JP2000345483A - 立体模様を形成するための布帛の処理方法及び処理された布帛 - Google Patents
立体模様を形成するための布帛の処理方法及び処理された布帛Info
- Publication number
- JP2000345483A JP2000345483A JP2000091041A JP2000091041A JP2000345483A JP 2000345483 A JP2000345483 A JP 2000345483A JP 2000091041 A JP2000091041 A JP 2000091041A JP 2000091041 A JP2000091041 A JP 2000091041A JP 2000345483 A JP2000345483 A JP 2000345483A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cloth
- treatment liquid
- fabric
- treatment
- agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treatment Of Fiber Materials (AREA)
- Coloring (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Decoration Of Textiles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 通常の捺染は勿論のこと、インクジェット方
式の捺染に対しても優れた立体模様の形成が可能な処理
方法及び処理された布帛を提供すること。 【解決手段】 布帛に立体模様を形成するための布帛の
処理方法において、(a)フェノ−ル類とアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の水酸化物とから形成される塩を
含有する処理液Aを布帛に付与する工程、及び(b)処
理液Aの塩を元のフェノール類に転換させ得る薬剤を含
有する処理液Bを布帛に付与する工程、を含む布帛の処
理方法。 【効果】 安全性に優れ、更に、水溶性であるため薬剤
を均一に付与することができる。布帛上で繊維を収縮と
同時に着色でき、安価で精度の高い(捺染ムラも極めて
少ない)、立体模様を有する布帛を提供できる。
式の捺染に対しても優れた立体模様の形成が可能な処理
方法及び処理された布帛を提供すること。 【解決手段】 布帛に立体模様を形成するための布帛の
処理方法において、(a)フェノ−ル類とアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の水酸化物とから形成される塩を
含有する処理液Aを布帛に付与する工程、及び(b)処
理液Aの塩を元のフェノール類に転換させ得る薬剤を含
有する処理液Bを布帛に付与する工程、を含む布帛の処
理方法。 【効果】 安全性に優れ、更に、水溶性であるため薬剤
を均一に付与することができる。布帛上で繊維を収縮と
同時に着色でき、安価で精度の高い(捺染ムラも極めて
少ない)、立体模様を有する布帛を提供できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体模様を有する
布帛を形成するための処理方法に関する。
布帛を形成するための処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、高機能を有する布帛が開発されて
おり、自動車や建築分野への利用が拡大している。高機
能布帛として、いわゆる立体模様を有する布帛は、布帛
の表面に凹凸を形成したもので、立体感を与え且つ高級
感のあるものとして注目されている。そして、特に、自
動車シートや壁材としての需要がここのところ大きく伸
びてきている。
おり、自動車や建築分野への利用が拡大している。高機
能布帛として、いわゆる立体模様を有する布帛は、布帛
の表面に凹凸を形成したもので、立体感を与え且つ高級
感のあるものとして注目されている。そして、特に、自
動車シートや壁材としての需要がここのところ大きく伸
びてきている。
【0003】ところで、布帛にこのような立体模様を形
成する方法として、従来から、物理的に凹凸を形成する
方法と化学的に凹凸を形成する方法が採用されている。
前者の物理的な方法として、高温加熱下での彫刻ロール
の接圧による型付け(例えば、エンボス加工、シュライ
ナー加工等)があるが、重加圧下の加熱ロール間に布帛
を挿入するため、風合いの硬化や布帛の扁平化が非常に
大きく、また、熱ロールによる金属光沢を生じ、時には
熱変色を生じる欠陥がある。
成する方法として、従来から、物理的に凹凸を形成する
方法と化学的に凹凸を形成する方法が採用されている。
前者の物理的な方法として、高温加熱下での彫刻ロール
の接圧による型付け(例えば、エンボス加工、シュライ
ナー加工等)があるが、重加圧下の加熱ロール間に布帛
を挿入するため、風合いの硬化や布帛の扁平化が非常に
大きく、また、熱ロールによる金属光沢を生じ、時には
熱変色を生じる欠陥がある。
【0004】後者の化学的な方法としては、特公昭47
−23709号にあるような捺染を行う際に繊維を収縮
あるいは減量させる薬剤を混入させ処理を行うものがあ
る。しかし、この方法は、水に難溶性であるナフトール
誘導体を直接付与するため、塗布ムラになりやすく、凹
凸感の再現性という面で難点があり同じものを得るのは
困難である。一方、最近、インクジェット方式によって
布帛に繊維収縮剤を付与して立体模様を形成する方法が
注目を浴びている。インクジェット方式は少量ずつの液
を微妙に位置や量を変えて噴射することが可能であり、
それによってできた立体模様布帛も緻密な模様が付与さ
れたものとなるため有用である。
−23709号にあるような捺染を行う際に繊維を収縮
あるいは減量させる薬剤を混入させ処理を行うものがあ
る。しかし、この方法は、水に難溶性であるナフトール
誘導体を直接付与するため、塗布ムラになりやすく、凹
凸感の再現性という面で難点があり同じものを得るのは
困難である。一方、最近、インクジェット方式によって
布帛に繊維収縮剤を付与して立体模様を形成する方法が
注目を浴びている。インクジェット方式は少量ずつの液
を微妙に位置や量を変えて噴射することが可能であり、
それによってできた立体模様布帛も緻密な模様が付与さ
れたものとなるため有用である。
【0005】このインクジェット方式による立体模様の
形成方法として、特開平10−298863号に開示さ
れているような、繊維収縮剤をノズルから噴射させてパ
イルを収縮させる方法がある。この場合、繊維収縮剤が
基布にまで浸透してしまうのを防止するために高粘度
(100〜200cps)のインクを使用しているが、
普及されているインクジェットプリント装置は、低粘度
タイプ(1〜10cps)のインク用であるため、新た
に高粘度インク用のプリント装置が必要となる欠点があ
る。また、繊維収縮剤は、一般に水に難溶性のため、分
散が困難なことに加えて、高粘度であるためノズル目詰
まりなどを起こし易い。更に、高粘度であるため、繊維
収縮剤が生地の奥まで行き届かず、凹凸は不十分となる
傾向がある.
