JP2000336569A - 柔軟化長繊維不織布 - Google Patents

柔軟化長繊維不織布

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JP2000336569A
JP2000336569A JP14660199A JP14660199A JP2000336569A JP 2000336569 A JP2000336569 A JP 2000336569A JP 14660199 A JP14660199 A JP 14660199A JP 14660199 A JP14660199 A JP 14660199A JP 2000336569 A JP2000336569 A JP 2000336569A
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temperature
heat
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優 門田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面強度および引張強度を損なうことなく、
紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料の表面材、外装
材、使い捨て衣料等に好適に使用しうる柔軟な風合を有
する柔軟化長繊維不織布を提供する。 【解決手段】 スパンボンド法で製造された長繊維不織
布を構成する連続繊維が、ポリプロピレン樹脂からな
り、かつ示差走査熱量計測定による融解熱量のピーク値
として、第一次ピークと、前記第一次ピークより融解熱
量の低い第二次ピークとを有し、前記第一次ピークは、
150〜165℃の範囲にあり、かつ前記第二次ピーク
は、第一次ピークを示す温度より3〜10℃高い温度に
あることを特徴とするものである。また前記長繊維不織
布が、熱処理温度が110〜140℃で、かつ熱処理時
間が0.5〜5秒で熱処理されたものであることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、風合いが良好
で、柔軟性を有し、かつ表面強度、引張強度に優れる柔
軟化長繊維不織布、特にスパンボンド法で製造された長
繊維不織布(以下、スパンボンド不織布という。)が柔
軟性を有する柔軟化スパンボンド不織布に関する。さら
に詳しくは、ポリプロピレン樹脂を公知のスパンボンド
法によって製造されたスパンボンド不織布を特定の条件
下で加熱処理し、結晶構造を持たせることにより、風合
いが良好で、柔軟性を有し、かつ表面強度、引張強度に
優れる柔軟化スパンボンド不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 一般に、スパンボンド不織布は、紙お
むつ、生理用ナプキン等の衛生用品の表面材や外装材、
芯地、使い捨て衣料等、多様な用途に使用されてきてい
る。なかでもポリプロピレン繊維で構成されるスパンボ
ンド不織布は、低価格により、紙おむつ、生理用ナプキ
ン等の衛生材料の表面材や外装材、使い捨て衣料等に大
量に使用されている。しかしながら、柔軟性等の風合い
は未だ十分とはいえず、さまざまな柔軟化方法が提案さ
れている。
【0003】例えば、特開平2−229253号公報で
は、不織ウェブに高圧水流で交絡後、特定の面積および
間隔で溶融圧着を施し、再度高圧水流で交絡処理を施す
方法が提案されている。この方法により、表面耐摩擦
性、耐毛羽性、引張強度および引裂強度に優れ、かつ柔
軟な風合いを有する不織布を得ようとするものである。
しかしながら、高圧水流による交絡処理を行うと、不織
布を構成する繊維の一部が高圧水流により切断され、繊
維端が不織布表面に出やすくなるため、不織布表面を摩
擦したときの毛羽立ちが、必ずしも満足の得られるもの
ではなかった。また複数回の高圧水流による交絡処理を
必要とするため、工程が複雑なものとなり、また水流交
絡後には乾燥工程が必要となることから、生産性に優れ
る方法とは言えないものである。
【0004】また特開昭60−126365号公報で
は、不織布を構成する繊維の溶融温度より30℃以上低
い温度下で、ゴム硬度が75°〜95°の弾性ロール
と、ゴム硬度が95°以上の弾性ロールまたは剛体ロー
ルとの間で20〜60Kg/cmの線圧にて加圧処理す
る不織布の処理方法が提案されている。この方法は前記
ロールによる加圧処理を施すことで、不織布を揉んだ
り、叩いたりする作用効果を連続的に行うようにしたも
