JP2000338690A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2000338690A
JP2000338690A JP11149764A JP14976499A JP2000338690A JP 2000338690 A JP2000338690 A JP 2000338690A JP 11149764 A JP11149764 A JP 11149764A JP 14976499 A JP14976499 A JP 14976499A JP 2000338690 A JP2000338690 A JP 2000338690A
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JP
Japan
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compound
resin
polycarbonate resin
layer
charge transport
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Application number
JP11149764A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakamura
博史 中村
Kenji Yao
健二 八百
Ichiro Takegawa
一郎 竹川
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度、耐摩耗性、帯電電位安定性等の
諸特性に優れ、各種の電子写真装置に用いても優れた画
像を得ることが可能な電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に、下記一般式(I)で
表される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂を含
有する感光層を有することを特徴とする電子写真感光体
である。 【化1】 但し、前記一般式(I)中、X及びYは、互いに異なる
2価の連結基を表す。Xは、下記一般式(II)で表さ
れるのが好ましい。 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等の電子写真装置等に好適に使用することができる電
子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、高速でかつ高品質な印
字が得られるため、近年、複写機、レーザービームプリ
ンター等の各種分野において広く利用されている。これ
らの電子写真装置に用いられる電子写真感光体として、
従来から用いられているセレン、セレンーテルル合金、
セレンーヒ素合金、硫化カドミウム等の無機光導電材料
を用いた無機電子写真感光体に比べ、有機光導電材料を
用いた有機電子写真感光体は、製造性、製造コスト面、
廃棄性に優れるため、種々の提案がなされ、実用化され
ている。特に、露光により電荷を発生する電荷発生層と
該電荷を輸送する電荷輸送層とを積層してなる機能分離
型の積層有機電子写真感光体は、感度及び帯電性に優
れ、更に、これらの安定性等にも優れているため、電子
写真特性の点で極めて優れており、各種の提案がなさ
れ、実用化が進んでいる。
【0003】しかし、前記有機電子写真感光体は、前記
無機電子写真感光体に比べ、一般的に、機械的強度が低
いため、クリーニングブレード、現像ブラシ、用紙等か
ら機械的外力を受けた際に、感光体に、摺擦傷や摩耗が
起こりやすいため、寿命が短いという問題があった。更
に、近年、エコロジーの観点から実用化されている接触
帯電方式によれば、従来のコロトロンによる帯電方式に
比べ、大幅に感光体の摩耗が増加するという問題もあっ
た。このように、感光体に摺擦傷や摩耗が起こると、該
感光体の感度が低減し、画像にかぶりが生じたり、帯電
電位が低下するため、画像濃度が低下するという問題が
あった。従って、十分な耐摩耗性等を有する感光体が望
まれていた。
【0004】一方、近年、ドラム状の電子写真感光体に
代わって、形状自由度の大きいベルト状の電子写真感光
体が各種提案され、実用化されている。該ベルト状の電
子写真感光体としては、蒸着等によって導電層を形成し
たポリエチレンテレフタレート等のフィルム上に、ベル
ト形状に追随可能な各種のポリカーボネート樹脂を表面
層の結着樹脂として含有する感光層を形成したフレキシ
ブルな電子写真感光体が提案されている(特開昭60−
172044号公報、特開昭62−247374号公
報、特開昭63−148263号公報)。
【0005】しかし、前記従来のポリカーボネート樹脂
を結着樹脂として用いた電子写真感光体は、機械的強度
が十分ではないため、複写機中のベルト駆動装置におい
て、前記電子写真感光体を長期間繰り返し使用した場合
には、感光層中に亀裂が発生し、該亀裂が、コピー画像
上に、ひび割れ模様となって現れるという問題があっ
た。また、前記電子写真感光体は、耐摩耗性等の耐久性
は、比較的良好ではあったものの、より一層の改善が望
まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題等を解決し、以下の目的を達成することを
課題とする。即ち、本発明は、機械的強度、耐摩耗性、
帯電電位安定性等の諸特性に優れ、各種の電子写真装置
に使用した場合に優れた画像を得ることが可能な電子写
真感光体に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 導電性支持体上に、下記一般式(I)で表され
る繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂を含有する
感光層を有することを特徴とする電子写真感光体であ
る。
【0008】
【化5】
【0009】但し、前記一般式(I)中、X及びYは、
互いに異なる2価の連結基を表す。 <2> Xが、下記一般式(II)で表される前記<1
>に記載の電子写真感光体である。
【0010】
【化6】
【0011】但し、前記一般式(II)中、R1及びR2
は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5
のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数
6〜12のアリール基を表す。m及びnは、1〜4の整
数を表す。Aは、下記一般式(III)のいずれかで表
される2価の連結基を表す。
【0012】
【化7】
【0013】但し、前記一般式(III)中、R3〜R8
は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5
のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数
6〜12のアリール基を表し、これらは、置換されても
よく、R3とR4と、R5とR6と、又は、R7とR8とは、
互いに結合して、炭素環又は複素環を形成してもよい。
aは、0又は1を表す。 <3>Yが、下記構造式(1)のいずれかで表される前
記<1>又は<2>に記載の電子写真感光体である。
【0014】
【化8】
【0015】また、本発明においては、以下の態様が好
ましい。 <4> ポリカーボネート樹脂が、トリホスゲン及びジ
ヒドロキシ化合物から得られるビスクロロホルメート体
と、ジヒドロキシ化合物とを原料として界面重合法によ
って得られ、又は、ジカルボン酸エステルとジオールと
を原料として溶融重合法によって得られる前記<1>か
ら<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。 <5> 感光層が、下記一般式(IV)で表されるベン
ジジン化合物を含有する前記<1>から<4>のいずれ
かに記載の電子写真感光体である。
【0016】
【化9】 但し、前記一般式(IV)中、R9及びR'9は、互いに
同一であってもよいし、異なっていてもよく、アルキル
基、アルコキシ基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
10、R'10、R11及びR'11は、互いに同一であっても
よいし、異なっていてもよく、アルキル基、アルコキシ
基、置換アミノ基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
h、h’、i及びi’は、それぞれ1又は2の整数を表
す。
【0017】<6> 感光層が、下記一般式(V)で表さ
れるトリアリールアミン化合物を含有する前記<1>か
ら<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
【0018】
【化10】
【0019】但し、前記一般式(V)中、R12及びR13
は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよ
く、アルキル基、アルコシキル基、水素原子又はハロゲ
ン原子を表す。j及びkは、それぞれ、1又は2の整数
を表す。R14は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6
〜12のアリール基又は水素原子を表す。 <7> 感光層が、Cukα線を用いたX線回折スペク
トルの測定において、ブラッグ角度(2θ±0.2)
で、少なくとも、7.4、16.6、25.5及び2
8.3度に回折ピークを有するクロルガリウムフタロシ
アニンを含有する前記<1>から<6>のいずれかに記
載の電子写真感光体である。 <8> 感光層が、Cukα線を用いたX線回折スペク
トルの測定において、ブラッグ角度(2θ±0.2)
で、少なくとも、7.5、9.9、12.5、16.
3、18.6、25.1及び28.1度に回折ピークを
有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有する前
記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真感光体
である。 <9> 感光層が、Cukα線を用いたX線回折スペク
トルの測定において、ブラッグ角度(2θ±0.2)
で、少なくとも、7.6、18.3、23.2、24.
