JPH09227900A

JPH09227900A - 自動食器洗浄機用洗剤

Info

Publication number: JPH09227900A
Application number: JP6553696A
Authority: JP
Inventors: Yuji Murakami; 有司村上; Mitsunobu Kobayashi; 三伸小林; Hiroshi Okumura; 浩奥村; Kosuke Torii; 浩助鳥井
Original assignee: Sunstar Inc
Current assignee: Sunstar Inc
Priority date: 1996-02-26
Filing date: 1996-02-26
Publication date: 1997-09-02

Abstract

(57)【要約】【課題】油汚れに対する洗浄力が高く、しかも硬水汚
染性が低くて洗剤容器内でのブロック生成のない自動食
器洗浄機用洗剤を得る。【解決手段】 (ａ)炭酸、炭酸水素及び硼酸のアルカリ
金属塩から選ばれた少なくとも１つの成分、(ｂ)ケイ酸
ナトリウム、(ｃ)中性無機塩類、(ｄ)非イオン界面活性
剤、(ｅ)有機キレート剤、(ｆ)高分子キレート剤、(ｇ)
酸素系漂白剤及び(ｈ)滑剤を含有した自動食器洗浄機用
洗剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動食器洗浄機に用
いられる洗剤に関する。本発明の洗剤は高い洗浄力を有
し、かつガラスの曇りの発生がない。また、本発明の洗
剤はリン酸塩が配合されておらず、河川など自然環境へ
の負荷が少ない。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動食器用洗浄機は一般家庭にも
急速に普及しつつある。このような食器洗浄機に用いら
れる洗剤では、発泡が多いと機械の作動に不都合を生じ
るため、低発泡性の界面活性剤が比較的少量配合されて
いる。したがって、このような洗剤は、洗浄力が不足し
たり、洗浄された食器に再汚染が生じるなどの恐れもあ
る。このような洗浄力の不足に対して、食器洗浄機用洗
剤では炭酸ナトリウムやケイ酸ナトリウム等のビルダー
などが配合され洗浄力を補っている。ビルダーは油によ
る再汚染を防止したり、カルシウムイオンなど水中の硬
度成分による食器や洗浄機内への付着によるシミの防止
にも必要である(耐硬水汚染性)。しかしながら、これら
のうち炭酸塩などのアルカリ剤はガラスを溶解しガラス
食器の表面を傷めて曇らせてしまうなどの問題がある。

【０００３】また、食器洗浄機用の洗剤は、米飯など食
器類に強固に付着した澱粉質汚れや、茶渋など色素汚れ
の除去のため、従来α−アミラーゼ等の澱粉分解酵素及
びジクロルイソシアヌル酸塩等の塩素系漂白剤を配合し
た有リン洗剤が主に使用されてきた。また、このような
塩素系漂白剤に対して、酵素、香料、染料等は不安定で
あるため、塩素系漂白剤に代えて酸素系漂白剤を用いた
有リン洗剤も提案されている(例えば、特開昭６０―６
０１９８号公報)。

【０００４】一方、環境問題、すなわち海水や河川、湖
沼などの水質保全の必要性から一般の洗浄剤において無
リン洗剤が主流である現在、食器洗浄機用洗剤へのリン
酸塩の使用は好ましくない。このような事情から、最近
では家庭用の自動食器洗浄機用洗剤を中心に、酸素系漂
白剤を配合した無リン洗剤が主流となっている。このよ
うな無リン洗剤で、酸素系漂白剤、無機アルカリ剤及び
キレート剤を用いたものとして、特開平１−１９８６９
９号に開示の洗剤があるが、なお硬水汚染性が充分でな
い。

【０００５】

【発明の課題及び概要】このような油汚れ、澱粉の付
着、タンパク質による汚れ、茶しぶなどの複合した食器
の汚れに対して、充分な洗浄力を有する食器洗浄機用洗
剤は未だ提案されていない。特に、近年、肉料理や揚げ
物、炒め物など油分の多い献立が増加し、油汚れも動物
性油脂と植物性油脂が共存する場合も多く、これらの複
合した油汚れを強力に処理できる洗剤が求められてい
る。このような要求を満たしつつ、自動食器洗浄機用洗
剤に従来より求められる低い硬水汚染性(ガラス食器の
曇り防止)を有し、洗剤容器内でのブロック生成(ダマ)
のない洗浄剤はこれまで知られていなかった。