のである。しかしながら、不織布表面に物理的な外力を
加えることは、不織布表面の繊維の切断を引き起こし、
毛羽立ちの起りやすいものとなるとともに、不織布を構
成する繊維間の結合の一部を破壊し、強度が低下するこ
とがあり、衛生材料の表面材や外装材等に使用する不織
布として不適なものになってしまう。
【0005】また特開平2−127559号公報では、
エンボス突起を有する回転駆動するロールで送られる不
織布に押圧体を圧接することでクレープ加工を施し、柔
軟化する方法が提案されている。クレープ加工により不
織布に嵩高性および柔軟性を付与できるが、不織布表面
に物理的な外力を加えることは、不織布表面の繊維の切
断を引き起こし、毛羽立ちの起りやすいものとなるとと
もに、不織布を構成する繊維間の結合の一部を破壊し、
強度が低下することが懸念され、衛生材料の表面材や外
装材等として使用するのに不適なものとなってしまう。
【0006】以上のように、不織布の柔軟化処理におい
ては、柔軟化による風合いの改善に伴い、毛羽立ちによ
る表面強度や、引張強度の低下を引き起こすため、柔軟
化と、表面強度および引張強度の低下とをある程度のと
ころでバランスさせることが必要であり、双方を十分に
満足させるには至らなかった。そのため、表面強度や引
張強度を損なうことなく風合いを改善した柔軟な不織布
を得る方法が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、柔
軟化長繊維不織布、特に柔軟化スパンボンド不織布に関
し、従来の長繊維不織布の優れた表面強度および引張強
度を損なうことなく、紙おむつや生理用ナプキン等の衛
生材料の表面材、外装材、使い捨て衣料等に好適に使用
しうる柔軟な風合いを有する柔軟化長繊維不織布を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、スパンボ
ンド不織布の優れた表面強度、引張強度を損なうことな
く、柔軟化する方法について鋭意検討した結果、スパン
ボンド不織布を特定の条件下で熱処理することにより、
スパンボンド不織布を構成するポリプロピレン繊維の結
晶構造を変化させ、表面強度および引張強度に優れ、か
つ柔軟な風合いを有する柔軟化スパンボンド不織布を得
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明に係る柔軟化長繊維不織布は、スパ
ンボンド法で製造されたものであり、前記長繊維不織布
を構成する連続繊維が、ポリプロピレン樹脂からなり、
かつ示差走査熱量計測定による融解熱量のピーク値とし
て、第一次ピークと、前記第一次ピークより融解熱量の
低い第二次ピークとを有し、前記第一次ピークは、15
0〜165℃の範囲にあり、かつ前記第二次ピークは、
第一次ピークを示す温度より3〜10℃高い温度にある
ことを特徴とするものである。
【0010】また熱処理温度が110〜140℃で、か
つ熱処理時間が0.5〜5秒で熱処理されたものである
ことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明に用いるスパンボンド不
織布は、従来公知のスパンボンド不織布製造装置により
製造して得ることができる。
【0012】本発明に用いるスパンボンド不織布を構成
する連続繊維が、示差走査熱量計測定による融解熱量の
ピーク値として、第一次ピークと、前記第一次ピークよ
り融解熱量の低い第二次ピークとを有し、前記第一次ピ
ークは、150〜165℃の範囲にあり、かつ前記第二
次ピークは、第一次ピークを示す温度より3〜10℃高
い温度にあることにより、所定の性能を有するスパンボ
ンド不織布が得られる。
【0013】連続繊維であるポリプロピレン繊維の結晶
構造が変化の様子は、示差走査熱量計測定(以下、DS
C測定という。)による融解熱量を示すカーブのピーク
値の変化により示すことができる。すなわち、結晶部分
の融解挙動を示すDSC測定の際の融解熱量を示すカー
ブに変化が生じるのである。熱処理前のスパンボンド不
織布は、融解熱量のピークが150〜165℃の範囲に
示される一つのピークを有する。このスパンボンド不織
布を前述のように熱処理することにより、前記ポリプロ
ピレン繊維の融解熱量のピーク値が変化するのである。
さらに具体的には融解熱量を示すカーブが、2つにな
り、第一次ピークと、前記第一次ピークより融解熱量の
低い第二次ピークの2つのピークが現れるのである。こ
のとき、前記第一次ピークは、150〜165℃の範囲
であり、前記第一次ピークより融解熱量の低いピークで