2及び27.3度に回折ピークを有するヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンを含有する前記<1>から<8>の
いずれかに記載の電子写真感光体である。 <10> 少なくとも、電子写真感光体と、該電子写真
感光体を帯電させる帯電器と、帯電した電子写真感光体
に静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を現像する
現像器と、を備えた電子写真装置であって、前記電子写
真感光体が、前記<1>から<9>のいずれかに記載さ
れた電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装
置である。 <11> 帯電器が、接触帯電方式帯電器である前記<
10>に記載の電子写真装置である。 <12> 電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電
させる帯電器、該帯電した電子写真感光体に静電潜像を
形成する露光器、及び、該静電潜像を現像する現像器の
少なくとも1つと、を備えたプロセスカートリッジであ
って、前記電子写真感光体が、前記<1>から<9>の
いずれかに記載された電子写真感光体であることを特徴
とするプロセスカートリッジである。
【0020】
【発明の実施の形態】前記本発明の電子写真感光体は、
導電性支持体上に、感光層を有し、必要に応じてその他
の層を有する。
【0021】[感光層]前記感光層は、前記一般式
(I)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート
樹脂を含有し、必要に応じてその他の成分を含有してな
る。
【0022】前記一般式(I)中、X及びYは、互いに
異なる2価の連結基を表す。また、X及びYは、電気的
に不活性な基である。
【0023】前記感光層は、単層構造であってもよい
し、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構
造であってもよい。後者の場合、電気的特性(感度、繰
り返し安定性)の点で有利である。前記積層構造の感光
体の場合、前記電荷発生層及び前記電荷輸送層の前記導
電性支持体上への積層順序としては特に制限はなく、い
ずれの層が上層であってもよいが、電荷輸送層を上層と
した場合が、感度、繰り返し安定性、環境安定性の点で
好ましい。
【0024】前記感光層は、前記単層構造の場合には、
例えば、電荷発生材料、電荷輸送材料又はそれらの両者
を含有する結着樹脂の塗膜により形成され、前記積層構
造の場合には、前記電荷発生層は、例えば、電荷発生材
料を含有する結着樹脂の塗膜により形成され、前記電荷
輸送層は、例えば電荷輸送材料を含有する結着樹脂の塗
膜により形成される。以下に、前記積層構造の感光層の
詳細について説明するが、該積層構造の感光層において
用いた結着樹脂等の素材は、前記単層構造の感光層にお
いて使用することもできる。
【0025】(電荷発生層)前記電荷発生層は、例え
ば、少なくとも電荷発生材料を有し、必要に応じて結着
樹脂等のその他の成分を含有してなる。
【0026】−電荷発生材料− 前記電荷発生材料としては、例えば、非晶質セレン・結
晶性セレン・セレン−テルル合金・セレン−ヒ素合金・
その他のセレン化合物及びセレン合金、酸化亜鉛・酸化
チタン等の無機系光導電体、無金属フタロシアニン、チ
タニルフタロシアニン、銅フタロシアニン、錫フタロシ
アニン、ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシア
ニン顔料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペ
リレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリ
リウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料
等が挙げられる。また、これらの有機顔料は、一般に、
数種の結晶型を有しており、特に、前記フタロシアニン
顔料では、α型、β型等の種々の結晶型が知られている
が、所望の感度が得られれば特に問題はなく、いずれの
結晶型の材料も、好適に用いることができる。また、こ
れらの電荷発生材料は、1種単独で用いてもよいし、2
種以上を併用してもよい。また、これらの電荷発生材料
の中でも、前記電荷発生層に、結着樹脂として後述のポ
リカーボネート樹脂を使用する場合には、以下の(1)
から(3)の化合物が好適である。
【0027】(1)Cukα線を用いたX線回折スペク
トルの測定において、ブラッグ角度(2θ±0.2)
で、少なくとも、7.4、16.6、25.5及び2
8.3度に回折ピークを有するクロルガリウムフタロシ
アニン。 (2)Cukα線を用いたX線回折スペクトルの測定に
おいて、ブラッグ角度(2θ±0.2)で、少なくと
も、7.5、9.9、12.5、16.3、18.6、
25.1及び28.1度に回折ピークを有するヒドロキ
シガリウムフタロシアニン。 (3)Cukα線を用いたX線回折スペクトルの測定に
おいて、ブラッグ角度(2θ±0.2)で、少なくと
も、7.6、18.3、23.2、24.2及び27.
3度に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシ
アニン。
【0028】−結着樹脂等のその他の成分− 前記結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイ
プ、ビスフェノールZタイプ、又は、例えば前記一般式
(I)で表される、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデ
ン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコ
ーン−アルキド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹
脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカル
バゾール等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種単
独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】前記電荷発生材料と前記結着樹脂との配合
比(電荷発生材料:結着樹脂)としては、重量比で、1
0:1〜1:10が好ましい。前記結着樹脂に対する前
記電荷発生材料の配合比が、前記数値範囲に満たない場
合には、前記電荷発生層の感度が不十分となることがあ
る一方、前記数値範囲を超える場合には、前記電荷発生
層の厚みが均一にならないことがある。
【0030】前記電荷発生材料を、前記結着樹脂中に分
散させる方法としては、特に制限はなく、ロールミル、
ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノー
ミル、サンドミル、コロイドミル等を用いた公知の方法
が挙げられる。
【0031】前記電荷発生層の厚みとしては、一般に
は、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2.0μ
mがより好ましい。前記厚みが、0.01μmに満たな
い場合には、前記電荷発生層の感度が不十分となること
がある一方、5μmを超える場合には、暗減衰が大きく
なることがある。
【0032】前記結着樹脂以外のその他の成分として
は、電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あ
るいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で添加
させることができる、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤
等の添加剤が挙げられる。
【0033】前記酸化防止剤としては、特に制限はな
く、酸化防止剤として公知の化合物を適宜選択して使用
することができるが、例えば、ヒンダードフェノール、
ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリール
アルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロイ
ンダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐
化合物などの化合物が好適に挙げられる。
【0034】前記酸化防止剤としては、具体的には、フ
ェノール系の酸化防止剤では、2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−
オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル4’
−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−
メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−
5’−メチル−2’-ヒドロキシベンジル)−4−メチ
ルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン-ビス-
(3-メチル-6-t-ブチル-フェノール)、4,4’−チ
オ−ビス−(3−メチル−6-t-ブチルフェノール)、
1,3,5−トリス(4-t−ブチル−3-ヒドロキシ−
2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラ
キス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t-ブチル-
4'-ヒドロキシ-フェニル)プロピオネート]-メタン、
3,9-ビス[2-[3-(3−t−ブチル-4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1
−ジメチルエチル]−2,4,,8,10−テトラオキ
サスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
【0035】前記ヒンダードアミン化合物としては、具
体的には、ビス(2,2,6,6-テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4-ピペリジル)セバケート、1-[2-
[3-(3,5-ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−
3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]
ウンデカン−2,4-ジオン、4−ベンゾイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジ
メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合
物、ポリ[[6−(1,1,3,3-テトラメチルブチ
ル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4-ジイミ
ル][(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イ
ミノ]ヘキサメチレン[(2,3,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)イミノ]]、2-(3,5-ジ−t−ブチ
