JP2000345194A

JP2000345194A - 硬表面洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP2000345194A
Application number: JP11161391A
Authority: JP
Inventors: Kiyotaka Tokuyama; 清孝徳山; Hiromi Kanehira; 宏美兼平; Tamotsu Jo; 保城
Original assignee: Lion Hygiene Co Ltd
Current assignee: Lion Hygiene Co Ltd
Priority date: 1999-06-08
Filing date: 1999-06-08
Publication date: 2000-12-12

Abstract

(57)【要約】【課題】食器類、トレー類、ビン類等の硬表面の洗浄
に適した硬表面洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】（ａ）水酸化アルカリ金属５〜６０重量
％と、（ｂ）金属イオン封鎖剤５〜５０重量％と、
（ｃ）アルミ化合物０．０１〜１０重量％とを含有する
ことを特徴とする硬表面洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、食器類、トレー
類、ビン類等の硬表面の洗浄に適した硬表面洗浄剤組成
物、特に、洗浄機用に好適な硬表面洗浄剤組成物に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ホテル、レストラン等の厨房で
は、各種の食器類やトレー類などを多量に洗浄するた
め、自動食器洗浄機が使用されている。また、ホテルな
どにおいては、金彩模様を付けた皿やクリスタルグラス
など高級な食器の活用頻度が高まっている。このような
状況下において、洗浄機の使用に適し、かつ食器類を侵
食しない洗浄剤が望まれている。

【０００３】従来、このような業務用の自動洗浄機用洗
浄剤は、強アルカリ剤を多量に配合した組成物が主に使
用されている。このような硬表面洗浄剤としては、例え
ば、特公平２−２７３９７号公報に記載されているよう
に、苛性アルカリと２−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸
塩を配合した組成物や、特公平３−６０３５８号公報に
記載されているように、苛性アルカリとニトリロトリ酢
酸のアルカリ金属塩などからなる洗浄剤組成物が知られ
ており、その効果として洗浄能とキレート能に主眼をお
いている。しかしながら、これらの公報に記載される硬
表面洗浄剤は、アルカリ、有機キレート剤の配合量が多
いので、クリスタルグラスや皿の金彩模様を侵食する問
題点がある。

【０００４】このような問題点を解決するために、本願
出願人は特開平６−１３６３９５号公報に、アルカリ剤
に界面活性剤および高分子などを配合して皿の金彩模様
を劣化させない硬表面洗浄剤組成物を提案しているが、
金属イオン封鎖剤を多量に配合すると、上記と同様の問
題が発現してくるものである。このような問題を回避す
るために、大場洋一著の「ガラス表面設計」（近代編
集、昭和５８年１１月２５日発行）４６頁にはアルカリ
作用を抑制する成分としてアルミン酸ソーダが有効であ
る旨が記載されている。しかしながら、同４７頁には金
属イオン封鎖剤も侵食を促進する物質であると記載され
ているものの、該金属イオン封鎖剤を抑制する成分の記
載はないものである。さらに、アルミン酸ソーダと金属
イオン封鎖剤を併用したときのアルミン酸ソーダの作用
乃至効果も記載されていないものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、特
にグラス、皿、トレー等の被洗物をより分けることなく
洗浄でき、しかも、使用する自動洗浄機内に不衛生で、
洗浄機の作動にも良くない水不溶性物質であるスケール
の生成を抑制できる硬表面洗浄剤組成物を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【発明を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題等について鋭意検討した結果、水酸化アルカリ金
属、金属イオン封鎖剤を必須成分とする中で、特定のア
ルミニウム化合物、または、さらに特定の高分子の配合
量などを限定することによって、上記目的の硬表面洗浄
剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成する
に至ったのである。すなわち、本発明の硬表面洗浄剤組
成物は、次の(1)及び(2)に存する。 (1) （ａ）水酸化アルカリ金属５〜６０重量％と、
（ｂ）金属イオン封鎖剤５〜５０重量％と、（ｃ）アル
ミニウム化合物０．０１〜１０重量％とを含有すること
を特徴とする硬表面洗浄剤組成物。 (2) さらに、（ｄ）成分として、下記一般式（Ｉ）で表
されるマレイン酸若しくは無水マレイン酸と共重合可能
な他の単量体とから得られるコポリマー又はその水溶性
塩を含有する上記(1)記載の硬表面洗浄剤組成物。