【０００６】本発明者らはこのような課題を解決すべく
鋭意研究した結果、無機アルカリ剤と高分子キレート剤
を所定の比率で用い、これに酸素系漂白剤を配合した無
リン洗剤を調製することにより、特に油分に対する洗浄
能力が高く、かつ対ガラス硬水汚染性、低吸湿性を有す
る自動食器洗浄機用洗剤が得られることを見出し、本発
明を完成した。

【０００７】即ち、本発明は、(ａ)炭酸、炭酸水素及び
硼酸のアルカリ金属塩から選ばれた少なくとも１つの成
分、(ｂ)ケイ酸ナトリウム、(ｃ)中性無機塩類、(ｄ)非
イオン界面活性剤、(ｅ)有機キレート剤、(ｆ)高分子キ
レート剤、(ｇ)酸素系漂白剤及び(ｈ)滑剤を含有するこ
とを特徴とする自動食器洗浄機用洗剤を提供するもので
ある。

【０００８】また、本発明の好ましい洗剤は、前記の
(ａ)炭酸、炭酸水素及び硼酸のアルカリ金属塩から選ば
れた少なくとも１つの成分を１〜１０重量％、(ｂ)ケイ
酸ナトリウムを１〜１０重量％、(ｃ)中性無機塩類を１
５〜５０重量％、(ｄ)非イオン界面活性剤を１〜５重量
％、(ｅ)有機キレート剤を１５〜３５重量％、(ｆ)高分
子キレート剤を１〜５重量％、(ｇ)酸素系漂白剤を１５
〜４０重量％及び(ｈ)滑剤を１〜５重量％含有する。

【０００９】

【発明の詳細な記載】つぎに本発明洗浄剤の各成分につ
いて詳細に説明する。

【００１０】（ａ）炭酸、炭酸水素及び硼酸のアルカリ
金属塩本発明の洗剤の第１の成分は、炭酸、炭酸水素または硼
酸のアルカリ金属塩である。これらのうち、特に炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウムまたは硼酸ナトリウムな
どのナトリウム塩が好ましい。食器洗浄機用洗剤は機械
の作動性に配慮して低発泡性の界面活性剤を比較的少量
配合しており、アルカリ剤はこのような食器洗浄機用洗
剤の洗浄力の不足を補う。これらの塩は２種以上を混合
してよい。また、洗剤中のこれら成分の配合量は、１〜
１０重量％である。かかる成分の配合量がこれより少な
いと洗剤の洗浄力が低下する。一方、これより多いとガ
ラスを溶解してガラス食器の表面を傷めて曇らせてしま
う。

【００１１】なお、本発明の洗剤は従来の自動食器洗浄
機用洗剤に比べて、アルカリ成分の配合量が少なくガラ
ス容器の白化や濁りが防止される。

【００１２】（ｂ）ケイ酸ナトリウムケイ酸ナトリウムはＳiＯ₂／ＮaＯ₂比が１／１〜４／
１、好ましくは２／１〜２.５／１のものが用いられ
る。また、ケイ酸ナトリウムの洗剤中における配合量は
１〜１０重量％である。ケイ酸ナトリウムの配合量がこ
れより少ないと、前記成分ａと同様に洗剤の洗浄力が低
下し、また、炭酸カルシウムがガラス表面に析出しガラ
スが白化する。一方、前記範囲より多いと、余分なケイ
酸塩がガラスに付着しガラス表面が曇る。

【００１３】（ｃ）中性無機塩類中性無機塩類(ビルダー)としては、硫酸ナトリウム、硫
酸カリウム等が挙げられ、特に硫酸ナトリウムが好まし
い。中性無機塩類の配合量は洗浄剤全量に対して１５〜
５０重量％であり、２０〜３０重量％であるのが好まし
い。中性無機塩類の配合量がこれより少ないと、油によ
る再汚染の防止や、耐硬水汚染性(ガラス白化の防止)が
充分でない。一方、中性無機塩類の配合量がこれより多
いと、金属腐食の問題が生じやすい。

【００１４】このように本発明の洗剤はガラス表面を傷
める炭酸ナトリウムなどのアルカリ成分を制限し、ケイ
酸塩、中性無機塩を特定範囲で配合することにより洗浄
力の向上をはかっている。

【００１５】（ｄ）非イオン界面活性剤界面活性剤は低泡性〜無泡性の非イオン界面活性剤であ
れば特に制限はなく、例えば、プルロニック型非イオン
界面活性剤、テトロニック型非イオン界面活性剤などが
挙げられる。これら非イオン界面活性剤の配合量は１〜
５重量％である。非イオン界面活性剤の配合量がこれよ
り多くても洗浄力の向上はなく、一方、これより少ない
と著しく洗浄力が低下する。なお、非イオン界面活性剤
に加えて、さらにシリコン系消泡剤を微量添加してもよ
い。

