JP2000343164A - 線条材保持用グリップ - Google Patents

線条材保持用グリップ

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JP2000343164A
JP2000343164A JP11158266A JP15826699A JP2000343164A JP 2000343164 A JP2000343164 A JP 2000343164A JP 11158266 A JP11158266 A JP 11158266A JP 15826699 A JP15826699 A JP 15826699A JP 2000343164 A JP2000343164 A JP 2000343164A
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grip
electric wire
wire
tip
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JP11158266A
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Hiroji Kodera
博治 小寺
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Kodera Electronics Co Ltd
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Kodera Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電線等の線条材を、滑ることなく確実に保持
することができるとともに、線条材に大きな締付力を加
えることなく保持することができる線条材保持用グリッ
プを提供する。 【解決手段】 2つの押圧手段22により電線を挟んで
保持する線条材保持用グリップであって、押圧手段22
は、薄板状の押圧片36が積層された押圧群25と、そ
れぞれの押圧片36を押圧方向に付勢するバネ部40と
を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、線条材保持用グリ
ップに関するものであり、特に、電線等の線条材を、2
つの押圧手段によって挟むことにより保持することがで
きる線条材保持用グリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電線の先端に圧着端子を取り
つけるための装置として、端子圧着装置が知られてい
る。これは、動力機構により上下運動する圧潰部材と、
凹状のアンビルが形成された基台とを備えるものであ
り、基台のアンビルに送り込まれた圧着端子に電線の先
端を挿入し、圧潰部材で圧潰することにより、電線の先
端に圧着端子を取りつけることができるものである。
【0003】また、圧着端子を連続して取付けることが
できるように、電線を送り込む電線送り機構と、電線の
切断、及び電線の端部の被覆材の除去を行う切断機構と
を備えた端子圧着装置も知られている。これによれば、
まず、電線の先端側の被覆材が除去され、基台のアンビ
ル上に載置された圧着端子に電線の先端が挿入される。
そして、動力機構の動作により圧着端子が圧潰される。
その後、圧着端子が取付けられた電線は電線送り機構に
より所定長さ分だけ送られ、切断機構により切断され
る。このように、圧潰動作が行われる毎に、圧潰後の電
線の移動動作(排出動作)及び切断動作が行われ、続い
て、新しく送り込む電線の被覆材除去動作及び圧着端子
への送り込み動作が順次行われる。
【0004】ところで、電線を送る際や、被覆材を除去
する際には、電線を保持する必要がある。このため、上
記の端子圧着装置は、保持用グリップを備えている。図
9(a)は保持用グリップの正面図であり、図9(b)
は保持用グリップの斜視図である。この保持用グリップ
50は、電線Lを挟む2つの押圧手段51(51a,5
1b)と、それぞれの押圧手段51を回転させるグリッ
プ可動機構52とを備えている。つまり、グリップ可動
機構52を動作させると、右側に配設された押圧手段5
1aが軸53を中心として反時計方向に回転するととも
に、左側に配設された押圧手段51aが軸54を中心と
して時計方向に回転する。これにより、電線Lは、それ
ぞれの押圧手段51の当接面55(55a,55b)に
挟まれた状態で保持される。なお、当接面55には、複
数の溝部57が形成されている。この溝部57により、
摩擦係数が大きくなり、電線Lの滑りが防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の保持用
