JP2000344572A - 磁器組成物 - Google Patents

磁器組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温燒結性をもち単独での内部導体との焼成
が可能であり、かつ、高い線膨張係数をもち他の磁器組
成物との同時焼成が可能な低誘電率の磁器組成物を提供
する。 【解決手段】 磁器組成物を、Ba系ガラスとα石英と
を主成分とし、Ba系ガラスの含有量が55.0〜6
9.4重量%、α石英の含有量が12.1〜40.2重
量%の範囲内であり、Al23を24.5重量%以下の
範囲で含有し、Ba系ガラスの成分が、酸化物換算で、
BaOを19〜29mol%、SiO2を62〜72m
ol%、Al23を6〜11mol%の範囲で含有し、
さらに、BaO、SiO2およびAl23の合計100
mol当たりB23を3〜7molの範囲で含有するこ
とにより、AgもしくはCu、または、AgやCuを主
成分とする合金の融点以下での焼成を可能とし、低誘電
率でありながら線膨張係数が高く、低温焼成可能な他の
誘電材料や磁性材料との同時焼成を可能なものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁器組成物に係り、
特にAgもしくはCu、または、AgやCuを主成分と
する合金を内部導体として使用できるような低温燒結性
をもつとともに誘電率が低く、かつ、高い線膨張係数を
有する誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷法やシート工法といった厚膜
形成法を用いてチップコンデンサーやチップインダクタ
ー、チップフィルター等のチップ部品が製造されてい
る。また、材料特性の異なる複数種の磁器組成物を同時
に焼成して形成された電子デバイスとしては、磁性体と
誘電体との組み合わせからなるLCフィルター、高誘電
率材料と低誘電率材料との組み合わせからなるコンデン
サーを内蔵した回路基板(素子)等が挙げられる。
【0003】例えば、上記の高誘電率材料と低誘電率材
料とを同時焼成して形成されたコンデンサーは、高誘電
率材料のみからなるコンデンサーに比べて分布容量の低
減等が可能である。また、低誘電率材料のみからなるコ
ンデンサーに比べて大容量化が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の電子デバイスで
は、損失特性を向上させるために、導体電極として低抵
抗であるAgあるいはCu、または、AgやCuを主成
分とする合金を用いることが望ましい。しかし、これら
の導体金属は融点が低いため、電子デバイスに使用する
磁器組成物は、上記導体金属の融点以下の温度で焼成可
能である(低温燒結性を有する)ことが要求される。
【0005】また、複数種の磁器組成物を同時焼成する
ためには、各磁器組成物の線膨張係数がある程度一致し
なければならず、この線膨張係数の差が大きいと、焼成
後の製品にクラックが生じてしまう。例えば、酸化チタ
ン、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムといったペ
ロブスカイト構造、バリウム−レアアース−チタンの酸
化物といったタングステンブロンズ構造、NiCuZn
系フェライトといったスピネル構造等をもつ一般的な磁
器組成物は、その線膨張係数が約80〜130×10-7
/℃程度である。これらにガラス等を添加して上記の低
温燒結性を付与した磁器組成物であっても、その線膨張
係数は元の線膨張係数(約80〜130×10-7/℃程
度)ほとんど変わらない。しかし、従来のガラスを主体
とする低誘電率の磁器組成物は、その線膨張係数が約4
0〜80×10-7/℃程度のものが多く、上記のガラス
添加等により低温燒結性を付与した誘電材料や磁性材料
に比べて線膨張率が低く、これらを同時焼成した場合、
製品にクラックが生じるという問題があった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、低温燒結性をもち単独での内部導体との
焼成が可能であり、かつ、高い線膨張係数をもち他の磁
