JPH11124780A - 立体模様を有する起毛製品及びその製法 - Google Patents

立体模様を有する起毛製品及びその製法

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JPH11124780A
JPH11124780A JP9303741A JP30374197A JPH11124780A JP H11124780 A JPH11124780 A JP H11124780A JP 9303741 A JP9303741 A JP 9303741A JP 30374197 A JP30374197 A JP 30374197A JP H11124780 A JPH11124780 A JP H11124780A
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JP
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compound
product
brushed
raised
hydroxyl group
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JP9303741A
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English (en)
Inventor
Yosuke Kitagawa
陽介 北川
Ryuichi Hoshikawa
隆一 星川
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
Original Assignee
Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱処理によって起毛製品に与えるダメージ
を最小限に抑えることができ、意匠的な制約を生ずる黒
色物質を用いる必要がなく、凹模様部の柄際が鮮鋭で細
線等による繊細な凹凸模様であっても精密に表現するこ
とができる。 【解決手段】 合成繊維からなる起毛部を表面の全部に
有する起毛製品の起毛部における1又は2以上の箇所
に、フェノール性水酸基を有する化合物および/または
芳香族アマイド化合物を付着させる第1ステップと、そ
のフェノール性水酸基を有する化合物および/または芳
香族アマイド化合物の付着箇所を、その化合物の融点又
は軟化温度以上の温度において処理することにより、そ
の化合物付着箇所の起毛部を構成する合成繊維同士を溶
着させ、前記付着箇所を、その見掛けの体積を減少させ
て凹模様部に形成させる第2ステップとを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一部が
合成繊維からなる起毛部を表面の全部又は部分に有する
起毛製品の起毛部に凹凸模様を設けた、立体模様を有す
る起毛製品及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】起毛布
帛に対して立体模様を付与する手段としては、加熱エン
ボスローラにより立体模様を付与するエンボス法や、近
赤外線を吸収して発熱する物質を用いる近赤外線法等が
知られている。
【0003】前者のエンボス法は、表面に所望の凹凸を
設けたエンボスローラを加熱して起毛布帛に圧着させ、
エンボスローラの凸部に対応する部分のみの起毛繊維を
熱溶融又は収縮させて凹部に形成することにより、起毛
布帛に凹凸による立体模様を設けるものである。
【0004】ところがこのエンボス法の場合、エンボス
ローラの表面に設けた凸部を布帛に圧着させて加熱する
ことにより起毛繊維を溶融させるものであるため、凸部
が圧着した部分の周囲も不可避的に加熱されてしまう。
そのため、鮮鋭な柄際の凹凸模様を形成することはでき
ず、細線等による繊細な模様を精密に表わすことは極め
て困難であった。
【0005】一方、後者の近赤外線法は、このような問
題点を克服するために開発されたものであり(特公平5
−71697)、近赤外線を吸収して高効率で発熱する
物質を、布帛の起毛部に付着させ、近赤外線を照射して
その物質を発熱させることにより、その物質が付着した
部分の起毛繊維を加熱溶融又は収縮させてその部分を凹
部に形成し、起毛布帛に凹凸による立体模様を設けるも
のである。
【0006】しかしながら、近赤外線法では、近赤外線
を吸収して高効率で発熱する物質として黒鉛やカーボン
ブラック等の黒色物質を布帛に付着させることを必須と
するので、どうしてもその付着箇所が黒味を帯びてしま
い、意匠的面での制約を受けるという新たな問題点が生
じる。而も、加工設備的な面において、近赤外線照射装
置の導入を必須とし、製品の製造コストの増大を招くも
のでもあった。
【0007】また更に、上記両者は加熱により起毛繊維
そのものを溶融又は収縮させるという点において共通す
る基本メカニズムを有しており、それ故、起毛繊維の加
熱溶融(収縮)時に、その加熱すべき起毛繊維の周囲の
起毛繊維や基布等の部分にも少なからずその熱が伝達し
て脆化等のダメージが生じ、布帛全体としての強度も低
下してしまうという共通の根本的な問題点を有してい
た。
【0008】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、加熱処理によって起毛製品に与えるダメージを
最小限に抑えることができ、意匠的な制約を生ずる黒色
物質を用いる必要がなく、凹模様部の柄際が鮮鋭で細線