【化２】

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明の硬表面洗浄剤組成物（以下、
「硬表面洗浄剤」という）は、（ａ）水酸化アルカリ金
属５〜６０重量％と、（ｂ）金属イオン封鎖剤５〜５０
重量％と、（ｃ）アルミニウム化合物０．０１〜１０重
量％とを含有することを特徴とするものである。

【０００８】本発明の硬表面洗浄剤には、（ａ）成分と
して水酸化アルカリ金属が用いられる。水酸化アルカリ
金属としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウムなどが挙げられる。この水酸化ア
ルカリ金属の量は、洗浄剤組成物全量中に、５〜６０重
量％、好ましくは、１０〜５０重量％配合することが望
ましい。この水酸化アルカリ金属の量が５重量％未満で
あると、目的の洗浄性能を発揮することができず、ま
た、６０重量％を越えると、クリスタルグラスや食器の
金彩模様の侵食を抑制できなくなり、好ましくない。

【０００９】本発明の硬表面洗浄剤には、（ｂ）成分と
して金属イオン封鎖剤が用いられる。金属イオン封鎖剤
としては、具体的には、リンゴ酸塩、クエン酸塩などの
ヒドロキシカルボン酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸塩、トリエチレンテトラ酢酸ナト
リウムなどのアミノカルボン酸塩、ピロリン酸塩、トリ
ポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩などを挙げることが
できる。また、対イオンとなる塩は、ナトリウム、カリ
ウムなどのアルカリ金属が挙げられる。この金属イオン
封鎖剤の量は、洗浄剤組成物全量中に５〜５０重量％、
好ましくは１０〜４０重量％配合することが望ましい。
この金属イオン封鎖剤の量が５重量％未満であると、目
的の洗浄性能を発揮することができず、また、５０重量
％を越えると、クリスタルグラスや食器の金彩模様の侵
食を抑制できなくなり、好ましくない。

【００１０】本発明の硬表面洗浄剤には、（ｃ）成分と
してアルミニウム化合物が用いられる。アルミニウム化
合物としては、具体的には、水酸化アルミニウム、アル
ミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、硫酸アルミニ
ウム、硝酸アルミニウムなどを挙げることができる。こ
のアルミニウム化合物の量は、洗浄剤組成物全量中に
０．０１〜１０重量％、好ましくは、０．１〜５重量％
配合することが望ましい。このアルミニウム化合物の量
が０．０１重量％未満では，クリスタルグラスや食器の
金彩模様の侵食を抑制できなくなり、１０重量％を越え
ると、スケールの付着が多くなり、好ましくない。

【００１１】本発明の硬表面洗浄剤には、さらに（ｄ）
成分として下記一般式（Ｉ）で表されるマレイン酸若し
くは無水マレイン酸と共重合可能な他の単量体とのコポ
リマーまたはこれらの水溶性塩を配合することが好まし
く、この（ｄ）成分の配合により、洗浄機や食器に付着
するスケールの抑制を更に発揮せしめることができる。

【化３】

【００１２】上記式（Ｉ）中において、ｎ／ｍの共重合
モル比は、１０／１〜１／１０、好ましくは、１０／２
〜２／１０であり、また、平均分子量は、５００〜１５
０，０００、好ましくは、１，０００〜１００，０００
の水溶性高分子であるものが望ましい。この（ｄ）成分
の量は、洗浄剤組成物全量中に、０．０１〜２０重量
％、好ましくは、０．１〜１０重量％配合することが望
ましい。この（ｄ）成分の量が０．０１重畳％未満で
は、更なる洗浄機や食器に付着するスケールを抑制でき
なくなり、また、２０重量％を越えると、組成物のコス
トが著しく増加し、好ましくない。