ル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジア
ミン-2,4-ビス[N-ブチル-N-(1,2,2,6,6
-ペンタメチル-4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−
1,3,5-トリアジン縮合物などが挙げられる。
【0036】前記有機硫黄化合物としては、具体的に
は、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミ
リスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリ
ル-3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスリト
ール-テトラキス-(β-ラウリル-チオプロピオネー
ト)、ジトリデシル-3,3’-チオジプロピオネート、
2-メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
【0037】前記有機燐化合物としては、具体的には、
トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフ
ォスフィート、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-
フォスフィートなどが挙げられる。
【0038】前記有機硫黄化合物及び前記有機燐化合物
は、2次酸化防止剤であるため、前記フェノール系酸化
防止剤又はアミン系の酸化防止剤等の1次酸化防止剤と
併用することにより、相乗効果を得ることができる。
【0039】前記光安定剤としては、特に制限はなく、
光安定剤として、公知の化合物を適宜選択して使用する
ことができるが、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン
系などの光安定剤が好適に挙げられる。
【0040】前記ベンゾフェノン系の光安定剤として
は、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,
2’-ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンな
どが挙げられる。
【0041】前記ベンゾトリアゾール系の光安定剤とし
ては、2−(−2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル
-)-ベンゾトリアゾール、2−[2’-ヒドロキシ−
3’-(3’’,4'',5'',6''-テトラ-ヒドロフタ
ルイミド-メチル)-5’-メチルフェニル]−ベンゾトリ
アゾール、2-(-2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル−
5’-メチルフェニル-)-5-クロロベンゾトリアゾー
ル、2-(2'-ヒドロキシ-3’-t-ブチル5’-メチルフ
ェニル-)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒ
ドロキシ-3’,5’-t-ブチルフェニル-)-ベンゾトリ
アゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェ
ニル)−ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ
3’,5’-ジ-t-アミルフェニル-)-ベンゾトリアゾー
ルなどが挙げられる。
【0042】また、前記酸化防止剤として、そのほか、
2,4,ジ-t-ブチルフェニル3’、5’-ジ-t-ブチ
ル-4’-ヒドロキシベンゾエートやニッケルジブチル-
ジチオカルバメート等が挙げられる。
【0043】また、感度の向上、残留電位の低減、及
び、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、電子受
容性物質を1種以上含有させることができる。前記電子
受容性物質としては、特に制限はなく、公知の電子受容
正物質を適宜選択して使用することができ、例えば、無
水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、
無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシア
ノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o-ジニトロ
ベンゼン、m-ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニト
ロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン
酸、o-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、フタル酸
等が挙げられる。これらの中でも、フルオレノン系、キ
ノン系や、Cl、CN、NO2等の電子吸引性置換基を
有するベンゼン誘導体が、特に好適である。
【0044】前記電荷発生層の形成方法としては、前記
電荷発生材料を、真空蒸着により形成する方法、有機溶
剤及び前記結着樹脂と共に分散し塗布して形成する方法
等が好適に挙げられる。
【0045】(電荷輸送層)前記電荷輸送層は、少なく
とも電荷輸送材料と結着樹脂とを含有し、必要に応じて
その他の層を含有してなる。
【0046】−電荷輸送材料− 前記電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p
−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリ
フェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチ
ルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、
トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミ
ン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェ
ニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメ
チル−N,N−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−ア
ミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェ
ニル-N,N’-ビス(3−メチルフェニル)-[1,1
−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族第3級
ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)
−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,
4,−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、
4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1,1−ジ
フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアル
デヒド−1,1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−
(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニル
ヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−
スチリル-キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒド
ロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)-ベンゾフ
ラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニ
ルビニル)-N,N−ジフェニルアニリン等のα-スチル
ベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール
等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル及びその誘導体等の正孔輸送物質、クロラニル、ブロ
モアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラ
シアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロ
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フ
ルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェ
ニル)−5−(4−t-ブチルフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール、2,5−ビス(4-ナフチル)−1,
3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチ
ルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオ
キサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフ
ェン化合物、ジフェノキノン化合物等の電子輸送物質、
又は以上に示した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有
する重合体等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は、
1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0047】前記感光層が、前記積層構造の場合には、
前記電荷輸送材料の電荷輸送極性によって前記感光体の
帯電極性が異なる。即ち、前記電荷輸送材料として、正
孔輸送材料を用いた場合には、感光体は、負帯電で用い
られ、前記電子輸送材料を用いた場合には正帯電で用い
られる。また、前記正孔輸送材料と前記電子輸送材料と
を混合した場合には、両帯電極性の感光体とすることが
できる。
【0048】前記電荷輸送材料の中でも、前記結着樹脂
として、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を含
むポリカーボネート樹脂を含有する場合には、特に優れ
た性能を得るという観点から、下記一般式(IV)で表さ
れるベンジジン系化合物又は下記一般式(V)で表され
るトリアリールアミン化合物が好適に挙げられる。
【0049】
【化11】
【0050】但し、前記一般式(IV)中、R9及びR'
9は、同一の基でも、互いに異なる基でもよく、アルキ
ル基、アルコキシ基又は水素原子、ハロゲン原子を表
す。R 10、R'10、R11及びR'11は、同一の基でも、互
いに異なる基でもよく、アルキル基、アルコキシ基、置
換アミノ基又は水素原子、ハロゲン原子を表す。h、
h’、i及びi’は、それぞれ1又は2の整数を表す。
【0051】
【化12】
