JP2000342190A - 飼料添加物、液状飼料添加物、飼料、及びそれらの製造方法 - Google Patents

飼料添加物、液状飼料添加物、飼料、及びそれらの製造方法

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JP2000342190A
JP2000342190A JP11154172A JP15417299A JP2000342190A JP 2000342190 A JP2000342190 A JP 2000342190A JP 11154172 A JP11154172 A JP 11154172A JP 15417299 A JP15417299 A JP 15417299A JP 2000342190 A JP2000342190 A JP 2000342190A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家畜類を健康にして安全な畜産製品等を生産
可能とする飼料添加物、液状飼料添加物、飼料、及びそ
れらの製造方法を提供する。 【解決手段】 好熱性みろく種菌を有機素材に添加し、
好気条件下且つ50乃至90℃で発酵させる飼料添加物
の製造方法。飼料添加物に有機素材を添加し、好気条件
下且つ50乃至90℃で発酵させる飼料添加物の製造方
法。飼料添加物と液状飼料添加物の少なくともいずれか
一方が配合された飼料を給与した家畜類の糞尿を前記飼
料添加物に添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で発
酵させて得た有機肥料を土壌に施肥し、飼料となる飼料
用作物をこの土壌で栽培する飼料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば海産物残
渣等の有機素材の分解能を有する好熱性みろく種菌によ
る発酵等によって製造される飼料添加物、液状飼料添加
物、飼料、及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、家畜や家禽等の家畜類に
給与される飼料とは、家畜類の成長、繁殖、産乳、産
肉、産卵、産毛、畜力の供給等を可能にする栄養素を1
種以上含む物質であり、家畜類に経口的に摂取される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
飼料を給与した家畜類からは、悪臭を放つ糞尿が排泄さ
れることが多い。この場合、糞尿の悪臭により生育環境
が劣悪となって家畜類にストレスが溜まることも多い。
そのため、家畜類が病弱又は病気になりがちであり、こ
のような家畜類から生産される畜産製品等の安全性が問
題となっている。
【0004】この発明は、以上のような問題点に鑑みて
なされたものであり、家畜類を健康にして安全な畜産製
品等を生産可能とする飼料添加物、液状飼料添加物、飼
料、及びそれらの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の飼料添加物の製造方法は、バチルス・ブ
レビスの近縁の種である好熱性C−1菌と、バチルス・
ブレビスの近縁の種である好熱性C−3菌と、バチルス
・ステアロサーモフィルスか又はその近縁の種である好
熱性C−4菌との混合菌であると共に、好気条件下で有
機素材の分解能を有する好熱性みろく種菌を使用する飼
料添加物の製造方法であって、前記好熱性みろく種菌を
有機素材に添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で発
酵させるものである。
【0006】請求項2の飼料添加物の製造方法は、請求
項1記載の方法により製造された飼料添加物に有機素材
を添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で発酵させる
ものである。
【0007】請求項3の飼料添加物の製造方法は、遠赤
外線の照射によって50乃至90℃に昇温させるもので
ある。
【0008】請求項4の飼料添加物の製造方法において
は、前記有機素材が海産物残渣を含有する。
【0009】請求項5の飼料添加物の製造方法は、所定
時間以上発酵させるものである。
【0010】請求項6の飼料添加物は、請求項1乃至5
のいずれか記載の方法により製造されたものである。
【0011】請求項7の液状飼料添加物の製造方法は、
請求項6記載の飼料添加物を水に添加し、好気条件下且
