JPH08176589A

JPH08176589A - 硬表面洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH08176589A
Application number: JP32636894A
Authority: JP
Inventors: Shoichi Miyano; 正一宮野; Isamu Nakashige; 勇中重
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1994-12-27
Filing date: 1994-12-27
Publication date: 1996-07-09

Abstract

(57)【要約】【目的】金属、ガラス、陶磁器、プラスチック等の硬
表面の汚れを容易に除去する優れた洗浄性能を有すると
ともに、あらゆる食器類への悪影響なしに、優れたスケ
−ル付着抑制能を有する、特に洗浄機を利用した洗浄に
好適に使用される硬表面洗浄剤組成物を提供することを
目的とする。【構成】（ａ）水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及
びケイ酸アルカリ金属塩から選ばれる１種以上のアルカ
リ剤０．５〜５０ｗｔ％と、（ｂ）マレイン酸若しくは
無水マレイン酸と共重合可能な他のモノマ−とのコポリ
マ−又はその水溶性塩０．５〜３０ｗｔ％を含有するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属、ガラス、陶磁
器、プラスチック等の硬表面の汚れを容易に除去するこ
とを可能とする洗浄剤に係り、特に洗浄機を利用した洗
浄に好適に使用される洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、人手不足、労働環境の整備、衛生
管理の充実等の観点から、ホテル、レストラン、給食セ
ンタ−等の厨房では、自動食器洗機が急速に普及してい
る。また、食器洗浄剤分野においては、生活様式の変
化、食生活の欧米化に伴い、メニュ−も多様化してお
り、食器の汚れも増加傾向にある。更に、使用される食
器類も、金彩模様を配したもの、クリスタルグラス、銀
製食器、アルミニウム製食器等様々である。

【０００３】従来、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面
活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤を主成分
とした洗浄剤が、手洗いによる食器洗いに使用されてい
た。しかし、これらの洗浄剤は、洗浄能及び起発性に優
れているが、食器洗浄器に用いた場合には、洗浄液を供
給するポンプ中に多量の泡が発生して、ポンプの運転に
支障を与えたり、被洗物に対する噴霧力が弱くなり、十
分な洗浄能が発揮されないという欠点がある。併せて、
濯ぎに多量の水と時間を要するため、経済性に欠けると
いう問題もある。

【０００４】このような従来の洗浄剤の問題点を考慮
し、洗浄機に好適に使用される、硬表面付着汚れを除去
するための洗浄剤として、トリポリ燐酸塩、ケイ酸塩、
苛性カリ、次亜塩素酸塩、及び水から成る液体洗浄剤
（特開昭６２−５０３９９号公報）、苛性アルカリ、ト
リポリ燐酸ナトリウム、ケイ酸塩、及び高分子物質を含
有する洗浄剤（特開昭６３−３７８３８号公報）、苛性
アルカリ及び２−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸塩等か
ら成る洗浄剤組成物（特公平２−２７３９７号公報）、
苛性アルカリ及びニトリロトリ酢酸のアルカリ金属塩等
から成る洗浄剤組成物（特公平３−６０３５８号公
報）、苛性アルカリ、ポリアクリル酸塩、及び水から成
る自動食器洗浄機用洗浄剤（特開平４−１５２９９号公
報）、非イオン界面活性剤、キレ−ト剤及び酵素から成
る自動食器洗浄機用洗浄剤組成物（特開平４−７２３９
８号公報、特開平４−７２３９７号公報）等が報告され
ている。

【０００５】しかしながら、これらの洗浄剤は、（１）
食器に付着する食物由来の汚染物を洗浄機だけで簡単に
除去することが出来ない、（２）グラス類の侵食及び白
化が生じ、また陶磁器を彩る模様の剥落が生ずる、
（３）アルミニウム製食器、容器等の腐食が生ずる、
（４）洗浄機へのスケ−ル付着が生ずる等の問題があ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされ、金属、ガラス、陶磁器、プラスチック等の
硬表面の汚れを容易に除去する優れた洗浄性能を有する
とともに、あらゆる食器類への悪影響なしに、優れたス
ケ−ル付着抑制能を有する、特に洗浄機を利用した洗浄
に好適に使用される硬表面洗浄剤組成物を提供すること
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の硬表面洗浄剤組成物は、（ａ）水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム及びケイ酸アルカリ金属塩から
選ばれる１種以上のアルカリ剤０．５〜５０ｗｔ％と、
（ｂ）下記一般式（Ｉ）で表わされる、マレイン酸若し
くは無水マレイン酸と共重合可能な他のモノマ−とのコ
ポリマ−又はその水溶性塩０．５〜３０ｗｔ％を含有す
ることを特徴とする硬表面洗浄剤組成物を提供する。