【0052】但し、前記一般式(V)中、R12及びR13
は、同一の基でも、互いに異なる基でもよく、アルキル
基、アルコシキル基、又はハロゲン原子、水素原子を表
す。j及びkは、それぞれ、1又は2の整数を表す。R
14は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のア
リール基又は水素原子を表す。
【0053】前記一般式(IV)で表されるベンジジン
化合物の具体例(化合物番号IV−1〜IV−67)を
下記表1から表3に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】前記一般式(V)で表されるトリアリール
アミン化合物の具体例(化合物番号V−1〜V−55)
を下記表4から表6に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】−結着樹脂− 本発明においては、前記感光層が、具体的には、前記単
層構造の感光層の場合には該感光層が、前記積層構造の
感光層の場合には、前記電荷発生層及び前記電荷輸送層
の少なくとも一方が、好ましくは前記電荷輸送層が、結
着樹脂として前記ポリカーボネート樹脂を含有する。従
って、前記結着樹脂としては、前記電荷発生層に用いる
結着樹脂が挙げられるが、前記ポリカーボネート樹脂が
特に好ましい。
【0062】前記ポリカーボネート樹脂は、下記一般式
(I)で表される繰り返し単位を含む。
【0063】
【化13】
【0064】前記一般式(I)中、X及びYは、互いに
異なる2価の連結基を表す。従って、前記一般式(I)
で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂
は、互いに異なる2種のポリカーボネートの繰り返し単
位を、交互に有する樹脂である。
【0065】前記一般式(I)で表される繰り返し単位
を含むポリカーボネート樹脂が、互いに異なる2種のポ
リカーボネートの繰り返し単位を、交互に有する樹脂
(以下、適宜「交互共重合体」と称することがある。)
であることが必要である理由としては、以下の通りであ
る。即ち、前記交互共重合体においては、互いに性質の
異なる繰り返し単位を交互に有しているため、樹脂全体
として、柔軟性を有するブロックと、剛性を有するブロ
ックとが均一に存在する。この結果、前記一般式(I)
で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂を
結着樹脂として用いれば、耐摩耗性などの機械的強度等
に優れた電子写真感光体を得ることが可能となる。
【0066】X及びYは、電気的に不活性な基であれ
ば、特に制限はなく、種々の連結基が好適に挙げられ
る。これらの中でも、Xとしては、下記一般式(II)
で表される連結基が好ましい。
【0067】
【化14】
【0068】但し、前記一般式(II)中、R1及びR2
は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子(フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)、炭素数1〜5のアルキル基
(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、
炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基
など)、又は炭素数6〜12のアリール基(フェニル
基、トリル基、ナフチル基など)を表す。m及びnは、
1〜4の整数を表す。Aは、下記一般式(III)のい
ずれかで表される2価の連結基を表す。
【0069】
【化15】
【0070】但し、前記一般式(III)中、R3〜R8
は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5
のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数
6〜12のアリール基を表し、これらは、置換されても
よく、R3とR4と、R5とR6と、又は、R7とR8とは、
互いに結合して、炭素環又は複素環を形成してもよい。
aは、0又は1を表す。
【0071】また、Yとしては、下記構造式(1)のい
ずれかで表される連結基が好ましい。
【0072】
【化16】
【0073】前記ポリカーボネート樹脂は、例えば、下
記(1)〜(3)に示す公知の製造方法で好適に得るこ
とができる。 (1)ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体と
ジヒドロキシ化合物とを用いる方法。 (2)炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とを用いる
方法。 (3)二酸化炭素とジヒドロキシ化合物塩とジハロゲン
化合物とを用いる方法。
【0074】これらの方法の中でも、前記(1)又は
(2)に示す方法がより好ましく、特に、前記(1)に
示す方法としては、トリホスゲンとジヒドロキシ化合物
とから得られるビスクロロホルメート体と、ジヒドロキ
シ化合物と、を用いた界面重合法が好ましい。また、特
に、前記(2)に示す方法としては、ジカルボン酸エス
テルと、ジオールと、を用いた溶融重縮合法が好まし
い。
【0075】以下に、前記(1)に示す方法により、前
記トリホスゲンとジヒドロキシ化合物とから得られるビ
スクロロホルメート体と、ジヒドロキシ化合物と、を用
いた界面重合法における反応式の具体例を反応式1とし
て示す。
【0076】反応式1
【化17】 但し、前記反応式1において、R及びR’は、互いに異
なる基であって、少なくとも前記一般式(I)における
X及びYのいずれか一方である。nは、1以上の整数を
表す。
【0077】前記界面重合法において、前記ヒドロキシ
化合物のビスクロロホルメート体の、前記ジヒドロキシ
化合物に対する仕込み比(ヒドロキシ化合物のビスクロ
ロホルメート体/ジヒドロキシ化合物)としては、1/
1〜3/1が好ましく、1.5/1〜2.5/1がより
好ましい。前記仕込み比が、1/1に満たない場合に
は、所望の反応が進まなかったり、得られるポリカーボ
ネート樹脂の分子量が、所望の大きさにならないことが
ある一方、前記仕込み比が、3/1を超える場合には、
反応に用いられないクロロホルメート体が、不純物とし
て残り易いことがある。
【0078】以下に、前記(2)に示す方法により、前
記ジカルボン酸エステルと、ジオールと、を用いた溶融
重縮合法における反応式の具体例を反応式2として示
す。
【0079】反応式2
【化18】 但し、前記反応式2において、R’及びR’’は、互い
に異なる基であって、少なくとも前記一般式(I)にお
けるX及びYのいずれか一方である。nは、1以上の整
数を表す。
【0080】前記溶融重縮合法において、前記ジカルボ
ン酸エルテルの、前記ジオールに対する仕込み比(ジカ
ルボン酸エステル/ジオール)としては、1/1〜1/
3が好ましく、1/1.5〜1/2.5がより好まし
い。前記仕込み比が、1/1に満たない場合には、所望
の反応が進まなかったり、得られるポリカーボネート樹
脂の分子量が所望の大きさにならないことがある一方、
前記仕込み比が、1/3を超える場合には、反応に用い
られないジオールが、不純物として残り易いことがあ
る。
【0081】以下に、前記一般式(I)で表されるポリ
カーボネート樹脂の繰り返し単位の具体例(化合物番号
I−1〜I−139)を示す。
【0082】
【化19】
【0083】
【化20】
【0084】
【化21】
【0085】
【化22】
【0086】
【化23】
【0087】
【化24】
【0088】
【化25】
【0089】
【化26】
【0090】
【化27】
【0091】
【化28】
【0092】
【化29】
【0093】
【化30】
【0094】
【化31】
【0095】
【化32】
【0096】
【化33】
【0097】
【化34】
【0098】
【化35】
【0099】
【化36】
【0100】
【化37】
【0101】
【化38】
【0102】
【化39】
【0103】
【化40】
【0104】
【化41】
【0105】
【化42】
【0106】
【化43】
【0107】前記一般式(I)で表される繰り返し単位
を含むポリカーボネート樹脂は、1種単独で使用しても
よく、また、前記電荷輸送材料の相溶性の改良、溶媒に
対する溶解性の改良、成膜性の向上等を目的として、2
種以上を併用したり、他の樹脂と併用してもよい。
【0108】尚、以下、前記一般式(I)で表される繰
り返し単位を含むポリカーボネート樹脂の具体例(化合
物番号I−5及びI−16)についての合成例1及び2
を示す。
【0109】<合成例1:具体例(化合物番号I−5)
のポリカーボネート樹脂の合成>1リットルの反応器中
に、ビスフェノールAを0.05モルと、4.8重量%
濃度の水酸化ナトリウム水溶液を200mlと、ベンジ
ルトリエチルアンモニウムクロライドを0.001モル
とを配合し、30分間攪拌した。その後、塩化メチレン
を100ml配合し、2層に分離した溶液を得た。さら
に、その後、反応温度を15℃に保ちつつ、激しく攪拌
しながら、20重量%濃度のトリホスゲンの塩化メチレ
ン溶液50mlを塩化メチレン層に滴下して、クロロホ
ルメート体の塩化メチレン溶液を分取した。また、2リ
ットル容器中に、下記構造式で表されるナフトール化合
物を0.005モルと、2重量%濃度の水酸化ナトリウ
ム水溶液を500mlと、ベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロライドを0.001モルとを配合し、その反応
温度を15℃に保ちつつ30分間攪拌した。
【0110】
【化44】
【0111】その後、得られた水溶液に、塩化メチレン
を500ml配合し、2層分離した溶液を得た。得られ
た2層分離した溶液のうち、塩化メチレン層に、前記ク
ロロホルメート体の塩化メチレン溶液の150mlを徐
々に滴下した後、トリブチルアミンを0.5ml配合
し、反応温度を15℃に保ちつつ20時間激しく攪拌し
た。反応終了後、イオン交換水と、蒸留水とを用いて順
次洗浄し、有機層を得た。得られた有機層を、メタノー
ル2L中に滴下して、重合体を沈殿させた後、ろ別し、
これを80℃で12時間乾燥して、化合物番号I−5の
ポリカーボネート樹脂を17g得た。
【0112】<合成例2:具体例(化合物番号I−1
6)のポリカーボネート樹脂合成>合成例1において、
ビスフェノールAの代わりに、ビスフェノールCを用い
た以外は、合成例 1と同様にして、化合物番号I−16
のポリカーボネート樹脂を18g得た。
【0113】前記他の樹脂としては、例えば、ビスフェ
ノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ、ビスフェノ
ールCタイプ、ビスフェノールTPタイプ、ビスフェノ
ールBPタイプ等の各種ポリカーボネート樹脂、ポリエ
ステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート
樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリ
デン-アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸
ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコ
ン-アルキド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、
スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール
等が挙げられる。
【0114】前記ポリカーボネート樹脂の分子量として
は、前記感光層の厚み、溶剤等の成膜条件、所望の機械
的特性等によっても異なるが、通常は、粘度平均分子量
で3000〜30万が好ましく、2万〜20万がより好
ましい。前記分子量が、3000未満の場合には、前記
本発明の電子写真感光体の機械的強度が不十分となり、
耐久性に劣ることがある一方、30万を超える場合に
は、電荷発生層用塗布液又は電荷輸送層用塗布液の粘度
が高くなり、塗布が困難となることがある。
【0115】前記電荷輸送層は、前記導電性支持体上
に、前記電荷輸送材料と前記結着樹脂とを適当な溶媒中
に配合させた塗布液を塗布した後、乾燥して形成され
る。
【0116】前記溶媒としては、特に制限はなく、公知
の有機溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、クロルベン
ゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2−ブタノン等
のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレ
ン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテ
ル等の環状又は直鎖状エーテル等が挙げられる。これら
は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても
よい。
【0117】前記塗布液には、前記電荷輸送層の平滑性
を向上させるため、所望により、シリコーンオイルなど
のレベリング剤を微量添加することもできる。
【0118】前記電荷輸送材料と前記結着樹脂との配合
の比(電荷輸送材料:結着樹脂)としては、10:1〜
1:5が好ましい。前記結着樹脂に対する前記電荷輸送
材料の配合の比が、前記数値範囲に満たない場合には、
電荷輸送能力が不十分であるため、残留電位が大きくな
ることがある一方、前記数値範囲を超える場合には、電
荷輸送材料が析出したり、前記本発明の電子写真感光体
の機械的強度が不十分となることがある。
【0119】前記塗布の方法としては、特に制限はな
く、感光体の形状や用途に応じて、公知の塗布方法から
適宜選択することができる。例えば、浸漬塗布法、リン
グ塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗
布法、ローラー塗布法などの塗布方法が挙げられる。前
記乾燥の方法としては、室温で指触乾燥した後、加熱乾
燥するのが好ましい。該加熱乾燥の温度としては、30
〜200℃が好ましく、また、該乾燥の時間としては、
5分〜2時間が好ましい。
【0120】前記電荷輸送層の厚みとしては、一般に
は、5〜50μmが好ましく、10〜40μmがより好
ましい。前記厚みが、5μ未満の場合には、リークが起
こりやすく、使用時に層の厚みが減少することにより、
前記本発明の電子写真感光体の寿命が短くなることがあ
る一方、50μmを超える場合には、残留電位が増加
し、また、前記電荷輸送層の厚みが不均一となることが
ある。
【0121】−その他の成分− 前記その他の成分としては、前記レベリング剤のほか、
前記電荷発生層で述べた、結着樹脂以外のその他の成分
と同様の成分が好適に挙げられる。
【0122】[導電性支持体]前記導電性支持体として
は、一般に電子写真感光体の導電性支持体として用いら
れているものであれば特に制限はなく、公知の支持体、
例えば、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金
属類、蒸着により、アルミニウム、銅、金、銀、白金、
パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス
鋼、銅−インジウム、酸化インジウム、酸化錫等の薄膜
を設けた、紙、プラスチック又はガラス、金属箔をラミ
ネートしたり、カーボンブラック、酸化インジウム、酸
化錫−酸化アンチモン粉・金属粉・沃化銅等を結着樹脂
に分散した塗布液を塗布して導電処理した各種の支持体
が好適に挙げられる。
【0123】前記導電性支持体の形状としては、特に制
限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例え
ば、ドラム状、シート状、プレート状、パイプ状等が挙
げられる。
【0124】前記導電性支持体には、必要に応じて、鏡
面切削、エッチング処理、陽極酸化処理処理、粗切削処
理、センタレス研削処理、サンドブラスト処理、ウエッ
トホーニング処理などの各種の表面処理等を行うことが
できる。前記表面処理によって、支持体表面を粗面化す
ることにより、レーザービームのような可干渉光源を用
いた場合に発生し得る感光体内での干渉光による木目状
の濃度斑を防止することができる。特に、前記導電性支
持体が、金属製のパイプ基材を用いる場合に、有効であ
る。
【0125】[その他の層]前記その他の層としては、
下引き層や表面保護層等が挙げられる。 (下引き層)前記下引き層としては、ポリビニルブチラ
ールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラ
チン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリ
ル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニ
ルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイ
ン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹
脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂
等の高分子化合物や、ジルコニウム、チタン、アルミニ
ウム、マンガン又はシリコン化合物等の有機金属化合物
等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いて
もよいし、2種以上を併用してもよく、複数化合物の重
縮合物として用いてもよい。これらの化合物の中でも、
ジルコニウム又はシリコンを含有する有機金属化合物を
用いた場合には、残留電位を低下させることができるた
め、環境による電位変化が少なく、繰り返し使用による
電位の変化が少ない等、優れた性能を得ることができ
る。
【0126】前記シリコン化合物としては、例えば、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピ
ル-トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、β-(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピ
ルメチルメトキシシラン、N,N-ビス(β-ヒドロキシ
エチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-ク
ロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0127】前記シリコン化合物の具体例の中でも、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエ
トキシシラン)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)3-アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン
などのシランカップリング剤等が特に好ましい。
【0128】前記ジルコニウム化合物としては、例え
ば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸
エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチル
アセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチ
ルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、
ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、
ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、
ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ス
テアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウ
ム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレ
ートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコ
ニウムブトキシド等が挙げられる。
【0129】前記チタン化合物としては、例えば、テト
ライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタ
ネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチ
ルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネー
ト、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレ
ングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チ
タンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チ
タントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタン
ステアレート等が挙げられる。
【0130】前記アルミニウム化合物としては、例え
ば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアル
ミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレー
ト、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロ
ピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテー
ト)等が挙げられる。
【0131】前記下引き層中には、電気特性の向上や光
散乱性の向上等を目的として、必要に応じて、各種の有
機又は無機微粉末を含有させることができる。前記有機
又は無機微粉末としては、特に制限はなく、公知の有機
又は無機微粉末から適宜選択して用いることができる
が、特に、前記無機微粉末の中では、酸化チタン、酸化
亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料
や、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質
顔料としての無機顔料が好ましい。また、前記有機微粉
末の中では、テフロン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂
粒子、スチレン樹脂粒子等が好ましい。前記有機又は無
機微粉末の粒径としては、0.01〜2μmが好まし