【００１３】本発明の硬表面洗浄剤中には、前記（ａ）
成分の水酸化アルカリ金属、（ｂ）成分の金属イオン封
鎖剤、（ｃ）成分のアルミニウム化合物、または、更に
配合する上記（ｄ）成分の上記一般式（Ｉ）の高分子の
他に、更に、必要に応じて、任意成分として各種界面活
性剤、酸化剤、酵素、硫酸ナトリウムや食塩などのビル
ダー、色素および香料などを適宜量含有せしめることが
できる。また、本発明の硬表面洗浄剤組成物の剤型は、
特に限定されず、例えば、液体、粉粒体、固体などのい
ずれでもよい。

【００１４】本発明の硬表面洗浄剤では、前記（ａ）成
分の水酸化アルカリ金属と、（ｂ）成分の金属イオン封
鎖剤とからなるものに、（ｃ）成分としてアルミニウム
化合物を含有せしめることにより、クリスタルグラスや
金彩食器の侵食を防止することができるので、食器類を
より分けることなく、大量の食器を自動洗浄機で洗浄で
きることとなる。また、前記（ａ）成分〜（ｃ）成分に
更に上記（ｄ）成分の上記一般式（Ｉ）の高分子を含有
せしめることにより、上記と同様にグラス、皿、トレー
等の被洗物をより分けることなく洗浄でき、しかも、水
不溶性物質であるスケールの生成を更に抑制できること
となる。

【００１５】

【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって、
更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。

【００１６】〔実施例１〜５及び比較例１〜４〕下記表
１に示す配合組成〔（ａ）成分〜（ｃ）成分の三成分含
有〕の各洗浄剤組成物を調製し、下記評価方法により、
クリスタルグラスの浸漬試験、金彩絵皿の浸漬試験を行
った。これらの評価結果を下記表１に示す。〔実施例６〜１０及び比較例５〜９〕下記表２に示す配
合組成〔（ａ）成分〜（ｄ）成分の四成分含有〕の各洗
浄剤組成物を調製し、下記方法により、クリスタルグラ
スの浸漬試験、金彩絵皿の浸漬試験および水不溶性物質
の生成付着試験を行った。これらの結果を下記表２に示
す。

【００１７】(1)クリスタルグラスの浸漬評価法あらかじめ中性洗剤で洗浄、すすぎを行い、乾燥させた
クリスタルグラス（ＨＯＹＡ社製、ハイクリスタル、直
径４８ｍｍ、高さ１０２ｍｍ、重さ約１３９ｇ）を密閉
式の６００ｍｌポリ容器に入れ、６５℃、０．１５重量
％の洗浄剤溶液を５５０ｍｌ加えてクリスタルグラスを
完全に洗浄剤溶液中に浸漬した。この浸漬し密閉した状
態で、６５℃の恒温槽に７日間放置した。７日間経過
後、浸漬している容器からクリスタルグラスを取り出
し、流水で十分にすすぎ乾燥させた。乾燥させたクリス
タルグラスを下記の評価基準で評価した。浸漬評価基準： ◎：浸漬前と同じ状態で変化ない。 ○：わずかに乳白色または乳青色を呈する。 △：一部または全体が白色に変化している。 ×：全体が著しく白色に変化している。

【００１８】(2)金彩絵皿の浸漬評価法金彩絵の付いた皿（ノリタケ社製、直径２３ｃｍ）を８
等分に切断し、さらに中心部を切断して約４０ｇの試験
片を調製した。あらかじめ中性洗剤で洗浄、すすぎを行
い、乾燥させた後、この試験片を、密閉式の６００ｍｌ
ポリ容器に入れ、６５℃、０．１５重量％の洗浄剤溶液
を５５０ｍｌ加えて試験片を完全に洗浄剤溶液中に浸漬
した。この浸漬し密閉した状態で、６５℃の恒温槽に７
日間放置した。７日間経過後、浸漬している容器から試
験片を取り出し、流水で十分にすすぎ乾燥させた。乾燥
させた試験片を下記の評価基準で評価した。評価基準： ◎：浸漬前と同じ状態で変化ない。 ○：わずかに金彩が薄くなっている。 △：金彩の一部が剥離している。 ×：金彩全体が剥離している。