グリップ50では、溝部57により、電線Lの滑りをあ
る程度防止することができるものの、例えば電線Lの被
覆材を除去する場合においては、大きな保持力が必要で
あるため、グリップ可動機構52による締付力を大幅に
増加させなければならなかった。ところが、大きな締付
力で電線Lを保持すると、電線Lが変形してしまい、特
に、被覆材にテフロンが使用されている電線において
は、被覆材が潰れて元の形状に戻らないことや、被覆材
に溝部57の跡が残ることが生じた。さらに、電線Lの
変形により、電線Lの特性に影響を及ぼす恐れもあっ
た。
【0006】本発明は、電線等の線条材を、滑ることな
く確実に保持することができるとともに、線条材に大き
な締付力を加えることなく保持することができる線条材
保持用グリップの提供を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
線条材保持用グリップは、2つの押圧手段により線条材
を挟んで保持する線条材保持用グリップであって、前記
押圧手段は、薄板状の押圧片が積層された押圧群と、そ
れぞれの前記押圧片を押圧方向に付勢する弾性手段とを
具備したものである。
【0008】したがって、請求項1の発明の線条材保持
用グリップによれば、2つの押圧手段によって線条材を
挟むと、押圧群の先端面が線条材の周壁に当接する。押
圧群を構成するそれぞれの押圧片は、弾性手段によって
押圧方向に付勢されているため、押圧手段の押圧力(締
付力)を高めると、各押圧片は、線条材の周壁を押圧し
た状態で変位する。ここで、押圧片は薄板状であり、電
線の外径に比べて非常に薄いため、押圧片の積層により
形成された押圧群の先端面は、線条材の周壁に沿った形
状となる。つまり、線条材との接触面積が増えることに
なる。なお、線条材は殆ど変形しない。
【0009】請求項2の発明にかかる線条材保持用グリ
ップは、請求項1に記載の線条材保持用グリップにおい
て、前記押圧片の先端に複数の凸部が形成されたもので
ある。
【0010】したがって、請求項2の発明の線条材保持
用グリップによれば、請求項1の発明の線条材保持用グ
リップの作用に加え、線条材を保持する際、複数の凸部
が線条材に当接する。このため、摩擦係数が大きくな
り、線条材に対する保持力が強くなる。
【0011】請求項3の発明にかかる線条材保持用グリ
ップは、請求項2に記載の線条材保持用グリップにおい
て、前記凸部を、角を有する形状としたものである。こ
こで、「角を有する形状」としては、例えば4角形また
は3角形とすることができる。
【0012】したがって、請求項3の発明の線条材保持
用グリップによれば、請求項2の発明の線条材保持用グ
リップの作用に加え、凸部の角張った部分が線条材に当
接することから、線条材に対する引っ掛かりが大きくな
り、摩擦係数が更に増加する。
【0013】請求項4の発明にかかる線条材保持用グリ
ップは、請求項3に記載の線条材保持用グリップにおい
て、前記凸部の形成位置が互いに異なる、第1押圧片及
び第2押圧片とが交互に積層されたものである。
【0014】したがって、請求項4の発明の線条材保持
用グリップによれば、請求項3の発明の線条材保持用グ
リップの作用に加え、隣接する押圧片同士の凸部は重合
しないため、押圧群に形成される凸部は、互いに繋がっ
て形成されることはない。すなわち、全ての凸部が独立
して点状に形成される。このため、線条材に対する引っ
掛かりが更に増え、保持力が一層向上する。
【0015】請求項5の発明にかかる線条材保持用グリ
ップは、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の
線条材保持用グリップにおいて、前記押圧片に、前記弾
性手段であるバネ部が形成されたものである。
【0016】したがって、請求項5の発明の線条材保持
用グリップによれば、請求項1乃至請求項4のいずれか
の発明の線条材保持用グリップの作用に加え、押圧片に
形成されたバネ部により押圧片が押圧方向に付勢され
る。このため、押圧群の先端面を線条材に当接させる
と、それぞれの押圧片が変形し、押圧片の先端位置が変
位する。
【0017】請求項6の発明にかかる線条材保持用グリ
ップは、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の
線条材保持用グリップにおいて、前記押圧群の後方に、
前記弾性手段である弾性部材が配設されたものである。
ここで、「弾性部材」としては、例えば、ゴム、スポン
ジ、または板バネが挙げられる。
【0018】したがって、請求項6の発明の線条材保持
用グリップによれば、請求項1乃至請求項4のいずれか
の発明の線条材保持用グリップの作用に加え、押圧片の