つ30乃至70℃で培養するものである。
【0012】請求項8の液状飼料添加物の製造方法は、
請求項6記載の飼料添加物を、この飼料添加物の製造の
際に採取された蒸留液に添加し、好気条件下且つ30乃
至70℃で培養するものである。
【0013】請求項9の液状飼料添加物の製造方法は、
遠赤外線の照射によって30乃至70℃に昇温させるも
のである。
【0014】請求項10の液状飼料添加物の製造方法
は、所定時間以上培養するものである。
【0015】請求項11の液状飼料添加物は、請求項7
乃至10のいずれか記載の方法により製造されたもので
ある。
【0016】請求項12の飼料の製造方法は、請求項6
記載の飼料添加物と請求項11記載の液状飼料添加物の
少なくともいずれか一方が配合された飼料を給与した家
畜類の糞尿を前記飼料添加物に添加し、好気条件下且つ
50乃至90℃で発酵させて得た有機肥料を使用する飼
料の製造方法であって、前記有機肥料を土壌に施肥し、
飼料となる飼料用作物をこの土壌で栽培するものであ
る。
【0017】請求項13の飼料の製造方法は、請求項6
記載の飼料添加物と請求項11記載の液状飼料添加物の
少なくともいずれか一方が配合された飼料を給与した家
畜類の糞尿を前記飼料添加物に添加し、好気条件下且つ
50乃至90℃で発酵させて得た有機肥料を、水又はこ
の有機肥料の製造の際に採取された蒸留液に添加し、好
気条件下且つ30乃至70℃で培養して得た液状有機肥
料を使用する飼料の製造方法であって、前記液状有機肥
料を土壌に施肥し、飼料となる飼料用作物をこの土壌で
栽培するものである。
【0018】請求項14の飼料は、請求項12又は13
記載の方法により製造されたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て説明する。第1実施形態に係る飼料添加物の製造方法
は、好熱性みろく種菌を有機素材に添加し、好気条件下
且つ50〜90℃で発酵させることによって、粉体状の
飼料添加物を製造するものである。
【0020】前記好熱性みろく種菌は、バチルス・ブレ
ビス(Bacillus brevis )の近縁の種である好熱性C−
1菌と、バチルス・ブレビスの近縁の種である好熱性C
−3菌と、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacill
us stearothermophilus )か又はその近縁の種である好
熱性C−4菌との混合菌であると共に、好気条件下で有
機素材の分解能を有している。
【0021】この好熱性みろく種菌は、大分県杵築市三
光坊の山中の土壌と別府湾の海底エビとの混合発酵物か
ら採取、分離されたものである。その同定結果を表1に
示す。なお、この好熱性みろく種菌は、平成11年3月
9日付けで工業技術院生命工学工業技術研究所から受託
拒否の証明がなされており、本願の出願人である株式会
社三六九(代表者:宮本久、所在地:大分県杵築市三光
坊一大字岩谷706−27、電話番号:09786−3
−0514)で保管されている。
【0022】
【表1】
【0023】前記有機素材としては、例えば、海産物残
渣、昆虫類、動物類、珈琲粕、麦わら、もみ殻、稲わ
ら、茶粕、食用廃油、大豆・小豆・落花生等の豆類の種
皮等、落ち葉、樹皮、家畜・家禽等の糞尿、これら海産
物残渣等を食べた微生物類等の各種の有機物やこれらの
適当な組合せの混合物が挙げられるが、これらのうち、
海産物残渣と珈琲粕の混合物が好適である。この場合の
海産物残渣と珈琲粕の混合割合としては、重量比で7対
3程度が望ましい。
【0024】有機素材は、全重量の数十%程度の水分を
含んだ生の状態で使用すればよい。発酵は、この有機素
材に所定割合の好熱性みろく種菌を添加し、空気雰囲気
下での攪拌等による好気条件下において好熱性みろく種
菌の自家発酵熱又はヒータ等による加熱によって50〜
90℃で行えばよい。ここで、遠赤外線の照射によって
50〜90℃に昇温させる場合には、より短時間で昇温
できるという利点がある。
【0025】混合物の水分は発酵の進行に伴って低下し
てくるので、含水率が20重量%程度以下になるまで発
酵を数時間〜数十時間続けて好熱性みろく種菌を固定化
すればよい。この際、蒸留液が生成するので、これを別
に採取しておくのが望ましい。この蒸留液の利用法は後
述する。
【0026】上記のようにして一般の微生物には過酷な
高温環境で発酵させれば、好熱性みろく種菌のみが活発
