JP2000339535A - 自動販売機の商品収納ラック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】商品投入口からトップトレーに投入した商品の
転動姿勢の乱れを矯正して商品収納通路へ円滑に送り込
めるようにする。 【解決手段】商品を上下一列に並べて収納する商品収納
通路９の上端に連ねてラック前面に開口する商品投入口
との間にトップトレー１１を敷設し、商品投入口に投入
した缶，ペットボトル商品をトップトレー上に転動させ
てその後端から商品収納通路へ送り込むようにしたサー
ペンタイン式商品収納ラックにおいて、トップトレー上
を通過する商品の転動姿勢を矯正する手段として、トッ
プトレーの中間部位に下向きの段差部１１ａを形成する
とともに、該段差部に対向してその斜め上方に、商品転
動通路と直交してその後端を軸支した揺動式の姿勢ガイ
ド１６を付勢ばね１７と組み合わせ設け、投入商品が姿
勢ガイドを通過する過程で姿勢の傾きを矯正する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、缶，ペットボト
ル商品などの自動販売機に搭載したサーペンタイン式商
品収納ラック、詳しくはラック内に組み込んだ商品投入
用のトップトレーに関する。

【０００２】

【従来の技術】まず、この発明の実施対象となる自動販
売機を図４に示す。図において、１は自動販売機の本体
キャビネット、２は外扉、３は断熱内扉であり、本体キ
ャビネット１の庫内には冷却／加熱ユニット（図示せ
ず）とともに、サーペンタイン式商品収納ラック４が収
設されている。なお、５は商品搬出シュータ、６は商品
取出口、７は庫内保冷用の冷凍機である。

【０００３】次に、前記したサーペンタイン式商品収納
ラック４の詳細構造を図５(a),(b)に示す。なお、図示
例は前後に４列の商品収納コラムを画成した前後二分割
構造のラックを示している。すなわち、ラック４は左右
一対のラック側板８と、ラック側板の間に架設して前後
列に並ぶ蛇行状の商品収納通路９を画成したレール（円
弧状のレールセグメントを上下に並べたもの）１０と、
商品収納通路９の上端に連ねてラックの前面上部に開口
した商品投入口との間には後傾姿勢に敷設したトップト
レー１１と下部の搬出端側に組み込んだベンド機構１２
との組立体としてなる。

【０００４】かかる構成の商品収納ラック４に商品を補
充する場合には、ラックの前方から商品１３（缶商品）
を倒置姿勢でトップトレー１１の上に投入する。これに
より、商品１３はトップトレー１１の傾斜面上を転動
し、その後端から商品収納通路９の中に落下して収納さ
れる。

【０００５】また、前記のトップトレー１１には、長短
の各種サイズの商品に合わせて商品の転動通路幅を調整
するために、図６で示すように商品の転動通路幅Ｌを規
制するトップガイド１４がトップトレー１１の転動通路
に沿って敷設されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】昨今では飲料商品とし
て図７に示すようなペットボトル商品１５が普及してお
り、このようなペットボトル商品を前記したサーペンタ
イン式商品収納ラック４の商品投入口に投入すると、ト
ップトレー１１の転動途上で次に記すような搬送トラブ
ルの発生することが多い。

【０００７】すなわち、ペットボトルは缶商品とは容器
の形が異なり、先細り形状で、かつ縦寸法Ａと対角寸法
Ｂの差が比較的小さい。このために、図６で表すよう
に、ペットボトル商品１５はトップトレー１１の通路を
転動する際の姿勢が傾き易い。しかも、ペットボトル商
品１５の転動姿勢が傾いたままトップトレー１１を転動
してその後端から商品収納通路９（図５参照）に落ち込
むと、収納通路９の途中にブリッジして商品詰まりが発
生することがある。

【０００８】また、このような商品詰まりの発生を気づ
かずに後続の商品を投入すると、通路内にブリッジした
商品の取り除き作業に手間がかかり、特にラック内の後
列の商品収納通路で商品詰まりが発生した場合には手が
十分に届かないためにラックを分解しなければならない
ことがある。