等による繊細な凹凸模様であっても精密に表現すること
ができる、立体模様を有する起毛製品及びその製法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の立体模様を有する起毛製品は、少なくとも一部が合
成繊維からなる起毛部を表面の全部又は部分に有する起
毛製品の起毛部における1又は2以上の箇所に、起毛部
を構成する合成繊維同士又は合成繊維と他種の繊維がフ
ェノール性水酸基を有する化合物および/または芳香族
アマイド化合物により溶着して形成された凹模様部を有
するものである。
【0010】また上記立体模様を有する起毛製品の製法
である本発明の製法は、少なくとも一部が合成繊維から
なる起毛部を表面の全部又は部分に有する起毛製品の起
毛部における1又は2以上の箇所に、フェノール性水酸
基を有する化合物および/または芳香族アマイド化合物
を付着させる第1ステップと、少なくともそのフェノー
ル性水酸基を有する化合物および/または芳香族アマイ
ド化合物の付着箇所を、その化合物の融点又は軟化温度
以上の温度において処理することにより、その化合物付
着箇所の起毛部を構成する合成繊維同士又は合成繊維と
他種の繊維を溶着させ、前記付着箇所を、その見掛けの
体積を減少させて凹模様部に形成させる第2ステップと
を含むものである。
【0011】フェノール性水酸基を有する化合物および
/または芳香族アマイド化合物の付着箇所を、その化合
物の融点又は軟化温度以上の温度において処理すると、
化合物付着箇所の起毛部を構成する合成繊維が、フェノ
ール性水酸基を有する化合物および/または芳香族アマ
イド化合物によって溶解乃至膨潤する。フェノール性水
酸基を有する化合物および/または芳香族アマイド化合
物の付着時に、その化合物の温度が融点又は軟化温度以
上であれば、付着と同時に処理が開始されることとな
る。処理温度を高めれば、溶解力乃至膨潤力をより増大
させることができる。合成繊維の溶解乃至膨潤は、フェ
ノール性水酸基を有する化合物および/または芳香族ア
マイド化合物が液状を呈する状態で行われるのが通常で
あるが、処理中にその化合物が気化しても、溶解力乃至
膨潤力を発揮し得る。
【0012】合成繊維の溶解乃至膨潤により、化合物付
着箇所の起毛部が合成繊維のみにより構成されている場
合は、合成繊維同士が溶着し、化合物付着箇所の起毛部
が合成繊維と他種の繊維すなわち天然繊維や無機質繊維
等により構成されている場合は、合成繊維同士又は合成
繊維と他種の繊維が溶着する。このように起毛部を構成
する繊維同士が溶着することにより、前記付着箇所の起
毛繊維が起毛状態から言わば伏倒状態となって固定さ
れ、その部分の見掛けの体積が減少して凹模様部を形成
する。一方、かかる凹模様部は、後述の第3ステップに
より、例えばアルカリソーピングを施すとフェノール性
水酸基を有する化合物および/または芳香族アマイド化
合物が除去されるとともに、これらの化合物により溶着
あるいは溶解乃至分解した繊維が同時に除去され、より
顕著な凹凸効果が得られることとなるため好ましい。な
お、例えば長尺の起毛製品の場合、そのある部分で第1
ステップが実行されると同時に他の部分で第2ステップ
が実行され、更に別の部分で必要に応じ後述の第3ステ
ップが実行されることもある。
【0013】ここで起毛製品というのは、基体としての
織物類、ニット類、不織布類、天然皮革類、合成皮革類
等の一部を構成する繊維を、基体の表面に多数の起毛繊
維として毛羽立たせてなる起毛部を有するもの、及び、
種々の基体の表面に多数の起毛繊維を植毛してなる起毛
部を有するものを含む。
【0014】また、少なくとも一部が合成繊維からなる
起毛部というのは、起毛部を構成する繊維に占める合成
繊維の割合が、フェノール性水酸基を有する化合物およ
び/または芳香族アマイド化合物によって合成繊維が溶
解乃至膨潤することにより起毛部を構成する繊維同士が
溶着して凹模様部を形成し得る程度であることを言う。
【0015】フェノール性水酸基を有する化合物とは、
その構造中に1又は2以上の水酸基が置換した芳香族環
を有する化合物である。低分子化合物であると高分子化
合物であるとを問わない。他の置換基、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、イソアミル、
オクチル、イソオクチル等の炭素数1乃至8のアルキル
基;水酸基;アミノ基;ハロゲン;例えば炭素数1乃至
8のアルキル基等を置換基として有していてもよいフェ
ニル基若しくはナフチル基等のアリール基を有していて
も差し支えない。
【0016】芳香族アマイド化合物とは、芳香族環に1
又は2以上の酸アマイド基および/またはN−置換酸ア
マイド基を有する化合物であり、隣接するこれらの基が
縮合してイミド環等を形成している場合も含まれる。例
えば芳香族カルボン酸アミド類若しくは芳香族スルホン
アミド類、すなわち、ArCONH2 、(ArCO)2
NH、Ar(CO)2 NH、(ArCO)3 N、ArS
2 NH2 、(ArSO22 NH、(ArSO23
N等[但し、これらの式中、Arは、置換基(例えば、
メチル、エチル、オクチル等のアルキル基;水酸基;ア
ミノ基;ハロゲン;アルキル基等を置換基として有して
いてもよいフェニル基若しくはナフチル基等のアリール
基)を有していてもよいフェニル基若しくはナフチル基
等のアリール基を示す]、又は、これらの化合物の窒素
原子に置換基(例えば、炭素数1乃至8のアルキル基;
