JP2000345732A - ハイブリッド型制振方法及び制振構造物 - Google Patents
ハイブリッド型制振方法及び制振構造物Info
- Publication number
- JP2000345732A JP2000345732A JP11159350A JP15935099A JP2000345732A JP 2000345732 A JP2000345732 A JP 2000345732A JP 11159350 A JP11159350 A JP 11159350A JP 15935099 A JP15935099 A JP 15935099A JP 2000345732 A JP2000345732 A JP 2000345732A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- frame
- separated
- outer frame
- internal
- hybrid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
を長周期化することによって下層階に集中する水平変形
を減衰する制振技術を提供する。 【解決手段】 構造物の下層階を複数階分にわたり外周
架構と内部架構を分離する。外周架構の軸剛性は維持し
て構造物全体の転倒モーメントに抵抗させる。内部架構
と基礎部分とを分離し、両者の間に減衰装置を設置す
る。
Description
の水平剛性を低減して同構造物の全体周期を長周期化す
るとともに、それによって下層階に集中する水平変形を
減衰する、いうなれば免震と制振の中間的なハイブリッ
ド型制振方法及び制振構造物の技術分野に属する。
下、建物に特定して説明する。)の各階の層間変形を利
用する方法(例えば特開平7−150801号公報に記
載された制振装置)、あるいは柱、梁、ブレース等の部
材変形を利用する方法(特開平6−58017号公報に
記載された制振構造物)で減衰するように、制振装置を
建物各階、又は各部材に分散配置している。いずれも、
建物に発生する局部的な小変形を利用して制振作用を行
わせるので、その制振効果は地震応答を10〜20%程
度低減できるにすぎない。しかも制振装置及びその取り
付け架台の台数が多数必要となり、コストアップを招い
ている。のみならず、制振装置及び取り付け架台の存在
が建物内の各所で、人や物資の平面動線を阻害するな
ど、平面計画に悪影響を与えている。
減衰構造に構成した免震構造物は、現状では高さが20
0m前後より高い高層建物には適用が困難という問題が
ある。しかも免震層の水平変形が最大50〜70cmと
大きいので、建物周辺に空きスペース(ドライエリア)
と擁壁が必要となり、施工費の増加を招く。
学会構造系論文報告集、第402号の79〜85頁に記
載された「第1層エネルギー集中型柔剛混合鉄骨構造の
基本特性」に紹介されている技術は、大略、地震エネル
ギーの大部分を第1層に吸収させ、第1層に柔部材と剛
部材を組込んだ鉄骨耐震構法である。第1層の強度を第
2層以上の強度に対し意図的に小さくすることにより、
地震入力エネルギーの大部分を第1層に集中させ、第1
層の特定の鉄骨部材を塑性化させることにより地震エネ
ルギーを「塑性ひずみ」として吸収し、構造物の主要部
材である柱・梁を極限地震時においてもほぼ弾性範囲に
止めるよう意図した耐震構法が開示されている。
法は、一見すると、本願発明の考えに似たところもあ
る。しかし、構造物の鉛直荷重は従来通り各柱に負担さ
せ基礎へ伝達する構成であり、基礎と各柱とは接合され
ている。第1層(1階分)のみ、柱の断面を小さくして
水平剛性を低減させ、筋交い方向に配置した減衰装置を
働かせて耐震効果を得る構造であるから、減衰効果その
ものは小さいし、免震効果は得られない。
イブリッド型で、地震応答を2/3〜1/2に低減す
る、効果的で実用的な制振方法及び制振構造物を提供す
ることである。
めの手段として、請求項1に記載した発明に係る構造物
のハイブリッド型制振方法は、構造物の下層階を複数階
分にわたり外周架構と内部架構を分離すること、外周架
構の軸剛性は維持して構造物全体の転倒モーメントに抵
抗させること、内部架構と基礎部分とを分離し、両者の
間に減衰装置を設置すること、をそれぞれ特徴とする。
た構造物のハイブリッド型制振方法において、外周架構
と分離した内部架構は、基礎部分との間に免震装置を設
置して支持させることを特徴とする。
載した構造物のハイブリッド型制振方法において、外周
架構と分離した内部架構は、構造物の中間階に剛性の大
きい梁部を設けて吊り下げ支持することを特徴とする。
ド型制振構造物は、構造物の下層階が複数階分にわたり
外周架構と内部架構を分離されていること、外周架構の
軸剛性は構造物全体の転倒モーメントに抵抗する大きさ
に設定されていること、内部架構と基礎部分とは分離さ
れており、両者の間に減衰装置が設置されていること、
をそれぞれ特徴とする。
載したハイブリッド型制振構造物において、外周架構と
分離した内部架構は、基礎部分との間に設置した免震装
置で支持されていることを特徴とする。
載したハイブリッド型制振構造物において、外周架構と
分離した内部架構は、構造物の中間階に設けた剛性の大
きい梁部により吊り下げ支持されていることを特徴とす
る。
る構造物のハイブリッド型制振方法は、図1及び図2に
実施形態を示したハイブリッド型制振構造物のように実
施される。
構造物は、請求項4〜6に記載した発明の実施形態であ