い。
【0132】前記無機微粉末の添加量としては、前記下
引き層の固形分に対して、重量比で10〜80重量%が
好ましく、30〜70重量%がより好ましい。
【0133】前記有機又は無機微粉末を、前記下引層中
に分散・含有させるには、前記有機又は無機微粉末を、
前記樹脂成分等が溶解された溶液中に添加した後、分散
処理して行う。前記分散処理は、ロールミル、ボールミ
ル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロ
イドミル、ペイントシェーカー等を用いて行う。
【0134】前記下引き層の厚みとしては、0.1〜1
0μmが好ましい。前記厚みが、0.1μm以下の場合
には、前記導電性支持体の隠蔽が不十分となるため、黒
点や白点が発生することがある一方、10μmを超える
場合には、残留電位が増加することがある。
【0135】(表面保護層)前記表面保護層としては、
絶縁性樹脂保護層や低抵抗保護層等が挙げられる。前記
低抵抗保護層としては、例えば、絶縁性樹脂中に導電性
微粒子等の抵抗調整剤等を分散した保護層が挙げられ
る。前記導電性微粒子としては、電気抵抗が、109Ω
・cm以下で、白色、灰色又は青白色を呈する微粒子が好
ましい。該導電性微粒子の平均粒径としては、0.3μ
m以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。該
導電性微粒子としては、例えば、酸化モリブデン、酸化
タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、
酸化インジウム、酸化錫と、アンチモン又は酸化アンチ
モンとの固溶体の担体またはこれらの混合物、あるいは
単一粒子中にこれらの金属酸化物を混合したもの、ある
いは被覆したものが挙げられる。これらの中でも、酸化
錫、酸化錫とアンチモン又は酸化アンチモンとの固溶体
は、電気抵抗を適切に調節することが可能で、かつ、前
記表面保護層を、実質的に透明にすることが可能である
ため好ましい(特開昭57−30847号、特開昭57
−128344号の各公報)。
【0136】前記絶縁性樹脂保護層及び低抵抗保護層に
用いられる絶縁性樹脂としては、ポリアミド、ポリウレ
タン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリ
カーボネート等の縮合樹脂や、ポリビニルケトン、ポリ
スチレン、ポリアクリルアミドのようなビニル重合体等
が挙げられる。
【0137】前記本発明の電子写真感光体は、ライトレ
ンズ系複写機、近赤外光もしくは可視光に発光するレー
ザービームプリンター、デイジタル複写機、LEDプリ
ンター、レーザーファクシミリなどの電子写真装置、あ
るいは該電子写真装置に備えられるプロセスカートリッ
ジに好適に用いることができる。また、前記本発明の電
子写真感光体は、一成分系、二成分系の正規現像剤ある
いは反転現像剤とも併用することができる。更に、前記
本発明の電子写真感光体は、帯電ローラーや帯電ブラシ
を有する接触帯電器を備えた電子写真装置に用いても、
電流リークの発生が少なく、容易に良好な画質を得るこ
とができる。
【0138】前記本発明の電子写真感光体は、機械的強
度、耐摩耗性、帯電電位安定性等の諸特性に優れるた
め、各種の前記電子写真装置やプロセスカートリッジに
使用した場合に、優れた画像を得ることが可能である。
また前記電子写真感光体をベルト状として用いる場合に
は、前記ポリカーボネート樹脂が前記電荷発生層及び前
記電荷輸送層のいずれの層中に含有されていても、可撓
性が向上するため、前記電子写真感光体の機械的寿命を
向上させることができる。
【0139】次に、前記本発明の電子写真感光体を備え
たプロセスカートリッジ、及び、該プロセスカートリッ
ジを搭載した電子写真装置について説明する。図1は、
本発明の電子写真感光体を備えた電子写真装置の概略図
である。電子写真装置11は、プロセスカートリッジ1
と、電子写真感光体2と、帯電器3と、電源4と、画像
入力器5と、現像器6と、転写器7と、クリーニング器
8と、除電器9と、定着器10と、を有する。電子写真
感光体2には、接触帯電方式の帯電器3が当接し、帯電
器3は、電源4から供給された電圧により作動する。ま
た、電子写真感光体2の周囲には、画像入力器5、現像
器6、転写器7、クリーニング器8、及び、除電器9が
配置されている。また、プロセスカートリッジ1は、電
子写真感光体2と、画像入力器5、現像器6、転写器
7、クリーニング器8、及び、除電器9と、を有してい
るが、電子写真感光体2のほかに、画像入力器5、現像
器6、転写器7、クリーニング器8、及び、除電器9、
の総てを有している必要はない。
【0140】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されな
い。
【0141】<実施例 1> −導電性支持体の作製− 30mmφのED管アルミニウム基体に、アルミナ球状
微粉末(D50=30μm)を用いて、液体ホーニング
処理を施し、中心線平均粗さRaが0.18μmに粗面
化された、30mmφのED管のアルミニウム基体であ
る導電性支持体を作製した。 −下引き層の形成− ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水
化学(株)製)の4重量部を溶解したn−ブチルアルコ
ールを170重量部と、有機ジルコニウム化合物(アセ
チルアセトンジルコニウムブチレート)を30重量部
と、有機シラン化合物の混合物(γ-アミノプロピルト
リメトキシシラン)を3重量部と、を混合し、撹拌して
下引き層用塗布液を調製した。得られた下引き層用塗布
液を、浸漬塗布装置を用いて前記導電性支持体上に塗布
した後、150℃で1時間硬化処理を行い、厚み1.2
μmの下引き層を形成した。
【0142】−電荷発生層の形成− Cukα線を用いたX線回折スペクトルの測定におい
て、ブラッグ角度(2θ±0.2)で、7.4、16.
6、25.5、28.3の位置に明瞭な回折ピークを有
するジクロルガリウムフタロシアニン(電荷発生材料)
を3重量部と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂
(VMCH、日本ユニカー社製)を2重量部と、酢酸ブ
チルを180重量部と、を混合し、サンドミルにて4時
間分散処理を行い、電荷発生層用塗布液を調製した。こ
れを、前記下引き層上に、浸漬塗布装置を用いて塗布し
た後、乾燥し、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成し
た。
【0143】−電荷輸送層の形成及び電子写真感光体の
作製− 前記具体例(化合物番号IV−1)のN,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,
1’-ビフェニル]−4,4’−ジアミンを4重量部
と、前記具体例(化合物番号I−5)のポリカーボネー
ト樹脂(分子量4万)を6重量部と、テトラヒドロフラ
ンを80重量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノールを0.2重量部と、を配合し、溶解させて
電荷輸送層用塗布液を調製した。これを、前記電荷発生
層上に、浸漬塗布装置を用いて塗布した後、120℃で
40分間乾燥させて、厚みが25μmの電荷輸送層を形
成し、積層型の電子写真感光体を作製した。
【0144】得られた電子写真感光体を、接触帯電器を
備えたプリンター(PC−PR1000/4R、日本電
気社製)に装着した。これを用いて、プリント操作を行
い、1万枚印刷後の画質を評価した。また、5万枚印刷
後の電子写真感光体における残留電位、帯電電位及び摩
耗量を測定・評価した。結果を表7に示した。
【0145】<実施例2>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、前記具体例(化合物番号I−1)
のポリカーボネート樹脂(分子量4万)を用い、テトラ
ヒドロフランの配合量を70重量部とし、更に、塩化メ
チレンを10重量部配合した外は、実施例1と同様にし
て電子写真感光体を作製し、同様にして、画質、残留電
位、帯電電位及び摩耗量を測定・評価した。結果を表7
に示した。
【0146】<実施例3>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、前記具体例(化合物番号I−1
2)のポリカーボネート樹脂(分子量4万)を用い、テ
トラヒドロフランの配合量を70重量部とし、更に、塩
化メチレンを10重量部配合した外は、実施例1と同様
にして電子写真感光体を作製し、同様にして、画質、残
留電位、帯電電位及び摩耗量を測定・評価した。結果を
表7に示した。
【0147】<実施例4>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、前記具体例(化合物番号I−1
6)のポリカーボネート樹脂(分子量4万)を用い、テ
トラヒドロフランの配合量を70重量部とし、更に、塩
化メチレンを10重量部配合した外は、実施例1と同様
にして電子写真感光体を作製し、同様にして、画質、残
留電位、帯電電位及び摩耗量を測定・評価した。結果を
表7に示した。
【0148】<実施例5>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、具体例
(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子量
4万)の代わりに、前記具体例(化合物番号I−56)
のポリカーボネート樹脂(分子量4万)を用い、テトラ
ヒドロフランの配合量を70重量部とし、更に、塩化メ
チレンを10重量部配合した外は、実施例1と同様にし
て電子写真感光体を作製し、同様にして、画質、残留電
位、帯電電位及び摩耗量を測定・評価した。結果を表7
に示した。
【0149】<実施例6>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、前記具体例(化合物番号I−6
0)のポリカーボネート樹脂(分子量4万)を用い、テ
トラヒドロフランの配合量を70重量部とし、更に、塩
化メチレンを10重量部配合した外は、実施例1と同様
にして電子写真感光体を作製し、同様にして、画質、残
留電位、帯電電位及び摩耗量を測定・評価した。結果を
表7に示した。
【0150】<実施例7>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、前記具体例(化合物番号I−7
8)のポリカーボネート樹脂(分子量4万)を用い、テ
トラヒドロフランの配合量を70重量部とし、更に、塩
化メチレンを10重量部配合した外は、実施例1と同様
にして電子写真感光体を作製し、同様にして、画質、残
留電位、帯電電位及び摩耗量を測定・評価した。結果を
表7に示した。
【0151】<実施例8>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、前記具体例(化合物番号I−8
2)のポリカーボネート樹脂(分子量4万)を用い、テ
トラヒドロフランの配合量を70重量部とし、更に、塩
化メチレンを10重量部配合した外は、実施例1と同様
にして電子写真感光体を作製し、同様にして、画質、残
留電位、帯電電位及び摩耗量を測定・評価した。結果を
表7に示した。
【0152】<比較例1>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、ビスフェノールAタイプポリカー
ボネート樹脂(分子量4万)を用い、テトラヒドロフラ