形成方法として、特開平10−298863号に開示さ
れているような、繊維収縮剤をノズルから噴射させてパ
イルを収縮させる方法がある。この場合、繊維収縮剤が
基布にまで浸透してしまうのを防止するために高粘度
(100〜200cps)のインクを使用しているが、
普及されているインクジェットプリント装置は、低粘度
タイプ(1〜10cps)のインク用であるため、新た
に高粘度インク用のプリント装置が必要となる欠点があ
る。また、繊維収縮剤は、一般に水に難溶性のため、分
散が困難なことに加えて、高粘度であるためノズル目詰
まりなどを起こし易い。更に、高粘度であるため、繊維
収縮剤が生地の奥まで行き届かず、凹凸は不十分となる
傾向がある.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の諸問題点を解決し、通常の捺染は勿論の
こと、インクジェット方式の捺染に対しても優れた立体
模様の形成が可能な処理方法及び処理された布帛を提供
することにある。
のような従来の諸問題点を解決し、通常の捺染は勿論の
こと、インクジェット方式の捺染に対しても優れた立体
模様の形成が可能な処理方法及び処理された布帛を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決するために鋭意努力した結果、水に難溶である
フェノール類をアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水
酸化物によって一旦水溶性化合物に転換させ、処理液中
に溶解させることによって薬剤の均一な付与が可能とな
る点、および、それを布帛に付与した後、元のフェノー
ル類に転換することによって本来の性能を取り戻せる点
を見出し、本発明を完成させるに至った。
点を解決するために鋭意努力した結果、水に難溶である
フェノール類をアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水
酸化物によって一旦水溶性化合物に転換させ、処理液中
に溶解させることによって薬剤の均一な付与が可能とな
る点、および、それを布帛に付与した後、元のフェノー
ル類に転換することによって本来の性能を取り戻せる点
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち本発明は、(1)、布帛に立体模
様を形成するための布帛の処理方法において、(a)フ
ェノ−ル類とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸
化物とから形成される塩を含有する処理液Aを布帛に付
与する工程、及び(b)処理液Aの塩を元のフェノール
類に転換させ得る薬剤を含有する処理液Bを布帛に付与
する工程、を含むことからなる布帛の処理方法に存す
る。
様を形成するための布帛の処理方法において、(a)フ
ェノ−ル類とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸
化物とから形成される塩を含有する処理液Aを布帛に付
与する工程、及び(b)処理液Aの塩を元のフェノール
類に転換させ得る薬剤を含有する処理液Bを布帛に付与
する工程、を含むことからなる布帛の処理方法に存す
る。
【0009】そして、(2)、処理液Aの塩を元のフェ
ノール類に転換させ得る薬剤が、無機酸と弱塩基とから
形成される塩、カルボン酸、又はカルボン酸と弱塩基と
から形成される塩である上記(1)の布帛の処理方法に
存する。
ノール類に転換させ得る薬剤が、無機酸と弱塩基とから
形成される塩、カルボン酸、又はカルボン酸と弱塩基と
から形成される塩である上記(1)の布帛の処理方法に
存する。
【0010】そしてまた、(3)、上記工程(a)およ
び工程(b)を順次行った後、(c)染料を付与する工
程を行うことからなる上記(1)の布帛の処理方法に存
する。
び工程(b)を順次行った後、(c)染料を付与する工
程を行うことからなる上記(1)の布帛の処理方法に存
する。
【0011】そしてまた、(4)、上記工程(b)およ
び工程(a)を順次行った後、(c)染料を付与する工
程を行うことからなる上記(1)の布帛の処理方法に存
する。
び工程(a)を順次行った後、(c)染料を付与する工
程を行うことからなる上記(1)の布帛の処理方法に存
する。
【0012】そしてまた、(5)、上記(a)および
(b)の各工程を、インクジェット方式により行うこと
からなる(1)乃至(4)の何れか1の布帛の処理方法
に存する。
(b)の各工程を、インクジェット方式により行うこと
からなる(1)乃至(4)の何れか1の布帛の処理方法
に存する。
【0013】そしてまた、(6)、上記(c)工程をイ
ンクジェット方式により行うことからなる上記(3)又
は(4)の布帛の処理方法に存する。
ンクジェット方式により行うことからなる上記(3)又
は(4)の布帛の処理方法に存する。
【0014】そしてまた、(7)、インク保持剤に処理
液A又は処理液Bを含有させたことからなる上記(6)
の布帛の処理方法に存する。
液A又は処理液Bを含有させたことからなる上記(6)
の布帛の処理方法に存する。
【0015】そしてまた、(8)、上記(1)乃至
(7)の何れか1の処理方法によって得られた立体模様
を有する布帛に存する。
(7)の何れか1の処理方法によって得られた立体模様
を有する布帛に存する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の、布帛に立体模様を形成するため
の布帛の処理方法は、フェノール類とアルカリ金属又は
アルカリ土類金属の水酸化物とから形成される塩を含有
する処理液A、および処理液Aの塩をフェノール類に転
換する薬剤を含有する処理液Bを、布帛に付与すること
によって達成される。すなわち、次に示す処理液A,B
を適宜、布帛に付与することによって達成される。布帛
に対して処理液Aおよび処理液Bが付与された後、熱処
理時にフェノール類による収縮がなされるため、布帛に
凹凸の立体模様が形成される。
て説明する。本発明の、布帛に立体模様を形成するため
の布帛の処理方法は、フェノール類とアルカリ金属又は
アルカリ土類金属の水酸化物とから形成される塩を含有
する処理液A、および処理液Aの塩をフェノール類に転
換する薬剤を含有する処理液Bを、布帛に付与すること
によって達成される。すなわち、次に示す処理液A,B
を適宜、布帛に付与することによって達成される。布帛
に対して処理液Aおよび処理液Bが付与された後、熱処
理時にフェノール類による収縮がなされるため、布帛に
凹凸の立体模様が形成される。
【0017】図1は、パイル布帛を例に、凹凸の立体模
様の形成原理を模式的に示したものである。すなわち、
布帛1に処理液A,Bが付与されると(A)、フェノー
ル類によりパイル11が収縮(B)し、表面に段差
(h)が生じ(C)、その結果、凹凸を有する立体模様
が形成される(D)。
様の形成原理を模式的に示したものである。すなわち、
布帛1に処理液A,Bが付与されると(A)、フェノー
ル類によりパイル11が収縮(B)し、表面に段差
(h)が生じ(C)、その結果、凹凸を有する立体模様
が形成される(D)。
【0018】〔処理液A〕処理液Aは、フェノール類と
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物とから
形成される塩を含有する処理液である。凹凸効果があり
繊維を収縮する薬剤(以下「繊維収縮剤」ともいう。)
であるフェノール類は、一般に水に難溶性のものが多
く、これを印捺するには水中で分散させるか溶剤に溶解
する方法が考えられる。しかし、水中で多量の水難溶性
薬剤を分散させるのは自ずと限度があり、また溶剤を使
用するには環境面での問題が生じる。そこで、これをア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(以下
「中和剤」という。)で中和し、塩の形にして水に溶解
させることで、均一で高濃度の繊維収縮剤の付与が可能
となり、分散性や環境問題をクリアできる。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物とから
形成される塩を含有する処理液である。凹凸効果があり
繊維を収縮する薬剤(以下「繊維収縮剤」ともいう。)
であるフェノール類は、一般に水に難溶性のものが多
く、これを印捺するには水中で分散させるか溶剤に溶解
する方法が考えられる。しかし、水中で多量の水難溶性
薬剤を分散させるのは自ずと限度があり、また溶剤を使
用するには環境面での問題が生じる。そこで、これをア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(以下
「中和剤」という。)で中和し、塩の形にして水に溶解
させることで、均一で高濃度の繊維収縮剤の付与が可能
となり、分散性や環境問題をクリアできる。
【0019】本発明の処理液Aに使用される繊維収縮剤
であるフェノール類とは、ベンゼンやナフタレン等の芳
香族環に、水酸基−OHが1個または2個以上直接結合
した化合物であって、他にアミノ基、ニトロ基、カルボ
キシル基、水酸基、アルコキシ基、アルデヒド基等の官
能基やハロゲン、またはこれらの官能基やハロゲンを有
する炭化水素基等が芳香族環に結合した化合物をいう。