器組成物との同時焼成も可能な低誘電率の磁器組成物を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、Ba系ガラスとα石英とを主成分
とした磁器組成物において、前記Ba系ガラスの含有量
が55.0〜69.4重量%、前記α石英の含有量が1
2.1〜40.2重量%の範囲内にあり、Al 23を2
4.5重量%以下の範囲で含有し、前記Ba系ガラスの
成分は、酸化物換算で、BaOを19〜29mol%、
SiO2を62〜72mol%、Al2 3を6〜11m
ol%の範囲で含有し、さらに、BaO、SiO2およ
びAl23の合計100mol当たりB23を3〜7m
olの範囲で含有するような構成とした。
【0008】また、本発明の磁器組成物は、線膨張係数
が80×10-7/℃〜150×10 -7/℃の範囲内にあ
るような構成とした。
【0009】さらに、本発明の磁器組成物は、α石英
と、4種の結晶相[BaAl2SiO8+BaSi
25]、[BaAl2SiO8+BaSi25+Al
23]、[BaAl2SiO8+Al23]、[BaSi
25+Al23]の中の1種とを含むような構成とし
た。
【0010】このような本発明では、磁器組成物の焼成
温度がAgもしくはCu、または、AgやCuを主成分
とする合金の融点以下となり、低誘電率でありながら線
膨張係数が高いものとなり、低温焼成可能な他の誘電材
料や磁性材料との同時焼成が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
説明する。
【0012】本発明の磁器組成物は、Ba系ガラスとα
石英とを主成分とするものである。このような本発明の
磁器組成物において、Ba系ガラスの含有量は55.0
〜69.4重量%、好ましくは57.3〜66.5重量
%、更に好ましくは61.1〜66.5重量%、α石英
の含有量は12.1〜40.2重量%、好ましくは2
0.7〜30.3重量%、更に好ましくは21.0〜2
6.0重量%の範囲内であり、また、Al23を24.
5重量%以下、好ましくは6.4〜18.6重量%、更
に好ましくは9.0〜12.9重量%の範囲で含有して
もよい。
【0013】Ba系ガラスの含有量が55.0重量%未
満であると、磁器組成物の低温焼結性が低下し、緻密な
焼結体(900℃での焼成後において相対密度が92%
以上)が得られない。また、69.4重量% を超える
場合も、緻密な焼結体が得られない。一方、Ba系ガラ
スの含有量が、その最も好ましい範囲である61.1〜
66.5重量%の範囲であると、磁器組成物は低温焼結
性をもち緻密な焼結体が得られることに加えて、900
℃以下での低温焼結可能なバリウム−レアアース−チタ
ン酸化物の高誘電率材料と一体化焼成したときの境界の
接合面に連続的な空間またはポアが発生することなく境
界反応性がより良好となる。
【0014】また、α石英の含有量が12.1重量%未
満であると、磁器組成物の低温焼結性が低下し、緻密な
焼結体が得られず、40.2重量%を超える場合も、緻
密な焼結体が得られない。これに対して、α石英の含有
量が、その最も好ましい範囲である21.0〜26.0
重量%の範囲であると、磁器組成物は低温焼結性をもち
緻密な焼結体が得られることに加えて、低温焼結可能な
バリウム−レアアース−チタン酸化物の高誘電率材料と
一体化焼成したときの境界の接合面に連続的な空間また
はポアが発生することなく境界反応性がより良好とな
る。
【0015】Ba系ガラスとα石英とからなる主成分に
添加するAl23は、磁器組成物の保形性を向上させる
効果をもつが、添加量が24.5重量%を超えると低温
焼結性が低下し、緻密な焼結体が得られない。一方、A
23の添加量が、その最も好ましい範囲である9.0
〜12.9重量%の範囲であると、磁器組成物は低温焼
結性をもち緻密な焼結体が得られることに加えて、低温
焼結可能なバリウム−レアアース−チタン酸化物の高誘
電率材料と一体化焼成したときの境界の接合面に連続的
な空間またはポアが発生することなく境界反応性がより
良好となる。
【0016】本発明の磁器組成物におけるBa系ガラス
は、その成分が、酸化物換算で以下の範囲となるもので