に増殖するので、この好熱性みろく種菌由来の耐熱性酵
素やシャペロニン等の安定性・持続力等に優れた抗酸化
機能性成分を多く含む粉体状の飼料添加物を製造できる
という利点がある。また、50〜90℃の比較的高温で
発酵させるので、混合物の含水率を20重量%程度以下
まで短時間で低減化して好熱性みろく種菌を固定化でき
るという利点がある。
【0027】なお、得られた粉体状の飼料添加物には、
好熱性みろく種菌が固定化されているので、この飼料添
加物の一部又は全部と既述の有機素材とを所定割合で混
合し、上記と同様にして発酵させれば、好熱性みろく種
菌を別に添加しなくても粉体状の飼料添加物を製造する
ことができる。この場合の飼料添加物と有機素材の混合
割合としては、重量比で7対3程度が好適である。ま
た、この操作を繰り返せば、好熱性みろく種菌を添加し
ないで粉体状の飼料添加物を連続的に製造できるという
利点がある。
【0028】ここで、有機素材として少なくとも海産物
残渣を用いた場合には、これに含まれる良質の抗酸化成
分やミネラル分等のために好熱性みろく種菌の活性がよ
り高くなる。そのため、自家発酵熱によって50〜90
℃に昇温すると共に、発酵が長時間持続して好熱性みろ
く種菌由来の耐熱性酵素やシャペロニン等の抗酸化機能
性成分を量産できるという利点がある。このような海産
物残渣としては、例えば、エビ類、カニ類、魚類等の海
産物から可食部を除いた不可食部や、あるいは食用には
適さない小エビ、小カニ、小魚等が挙げられる。
【0029】また、所定時間以上発酵させれば、熱や、
あるいは好熱性みろく種菌又はこの好熱性みろく種菌か
ら突然変異で発生した好熱性細菌によって、例えばダイ
オキシン等の環境ホルモン、病原菌、病原ウィルス等の
有害成分を分解できるという利点がある。なお、好熱性
みろく種菌に突然変異が起こる場合には、環境ホルモ
ン、病原菌、病原ウィルス等を餌として記憶(バイオセ
ンサー)した、これらの分解能を有する新規な好熱性細
菌を培養することができる。
【0030】このようにして製造される飼料添加物は、
既述のように、好熱性みろく種菌由来の耐熱性酵素やシ
ャペロニン等の安定性・持続力等に優れた抗酸化機能性
成分を多く含んでいる。前記耐熱性酵素の常温下におけ
る活性の持続力は、常温菌由来の酵素が1週間以内であ
るのに対し、1年程度と長い。また、この耐熱性酵素
は、エタノール等の有機溶媒等によっても失活しない。
ここで、シャペロニンとは、酵素の構造を保持等するこ
とによって、酵素が安定な活性を示すことができるよう
に手助けをする蛋白質であるが、常温菌由来のシャペロ
ニンではATP(アデノシン−5’−三リン酸)のエネ
ルギーが必要であるのに対し、好熱性みろく種菌由来の
シャペロニンではATPのエネルギーがなくても働く性
質がある。そのため、この好熱性みろく種菌由来のシャ
ペロニンは、各種の環境で前記耐熱性酵素やその他の種
々の酵素の変性を防止し、その働きを助けることができ
る。
【0031】このことから、上記のような耐熱性酵素や
シャペロニン等の抗酸化機能性成分を多く含む飼料添加
物を飼料に配合しておけば、これを摂取する家畜類が健
康になると共に、その糞尿も悪臭を放たなくなる。その
ため、良好な環境で健康な家畜類を飼育することができ
る。これは、抗酸化機能性成分が家畜類の体内にある消
化分解酵素等の変性を防止し、その働きを安定化するこ
とによって、消化・吸収が良くなり、栄養補給を効率的
に促進するためであると考えられる。この考え方は、新
しい栄養学の見地として、人間の食生活にも適用できる
可能性がある。
【0032】なお、飼料添加物は、従来公知の各種の飼
料に対して数%程度(重量率)の割合で配合すればよ
い。また、飼料添加物が配合された飼料を給与する家畜
類としては、特に限定されるものではなく、例えば、乳
牛、肉牛、馬、羊、山羊、養豚等の家畜や、産卵鶏、ブ
ロイラー等の家禽等が挙げられる。
【0033】このように、健康な家畜類からは、安全な
畜産製品等を生産できるという利点がある。例えば、乳
牛等から搾乳される牛乳等においては、人体に対して糖
尿病の誘発や免疫機能の抑制等の悪影響を及ぼすグルコ
コルチコイド等のステロイドホルモンの濃度を低減化す
ることができる。また、肉牛等からは、安全な牛肉、豚
肉、鶏卵、鶏肉等を生産することができる。
【0034】第2実施形態に係る液状飼料添加物の製造
方法は、第1実施形態で製造された粉体状の飼料添加物
を水に添加し、好気条件下且つ30〜70℃で培養する