ンの配合量を70重量部とし、更に、塩化メチレンを1
0重量部配合した外は、実施例1と同様にして電子写真
感光体を作製し、同様にして、画質、残留電位、帯電電
位及び摩耗量を測定・評価した。結果を表7に示した。
【0153】<比較例2>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、ビスフェノールEタイプポリカー
ボネート樹脂(分子量4万)を用い、テトラヒドロフラ
ンの配合量を70重量部とし、更に、塩化メチレンを1
0重量部配合した外は、実施例1と同様にして電子写真
感光体を作製し、同様にして、画質、残留電位、帯電電
位及び摩耗量を測定・評価した。結果を表7に示した。
【0154】<比較例3>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、ビスフェノールAFタイプポリカ
ーボネート樹脂(分子量4万)を用い、テトラヒドロフ
ランの配合量を70重量部とし、更に、塩化メチレンを
10重量部配合した外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製し、同様にして、画質、残留電位、帯電
電位及び摩耗量を測定・評価した。結果を表7に示し
た。
【0155】<比較例4>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、下記構造式で表される繰り返し単
位を含む、ホスゲン法により製造されたポリカーボネー
ト樹脂(分子量4万)を用い、テトラヒドロフランの配
合量を70重量部とし、更に、塩化メチレンを10重量
部配合した外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作製し、同様にして、画質、残留電位、帯電電位及び
摩耗量を測定・評価した。結果を表7に示した。
【0156】
【化45】
【0157】<比較例5>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、下記構造式で表される繰り返し単
位を含む、ホスゲン法により製造されたポリカーボネー
ト樹脂(分子量4万)を用い、テトラヒドロフランの配
合量を70重量部とし、更に、塩化メチレンを10重量
部配合した外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作製し、同様にして、画質、残留電位、帯電電位及び
摩耗量を測定・評価した。結果を表7に示した。
【0158】
【化46】
【0159】<比較例6>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、下記構造式で表される繰り返し単
位を含む、ホスゲン法により製造されたポリカーボネー
ト樹脂(分子量4万)を用い、テトラヒドロフランの配
合量を70重量部とし、更に、塩化メチレンを10重量
部配合した外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作製し、同様にして、画質、残留電位、帯電電位及び
摩耗量を測定・評価した。結果を表7に示した。
【0160】
【化47】
【0161】<比較例7>実施例1の電荷輸送層の形成
における電荷輸送層用塗布液の調製において、前記具体
例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹脂(分子
量4万)の代わりに、下記構造式で表される繰り返し単
位を含む、ホスゲン法により製造されたポリカーボネー
ト樹脂(分子量4万)を用い、テトラヒドロフランの配
合量を70重量部とし、更に、塩化メチレンを10重量
部配合した外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作製し、同様にして、画質、残留電位、帯電電位及び
摩耗量を測定・評価した。結果を表7に示した。
【0162】
【化48】
【0163】
【表7】
【0164】<実施例9> −導電性支持体の作製− 実施例1の導電性支持体の作製において、30mmφの
アルミニウム基体の代わりに、84mmφのアルミニウ
ム基体を用いた外は、実施例1と同様にして、中心線平
均粗さRaが0.18μmに粗面化された、84mmφ
のED管のアルミニウム基体である導電性支持体を作製
した。 −下引き層の形成− 実施例1で用いたポリビニルブチラール樹脂(エスレッ
クBM−S、積水化学(社)製)の16重量部を、シク
ロヘキサノン550重量部に混合・撹拌した後、レゾー
ル型フェノール樹脂(フェノライトJ−325、大日本
インキ化学社製)を8重量部添加し、撹拌した。さら
に、酸化チタン顔料の60重量部を添加し、サンドグラ
インドミルによって5時間の分散処理を行い、下引き層
用塗布液を調製した。得られた下引き層用塗布液を、リ
ング塗布装置を用いて前記導電性支持体上に塗布した
後、170℃で1時間硬化処理を行い、厚み4.0μm
の下引き層を形成した。 −電荷発生層の形成− 実施例1における電荷発生層の形成と同様にして、前記
下引き層上に電荷発生層を形成した。
【0165】−電荷輸送層の形成及び電子写真感光体の
作製− 実施例1の電荷輸送層の形成において、前記具体例(化
合物番号IV−1)のN,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’-ビフェニ
ル]−4,4’−ジアミンの代わりに、前記具体例(化
合物番号V-33)の電荷輸送材料N,N−ビス(3,4
−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミンを用い、
前記具体例(化合物番号I−5)のポリカーボネート樹
脂(分子量4万)の代わりに、前記具体例(化合物番号
I−1)のポリカーボネート樹脂(分子量4万)を用
い、テトラヒドロフランの代わりに、クロルベンゼンを
用い、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
を配合しなかった外は、実施例1と同様にして電荷輸送
層用塗布液を調製し、厚み27μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作製した。
【0166】−かぶりの評価及び黒点数の測定− 得られた電子写真感光体を、中間転写ドラム方式を有す
るカラー複写機富士ゼロックス社製Acolor−63
5に装着して光量を調整しプリント操作を行った。得ら
れた画像におけるかぶり及び黒点数を測定・評価した。
結果を表8に示した。
【0167】<実施例10>実施例9の電荷輸送層の形
成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリカ
ーボネート樹脂の代わりに、前記具体例(化合物番号I
−5)のポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例9
と同様にして電子写真感光体を作製し、かぶりの評価及
び黒点数の測定を行った。結果を表8に示した。
【0168】<実施例11>実施例9の電荷輸送層の形
成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリカ
ーボネート樹脂の代わりに、前記具体例(化合物番号I
−12)のポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例
9と同様にして電子写真感光体を作製し、かぶりの評価
及び黒点数の測定を行った。結果を表8に示した。
【0169】<実施例12>実施例9の電荷輸送層の形
成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリカ
ーボネート樹脂の代わりに、前記具体例(化合物番号I
−16)のポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例
9と同様にして電子写真感光体を作製し、かぶりの評価
及び黒点数の測定を行った。結果を表8に示した。
【0170】<実施例13>実施例9の電荷輸送層の形
成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリカ
ーボネート樹脂の代わりに、前記具体例(化合物番号I
−56)のポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例
9と同様にして電子写真感光体を作製し、かぶりの評価
及び黒点数の測定を行った。結果を表8に示した。
【0171】<実施例14>実施例9の電荷輸送層の形
成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリカ
ーボネート樹脂の代わりに、前記具体例(化合物番号I
−60)のポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例
9と同様にして電子写真感光体を作製し、かぶりの評価
及び黒点数の測定を行った。結果を表8に示した。
【0172】<実施例15>実施例9の電荷輸送層の形
成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリカ
ーボネート樹脂の代わりに、前記具体例(化合物番号I
−78)のポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例
9と同様にして電子写真感光体を作製し、かぶりの評価
及び黒点数の測定を行った。結果を表8に示した。
【0173】<実施例16>実施例9の電荷輸送層の形
成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリカ
ーボネート樹脂の代わりに、前記具体例(化合物番号I
−82)のポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例
9と同様にして電子写真感光体を作製し、かぶりの評価
及び黒点数の測定を行った。結果を表8に示した。
【0174】<比較例8>実施例9の電荷輸送層の形成
において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリカー
ボネート樹脂の代わりに、ビスフェノールAタイプのポ
リカーボネート樹脂を用いた外は、実施例9と同様にし
て電子写真感光体を作製し、かぶりの評価及び黒点数の
測定を行った。結果を表8に示した。 <比較例9>実施例9の電荷輸送層の形成において、前
記具体例(化合物番号I−1)のポリカーボネート樹脂
の代わりに、ビスフェノールEタイプのポリカーボネー
ト樹脂を用いた外は、実施例9と同様にして電子写真感
光体を作製し、かぶりの評価及び黒点数の測定を行っ
た。結果を表8に示した。 <比較例10>実施例9の電荷輸送層の形成において、
前記具体例(化合物番号I−1)のポリカーボネート樹
脂の代わりに、ビスフェノールAFタイプのポリカーボ
ネート樹脂を用いた外は、実施例9と同様にして電子写
真感光体を作製し、かぶりの評価及び黒点数の測定を行
った。結果を表8に示した。
【0175】
【表8】
【0176】<実施例17> −下引き層の形成− ポリエチレンテレフタレートフィルム表面上に、アルミ
ニウムの蒸着膜を設けた導電性支持体(メタルミー、
(株)東レ製)上に、ポリアミド樹脂10重両部と、メ
チルアルコール150重量部と、水40重量部とからな
る下引き層用塗布液を塗布し、乾燥して、厚みが1μm
の下引き層を形成した。
【0177】−電荷発生層用の形成− Cukα線を用いたX線回折スペクトルの測定におい
て、ブラッグ角度(2θ±0.2)で、7.5、9.