ある。 ・BaO : 19〜29mol%、好ましくは21〜25mol% ・SiO2 : 62〜72mol%、好ましくは64〜70mol% ・Al23 : 6〜11mol%、好ましくは7〜11mol% ・BaO、SiO2およびAl23の : 3〜7mol、好ましくは 合計100mol当たりのB23量 4〜6mol
【0017】Ba系ガラスにおいて、BaO成分が19
mol%未満であると、ガラス化が困難であり、29m
ol%を超えると緻密な焼結体が得られない。
【0018】また、SiO2成分が62mol%未満で
あると、緻密な焼結体が得られず、72mol%を超え
るとガラス化が困難であり好ましくない。
【0019】さらに、Al23成分が6mol%未満、
あるいは、11mol%を超えると、いずれも緻密な焼
結体が得られない。
【0020】また、BaO、SiO2およびAl23
合計100molに対するB23成分が3mol未満で
あると、ガラス化が困難であり、7molを超えると、
緻密な焼結体が得られない。
【0021】本発明の磁器組成物は、各構成成分を上記
の範囲内で適宜設定することにより、低温燒結性を有
し、かつ、線膨張係数が80×10-7/℃〜150×1
-7/℃の範囲内にあるものとすることができる。した
がって、低抵抗であるAgあるいはCu、または、Ag
やCuを主成分とする合金の融点以下での焼成が可能な
従来の高誘電率材料や磁性材料等の異種の磁器組成物の
線膨張係数に合わせることが容易である。このため、異
種の材料との同時焼成を行っても、得られた焼成物にク
ラックを生じることはない。尚、本発明の磁器組成物で
は、線膨張係数が150×10-7/℃を超えるものを得
ることは困難である。
【0022】さらに、本発明の磁器組成物は、上記のよ
うな組成による線膨張係数の制御に加え、焼成温度、焼
成時間によっても線膨張係数を80×10-7/℃〜15
0×10-7/℃の範囲内で制御することができる。Ba
系ガラスとα石英との焼成、あるいは、これらにAl2
3を添加したものの焼成において、ガラスの結晶化が
起こり、新たな結晶相[BaAl2SiO8]や[BaS
25]が生成する。これらの結晶相はそれぞれ固有の
線膨張係数をもつので、焼成条件により結晶相の種類と
量を変化させることにより、線膨張係数を制御すること
ができる。
【0023】このような本発明の磁器組成物は、α石英
と、4種の結晶相[BaAl2SiO8+BaSi
25]、[BaAl2SiO8+BaSi25+Al
23]、[BaAl2SiO8+Al23]、[BaSi
25+Al23]の中の1種とを含み、誘電率が低いに
もかかわらず、高い線膨張係数をもち、かつ、低温焼結
性を有するものである。
【0024】次に、本発明の磁器組成物の製造方法につ
いて説明する。まず、Ba系ガラス成分であるBaO、
SiO2、Al23、B23を用意し、所定量を秤量し
て混合し、るつぼで溶融した後、溶融物を急冷し、これ
を粉砕することによりガラス粉末とする。尚、ガラス原
料としては、酸化物である必要はなく、例えば、炭酸
塩、水酸化物、硫酸塩等のように熱処理により酸化物と
なるものを使用しても、酸化物を使用した場合と同等の
ガラス粉末を得ることができる。
【0025】上記のガラス原料の混合は、例えば、乾式
混合により行うことができ、溶融は1500〜1600
℃で0.5〜5時間程度とすることができる。溶融物の
粉砕は、ボールミル等を用いた湿式粉砕が望ましい。次
に、主成分であるα石英粉末と、上記のBa系ガラス粉
末、さらに、必要に応じてAl23粉末を準備し、これ
らの所定量を秤量して混合する。得られた粉末に対して
ポリビニルアルコール系、アクリル系、エチルセルロー
ス系のような有機バインダーと、必要に応じて溶剤、可
塑剤等を混合してスラリーを調製する。
【0026】次いで、このスラリーを所望の形状に成型
し、この成型物を焼成する。成型はシート法や印刷法等
の湿式成型の他、プレス成型等の乾式成型でもよく、所
望の形状に応じて成型方法を適宜選択することが可能で
ある。焼成温度は850〜960℃の範囲で設定するこ
とができ、焼成時間は0.1〜24時間程度が好まし
い。したがって、AgもしくはCu、または、AgやC
uを主成分とする合金の融点以下での低温焼成が可能と
なる。このため、低抵抗であるAgやCuのような融点