ある前記第二次ピークは、前記第一次ピークを示す温度
より3〜10℃高い温度でピークを示すのである。
【0014】本発明において、スパンボンド不織布を、
熱処理温度110〜140℃で、かつ熱処理時間0.5
〜5秒で熱処理することが好ましい。この熱処理によ
り、スパンボンド不織布を構成するポリプロピレン繊維
の結晶構造を変化させ、スパンボンド不織布の優れた表
面強度や引張強度を損なうことなく、柔軟な風合いに加
工することができる。
【0015】熱処理によるスパンボンド不織布の柔軟化
発現機構の詳細は、現在のところ、まだ十分に解明され
てはいないが、ポリプロピレン繊維内部の結晶部分およ
び非晶部分の双方に作用し、結晶部分の結晶構造の変
化、非晶部分の一部の結晶化等が熱処理により引き起こ
され、それらの相互作用により柔軟化が発現しているも
のと考えられる。
【0016】ポリプロピレン繊維の結晶構造が変化して
いる様子は、DSC(示差走査熱量計)測定による融解
熱量を示すカーブのピーク値の変化により示すことがで
きる。すなわち、結晶部分の融解挙動を示すDSC測定
の際の融解熱量を示すカーブに変化が生じるのである。
熱処理前のスパンボンド不織布は、融解熱量のピークが
150〜165℃の範囲に示される一つのピークを有す
る。このスパンボンド不織布を前述のように熱処理する
ことにより、前記ポリプロピレン繊維の融解熱量のピー
ク値が変化するのである。さらに具体的には融解熱量を
示すカーブが、2つになり、第一次ピークと、前記第一
次ピークより融解熱量の低い第二次ピークの2つのピー
クが現れるのである。このとき、前記第一次ピークは、
150〜165℃の範囲であり、前記第一次ピークより
融解熱量の低いピークである前記第二次ピークは、前記
第一次ピークを示す温度より3〜10℃高い温度でピー
クを示すのである。
【0017】図1および図2に、熱処理前後のスパンボ
ンド不織布のDSC測定時の融解熱量のカーブの一例を
示す。図1は、熱処理前のスパンボンド不織布を構成す
るポリプロピレン繊維のDSC曲線であり、図2は、熱
処理後のスパンボンド不織布を構成するポリプロピレン
繊維のDSC曲線である。このときの熱処理温度は、1
30℃、熱処理時間は4秒であった。図からわかる通
り、熱処理前の融解熱量のピークが158.6℃の一つ
であるのに対し、熱処理を行うことにより、158.6
℃の第一次ピークと、第一次ピークより7.9℃高い1
66.5℃の第二次ピークとの2つのピークが現れてい
る。
【0018】熱処理温度が110℃未満であると、ポリ
プロピレン繊維の結晶構造を変化させるだけの温度に達
せず、仮に5秒間より長い時間熱処理を施しても、不織
布に与える熱処理量が不足し、十分な柔軟化効果が得ら
れない。
【0019】逆に熱処理温度が140℃より高い場合、
熱処理時間0.5〜5秒であっても、熱処理量が多す
ぎ、ポリプロピレン繊維の結晶化が進みすぎるため、逆
に硬い風合いとなる場合がある。このとき、融解熱量の
ピークは、第一次ピークと第二次ピークのピーク温度が
逆転し、第一次ピーク温度の方が第二次ピークの温度よ
り高い温度となることがある。熱処理により結晶化が進
みすぎ、風合いが硬くなりはじめる熱処理時間は、熱処
理温度により異なるため一概には言えないが、熱処理温
度が高くなればなるほど短い時間で引き起こされるもの
である。さらに熱処理時間が長すぎる場合や、熱処理温
度が高すぎる場合は、ポリプロピレン繊維の一部、また
は全部が溶融し、スパンボンド不織布が部分的あるいは
表面がフィルム状となってしまうことがある。
【0020】熱処理温度が110〜140℃であって
も、熱処理時間が0.5秒より短いと、ポリプロピレン
繊維に与える熱処理量が不足し、十分な柔軟化効果が得
られないことがある。熱処理時間が0.5秒以上であれ
ば、所望の柔軟化効果が得られるが、5秒間より長く熱
処理を施しても柔軟化効果は飽和する。
【0021】このような熱処理を施す方法としては、ス
パンボンド不織布を公知の乾燥機中で所定の速度で通過
させる方法が挙げられる。例えば、所定の温度に調節し
た熱風のスルーエアー式乾燥機で、前記スパンボンド不
織布を所定の熱処理時間通過させるようにしても良い
し、赤外線ヒーター、バーナー等で所定の温度に調節し
た雰囲気中を、前記スパンボンド不織布を所定の熱処理
時間の間通過させても良いし、ヤンキードライヤー、シ
リンダードライヤー等のように所定の温度に調節したロ
ール表面等に、前記スパンボンド不織布を、所定の熱処
理時間接触させてもよい。また一度に行う熱処理は、所