【００１６】（ｅ）有機キレート剤有機キレート剤としては、ＮＴＡ(nitrilotriacetic ac
id)、ＥＤＴＡ(ethylene diamine tetraacetic acid)、
ＤＴＰＡ(diethylene triamine pentaacetic acid)、グ
リシン、アラニン等のアミノカルボン酸、又はその塩；
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルタミン酸、乳酸、ジ
メチロールプロピオン酸、グルコン酸等のヒドロキシカ
ルボン酸、又はその塩；ＣＭＴ(carboxymethyl tartron
ate)、ＣＭＯＳ(carboxymetyl oxysuccinate)等のエー
テルカルボン酸、又はその塩；ＣＥＴＳＡ(carboxyethy
l thiosuccinate)等のチオエーテルカルボン酸、又はそ
の塩などが挙げられる。これらのうち、グリシン、アラ
ニン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、ＣＥ
ＴＳＡ又はその塩が好ましい。塩としてはナトリウム
塩、カリウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノー
ルアミン塩、トリエタノールアミン塩が挙げられる。

【００１７】これら有機キレート剤の配合量は１５〜３
５重量％であり、好ましくは２０〜３０重量％である。
配合量がこれより少ないと、充分な洗浄力が得られな
い。また、配合量がこれより多くても、洗浄力の向上は
ない。

【００１８】これら有機キレート剤のうち、クエン酸
塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩及びＣＥＴＳＡ塩の中から選
ばれた１種以上のキレート剤５〜１５重量％と、グルコ
ン酸塩１０〜２０重量％とを併用するのが特に好まし
い。また、塩としてはナトリウム塩が好ましい。

【００１９】（ｆ）高分子キレート剤高分子キレート剤としては、アクリル酸、メタクリル
酸、無水マレイン酸、α−ヒドロキシアクリル酸、イタ
コン酸の重合体、又はそれらの共重合体及びこれらの
塩、デンプン、セルロースあるいは、その他分子中に酸
素原子を含む天然のポリマーを酸化、カルボキシメチル
化、カルボキシル基を導入した化合物、又はその塩が挙
げられる。これらのうち、アクリル酸、無水マレイン酸
の重合体、共重合体、又はその塩が好ましい。塩として
はナトリウム塩、カリウム塩、モノエタノールアミン
塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩が
挙げられる。これら高分子キレート剤の配合量は洗剤中
１〜５重量％である。高分子キレート剤の配合量がこれ
より少ないと、ガラス表面に曇りが生じて防止効果が低
下し、一方、これより多いと洗剤の吸湿性が高くなり、
保存中に凝固してダマを生ずる。

【００２０】（ｇ）酸素系漂白剤漂白剤としては、配合した酵素や香料の安定性を考慮し
て酸素系漂白剤を用いる。かかる漂白剤としてはアルカ
リ金属の過硼酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩等、水溶液中で
過酸化水素を発生する過酸化物が挙げられる。これら過
酸化水素付加体のうち、過硼酸ナトリウム、過炭酸ナト
リウム、過硫酸カリウムが好ましい。これら成分の配合
量は洗浄剤全量中、１５〜４０重量％、好ましくは２０
〜３０重量％である。酸素系漂白剤の配合量がこれより
少ないと、漂白効果が充分でない。また、これより多い
と漂白性能は向上するが酵素等への悪影響がある。

【００２１】（ｈ）滑剤滑剤としてはシリカ粉が好ましく、無水ケイ酸、例えば
商品名Nipsil(日本シリカ社製)等が特に好ましい。滑剤
の配合量は１〜５重量％である。滑剤の配合量がこれよ
り少ないと洗剤の凝固を充分に防止することができず、
一方、これより多いと洗浄後に白い粉末が残る。

【００２２】（ｉ）その他の成分なお、米飯汚れに対する洗浄性の向上のため、アミラー
ゼを配合するのが好ましい。アミラーゼとしては、Baci
llus licheniformis菌から得られたアミラーゼが好まし
い。