【０００８】

【化２】

【０００９】（式中、Ｒ₁、Ｒ₂、Ｒ₃、Ｒ₄は、水
素、炭素数１〜５のアルキル基、フェニル基、アルコキ
シル基、又はカルボキシル基を示し、Ｍは、水素、アル
カリ金属又は有機アミンであり、ｘ／ｙ（モル比）＝１
／１０〜１０／１で、平均分子量は、１，０００〜１０
０，０００である。）以下、本発明の硬表面洗浄剤組成物を構成する各成分に
ついて、詳細に説明する。

【００１０】本発明の硬表面洗浄剤組成物の（ａ）成分
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びケイ酸アル
カリ金属塩からなる群から選ばれる少なくとも１種のア
ルカリ剤である。ケイ酸アルカリ金属塩としては、メタ
ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、オルソケイ酸
ナトリウム等が好適に用いられる。

【００１１】（ａ）成分としては、水酸化ナトリウム及
び水酸化カリウムの少なくともいずれか一方と、ケイ酸
アルカリ金属塩とからなるものであることが好ましい。

【００１２】（ａ）成分の配合量は、洗浄剤組成物中
に、０．５〜５０ｗｔ％であり、より好ましくは１〜３
０ｗｔ％である。（ａ）成分の配合量が０．５重量％未
満では洗浄性能が低下し、一方、５０重量％を越えると
食器類の侵食・白化等の問題を生じる場合があり、好ま
しくない。

【００１３】本発明の硬表面洗浄剤組成物の（ｂ）成分
は、上記一般式（Ｉ）で表わされる，マレイン酸若しく
は無水マレイン酸と共重合可能な他のモノマ−とのコポ
リマ−又はその水溶性塩である。上記一般式［Ｉ］にお
いて、ｘ／ｙ（モル比）＝１／１０〜１０／１、好まし
くは３／７〜７／３であり、平均分子量は、１，０００
〜１００，０００、好ましくは１，０００〜２０，００
０である（ｂ）成分の配合量は、洗浄組成物中に０．５
〜３０ｗｔ％であり、より好ましくは１〜２０ｗｔ％で
ある。（ｂ）成分の配合量が０．５重量％未満では、被
洗物の洗浄性能、仕上がり性及びスケ−ル付着抑制能が
充分ではなく、一方、３０重量％を越えるとグラス、食
器類の侵食、白化が生じ、外観の劣化を起こす場合もあ
り、好ましくない。

【００１４】本発明の硬表面洗浄剤組成物は、液体、ス
ラリ−状、粉粒体、固体等、種々の形で使用され、剤形
は特に限定されない。

【００１５】本発明の硬表面洗浄剤組成物中には、上述
の必須成分の他に、任意成分として例えばキレ−ト剤、
色素、香料、酵素、酸化剤等を、本発明の効果に悪影響
を与えない範囲で配合することが可能である。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を示し、本発
明の効果をより具体的に説明する。まず、各例の説明に
先立ち、各例で用いた試験方法について説明する。

【００１７】（１）洗浄性能洗浄機として１ドア式の業務用食器洗浄機（ＩＨＩ製，
Ｄ−６型）を用いて、（ａ）油汚れ（バタ−を塗った
皿）、及び（ｂ）蛋白汚れ（卵黄を塗った皿）につい
て、通常の洗浄条件（洗浄温度；６０℃，洗浄濃度；
０．２％，洗浄時間；４０ｓｅｃ．濯ぎ温度；８０℃，
濯ぎ時間；１５ｓｅｃ．）で洗浄し、乾燥後、下記の基
準で目視判定する。

【００１８】判定基準 ◎；汚れが完全に除去された ○；汚れが殆ど除去された △；汚れの除去が不十分である ×；汚れが殆ど除去されない（２）金彩磁器及びクリスタルグラスへの影響水道水（ＣａＯ；５０ｐｐｍ）を用い、食器洗浄条件と
同じ洗浄液（洗浄剤濃度；０．２％，洗浄温度；６０
℃）を調整し、この中に金彩磁器及びクリスタルグラス
を一週間浸漬し、表面状態の変化を下記の基準で目視判
定する。

