JP2000333639A - チーズ入りマヨネーズおよびこれを用いた加工食品 - Google Patents

チーズ入りマヨネーズおよびこれを用いた加工食品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再加熱においてもチーズの糸を引くようなと
ろけた状態を有するチーズ入りマヨネーズおよびこれを
用いた加工食品を提供する。 【解決手段】 リゾ化卵黄を含有しているマヨネーズに
25〜4000mmの大きさのチーズが略均一に分散
されているチーズ入りマヨネーズおよびこれを用いた加
工食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チーズ入りマヨネ
ーズおよびこれを用いた加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】ピザやグラタン等の焼成食品は、ナチュ
ラルチーズ、あるいはいわゆるとろけるチーズと称され
るプロセスチーズの短冊状物等をトッピングし、オーブ
ンで焼成して製造し、出来立てのものは、チーズが糸を
引くようなとろけた状態にある。しかしながら、一旦冷
えてしまうと、トッピングしたチーズは糸引くような物
性が無くなり、電子レンジで再加熱したとしても糸を引
くようなとろけた状態になり難いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、再加熱においてもチーズの糸を引くようなとろけた
状態を有するチーズ入り食材およびこれを用いた加工食
品を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、(1)リゾ化卵黄を
含有しているマヨネーズに25〜4000mm3の大き
さのチーズが略均一に分散されているチーズ入りマヨネ
ーズ、(2)25〜4000mm3の大きさのチーズが
全体に対し10〜80%含有されている(1)のチーズ
入りマヨネーズ、(3)リゾ化率20%以上のリゾ化卵
黄を含有しているマヨネーズを用いている(1)または
(2)のチーズ入りマヨネーズ、(4)リゾ化卵黄を2
〜20%含有しているマヨネーズを用いている(1)乃
至(3)のいずれかのチーズ入りマヨネーズ、(5)
(1)乃至(4)のいずれかのチーズ入りマヨネーズを
用いた加工食品、を提供することである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を説明する。なお、本
発明において「%」は「重量%」であり、「部」は「重
量部」を意味する。本発明において「マヨネーズ」と
は、乳化材として一般的に用いられている卵黄や全卵に
代えて、あるいはその一部に代えて、リゾ化処理した卵
黄を配合しているものの他、澱粉やガム質等を併用した
り、油脂分を減らしたようないわゆるマヨネーズタイプ
と称される水中油型の乳化食品をいう。
【0006】本発明の「チーズ」は、焼成することで糸
を引くようなとろけた状態となるチーズであればいずれ
のものでもよく、例えば、モッツアレラ、ゴーダチー
ズ、チューダーチーズ、エグモント、ゴシュレット、ス
テッペン等のナチュラルチーズ、あるいはいわゆるとろ
けるチーズと称せられるプロセスチーズ等が挙げられ
る。その形状は特に限定されないが、例えば、短冊状、
ブロック状、スライス状、球状等が挙げられる。
【0007】また、本発明に含有されているチーズは、
その大きさが25mm3以上である。大きさが25mm3
より小さいと、焼成したときとろけたチーズ同士が連続
した状態と成り難く、そのため、糸を引くような食感が
得られない。なお、本発明ではチーズの上限の大きさを
4000mm3としているが、これは、ピザやグラタン
等の焼成食品に用いられているチーズが一般的に約40
00mm3以下のものを用いており、本発明においても
同程度の大きさを用いるとよいからである。
【0008】本発明に含有されている25〜4000m
3の大きさのチーズは、チーズ入りマヨネーズ全体に
対し10〜80%が好ましく、さらに15〜60%がよ
り好ましい。上記大きさのチーズが10%より少ない
と、後述の加工食品に用いた場合、全体的にマヨネーズ