そのような化合物としては、例えばフェノール、アミノ
フェノール、ニトロフェノール、クレゾール、エチルフ
ェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、キ
シレノール、ジブチルフェノール、ブチルメチルフェノ
ール、フェニルフェノール、メトキノン、バニリン、バ
ニリルアルコール、ヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキ
シフェニル酢酸メチル、ヒドロキシフェニルプロピオン
酸、ヒドロキシフェネチルアルコール、ヒドロキシべン
ズアルデヒド、ヒドロキシアセトフェノン、ヒドロキシ
ベンゾフェノン、カテコール、レゾルシノール、ヒドロ
キノン、ブチルカテコール、フェニルヒドロキノン、ジ
ヒドロキシフェニル酢酸、ジヒドロキシべンズアルデヒ
ド、ジヒドロキシアセトフェノン、ジヒドロキシベンゾ
フェノン、ナフトール、ナフタレンジオール、ニトロナ
フトール、フロログルシノール、ピロガロール、ヒドロ
キシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸メチル(またはエチ
ル、プロピル、ブチル、フェニル)、ジヒドロキシ安息
香酸メチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、ヒド
ロキシナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸フェニル等を
挙げることができる。
であるフェノール類とは、ベンゼンやナフタレン等の芳
香族環に、水酸基−OHが1個または2個以上直接結合
した化合物であって、他にアミノ基、ニトロ基、カルボ
キシル基、水酸基、アルコキシ基、アルデヒド基等の官
能基やハロゲン、またはこれらの官能基やハロゲンを有
する炭化水素基等が芳香族環に結合した化合物をいう。
そのような化合物としては、例えばフェノール、アミノ
フェノール、ニトロフェノール、クレゾール、エチルフ
ェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、キ
シレノール、ジブチルフェノール、ブチルメチルフェノ
ール、フェニルフェノール、メトキノン、バニリン、バ
ニリルアルコール、ヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキ
シフェニル酢酸メチル、ヒドロキシフェニルプロピオン
酸、ヒドロキシフェネチルアルコール、ヒドロキシべン
ズアルデヒド、ヒドロキシアセトフェノン、ヒドロキシ
ベンゾフェノン、カテコール、レゾルシノール、ヒドロ
キノン、ブチルカテコール、フェニルヒドロキノン、ジ
ヒドロキシフェニル酢酸、ジヒドロキシべンズアルデヒ
ド、ジヒドロキシアセトフェノン、ジヒドロキシベンゾ
フェノン、ナフトール、ナフタレンジオール、ニトロナ
フトール、フロログルシノール、ピロガロール、ヒドロ
キシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸メチル(またはエチ
ル、プロピル、ブチル、フェニル)、ジヒドロキシ安息
香酸メチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、ヒド
ロキシナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸フェニル等を
挙げることができる。
【0020】前記繊維収縮剤の中和剤としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属の水酸化物が使用される。このうち、一
般に使用されて安価である水酸化ナトリウムが特に好ま
しい。
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属の水酸化物が使用される。このうち、一
般に使用されて安価である水酸化ナトリウムが特に好ま
しい。
【0021】〔処理液B〕処理液Bは前述した処理液A
の塩を元のフェノール類(繊維収縮剤)に転換する働き
を有するものである。したがって、処理液Bは、処理液
Aの塩を元のフェノ−ル類に転換することができる薬剤
(以下「復元剤」ともいう。)を含有するものである。
すなわち、復元剤は、水溶液が弱酸性を示す酸又は塩で
ある。また、復元剤の種類を選択することにより布帛上
で吸水作用を有する塩(潮解性塩)を生成させ、色糊や
インクの裏抜けも防止することもできる。
の塩を元のフェノール類(繊維収縮剤)に転換する働き
を有するものである。したがって、処理液Bは、処理液
Aの塩を元のフェノ−ル類に転換することができる薬剤
(以下「復元剤」ともいう。)を含有するものである。
すなわち、復元剤は、水溶液が弱酸性を示す酸又は塩で
ある。また、復元剤の種類を選択することにより布帛上
で吸水作用を有する塩(潮解性塩)を生成させ、色糊や
インクの裏抜けも防止することもできる。
【0022】上記復元剤の無機酸と弱塩基とから形成さ
れる塩としては、例えば硫酸アンモニウム、硫酸ヒドラ
ジン、硝酸アンモニウム、硝酸ヒドラジン、塩化アンモ
ニウム、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アン
モニウム等が挙げられる。また、上記復元剤のカルボン
酸としては、ギ酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、リンゴ酸、
酒石酸、クエン酸、コハク酸、フタル酸、マレイン酸、
安息香酸、サリチル酸、ポリカルボン酸等が挙げられ
る。また、上記復元剤のカルボン酸と弱塩基とから形成
される塩としては、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、シュウ酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、酒石酸
アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、クエン酸アンモ
ニウム、コハク酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、安
息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム等が挙げ
られる。また、上記復元剤として、リン酸2水素ナトリ
ウム、硫酸水素ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ト
リメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム
等の薬剤でも可能である。このうち、安価で安全であ
り、処理液Aと反応して吸水作用を有する塩(潮解性
塩)を生成する硫酸アンモニウムが特に好ましい。
れる塩としては、例えば硫酸アンモニウム、硫酸ヒドラ
ジン、硝酸アンモニウム、硝酸ヒドラジン、塩化アンモ
ニウム、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アン
モニウム等が挙げられる。また、上記復元剤のカルボン
酸としては、ギ酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、リンゴ酸、
酒石酸、クエン酸、コハク酸、フタル酸、マレイン酸、
安息香酸、サリチル酸、ポリカルボン酸等が挙げられ
る。また、上記復元剤のカルボン酸と弱塩基とから形成
される塩としては、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、シュウ酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、酒石酸
アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、クエン酸アンモ
ニウム、コハク酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、安
息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム等が挙げ
られる。また、上記復元剤として、リン酸2水素ナトリ
ウム、硫酸水素ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ト
リメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム
等の薬剤でも可能である。このうち、安価で安全であ
り、処理液Aと反応して吸水作用を有する塩(潮解性
塩)を生成する硫酸アンモニウムが特に好ましい。
【0023】また、これらの処理液A、Bに、適宜、揮
発防止剤、触媒、吸油剤、防腐剤、消泡剤、保持剤、可
塑剤、油脂、ワックス、粘度調整剤、熱硬化性樹脂、架
橋剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、耐光向上剤、酸化
防止剤、体質顔料、蛍光増白剤、吸着剤、還元防止剤、
金属イオン封鎖剤、増量剤、pH調節剤、吸湿剤、浸透
剤、電解質、香料、抗菌剤、消臭剤、防虫剤等を添加す
ることが可能である。ここで、本発明の方法において
は、処理液A,Bともに中性点(pH=7)をはさん