ものである。
【0035】飼料添加物の添加割合としては、水100
Lに対して1L程度が適当である。また、この場合も第
1実施形態と同様、発酵は、水に所定割合の飼料添加物
を添加し、空気雰囲気下での攪拌等による好気条件下に
おいて好熱性みろく種菌の自家発酵熱又はヒータ等によ
る加熱によって30〜70℃で行えばよい。更に、遠赤
外線の照射によって30〜70℃に昇温させる場合に
は、より短時間で昇温できるという利点がある。
【0036】上記のようにして培養すれば、飼料添加物
に含まれる好熱性みろく種菌が活発に増殖するので、こ
の好熱性みろく種菌由来の耐熱性酵素やシャペロニン等
の抗酸化機能性成分を多く含む液状の飼料添加物を製造
できるという利点がある。
【0037】ここで、水に代えて、飼料添加物の製造の
際に採取された蒸留液を使用した場合には、この蒸留液
に好熱性みろく種菌由来の抗酸化機能性成分が含まれて
いると共に、粉体状の飼料添加物が溶解又はなじみ易い
ので、より効率良く培養できるという利点がある。
【0038】また、所定時間以上培養すれば、第1実施
形態と同様、熱や、あるいは好熱性みろく種菌又はこの
好熱性みろく種菌から突然変異で発生した好熱性細菌に
よって、例えばダイオキシン等の環境ホルモン、病原
菌、病原ウィルス等の有害成分を分解できるという利点
がある。なお、好熱性みろく種菌に突然変異が起こる場
合には、環境ホルモン、病原菌、病原ウィルス等を餌と
して記憶(バイオセンサー)した、これらの分解能を有
する新規な好熱性細菌を培養することができる。
【0039】このようにして製造される液状飼料添加物
は、粉体状の飼料添加物と同様の効果を有すると共に、
液状であるので、希釈が簡単であると共に、飼料への配
合の際に浸漬や噴霧等も行えるという利点がある。な
お、液状飼料添加物を希釈する場合には、用途等に応じ
て数倍〜100倍(体積)程度の適度な倍率で希釈すれ
ばよい。
【0040】図1に示すように、第3実施形態に係る飼
料の製造方法は、第1実施形態で製造された粉体状の飼
料添加物と第2実施形態で製造された液状飼料添加物の
少なくともいずれか一方が配合された飼料を給与した家
畜類1の糞尿を前記飼料添加物に添加し、好気条件下且
つ50乃至90℃で発酵させて得た粉体状の有機肥料を
使用するものであって、この有機肥料を土壌2に施肥
し、飼料となる飼料用作物3をこの土壌2で栽培するも
のである。
【0041】即ち、まず、第1実施形態や第2実施形態
と同様にして高温発酵装置(畜産用リアクター)4等で
粉体状の飼料添加物や液状飼料添加物を製造しておき、
これら飼料添加物と液状飼料添加物の少なくともいずれ
か一方が所定の割合で配合された飼料を乳牛等の家畜類
1に給与する。
【0042】給与を開始してから所定期間経過後の家畜
類1は健康になるので、悪臭を放たない(解臭化)糞尿
が排泄されると共に、良好な環境で飼育されてストレス
も軽減される。そのため、このような良質な糞尿を使用
すれば、良質な有機肥料(堆肥)を製造することができ
る。
【0043】具体的には、家畜類1の糞尿を前記飼料添
加物に添加し、第1実施形態と同様にして高温発酵装置
(堆肥化システム)5等により好気条件下且つ50乃至
90℃で発酵させれば、飼料添加物に固定化されている
好熱性みろく種菌の増殖によって、耐熱性酵素やシャペ
ロニン等の抗酸化機能性成分を多く含む粉体状の有機肥
料が数時間〜数十時間の短期間で得られる。
【0044】この有機肥料は、好熱性みろく種菌由来の
抗酸化機能性成分を多く含んでいるので、施肥される土
壌中の微生物の生息環境を整えることができる。そのた
め、安全でしかも肥料効果に優れるという利点がある。
また、植物病原菌であるフザリウム属等に対しても抗菌
・溶菌効果を発揮するので、農薬が不要な無農薬型の肥
料として施肥できるという利点がある。更に、弱アルカ
リ性であるので、酸性雨等による土壌の酸性化を防止で
きるという利点もある。
【0045】このような有機肥料を土壌2に施肥し、牧
草等の飼料用作物3をこの土壌2で栽培すれば、安全な
飼料用作物3が効率良く得られるという利点がある。そ
のため、この飼料用作物3から得られる飼料も安全であ
るので、これを家畜類1の飼料とすれば、安全な家畜類
1を生産できるという利点がある。また、この飼料に前
記飼料添加物や液状飼料添加物を配合して給与するよう
にすれば、家畜類1がより健康になると共に、図1に示
すような資源化循環サイクルを形成できるという利点も