る。即ち、建物1の下層階A、図面では地上2階分まで
が、外周架構(の柱)2と内部架構に属する1階及び2
階のスラブ3とが構造的に完全に分離(縁切り)されて
いる。更に内部架構と基礎部分4とが分離され、下層階
Aについて集中的な水平剛性の低減と長周期化が図られ
ている。前記のように、分離された外周架構(の柱)2
と内部架構のスラブ3との間には、本実施例の場合は1
0〜20cm程度の相対変形を吸収可能な取り付け手
段、例えばスライドジョイント、エキスパンションジョ
イントなどが適宜実施されるが、その図示は便宜上省略
した。
重は、図1の実施形態では、内部架構に属する各内部柱
5と基礎部分4との間に設置した免震装置6で支持す
る、所謂部分荷重支持の方式(請求項5に記載した発
明)が実施されている。また、図2の実施形態では、外
周架構と分離した内部架構の直上位置である構造物の中
間階、図示例の場合には地上3階部分に設けた剛性の大
きい梁部7(メガトラス梁など)により吊り下げて支持
する、所謂吊り下げ支持方式(請求項6に記載した発
明)が実施されている。前記図1の部分荷重支持方式の
場合には、基礎部分4と縁切りされた内部架構の領域
(水平断面)を広く構成できるため、より大きな低剛
性、長周期化が可能となり、地震応答の低減効果が向上
する。
れている。そして、外周架構2の軸剛性(建物の曲げ剛
性)は、可能なかぎり維持して、建物全体の曲げ変形及
び転倒モーメントに抵抗する大きさに設定されている。
前記下層階Aの水平変形量は本実施例の場合は最大10
〜20cm程度とし、外周柱2に過大な変形角が生じな
いように配慮される。
して水平剛性を低減された下層階Aには、内部架構の下
端と基礎部分4との間に減衰装置8が集中的に設置さ
れ、大きな水平相対変形δを生ずる下層階A(図3を参
照)において効果的に減衰して、少ない減衰装置数によ
り効率的な減衰効果をあげて地震応答の低減に実効をあ
らしめる。
ないし10%に向上することにより、地震応答を30%
〜50%程度低減できる。風応答は、建物の長周期化に
より増幅されるが、高減衰化による相殺、又は強風時に
下層階Aの変形ロックにより通常と同程度に抑制するこ
とができる。
係るハイブリッド型制振方法、及び請求項4〜6に記載
した発明に係るハイブリッド型制振構造物は、建物の下
層階Aにおいて水平剛性を低減し長周期化すると共に、
前記の下層階Aに集約された水平変形を同下層階に集中
配備した減衰装置でまとめて減衰するので、地震応答の
低減に効果が大きい。即ち、地震応答を2/3ないし1
/2に低減できる。
変形が卓越する高層建物にも容易に適用可能である。
階Aに集中配備することにより、装置数の低減とコスト
ダウン、及び建物平面計画の阻害要因の回避に実効性が
ある。
る大規模なドライエリアや擁壁が無用になる効果も大き
い。
制振建物の実施形態を示した立面図である。
建物の実施形態を示した立面図である。
示した説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】構造物の下層階を複数階分にわたり外周架
構と内部架構を分離すること、 外周架構の軸剛性は維持して構造物全体の転倒モーメン
トに抵抗させること、 内部架構と基礎部分とを分離し、両者の間に減衰装置を
設置すること、 をそれぞれ特徴とする、構造物のハイブリッド型制振方
法。 - 【請求項2】外周架構と分離した内部架構は、基礎部分
との間に免震装置を設置して支持させることを特徴とす
る、請求項1に記載した構造物のハイブリッド型制振方
法。 - 【請求項3】外周架構と分離した内部架構は、構造物の
中間階に剛性の大きい梁部を設けて吊り下げ支持するこ
とを特徴とする、請求項1に記載した構造物のハイブリ
ッド型制振方法。 - 【請求項4】構造物の下層階が複数階分にわたり外周架
構と内部架構を分離されていること、 外周架構の軸剛性は構造物全体の転倒モーメントに抵抗
する大きさに設定されていること、 内部架構と基礎部分とは分離されており、両者の間に減
衰装置が設置されていること、 をそれぞれ特徴とする、ハイブリッド型制振構造物。 - 【請求項5】外周架構と分離した内部架構は、基礎部分
との間に設置した免震装置で支持されていることを特徴
とする、請求項4に記載したハイブリッド型制振構造
物。 - 【請求項6】外周架構と分離した内部架構は、構造物の
中間階に設けた剛性の大きい梁部により吊り下げ支持さ
れていることを特徴とする、請求項4に記載したハイブ
リッド型制振構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15935099A JP3827475B2 (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | ハイブリッド型制振方法及び制振構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15935099A JP3827475B2 (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | ハイブリッド型制振方法及び制振構造物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000345732A true JP2000345732A (ja) | 2000-12-12 |
JP3827475B2 JP3827475B2 (ja) | 2006-09-27 |
Family