【００２３】また、タンパク質汚れに対する洗浄力を向
上させるため、プロテアーゼを配合するのが好ましい。

【００２４】本発明の洗浄剤組成物は、常法に従い粉状
又は粒状の各成分を乾式混合し、次に液体成分を混合す
ることにより乾燥粉粒状物の形態に製造することができ
る。

【実施例】つぎに本発明を実施例に基づき更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。

【００２５】［実施例１〜５及び比較例１〜６］常法に
従い、下記の表１に示す組成物を調製した。得られた洗
剤の洗浄力、漂白力、硬水汚染性及び吸湿性を下記の条
件及び方法にしたがって評価した。結果を表１に合わせ
示す。

【００２６】洗浄・漂白条件使用洗浄機：松下電器(株)製自動食器洗い機(機種ＮＰ
−600) 洗浄温度：５℃から６０℃まで徐々に昇温する。

【００２７】洗浄用水：硬度３.５ＤＨの水洗剤濃度：０.１８％洗浄時間：洗浄行程２０分、すすぎ行程２５分洗浄時の循環水量：２.７リッター洗浄力動物性油脂の場合は牛脂２０ｇ、植物性油脂の場合はサ
ラダ油(日清製)１０ｇを洗浄機に入れ、洗浄行程終了後
の排水を採取し、４４０ｎｍ吸光度を測定して実施例１
の結果を１００点(満点)として換算した。

【００２８】漂白力紅茶汚染布を作製して、これをテストピースとした。す
なわち、沸騰水(５００ｃｃ)に４袋のティーバッグ(リ
プトン製)を入れ１０分間抽出した。これに綿金巾３号
(１００ｍｍ×１５０ｍｍ)２５枚を６０秒間浸漬した。
このようにして得られた紅茶汚染布を引き上げて治具に
吊り下げ５分間液切りを行い、ついで８０℃にて３０分
間乾燥した。この紅茶汚染布３枚をテストピースとし
て、各洗剤を用いて洗浄を行った。洗浄後のテストピー
スの反射率を測色色差計(日本電色製)を用いて測定し、
これから洗浄率を算出した。実施例１の洗浄率を１００
点(満点)として他の洗剤の結果を換算、表示した。

【００２９】硬水汚染性グラスに２００ppmの塩化カルシウムを含有する人工硬
水を入れ、これに最終濃度が０.２％となるよう洗剤を
加えて溶解させた後、６０℃雰囲気に５時間放置し、室
温まで放冷、グラスの水を捨て、水道水で軽く１回すす
ぎ、グラスを乾燥させ、白化、濁りの有無を目視で判断
した。

【００３０】吸湿による凝固性２０℃、６５％ＲＨ雰囲気下、ＰＰ板上に１０ｇの洗剤
を広げ、２４時間放置後ＰＰ板を静かに垂直に立て洗剤
を落とし、ＰＰ板上から落ちた洗剤の重量を測定し、実
施例１の重量を１００点(満点)として換算した。

【００３１】

【表１】

【００３２】表１より明らかなように、実施例１〜５の
洗剤に対し各々所定の成分を欠いたり(表１中の△で示
す)、あるいは成分範囲を逸脱した比較例１〜６の洗剤
は、食器洗浄機用洗剤に所要の効果が得られない。

【００３３】

【発明の効果】本発明の洗剤は、自動食器洗浄機用洗剤
の基本性能である動物性油脂や植物性油脂に対する洗浄
力、食器に沈着した色素に対する漂白力、ガラス食器に
対する優れた耐硬水汚染性を有し、しかも吸湿による凝
固が起こらず自動食器洗浄機用の洗剤組成物として実用
的な価値が高い。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】 (ａ)炭酸、炭酸水素及び硼酸のアルカリ
金属塩から選ばれた少なくとも１つの成分、(ｂ)ケイ酸
ナトリウム、(ｃ)中性無機塩類、(ｄ)非イオン界面活性
剤、(ｅ)有機キレート剤、(ｆ)高分子キレート剤、(ｇ)
酸素系漂白剤及び(ｈ)滑剤を含有することを特徴とする
自動食器洗浄機用洗剤。
【請求項２】（ａ）炭酸、炭酸水素及び硼酸のアルカリ金属塩から選ばれた少なくとも１つの成分１〜１０重量％（ｂ）ケイ酸ナトリウム１〜１０重量％（ｃ）中性無機塩類１５〜５０重量％（ｄ）非イオン界面活性剤１〜５重量％（ｅ）有機キレート剤１５〜３５重量％（ｆ）高分子キレート剤１〜５重量％（ｇ）酸素系漂白剤１５〜４０重量％（ｈ）滑剤１〜５重量％を含有してなる請求項１の自動食器洗浄機用洗剤。