で、その前後近傍領域の塩を使用することで、水に対す
る溶解性に優れて且つ染料(顔料も含む)にも影響を及
ぼさないため、精緻な立体模様の形成と鮮明な染料の付
与を同時に行うことが可能となる。
発防止剤、触媒、吸油剤、防腐剤、消泡剤、保持剤、可
塑剤、油脂、ワックス、粘度調整剤、熱硬化性樹脂、架
橋剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、耐光向上剤、酸化
防止剤、体質顔料、蛍光増白剤、吸着剤、還元防止剤、
金属イオン封鎖剤、増量剤、pH調節剤、吸湿剤、浸透
剤、電解質、香料、抗菌剤、消臭剤、防虫剤等を添加す
ることが可能である。ここで、本発明の方法において
は、処理液A,Bともに中性点(pH=7)をはさん
で、その前後近傍領域の塩を使用することで、水に対す
る溶解性に優れて且つ染料(顔料も含む)にも影響を及
ぼさないため、精緻な立体模様の形成と鮮明な染料の付
与を同時に行うことが可能となる。
【0024】本発明における処理液の付与方法として
は、公知の捺染方式を使用することができる。例えばス
クリーン捺染方式、ローラー捺染方式、インクジェット
捺染方式等を使用することができるが、これらの方式を
併用しても良い。特に、微細な表現が可能でシャープな
立体模様を形成できるインクジェット捺染方式を採用す
ることが好ましい。
は、公知の捺染方式を使用することができる。例えばス
クリーン捺染方式、ローラー捺染方式、インクジェット
捺染方式等を使用することができるが、これらの方式を
併用しても良い。特に、微細な表現が可能でシャープな
立体模様を形成できるインクジェット捺染方式を採用す
ることが好ましい。
【0025】本発明において、布帛に対する処理液A、
Bの付与順序は特に限定されない。例えば、予め処理液
Aを布帛の全面又は一部に付与した後、処理液Bを一部
又は全面に付与しても良いし、或いは、その逆で、予め
処理液Bを布帛の全面又は一部に付与した後、処理液A
を一部又は全面に付与しても良い。本発明においては、
染料(顔料も含む等)を使用することにより、より付加
価値の高い立体模様を形成することができる。
Bの付与順序は特に限定されない。例えば、予め処理液
Aを布帛の全面又は一部に付与した後、処理液Bを一部
又は全面に付与しても良いし、或いは、その逆で、予め
処理液Bを布帛の全面又は一部に付与した後、処理液A
を一部又は全面に付与しても良い。本発明においては、
染料(顔料も含む等)を使用することにより、より付加
価値の高い立体模様を形成することができる。
【0026】すなわち、染料を処理液A又は、処理液B
のどちらかに含ませて付与したり(下記1〜4)、処理
液A、Bとは別に単独で付与する(下記5及び6)こと
により立体模様を彩色(カラ−プリント)で形成するこ
とができる。例えば、 1、染料を含む処理液Aを布帛に付与した後、処理液B
を布帛に付与する方法 2、処理液Aを布帛に付与した後、染料を含む処理液B
を布帛に付与する方法 3、染料を含む処理液Bを布帛に付与した後、処理液A
を布帛に付与する方法 4、処理液Bを布帛に付与した後、染料を含む処理液A
を布帛に付与する方法 5、処理液Aを布帛に付与した後、処理液Bを布帛に付
与し、その後、染料を付与する方法 6、処理液Bを布帛に付与した後、処理液Aを布帛に付
与し、その後、染料を付与する方法 等がある。
のどちらかに含ませて付与したり(下記1〜4)、処理
液A、Bとは別に単独で付与する(下記5及び6)こと
により立体模様を彩色(カラ−プリント)で形成するこ
とができる。例えば、 1、染料を含む処理液Aを布帛に付与した後、処理液B
を布帛に付与する方法 2、処理液Aを布帛に付与した後、染料を含む処理液B
を布帛に付与する方法 3、染料を含む処理液Bを布帛に付与した後、処理液A
を布帛に付与する方法 4、処理液Bを布帛に付与した後、染料を含む処理液A
を布帛に付与する方法 5、処理液Aを布帛に付与した後、処理液Bを布帛に付
与し、その後、染料を付与する方法 6、処理液Bを布帛に付与した後、処理液Aを布帛に付
与し、その後、染料を付与する方法 等がある。
【0027】ここで、前述したように、各処理液を布帛
に対して付与するには、インクジェット方式を採用する
ことができるが、染料を付与する上記5又は6の場合
も、インクジェット方式を用いて行うことができる。イ
ンクジェット方式を採用した場合、処理液A,Bや染料
の吐出量を微妙に調整することで凹凸感の調整も行うこ
とができ、緻密な立体感或いはそれに加えて色彩感を得
ることができる。
に対して付与するには、インクジェット方式を採用する
ことができるが、染料を付与する上記5又は6の場合
も、インクジェット方式を用いて行うことができる。イ
ンクジェット方式を採用した場合、処理液A,Bや染料
の吐出量を微妙に調整することで凹凸感の調整も行うこ
とができ、緻密な立体感或いはそれに加えて色彩感を得
ることができる。
【0028】インクジェット方式を用いる場合、本発明
において処理液A及び処理液Bによってできた副生成物
は、吸水性を有する塩(潮解性塩)であることから、に
じみ防止や浸透性向上の目的で行われるいわゆるインク
保持剤の付与を敢えて行わなくてもインクの受容が可能
である。例えば、後述する実施例1の場合には、処理液
A(p−エチルフェノール−水酸化ナトリウム)及び処
理液B(硫酸アンモニウム)の処理による反応の結果、
p−エチルフェノ−ルが発生し、アンモニアと硫酸ナト
リウムが生成するが、この硫酸ナトリウムが吸水性を有
し、にじみ防止や浸透機能を有する。勿論、前述したよ
うに、処理液A,Bをインク保持剤の中に含ませること
も可能である。
において処理液A及び処理液Bによってできた副生成物
は、吸水性を有する塩(潮解性塩)であることから、に
じみ防止や浸透性向上の目的で行われるいわゆるインク
保持剤の付与を敢えて行わなくてもインクの受容が可能
である。例えば、後述する実施例1の場合には、処理液
A(p−エチルフェノール−水酸化ナトリウム)及び処
理液B(硫酸アンモニウム)の処理による反応の結果、
p−エチルフェノ−ルが発生し、アンモニアと硫酸ナト
リウムが生成するが、この硫酸ナトリウムが吸水性を有
し、にじみ防止や浸透機能を有する。勿論、前述したよ
うに、処理液A,Bをインク保持剤の中に含ませること
も可能である。
【0029】ちなみに、インクジェット方式による捺染
の場合、予め付与されるインク保持剤としては、でんぷ
ん、天然ゴム、天然ガム、アルギン酸ソーダ等の天然糊
剤、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルエチル
セルロース、加工でんぷん、グアーガム等の半合成糊
剤、ポリ酢酸ビニル、ポリオキシエチレン、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸等の合成糊剤が挙げられ
る。
の場合、予め付与されるインク保持剤としては、でんぷ
ん、天然ゴム、天然ガム、アルギン酸ソーダ等の天然糊
剤、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルエチル
セルロース、加工でんぷん、グアーガム等の半合成糊
剤、ポリ酢酸ビニル、ポリオキシエチレン、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸等の合成糊剤が挙げられ
る。
【0030】このインク保持剤に対して、更に、公知の
pH調整剤、界面活性剤、均染剤、キャリアー、濃染
剤、浸透剤、触媒、吸油剤、防腐剤、保持剤、可塑剤、
熱硬化性樹脂、架橋剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、
耐光向上剤、酸化防止剤、体質顔料、蛍光増白剤、吸着
剤、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、増量剤、吸湿剤、
電解質、香料、抗菌剤、消臭剤、防虫剤等が必要に応じ
て添加されてもよい。
pH調整剤、界面活性剤、均染剤、キャリアー、濃染
剤、浸透剤、触媒、吸油剤、防腐剤、保持剤、可塑剤、
熱硬化性樹脂、架橋剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、
耐光向上剤、酸化防止剤、体質顔料、蛍光増白剤、吸着
剤、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、増量剤、吸湿剤、
電解質、香料、抗菌剤、消臭剤、防虫剤等が必要に応じ
て添加されてもよい。
【0031】なお、インクジェット方式としては、具体
的には、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射
制御方式、インクミスト方式などの連続方式、ステメ方
式(2液室型)、パルスジェット方式(1液室型)、バ
ブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式などのオ
ン・デマンド方式などがある。一方、本発明で用いられ
る布帛の組織としては、織物、編物、不織布など何れの
組織を用いても良いが、立体模様をより効果的に見せる
ため、立毛布がより好ましい。素材としてはポリエステ
ル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、トリアセ