定の熱処理時間の範囲内であれば、これらの方法の1種
類あるいは複数種類を組み合わせて、複数回処理しても
良い。
【0022】スパンボンド不織布への熱処理は、スパン
ボンド製造設備とは別のラインで加工を行うオフマシン
加工を施しても良いし、公知のスパンボンド不織布製造
設備のライン中に前述の熱処理ができるような装置を設
置し、スパンボンド不織布の製造に連結したオンマシン
加工により連続的に処理しても良い。
【0023】以上説明したように、本発明に係るスパン
ボンド不織布は、その優れた表面強度や引張強度を損な
うことなく、柔軟な風合いを有し、紙おむつや生理用ナ
プキン等の衛生材料の表面材や外装材、使い捨て衣料等
に好適に使用しうるものである。
【0024】
【実施例】 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論、本発明はこれらによって限定され
るものではない。なお実施例および比較例において、%
とあるのは特に断らない限り重量%を示す。
【0025】融解熱量の第一次ピーク、第二次ピーク
温度 示差走査熱量計(DSC)を用いて、不織布の融解熱量
のピークを測定した。測定は、窒素雰囲気中で行い、測
定開始温度40℃、昇温速度10℃/分で200℃まで
昇温し、融解熱量のピーク温度を測定した。融解熱量の
もっとも高いピークを第一次ピーク、複数のピークが検
出された場合、第一次ピークよりも低いピークを第二次
ピークとし、第一次ピーク、第二次ピークそれぞれの温
度を測定した。 表面強度 30mm幅×250mm長の試料を、摩擦堅牢度試験機
を用いて、試験荷重500g、摩擦回数20往復/40
秒で摩擦試験を行い、以下に示す評価基準により、目視
評価にて表面強度を判定した。不織布は、表面、裏面そ
れぞれについて、表面同士、裏面同士で摩擦試験を行
い、表面強度の判定の高い方を測定面とした。評価点数
のは高い方が表面強度が高く望ましいが、3点以上であ
れば実用上問題ない。 5点:まったく毛羽立ちが見られない。 4点:毛羽立ちの兆候が見られる。 3点:わずかに毛羽立ちがある。 2点:毛羽立ちが一目で判る。 1点:かなり激しく毛羽立っている。 引張強度 JIS L1906に準じて引張強度を測定した。結果
は、MD方向、CD方向のそれぞれについて、kgf/
50mmで表わした。 曲げ剛性 カトーテック社製KES−FBシステムの純曲げ試験機
(型式:KES−FB2)を用いて純曲げ試験を行なっ
た。曲げ剛性(単位:g・cm2/cm)は、試料幅2
00mm、つかみ間隔10mmで測定し、曲率0.5〜
1.5cm-1の曲率に対する曲げモーメントの傾きを表
わす。結果は、MD方向、CD方向の平均値を曲げ剛性
とした。曲げ剛性は、値が小さいほど剛性が低く、柔軟
であることを意味する。 風合い(点) モニター20人による触感テストで風合いを判定した。
テストの方法は、水解性不織布を手で把持し、下記の評
価基準に基づいてモニター一人当たり5点満点で評価し
た結果の合計点(100点満点)で表した。合計点数が
75点以上であれば、風合いが良好であると判定した。 5点:非常に手触り感に優れる。 4点:手触り感に優れる。 3点:手触り感が普通である。 2点:手触り感がやや劣る。 1点:手触り感が劣る。 0点:手触り感が非常に劣る
【0026】実施例1 MFR=50のアイソタクティックポリプロピレン樹脂
を原料として、公知のスパンボンド法によりスパンボン
ド不織布を得た。スパンボンド不織布を構成するポリプ
ロピレン繊維の繊度は2.1d、スパンボンド不織布の
目付は、20g/m2であった。このスパンボンド不織
布を有効乾燥長2.0mのスルーエアー型ドライヤーに
導入し、温度130℃、ライン速度120m/分にて熱
処理を行った。このときの熱処理時間は、1.0秒であ
った。得られた不織布は、上記の試験法により試験し、
品質を評価した。結果を表1に示す。
【0027】実施例2 実施例1と同様のスパンボンド不織布を用意し、有効乾
燥長2.0mのスルーエアー型ドライヤーに導入し、温
度130℃、ライン速度30m/分にて熱処理を行った
以外は、実施例1と同様に柔軟化処理を行った。このと
きの熱処理時間は4.0秒であった。得られた不織布
は、上記の試験法により、品質を評価した。結果を表1
に示す。なお熱処理前後のDSC測定時の融解熱量の曲
線を図1および図2に示す。
【0028】実施例3 市販のスパンボンド不織布(目付:20g/m2、旭化
成工業社製、商品名:エルタスP03020)を有効乾
燥長2.0mのスルーエアー型ドライヤーに導入し、温