炭素数1乃至8のアルキル基等を置換基として有してい
てもよいフェニル基若しくはナフチル基等のアリール
基)が結合したものである。また、この化合物は低分子
化合物であると高分子化合物であるとを問わない。
【0017】起毛製品に対するフェノール性水酸基を有
する化合物および/または芳香族アマイド化合物の付着
は、それらの化合物の1種又は2種以上を主成分として
含有する捺染糊を起毛製品の起毛部に所望の模様状に印
捺することにより行うことができる。
【0018】本発明の製法における第2ステップの後に
は、フェノール性水酸基を有する化合物および/または
芳香族アマイド化合物を実質上除去する第3ステップを
有することが好ましい。このようなフェノール性水酸基
を有する化合物および/または芳香族アマイド化合物の
除去は、例えばアルカリソーピングを施すことによって
行うことができる。
【0019】また、第1ステップにおいて、起毛製品の
起毛部における1又は2以上の箇所に、フェノール性水
酸基を有する化合物および/または芳香族アマイド化合
物と共に着色剤を付着させることにより、凹模様部をそ
の着色剤により着色することもできる。
【0020】上記フェノール性水酸基を有する化合物お
よび/または芳香族アマイド化合物の融点又は軟化温度
は、220℃以下であることが好ましい。
【0021】なお、上記本発明の製品及び製法における
合成繊維は、ポリエステル、ナイロン、アクリル及びト
リアセテートからなる群から選ばれた1種又は2種以上
であることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の対象となる起毛製品は、
基体としての織物類、ニット類、不織布類、天然皮革
類、合成皮革類等の一部を構成する繊維を、基体の表面
に多数の起毛繊維として毛羽立たせてなる起毛部を有す
るもの、及び、種々の基体の表面に多数の起毛繊維を植
毛してなる起毛部を有するものを含む。起毛製品は、起
毛部を表面の全体に有していてもよく、表面の部分に有
するものであってもよい。
【0023】起毛部は、1種又は2種以上の合成繊維の
みにより構成されていてもよく、1種又は2種以上の合
成繊維と1種又は2種以上の他種の繊維とにより構成さ
れていてもよい。この合成繊維の例としては、ナイロ
ン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリオレフィ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スパンデックス、ア
セテート、トリアセテート等を挙げることができ、この
うち、ナイロン、ポリエステル、アクリル及びトリアセ
テートが、凹模様部形成上特に好ましい。一方、上記他
種の繊維の例としては、木綿、麻等の天然セルロース系
繊維、絹、羊毛等の天然タンパク系繊維、及び無機質繊
維等を例示することができる。このような他種の繊維
は、例えば合成繊維と混紡されていてもよく、合成繊維
と混繊されていてもよく、また、合成繊維と満遍なく混
合した状態で合成繊維と独立して植毛されていてもよ
い。他種繊維糸と合成繊維糸との混織織物の一部を構成
するその他種繊維及び合成繊維をその織物の表面に毛羽
立たせてなる起毛部であってもよい。
【0024】起毛製品の例としては、別珍、コール天、
ベルベット、フランネル、タオル、メルトン、スエー
ド、シール、ベロア、モケット、ビロード、プラッシュ
等と一般に呼ばれる起毛織物類や起毛ニット類、及びそ
れらの外観や感触を模倣した起毛織物類や起毛ニット
類;織物、ニット、不織布、紙、合成樹脂フィルム等を
基布或はベースシートとし、その上に短繊維が植毛され
た構造の植毛布類や植毛シート類;表面部に起毛繊維を
有する各種合成皮革類;これらの起毛織物類、起毛ニッ
ト類、植毛布類、植毛シート類、起毛合成皮革類を用い
た縫製品等の二次製品を挙げることができるが、勿論こ
れらに限定されるものではない。また言うまでもなく、
このような起毛製品は、染色等により予め着色されたも
のであってもよい。
【0025】本明細書中では、起毛部を構成する繊維が
起毛製品の基体から立ち上がった長さを起毛長(パイル
長)という。本発明の起毛製品における起毛部の起毛長
(パイル長)は特には限定されないが、数十μm乃至5
mm程度が好ましい。数十μm以上であれば、本発明の
立体模様を有する起毛製品に顕著な立体模様効果を表わ
すことができる。
【0026】本発明において用いるフェノール性水酸基
を有する化合物および/または芳香族アマイド化合物を
選択するには、対象とする起毛部を構成する合成繊維に
対するその化合物の溶解力(溶着力或は接着力)、膨潤
性、濡れ性等を考慮すべきである。また、本発明製品の
製造においては、少なくとも対象となる起毛製品の起毛
部におけるフェノール性水酸基を有する化合物および/
または芳香族アマイド化合物の付着箇所に対し、必然的
にその化合物の融点又は軟化温度以上の温度が適用され
るため、その化合物としては、融点又は軟化温度が対象
となる起毛製品に実質的な損傷を与えない程度の温度で
あるものを選択すべきである。フェノール性水酸基を有
する化合物および/または芳香族アマイド化合物として
は、通常、その融点又は軟化温度が大略220℃以下の
ものを用いることが好ましい。特に好ましくは、200
℃以下である。
【0027】本発明において用い得るフェノール性水酸
基を有する化合物の具体例としては、p−ヒドロキシ安