テート繊維、の合成繊維が挙げられ、これら合成繊維を
1種以上含めば、他の繊維とで構成された素材であって
もよい。
的には、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射
制御方式、インクミスト方式などの連続方式、ステメ方
式(2液室型)、パルスジェット方式(1液室型)、バ
ブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式などのオ
ン・デマンド方式などがある。一方、本発明で用いられ
る布帛の組織としては、織物、編物、不織布など何れの
組織を用いても良いが、立体模様をより効果的に見せる
ため、立毛布がより好ましい。素材としてはポリエステ
ル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、トリアセ
テート繊維、の合成繊維が挙げられ、これら合成繊維を
1種以上含めば、他の繊維とで構成された素材であって
もよい。
【0032】
【実施例】以下、具体的な実施例について説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。 (布帛の準備)パイル糸が180dのポリエステルスパ
ン糸、地糸が100dのポリエステルフィラメント糸か
らなるダブルラッセル地に、通常の工程による下加工
(ブラッシング→シャーリング→ヒートセット)を行っ
た後、分散染料(CI Disperse Blue
54)1%owfにて染色、乾燥を行い、立毛布帛を得
た。
本発明はこれらの例に限定されるものではない。 (布帛の準備)パイル糸が180dのポリエステルスパ
ン糸、地糸が100dのポリエステルフィラメント糸か
らなるダブルラッセル地に、通常の工程による下加工
(ブラッシング→シャーリング→ヒートセット)を行っ
た後、分散染料(CI Disperse Blue
54)1%owfにて染色、乾燥を行い、立毛布帛を得
た。
【0033】
【実施例1】前記立毛布帛に、インク保持剤付与のた
め、以下の処方と方法からなる前処理を行った。 〔インク保持剤処方〕 カルボキシメチルセルロース 5部(重量部、以下同様) ケイ酸 1部 還元防止剤〔リアクタントMS,ユニ化成(株)製〕 1部 水 残部 合計 100部
め、以下の処方と方法からなる前処理を行った。 〔インク保持剤処方〕 カルボキシメチルセルロース 5部(重量部、以下同様) ケイ酸 1部 還元防止剤〔リアクタントMS,ユニ化成(株)製〕 1部 水 残部 合計 100部
【0034】上記の薬剤を混合して得られた溶液を、前
記被捺染布に乾燥重量が15g/ m 2 になるようにマン
グルパッド法により付与し、熱風乾燥後、140℃にて
5分間の熱処理を行った。次に、以下の処方と方法にて
処理液Aの調製を行った。
記被捺染布に乾燥重量が15g/ m 2 になるようにマン
グルパッド法により付与し、熱風乾燥後、140℃にて
5分間の熱処理を行った。次に、以下の処方と方法にて
処理液Aの調製を行った。
【0035】〔処理液A処方〕 pーエチルフェノール 25 部 水酸化ナトリウム 6.25部 ジエチレングリコール 1 部 水 残部 合計 100 部 粘度;3.8cps
【0036】上記のpーエチルフェノール、ジエチレン
グリコール、および水を混合させ、その中に水酸化ナト
リウムを加え、30分間よく混合させた。pーエチルフ
ェノールが溶解したら濾過を行い、溶解しない不純物(
ゴミ等)を除くことにより、処理液Aを得た。
グリコール、および水を混合させ、その中に水酸化ナト
リウムを加え、30分間よく混合させた。pーエチルフ
ェノールが溶解したら濾過を行い、溶解しない不純物(
ゴミ等)を除くことにより、処理液Aを得た。
【0037】次に、以下の処方にて処理液Bの調製を行
った。 〔処理液B処方〕 硫酸アンモニウム 40部 ジエチレングリコール 1部 水 残部 合計 100部 粘度;3.0cps
った。 〔処理液B処方〕 硫酸アンモニウム 40部 ジエチレングリコール 1部 水 残部 合計 100部 粘度;3.0cps
【0038】上記の薬剤及び水を混合して30分間攪拌
した後、得られた溶液を濾過し、溶解しない不純物( ゴ
ミ等) を除くことにより、処理液Bを得た。
した後、得られた溶液を濾過し、溶解しない不純物( ゴ
ミ等) を除くことにより、処理液Bを得た。
【0039】前記の前処理(インク保持剤)を施した立
毛布帛をインクジェット捺染機にセットし、処理液A及
び処理液Bをインク用カートリッジ内に充填した。ま
た、同時着色を行う分散染料インクも同列のカートリッ
ジ内に充填した。以下にその処方を示す。
毛布帛をインクジェット捺染機にセットし、処理液A及
び処理液Bをインク用カートリッジ内に充填した。ま
た、同時着色を行う分散染料インクも同列のカートリッ
ジ内に充填した。以下にその処方を示す。
【0040】 〔染料インク処方〕 CI Disperse Red 127 5 部 陰イオン界面活性剤 4 部 消泡剤〔信越シリコーンKM−70,信越化学工業(株)製〕 0.05部 エチレングリコール 3 部 ケイ酸 0.1 部 イオン交換水 残部 合計 100 部 インク粘度;2cps
【0041】次いで、予め入力されたデザインデータに
基づき、ノズルから噴射する圧力、ノズルの開閉、布帛
の位置、カートリッジの走行等をコンピュータ制御し、
以下のインジェット印写条件により、処理液A、処理液
B、染料の順序で印写を行った。 〔インクジェット印写条件〕 印写装置:オンデマンド方式シリアル走査型印写装置 ノズル径:50μm 駆動電圧:100V 周波数 :5KHz 解像度 :360dpi 4×4マトリックス さらに、印写の済んだ布帛を熱風乾燥後、180℃で1
0分間湿熱処理し、その後、以下の条件で浴比1:10
0の割合で80℃の洗浄液に浸し、30分間処理を行
い、次いで、乾燥工程及び整毛工程を通した。
基づき、ノズルから噴射する圧力、ノズルの開閉、布帛
の位置、カートリッジの走行等をコンピュータ制御し、
以下のインジェット印写条件により、処理液A、処理液
B、染料の順序で印写を行った。 〔インクジェット印写条件〕 印写装置:オンデマンド方式シリアル走査型印写装置 ノズル径:50μm 駆動電圧:100V 周波数 :5KHz 解像度 :360dpi 4×4マトリックス さらに、印写の済んだ布帛を熱風乾燥後、180℃で1
0分間湿熱処理し、その後、以下の条件で浴比1:10
0の割合で80℃の洗浄液に浸し、30分間処理を行
い、次いで、乾燥工程及び整毛工程を通した。
【0042】 〔洗浄条件〕 水酸化ナトリウム 1 部 ソーピング剤〔リポトールTC−300,〔日華化学(株)製〕0.2部 温水 残部 合計 100 部 得られた布帛は、繊維収縮剤及び染料インクが印写され
た部分が、深さ1.3mmの凹部を発現し、凹部が赤色
に着色された凹凸部の境界の極めてシャープな立体模様
を有する立毛布帛であった。
た部分が、深さ1.3mmの凹部を発現し、凹部が赤色
に着色された凹凸部の境界の極めてシャープな立体模様
を有する立毛布帛であった。
【0043】
【実施例2】処理液の付与順序を処理液B、処理液A、
染料インクの順とする以外は実施例1に準じた。
染料インクの順とする以外は実施例1に準じた。
【0044】
【実施例3】以下の処方と方法からなる処理液Bを含む
前処理を行った。 〔前処理処方〕 硫酸アンモニウム 10部 カルボキシメチルセルロース 5部 ケイ酸 1部 還元防止剤〔リアクタントMS、ユニ化成(株)製〕 1部 水 残部 合計 100部
前処理を行った。 〔前処理処方〕 硫酸アンモニウム 10部 カルボキシメチルセルロース 5部 ケイ酸 1部 還元防止剤〔リアクタントMS、ユニ化成(株)製〕 1部 水 残部 合計 100部
【0045】上記の薬品を混合して得られた溶液を、前
記被捺染布に乾燥重量が15g/m2 になるようにマン
グルパッド法により付与し、熱風乾燥後、140℃にて
5分間の熱処理を行った。次に、以下の処方と方法にて
処理液Aの調製を行った。
記被捺染布に乾燥重量が15g/m2 になるようにマン
グルパッド法により付与し、熱風乾燥後、140℃にて
5分間の熱処理を行った。次に、以下の処方と方法にて
処理液Aの調製を行った。
【0046】 〔処理液A処方〕 2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド 25 部 水酸化ナトリウム 6.25部 ジエチレングリコール 1 部 水 残部 合計 100 部 粘度;3.0cps
【0047】上記の2,4−ジヒドロキシベンズアルデ
ヒド、ジエチレングリコール、及び水を混合させ、その
中に水酸化ナトリウムを加え、30分間よく混合させ
た。2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドが溶解した
ら濾過を行い、溶解しない不純物(ゴミ等)を除くこと
により、処理液Aを得た。前記処理液Bを含む前処理を
行った立毛布帛をインクジェット捺染機にセットし、処
理液A及び実施例1と同じ染料インクをそれぞれインク
用カートリッジ内に充填した。そして実施例1に準じて
付与、及び後処理を行った。
ヒド、ジエチレングリコール、及び水を混合させ、その
中に水酸化ナトリウムを加え、30分間よく混合させ
