JP2000343192A - 板厚圧下プレス用のループ形成設備及びループ形成方法 - Google Patents

板厚圧下プレス用のループ形成設備及びループ形成方法

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JP2000343192A
JP2000343192A JP11154604A JP15460499A JP2000343192A JP 2000343192 A JP2000343192 A JP 2000343192A JP 11154604 A JP11154604 A JP 11154604A JP 15460499 A JP15460499 A JP 15460499A JP 2000343192 A JP2000343192 A JP 2000343192A
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孝行 岩崎
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崇 西井
Kenichi Ide
賢一 井出
Shiro Osada
史郎 長田
Satoshi Murata
早登史 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚い板厚スラブにループ形状を迅速かつ容易
に形成し、板厚成形と圧延成形による成形速度差と搬送
速度差を同調させて解消でき、板厚スラブの温度降下も
防止することができる板厚圧下プレス用のループ形成設
備及びループ形成方法を提供する。 【解決手段】 連続鋳造されたスラブ31を上下一対の
金型を用いて所定の板厚スラブに成形する板厚圧下プレ
ス33と、板厚圧下プレスの下流側に配置され搬送され
る板厚スラブを連続圧延し製品厚さの圧延材とする仕上
圧延機群34との間に配置され、この間に搬送される板
厚スラブにループ形状を形成させる昇降自在なループ形
成装置35と、仕上圧延機群の上流側に配置される回転
自在な上下ロールを有するピンチロール38とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造装置から
製造されるスラブを、板厚圧下スレスで板厚圧下する際
に仕上圧延機群との成形速度差を同調させる板厚圧下プ
レス用のループ形成設備及びループ形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、連続鋳造装置で鋳造したスラブの
上流側での板厚圧下を、粗圧延機群によらず板厚圧下プ
レスで行なうものが創案され出願されている(例えば、
特開昭61−235002号)。なお、本出願におい
て、板厚スラブとはプレス成形後のスラブをいう。
【0003】このスラブ成形装置1は、図3に模式図に
示すように、図示しない連続鋳造装置で製造されたスラ
ブ2を、上下一対で夫々圧延ラインPに向かって傾斜部
とこれに連続する平行部を有してスラブ2を所定の板厚
に高圧下する金型3を保持したプレス4と、プレス4の
板厚圧下で生じたスラブ幅端部の形状不良を矯正する溝
付ロール5を有するエッジャー6と、更にその下流に上
下一対の作業ロール7を有する水平圧延機8と、から構
成されている。これにより、プレスでスラブを高圧下で
きるので圧延に比べ大きな圧下量が得られ、プレス1台
で粗圧延機を5〜6台分を削減できるので、設備コスト
の低減と圧延ラインの短縮化が図れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】板厚圧下プレスで板厚
成形され搬送される板厚スラブの通板パスラインへの成
形速度は、本質的に変動がある。一方仕上圧延機群の入
側速度は定常圧延では一定速度であり、加減速時も円滑
に増速や減速して圧延速度が周期的に上下することがな
い。この板厚圧下プレスの板厚成形速度と仕上圧延機群
の圧延速度を同調させるには、ループ装置が必要であ
る。しかし、図3に示すようにこのループ装置が配置さ
れていないため、これらの速度差の調整が難しく生産性
の低下と、また搬送速度を早くできないためスラブの温
度降下を防止できず、高品質の圧延材を得ることができ
ないという問題点がある。
【0005】これに対して、本願出願人は特願平10−
166545号「熱間圧延方法及び設備」(出願日:平
成10年6月15日)で、上記プレスと圧延機間にルー