【０００９】この発明は上記の点にかんがみなされたも
のであり、その目的は前記課題を解決し、商品投入口か
らトップトレーに投入した商品の転動姿勢の乱れを矯正
して商品収納通路へ円滑に送り込めるように改良した自
動販売機のサーペンタイン式商品収納ラックを提供する
ことにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、商品を上下一列に並べて収納す
る商品収納通路の上端に連ねてラック前面に開口する商
品投入口との間にトップトレーを敷設し、商品投入口に
投入した缶，ペットボトル商品をトップトレー上に転動
させてその後端から商品収納通路へ送り込むようにした
自動販売機の商品収納ラックにおいて、トップトレー上
を通過する商品の転動姿勢を矯正する手段として、トッ
プトレーの中間部位に下向きの段差部を形成するととも
に、該段差部に対向してその斜め上方に、商品転動通路
と直交してその後端を軸支した揺動式の姿勢ガイドを設
ける（請求項１）ものとし、具体的には前記姿勢ガイド
を、その先端が下向きに屈曲しフラッパとなし、該フラ
ッパを付勢ばねと組み合わせて取付金具に軸支する（請
求項２）。

【００１１】上記の構成によれば、正常な姿勢でトップ
トレー上を転動する商品は、姿勢ガイドの干渉を殆ど受
けることなくトップトレーの段差部を転がり落ちた後姿
勢ガイドとの間をすり抜けて後方に転動し、トップトレ
ーの後端から商品収納通路に送り込まれる。また、やや
斜めに傾いた転動姿勢の商品は、トップトレーの段差部
に差しかかったところで商品の突き出し端が姿勢ガイド
に突き当たり、商品の自重で姿勢ガイドを押し開きなが
らガイドと平行な姿勢に矯正された上で、後方に転動し
て商品収納通路内に送り込まれる。さらに、転動姿勢が
大きく乱れて商品が姿勢ガイドに突き当たってこの位置
に止まった場合でも、後続して投入した商品の押し込み
力により姿勢が矯正され、同時に姿勢ガイドを強制的に
押し開いて通過するようになる。

【００１２】これにより、トップトレー上での転動姿勢
に乱れが生じ易いペットボトル商品でも商品詰まりの搬
送トラブルを引き起こすことなく円滑に商品収納通路に
送り込むことができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
１〜図３に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施
例の図中で図５，図６に対応する同一部材には同じ符号
が付してその詳細な説明は省略する。

【００１４】すなわち、図示実施例においては、トップ
トレーを転動通過する商品の転動姿勢矯正手段として、
トップトレー１１の中間部位に下向きの段差部１１ａを
形成するとともに、該段差部１１ａに対向してその斜め
上方には揺動式の姿勢ガイド１６が設置されている。

【００１５】この姿勢ガイド１６はトップトレー１１の
商品転動通路と直交した向きでその後端が揺動可能に軸
支されており、その詳細構造は図２で示すように“く”
字形に屈曲したフラッパとしてなり、取付金具１６ａに
切り起こした軸受１６ａ-1に通した支軸ピン１６ｂに軸
支されている。

【００１６】かかる構成で、ラック前方から商品投入口
に投入したペットボトル商品１５が正常な姿勢を保った
ままトップトレー１１の上を転動する場合には、商品１
５は図１で示すように姿勢ガイド１６に殆ど拘束される
ことなく、トップトレー１１の段差部１１ａを転がり落
ちた後に姿勢ガイド１６との間をすり抜けて後方に進
み、トップトレー１１の後端から落下して商品収納通路
９に送り込まれる。

【００１７】これに対して、図３(a) のように商品１５
が多少左右に傾いた姿勢でトップトレー１１を転動して
来た場合には、図示のようにトップトレー１１の段差部
１１ａに差しかかったところで、商品の突き出し端が先
に姿勢ガイド１６に突き当たって制動が加わるようにな
る。これにより、商品１５は図３(b) のように姿勢ガイ
ド１６と平行な姿勢をとるように矯正された後、段差部
１１ａを転がり落ちる際の慣性力も働き、姿勢ガイド１
６を押し開いて後方に進む。