【００１９】(3)水不溶性物質（スケール）の生成付着
度評価法通常の水道水（炭酸カルシウム：９０ｐｐｍ）を用い、
洗浄機のすすぎ工程と同じ洗浄剤濃度（０．０１〜０．
００１重量％）のすすぎ濃度になるように洗浄剤を溶解
してすすぎ液を調製し、１００ｍｌステンレスビーカー
に７５ｍｌ入れ、これを７０℃の高温で水を蒸発乾固し
た。イオン交換水７５ｍｌを入れて１０分間７０℃の高
温下に置いた後、その水を捨てて乾燥させるステンレス
ビーカーテスト法で水不溶性物質（スケール）生成付着
量を、下記の評価基準で評価した。評価基準： ◎：ステンレスビーカーに水不溶性物質が全く付着しな
い。 ○：ステンレスビーカーが虹色から曇った状態になる。 △：ステンレスビーカーが一部白くなる。 ×：ステンレスビーカーが全体に白くなる。

【００２０】

【表１】

【００２１】上記表１の結果から明らかなように、比較
例１〜４は従来から良く知られている硬表面洗浄剤組成
物であるが、明らかに皿の金彩模様やクリスタルグラス
を侵食することが判る。これに対して、本発明範囲とな
る実施例１〜５に示したアルミン酸ナトリウムや水酸化
アルミニウムなどアルミニウム化合物を添加した本発明
の硬表面洗浄剤組成物は、食器の金彩模様やクリスタル
グラスの侵食が全く見られないことが判った。

【００２２】

【表２】

【００２３】上記表２の結果から明らかなように、比較
例５〜６の組成では皿の金彩模様やクリスタルグラスを
侵食しないが、すすぎ槽に相当する部分では水不溶性物
質（スケール）が多く付着することが判った。また、比
較例７〜９の組成では、水不溶性物質はないものの、明
らかに皿の金彩模様やクリスタルグラスを侵食すること
が判った。これに対して、本発明範囲となる実施例６〜
１０に示したアルミン酸ナトリウムや水酸化アルミニウ
ムなどのアルミニウム化合物を含有し、更に（ｄ）成分
の上記一般式（Ｉ）の特定高分子を含有せしめると、皿
の金彩模様やクリスタルグラスの侵食が全く見られず、
しかも、スケールといわれる水不溶性物質の付着も少な
い硬表面洗浄剤が得られることが判った。

【００２４】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、クリスタルグ
ラスや金彩食器の侵食を確実に防止することができるの
で、食器類をより分けることなく、大量の食器を自動洗
浄機で洗浄することができる硬表面洗浄剤組成物が提供
される。また、請求項２の発明によれば、上述の食器類
をより分けることなく、大量の食器を自動洗浄機で洗浄
することができると共に、使用水などに含有される多価
金属イオンと洗浄成分または空気中の炭酸ガスとから生
成する水不溶性物質（スケール）が、洗浄、すすぎ、乾
燥などの工程で、自動洗浄機や食器類に付着、残留する
ことを抑制できる硬表面洗浄剤組成物が提供される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ１１Ｄ 7/32 Ｃ１１Ｄ 7/32 // Ｃ１１Ｄ 3/37 3/37 (72)発明者城保東京都墨田区両国１丁目８番４号ライオンハイジーン株式会社内Ｆターム(参考） 4H003 BA01 BA09 BA12 DA05 DA17 DA19 EA09 EA12 EA21 EA25 EB15 EB32 ED02 FA07

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）水酸化アルカリ金属５〜６０重量
％と、（ｂ）金属イオン封鎖剤５〜５０重量％と、
（ｃ）アルミニウム化合物０．０１〜１０重量％とを含
有することを特徴とする硬表面洗浄剤組成物。
【請求項２】さらに、（ｄ）成分として、下記一般式
（Ｉ）で表されるマレイン酸若しくは無水マレイン酸と
共重合可能な他の単量体とから得られるコポリマー又は
その水溶性塩を含有する請求項１記載の硬表面洗浄剤組
成物。【化１】