JP2000344821A - オレフィン重合用触媒 - Google Patents

オレフィン重合用触媒

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JP2000344821A
JP2000344821A JP11154013A JP15401399A JP2000344821A JP 2000344821 A JP2000344821 A JP 2000344821A JP 11154013 A JP11154013 A JP 11154013A JP 15401399 A JP15401399 A JP 15401399A JP 2000344821 A JP2000344821 A JP 2000344821A
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Japan
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catalyst
compound
transition metal
acid
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JP11154013A
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English (en)
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Kenichi Ishizaki
謙一 石崎
Akira Washimi
章 鷲見
Kaoru Kimura
馨 木村
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極性モノマーに由来する構成単量体単位の含
有率が高い共重合体を効率よく製造することができるオ
レフィン重合用触媒を提供する。 【解決手段】 置換基を有することもあるアミノメチル
基をピリジン環の窒素に隣接する炭素に置換基として有
するピリジン誘導体、周期表第8〜10族の遷移金属含
有化合物及び活性化成分を必須の成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合用
触媒、特にオレフィンと極性モノマーの共重合用触媒、
すなわちエチレン等のオレフィンとアクリル酸メチル等
の極性モノマーを効率よく共重合することができる触媒
に関し、詳しくは特定のピリジン誘導体、周期表第8〜
10族の遷移金属含有化合物及び活性化成分からなるオ
レフィン重合用触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にポリオレフィンは優れた性質を有
する高分子であるが、接着性、印刷性、染色性に劣って
いる。そこでポリオレフィンが有する上記欠点を改良す
るため、オレフィンに極性モノマーを共重合させること
が種々考えられている。この様な共重合用触媒としてル
イス酸化合物が開示されている(特公昭49−2331
7号公報)。しかしルイス酸化合物は共重合活性が充分
でなく、共重合体の組成を任意に制御できないという欠
点を有するものであり、多量に使用することによりある
程度共重合活性を発揮させることは出来るが(特開昭5
9−43003号公報、特開昭60−262807号公
報、特開昭61−278508号公報)、製品が夾雑物
を多く含むものになるという問題点をも有するものであ
る。
【0003】クロム系触媒も知られているが(特開昭6
1−278508号公報、特開平1−282204号公
報)、クロム系触媒は、有毒なクロム化合物を含有して
いること、不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単
量体単位の含有率が高い共重合体が得られ難いという問
題点を有するものである。
【0004】一方、カチオン性の金属錯体もオレフィン
の重合触媒として古くから知られている。例えば、周期
表第4族の遷移金属化合物、テトラフェニルほう酸トリ
エチルアンモニウム等の配位錯体(特開平4−3095
08号公報)、嵩高いジイミン配位子とカウンターアニ
オンとしてテトラアリールボレートを有するパラジウム
錯体( J.Am.Chem.Soc.,118 , p 267 (1996))などが提
案されている。しかし、これらの重合触媒は、オレフィ
ン・極性モノマーの共重合に利用した場合、得られる共
重合体が極性モノマーに由来する構成単量体単位の含有
率が高いものが得難く、充分な活性を有しているものと
はいえない。
【0005】またオレフィン・極性モノマーの共重合触
媒として、ルイス酸又はイオン化イオン性化合物及び周
期表第8族、第9族又は第10族の遷移金属化合物から
なる触媒(特開平9−302018号公報)、ロジウム
化合物とアリールホウ素化合物からなる触媒(特開平1
0−298231号公報)等も提案されているが、これ
らの触媒も、共重合体中の極性モノマーに由来する構成
単量体単位の含有率を高いものにするには不充分なもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極性モノマ
ーに由来する構成単量体単位の含有率が高いオレフィン
・極性モノマー共重合体を効率よく製造することができ
る重合用触媒を求めるべく検討を行ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の方法
における上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、置
換基を有することもあるアミノメチル基をピリジン環の
窒素に隣接する炭素に置換基として有するピリジン誘導
体、周期表第8〜10族の遷移金属含有化合物及び活性
化成分からなることを特徴とする触媒が、オレフィンと
極性モノマーを効率よく共重合し、極性モノマーに由来
する構成単量体単位の含有率が高い共重合体を与えるも
のであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の触媒を構成する第一の成分は、置換基を
有することもあるアミノメチル基をピリジン環の窒素に
隣接する炭素に置換基として有するピリジン誘導体であ
る。該ピリジン誘導体は、例えば下記式1に示される構
造を有するものである。
【化1】 式1において−NR1R2が置換基を有することもあるアミ
ノメチル基であり、 R 1及びR2は水素原子又は有機基を
表すものである。R1、R2の両方が水素原子のときがアミ
ノメチル基であり、 R1、R2の一方または両方がメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等のアルキル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロア
ルキル基、フェニル基等のアリール基、o−トリル基、
p−トリル基、メシチル基、2,4,6−トリ−t−ブ
チルフェニル基等のアルキルアリール基、ベンジル基等
のアリールアルキル基、メトキシエチル基、p−メトキ
シフェニル基等の含酸素炭化水素基、トリフルオロメチ
ル基、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニ
ル基等のハロゲン置換炭化水素基、トリメチルシリル
基、トリブチルシリル基等のシリル基、メトキシ基、エ
トキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基
等のアリールオキシ基、o−トリルオキシ基、p−トリ
ルオキシ基等のアルキルアリールオキシ基、ベンジルオ
キシ基等のアリールアルキルオキシ基等であるときが、
置換基を有するアミノメチル基である。またR1及びR2
それぞれ同一でも異なっていてもよく、原子の一部が脱
離したものどうしが共有結合した形で相互に連結して環
を形成していてもよい。式1におけるR3、R4、R5及びR6
は、任意のものであり、 R1、R2と同様に水素原子又は
有機基を表すものであり、有機基も上記と同様であり、
またR3、R4、R5及びR6もそれぞれ同一でも異なっていて
もよく、原子の一部が脱離したものどうしが共有結合し
た形で相互に連結して環を形成していてもよい。
【0009】本発明におけるピリジン誘導体は、R1及び
R2の少なくとも1個がイソプロピル基、t−ブチル基、
シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、
アリールアルキル基等の嵩高い基であるものが好まし
い。そのようなピリジン誘導体から得られる触媒は重合
活性が高く、共重合体が分子量の大きいものになりやす
いためである。 R1及びR2が上記の様な嵩高い基でない
ときは、 R5及びR6 の少なくとも1個が嵩高い基である
ことが好ましい。また、R1及びR2の少なくともどちら
か一方が水素原子であるピリジン誘導体は、得られる触
媒が重合活性の高いものになるために好ましい化合物で
ある。
【0010】上記ピリジン誘導体の具体例は、2−(ア
ミノメチル)ピリジン、2−(メチルアミノメチル)ピ
リジン、2−(エチルアミノメチル)ピリジン、2−
(イソプロピルアミノメチル)ピリジン、2−(アミノ
メチル)−5−メチルピリジン、2−(イソプロピルア
ミノメチル)−5−メチルピリジン、2−(アミノメチ
ル)−5−t−ブチルピリジン、2−(イソプロピルア
ミノメチル)−5−t−ブチルピリジン、2−(アミノ
メチル)−4−(トリメチルシリル)ピリジン、2−
(イソプロピルアミノメチル)−4−(トリメチルシリ
ル)ピリジン、2−(アミノメチル)キノリン、2−
(イソプロピルアミノメチル)キノリン、1−(アミノ
メチル)イソキノリン、1−(イソプロピルアミノメチ
ル)イソキノリン、3−(アミノメチル)イソキノリ
ン、3−(イソプロピルアミノメチル)イソキノリン等
である。
【0011】本発明の触媒を構成する第二の成分は、周
期表第8〜10族の遷移金属含有化合物(以下、単に遷
移金属化合物という。)であり、たとえば下記式2で代
表される化合物であり、第一の成分のアミノメチル基を
有するピリジン誘導体と反応して錯体を形成すると考え
られるものである。 MX12n (2) 上記式2において、Mは周期表第8〜10族の遷移金属
原子を表し、具体的にはルテニウム、コバルト、ロジウ
ム、ニッケル、パラジウム等を表す。X1及びX2は水素
原子又は周期表第14〜17族の元素によってMと結合
する有機基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い。Lは中性配位子を表し、nは1又は2である。遷移
金属化合物の中では遷移金属原子がニッケルまたはパラ
ジウムであるものが、得られる触媒がオレフィン・極性
モノマーの共重合性の特に優れたものであるために好ま
しいものである。
【0012】周期表第14〜17族元素によって遷移金
属原子Mと結合する有機基X1及びX 2としては以下のよ
うな例がある。第14族元素によって遷移金属原子と結
合する基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール
基、o−トリル基、p−トリル基、メシチル基等のアル
キルアリール基、ベンジル基等のアリールアルキル基、
トリメチルシリル基、トリブチルシリル基、トリフェニ
ルシリル基等のシリル基等である。第15族元素によっ
て遷移金属原子と結合する基の例はアミド基、ジメチル
アミド基、ジフェニルアミド基等のアミド基等である。
第16族元素によって遷移金属原子と結合する基の例は
ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ
基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、ベンジルオキ
シ基等のアリールアルキルオキシ基、メルカプト基、メ
チルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基、フェニ
ルチオ基等のアリールチオ基、ベンジルチオ基等のアリ
ールアルキルチオ基等である。第17族元素によってM
と結合する基の例はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子等である。これらの基の中では遷移金属原子
と結合する基が塩素原子又は臭素原子であるものが、遷
移金属化合物の安定性に由来する取扱いやすさと触媒生
成の反応性のよさのバランスが良好であるために好まし
いものである。X1及びX2はそれぞれ同一でも異なって
いてもよく、またX1及びX2が有する原子の一部が脱離
したもの同士が共有結合した形で互いに連結されていて
もよい。後者の例は、X1及びX2が一体となって、テト
ラエチルエチレンジアミド基を形成しているもの等であ
る。
【0013】遷移金属化合物としては、X1及びX2の一
方がハロゲン原子であり、他方がアルキル基であるもの
が、触媒製造が容易であるため及び得られた触媒が重合
活性の高いものであるために特に好ましい化合物であ
る。
【0014】中性配位子であるLの具体例は、芳香族化
合物、オレフィン化合物、一酸化炭素、エチレンジアミ
ン、ベンゾニトリル、環状ジエン化合物等である。中性
配位子としては1,5−シクロオクタジエン、ノルボル
ナジエン等の環状ジエン化合物、ベンゾニトリル等が、
遷移金属化合物の安定性に由来する取扱いやすさと触媒
生成の反応性のよさのバランスが良好であるために好ま