プ装置を配置した圧延ラインを出願している。
【0006】この熱間圧延設備10は、図4の模式図に
示すように、連続鋳造機11で鋳造されたスラブ12
を、スラブ保加熱炉13で保加熱し、幅圧下プレス14
で所定量に幅圧下し、更に板厚圧下プレス15で所定量
に板厚圧下し、ルーパ装置16で必要量にわたり滞留さ
せ、縦型圧延機17で幅規制し、仕上圧延機群18で最
終製品の板厚の圧延材19を圧延成形し、ピンチロール
20を介して巻取機21でコイル状に巻取るように圧延
ラインPを構成している。このように圧延ライン中にル
ーパ装置を配置して、前述した原因で生じる板厚圧下プ
レスと仕上圧延機群間の成形及び搬送速度差を板厚スラ
ブにループ形状を形成し、かつ必要量を滞留させて調整
できるので、これらの速度差を容易に解消して連続的に
高速で圧延材を製造することができる。
【0007】しかし、図4に示すルーパ装置は、ループ
形状を搬送する板厚スラブの自重で作らせる方式として
いるため、ループを形成するには相当長い通板パスライ
ンが必要とされ例えば、仕様上の最大板厚のスラブを弾
性変形内でループ形状を形成するには10数M以上の長
さが必要とし、このために圧延ラインが延長されるとい
う問題点があった。更に、図4の場合は、板厚圧下プレ
スから板厚スラブが、このルーパ装置の相当長い距離間
にわたり、何等保熱の対策が施されずに放熱状態で自重
によりループを形成し搬送されるために、かなりの温度
降下した状態で仕上圧延機群に搬入されることになる。
この温度降下の影響により最終製品厚さの圧延成形に必
要な仕上圧延機群の入口温度が確保できないので、高品
質の圧延材が製造できなくなるという問題点があった。
【0008】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、板
厚の厚い板厚スラブでもループ形状を迅速かつ容易に形
成させ、プレス成形と圧延成形による成形速度差と搬送
速度差を同調させて解消でき、板厚スラブの温度降下も
防止することができる板厚圧下プレス用のループ形成設
備及びループ形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、連続鋳
造されたスラブ(31)を上下一対の金型を用いて所定
の板厚スラブに成形する板厚圧下プレス(33)と、該
板厚圧下プレスの下流側に配置され搬送される板厚スラ
ブを連続圧延し製品厚さの圧延材とする仕上圧延機群
(34)との間に配置され、この間に搬送される板厚ス
ラブにループ形状を形成させる昇降自在なループ形成装
置(35)と、仕上圧延機群の上流側に配置される回転
自在な上下ロールを有するピンチロール(38)と、を
備えたことを特徴とする板厚圧下プレス用のループ形成
設備が提供される。
【0010】本発明の構成によれば、板厚圧下プレスと
仕上圧延機群との間に昇降自在なループ形成装置を配置
したので、板厚圧下プレスでの板厚成形時の変動する成
形速度と、仕上圧延機群での圧延成形時の定常で不変の
成形速度による両成形速度差並びに搬送時の速度差を同
調させて容易に解消して、良質の圧延材を製造すること
ができる。また、プレスによる板厚成形後の厚い板厚ス
ラブ(例えば約90mm)にループ形状を迅速に形成さ
せることができるので、ループ形成長さを短くして圧延
ラインを短縮化でき、設備コストを低減できる。
【0011】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
ループ形成装置(35)は、上部が通板パスラインを形
成して回転自在な搬送ローラ群を配置するループテーブ
ル(42)と、昇降自在なループテーブルの中央部近傍
に取付けられ板厚スラブの上面に接触してガイドし所定
のループ形状を形成させるガイドロール(44)と、ル
ープテーブルを昇降自在に支持する油圧シリンダ(4
5)と、からなる。この構成により、昇降自在なループ
テーブルの上部は複数(本図では5本)の回転自在な搬
送ローラ群を配置した。これにより、通常の通板パスラ
インとして使用する場合は、板厚圧下プレスからの板厚
スラブを搬送ローラ群に載置させて下流側に容易に搬送
させることができる。一方、ループ形状を形成させる場
合には、油圧シリンダで支持されて昇降自在なループテ
ーブルの中央部近傍で、かつ搬送ローラ群の上部に取付
けられたガイドロールにより、通板パスラインに載置さ