た。2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドが溶解した
ら濾過を行い、溶解しない不純物(ゴミ等)を除くこと
により、処理液Aを得た。前記処理液Bを含む前処理を
行った立毛布帛をインクジェット捺染機にセットし、処
理液A及び実施例1と同じ染料インクをそれぞれインク
用カートリッジ内に充填した。そして実施例1に準じて
付与、及び後処理を行った。
【0048】
【実施例4】以下の処方と方法により分散染料を含む処
理液Aを調製した。 〔処理液A処方〕 CI Disperse Red 127 5 部 陰イオン界面活性剤 1 部 ケイ酸 0.1 部 p−t−ブチルフェノール 25 部 水酸化ナトリウム 6.25部 ジエチレングリコール 1 部 イオン交換水 残部 合計 100 部 粘度;4.3cps
理液Aを調製した。 〔処理液A処方〕 CI Disperse Red 127 5 部 陰イオン界面活性剤 1 部 ケイ酸 0.1 部 p−t−ブチルフェノール 25 部 水酸化ナトリウム 6.25部 ジエチレングリコール 1 部 イオン交換水 残部 合計 100 部 粘度;4.3cps
【0049】上記のp−t−ブチルフェノール、陰イオ
ン界面活性剤、ケイ酸、ジエチレングリコールを水と混
合させ、その中に水酸化ナトリウムを加え、30分間よ
く混合させた。p−t−ブチルフェノールが溶解したと
ころで、分散染料を加え、ビーズミル方式の分散機にて
4時間、分散を行った。次いで濾過を行い、溶解しない
不純物(ゴミ等)を除くことにより、処理液Aを得た。
ン界面活性剤、ケイ酸、ジエチレングリコールを水と混
合させ、その中に水酸化ナトリウムを加え、30分間よ
く混合させた。p−t−ブチルフェノールが溶解したと
ころで、分散染料を加え、ビーズミル方式の分散機にて
4時間、分散を行った。次いで濾過を行い、溶解しない
不純物(ゴミ等)を除くことにより、処理液Aを得た。
【0050】次に、以下の処方と方法にて処理液Bの調
製を行った。 〔処理液B処方〕 酒石酸アンモニウム 30部 ジエチレングリコール 1部 水 残部 合計 100部 粘度;3.1cps
製を行った。 〔処理液B処方〕 酒石酸アンモニウム 30部 ジエチレングリコール 1部 水 残部 合計 100部 粘度;3.1cps
【0051】上記の薬剤及び水を混合して30分間攪拌
した後、得られた溶液を濾過し、溶解しない不純物(ゴ
ミ等)を除くことにより、処理液Bを得た。上記の染料
を含む処理液A、及び処理液Bを使用する以外は、実施
例1と同様に処理を行った。
した後、得られた溶液を濾過し、溶解しない不純物(ゴ
ミ等)を除くことにより、処理液Bを得た。上記の染料
を含む処理液A、及び処理液Bを使用する以外は、実施
例1と同様に処理を行った。
【0052】
【実施例5】以下の処方と方法により処理液Aを調製し
た。 〔処理液A処方〕 1−ナフトール 20 部 水酸化ナトリウム 6.25部 ジエチレングリコール 1 部 イオン交換水 残部 合計 100 部 粘度;4.2cps
た。 〔処理液A処方〕 1−ナフトール 20 部 水酸化ナトリウム 6.25部 ジエチレングリコール 1 部 イオン交換水 残部 合計 100 部 粘度;4.2cps
【0053】上記の1−ナフトール、ジエチレングリコ
ールを水と混合させ、その中に水酸化ナトリウムを加
え、30分間よく混合させた。1−ナフトールが溶解し
たところで、濾過を行い、溶解しない不純物( ゴミ等)
を除くことにより、処理液Aを得た。
ールを水と混合させ、その中に水酸化ナトリウムを加
え、30分間よく混合させた。1−ナフトールが溶解し
たところで、濾過を行い、溶解しない不純物( ゴミ等)
を除くことにより、処理液Aを得た。
【0054】次に、以下の処方と方法にて分散染料を含
む処理液Bの調製を行った。 〔処理液B処方〕 CI Disperse Red 127 5 部 陰イオン界面活性剤 1 部 ケイ酸 0.1部 酒石酸アンモニウム 30 部 ジエチレングリコール 1 部 水 残部 合計 100 部 粘度;3.2cps
む処理液Bの調製を行った。 〔処理液B処方〕 CI Disperse Red 127 5 部 陰イオン界面活性剤 1 部 ケイ酸 0.1部 酒石酸アンモニウム 30 部 ジエチレングリコール 1 部 水 残部 合計 100 部 粘度;3.2cps
【0055】上記の薬剤及び水を混合してビーズミル方
式の分散機にて4時間、分散を行い、得られた溶液を濾
過し、溶解しない(ゴミ等)を除くことにより、処理液
Bを得た。
式の分散機にて4時間、分散を行い、得られた溶液を濾
過し、溶解しない(ゴミ等)を除くことにより、処理液
Bを得た。
【0056】上記の処理液A、処理液Bを使用する以外
は実施例1と同様に処理を行った。ただし、処理液の付
与順序を処理液A、処理液Bの順とした。
は実施例1と同様に処理を行った。ただし、処理液の付
与順序を処理液A、処理液Bの順とした。
【0057】
【実施例6】立毛布帛を前処理しない以外は実施例1と
同様に処理を行った。
同様に処理を行った。
【0058】
【実施例7】以下の処方と方法にて処理液Aの調製を行
った。 〔処理液A処方〕 CI Disperse Red 127 0.5 部 糊剤〔メイプロガムNP 三晶(株)製〕 8 部 2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド 25 部 水酸化ナトリウム 6.25部 ターペン乳化液 20〜30 部 水 残部 合計 100 部 粘度;6000〜8000cps
った。 〔処理液A処方〕 CI Disperse Red 127 0.5 部 糊剤〔メイプロガムNP 三晶(株)製〕 8 部 2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド 25 部 水酸化ナトリウム 6.25部 ターペン乳化液 20〜30 部 水 残部 合計 100 部 粘度;6000〜8000cps
【0059】上記の薬剤および水を混合して、1時間攪
拌を行った。次に以下の処方と方法にて処理液Bの調製
を行った。
拌を行った。次に以下の処方と方法にて処理液Bの調製
を行った。
【0060】 〔処理液B処方〕 糊剤〔メイプロガムNP 三晶(株)製〕 4 部 酒石酸アンモニウム 30 部 ケイ酸 0.5 部 水 残部 合計 100 部 粘度;100cps
【0061】上記の薬剤および水を混合して、1時間攪
拌を行った。この処理液Aを実施例1の立毛布帛の所定
位置にスクリーン捺染方式にて付与し、熱風乾燥後、処
理液Bをスプレー方式により噴霧した。次いで、実施例
1と同様に熱処理、水洗を行った。
拌を行った。この処理液Aを実施例1の立毛布帛の所定
位置にスクリーン捺染方式にて付与し、熱風乾燥後、処
理液Bをスプレー方式により噴霧した。次いで、実施例
1と同様に熱処理、水洗を行った。
【実施例8】以下の処方と方法により処理液Bの調製を
行った。 〔処理液B処方〕 リンゴ酸 30部 ジエチレングリコール 1部 水 残部 合計 100部 粘度;2.9cps 上記の薬剤及び水を混合して30分間攪拌した後、得ら
れた溶液を濾過し、溶解しない不純物(ゴミ等)を除く
ことにより、処理液Bを得た。上記の処理液Bを使用す
る以外は、実施例1と同様に処理を行った。
行った。 〔処理液B処方〕 リンゴ酸 30部 ジエチレングリコール 1部 水 残部 合計 100部 粘度;2.9cps 上記の薬剤及び水を混合して30分間攪拌した後、得ら
れた溶液を濾過し、溶解しない不純物(ゴミ等)を除く
ことにより、処理液Bを得た。上記の処理液Bを使用す
る以外は、実施例1と同様に処理を行った。
【実施例9】以下の処方と方法により処理液Bの調製を
行った。 〔処理液B処方〕 リン酸2水素ナトリウム 30部 ジエチレングリコール 1部 水 残部 合計 100部 粘度;3.1cps 上記の薬剤及び水を混合して30分間攪拌した後、得ら
れた溶液を濾過し、溶解しない不純物(ゴミ等)を除く
ことにより、処理液Bを得た。上記の処理液Bを使用す
る以外は、実施例1と同様に処理を行った。
行った。 〔処理液B処方〕 リン酸2水素ナトリウム 30部 ジエチレングリコール 1部 水 残部 合計 100部 粘度;3.1cps 上記の薬剤及び水を混合して30分間攪拌した後、得ら
れた溶液を濾過し、溶解しない不純物(ゴミ等)を除く
ことにより、処理液Bを得た。上記の処理液Bを使用す
る以外は、実施例1と同様に処理を行った。
【0062】
【比較例1】以下の処方にて処理液Cの調製を行った。 〔処理液C処方〕 p−t−ブチルフェノール 10部 分散剤(デモールC,花王〔株〕製) 5部 水 残部 合計 100部 粘度 2.8cps
【0063】上記の薬剤及び水を混合し、ビーズミル方
式の分散機にて6時間、分散を行い、処理液Cを得た。
式の分散機にて6時間、分散を行い、処理液Cを得た。
【0064】上記の処理液Cを使用し、立毛布帛への付
与量を実施例1の処理液Aの5倍にし、処理液Bを使用
しない以外は実施例1と同様の方法で処理を行った。
与量を実施例1の処理液Aの5倍にし、処理液Bを使用
しない以外は実施例1と同様の方法で処理を行った。
【0065】
【比較例2】実施例7に記載の〔処理液A含有の色糊処
方〕のうち、水酸化ナトリウムの代わりにデモールC