しいものである。
【0015】本発明の触媒を構成する第三の成分である
活性化成分は、ピリジン誘導体と遷移金属化合物、これ
らは反応して化合物、特には錯体を形成していると思わ
れるものと併用されて本発明触媒の触媒活性を向上させ
るものである。ピリジン誘導体と遷移金属化合物、また
はそれらから得られる化合物又は錯体は単独では触媒と
して充分な活性を発現しないが、本発明の活性化成分
は、それらと併用されて要求される触媒活性を実現させ
るものである。
【0016】活性化成分として具体的には、ルイス酸、
非配位性のアニオンを有するイオン対型化合物、有機ア
ルミニウムオキシ化合物、アルキルボロン酸誘導体等が
挙げられ、以下これらについて説明する。ルイス酸とし
ては、例えばBR3(Rはフッ素原子、メチル基、トリ
フルオロメチル基等の置換基を有していてもよいフェニ
ル基又はフッ素原子である。)で表される化合物が挙げ
られ、その具体例はトリフルオロボロン、トリフェニル
ボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリ
ス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4
−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロ
ン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジ
メチルフェニル)ボロン等である。これらのルイス酸
は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を
併用することもできる。
【0017】非配位性のアニオンを有するイオン対型化
合物としては、例えば下記式3で表される化合物が挙げ
られる。 [Y]+[Z]- (3) 式3において、[Y]+は、プロトン、カルベニウムイ
オン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、オキ
ソニウムイオン、スルホニウムイオン、フェロセニウム
イオン、Ag(I)等のカチオンであり、[Z]-は、
テトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、テトラキス(ビストリフルオロメ
チルフェニル)ボレート、テトラフルオロボレート、ヘ
キサフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、
過塩素酸アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン等
の非配位性のアニオンである。
【0018】式3で表される非配位性のアニオンを有す
るイオン対型化合物の具体例は、ジメチルアニリニウム
テトラフェニルボレート、ジメチルアニリニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ビストリフルオロメチル)フェ
ニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニ
ルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベ
ニウムテトラキス(ビストリフルオロメチル)フェニル
ボレート、フェロセニウムテトラフェニルボレート、フ
ェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテ
トラフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラ
キス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレー
ト、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテ
トラフェニルボレート、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラフェニルボレート、ナトリウムテトラキス(3,
5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、Ag
(I)テトラフェニルボレート、Ag(I)テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、下記式4で表さ
れるホウ素化合物等である。
【0019】
【化2】 上記式4において、Etはエチル基を表す。上記の様な
非配位性のアニオンを有するイオン対型化合物は、1種
を単独で使用することもできるし、2種以上を併用する
こともできる。
【0020】有機アルミニウムオキシ化合物としては、
従来公知のアルミノオキサン、ベンゼン不溶性の有機ア
ルミニウムオキシ化合物等が挙げられる。上記の従来公
知のアルミノオキサンの具体例としては下記式5及び式
6で表される化合物が挙げられる。
【0021】
【化3】 上記式5及び式6において、R7はメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等の炭化水素基であり、好ま
しくはメチル基、エチル基であり、更に好ましくはメチ
ル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
い。mはゼロまたは正の整数であり、好ましくは5〜4
0の整数である。
【0022】上記の式5及び式6における(OAl
(R7))で表わされるアルキルオキシアルミニウム単
位は、すべての繰り返し単位について同一でなくても差
し支えなく、アルミノオキサンの一分子中に複数種のR
7が含まれていてもよい。
【0023】上記のアルミノオキサンは、例えば下記の
ような方法によって製造され、通常有機溶媒の溶液とし
て調製される。第一の方法は、吸着水又は結晶水を含有
する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物等を芳香族炭化水素溶媒中に懸濁
させ、その中へトリアルキルアルミニウム等の有機アル
ミニウム化合物を添加して反応させて、生成したアルミ
ノオキサンを芳香族炭化水素溶媒の溶液として回収する
方法である。第二の方法は、ベンゼン、トルエン、エチ
ルエーテル、テトラヒドロフランなどの溶媒中でトリア
ルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直
接水(水、氷又は水蒸気)を作用させて生成したアルミ
ノオキサンを溶液として回収する方法である。
【0024】アルミノオキサンを製造する際に用いられ
る有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミ
ニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
−sec−ブチルアルミニウム、トリ−tert−ブチ
ルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキ
シルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデ
シルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、
トリシクロオクチルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、
ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアル
ミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアル
キルアルミニウムハイドライド、ジメチルアルミニウム
メトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド等のジア
ルキルアルミニウムアルコキシド、ジエチルアルミニウ
ムフェノキシド等のジアルキルアルミニウムアリーロキ
シド等が挙げられる。使用する有機アルミニウム化合物
としては、トリアルキルアルミニウムが、反応性が良
く、入手が容易であるために好ましい化合物である。こ
れらの有機アルミニウム化合物は、1種を単独で使用す
ることもできるし、2種以上を併用することもできる。
【0025】ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物は、例えばアルミノオキサンの溶液と水または活
性水素含有化合物とを接触させる方法、又は上記のよう
な有機アルミニウム化合物と水とを接触させる方法等に
よって得ることができる化合物である。
【0026】上記ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物としては、該化合物を赤外分光法(IR)に
よって解析した場合に、1220cm-1付近における吸
光度(D1220)と1260cm-1付近における吸光度
(D1260)との比(D1260/D 1220)が0.09以下で
あるものが好ましく、0.08以下であるものが更に好
ましく、0.04〜0.07の範囲にあるものが最も好ま
しい。
【0027】上記ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物は、下記式7で表されるアルキルオキシアル
ミニウム単位を有すると推定される。
【化4】
【0028】式7において、R8は炭素数1〜12の炭
化水素基である。このような炭化水素基の具体例はメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオク
チル基等である。ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物としては、該化合物中に有する炭化水素基が
メチル基又はエチル基である場合には、反応性が高いた
めに好ましい化合物であり、特にメチル基である場合
は、より反応性が高いために好ましい化合物である。
【0029】このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物は、上記式7で表わされるアルキルオキシア
ルミニウム単位の他に、下記式8で表わされるオキシア
ルミニウム単位を含有していてもよい。
【化5】
【0030】式8において、R9は炭素数1〜12の炭
化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜
20のアリールオキシ基、水酸基、ハロゲン原子又は水
素原子である。R9が炭素数1〜12の炭化水素基であ
る場合には、R8とは異なる種類の炭化水素基を表す。
【0031】上記の有機アルミニウムオキシ化合物は、
アルキルアルミニウムオキシ単位を30モル%以上有す
るものが、触媒が高活性なものとなるために好ましく、
50モル%以上有するものは、より高活性なものとなる
ために更に好ましく、70モル%以上有するものは、特
に高活性なものとなるために最も好ましい化合物であ
る。
【0032】なお本発明で用いられる有機アルミニウム
オキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機
化合物成分を含有していてもよい。また上記の有機アル
ミニウムオキシ化合物は1種を単独で使用することもで
きるし、2種以上を併用することもできる。
【0033】アルキルボロン酸誘導体としては、下記式
9で表される化合物等が挙げられる。
【化6】 上記式9において、R10は炭素数1〜10の炭化水素基
を表す。R11は水素原子、ハロゲン原子、シロシキ基、
低級アルキル基置換シロキシ基又は炭素数1〜10の炭
化水素残基を表し、同一分子内に複数個あるR11はそれ
ぞれ同一でも異なっていてもよい。上記アルキルボロン
酸誘導体は1種を単独で使用することもできるし、2種
以上を併用することもできる。
【0034】式9で表されるアルキルボロン酸誘導体
は、下記式10で表されるアルキルボロン酸と有機アル
ミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下において、不
活性溶媒中で反応させることにより製造することができ
る。通常反応温度は−80℃〜室温、反応時間は1分間
〜24時間の範囲で製造することができる。 R10−B(OH)2 (10) 上記式10において、R10は炭素数1〜10の炭化水素
基を表す。
【0035】式10で表されるアルキルボロン酸の具体
例は、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピル
ボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン
酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シク
ロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフ
ルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸及び
3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸
等である。アルキルボロン酸としては、メチルボロン
酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニル
ボロン酸又はペンタフルオロフェニルボロン酸が、触媒
を高活性なものとするために好ましい化合物である。
【0036】このようなアルキルボロン酸と反応させる
上記有機アルミニウム化合物の例は、下記式11〜式1
3で表される有機アルミニウム化合物等である。 (R113-nAlXn (11) (R113-nAl(−O−Si(R123n (12) (R112Al−O−Al(R112 (13) 上記式11〜式13において、Xは水素原子又はハロゲ
ン原子を表し、R11は水素原子、ハロゲン原子、シロシ
キ基、低級アルキル基置換シロキシ基又は炭素数1〜1
0の炭化水素残基を表し、R12は水素原子、ハロゲン原
子又は炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、nは0〜
2の整数を表す。同一分子内に複数個あるR11及びR12
はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0037】式11〜式13で表される有機アルミニウ
ム化合物の具体例は、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リデシルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウ
ム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプレニ
ルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムモノク
ロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、メチ
ルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセ
スキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のアル
キルアルミニウムハライド、ジメチルアルミニウムハイ
ドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソ
ブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニ
ウムハイドライド、ジメチルアルミニウム(トリメチル
シロキシド)、ジエチルアルミニウム(トリメチルシロ
キシド)等のアルキルアルミニウムシロキシド、テトラ
イソブチルアルモキサン、テトラエチルアルモキサン等
のテトラアルキルアルモキサン等である。式11〜式1
3で表される有機アルミニウム化合物としては、トリメ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメ
チルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウム
クロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等
が、触媒を高活性なものとするために好ましい化合物で
あり、有機アルミニウム化合物としては、トリメチルア
ルミニウム又はトリイソブチルアルミニウムが、触媒を
より高活性なものとするために更に好ましい化合物であ
る。上記の有機アルミニウム化合物は、1種を単独で使
用することもできるし、2種以上を併用することもでき
る。
【0038】本発明触媒は、上記した三成分からなるも
のであり、それらを単に混合して(一部は自然に反応し
ていると思われるが)触媒として用いることができる
が、効果のすぐれた触媒とするには、単なる混合でも一
部は反応していると思われる三者を積極的に反応させて
得られたものを触媒とするのが好ましい。すなわち、式
2で表される遷移金属化合物のX1及びX2の少なくとも
どちらか一方がアルキル基である場合には、前記3成分
すなわちピリジン誘導体、遷移金属化合物及び活性化成
分を以下に例示する方法で反応させて触媒とするのが好
ましい。
【0039】第一の方法は、まず、ピリジン誘導体と遷
移金属化合物を反応媒体中で反応させて化合物又は錯体
を得、次に、得られた化合物又は錯体と活性化成分を反
応させて、触媒を得るという方法である。このときの反
応温度は通常−40〜120℃であり、好ましくは−2
0〜80℃である。各工程の反応時間はそれぞれ通常5
分間〜100時間であり、好ましくは30分間〜10時
間である。第二の方法は、上記3成分を同時に、第一の
方法と同様の反応条件下で反応させる方法である。
【0040】上記反応に使用できる媒体としてはヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオ
イル、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水
素、クロロホルム、メチレンクロリド、ジクロロエタ
ン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げら
れる。
【0041】また式2で表される遷移金属化合物のX1
及びX2がいずれもアルキル基以外である場合には、遷
移金属化合物を以下に例示するアルキル化剤で処理した
後、上記のX1及びX2の少なくともどちらか一方がアル
キル基の場合の触媒の製造方法と同じ方法で反応させる
ことによって、触媒とすることができる。アルキル化剤
としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピル
リチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミ
ド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウム
ブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグ
ネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブ
チルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリ
ド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジ
ブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブ
チルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等が挙げ
れる。なお、式2で表される遷移金属化合物のX1及び
2のいずれか一方がアルキル基であり、他方がアルキ
ル基以外の場合は、必ずしもアルキル化剤は必要ではな