ID=15691937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15935099A Expired - Lifetime JP3827475B2 (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | ハイブリッド型制振方法及び制振構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3827475B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010065502A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Takenaka Komuten Co Ltd | 構造物 |
JP2012197600A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Penta Ocean Construction Co Ltd | 重力式岸壁または護岸における地震時の変位低減方法および変位低減構造 |
JP6490862B1 (ja) * | 2018-09-04 | 2019-03-27 | 株式会社三菱地所設計 | 制震構造物 |
-
1999
- 1999-06-07 JP JP15935099A patent/JP3827475B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010065502A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Takenaka Komuten Co Ltd | 構造物 |
JP2012197600A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Penta Ocean Construction Co Ltd | 重力式岸壁または護岸における地震時の変位低減方法および変位低減構造 |
JP6490862B1 (ja) * | 2018-09-04 | 2019-03-27 | 株式会社三菱地所設計 | 制震構造物 |
JP2020037804A (ja) * | 2018-09-04 | 2020-03-12 | 株式会社三菱地所設計 | 制震構造物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3827475B2 (ja) | 2006-09-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH09235890A (ja) | 既存建築物の制震補強構造 | |
JP3811320B2 (ja) | 耐力壁 | |
JP3828695B2 (ja) | 三階建て住宅の制震壁 | |
JPH09235894A (ja) | 既存建築物の耐震補強構造 | |
JP2010203150A (ja) | 制震架構 | |
JP3804904B2 (ja) | 三階建て住宅における耐力壁のブレース構造 | |
JP2000345732A (ja) | ハイブリッド型制振方法及び制振構造物 | |
JPH10280725A (ja) | 制振躯体構造 | |
JP3181224B2 (ja) | 大架構塔状建築物 | |
JP3677703B2 (ja) | 制振建物 | |
JP3139675B2 (ja) | 制震構造物の構成方法 | |
JP2004353351A (ja) | 既存建物の上部増築工法 | |
JPH05311921A (ja) | 制振装置 | |
JP2011058175A (ja) | 制震構造 | |
JP2001200654A (ja) | 制振建物 | |
JP5290786B2 (ja) | 制震構造 | |
JP2009281074A (ja) | 建物の連結制震構造 | |
JPH09310510A (ja) | 既設建屋の耐震補強構造 | |
JP3183198B2 (ja) | 原子力関連建屋及び制震構造物 | |
JP2004225347A (ja) | 構造物の制震構造 | |
JP3972892B2 (ja) | 既存建物の制震改修方法 | |
JPH04277274A (ja) | 混合構造物 | |
JP3925868B2 (ja) | 制震補強架構及びそれを用いた制震構造物 | |
JP3848510B2 (ja) | 住宅制振方法 | |
CN208329419U (zh) | 一种采用支撑型消能器的减震楼梯 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040618 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060213 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060413 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060606 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060704 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714 Year of fee payment: 4 |