【００１８】一方、図３(c) のように商品１５の投入姿
勢が大きく傾いているか、あるいはトップトレー１１を
転動する途中で転動姿勢が大きく乱れて商品の自重だけ
では姿勢ガイドで姿勢が矯正できない場合には、商品１
５が姿勢ガイド１６に当たったままこの位置に停止する
ようになるが、後続の投入商品１５で背後から押される
と前列に並ぶ商品が姿勢ガイド１６の拘束を受けながら
ガイドと平行な姿勢に矯正されると同時に、姿勢ガイド
１６を強制的に押し開いて後方に進むようになる。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたようにこの発明の構成によれ
ば、トップトレー上を転動して商品収納通路に送り込む
商品の姿勢矯正手段として、トップトレーの中間部位に
下向きの段差部を形成するとともに、該段差部に対向し
てその斜め上方に商品転動通路と直交してその後端を軸
支した揺動式の姿勢ガイドを設けたことにより、正常な
姿勢でトップトレー上を転動する商品はその姿勢を保っ
たまま姿勢ガイドをすり抜けて後方に通過し、また転動
姿勢の乱れた商品は姿勢ガイドを通過する過程で転動姿
勢が矯正されてトップトレーから商品収納通路内に送り
込まれる。

【００２０】これにより、商品の投入姿勢の乱れに起因
してトップトレーの後端に連なる商品収納通路の内部で
ブリッジする搬送トラブルの発生を回避して、転動姿勢
の乱れ易いペットボトル商品でも円滑に商品収納ラック
に装填することかできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例による姿勢ガイド付きトップ
トレーの構成側視図

【図２】図１における姿勢ガイドの詳細構造を示す部品
の分解斜視図

【図３】図１の構成によりペットボトル商品の姿勢矯正
動作の説明図であり、(a) 〜(c) はそれぞれ転動姿勢の
乱れが矯正される過程を表す平面図

【図４】この発明の実施対象となる自動販売機の全体構
成図

【図５】図４の自動販売機に搭載したサーペンタイン式
商品収納ラックの従来構成図であり、(a) は外観斜視
図、(b) はラック上部の内部構造を示す側面図

【図６】従来構造のトップトレーに生じるペットボトル
商品の搬送トラブル発生状況を表した説明図

【図７】ペットボトル商品の外形図

【符号の説明】

４ サーペンタイン式商品収納ラック ９ 商品収納通路 １１ トップトレー １１ａ 段差部 １５ ペットボトル商品 １６ 姿勢ガイド １６ａ 姿勢ガイドの取付金具 １６ｂ 支軸ピン １７ 付勢ばね

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴羽 健 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 桑原 直樹 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 Ｆターム(参考） 3E046 BB03 BB04 CA03 GA03

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】商品を上下一列に並べて収納する商品収納
   通路の上端に連ねてラック前面に開口する商品投入口と
   の間にトップトレーを敷設し、商品投入口に投入した
   缶，ペットボトル商品をトップトレー上に転動させてそ
   の後端から商品収納通路へ送り込むようにした自動販売
   機の商品収納ラックにおいて、トップトレー上を通過す
   る商品の転動姿勢を矯正する手段として、トップトレー
   の中間部位に下向きの段差部を形成するとともに、該段
   差部に対向してその斜め上方に、商品転動通路と直交し
   てその後端を軸支した揺動式の姿勢ガイドを設けたこと
   を特徴とする自動販売機の商品収納ラック。
2. 【請求項２】請求項１記載の商品収納ラックにおいて、
   姿勢ガイドがその先端を下向きに屈曲しフラッパであ
   り、該フラッパを付勢ばねと組み合わせて後端を取付金
   具に軸支したことを特徴とする自動販売機の商品収納ラ
   ック。