れた板厚スラブの上面を押圧して下降させて、必要量の
ループ形状を迅速かつ容易に形成させることができる。
【0012】更に、本発明の好ましい実施形態によれ
ば、板厚圧下プレスとループ形成装置との間に板厚スラ
ブのループ形状の形成を開始させるループ開始ロール群
(50)を有する。この構成により、板厚圧下プレスの
下流側でかつ昇降自在なループ形成装置との間に複数
(本図では3本)の回転自在なロールを板厚スラブを挟
んで配置したので、通板パスラインから下方に向かって
板厚スラブをガイドさせてループ形状の形成を容易に開
始することができる。これにより、板厚圧下プレスで板
厚圧下されて所定の板厚(例えば約90mm)の板厚ス
ラブを、下流側のループ形成装置によるループ形状の形
成に先立って曲げ始めることができるので、ループ形成
装置でのループ形状の形成を効率的に容易にできる。更
に、3番目のロールを昇降自在に配置すれば、ループ形
状の開始時にこのロールを板厚スラブの上面に押当てて
下降を行うので、ループ形状の形成をより容易にでき
る。
【0013】更に、本発明の好ましい実施形態によれ
ば、ループ形成装置とピンチロールとの間に板厚スラブ
のループ形状を矯正する矯正ロール群(55)を有す
る。この構成により、昇降自在なループ形成装置と仕上
圧延機群の上流側のピンチロールとの間に複数の回転自
在なロールを板厚スラブを挟んで配置したので、ループ
形成装置で形成された板厚スラブの曲り癖を容易に矯正
させて通板パスラインに戻せる。従って、曲り癖のない
ストレート形状の板厚スラブをピンチロールを介して仕
上圧延機群に円滑に、かつ迅速に搬送できる。
【0014】更に、本発明の好ましい実施形態によれ
ば、ループ形成装置を挟んでループ開始ロール群(5
0)と矯正ロール群(55)を配置する。この構成によ
り、中央部近傍に板厚スラブの上面に接触して容易に所
定のループ形状を形成するガイドロールを取付けた昇降
自在のループテーブルからなるループ形成装置を挟んで
ループ開始ロール群と矯正ロール群を配置させた。ルー
プ形成装置の入側装置となるループ開始ロール群を配置
させたので、ループ形成装置によるループ形状の形成に
先立って曲げ始めることができるので、ループ形成装置
でのループ形状の形成が効率的に容易にできる。一方、
ループ形成装置の出側装置となる矯正ロール群を配置さ
せたので、ループ形成装置で形成された板厚スラブの曲
り癖を容易に矯正させて通板パスラインに戻すことがで
きる。このように、3つの装置を通板パスライン上に配
列させたので、板厚圧下プレスから板厚圧下された板厚
スラブに所定のループ形状を迅速かつ容易に形成させる
ことができる。更に、所定のループ形状を確保させなが
ら仕上圧延機群に迅速に搬送できるので、板厚スラブの
圧延ラインでの成形及び搬送中での温度下降を減少させ
て、良好な圧延材を得ることができる。
【0015】また、本発明によれば、連続鋳造されたス
ラブを所定の板厚スラブに成形する板厚圧下プレス(3
2)と、板厚スラブを連続圧延し製品厚さの圧延材とす
る仕上圧延機群(34)との間で順次板厚スラブのルー
プ形状の形成を開始するループ開始ロール群(50)
と、板厚スラブをガイドし所定のループ形状を形成する
ガイドロールを有する昇降自在なループ形成装置(3
5)と、板厚スラブのループ形状を矯正する矯正ロール
群(55)と、板厚スラブを仕上圧延機群に搬入するピ
ンチロール(38)と、を備え、(A)板厚圧下プレス
の上下金型で所定の板厚に成形された板厚スラブの先端
部を、下流側で通常の通板パスライン位置に配置された
ループ開始ロール群(50)とループ形成装置(35)
と矯正ロール群(55)とで順次ピンチロール(38)
まで搬送し、ピンチロールの上下ロールに挟み込んだ状
態でスラブ先端を停止させ、(B)次にループ開始ロー
ル群(50)も作動させ板厚スラブをガイドして下降さ
せてループ形状の形成を開始させ、同時にループ開始ロ
ール群と連動させ一体的に取付けたループテーブル(4
2)のガイドロールで板厚スラブの上面と接触してガイ
ドさせながら通板パスラインから下降させ、これらを同
調させながら板厚スラブに所定量のループ形状を形成さ
せ、(C)次に所定量のループ形状の形成を確認した後
に矯正ロール群(55)の作動を開始してループ形状の
板厚スラブを順次矯正して通板パスラインに戻し、更に
所定量のループ形状を確保しつつピンチロールと仕上圧