息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキ
シ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、
p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香
酸オクチル、p−ヒドロキシ安息香酸イソオクチル、サ
リチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリ
チル酸イソアミル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベ
ンジル、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プ
ロピル、没食子酸ブチル、没食子酸ヘキシル、没食子酸
オクチル、没食子酸ドデシル、没食子酸セチル、没食子
酸ステアリル、没食子酸イソオクチル、没食子酸アンモ
ニウム、プロトカテキュー酸、プロトカテキュー酸メチ
ル、プロトカテキュー酸エチル、プロトカテキュー酸プ
ロピル、プロトカテキュー酸ブチル、プロトカテキュー
酸オクチル、プロトカテキュー酸ドデシル、プロトカテ
キュー酸アンモニウム、カテキュー酸イソオクチル、p
−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニル酢
酸メチルエステル、p−ヒドロキシフェニル酢酸アミ
ド、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、フェノー
ル、ピロカテコール、レゾルシン、プロピルカテコー
ル、ターシャリーブチルカテコール、p−クレシジン、
ハイドロキノン、3.5−キシレノール、o−アミノフ
ェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノー
ル、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、p
−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ヒ
ドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアル
デヒド、2−アミノ−4−クロロフェノール、p−メト
キシエチルフェノール、1,3,5−トリヒドロキシベ
ンゼン、p−ヒドロキシフェネチルアミン、p−ヒドロ
キシフェネチルアルコール、2,3,5−トリメチルハ
イドロキノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェ
ノン、p−ターシャリーブチルフェノール、4−ターシ
ャリーブチルカテコール、5−アミノ−1−ナフトー
ル、α−ナフトール、β−ナフトール、チモール、メト
キノン、1,2−ジオキシナフタレン、2,3−ジオキ
シナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、β−
オキシナフトエ酸、2,3,4−トリオキシエチルベン
ゼン、2,3,5−トリオキシナフタレン、ジオキシナ
フタレンスルホン酸ナトリウム、モノクロルオルトフェ
ニルフェノール、2,4,6−トリクロルフェノール、
o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p
−フェニルフェノール、p−(p−クロロフェニル)フ
ェノール、o−(o−クロロフェニル)フェノール、
4,4' −チオビス(3−メチル−5−ターシャリーブ
チルフェノール)、2,2' −メチレンビス(3−ター
シャリーブチル−5−メチルフェノール)、2,2' −
メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフ
ェノール)、4,4' −ブチリデンビス(3−メチル−
6−ターシャリーブチルフェノール)、ビスフェノール
A、o−クレゾールフタレイン、及び各種フェノール樹
脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0028】上述したフェノール性水酸基を有する化合
物のうち、パラヒドロキシ安息香酸エステル類が好まし
く、特にパラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキ
シ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル又
はパラヒドロキシ安息香酸ブチルを用いることが好適で
ある。
【0029】本発明において用い得る芳香族アマイド化
合物の具体例としては、p−トルエンスルホンアマイ
ド、o−トルエンスルホンアマイド、ベンゼンスルホン
アマイド、N−メチルベンゼンスルホンアマイド、N−
エチルベンゼンスルホンアマイド、N−フェニルベンゼ
ンスルホンアマイド、N−メチルp−トルエンスルホン
アマイド、N−エチルp−トルエンスルホンアマイド、
N−フェニルp−トルエンスルホンアマイド、安息香酸
アマイド、p−ヒドロキシ安息香酸アマイド、p−エチ
ル安息香酸アマイド、N−メチル安息香酸アマイド、N
−エチル安息香酸アマイド、N−フェニル安息香酸アマ
イド、N−メチルp−トルエンカルボン酸アマイド、サ
リチル酸アマイド、サリチルアニライド、N−メチルサ
リチル酸アマイド、ナフトエ酸アマイド、フタル酸イミ