風味が強すぎてチーズ風味が殆どせず好ましくない。一
方、80%より多いと、再加熱によりチーズが糸を引く
ようなとろけた状態になり難く、本発明の目的が達成さ
れにくい傾向にある。
【0009】本発明において「リゾ化卵黄」とは、卵黄
の主成分であるリポ蛋白質(リン脂質と蛋白質との複合
体)の構成リン脂質をリゾ化処理によりリゾリン脂質と
した卵黄をいい、具体的には、例えば、卵黄にリン脂質
分解酵素であるホスホリパーゼA2を作用させて加水分
解し、リン脂質の2位の脂肪酸を遊離した状態とした卵
黄をいう。また、リン脂質のリゾリン脂質への変換率を
リゾ化率いい、本発明におけるリゾ化率は、変換後のリ
ゾホスファチジルコリンとホスファチジルコリンの合計
量に対する変換後のリゾホスファチジルコリンの重量百
分率により算出した値である。また、本発明においてリ
ゾ化卵黄の配合量を表わす「%」は、卵黄をリゾ化処理
したときの液状(乾燥させていない)ものを基準とした
値である。
【0010】本発明に用いているマヨネーズに含有して
いるリゾ化卵黄は、リゾ化率20%以上のものが好まし
く、さらに30%以上のものがより好ましい。また、リ
ゾ化卵黄の含有量は、マヨネーズに対し2%以上が好ま
しい。リゾ化卵黄のリゾ化率が20%より低いと、ある
いはその含有量が2%より少ないと、後述の試験例に示
すように、再加熱によりチーズが糸を引くようなとろけ
た状態になり難く、本発明の目的が達成されにくい傾向
にある。なお、本発明ではリゾ化卵黄の上限の含有量を
20%としているが、これは、卵黄を用いた一般的なマ
ヨネーズにおいて、卵黄の上限の配合量が20%程度で
あり、本発明においても同程度配合するとよいからであ
る。
【0011】本発明のチーズ入りマヨネーズは、リゾ化
卵黄を用い、その他の原料はマヨネーズやサラダドレッ
シングと同じものを用い、マヨネーズやサラダドレッシ
ングの一般的な製法により製造したマヨネーズと、所定
の大きさのチーズをほぼ均一に分散するように混合して
製造すればよい。
【0012】本発明の「チーズ入りマヨネーズを用いた
加工食品」とは、チーズ入りマヨネーズをトッピング、
フィリングあるいはソースとして用いた食品であって、
焼成等の加熱調理によりチーズのとろけ感を利用するよ
うな食品であればいずれでもよい。このような加工食品
としては、例えば、ピザ、グラタン、ラザニア、チーズ
トースト、ピザトースト、調理パン、ハンバーグ等が挙
げられ、本発明の加工食品は、完全に加熱調理されたも
の、仕上げ加熱を必要とするような半調理されたもの、
加熱調理されていないような未調理品、さらには、これ
らを冷蔵や冷凍したものでもよい。例えば、完全に加熱
調理された冷蔵品は、電子レンジで加熱することによ
り、喫食できるような状態となる。
【0013】次に、本発明を実施例及び試験例に基づ
き、さらに詳細に説明する。
【0014】
【実施例】[実施例1]マヨネーズの常法の製造方法に
則り、まずリゾ化卵黄(リゾ化率60%程度)400
g、殺菌卵黄100g、食酢(酸度5%)1000g、
上白糖200g、食塩150g、グルタミン酸ソーダ2
0g、からし粉20g、アルファー化化工澱粉(日本エ
ヌエスシー(株)製、商品名「インスタントクリア−ジ
ェル」)120gおよび清水990gをミキサーで均一
とした後、この混合物を攪拌させながらサラダ油700
0gを注加して粗乳化し、さらにコロイドミルを通して
仕上げ乳化を施してマヨネーズ10kgを得た。次に上
記マヨネーズ8kgをミキサーに移し、低速で攪拌させ
ながら750mm3程度の短冊状のモッツアレラチーズ
およびゴーダチーズを1kgずつ添加し、ほぼ均一とな
るまで混合してチーズ入りマヨネーズを得た。
【0015】[実施例2]マヨネーズの常法の製造方法
に則り、まずリゾ化卵黄(リゾ化率50%程度)500
g、殺菌卵黄100g、食酢(酸度5%)1600g、
上白糖200g、食塩175g、グルタミン酸ソーダ4
5g、からし粉20g、アルファー化化工澱粉(日本エ
ヌエスシー(株)製、商品名「インスタントクリア−ジ
ェル」)150g、キサンタンガム10gおよび清水2
200gをミキサーで均一とした後、この混合物を攪拌
させながらサラダ油5000gを注加して粗乳化し、さ