9、12.5、16.3、18.6、25.1、28.
1の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタ
ロシアン(電荷発生材料)を9重量部と、ポリビニルブ
チラール樹脂(積水化学製エスレックBM−1)2重量
部、n-ブチルアルコール30重量部との混合物を、ボ
ールミルポットにとり、ミル部材として1/8インチΦ
のSUSボールを使用し、60時間ミリングをした後、
さらに、n-ブチルアルコール30重量部を加えて希釈
し撹拌して電荷発生層用塗布液を調製した。得られた電
荷発生層用塗布液を、前記下引き層上に塗布し、乾燥し
て、厚み0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0178】−電荷輸送層の形成及び電子写真感光体の
作製− 前記具体例(化合物番号IV−1)のN,N’−ジフェ
ニル-N,N’−ビス(3-メチルフェニル)−[1,
1’-ビフェニル]−4,4’-ジアミンを4重量部と、
前記具体例(化合物番号I−1)のポリカーボネート樹
脂を6重量部とを塩化メチレン55重量部に添加して溶
解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。得られた電荷
輸送層用塗布液を、前記電荷発生層上に塗布し、乾燥し
て、厚みが27μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感
光体を作製した。
【0179】−感光層における折り曲げ強度の測定及び
サイクルコピー走行試験− 得られた電子写真感光体における感光層を、導電性支持
体上から剥離し、該感光層を用いて、折り曲げ強度試験
機(上島製作所社製)を用いて、5000回、折り曲げ
繰り返し試験を行った。また、得られた電子写真感光体
を、ベルト状に加工し、ベルト回転駆動装置を有する複
写機(富士ゼロックス社製、Vivace800)に装
着して、10万サイクルまでのコピー走行試験を実施
し、画質を評価した。結果を表9に示した。
【0180】<実施例18>実施例17の電荷輸送層の
形成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリ
カーボネート樹脂の代わりに、前記具体例(化合物番号
I−5)のポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例
17と同様にして電子写真感光体を作製し、同様にし
て、評価を行った。結果を表9に示した。
【0181】<比較例11>実施例17の電荷輸送層の
形成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリ
カーボネート樹脂の代わりに、ビスフェノールAタイプ
のポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例17と同
様にして、電子写真感光体を作製し、同様にして、評価
を行った。結果を表9に示した。
【0182】<比較例12>実施例17の電荷輸送層の
形成において、前記具体例(化合物番号I−1)のポリ
カーボネート樹脂の代わりに、ビスフェノールAFタイ
プのポリカーボネート樹脂を用いた外は、実施例17と
同様にして、電子写真感光体を作製し、同様にして、評
価を行った。結果を表9に示した。
【0183】
【表9】
【0184】表7〜表9より、本発明の電子写真感光体
は、接触帯電器を備えたプリンターで、プリントテスト
を行っても、電子写真感光体のリーク放電等に起因する
画質異常は見られなかった。また電子写真感光体におけ
る摩耗量は少なく、電子写真感光体の帯電性低下や残留
電位の上昇がなく、安定した電気特性が得られた。
【0185】一方、比較例1〜12の電子写真感光体
は、摩耗量が大きく、暗減衰が上昇して帯電性の低下が
生じた。また、特に、低濃度部分にかぶりが多く発生し
ていた。また、摩耗により感光層の厚みが低下した部分
では、接触帯電器から電流リークがあるため、リーク部
分を絶縁性物質で修復して走行を行わざるを得なかっ
た。この部分は、画像形成時には、画像欠陥となった。
【0186】
【発明の効果】本発明によれば、機械的強度、耐摩耗
性、帯電電位安定性等の諸特性に優れ、各種の電子写真
装置に使用した場合に優れた画像を得ることが可能な電
子写真感光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は電子写真装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 プロセスカートリッジ 2 電子写真感光体 3 帯電器 4 電源 5 画像入力器 6 現像器 7 転写器 8 クリーニング器 9 除電器 10 定着器 11 電子写真装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹川 一郎 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA13 BB26 4J002 CG011 CG021 EN066 EN076 EN126 FD206 GP03 4J029 AA09 AB07 AC03 AC05 AE18 BB04A BB12A BB12B BB12C BB13A BB13B BB13C BB15A BB15B BC03A BC04A BC05A BC06A BF03 BF04 BF14A BF14B BG08X BG08Y BG24X BH02 DB07 DB11 DB13 HA01 HC01 HC03 JC053 KE05 KE11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、下記一般式(I)で
    表される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂を含
    有する感光層を有することを特徴とする電子写真感光
    体。 【化1】 但し、前記一般式(I)中、X及びYは、互いに異なる
    2価の連結基を表す。
  2. 【請求項2】 Xが、下記一般式(II)で表される請
    求項1に記載の電子写真感光体。 【化2】 但し、前記一般式(II)中、R1及びR2は、それぞ
    れ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル
    基、炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数6〜12の
    アリール基を表す。m及びnは、1〜4の整数を表す。
    Aは、下記一般式(III)のいずれかで表される2価
    の連結基を表す。 【化3】 但し、前記一般式(III)中、R3〜R8は、それぞ
    れ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル
    基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数6〜12のア
    リール基を表し、これらは、置換されてもよく、R3
    4と、R5とR6と、又は、R7とR8とは、互いに結合
    して、炭素環又は複素環を形成してもよい。aは、0又
    は1を表す。
  3. 【請求項3】Yが、下記構造式(1)のいずれかで表さ
    れる請求項1又は2に記載の電子写真感光体。 【化4】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015102763A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 電子写真感光体

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