いが、使用することもできる。式2で表される遷移金属
化合物のX1及びX2がいずれもアルキル基以外である場
合に使用する、アルキル化剤の使用量は、遷移金属化合
物を1としたときのモル比で1〜50の範囲にあること
が好ましく、1〜10の範囲にあることが更に好まし
い。理由は、遷移金属化合物に対するアルキル化剤の使
用割合が少なすぎれば、目的の触媒を得難くなる場合が
あり、多すぎれば経済的に無駄なためである。
【0042】上記触媒の調製にあたり、ピリジン誘導体
と遷移金属化合物から得られる化合物又は錯体と活性化
成分とを反応させる際、又は3成分を同時に反応させる
際、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル
酸アルキルエステル(以下(メタ)アクリル酸アルキル
エステルという。)を共存させることもできる。該(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの例は、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、
アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタ
クリル酸イソブチル等である。上記(メタ)アクリル酸
アルキルエステルの使用量は、遷移金属化合物を1とし
たときのモル比で1〜20の範囲にあることが好まし
く、1〜10の範囲にあることが更に好ましい。理由
は、遷移金属化合物に対する(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルの使用割合が少なすぎれば、得られる触媒の
活性向上への寄与が不十分な場合があり、多すぎれば経
済的に無駄である。
【0043】本発明で使用するピリジン誘導体、遷移金
属化合物及び活性化成分のモル比は、ピリジン誘導体:
遷移金属化合物:活性化成分が0.5〜10:1:0.5
〜20の範囲にあることが好ましく、1〜5:1:1〜
10の範囲にあることが更に好ましい。理由は、遷移金
属化合物に対するピリジン誘導体及び活性化成分の使用
割合が少なすぎれば、効果の優れた触媒となりにくくな
り多すぎれば経済的に無駄なためである。
【0044】本発明の触媒は、オレフィンと極性モノマ
ーの共重合触媒として特に有効なものであり、極性モノ
マーに由来する構成単量体単位の含有率が高い共重合体
を効率よく製造することができるものである。以下にそ
の重合について説明する。オレフィンの具体例は、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メ
チル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−
オレフィンである。これらのオレフィンは1種を単独で
使用することもできるし、2種以上を併用することもで
きる。
【0045】また、共重合する極性モノマーの具体例
は、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイ
ン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ[2,
2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等の
α,β−不飽和カルボン酸及びこれらの酸のナトリウ
ム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシ
ウム等の金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等
のα,β−不飽和カルボン酸エステル、マレイン酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸及び
その酸無水物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプ
ロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、
ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニ
ルエステル類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等のグリ
シジル基含有ラジカル重合性単量体等である。これらの
極性モノマーは1種を単独で使用することもできるし、
2種以上を併用することもできる。
【0046】共重合させるオレフィンと極性モノマーの
割合は、特に制限されないが、通常、オレフィンの割合
が1〜99モル%の範囲である。なお、オレフィンのみ
の重合又は極性モノマーのみの重合は従来公知の触媒に
より可能であり、本発明の触媒を使用する意義は小さい
ものであるが、もちろんこのような重合の場合にも本発
明の触媒は用いられる。オレフィンと極性モノマーの共
重合に際し、オレフィン及び極性モノマー以外に、これ
らと共重合可能な他のモノマーを併用することもでき、
併用する場合には、全モノマー中に占める他のモノマー
の割合は80モル%以下であることが好ましく、70モ
ル%以下であることが更に好ましい。他のモノマーの割
合が多すぎるとオレフィン及び極性モノマーの特性が発
現しにくいために好ましくない。共重合可能な他のモノ
マーの具体例は、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、
7−メチル−1,6−オクタジエン、1,8−ノナジエ
ン、1,9−デカジエン等の共役又は非共役ジエン、シ
クロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、ノルボ
ルナジエン、ジシクロペンタジエン等の環式不飽和炭化
水素等である。これらの他のモノマーは1種を単独で使
用することもできるし、2種以上を併用することもでき
る。
【0047】オレフィンと極性モノマーの共重合に際し
て使用する触媒の量は、共重合で用いる全モノマーを1
としたときの、触媒の一成分である遷移金属化合物のモ
ル比が、10-6〜10-1であるのが好ましく、10-5
10-2であるのが更に好ましい。理由は、10-6以下で
は、触媒が失活しポリマーが得られなかったり、また得
られても分子量が高くなりすぎたりする場合があり、1
-1以上では、生成ポリマーの分子量が低すぎて物性が
悪くなる場合があるからである。
【0048】重合方法は特に限定されず、公知の懸濁重
合法、溶液重合法等の液相重合法や気相重合法等が用い
られる。液相重合法で使用できる溶媒の例は、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオ
イル、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水
素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等である。重合
温度は、通常−50〜250℃の範囲が好適で、重合圧
力は常圧〜200kgf/cm2の範囲が好適である。
重合方式としては、回分式、半連続式、連続式のいずれ
をとることもでき、また重合途中で反応条件を変えるこ
とも可能である。
【0049】
【作用】ピリジン誘導体と遷移金属化合物からなる触媒
又はそれらから得られる化合物又は錯体単独では触媒と
して充分な活性を発現しないが、活性化成分を作用させ
ることにより活性の高い触媒が得られた。そのメカニズ
ムは、断定はできないが、活性化成分が遷移金属原子に
結合した原子若しくは原子団に作用して、触媒として充
分な活性を発現するようになるものと推定している。
【0050】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何
ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限
り、操作はすべて窒素雰囲気下で行った。本明細書にお
いて、ポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィ(以下、GPCという。)によるポリスチ
レン換算分子量を意味する。測定条件は以下の通りであ
る。 カラム:TSKgel G4000HXL及びG2500HXL 溶媒: テトラヒドロフラン 検出器:RI 流速: 1ml/分 共重合体の組成は、1H-NMR測定より算出した。
【0051】(実施例1) 〈触媒の調製〉十分乾燥したシュレンク反応管にクロロ
(メチル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム
(II)0.531 g(2.0mmol)を採取し、乾燥ジクロロメ
タン5mlを加え、室温で撹拌し、2−(アミノメチ
ル)ピリジン(アルドリッチ製)0.212 g(2.0mmol)の
ジクロロメタン溶液10mlを加えた。そのまま室温で10
時間撹拌後、減圧下で溶媒を濃縮しn-ペンタンを加え
た。生成した沈殿を濾別、真空ポンプで減圧乾燥し淡緑
白色固体を得た。十分乾燥したシュレンク反応管にこの
淡緑白色固体全量を採取し、乾燥ジクロロメタン加え、
0℃で撹拌し、そこにアクリル酸メチル0.206g(2.4mmo
l)、ナトリウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロ
メチル)フェニル]ボレート3水和物2.25g(2.4mmol)
を加えた。そのまま室温で1時間撹拌後、減圧下で溶媒
を濃縮しn-ペンタンを加えた。生成した沈殿を濾別、真
空ポンプで減圧乾燥し黄白色固体1.85gを触媒として得
た(以下、触媒aという。)。
【0052】〈重合反応〉十分乾燥した100mlオートク
レーブにトルエン20ml、触媒a117mg(Pd原子換算で0.1
mmol)を入れ、−78℃に冷却後、アクリル酸メチル8.69
g(100mmol)を加え、エチレン(2atm)で置換した。こ
れを60℃に加温し10時間撹拌しながら重合反応を行わ
せた後、重合反応系を−78℃に冷却し、メタノール5m
l、ヘキサン20mlを加え、重合を停止させた。反応液か
ら溶媒を減圧留去し、次に真空ポンプで減圧乾燥してエ
チレン・アクリル酸メチル共重合体3.13gを得た。反応
条件を表1に、分析結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】(実施例2〜3)表1に示す条件で、実施
例1と同様にしてエチレン・アクリル酸メチル共重合体
を製造した。分析結果を表2に示す。
【0056】(実施例4) 〈ピリジン誘導体Bの合成〉100mlのナス型フラス
コにエタノール50ml、イソプロピルアミン1.77
g(30mmol)、2−ピリジンカルボアルデヒド
3.21g(30mmol)を採取し、室温で15時間
攪拌した。反応液を減圧濃縮し、下記式14で表される
化合物を定量的に得た。この化合物全量とメタノール5
0mlを冷却管を備えた100ml2口フラスコに採取
し、水素化ホウ素ナトリウム1.14g(30mmo
l)を少しずつ加えた。そのまま室温で5時間攪拌後、
減圧濃縮し、得られた残査を水−クロロホルムで抽出し
た。クロロホルム相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減
圧濃縮し、下記式15で表される化合物(以下、ピリジ
ン誘導体Bという。)を得た。
【0057】
【化7】
【0058】
【化8】
【0059】〈触媒の調製〉十分乾燥したシュレンク反
応管にクロロ(メチル)(1,5−シクロオクタジエ
ン)パラジウム(II)0.531 g(2.0mmol)を採取し、
乾燥ジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。そこにア
クリル酸メチル0.206g(2.4mmol)、ナトリウムテトラ
キス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレ
ート3水和物2.25g(2.4mmol)、ピリジン誘導体B0.30
0g(2.00mmol)のジクロロメタン溶液10mlを加えた。そ
のまま室温で4時間撹拌後、減圧下で溶媒を濃縮しn-ペ
ンタンを加えた。生成した沈殿を濾別、真空ポンプで減
圧乾燥し淡黄白色固体3.61gを得た(以下、触媒bとい
う。)。
【0060】〈重合反応〉十分乾燥した100mlオートク
レーブにジクロロエタン20ml、触媒b122mg(Pd原子換
算で0.1mmol)を入れた。−78℃に冷却後、アクリル酸
メチル8.69g(100mmol)を加え、エチレン(2atm)で置
換した。これを60℃に加温し10時間撹拌しながら重合
反応を行わせた後、重合反応系を−78℃に冷却し、メタ
ノール5ml、ヘキサン20mlを加え、重合を停止させた。
反応液から溶媒を減圧留去し、次に真空ポンプで減圧乾
燥してエチレン・アクリル酸メチル共重合体3.61gを得
た。反応条件を表1に、分析結果を表2に示す。
【0061】(実施例5) 〈ピリジン誘導体Cの合成〉100mlのナス型フラス
コにエタノール50ml、ジイソプロピルアミン1.7
7g(30mmol)、6−メチル−2−ピリジンカル
ボアルデヒド3.63g(30mmol)を採取し、室
温で15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、下記式1