らにコロイドミルを通して仕上げ乳化を施してマヨネー
ズ10kgを得た。次に上記マヨネーズ7kgをミキサ
ーに移し、低速で攪拌させながら500mm3程度の短
冊状のモッツアレラチーズおよびゴーダチーズを1.5
kgずつ添加し、ほぼ均一となるまで混合してチーズ入
りマヨネーズを得た。次に常法によりハンバーグを調理
し、ハンバーグが十分焼成されたころで上述で得られた
チーズ入りマヨネーズを三角袋によりハンバーグにトッ
ピングし、さらに弱火で焼成しチーズをトッピングした
ハンバーグを得た。得られた出来立てハンバーグは、と
ろけたチーズ同士が連続した状態となっており、また、
試食したところ糸を引くような状態であった。さらに室
温で1時間程度放置して冷えた状態とした後、電子レン
ジで温め、これを試食したところ、ハンバーグ上のチー
ズは、全体が糸を引くようなとろけた状態であった。
【0016】[実施例3]ピザパイクラフトにピザソー
スを塗り、スライスしたピーマン、ボイル済マッシュル
ームおよびサラミをトッピングし、さらに実施例1で得
られたチーズ入りマヨネーズを三角袋によりトッピング
した後、冷蔵し冷蔵ピザ(未焼成品)を得た。
【0017】
【試験例】[試験例1]次の3種類のサンプルを用意し
た。 テスト品:実施例3で得られた冷蔵ピザ。 比較品1:実施例3において、チーズ入りマヨネーズに
代えて、冷蔵ピザに用いたチーズ入りマヨネーズ中のマ
ヨネーズと同量のマヨネーズをピザソースの後に塗り、
そしてその他の具材をトッピングした後、同量のチーズ
をトッピングして製した冷凍ピザ。 比較品2:実施例3において、チーズ入りマヨネーズに
代えて、冷蔵ピザに用いたチーズ入りマヨネーズ中のチ
ーズと同量のチーズをトッピングし、次いで同量のマヨ
ネーズを碁盤の目状にのせて製した冷蔵ピザ。
【0018】上記3種類のサンプルをオーブンで焼成
し、次に室温で1時間程度放置して冷えた状態とした
後、電子レンジで温めた。このようにして得られた3種
類のサンプルをそれぞれ試食しチーズの状態を評価し
た。なお、焼成直後のものは、いずれもとろけたチーズ
同士が連続した状態となっており、また、試食したとこ
ろ糸を引くような状態であった。
【0019】
【表1】
【0020】表中のチーズの糸引き性に関する記号は下
記のとおりである。 ◎:糸引き性有り。 ○:若干糸引き性が弱く感じられるものの、気にならな
い程度。 △:糸引き性弱すぎる。 ×:糸引き性無し。
【0021】表1より、本発明のチーズ入りマヨネーズ
を用いたものでないと、再加熱によりチーズの糸を引く
ようなとろけた状態になり難いことが理解される。
【0022】[試験例2]実施例3で用いた実施例1の
チーズ入りマヨネーズにおいて、表2に示すチーズの大
きさの異なる5種類のチーズ入りマヨネーズを実施例1
に準じて製し、次にそれぞれのチーズ入りマヨネーズを
用いた冷蔵ピザを実施例3に準じて製した。得られた冷
蔵ピザをオーブンで焼成し、それぞれのチーズの状態を
目視と試食により評価した。
【0023】
【表2】
【0024】表2より、チーズの大きさが25mm3
り小さいと、とろけたチーズ同士が連続した状態と成り
難く、糸を引くような食感が得られないことが理解され
る。
【0025】[試験例3]実施例3で用いた実施例1の
チーズ入りマヨネーズにおいて、表3に示すチーズ含有
量の異なる8種類のチーズ入りマヨネーズを実施例1に
準じて製し(但し、モッツアレラチーズとゴダチーズの
重量割合は一定)、次にそれぞれのチーズ入りマヨネー
ズを用いチーズのトッピング量は一定として、実施例3
に準じ冷蔵ピザを製した。得られた冷蔵ピザを試験例1
と同様、オーブンで焼成し、次に室温で一時間程度放置
して冷えた状態とした後、これを電子レンジで温めた。
このようにして得られたものをそれぞれ試食しチーズの
状態および食味について評価した。なお、焼成直後のも
のは、いずれもとろけたチーズ同士が連続した状態とな
っており、また、試食したところ糸を引くような状態で
あった。
【0026】
【表3】
【0027】表中の風味に関する記号は下記のとおりで
あり、チーズの糸引き性に関する記号は、試験例1と同