後方に配設された弾性部材により押圧片が押圧方向に付
勢される。このため、押圧群の先端面を線条材に当接さ
せると、弾性部材が変形し、押圧片が変位する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
線条材保持用グリップについて、図1乃至図7に基づき
説明する。図1は線条材保持用グリップが組み込まれた
端子圧着装置を示す斜視図、図2及び図3は端子圧着装
置の動作を説明するための説明図、図4は線条材保持用
グリップの押圧手段の構成を示す斜視図、図5は図4の
押圧手段の分解斜視図、図6は押圧手段の押圧片を示す
平面図、図7は押圧手段の動作を説明するための説明図
である。
【0020】本実施形態の線条材保持用グリップ1(以
下、「グリップ1」と称す)が組み込まれた端子圧着装
置Aは、電線Lの送り込み、被覆材の除去、圧着端子の
圧潰、及び電線Lの切断を一連の動作として行い、両端
に圧着端子が圧着された所定長さの電線Lを連続して製
作するものである。この端子圧着装置Aは、図1に示す
ように、電線Lの先端側に圧着端子を圧着させるための
第1圧着機本体2と、電線Lの後端側に圧着端子を圧着
させるための第2圧着機本体3と、電線Lの先端側を第
1圧着機本体2に送り込む電線送り機構4と、電線Lを
切断するとともに電線Lの端部の被覆材を除去する切断
機構5と、切断後の電線Lを保持し電線Lの後端側を第
2圧着機本体3に送り込むチャック機構6とを備えてい
る。そして、このチャック機構6に本発明のグリップ1
が組み込まれている。
【0021】以下、各部の構成及び動作について簡単に
説明する。なお、第1圧着機本体2と第2圧着機本体3
とは基本的な構成が等しいため、第2圧着機本体3につ
いての詳細な説明は省略する。第1圧着機本体2は、支
柱部材8と、動力機構(図示しない)の動作により上下
運動するガイド部材9と、支柱部材8の下側に位置する
基台10とを備えている。
【0022】ガイド部材9には、調節機構(図示しな
い)と圧力センサ11とを介して圧潰部材12が取付け
られている。圧潰部材12は、ガイド部材9の下端から
突出して配設されており、調節機構により下方への突出
長さを調節できるようになっている。圧潰部材12は、
ガイド部材9と一体となって上下運動する。
【0023】基台10の上面には、凹状のアンビル10
aが形成されている。したがって、基台10のアンビル
10aに圧着端子が供給された状態で、電動機を駆動さ
せると、圧潰部材12がガイド部材9とともに下方に移
動し、圧潰部材12の先端と基台10に形成されたアン
ビル10aとが噛み合って、圧着端子を圧潰する。
【0024】また、第1圧着機本体2は、圧着端子を基
台10のアンビル10aに順次供給する端子搬送手段
(図示しない)を備えている。端子搬送手段は、一連に
繋がれた圧着端子を案内部材に沿って移動させるもので
あり、圧潰部材12の動作に連動している。
【0025】電線送り機構4は、図2または図3に示す
ように、電線取込みガイド14、回転体15、及びガイ
ドパイプ16が、円形板17の上に配設されている。回
転体15は、モータ(図示しない)により駆動され、回
転方向と回転数とを制御することにより電線Lを任意の
長さだけ送ることができる。電線取込みガイド14を介
して取込まれた電線Lは、2つの回転体15により、ガ
イドパイプ16内に送り込まれ、更にガイドパイプ16
の先端へと導かれる。ガイドパイプ16の先方向には、
切断機構5が配設されており、回転体15より電線Lを
送り込むと、電線Lの先端が切断機構5の上刃と下刃の
間に挿入される(図2の矢印A)。
【0026】また、電線送り機構4の円形板17は、モ
ータ等を有する回転手段(図示しない)により所定角度
内で回転する。つまり、回転手段により円形板17が回
転すると、ガイドパイプ16の先端位置が変位し(図2
の矢印B)、ガイドパイプ16の先端が第1圧着機本体
2のアンビル10aに臨む。この状態で、回転体15に
より電線Lを送り込むと、電線Lの先端がアンビル10
a上に載置された圧着端子の所定部位に挿入される(図
2の矢印C)。
【0027】切断機構5は、電線Lの切断や、電線Lの
端部の被覆材を除去するものであり、上下方向に配設さ
れた2つ刃(上刃・下刃)と、上刃を下刃に対して上下
に移動させる移動手段(図示しない)とを備えている。
つまり、上刃と下刃との間に電線Lを挿入した状態で、
上刃が下刃に当接するように移動手段を動作させること
により電線Lが切断される。また、電線Lの端部が所定
長さ突出するように、上刃と下刃との間に電線Lを挿入
した状態で、上刃と下刃との間隔が電線Lの芯線の大き
さに対応した距離となるように移動手段を動作させ、続