延機群の作動を作動させ、これにより板厚圧下プレスの
板厚成形と仕上圧延機群の圧延成形との成形速度差と更
にこの間の夫々の装置間の搬送速度差とを同調可能とす
る、ことを特徴とする板厚圧下プレス用のループ形成方
法が提供される。
【0016】上述の本発明の方法によれば、板厚圧下プ
レスで所定の板厚に高圧下された板厚スラブの先端部
を、通常の通板パスラインXの位置に配置されたループ
形成装置を介して仕上圧延機群の入側に配置したピンチ
ロールまで搬送できる。更に、板厚スラブの先端部をピ
ンチロールで挟み込んだ状態でループ形状を形成するガ
イドロールを取付けた昇降自在のループテーブルからな
るループ形成装置を挟んでループ開始ロール群と矯正ロ
ール群を作動させて、板厚スラブに所定量のループ形状
の形成を、迅速かつ容易に形成させることができる。更
に温度降下を防止させつつ、板厚圧下プレスでの板厚成
形時の変動する成形速度と、仕上圧延機群での圧延成形
時の定常で不変の成形速度による両成形速度差並びに搬
送時の速度差を同調させて容易に解消して、良質の圧延
材を製造することができる。
【0017】更に、別の本発明によれば、連続鋳造され
たスラブを所定の板厚スラブに成形する板厚圧下プレス
(33)と、板厚スラブを連続圧延し製品厚さの圧延材
とする仕上圧延機群(34)との間で順次板厚スラブの
ループ形状の形成を開始するループ開始ロール群(5
0)と、一体的に取付けたピンチロール(61)の上下
ロール間で板厚スラブに所定量のループ形状を形成させ
るループテーブル(64)を有する昇降自在なループ形
成装置(65)と、板厚スラブのループ形状を矯正する
矯正ロール群(55)と、板厚スラブを仕上圧延機群に
搬入するピンチロール(38)と、を備えたことを特徴
とする板厚圧下プレス用のループ形成設備が提供され
る。
【0018】また、別の本発明によれば、連続鋳造され
たスラブを所定の板厚スラブに成形する板厚圧下プレス
(33)と、板厚スラブを連続圧延し製品厚さの圧延材
とする仕上圧延機群(34)との間で順次板厚スラブの
ループ形状の形成を開始するループ開始ロール群(5
0)と、一体的に取付けたピンチロール(61)の上下
ロール間で板厚スラブに所定量のループ形状を形成させ
るループテーブル(64)を有する昇降自在なループ形
成装置(65)と、板厚スラブのループ形状を矯正する
矯正ロール群(55)と、板厚スラブを仕上圧延機群に
搬入するピンチロール(38)と備え、仕上圧延機群前
に配置されたピンチロール(38)の上下ロール間で板
厚スラブの先端部を挟み込んで停止させた状態で、通板
パスライン位置に置かれる板厚スラブをループテーブル
と一体的に昇降自在なピンチロール(61)の上下ロー
ル間に挟み込み、通板パスラインから下降させ板厚スラ
ブにループ形状を形成させる、ことを特徴とする板厚圧
下プレス用のループ形成方法が提供される。
【0019】上記本発明の設備及び方法によれば、前述
した昇降自在なループテーブルに取付けたループを形成
可能とするガイドロールの代わりに、ピンチロールを取
付けて一対の上下ロールのロール隙間(板厚プラス余裕
代)を予め設定させて、このロール隙間に板厚スラブを
挟み込んだ状態で、ピンチロールをループテーブルと共
に一体的に下降させて所定量のループ形状を迅速かつ容
易に形成させることができる。なお、ループテーブルに
取付けたピンチロール以外は、前述した実施形態と同じ
構成設備である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通
する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。図1は、本発明の板厚圧下プレス用のループ形成設
備の第1実施形態を示す全体構成図である。この図に示
すように、本発明の板厚圧下プレス用のループ形成設備
30は、連続鋳造されたスラブ31を上下一対の金型3
2を用いて所定の板厚スラブ31に成形する板厚圧下プ
レス33と、該板厚圧下プレス33の下流側に配置され
搬送される板厚スラブ31を連続圧延し製品厚さの圧延
材31´とする仕上圧延機群(5〜6台)34と、板厚
圧下プレス33と仕上圧延機群34との間に配置されて
この間に搬送される厚い板厚スラブ31にループ形状を
形成させる昇降自在なループ形成装置35と、仕上圧延
機群34の上流側に配置される回転自在な上下ロール3