ある。
【0046】なお、飼料用作物3としては、放牧利用又
は刈取利用されるオーチャードグラスやアルファルファ
等の牧草の他、例えば野草、青刈飼料作物、根菜類、
稲、トウモロコシ、オオムギ、エンバク、ライムギ、ア
ワ、ヒエ、キビ、大豆等が挙げられる。
【0047】また、上記の粉体状の有機肥料と共に又は
代えて、この有機肥料を第2実施形態と同様にして水又
は前記蒸留液に添加し、好気条件下且つ30乃至70℃
で培養して得た液状有機肥料を使用してもよい。この場
合には、粉体状の有機肥料と同様の効果を有すると共
に、液状であるので、希釈が簡単であると共に、灌水、
散布、葉面散布等も簡単に行えるという利点がある。な
お、飼料を製造しない場合には、これら粉体状の有機肥
料や液状有機肥料を飼料用作物3以外の他の作物に利用
してもよい。
【0048】
【実施例】次に、実施例により更に詳細に説明するが、
この発明は係る実施例に限定されるものではない。
【0049】〔粉体状の飼料添加物の製造〕有機素材と
しては、別府湾のエビやカニの残渣と小魚の混合物を使
用した。この有機素材をそのまま市販の高温発酵装置に
入れて好熱性みろく種菌を適当量添加した後、空気雰囲
気下で攪拌しながら12時間発酵させて粉体状の飼料添
加物を得た。次いで、この飼料添加物の30重量%を高
温発酵装置から取り出し、その代わりにこれと同量の有
機素材を再度添加して同様に12時間発酵させた。な
お、発酵中の温度は70〜90℃であった。この操作を
所定回数繰り返した後、得られた粉体状の飼料添加物の
成分(重量率)を測定した。その結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】〔実施例1〕大分県内の牧場で飼育され、
糞尿が悪臭を放っている乳牛160頭に、通常の配合飼
料に上記で得られた飼料添加物を約5重量%配合したも
のを朝夕毎に給与した。給与を開始してから約1カ月
後、糞尿に悪臭はなく、乳牛の状態も穏やかであった。
【0052】〔比較例1〕上記で得られた飼料添加物を
配合しない他は、実施例1と同様に行った。約1カ月後
においても糞尿が悪臭を放っており、乳牛も落ち着かな
い状態であった。
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1の飼料添加物の
製造方法の発明によれば、前記好熱性みろく種菌を有機
素材に添加し、好気条件下且つ50乃至90℃の一般の
微生物には過酷な高温環境で発酵させるので、好熱性み
ろく種菌のみが活発に増殖する。そのため、この好熱性
みろく種菌由来の耐熱性酵素やシャペロニン等の安定性
・持続力等に優れた抗酸化機能性成分を多く含む粉体状
の飼料添加物を製造できるという利点がある。また、5
0〜90℃の比較的高温で発酵させるので、混合物の含
水率を20重量%程度以下まで短時間で低減化して好熱
性みろく種菌を固定化できるという利点がある。
【0054】請求項2の飼料添加物の製造方法の発明に
よれば、請求項1記載の方法により製造された飼料添加
物には好熱性みろく種菌が固定化されているので、この
飼料添加物の一部又は全部と有機素材とを所定割合で混
合し、上記と同様にして発酵させれば、好熱性みろく種
菌を別に添加しなくても粉体状の飼料添加物を製造する
ことができる。また、この操作を繰り返せば、好熱性み
ろく種菌を添加しないで粉体状の飼料添加物を連続的に
製造できるという利点がある。
【0055】請求項3の発明によれば、遠赤外線の照射
によって50乃至90℃に昇温させるので、より短時間
で昇温できるという利点がある。
【0056】請求項4の発明によれば、前記有機素材が
海産物残渣を含有するので、この海産物残渣に含まれる
良質の抗酸化成分やミネラル分等のために好熱性みろく
種菌の活性がより高くなる。そのため、自家発酵熱によ
って50〜90℃に昇温すると共に、発酵が長時間持続
して好熱性みろく種菌由来の耐熱性酵素やシャペロニン
等の抗酸化機能性成分を量産できるという利点がある。
【0057】請求項5の発明によれば、所定時間以上発
酵させるので、熱や、あるいは好熱性みろく種菌又はこ
の好熱性みろく種菌から突然変異で発生した好熱性細菌
によって、例えばダイオキシン等の環境ホルモン、病原
菌、病原ウィルス等の有害成分を分解できるという利点
がある。また、好熱性みろく種菌に突然変異が起こる場
合には、環境ホルモン、病原菌、病原ウィルス等を餌と
して記憶(バイオセンサー)した、これらの分解能を有