ド等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0030】上述した芳香族アマイド化合物のうち、そ
れぞれ窒素原子に置換基が結合していてもよい安息香酸
アマイド類、サリチル酸アマイド類、ベンゼンスルホン
アマイド類又はトルエンスルホンアマイド類を用いるこ
とが好ましく、特にパラヒドロキシ安息香酸アマイド、
サリチル酸アマイド、ベンゼンスルホンアマイド又はト
ルエンスルホンアマイドを用いることが好適である。
【0031】上記したフェノール性水酸基を有する化合
物および/または芳香族アマイド化合物は、各単独で或
は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0032】上記したフェノール性水酸基を有する化合
物および/または芳香族アマイド化合物を起毛製品の起
毛部に付着させる手段としては、従来公知のいかなる手
段を採用しても差し支えない。例えば、各種公知の捺染
糊の元糊や印刷インキのビヒクル中に上記化合物を混合
して公知の捺染手法、転写捺染手法又は印刷手法によ
り、起毛製品の起毛部に対して所望の模様状に付着させ
たり、パウダー状の化合物を、所望模様を構成するスク
リーンを通して散布することにより付着させることがで
きる。
【0033】これらの手段のうち本発明にて好ましく用
いられる手段としては、上記フェノール性水酸基を有す
る化合物および/または芳香族アマイド化合物の1種又
は2種以上を主成分として含有する捺染糊を調製し、そ
の捺染糊を、スクリーン捺染、ローラー捺染、ロータリ
ー捺染、インクジェット捺染等の公知の捺染手法によ
り、所望模様状に起毛製品の起毛部に捺染する手段を例
示することができる。
【0034】本発明の製法を、これらの手段の中で最も
汎用性が高いと考えられるスクリーン捺染法を用いた場
合を例にとって、以下に説明する。
【0035】用いる捺染糊の構成は、各種糊料を水又は
有機溶剤に加えて溶液や分散液としたものや、水と石油
系溶剤との粘性エマルジョン、又はそれら2者の混合物
等の従来公知の元糊に、上記フェノール性水酸基を有す
る化合物および/または芳香族アマイド化合物を混合し
たものを基本とする。
【0036】フェノール性水酸基を有する化合物および
/または芳香族アマイド化合物は、通常サスペンジョン
の形態で分散したものとなっているが、エマルジョンの
形態で分散していたり、溶媒に溶解したものとなってい
ても差し支え無い。当該化合物は、単独で用いても2種
以上を併用してもよい。捺染糊に占めるこの化合物の割
合は、通常3乃至60重量%、好ましくは10乃至50
重量%とすればよい。
【0037】好ましく用い得る糊料の具体例としては、
デンプン、アラビアゴム、クリスタルゴム、タマリン
ド、アルギン酸ソーダ等の如き天然糊料;カルボキシメ
チル繊維素ソーダ、プロピオキシセルロース、アルギン
酸エステル、グアガムエチレンオキサイド付加物、エチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ブリティッシュガム等の如き加工糊料;ポリ
アクリル酸塩、ポリアクリル酸誘導体、ポリ酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルブチラール、ポリウレタン、ポリマレイン酸共重
合体塩等の如き合成糊料や合成樹脂エマルジョン類;珪
藻土、珪酸コロイド等の如き無機系糊料等を挙げること
ができる。
【0038】この捺染糊は、上記基本構成分の他、上記
フェノール性水酸基を有する化合物および/または芳香
族アマイド化合物の分散性を向上させるための適当な分
散剤等を含有していてもよく、また、下記に例示される
ような、捺染糊に通常添加されるいかなる着色剤及び薬
剤を含んでいてもよい。
【0039】このような着色剤の例としては、分散染
料、直接染料、酸性染料、塩基性染料、金属錯塩染料、
バット染料、硫化染料、ナフトール染料、反応染料等の
染料類;一般有機顔料、一般無機顔料、蛍光顔料、蓄光
顔料、夜光顔料、メタリック顔料、パール顔料、ガラス
ビーズ、金属粉、サーモクロミック材料、フォトクロミ
ック材料、エレクトロクロミック材料等の顔料類等を挙
げることができる。これらの着色剤を捺染糊に含有させ
れば、起毛部における捺染糊印捺部分に凹模様部を形成
すると同時にそこに着色を施すことができる。
【0040】また、通常、繊維溶解剤、繊維膨潤剤ある
いはキャリアー剤として知られる各種の薬剤、例えば、
芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、芳香族炭化
水素類、及びハロゲン化芳香族炭化水素類等を捺染糊中
に併用すれば、起毛部を構成する繊維同士をより効率良
く溶着させて凹模様部を形成させることができる。
【0041】また更に、捺染糊中に熱可塑性樹脂を併用
し、必要に応じてそれを架橋させれば、この熱可塑性樹
脂が熱溶融して起毛部を構成する繊維に融着し、それら
が同体化することにより、より効率良く凹模様部を形成
させることができるとともに、凹模様部をより顕著なも
のとすることができる。
【0042】上記熱可塑性樹脂の例としては、(メタ)
アクリル酸エステル系ポリマー、(メタ)アクリル酸誘
導体ポリマー、アクリロニトリル系ポリマー、酢酸ビニ
ル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、塩化ビニリデン
系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン
系ポリマー、及び、これらのポリマーを構成する各種ビ
ニル系モノマーの各種共重合体、並びに、ポリエステル
系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマ
ー等を例示することができる。このような熱可塑性樹脂
は、各単独であるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0043】その他の薬剤の例としては、乾燥調節剤、
可塑剤、油脂、ワックス、粘度調整剤、熱硬化性樹脂、
架橋剤、触媒、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、酸化防止剤、体質顔料、蛍光増白剤、酸化チタン光
触媒、吸着剤、防染剤、抜染剤、還元防止剤、金属イオ
ン封鎖剤、増量剤、pH調節剤、吸湿剤、浸透剤、電解
質、防腐剤、消泡剤、香料、抗菌剤、消臭剤、防汚剤、
防虫剤、忌避剤等を挙げることができる。
【0044】上記の如く調製された捺染糊を、所望の模
様状に孔を有するスクリーン版を通して起毛製品の起毛
部に印捺する。印捺する捺染糊の量は、通常、起毛部1
00重量部に対して大略10乃至500重量部程度とす
れば十分な効果が得られる。
【0045】次に、この起毛製品の少なくとも捺染糊が
印捺された部分を、その捺染糊が含有するフェノール性
水酸基を有する化合物および/または芳香族アマイド化
合物の融点又は軟化温度以上の温度で処理すれば、当該
化合物が起毛繊維同士を溶着させることにより起毛部に
凹模様部が形成され、冷却することによってそれが固定
化される。
【0046】上記処理は、起毛製品の種類に応じ、その
起毛製品に実質上ダメージを与えない温度範囲内で行う
ことが好ましく、また、フェノール性水酸基を有する化
合物および/または芳香族アマイド化合物が合成繊維に
対し発揮する溶解力乃至膨潤力が十分に大きい温度にお
いて行うことが好ましい。上記処理は特に、大略150
乃至200℃の温度において行うことが好ましい。この
温度範囲内で処理すれば、通常の場合、対象となる起毛
製品が実質的な損傷を受けることがなく、またフェノー
ル性水酸基を有する化合物および/または芳香族アマイ
ド化合物の溶解力乃至膨潤力も十分に大きくなるので、
顕著な凹模様部を確実性高く形成させることができる。
【0047】その後、必要に応じこの起毛製品に水洗、
アルカリソーピング等の後処理を施し、次いで乾燥させ
る。これらの後処理を行なえば、形成された凹模様部に
おける捺染糊、とりわけフェノール性水酸基を有する化
合物を除去することができるため、凹模様部の風合及び
感触をより向上させることができる。
【0048】このようなアルカリソーピングは、例えば
苛性ソーダやソーダ灰等のアルカリ性物質、ハイドロサ
ルファイト等の還元剤、酵素、酸化剤、界面活性剤等を
含む水性浴中にて上記起毛製品を約50乃至90℃程度
の温度で2乃至15分間程度処理した後、水洗すること
により行なうことができる。
【0049】斯くして得られる本発明の立体模様を有す
る起毛製品は、繊維強度低下の問題がなく、凹模様部の
柄際が鮮鋭で意匠的にも優れたものとなる。
【0050】
【発明の効果】本発明においては、従来技術のように起
毛繊維そのものを加熱溶融させるのではなく、フェノー
ル性水酸基を有する化合物および/または芳香族アマイ
ド化合物を起毛製品の起毛部に付着させた箇所を、その
化合物の融点又は軟化温度以上の温度において処理する
ことにより、その化合物の溶解力乃至膨潤力によってそ
の化合物付着箇所の起毛部を構成する合成繊維同士又は
合成繊維と他種の繊維を溶着させて凹模様部を形成させ
る。起毛製品に適用される処理温度は、前記化合物が溶
融して起毛部を構成する合成繊維に対する溶解力乃至膨
潤力を発現する温度で足りるので、フェノール性水酸基
を有する化合物および/または芳香族アマイド化合物と
して、起毛製品になるべくダメージを与えずに済むよう
な処理温度で適用できる融点又は軟化温度を有するもの
を選択して用いることにより、従来に比し、処理温度を
低く設定して起毛製品に与えるダメージを実質上無くす
か或は最小限に抑えることができる。
【0051】また本発明では、黒鉛やカーボンブラック
を布帛に付着させて近赤外線を照射する場合のように黒
色物質を用いる必要がないので、その点における意匠的
な制約を全く受けない。黒鉛やカーボンブラックを高効
率で発熱させるための近赤外線照射装置のような特殊な
装置も要しない。
【0052】更に、本発明によれば、起毛部中でフェノ
ール性水酸基を有する化合物が付着した箇所のみを、正
確に凹模様部とすることができるので、加熱エンボスロ
ーラで加圧するエンボス法等によるものとは異なり、凹
模様部の柄際を鮮鋭なものとすることができると共に、
細線等による繊細な凹凸模様であっても、精密に表現す
ることが可能である。
【0053】請求項2及び請求項4の発明は、上記効果
に加えて、それぞれ次のような効果を奏する。
【0054】すなわち、請求項2の発明によれば、凹模
様部に形成させた後に、フェノール性水酸基を有する化
合物および/または芳香族アマイド化合物を実質上除去
するので、凹模様部の風合及び感触をより向上させるこ
とができる。
【0055】また、請求項4の発明によれば、凹模様部
を着色剤により着色して立体効果と同時に着色効果をも
得ることができる。