6、37を有するピンチロール38とを備えている。こ
のように、板厚圧下プレスと仕上圧延機群の間に昇降自
在なループ形成装置を配置したので、板厚圧下プレスで
の板厚成形時の変動する成形速度と、仕上圧延機群での
圧延成形時の定常で不変の成形速度による両成形速度差
並びに搬送時の速度差を同調させて容易に解消して、良
質の圧延材を製造することができる。また、厚い板厚ス
ラブ(例えば本実施例では約90mm)にループ形状を
迅速に形成させることができるので、ループ形成長さL
を短くして圧延ラインを短縮化できるので設備コストを
低減できる。
【0021】また、図1に示すように、ループ形成装置
35は、上部が圧延ラインPを成す通板パスラインXを
形成して回転自在な複数(本図では5本)の搬送ローラ
40からなる搬送ローラ群41を配置するループテーブ
ル42と、昇降自在なループテーブル42の中央部近傍
に取付けられ板厚スラブ31の上面に接触してガイドし
所定のループ形状を形成するガイド体43に内蔵される
ガイドロール44と、ループテーブル42を昇降自在に
支持する油圧シリンダ45とからなる。このように、昇
降自在なループテーブルの上部を、例えば5本の回転自
在な搬送ローラ群を配置したので、通常の通板パスライ
ンXとして使用する場合は、板厚圧下プレスからの板厚
スラブを搬送ローラ群に載置させて下流側に容易に搬送
させることができる。一方、ループ形状を形成させる場
合には、油圧シリンダで支持されて昇降自在なループテ
ーブルの中央部近傍で、かつ搬送ローラ群の上部に取付
けられたガイドロールにより、通板パスラインXに載置
された板厚スラブの上面に接触してガイドし下降させ
て、必要量Hのループ形状を迅速かつ容易に形成させる
ことができる。
【0022】また、板厚圧下プレス33とループ形成装
置35との間に板厚スラブ31のループ形状の形成を開
始させる複数(本図では3本)の回転自在なロール51
乃至53からなるループ開始ロール群50を有してい
る。このように、板厚圧下プレスの下流側に昇降自在な
ループ形成装置との間に複数のロールを板厚スラブを挟
んで配置したので、通板パスラインから下方に向かって
板厚スラブをガイドさせてループ形状の形成の開始を容
易にできる。従って、板厚圧下プレスで板厚圧下されて
所定の板厚(本実施例では約90mm)の板厚スラブ
を、下流側のループ形成装置によるループ形状の形成に
先立って曲げ始めるで、ループ形成装置でのループ形状
の形成が効率的にかつ容易にできる。更に、3番目のロ
ール53を昇降自在としたので、ループ形状開始時にこ
のロールを板厚スラブの上面に押当てて下降させるの
で、ループ形状をより容易に形成できる。
【0023】更に、ループ形成装置35とピンチロール
38との間に板厚スラブ31のループ形状を矯正する回
転自在な複数(本図では3本)のロール56乃至58か
らなる矯正ロール群55を有する。このように、昇降自
在なループ形成装置と仕上圧延機群の上流側のピンチロ
ールとの間に複数の回転自在なロールを板厚スラブを挟
んで配置したので、ループ形成装置で形成された板厚ス
ラブの曲り癖を容易に矯正させて通板パスラインに戻す
ことができる。従って、曲り癖のないストレート形状の
板厚スラブをピンチロールを介して仕上圧延機群に円滑
に、かつ迅速に搬送できる。
【0024】また、図1において、ループ形成装置35
を挟んでループ開始ロール群50と矯正ロール群55を
配置させた。これにより、ループ形成装置によるループ
形状の形成に先立ってループ開始ロール群で曲げ始める
ことができるので、ループ形成装置でのループ形状の形
成が効率的にかつ容易にできる。一方、ループ形成装置
の出側に矯正ロール群を配置させたので、ループ形成装
置で形成された板厚スラブの曲り癖を容易に矯正して、
通板パスラインXに戻すことができる。このように、3
装置を通板パスラインX上に配列したので、板厚圧下プ
レスから成形された板厚スラブにループ形状を迅速かつ
容易に形成できる。更に、所定のループ形状を確保させ
ながら仕上圧延機群に迅速に搬送できるので、板厚スラ
ブの圧延ラインでの成形及び搬送中での温度下降を減少
させて、良好な圧延材を得る。
【0025】次に、図1の板厚圧下プレス用のループ形
成設備30を使用して本発明の板厚圧下プレス用のルー
プ形成方法を説明する。上述の板厚圧下プレス33と、
仕上圧延機群34と、板厚圧下プレス33と仕上圧延機