の低い金属を内部導体として電子部品を構成することが
可能となる。尚、同時焼成を行う内部導体に合わせて焼
成雰囲気を選択することが望ましく、例えば、Agとの
同時焼成の場合は空気中のような酸素雰囲気とし、Cu
との同時焼成の場合は還元雰囲気とする。
【0027】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。
【0028】(実施例1)まず、Ba系ガラス成分とし
て、BaCO3、SiO2、Al23、B23を下記表1
乃至表3のガラス組成の欄に示す組成となるように秤量
し、シェイカーで乾式混合した後、この混合物をるつぼ
に入れて1550℃で1時間溶融した。その後、溶融物
を純水で急冷し、これをらいかい機で粗粉砕した後、ボ
ールミルで湿式粉砕してBa系ガラス粉末を得た。
【0029】次に、上記のようにして得たBa系ガラス
粉末と、α石英粉末、Al23粉末をそれぞれ下記の表
1乃至表3中の材料組成の欄に示す割合となるように秤
量して混合し、この混合粉末100重量部に対して、有
機バインダーとしてアクリル系樹脂を15重量部、溶剤
としてトルエンを60重量部、可塑剤としてn−ブチル
フタリルn−ブチルグリコラート(BPBG)を5重量
部加え、ボールミルで分散し、57種の有機スラリーを
作製した。
【0030】次いで、上記の有機スラリーを用いてドク
ターブレード法により57種のグリーンシート(試料2
〜10、12〜59)を作製した。その後、このグリー
ンシートを下記の各測定条件に合わせた所定の大きさに
形成し、900℃、2時間の焼成を行った。
【0031】次に、上記の各試料について、低温焼結性
(900℃での焼成後において相対密度が92%以上)
を評価し、比誘電率と線膨張係数を下記の測定方法によ
り測定し、含有する結晶相を下記方法にて測定して、結
果を下記の表1〜表3に示した。
【0032】また、上記の試料8、23、41につい
て、低温焼結可能なバリウム−レアアース−チタン酸化
物の高誘電率材料と一体化焼成し、その破断した境界面
を走査電子顕微鏡装置(日本電子データム(株)製 J
ED−2001)により観察し、一体化焼成後の境界面
のcompo像(2000倍)を撮影して図1乃至図3
に示した。
【0033】比誘電率の測定方法 約1mm角の棒状試料を作成し、比誘電率(2GHz)
を空洞共振器摂動法により測定(ヒューレットパッカー
ド(株)製 83620A,8757Cを使用)した。
【0034】線膨張係数の測定方法 約4×4×28mmの試料を作成し、線膨張係数(10
0〜700℃)を横型線膨張装置(真空理工(株)製
DL−7000Y−RH)により測定した。
【0035】結晶相の測定方法 燒結体を乳鉢にて粉砕し、粉末X線回折法により測定
(マック・サイエンス(株)製 MXP3システムを使
用)した。測定条件はターゲットをCuとし、45k
V、40mA、1deg/分、2θ=10〜60とし
た。ただし、下記の表1〜表3において、α、A、B、
C、Dの表示は、それぞれ以下の結晶相を表す。 α : α石英 A : BaAl2SiO8+BaSi25 B : BaAl2SiO8+BaSi25+Al23 C : BaAl2SiO8+Al23 D : BaSi25+Al23
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】 表1〜表3に示されるように、Ba系ガラスとα石英と
を主成分とし、各構成成分が本発明の範囲内にある試料
(2〜9、12、13、17〜21、23〜34、39
〜47、50〜54)は、いずれも低温焼結性に優れ、
AgもしくはCu、または、AgやCuを主成分とする
合金の融点以下での焼成が可能であるとともに、誘電率
が低く(7以下(2GHz))、かつ、線膨張係数が8
0×10 -7/℃〜130×10-7/℃の範囲内となるも
のであった。
【0039】さらに、上記の試料8、23、41のう
ち、Ba系ガラスの含有量が61.1〜66.5重量
%、α石英の含有量が21.0〜26.0重量%の範囲
内であり、Al23を9.0〜12.9重量%の範囲で
含有している試料8と試料23(図1および図2参照)
は、低温焼結可能なバリウム−レアアース−チタン酸化