【0056】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げ、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0057】[実施例1]片面の全表面に多数の起毛繊
維(起毛長1.5mm)を万遍なく有する白色ポリエス
テル起毛織物の起毛面に対し、カルボキシメチル繊維素
ソーダの10%w/w 水溶液50重量部、p−ヒドロキシ
安息香酸メチル(融点約131℃)30重量部、非イオ
ン性分散剤2重量部及び尿素(湿潤剤)3重量部からな
る捺染糊を、幅1mmの細線により形成された8mm間
隔の格子模様の孔を有するシルクスクリーン版(100
メッシュ)を通して印捺することによって、起毛織物の
起毛面にフェノール性水酸基を有する化合物(すなわち
上記p−ヒドロキシ安息香酸メチル)を付着させた。
【0058】続いて、この起毛織物を80℃で3分間予
備乾燥させた後、その起毛織物に対しHTスチーマーを
用いて180℃で7分間熱処理を施したところ、フェノ
ール性水酸基を有する化合物が溶融して起毛繊維同士を
溶着させ、それにより、その部分の見かけの体積が減少
して凹模様部が形成された。
【0059】上記処理を経た起毛織物に対し、1g/リ
ットルの苛性ソーダ水溶液を用いて60℃で10分間の
アルカリソーピングを施し、その後水洗し、温風乾燥を
施した。
【0060】斯くして得られた起毛織物は、その起毛面
に幅1mmの細線にて8mm間隔に構成された格子模様
が凹状に鮮鋭に表われ、顕著な立体感を有していた。ま
た、織物の強度及び風合いも良好であった。
【0061】尚、上記p−ヒドロキシ安息香酸メチル3
0重量部に代えて、p−トルエンスルホンアマイド(融
点約135℃)30重量部を用いることを除き、他は全
て同様に処理したところ、上記同様、鮮鋭且つ顕著な立
体感を有する起毛織物が得られた。
【0062】[実施例2]片面の全表面に多数の起毛繊
維(起毛長1mm)を万遍なく有する青色のポリエステ
ル/綿混紡起毛織物の起毛面に対し、アルギン酸ソーダ
3重量部、タマリンド1重量部、p−オキシ安息香酸エ
チル(融点約116℃)25重量部、サリチル酸アマイ
ド(融点約140℃)20重量部、非イオン性界面活性
剤3重量部、エチレングリコール2重量部、シリコン系
消泡剤0.5重量部及び水70重量部からなる捺染糊
を、直径2mmの水玉模様が形成されたシルクスクリー
ン版(70メッシュ)を通して印捺した。
【0063】次に、この起毛織物を常温で乾燥させた
後、その起毛織物に対し、ベーキング装置を用いて18
0℃で5分間の熱処理を施した。
【0064】上記処理を経た起毛織物に対し、3g/リ
ットルのソーダ灰水溶液を用いて90℃で10分間のア
ルカリソーピングを施し、水洗、脱水の後、陰干しし
た。
【0065】このようにして得られた起毛織物は、その
起毛面に直径2mmの水玉模様が凹状に鮮鋭に表われ、
顕著な立体感を有するものであった。
【0066】[実施例3]片面の全表面に多数の起毛繊
維(起毛長2mm)を万遍なく有する白色アクリル起毛
織物の起毛面に対し、ポリビニルアルコール5重量部、
ターペン(石油系溶剤)5重量部、没食子酸プロピル
(融点約145℃)15重量部、エチルアクリレート−
メチルメタクリレート−アクリロニトリルからなる共重
合体(軟化温度約140℃の熱可塑性樹脂)10重量
部、アニオン性界面活性剤3重量部、蓄光顔料(商品
名:GSS−F、根本特殊化学社製)20重量部、及び
水40重量部からなる捺染糊を、幅1.5mmの細線に
て描かれた鳥の足跡模様のシルクスクリーン(50メッ
シュ)を通じて印捺した。
【0067】次いで、この起毛織物を温風乾燥した後、
この起毛織物に対してベーキング装置にて180℃で1
0分間の熱処理を施したところ、フェノール性水酸基を
有する化合物(すなわち上記没食子酸プロピル)が溶融
して起毛繊維同士を溶着させると共に、上記熱可塑性樹
脂が起毛繊維と融着同体化し、これにより凹模様部が形
成された。
【0068】次に、上記処理を経た起毛織物を水洗した
後、温風乾燥を施した。
【0069】このようにして得られた起毛織物は、その
起毛部に幅1.5mmの細線により構成された鳥の足跡
模様が凹状に鮮鋭に表われ、非常に顕著な立体感を有し
ていた。しかも、この起毛織物は、明るいところから暗
所へ移動させると、凹模様部が緑色に鮮明に発光すると
いう機能を有しており、極めて意匠的価値の高いもので
あった。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部が合成繊維からなる起毛部
    を表面の全部又は部分に有する起毛製品の起毛部におけ
    る1又は2以上の箇所に、フェノール性水酸基を有する
    化合物および/または芳香族アマイド化合物を付着させ
    る第1ステップと、少なくともそのフェノール性水酸基
    を有する化合物および/または芳香族アマイド化合物の
    付着箇所を、その化合物の融点又は軟化温度以上の温度
    において処理することにより、その化合物付着箇所の起
    毛部を構成する合成繊維同士又は合成繊維と他種の繊維
    を溶着させ、前記付着箇所を、その見掛けの体積を減少
    させて凹模様部に形成させる第2ステップとを含むこと
    を特徴とする、立体模様を有する起毛製品の製法。
  2. 【請求項2】第2ステップの後に、上記フェノール性水
    酸基を有する化合物および/または芳香族アマイド化合