群34間にループ開始ロール群50と、ガイドロール4
4を有して昇降自在なループ形成装置35と、ロール矯
正ロール群55と、ピンチロール38とを備え、(1)
板厚圧下プレス33の上下金型32で所定の板厚に成形
された板厚スラブ31の先端部を、下流側で通常の通板
パスラインX位置に配置されたループ開始ロール群50
とループ形成装置35と矯正ロール群55とで順次ピン
チロール38まで搬送し、ピンチロール38の上下ロー
ル36、37間に挟み込んだ状態で停止させ、(2)次
に矯正ロール群55とピンチロール38とを板厚スラブ
31を保持し停止させた状態で、板厚圧下プレス33の
板厚成形の作動を続行して板厚スラブ31を下流側に搬
送し、(3)次にループ開始ロール群50も作動させ板
厚スラブ31をガイドして下降させてループ形状の形成
を開始させ、同時にループ開始ロール群50と連動させ
一体的に取付けたループテーブル42のガイドロール4
4で板厚スラブ31の上面と接触してガイドさせながら
通板パスラインXから下降させ、これらを同調させなが
ら板厚スラブ31に所定量(LとH)のループ形状を形
成させ、次に所定量のループ形状の形成を確認した後に
矯正ロール群55の作動を開始してループ形状の板厚ス
ラブ31を順次矯正して通板パスラインに戻し、更に所
定量のループ形状を確保しつつピンチロール38と仕上
圧延機群34の作動を作動させ圧延材31´を圧延製造
する。これにより板厚圧下プレスの板厚成形と仕上圧延
機群の圧延成形との成形速度差と更にこの間の夫々の装
置間の搬送速度差とを同調可能とする。また、板厚スラ
ブにループ形状を形成すると共に、板厚スラブの温度降
下を防止できる。
【0026】図2は、本発明の板厚圧下プレス用のルー
プ形成設備の第2実施形態を示す全体構成図である。図
2に示すように、本発明の板厚圧下プレス用のループ形
成設備60は、前記第1実施形態の昇降自在なループテ
ーブル42に一体的に取付けたガイドロール44の代わ
りにピンチロール式としたものである。
【0027】図2において、本発明の板厚圧下プレス用
のループ形成設備60は、連続鋳造されたスラブ31を
所定の板厚スラブ31に成形する板厚圧下プレス33
と、板厚スラブ31を連続圧延し製品厚さの圧延材31
´とする仕上圧延機群34と、この間で順次板厚スラブ
31のループ形状の形成を開始するループ開始ロール群
50と、一体的に取付けるピンチロール61の上下ロー
ル62と63間で板厚スラブ31を所定量のループ形状
を形成させるループテーブル64を有する昇降自在なル
ープ形成装置65と、板厚スラブ31のループ形状を矯
正する矯正ロール群55と、板厚スラブ31を仕上圧延
機群34に搬入するピンチロール38から構成される。
また、昇降自在なループテーブル64は、前記のループ
テーブル42と同様に上部に圧延ラインPを成す通板パ
スラインXを形成して回転自在な例えば、5本の搬送ロ
ーラ67からなる搬送ローラ群68を配置している。こ
のうちの真中の搬送ローラ67を、ピンチロール61の
下ロール63として使用する。
【0028】また、図2の板厚圧下プレス用のループ形
成設備60を使用して本発明の板厚圧下プレス用のルー
プ形成方法を説明する。前述の板厚圧下プレス33と、
仕上圧延機群34と、この間に順次ループ開始ロール群
50と、一体的に取付けるピンチロール61で所定量の
ループ形状を形成させるループテーブル64を有する昇
降自在なループ形成装置65と、矯正ロール群55と、
ピンチロール38を備え、 仕上圧延機群34前に配置
されたピンチロール38の上下ロール36と37間で板
厚スラブ31の先端部を挟み込んで停止させた状態で、
通板パスラインX位置に置かれる板厚スラブ31をルー
プテーブル64と一体的に昇降自在なピンチロール61
の上下ロール62と63間に挟み込み、通板パスライン
Xから下降させ板厚スラブにループ形状を形成させる。
これにより、ピンチロールを取付けて一対の上下ロール
のロール隙間(板厚プラス余裕代)を予め設定させて、
このロール隙間に板厚スラブを挟み込んだ状態で、ピン
チロールをループテーブルと共に一体的に下降させて第
1実施形態と同様に所定量(LとH)のループ形状を迅
速かつ容易に形成させることができる。
【0029】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。
【0030】