いて、電線送り機構4あるいはチャック機構6により電
線Lを引っ張ることにより、電線Lの端部の被覆材が除
去される。
【0028】チャック機構6は、切断機構5の後方側に
配設され、グリップ1、移動手段18、及び送込手段1
9を備えている。グリップ1は、送込手段19の先端に
取付けられており、電線Lを挟んだ状態で保持するもの
である。このグリップ1の詳細な構成については後述す
る。移動手段18は、グリップ1が弧を描くように、グ
リップ1及び送込手段19を所定範囲内で移動させるも
のであり、グリップ1により電線Lが保持された状態
で、電線Lの後端側を切断機構5側から第2圧着機本体
3側に移動させることができる(図3の矢印D)。ま
た、送込手段19は、グリップ1を前後方向に移動させ
るものであり、第2圧着機本体3のアンビル上に載置さ
れた圧着端子の所定部位に、電線Lの後端側を送り込む
(図3の矢印E)とともに、圧着端子の圧潰後、圧着端
子が圧着された電線Lをアンビルから排出する。なお、
これらのグリップ1、移動手段18、及び送込手段19
は圧縮空気の供給により駆動される。
【0029】次に、グリップ1の構成について、図4乃
至図6に基づき説明する。グリップ1は、グリップ可動
機構21(図3参照)と、2つの押圧手段22とを備え
ている。グリップ可動機構21は、押圧手段22を動作
させるためのものであり、2つの押圧手段22を閉じた
状態(電線Lを挟持する状態)と、開いた状態(電線L
を挟持しない状態)とに切換えることができる。
【0030】押圧手段22は、図4及び図5に示すよう
に、基体23と、ガイド板24と、押圧群25と、支持
板26とから構成されている。基体23は、略直方体の
外観を呈しており、一端から中央付近にかけて、押圧群
25等が収容される中空部27となっている。また、当
接面28には中空部27に貫通する溝29が形成されて
いる。さらに、基体23の他端側には、幅方向(図5に
おいては前後方向)に貫通する開口30が穿設されてお
り、この開口30内に、グリップ可動機構21の回転軸
(図示しない)が挿入されている。つまり、グリップ可
動機構21の回転軸が回転すると、押圧手段22は、回
転軸を中心として回動する。なお、押圧手段22の当接
面28には、ストッパー31が突設されており、締付力
が強すぎても、押圧群25の先端面M同士が当接するこ
とを防止できる。
【0031】ガイド板24は、基体23の中空部27に
周囲に取付けられた略U字型の金属板であり、その先端
には、それぞれV字型の案内溝32が形成されている。
また、ガイド板24の側面には取付用の長孔33が穿設
されており、長孔33を介して締結手段34が締結され
ている。このガイド板24は、電線Lのセンターリング
を行うために備えられたものである。具体的には、グリ
ップ可動機構21により、左右の押圧手段22を締付方
向に回動させると、ガイド板24の案内溝32同士が重
なり合い、両方の案内溝32で囲まれた空間(略4角形
状の空間)の面積が徐々に小さくなる。これにより、電
線Lは、押圧群25の定められた部位に対向するように
位置決めされる。
【0032】押圧群25は、複数(例えば40枚)の押
圧片36を積層したものである。押圧片36は、薄板状
の金属板であり、複数の小さな凸部37が形成された先
端部38と、4角形の胴部39と、複数の切欠により蛇
行形状に形成されたバネ部40とから構成されている。
押圧片36の先端部38の長さ(N1)は、基体23の
当接面28における溝29の深さ(H1)より長く、胴
部39及びバネ部40の長さ(N2)は、基体23の中
空部27の高さ(H2)と一致している。つまり、押圧
片36が基体23の中空部27に収容された状態では、
押圧片36の先端部38が、基体23の溝29を貫通し
て当接面28から突出している。
【0033】図6(a)は1枚の押圧片36の先端部3
8を示し、また、図6(b)は積層された押圧片36を
示している。押圧片36の先端に形成された複数の凸部
37は、先端に角(エッジ)を有する山型の形状であ
り、所定の間隔で直線上に配列されている。なお、先端
部38の形状、すなわち、凸部37の配列は左右対称で
はなく、一端は突出しているが他端は窪んだ形状となっ
ている。この形状により、共通の押圧片36を使用する
にもかかわらず、互いに隣接する押圧片36同士の凸部
37を、互いに重合させないようにすることができる。
つまり、押圧群25を作製するにあたって、押圧片36
を一枚置きに裏返して積層することにより、所定の押圧
片(第1押圧片)36と、その押圧片36に隣接する押
圧片(第2押圧片)36とは、凹凸の関係が反転するた
め、凸部37同士は互いに重なり合わない。したがっ