度120℃、ライン速度120m/分にて熱処理を行っ
た。このときの熱処理時間は1.0秒間であった。得ら
れた不織布は、上記の試験法により、品質を評価した。
結果を表1に示す。
【0029】比較例1 実施例1と同様のスパンボンド不織布を用意し、有効乾
燥長2.0mのスルーエアー型ドライヤーに導入し、温
度160℃、ライン速度120m/分にて熱処理を行っ
た以外は、実施例1と同様に柔軟化処理を行った。この
ときの熱処理時間は1.0秒であった。得られた不織布
は、上記の試験法により、品質を評価した。結果を表1
に示す。
【0030】比較例2 実施例1と同様のスパンボンド不織布を用意し、有効乾
燥長2.0mのスルーエアー型ドライヤーに導入し、温
度80℃、ライン速度30m/分にて熱処理を行った以
外は、実施例1と同様に柔軟化処理を行った。このとき
の熱処理時間は4.0秒であった。得られた不織布は、
上記の試験法により、品質を評価した。結果を表1に示
す。
【0031】比較例3 実施例1と同様のスパンボンド不織布を用意し、有効乾
燥長0.3mのスルーエアー型ドライヤーに導入し、温
度130℃、ライン速度180m/分にて熱処理を行っ
た以外は、実施例1と同様に柔軟化処理を行った。この
ときの熱処理時間は0.1秒であった。得られた不織布
は、上記の試験法により、品質を評価した。結果を表1
に示す。
【0032】比較例4 実施例1と同様のスパンボンド不織布を用意した。この
不織布を熱処理を行わず、上記の試験法により、品質を
評価した。結果を表1に示す。
【0033】比較例5 実施例3と同様の市販のスパンボンド不織布を用意し
た。この不織布を熱処理を行わず、上記の試験法によ
り、品質を評価した。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1からわかるように、本発明に係るスパ
ンボンド不織布(実施例1〜3)は、熱処理を施さない
場合(比較例4、比較例5参照)と比較して、表面強
度、引張強度は同等であるが、曲げ剛性が小さく柔軟性
があり、さらに良好な風合いを有する。
【0036】一方、熱処理温度が高すぎる場合(比較例
1)、熱処理による結晶化が進みすぎるとともに部分的
にスパンボンドを構成するポリプロピレン繊維が相互に
融着し、未処理のものよりも曲げ剛性が高くなり、硬い
風合いの不織布となった。これは結晶構造の変化がDS
Cの融解熱量のピークにも現れており、第一次ピークの
温度が165.5℃、第二次ピークの温度が158.8
℃となっており、融解熱量の大きい第一次ピークの温度
のほうが第二次ピークの温度より高いものとなってい
る。
【0037】熱処理温度が低すぎる場合(比較例2)や
熱処理時間が短すぎる場合(比較例3)には、熱処理に
よっても結晶構造に十分な変化が与えられず、未処理の
場合と風合いは大差ないものとなっており、柔軟化の向
上が認められない。
【0038】
【発明の効果】 本発明に係るスパンボンド不織布は、
その優れた表面強度や引張強度を損なうことなく、かつ
柔軟で良好な風合いを有し、紙おむつや生理用ナプキン
等の衛生材料の表面材や外装材、使い捨て衣料等に好適
に使用することが可能となり、その産業に寄与するとこ
ろ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、熱処理前のスパンボンド不織布を構成する
ポリプロピレン繊維のDSC曲線である。
【図2】は、熱処理温度130℃、熱処理時間4秒で熱
処理後のスパンボンド不織布を構成するポリプロピレン
繊維のDSC曲線である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパンボンド法で製造された柔軟化長繊
    維不織布であって、前記長繊維不織布を構成する連続繊
    維が、ポリプロピレン樹脂からなり、かつ示差走査熱量
    計測定による融解熱量のピーク値として、第一次ピーク
    と、前記第一次ピークより融解熱量の低い第二次ピーク
    とを有し、前記第一次ピークは、150〜165℃の範
    囲にあり、かつ前記第二次ピークは、第一次ピークを示
    す温度より3〜10℃高い温度にあることを特徴とする
    柔軟化長繊維不織布。
  2. 【請求項2】 前記長繊維不織布が、熱処理温度が11
    0〜140℃で、かつ熱処理時間が0.5〜5秒で熱処
    理されたものである請求項1記載の柔軟化長繊維不織
    布。
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