する新規な好熱性細菌を培養することができる。
【0058】請求項6の飼料添加物の発明によれば、請
求項1乃至5のいずれか記載の方法により製造され、好
熱性みろく種菌由来の耐熱性酵素やシャペロニン等の安
定性・持続力等に優れた抗酸化機能性成分を多く含んで
いるので、この飼料添加物を飼料に配合しておけば、こ
れを摂取する家畜類が健康になると共に、その糞尿も悪
臭を放たなくなる。そのため、良好な環境で健康な家畜
類を飼育することができ、この健康な家畜類から安全な
畜産製品等を生産できるという利点がある。
【0059】請求項7の液状飼料添加物の製造方法の発
明によれば、請求項7記載の飼料添加物を水に添加し、
好気条件下且つ30乃至70℃で培養するので、飼料添
加物に含まれる好熱性みろく種菌が活発に増殖する。そ
のため、この好熱性みろく種菌由来の耐熱性酵素やシャ
ペロニン等の抗酸化機能性成分を多く含む液状の飼料添
加物を製造できるという利点がある。
【0060】請求項8の発明によれば、前記飼料添加物
の製造の際に採取された蒸留液に好熱性みろく種菌由来
の抗酸化機能性成分が含まれていると共に、粉体状の飼
料添加物が溶解又はなじみ易いので、より効率良く培養
できるという利点がある。
【0061】請求項9の発明によれば、遠赤外線の照射
によって30乃至70℃に昇温させるので、請求項3の
効果と同様、より短時間で昇温できるという利点があ
る。
【0062】請求項10の発明によれば、所定時間以上
培養するので、請求項5の効果と同様、熱や、あるいは
好熱性みろく種菌又はこの好熱性みろく種菌から突然変
異で発生した好熱性細菌によって、例えばダイオキシン
等の環境ホルモン、病原菌、病原ウィルス等の有害成分
を分解できるという利点がある。また、好熱性みろく種
菌に突然変異が起こる場合には、環境ホルモン、病原
菌、病原ウィルス等を餌として記憶(バイオセンサー)
した、これらの分解能を有する新規な好熱性細菌を培養
することができる。
【0063】請求項11の液状飼料添加物の発明によれ
ば、請求項7乃至10のいずれか記載の方法により製造
されているので、粉体状の飼料添加物と同様の効果を有
すると共に、液状であるので、希釈が簡単であると共
に、飼料への配合の際に浸漬や噴霧等も行えるという利
点がある。
【0064】請求項12の飼料の製造方法の発明によれ
ば、前記飼料添加物と液状飼料添加物の少なくともいず
れか一方が配合された飼料を家畜類に給与するので、給
与を開始してから所定期間経過後の家畜類が健康にな
り、悪臭を放たない(解臭化)糞尿が排泄されると共
に、良好な環境で飼育されてストレスも軽減される。そ
のため、このような良質な糞尿を使用すれば、良質な有
機肥料を製造することができる。この有機肥料は、好熱
性みろく種菌由来の抗酸化機能性成分を多く含んでいる
ので、施肥される土壌中の微生物の生息環境を整えるこ
とができる。そのため、安全でしかも肥料効果に優れる
という利点がある。また、植物病原菌であるフザリウム
属等に対しても抗菌・溶菌効果を発揮するので、農薬が
不要な無農薬型の肥料として施肥できるという利点があ
る。更に、弱アルカリ性であるので、酸性雨等による土
壌の酸性化を防止できるという利点もある。このような
有機肥料を土壌に施肥し、飼料用作物をこの土壌で栽培
すれば、安全な飼料用作物が効率良く得られるという利
点がある。
【0065】請求項13の飼料の製造方法の発明によれ
ば、前記液状有機肥料を使用するので、粉体状の有機肥
料と同様の効果を有すると共に、液状であるので、希釈
が簡単であると共に、灌水、散布、葉面散布等も簡単に
行えるという利点がある。
【0066】請求項14の飼料の発明によれば、請求項
12又は13記載の方法により製造され、安全であるの
で、これを家畜類の飼料とすれば、安全な家畜類を生産
できるという利点がある。また、この飼料に前記飼料添
加物や液状飼料添加物を配合して給与するようにすれ
ば、家畜類がより健康になると共に、資源化循環サイク
ルを形成できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第3実施形態に係る資源化循環サイクルの一例
を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 家畜類 2 土壌 3 飼料用作物

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バチルス・ブレビスの近縁の種である好