6で表される化合物を定量的に得た。この化合物全量と
メタノール50mlを冷却管を備えた100ml2口フ
ラスコに採取し、水素化ホウ素ナトリウム1.14g
(30mmol)を少しずつ加えた。そのまま室温で5
時間攪拌後、減圧濃縮し、得られた残査を水−クロロホ
ルムで抽出した。クロロホルム相を無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧濃縮し、下記式17で表される化合物
(以下、ピリジン誘導体Cという。)を得た。
【0062】
【化9】
【0063】
【化10】
【0064】〈触媒の調製〉十分乾燥したシュレンク反
応管にクロロ(メチル)(1,5−シクロオクタジエ
ン)パラジウム(II)0.531 g(2.0mmol)を採取し、
乾燥ジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。そこにア
クリル酸メチル0.206g(2.4mmol)、ナトリウムテトラ
フェニルボレート0.821g(2.4mmol)、ピリジン誘導体
C0.329g(2.00mmol)のジクロロメタン溶液10mlを加え
た。そのまま室温で4時間撹拌後、減圧下で溶媒を濃縮
しn-ペンタンを加えた。生成した沈殿を濾別、真空ポン
プで減圧乾燥し淡黄白色固体1.11 gを得た(以下、触媒
cという。)。
【0065】〈重合反応〉十分乾燥した100mlオートク
レーブにジクロロエタン20ml、触媒c65mg(Pd原子換算
で0.1mmol)を入れた。−78℃に冷却後、アクリル酸エ
チル10.01g(100mmol)を加え、エチレン(2atm)で置
換した。これを60℃に加温し10時間撹拌しながら重合
反応を行わせた後、重合反応系を−78℃に冷却し、メタ
ノール5ml、ヘキサン20mlを加え、重合を停止させた。
反応液から溶媒を減圧留去し、次に真空ポンプで減圧乾
燥してエチレン・アクリル酸メエル共重合体4.17gを得
た。反応条件を表1に、分析結果を表2に示す。
【0066】(比較例1)触媒aの代わりに、クロロ
(メチル)(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム(I
I)26mg(0.1mmol)を何ら処理せずそのまま触媒(以
下、触媒dという。)として用いた以外は、実施例1と
同様に重合反応を行ったが、共重合体は殆ど得られなか
った。反応条件を表1に、重合体の収量を表2に示す。
【0067】(比較例2)触媒aの調製において、ナト
リウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フ
ェニル]ボレート3水和物、及びアクリル酸メチルを加
えなかったものを触媒(以下、触媒eという。)として
用いた以外は、実施例1と同様に触媒の調製及び重合反
応を行ったが、共重合体は殆ど得られなかった。反応条
件を表1に、重合体の収量を表2に示す。
【0068】(比較例3)触媒aの代わりに、2−(ア
ミノエチル)ピリジン11mg(0.1mmol)を何ら処理せず
そのまま触媒(以下、触媒fという。)として用いた以
外は、実施例1と同様に重合反応を行ったが、共重合体
は殆ど得られなかった。反応条件を表1に、分析結果を
表2に示す。
【0069】(比較例4)触媒bの代わりに、下記式1
8で表されるパラジウム錯体28mg(0.05mmol)及び下記式
19で表されるホウ素化合物44mg(0.05mmol)からなる触
媒(以下、触媒gという。)を用い、エチレン1.2atm及
びアクリル酸メチル2.583g(30mmol)をモノマーとして使
用し、重合時の溶媒をジクロロメタンとし、重合温度を
40℃とした以外は、実施例4と同様に重合反応を行っ
たが、得られた重合体は、構成モノマーとして極性モノ
マー(アクリル酸メチル)単位をわずかしか含んでいな
いものであった。
【0070】
【化11】
【0071】
【化12】
【0072】反応条件を表1に、分析結果を表2に示
す。
【0073】(比較例5)ピリジン誘導体Bの代わりに
下記式20で表される化合物0.296g(2.00mmol)を用い
て調製した触媒(以下触媒hという。)を用いた以外
は、実施例4と同様に触媒調製、重合反応を行ったが、
共重合体は殆ど得られなかった。反応条件を表1に、重
合体の収量を表2に示す。
【0074】
【化13】
【0075】
【発明の効果】本発明の触媒によれば、オレフィンと極
性モノマーを共重合させるにあたり、極性モノマーに由
来する構成モノマー単位の含有率の高い共重合体を効率
よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AC45A AC47A AC48A BA00A BA01B BB00A BB00B BB01B BC12B BC25B CA21B CB74C CB81B CB86B CB87B EA01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EB24 EB25 EC02 FA02 FA03 FA04 FA06 FA07 4J100 AA02P AA03P AA04P AA07P AA15P AA16P AA17P AA18P AA19P AA21P AG02Q AG04Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AK31Q AK32Q AL03Q AL04Q AL10Q AL16Q AR11Q AR25Q BA16Q BA17Q BC54Q CA04 FA09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 置換基を有することもあるアミノメチル
    基をピリジン環の窒素に隣接する炭素に置換基として有
    するピリジン誘導体、周期表第8〜10族の遷移金属含
    有化合物及び活性化成分からなることを特徴とするオレ
    フィン重合用触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008533047A (ja) * 2005-03-09 2008-08-21 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク オレフィンのオリゴマー化
EP2042173A2 (en) 2002-03-29 2009-04-01 Santen Pharmaceutical Co., Ltd. Kappa-opioid receptor agonist comprising 2-phenylbenzothiazoline derivative

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