て、凸部37が積層方向に連続して形成されないため、
押圧群25の先端面Mには、複数の凸部37が独立した
点状の突起として形成される。
【0034】押圧片36のバネ部40は、押圧片36を
押圧方向(電線Lの方向)に付勢する弾性手段であり、
押圧片36の先端が電線Lに当接すると、バネ部40が
弾性変形し、バネ部40の弾性力により電線Lの周壁を
押圧する。このとき、バネ部40の弾性変形により押圧
片36の先端位置は、電線Lの形状に応じて変位する。
つまり押圧片36から構成される押圧群25の先端面M
は、図7に示すように、平面形状(図7(a))から電
線Lの周壁に沿った形状(図7(b))に変化する。
【0035】支持板26は、図5に示すように、複数の
押圧片36を積層された状態に支持するための部材であ
り、押圧群25の両端にそれぞれ配設されている。この
支持板26の大きさ(幅及び高さ)は押圧片36の大き
さと略一致し、支持板26の板厚は押圧片36の板厚よ
りかなり厚くなっている。
【0036】次に、グリップ1による電線Lの保持動作
について説明する。電線Lがグリップ1に送り込まれ、
運転制御手段(図示しない)から電線Lを保持させる指
示信号が送信されると、制御弁(図示しない)が開き、
グリップ可動機構21に圧縮空気が供給される。この圧
縮空気の供給によりグリップ可動機構21の回転軸が回
転する。なお、回転軸は2つあり、互いに反対方向に回
転する。
【0037】回転軸の回転により、左右の押圧手段22
は回転軸(開口30)を中心に回動し、当接面28が互
いに近づくように変位する。2つの押圧手段22の間に
送り込まれた電線Lは、ガイド板24の案内溝32によ
って案内され、押圧群25の先端面の所定位置に臨む。
さらに回転軸が回転すると、押圧群25を構成する各押
圧片36の先端(複数の凸部37の先端)が電線Lの周
壁に当接し、電線Lを左右から押圧する。このとき、各
押圧片36に形成されたバネ部40が弾性変形し、押圧
片36の先端位置が変位するとともに、弾性力により電
線Lの周壁を押圧する。そして、それぞれの押圧片36
の先端が電線Lに応じて変位することから、押圧群25
の先端面Mの形状は、電線Lの周壁に沿った形状とな
る。この状態では、電線Lは複数の押圧片36に押圧さ
れた状態で支持される。特に押圧群25の先端面には、
多数の凸部37が形成されているため、摩擦係数が大き
く増加する。更に、個々の凸部37は角(エッジ)を有
するため、電線Lの周壁に引っ掛かり易く、摩擦係数が
非常に大きくなる。
【0038】このように、上記のグリップ1では、薄板
状の押圧片36を積層し、且つそれぞれの押圧片36を
押圧方向に付勢するバネ部40を備えたため、押圧群2
5の先端面Mを電線Lの形状に沿って変形させることが
でき、電線Lとの接触面積が増加する。したがって、電
線Lを確実に保持することができ、しかも、電線Lの変
形を防止することができる。特に、電線Lの被覆材とし
てテフロンを使用する場合であっても、被覆材が潰れた
り、被覆材に跡が残るようなことはない。
【0039】上記のグリップ1では、押圧片36の先端
に複数の凸部37が形成されているため、押圧群25の
先端面Mが凹凸面となり、摩擦係数が増加する。したが
って、電線Lの滑りを確実に防止することができる。特
に、凸部37の先端は角張っているため、電線Lへの引
っ掛かりを高めることができる。更に、積層方向に対し
て凸部37が点状に形成されるため、電線Lへの引っ掛
かりを一層高めることができる。
【0040】また、上記のグリップ1では、押圧片36
にバネ部40を一体成形したことにより、それぞれの押
圧片36を個々に変位させることができ、押圧群25の
先端面を電線Lの形状に沿って確実に変形させることが
できる。
【0041】ところで、上記のグリップ1では、弾性手
段として、押圧片36にバネ部40を一体成形するもの
を示したが、弾性手段を押圧片とは別に構成するように
してもよい。例えば、図8に示すように、バネ部を有し
ない押圧片43を積層するとともに、押圧片43の後方
にゴム部材44を配設するようにしてもよい。これによ
れば、ゴム部材44が弾性変形し、それぞれの押圧片4
3が押圧方向に付勢される。なお、ゴム部材44の代わ
りにスポンジや板バネを使用してもよい。
【0042】また、上記のグリップ1では、押圧片36
の先端に複数の凸部37を形成するものを示したが、保
持力が十分であれば凸部37を形成しなくても構わな
い。また、上記のグリップ1では、共通の押圧片26を
裏返えすことにより、凸部37の形成位置を互いに異な
るようにしたが、凸部の配列が互いに異なる2種類の押
圧片(第1押圧片,第2押圧片)を製作し、2種類の押
圧片を交互に積層するようにしてもよい。