    物を起毛製品から実質上除去する第3ステップを有す
    る、請求項1記載の立体模様を有する起毛製品の製法。
  3. 【請求項3】起毛製品に対するフェノール性水酸基を有
    する化合物および/または芳香族アマイド化合物の付着
    を、それらの化合物の1種又は2種以上を主成分として
    含有する捺染糊を起毛製品の起毛部に所望の模様状に印
    捺することにより行う、請求項1又は2記載の立体模様
    を有する起毛製品の製法。
  4. 【請求項4】第1ステップにおいて、起毛製品の起毛部
    における1又は2以上の箇所に、フェノール性水酸基を
    有する化合物および/または芳香族アマイド化合物と共
    に着色剤を付着させることにより、凹模様部をその着色
    剤により着色する、請求項1、2又は3記載の立体模様
    を有する起毛製品の製法。
  5. 【請求項5】上記フェノール性水酸基を有する化合物お
    よび/または芳香族アマイド化合物の融点又は軟化温度
    が220℃以下である請求項1、2、3又は4記載の立
    体模様を有する起毛製品の製法。
  6. 【請求項6】上記合成繊維が、ポリエステル、ナイロ
    ン、アクリル及びトリアセテートからなる群から選ばれ
    た1種又は2種以上である、請求項1、2、3、4又は
    5記載の立体模様を有する起毛製品の製法。
  7. 【請求項7】フェノール性水酸基を有する化合物がパラ
    ヒドロキシ安息香酸エステルである、請求項1、2、
    3、4、5又は6記載の立体模様を有する起毛製品の製
    法。
  8. 【請求項8】フェノール性水酸基を有する化合物が、パ
    ラヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエステ
    ル、プロピルエステル、又はブチルエステルである、請
    求項7記載の立体模様を有する起毛製品の製法。
  9. 【請求項9】芳香族アマイド化合物が、それぞれ窒素原
    子に置換基が結合していてもよい安息香酸アマイド類、
    サリチル酸アマイド類、ベンゼンスルホンアマイド類又
    はトルエンスルホンアマイド類である請求項1、2、
    3、4、5、6、7又は8記載の立体模様を有する起毛
    製品の製法。
  10. 【請求項10】芳香族アマイド化合物が、パラヒドロキ
    シ安息香酸アマイド、サリチル酸アマイド、ベンゼンス
    ルホンアマイド、又はトルエンスルホンアマイドである
    請求項9記載の立体模様を有する起毛製品の製法。
  11. 【請求項11】少なくとも一部が合成繊維からなる起毛
    部を表面の全部又は部分に有する起毛製品の起毛部にお
    ける1又は2以上の箇所に、起毛部を構成する合成繊維
    同士又は合成繊維と他種の繊維がフェノール性水酸基を
    有する化合物および/または芳香族アマイド化合物によ
    り溶着して形成された凹模様部を有することを特徴とす
    る、立体模様を有する起毛製品。
  12. 【請求項12】上記合成繊維が、ポリエステル、ナイロ
    ン、アクリル及びトリアセテートからなる群から選ばれ
    た1種又は2種以上である、請求項11記載の立体模様
    を有する起毛製品。
  13. 【請求項13】フェノール性水酸基を有する化合物がパ
    ラヒドロキシ安息香酸エステルである、請求項11又は
    12記載の立体模様を有する起毛製品。
  14. 【請求項14】フェノール性水酸基を有する化合物がパ
    ラヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエステ
    ル、プロピルエステル、又はブチルエステルである請求
    項13記載の立体模様を有する起毛製品。
  15. 【請求項15】芳香族アマイド化合物が、それぞれ窒素
    原子に置換基が結合していてもよい安息香酸アマイド
    類、サリチル酸アマイド類、ベンゼンスルホンアマイド
    類又はトルエンスルホンアマイド類である請求項11、
    12、13又は14記載の立体模様を有する起毛製品。
  16. 【請求項16】芳香族アマイド化合物が、パラヒドロキ
    シ安息香酸アマイド、サリチル酸アマイド、ベンゼンス
    ルホンアマイド、又はトルエンスルホンアマイドである
    請求項15記載の立体模様を有する起毛製品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000345483A (ja) * 1999-04-02 2000-12-12 Seiren Co Ltd 立体模様を形成するための布帛の処理方法及び処理された布帛
JP2002371478A (ja) * 2001-06-13 2002-12-26 Asahi Kasei Corp 柄調人工皮革
JP2007224461A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Dainippon Ink & Chem Inc 捺染剤及びその製造方法、ならびに該捺染剤で加工した合成繊維起毛布
JP2020169398A (ja) * 2019-04-01 2020-10-15 有限会社フジテック プリント柄を有する布地の製造方法及びプリント柄を有する布地

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