに低騒音化を
推進できる。
【0043】請求項9の発明によれば、請求項1〜請求
項8までのいずれかに係る前記効果とともに低騒音化を
推進できる。
【0044】請求項10の発明によれば、請求項6又は
請求項8のいずれかに係る前記効果とともに駆動手段側
への塵埃の侵入を防止することができる。
【0045】請求項11の発明によれば、請求項1〜請
求項10までのいずれかに係る前記効果とともに構成の
簡素化と密閉性の向上を容易に図ることができる。
【0046】請求項12の発明によれば、請求項11に
係る前記効果とともに可動パネル部の落下の防止と可動
パネル部の回動範囲の規定を簡素な構成によって実施す
ることができる。
【0047】請求項13の発明によれば、請求項1〜請
求項12までのいずれかに係る前記効果とともに吸込性
能を向上させることができる。
【0048】請求項14の発明によれば、請求項1〜請
求項13までのいずれかに係る前記効果とともに大風量
の処理ができる換気装置が得られる。
【0049】請求項15の発明によれば、請求項1〜請
求項14までのいずれかに係る前記効果とともに低騒音
化と結露防止効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態の換気装置の運転時を示す断面図
である。
【図2】 実施の形態の換気装置の停止時を示す断面図
である。
【図3】 実施の形態の換気装置の正面図である。
【図4】 実施の形態の換気装置の化粧グリルを示す断
面構成図である。
【図5】 実施の形態の換気装置のグリル枠部の開放部
の構成を示す拡大部分断面図である。
【図6】 実施の形態の換気装置の可動パネル部の枢支
部分の構成を示す部分拡大図である。
【図7】 実施の形態の換気装置の可動パネル部の枢支
部分の構成を示す部分拡大断面図である。
【図8】 実施の形態の換気装置の可動パネル部の枢支
部分の構成を示す部分拡大断面図である。
【図9】 実施の形態の換気装置のクランク部分の平面
図である。
【図10】 実施の形態の換気装置のクランク支持部の
断面図である。
【図11】 実施の形態の換気装置のクランクとクラン
ク摺動部を示す部分拡大断面図である。
【図12】 実施の形態の換気装置の特性を示す構成図
である。
【図13】 実施の形態の換気装置の特性を比較するた
めの換気装置の構成図である。
【図14】 実施の形態の換気装置の特性を比較するた
めの他の換気装置の構成図である。
【図15】 実施の形態の換気装置と他の換気装置の特
性を示す説明図である。
【図16】 実施の形態の換気装置の低騒音機能を説明
する説明図である。
【図17】 実施の形態の換気装置の整流板の機能を示
す説明図である。
【図18】 実施の形態の他の換気装置の運転時を示す
側面図である。
【図19】 従来の換気装置の運転時を示す断面図であ
る。
【図20】 従来の他の換気装置の運転時を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 送風機、 2 本体枠、 3 化粧グリル、 5
送風羽根、 7 グリル枠部、 8 通風空間、 9
可動パネル部、 13 挿入口、 17 R形状、 1
8 支持突縁、 19 フック部、 20 回動規定突
起、 21 バネ、 22 駆動機、 23 クラン
ク、 25 支持構造、 26 回動規制突起、 27
連結具、 29 整流板、 32 係合孔、 33
傾斜面、34 クランク摺動部、 35 クッション
材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 仁 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3L058 BC08 BD01 BG01 BG02 3L081 AA06 AA08 AB01 FA07 FB01 FC01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風機を組付けた本体枠の吸込側となる
    前面に化粧グリルを装着した換気装置であって、その化
    粧グリルが、前記本体枠に装着する前面の開放したグリ
    ル枠部と、このグリル枠部に一端側において枢支され、
    通常においてはグリル枠部の前面を被覆し、駆動手段に
    よる回動によって前記グリル枠部の外周部に略扇形の通
    風空間を形成する可動パネル部とにより構成され、その
    グリル枠部は、前記可動パネル部の枢支側の前記本体枠
    の前面に対する離反距離の方が反枢支側の本体枠の前面
    に対する離反距離より大きく構成されている換気装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の換気装置であって、グ
    リル枠部の本体枠の前面に対する離反距離を可動パネル
    部の枢支側から反枢支側に向かって円弧形状をもって漸
    減させ、可動パネル部も前記グリル枠部に倣って円弧状
    に形成した換気装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
    の換気装置であって、可動パネル部を弾性部材の付勢に
    より通常においてグリル枠部の前面を被覆するように構
    成するとともに、駆動手段を駆動機と、伝達機構を介し
    てこの駆動機により回動されるクランクとにより構成
    し、前記クランクの回動により可動パネル部の背面を押
    圧して前記弾性部材の付勢に抗して可動パネル部を回動
    させるようにした換気装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の換気装置であって、ク
    ランクの当る可動パネル部の背面にクランクが摺動する
    傾斜付きの摺動部を設けた換気装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4のいずれかに記載
    の換気装置であって、クランクの必要以上の回動を規制
    する回動規制手段を設けた換気装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜請求項5までのいずれかに記
    載の換気装置であって、クランクに伝達機構との連結部
    の移動を防止し、しかも整流機能も果たす整流手段を設
    けた換気装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6までのいずれかに記
    載の換気装置であって、駆動手段を可動パネル部の枢支
    側に配設した換気装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7までのいずれかに記
    載の換気装置であって、グリル枠部の前面における可動
    パネル部の枢支側に、同可動パネル部側に延出する整流
    手段を設けた換気装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8までのいずれかに記
    載の換気装置であって、グリル枠部と可動パネル部とに
    より形成される略扇形の通風空間に整流手段を設けた換
    気装置。
  10. 【請求項10】 請求項6又は請求項8のいずれかに記
    載の換気装置であって、整流手段が本体枠の吸込み部分
    と駆動手段側との障壁構造をなすようにした換気装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項10までのいずれか
    に記載の換気装置であって、グリル枠部に挿入口を形成
    しこの挿入口に可動パネル部側に設けた支持突縁を挿入
    して同可動パネル部を前記グリル枠部に回動可能に枢支
    するとともに、前記可動パネル部の前記支持突縁により
    可動パネル部の閉止状態においては前記挿入口が塞がれ
    る構成の換気装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の換気装置であっ
    て、支持突縁にグリル枠部の挿入口の口縁に引っ掛かり
    可動パネル部の抜け出しを防止し、かつ可動パネル部の
    回動範囲を限定する回動規定手段を設けた換気装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜請求項12までのいずれか
    に記載の換気装置であって、グリル枠部における前面の
    開放部分の口縁をR形状に構成した換気装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜請求項13までのいずれか
    に記載の換気装置であって、送風機を軸流ファンで構成
    した換気装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜請求項14までのいずれか
    に記載の換気装置であって、可動パネル部の背面にクッ
    ション材を貼着した換気装置。
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