【００１９】判定基準 ◎；全然変化なし ○；殆ど変化なし △；若干変化が認められる ×；変化が激しい（３）スケ−ル付着抑制能水道水（ＣａＯ；５０ｐｐｍ）を用い、食器洗浄機の濯
ぎ工程と同様の濃度（０．０１〜０．００１％）の洗浄
液を調製し、１００ｍｌのＳＵＳ３０４製のステンレス
ビ−カ−に入れ、８０℃温浴で蒸発乾固させ、イオン交
換水で洗浄後、スケ−ル付着量を下記の基準で目視判定
する。

【００２０】判定基準 ◎；スケ−ル付着なし ○；スケ−ル付着が殆どなし △；スケ−ル付着があり ×；スケ−ル付着が著しい（４）アルミニウムへの腐食性水道水（ＣａＯ；５０ｐｐｍ）を用い、食器洗浄条件と
同じ洗浄液（洗浄剤濃度；０．２％，洗浄温度；６０
℃）を調整し、この中にアルミニウム（株式会社テスト
パネル製；ＪＩＳ，Ｈ，４０００（Ａ５０５２Ｐ）を一
週間浸漬し、表面状態の変化を下記の基準で目視判定す
る。

【００２１】判定基準 ◎；全然変化なし ○；殆ど変化なし △；若干変化が認められる ×；変化が激しい下記表１〜表３に示す配合組成の１９種の洗浄剤組成物
を調製し、それらの特性について上記基準で評価した。
その結果を併せて表１〜表３に示す。

【００２２】

【表１】

【００２３】

【表２】

【００２４】

【表３】

【００２５】なお、上記表１〜表３に示す洗浄剤組成物
において、ｂ成分として用いた高分子物質Ａ〜Ｃは、下
記一般式（Ｉ）により表され、その具体的内容は下記表
４に示す通りである。

【００２６】

【化３】

【００２７】

【表４】

【００２８】上記表１〜表３から明らかなように、本発
明の範囲内のａ成分及びｂ成分をそれぞれ所定量含有す
る洗浄剤組成物（実施例１〜１０）は、いずれもすべて
の特性について優れた結果を示している。これに対し、
ｂ成分を含有しない洗浄剤組成物（比較例１，２，７，
８）は、洗浄性能については良好なものの、それ以外の
性能についていずれも劣っており（ただし比較例７はア
ルミニウムの腐食性については優れている）、また、ａ
成分の配合量が本発明の範囲より少ない洗浄剤組成物
（比較例３，９）は、洗浄性能について劣っていること
がわかる。

【００２９】また、ａ成分の配合量が本発明の範囲より
多い洗浄剤組成物（比較例４）及びｂ成分の配合量が本
発明の範囲より多い洗浄剤組成物（比較例５）は、被洗
物への影響及びスケ−ル付着抑制能において劣ってお
り、ｂ成分の配合量が本発明の範囲より少ない洗浄剤組
成物（比較例６）は、油汚れ、被洗物への影響及びスケ
−ル付着抑制能において劣っていることがわかる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定のアルカリ剤からなる（ａ）成分と所定の高分子物
質からなる（ｂ）成分とを所定量配合することにより、
洗浄性能に優れ、食器類の白化及び侵食がなく、スケ−
ル付着抑制能に優れ、アルミニウムの腐食性の少ない硬
表面洗浄剤組成物を得ることが可能である。かかる本発
明の硬表面洗浄剤組成物は、特に洗浄機を利用した洗浄
に好適に使用される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ１１Ｄ 7/26

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
及びケイ酸アルカリ金属塩から選ばれる１種以上のアル
カリ剤０．５〜５０ｗｔ％と、（ｂ）下記一般式（Ｉ）
で表わされる、マレイン酸若しくは無水マレイン酸と共
重合可能な他のモノマ−とのコポリマ−又はその水溶性
塩０．５〜３０ｗｔ％とを含有することを特徴とする硬
表面洗浄剤組成物。【化１】（式中、Ｒ₁、Ｒ₂、Ｒ₃、Ｒ₄は、水素、炭素数１〜
５のアルキル基、フェニル基、アルコキシル基、又はカ
ルボキシル基を示し、Ｍは、水素、アルカリ金属又は有
機アミンであり、ｘ／ｙ（モル比）＝１／１０〜１０／
１で、平均分子量は、１，０００〜１００，０００であ
る。）
【請求項２】前記アルカリ剤は、水酸化ナトリウム及び
／又は水酸化カリウムと、ケイ酸アルカリ金属塩とから
なることを特徴とする請求項１に記載の硬表面洗浄剤組
成物。