(分散剤)を5部加えて混合し、ビーズミル方式の分散
機にて6時間分散を行い、粘度を調製し処理液Dを得
た。所定位置に前記処理液Dをスクリーン捺染方式にて
付与し、熱風乾燥後、実施例1と同様に湿熱処理、洗浄
処理を行い、乾燥工程及び整毛工程を通した。
方〕のうち、水酸化ナトリウムの代わりにデモールC
(分散剤)を5部加えて混合し、ビーズミル方式の分散
機にて6時間分散を行い、粘度を調製し処理液Dを得
た。所定位置に前記処理液Dをスクリーン捺染方式にて
付与し、熱風乾燥後、実施例1と同様に湿熱処理、洗浄
処理を行い、乾燥工程及び整毛工程を通した。
【0066】〔評価方法〕上記のようにして作成された
布帛に対し、以下のような評価を行った。その結果を表
2に示す。尚、表1には処理条件を示す。
布帛に対し、以下のような評価を行った。その結果を表
2に示す。尚、表1には処理条件を示す。
【0067】凹凸深さ率 一定量(200μl/mm2 )の処理液Aを付与した場合
の凹凸模様の凹部の深さを計測し、パイル全体の長さと
の比率を測定。
の凹凸模様の凹部の深さを計測し、パイル全体の長さと
の比率を測定。
【0068】細線性 細いライン状の立体模様を形成し、凹凸感がわかるライ
ンの幅を測定。つまり立毛布帛に、細いライン状、詳し
くは長さ10cm、幅0.5〜5mmの長方形の凹部を
設け、目視及び触感により凹凸がわかる最小の幅を細線
性とする。
ンの幅を測定。つまり立毛布帛に、細いライン状、詳し
くは長さ10cm、幅0.5〜5mmの長方形の凹部を
設け、目視及び触感により凹凸がわかる最小の幅を細線
性とする。
【0069】型際鮮明度 立体模様の凹部の型際を下記判定基準に基づき目視によ
り評価。 (判定基準) ○=型際がシャープであり、凹凸感が得られる。 △=型際がやや不鮮明であるが、凹凸感は得られ問題は
ない。 ×=型際は不鮮明である。
り評価。 (判定基準) ○=型際がシャープであり、凹凸感が得られる。 △=型際がやや不鮮明であるが、凹凸感は得られ問題は
ない。 ×=型際は不鮮明である。
【0070】均一性 凹部が均一になっているかを下記判定基準に基づき目視
により評価。 (判定基準) ◎=非常に均一であり、顕著な凹凸感が得られる。 ○=均一に揃っており、十分な凹凸感が得られる。 △=ややムラがあるが、凹凸感は得られる。 ×=ムラがあり、凹凸感は殆ど得られない。
により評価。 (判定基準) ◎=非常に均一であり、顕著な凹凸感が得られる。 ○=均一に揃っており、十分な凹凸感が得られる。 △=ややムラがあるが、凹凸感は得られる。 ×=ムラがあり、凹凸感は殆ど得られない。
【0071】表2から明白なように、本発明の処理方法
で作成された実施例1〜9の立体模様を有する立毛布帛
は、深い凹凸を形成できるだけでなく、鮮明で、均一性
に優れた立体模様を形成することができる。また、同時
に付与できうる染料にも悪影響を及ぼさない。特に、実
施例1〜5のように、インク保持剤による前処理を施し
た布帛を用い、インクジェット捺染方式にて付与する
と、より精度の高い立体模様を形成することができる。
これに対し、本発明の処理方法を採用しない比較例1、
2の立体模様を有する布帛は、染料の滲みや凹凸部の不
均一性から、十分な凹凸感を得ることはできない。
で作成された実施例1〜9の立体模様を有する立毛布帛
は、深い凹凸を形成できるだけでなく、鮮明で、均一性
に優れた立体模様を形成することができる。また、同時
に付与できうる染料にも悪影響を及ぼさない。特に、実
施例1〜5のように、インク保持剤による前処理を施し
た布帛を用い、インクジェット捺染方式にて付与する
と、より精度の高い立体模様を形成することができる。
これに対し、本発明の処理方法を採用しない比較例1、
2の立体模様を有する布帛は、染料の滲みや凹凸部の不
均一性から、十分な凹凸感を得ることはできない。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明による立体模様を
形成する布帛の処理方法においては、繊維収縮剤として
のフェノ−ル類を水溶性の塩に変換して水溶液(処理液
A)として布帛に付与すると共に、布帛に均一に付与さ
れた繊維収縮剤前駆体としてのフェノ−ル類の水溶性塩
を、元のフェノ−ル類に転換して繊維収縮剤としての機
能を発揮させることができる特定の復元剤の水溶液(処
理液B)を布帛に均一に付与することができるから、極
めて均一な立体模様を布帛上に形成することができる。
また、処理液Aや処理液Bに染料を含ませて同時に布帛
に付与することも可能なことから、布帛上で繊維を収縮
と同時に着色でき、安価で精度の高い(捺染ムラも極め
て少ない)、立体模様を有する布帛を提供することがで
きる。処理液A、処理液B又は染料をインクジェット捺
染方式で行えば、付与位置を正確に指定することがで
き、付与量の調整等も可能なことから、一層鮮明な立体
模様を付与することができる。また、処理液を低粘度で
付与できる為、ノズルの目詰まりを防ぎ、凹部のはっき
りした立体模様を得ることができる。
形成する布帛の処理方法においては、繊維収縮剤として
のフェノ−ル類を水溶性の塩に変換して水溶液(処理液
A)として布帛に付与すると共に、布帛に均一に付与さ
れた繊維収縮剤前駆体としてのフェノ−ル類の水溶性塩
を、元のフェノ−ル類に転換して繊維収縮剤としての機
能を発揮させることができる特定の復元剤の水溶液(処
理液B)を布帛に均一に付与することができるから、極
めて均一な立体模様を布帛上に形成することができる。
また、処理液Aや処理液Bに染料を含ませて同時に布帛
に付与することも可能なことから、布帛上で繊維を収縮
と同時に着色でき、安価で精度の高い(捺染ムラも極め
て少ない)、立体模様を有する布帛を提供することがで
きる。処理液A、処理液B又は染料をインクジェット捺
染方式で行えば、付与位置を正確に指定することがで
き、付与量の調整等も可能なことから、一層鮮明な立体
模様を付与することができる。また、処理液を低粘度で
付与できる為、ノズルの目詰まりを防ぎ、凹部のはっき
りした立体模様を得ることができる。
【図1】図1は、凹凸の立体模様の形成原理を模式的に
示したものである。
示したものである。
1…布帛 11…パイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06P 5/00 111 D06P 5/00 111A 120 120D
Claims (8)
- 【請求項1】 布帛に立体模様を形成するための布帛の
処理方法において、(a)フェノ−ル類とアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の水酸化物とから形成される塩を
含有する処理液Aを布帛に付与する工程、及び(b)処
理液Aの塩を元のフェノール類に転換させ得る薬剤を含
有する処理液Bを布帛に付与する工程、を含むことを特
徴とする布帛の処理方法。 - 【請求項2】 処理液Aの塩を元のフェノール類に転換
させ得る薬剤が、無機酸と弱塩基とから形成される塩、
カルボン酸、又はカルボン酸と弱塩基とから形成される
塩であることを特徴とする請求項1記載の処理方法。 - 【請求項3】 上記工程(a)および工程(b)を順次
行った後、(c)染料を付与する工程を行うことを特徴
とする請求項1記載の処理方法。 - 【請求項4】 上記工程(b)および工程(a)を順次
行った後、(c)染料を付与する工程を行うことを特徴
とする請求項1記載の処理方法。 - 【請求項5】 上記(a)および(b)の各工程を、イ
ンクジェット方式により行うことを特徴とする請求項1
乃至4の何れか1項記載の処理方法。 - 【請求項6】 上記(c)工程をインクジェット方式に
より行うことを特徴とする請求項3又は4の処理方法。 - 【請求項7】 インク保持剤に処理液A又は処理液Bを
含有させたことを特徴とする請求項6記載の処理方法。 - 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか1項記載の処理
方法によって得られた立体模様を有する布帛。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000091041A JP2000345483A (ja) | 1999-04-02 | 2000-03-29 | 立体模様を形成するための布帛の処理方法及び処理された布帛 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9710299 | 1999-04-02 | ||
JP11-97102 | 1999-04-02 | ||
JP2000091041A JP2000345483A (ja) | 1999-04-02 | 2000-03-29 | 立体模様を形成するための布帛の処理方法及び処理された布帛 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000345483A true JP2000345483A (ja) | 2000-12-12 |
Family
ID=26438306