【0043】上記のグリップ1では、線条材として電線
Lを示したが、電線に代えて、鉄筋やパイプ等を保持す
るようにしてもよい。また、この場合、線条材の太さや
硬度は特に制限されることはない。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の線条材
保持用グリップは、薄板状の押圧片を積層するととも
に、それぞれの押圧片を押圧方向に付勢する弾性手段を
備えたことにより、押圧群の先端面を線条材の形状に沿
って変形させることができる。このため、線条材との接
触面積が増加し、線条材を確実に保持することができ
る。しかも、線条材の変形等を防止することもできる。
【0045】請求項2の発明の線条材保持用グリップ
は、請求項1の発明の線条材保持用グリップの効果に加
えて、押圧片の先端に複数の凸部を形成したことによ
り、押圧群の先端面が凹凸面となり、摩擦係数を増加さ
せることができる。したがって、線条材の滑りを防止す
ることができる。
【0046】請求項3の発明の線条材保持用グリップ
は、請求項2の発明の線条材保持用グリップの効果に加
えて、凸部は角を有するため、線条材への引っ掛かりを
高めることができる。したがって、摩擦係数が更に増加
し、線条材の滑りを確実に防止することができる。
【0047】請求項4の発明の線条材保持用グリップ
は、請求項3の発明の線条材保持用グリップの効果に加
えて、押圧群の先端面に、凸部が点状に形成されるた
め、線条材への引っ掛かりを一層高めることができる。
したがって、締付力が弱くても、線条材を確実に保持す
ることができる。
【0048】請求項5の発明の線条材保持用グリップ
は、請求項1乃至請求項4のいずれかの発明の線条材保
持用グリップの効果に加えて、押圧片にバネ部を一体成
形したことにより、それぞれの押圧片を個々に変位させ
ることができるため、押圧群の先端面を線条材の形状に
沿って確実に変形させることができる。
【0049】請求項6の発明の線条材保持用グリップ
は、請求項1乃至請求項4のいずれかの発明の線条材保
持用グリップの効果に加えて、押圧片の形状が簡略化さ
れるため、安価に製品化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である線条材保持用グリッ
プが組み込まれた端子圧着装置を示す斜視図である。
【図2】図1の端子圧着装置の動作を説明するための説
明図である。
【図3】図1の端子圧着装置の動作を説明するための説
明図である。
【図4】本発明の一実施形態である線条材保持用グリッ
プの押圧手段を示す斜視図である。
【図5】図4の押圧手段の構成を示す分解斜視図であ
る。
【図6】図5の押圧手段における押圧片を示す平面図で
ある。
【図7】本発明の一実施形態である線条材保持用グリッ
プの動作を説明するための説明図である。
【図8】押圧手段の他の実施形態を示す分解斜視図であ
る。
【図9】従来の線条材保持用グリップの構成を示す正面
図及び斜視図である。
【符号の説明】
1 グリップ(線条材保持用グリップ) 22 押圧手段 25 押圧群 36 押圧片 37 凸部 40 バネ部(弾性手段) 44 ゴム部材(弾性部材,弾性手段) L 電線(線条材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの押圧手段により線条材を挟んで保
    持する線条材保持用グリップであって、 前記押圧手段は、薄板状の押圧片が積層された押圧群
    と、それぞれの前記押圧片を押圧方向に付勢する弾性手
    段とを具備することを特徴とする線条材保持用グリッ
    プ。
  2. 【請求項2】 前記押圧片の先端に複数の凸部が形成さ
    れたことを特徴とする請求項1に記載の線条材保持用グ
    リップ。
  3. 【請求項3】 前記凸部は、角を有する形状であること
    を特徴とする請求項2に記載の線条材保持用グリップ。
  4. 【請求項4】 前記凸部の形成位置が互いに異なる、第
    1押圧片及び第2押圧片とが交互に積層されたことを特
    徴とする請求項3に記載の線条材保持用グリップ。
  5. 【請求項5】 前記押圧片に、前記弾性手段であるバネ
    部が形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4
    のいずれか1つに記載の線条材保持用グリップ。
  6. 【請求項6】 前記押圧群の後方に、前記弾性手段であ
    る弾性部材が配設されたことを特徴とする請求項1乃至
    請求項4のいずれか1つに記載の線条材保持用グリッ
    プ。
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