【発明の効果】上述したように、本発明の板厚圧下プレ
ス用のループ形成設備及びループ形成方法は、厚い板厚
スラブにループ形状を迅速かつ容易に形成させ、板厚成
形と圧延成形による成形速度差と搬送速度差を同調させ
て解消でき、板厚スラブの温度降下も防止することがで
きる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板厚圧下プレス用のループ形成設備の
第1実施形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明の板厚圧下プレス用のループ形成設備の
第2実施形態を示す全体構成図である。
【図3】従来のスラブ成形装置の模式図である。
【図4】本発明のループ形成装置の熱間圧延設備配置を
示す模式図である。
【符号の説明】
1 スラブ成形装置 2、12、31 スラブ(板厚スラブ) 3、32 金型 4 プレス 5 溝付ロール 6 エッジャー 7 作業ロール 8 水平圧延機 10 熱間圧延設備 11 連続鋳造機 13 スラブ保加熱炉 14 幅圧下プレス 15、33 板厚圧下プレス 16 ループ装置 17 縦型圧延機 18、34 仕上圧延機 19、31´ 圧延材 20、38、61 ピンチロール 21 巻取機 30、60 ループ形成設備 35、65 ループ形成装置 36、62 上ロール 37、63 下ロール 40、67 搬送ローラ 41、68 搬送ローラ群 42、64 ループテーブル 43 ガイド体 44 ガイドロール 45 油圧シリンダ 50 ループ開始ロール群 51、52、53、56、57、58 ロール 55 矯正ロール群 P 圧延ライン X 通板パスライン L ループ形成長さ H 必要量
フロントページの続き (72)発明者 岩崎 孝行 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社機械・プラント開 発センター内 (72)発明者 西井 崇 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社機械・プラント開 発センター内 (72)発明者 井出 賢一 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 長田 史郎 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 村田 早登史 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E004 MC07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造されたスラブ(31)を上下一
    対の金型を用いて所定の板厚スラブに成形する板厚圧下
    プレス(33)と、該板厚圧下プレスの下流側に配置さ
    れ搬送される板厚スラブを連続圧延し製品厚さの圧延材
    とする仕上圧延機群(34)との間に配置され、この間
    に搬送される板厚スラブにループ形状を形成させる昇降
    自在なループ形成装置(35)と、仕上圧延機群の上流
    側に配置される回転自在な上下ロールを有するピンチロ
    ール(38)と、を備えたことを特徴とする板厚圧下プ
    レス用のループ形成設備。
  2. 【請求項2】 前記ループ形成装置(35)は、上部が
    通板パスラインを形成して回転自在な搬送ローラ群を配
    置するループテーブル(42)と、昇降自在なループテ
    ーブルの中央部近傍に取付けられ板厚スラブの上面を接
    触してガイドし所定のループ形状を形成させるガイドロ
    ール(44)と、ループテーブルを昇降自在に支持する
    油圧シリンダ(45)と、からなることを特徴とする請
    求項1に記載の板厚圧下プレス用のループ形成設備。
  3. 【請求項3】 板厚圧下プレスとループ形成装置との間
    に板厚スラブのループ形状の形成を開始させるループ開
    始ロール群(50)を有すること、を特徴とする請求項
    1又は2に記載の板厚圧下プレス用のループ形成設備。
  4. 【請求項4】 ループ形成装置とピンチロールとの間に
    板厚スラブのループ形状を矯正する矯正ロール群(5
    5)を有すること、を特徴とする請求項1又は2に記載
    の板厚圧下プレス用のループ形成設備。