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000091041A Pending JP2000345483A (ja) | 1999-04-02 | 2000-03-29 | 立体模様を形成するための布帛の処理方法及び処理された布帛 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000345483A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006109865A1 (ja) * | 2005-04-08 | 2006-10-19 | Seiren Co., Ltd. | 凹凸加工用布帛 |
JPWO2005059237A1 (ja) * | 2003-12-16 | 2007-07-12 | 帝人ファイバー株式会社 | 立毛布帛およびその製造方法 |
JP2007224461A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Dainippon Ink & Chem Inc | 捺染剤及びその製造方法、ならびに該捺染剤で加工した合成繊維起毛布 |
JP2008002029A (ja) * | 2006-06-23 | 2008-01-10 | Teijin Fibers Ltd | 立毛布帛の製造方法および立毛布帛およびカーシート |
WO2021210462A1 (ja) * | 2020-04-13 | 2021-10-21 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット捺染用処理液、インクジェット捺染装置、インクジェット捺染方法及び捺染物 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6170046A (ja) * | 1984-04-28 | 1986-04-10 | 住江織物株式会社 | 立体捺染パイル布帛およびその製造法 |
JPH10298863A (ja) * | 1997-04-25 | 1998-11-10 | Suminoe Textile Co Ltd | 凹凸模様を有するパイル布帛の製造方法 |
JPH11124780A (ja) * | 1997-10-17 | 1999-05-11 | Matsui Shikiso Chem Co Ltd | 立体模様を有する起毛製品及びその製法 |
-
2000
- 2000-03-29 JP JP2000091041A patent/JP2000345483A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6170046A (ja) * | 1984-04-28 | 1986-04-10 | 住江織物株式会社 | 立体捺染パイル布帛およびその製造法 |
JPH10298863A (ja) * | 1997-04-25 | 1998-11-10 | Suminoe Textile Co Ltd | 凹凸模様を有するパイル布帛の製造方法 |
JPH11124780A (ja) * | 1997-10-17 | 1999-05-11 | Matsui Shikiso Chem Co Ltd | 立体模様を有する起毛製品及びその製法 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005059237A1 (ja) * | 2003-12-16 | 2007-07-12 | 帝人ファイバー株式会社 | 立毛布帛およびその製造方法 |
JP4500266B2 (ja) * | 2003-12-16 | 2010-07-14 | 帝人ファイバー株式会社 | 立毛布帛の製造方法 |
WO2006109865A1 (ja) * | 2005-04-08 | 2006-10-19 | Seiren Co., Ltd. | 凹凸加工用布帛 |
JPWO2006109865A1 (ja) * | 2005-04-08 | 2008-11-20 | セーレン株式会社 | 凹凸加工用布帛 |
JP4531811B2 (ja) * | 2005-04-08 | 2010-08-25 | セーレン株式会社 | 凹凸加工用布帛 |
JP2007224461A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Dainippon Ink & Chem Inc | 捺染剤及びその製造方法、ならびに該捺染剤で加工した合成繊維起毛布 |
JP2008002029A (ja) * | 2006-06-23 | 2008-01-10 | Teijin Fibers Ltd | 立毛布帛の製造方法および立毛布帛およびカーシート |
WO2021210462A1 (ja) * | 2020-04-13 | 2021-10-21 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット捺染用処理液、インクジェット捺染装置、インクジェット捺染方法及び捺染物 |
JPWO2021210462A1 (ja) * | 2020-04-13 | 2021-10-21 | ||
JP7338790B2 (ja) | 2020-04-13 | 2023-09-05 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット捺染用処理液、インクジェット捺染装置、インクジェット捺染方法及び捺染物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2133464A1 (en) | Method of dry transfer printing of synthetic fibrous material with disperse dye and transfer paper | |
IL162231A (en) | Direct digital printing process of jet propulsion inkjet on a wet fabric section | |
US20210285154A1 (en) | Method facilitating textile preparation for direct-to-garment printing | |
EP3172376A1 (en) | In-line digital printing system for textile materials | |
US6471896B1 (en) | Method for processing cloth | |
JPH09512570A (ja) | 生地に使用するためのインク組成物 | |
JPS6331593B2 (ja) | ||
JP2000345483A (ja) | 立体模様を形成するための布帛の処理方法及び処理された布帛 | |
KR20120064725A (ko) | 날염용 천의 제조방법, 날염방법 및 처리액 | |
KR20210051224A (ko) | 디지털 프린팅을 이용한 안료 날염방법 | |
JPWO2005005560A1 (ja) | 立体模様形成インクジェット用インク、それを用いた立体模様形成方法、およびそれによって得られた立体模様形成布帛 | |
US20050237369A1 (en) | Discharging ink for ink jet printing and process for preparing discharged polyester fiber cloth | |
JP2009227895A (ja) | インクジェット用水性インク及びインクジェット記録方法 | |
JPH1181163A (ja) | インクジェット捺染用布帛、その製造方法及びその捺染方法 | |
JP4563666B2 (ja) | 模様が形成された繊維布帛の製造方法 | |
JP2001098473A (ja) | セルロース系繊維及び/又は蛋白質繊維のインクジェット捺染用処理剤、捺染用布帛及び捺染方法 | |
JP3774569B2 (ja) | インクジェット捺染方法およびインクジェット捺染物 | |
JPWO2003054288A1 (ja) | 捺染方法、捺染用前処理液及び捺染用繊維シート | |
JPS616365A (ja) | インクジエツト染色による防抜染法 | |
JP2002054071A (ja) | 立体模様形成剤、立体模様形成方法、及び立体模様形成物 | |
JP2022056712A (ja) | 捺染方法、印捺物、及び記録装置 | |
DE2847762B2 (de) | Verfahren zum Drucken oder Färben von Harnstoff- oder Melamin-Formaldehydharzen | |
JPH06207382A (ja) | インクジェット方式による着色防染方法 | |
JP2581083B2 (ja) | インクジェット染色用布帛 | |
JP2581084B2 (ja) | インクジェット染色法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070323 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100122 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100518 |