    熱性C−1菌と、バチルス・ブレビスの近縁の種である
    好熱性C−3菌と、バチルス・ステアロサーモフィルス
    か又はその近縁の種である好熱性C−4菌との混合菌で
    あると共に、好気条件下で有機素材の分解能を有する好
    熱性みろく種菌を使用する飼料添加物の製造方法であっ
    て、 前記好熱性みろく種菌を有機素材に添加し、好気条件下
    且つ50乃至90℃で発酵させることを特徴とする飼料
    添加物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により製造された飼
    料添加物に有機素材を添加し、好気条件下且つ50乃至
    90℃で発酵させることを特徴とする飼料添加物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 遠赤外線の照射によって50乃至90℃
    に昇温させることを特徴とする請求項1又は2記載の飼
    料添加物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記有機素材が海産物残渣を含有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の飼料添
    加物の製造方法。
  5. 【請求項5】 所定時間以上発酵させることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか記載の飼料添加物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか記載の方法に
    より製造された飼料添加物。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の飼料添加物を水に添加
    し、好気条件下且つ30乃至70℃で培養することを特
    徴とする液状飼料添加物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の飼料添加物を、この飼料
    添加物の製造の際に採取された蒸留液に添加し、好気条
    件下且つ30乃至70℃で培養することを特徴とする液
    状飼料添加物の製造方法。
  9. 【請求項9】 遠赤外線の照射によって30乃至70℃
    に昇温させることを特徴とする請求項7又は8記載の液
    状飼料添加物の製造方法。
  10. 【請求項10】 所定時間以上培養することを特徴とす
    る請求項7乃至9のいずれか記載の液状飼料添加物の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至10のいずれか記載の方
    法により製造された液状飼料添加物。
  12. 【請求項12】 請求項6記載の飼料添加物と請求項1
    1記載の液状飼料添加物の少なくともいずれか一方が配
    合された飼料を給与した家畜類の糞尿を前記飼料添加物
    に添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で発酵させて
    得た有機肥料を使用する飼料の製造方法であって、 前記有機肥料を土壌に施肥し、飼料となる飼料用作物を
    この土壌で栽培することを特徴とする飼料の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項6記載の飼料添加物と請求項1
    1記載の液状飼料添加物の少なくともいずれか一方が配
    合された飼料を給与した家畜類の糞尿を前記飼料添加物
    に添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で発酵させて
    得た有機肥料を、水又はこの有機肥料の製造の際に採取
    された蒸留液に添加し、好気条件下且つ30乃至70℃
    で培養して得た液状有機肥料を使用する飼料の製造方法
    であって、 前記液状有機肥料を土壌に施肥し、飼料となる飼料用作
    物をこの土壌で栽培することを特徴とする飼料の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項12又は13記載の方法により
    製造された飼料。
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