  5. 【請求項5】 ループ形成装置を挟んでループ開始ロー
    ル群(50)と矯正ロール群(55)を配置する、こと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の板厚圧下プレス用
    のループ形成設備。
  6. 【請求項6】 連続鋳造されたスラブを所定の板厚スラ
    ブに成形する板厚圧下プレス(32)と、板厚スラブを
    連続圧延し製品厚さの圧延材とする仕上圧延機群(3
    4)との間で順次板厚スラブのループ形状の形成を開始
    するループ開始ロール群(50)と、板厚スラブをガイ
    ドし所定のループ形状を形成するガイドロールを有する
    昇降自在なループ形成装置(35)と、板厚スラブのル
    ープ形状を矯正する矯正ロール群(55)と、板厚スラ
    ブを仕上圧延機群に搬入するピンチロール(38)と、
    を備え、 (A)板厚圧下プレスの上下金型で所定の板厚に成形さ
    れた板厚スラブの先端部を、下流側で通常の通板パスラ
    イン位置に配置されたループ開始ロール群(50)とル
    ープ形成装置(35)と矯正ロール群(55)とで順次
    ピンチロール(38)まで搬送し、ピンチロールの上下
    ロールに挟み込んだ状態でスラブ先端を停止させ、 (B)次にループ開始ロール群(50)も作動させ板厚
    スラブをガイドして下降させてループ形状の形成を開始
    させ、同時にループ開始ロール群と連動させ一体的に取
    付けたループテーブル(42)のガイドロールで板厚ス
    ラブの上面と接触してガイドさせながら通板パスライン
    から下降させ、これらを同調させながら板厚スラブに所
    定量のループ形状を形成させ、 (C)次に所定量のループ形状の形成を確認した後に矯
    正ロール群(55)の作動を開始してループ形状の板厚
    スラブを順次矯正して通板パスラインに戻し、更に所定
    量のループ形状を確保しつつピンチロールと仕上圧延機
    群の作動を作動させ、これにより板厚圧下プレスの板厚
    成形と仕上圧延機群の圧延成形との成形速度差と更にこ
    の間の夫々の装置間の搬送速度差とを同調可能とする、
    ことを特徴とする板厚圧下プレス用のループ形成方法。
  7. 【請求項7】 連続鋳造されたスラブを所定の板厚スラ
    ブに成形する板厚圧下プレス(33)と、板厚スラブを
    連続圧延し製品厚さの圧延材とする仕上圧延機群(3
    4)との間で順次板厚スラブのループ形状の形成を開始
    するループ開始ロール群(50)と、一体的に取付けた
    ピンチロール(61)の上下ロール間で板厚スラブに所
    定量のループ形状を形成させるループテーブル(64)
    を有する昇降自在なループ形成装置(65)と、板厚ス
    ラブのループ形状を矯正する矯正ロール群(55)と、
    板厚スラブを仕上圧延機群に搬入するピンチロール(3
    8)と、を備えたことを特徴とする板厚圧下プレス用の
    ループ形成設備。
  8. 【請求項8】 連続鋳造されたスラブを所定の板厚スラ
    ブに成形する板厚圧下プレス(33)と、板厚スラブを
    連続圧延し製品厚さの圧延材とする仕上圧延機群(3
    4)との間で順次板厚スラブのループ形状の形成を開始
    するループ開始ロール群(50)と、一体的に取付けた
    ピンチロール(61)の上下ロール間で板厚スラブに所
    定量のループ形状を形成させるループテーブル(64)
    を有する昇降自在なループ形成装置(65)と、板厚ス
    ラブのループ形状を矯正する矯正ロール群(55)と、
    板厚スラブを仕上圧延機群に搬入するピンチロール(3
    8)と備え、 仕上圧延機群前に配置されたピンチロール(38)の上
    下ロール間で板厚スラブの先端部を挟み込んで停止させ
    た状態で、通板パスライン位置に置かれる板厚スラブを
    ループテーブルと一体的に昇降自在なピンチロール(6
    1)の上下ロール間に挟み込み、通板パスラインから下
    降させ板厚スラブにループ形状を形成させる、ことを特
    徴とする板厚圧下プレス用のループ形成方法。
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