物の高誘電率材料との一体化焼成時の境界反応性が、試
料41(図3参照)に比べて特に良好であった。
【0040】これに対して、ガラス組成においてBaO
成分が19mol%未満である試料1、BaO、SiO
2およびAl23の合計100mol当たりのB23
分が3mol未満である試料11、SiO2成分が72
mol%を超える試料14では、ガラス化が困難であ
り、磁器組成物が得られなかった。また、構成成分の含
有量が本発明の範囲から外れる他の試料は、いずれも9
00℃における焼成で緻密化せず、相対密度は92%未
満であった。
【0041】(実施例2)まず、実施例1における試料
39〜43と同じ組成の有機スラリーを実施例1と同様
にして作製した。
【0042】次いで、上記の有機スラリーを用いて実施
例1と同様にして5種のグリーンシート(試料A〜E)
を作製し、その後、このグリーンシートを実施例1と同
じ所定の大きさに形成し、880℃、2時間と、920
℃、2時間の2種の条件で焼成した。
【0043】次に、上記の各試料について、線膨張係数
を実施例1と同様に測定して、結果を下記の表4に示し
た。尚、表4には実施例1における試料39〜43(9
00℃、2時間の焼成)の測定結果も示した。
【0044】
【表4】 表4に示される測定結果では、本発明の磁器組成物は、
同一組成において焼成条件を変えることにより線膨張係
数を80×10-7/℃〜130×10-7/℃の範囲内で
制御可能であることが明らかとなった。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればA
gもしくはCu、または、AgやCuを主成分とする合
金の融点以下での焼成が可能であり、低誘電率でありな
がら線膨張係数が高いので、例えば、低温焼成可能な高
誘電率材料や磁性材料等の異種の磁器組成物との同時焼
成が可能であり、AgやCuのような融点の低い金属を
内部導体として、小型のフィルターや共振器、回路基板
等の電子デバイスの製造に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1において、試料8を高誘電率材
料と一体化焼成し、その破断した境界面を示す図面代用
の走査電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は実施例1において、試料23を高誘電率
材料と一体化焼成し、その破断した境界面を示す図面代
用の走査電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は実施例1において、試料41を高誘電率
材料と一体化焼成し、その破断した境界面を示す図面代
用の走査電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ba系ガラスとα石英とを主成分とする
    磁器組成物において、 前記Ba系ガラスの含有量が55.0〜69.4重量
    %、前記α石英の含有量が12.1〜40.2重量%の
    範囲内にあり、Al23を24.5重量%以下の範囲で
    含有し、 前記Ba系ガラスの成分は、酸化物換算で、BaOを1
    9〜29mol%、SiO2を62〜72mol%、A
    23を6〜11mol%の範囲で含有し、さらに、B
    aO、SiO2およびAl23の合計100mol当た
    りB23を3〜7molの範囲で含有することを特徴と
    する磁器組成物。
  2. 【請求項2】 線膨張係数が80×10-7/℃〜150
    ×10-7/℃の範囲内にあることを特徴とする請求項1
    に記載の磁器組成物。
  3. 【請求項3】 α石英と、4種の結晶相[BaAl2
    iO8+BaSi25]、[BaAl2SiO8+BaS
    25+Al23]、[BaAl2SiO8+Al
    23]、[BaSi25+Al23]の中の1種とを含
    むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁
    器組成物。
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