じである。 ◎:全体的にチーズ風味がし美味で好ましい。 ○:マヨネーズ風味が若干強いものの問題の無い範囲で
ある。 △:全体的にチーズ風味はするものの、マヨネーズ風味
が強すぎて好ましくない。 ×:全体的にマヨネーズ風味が強すぎてチーズ風味が殆
どせず好ましくない。
【0028】表3より、全体のチーフ風味及びチーズの
糸引き性の点で、10〜80%のチーズを含有したチー
ズ入りマヨネーズを用いたものが好ましいことが理解さ
れる。特に、15〜60%のチーズ入りマヨネーズを用
いたものはより好ましい。
【0029】[試験例4]実施例3で用いた実施例1の
チーズ入りマヨネーズにおいて、表4に示すリゾ化率の
異なる6種類のリゾ化卵黄に代えてチーズ入りマヨネー
ズを実施例1に準じて製し、次にそれぞれのチーズ入り
マヨネーズを用い実施例3に準じ冷蔵ピザを製した。得
られた冷蔵ピザを試験例1と同様、オーブンで焼成し、
次に室温で一時間程度放置して冷えた状態とした後、こ
れを電子レンジで温めた。このようにして得られたもの
をそれぞれ試食しチーズの状態について評価した。な
お、焼成直後のものは、いずれもとろけたチーズ同士が
連続した状態となっており、また、試食したところ糸を
引くような状態であった。
【0030】
【表4】
【0031】表4より、リゾ化率20%以上のリゾ化卵
黄で製したチーズ入りマヨネーズがチーズの糸引き性で
好ましいことが理解される。特に、リゾ化率30%以上
のリゾ化卵黄を用いたものはより好ましい。
【0032】[試験例5]実施例3で用いた実施例1の
チーズ入りマヨネーズにおいて、マヨネーズに対するリ
ゾ化卵黄の含有量が表5に示す量の4種類のチーズ入り
マヨネーズを実施例1に準じて製し、次にそれぞれのチ
ーズ入りマヨネーズを用い実施例3に準じ冷蔵ピザを製
した。得られた冷蔵ピザを試験例1と同様、オーブンで
焼成し、次に室温で一時間程度放置して冷えた状態とし
た後、これを電子レンジで温めた。このようにして得ら
れたものをそれぞれ試食しチーズの状態について評価し
た。なお、焼成直後のものは、いずれもとろけたチーズ
同士が連続した状態となっており、また、試食したとこ
ろ糸を引くような状態であった。
【0033】
【表5】
【0034】表5より、リゾ化卵黄の含有量が2%以上
のマヨネーズを用いたチーズ入りマヨネーズがチーズの
糸引き性で好ましいことが理解される。
【0035】以上述べたように、本発明のチーズ入りマ
ヨネーズおよびこれを用いた加工食品は、再加熱におい
てもチーズの糸を引くようなとろけた状態を有すること
から、チーズ入りマヨネーズおよびこれを用いた加工食
品の更なる需要の拡大が期待される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リゾ化卵黄を含有しているマヨネーズに
    25〜4000mm3の大きさのチーズが略均一に分散
    されていることを特徴とするチーズ入りマヨネーズ。
  2. 【請求項2】 25〜4000mm3の大きさのチーズ
    が全体に対し10〜80%含有されている請求項1記載
    のチーズ入りマヨネーズ。
  3. 【請求項3】 リゾ化率20%以上のリゾ化卵黄を含有
    しているマヨネーズを用いている請求項1または2記載
    のチーズ入りマヨネーズ。
  4. 【請求項4】 リゾ化卵黄を2〜20%含有しているマ
    ヨネーズを用いている請求項1乃至3のいずれかに記載
    のチーズ入りマヨネーズ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のチー
    ズ入りマヨネーズを用いた加工食品。
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WO2005004638A2 (de) * 2003-07-14 2005-01-20 Marcel Bieri Fonduemayonnaise und verfahren zur herstellung derselben
DE10331814A1 (de) * 2003-07-14 2005-02-17 Marcel Bieri Fonduemayonnaise
WO2005004638A3 (de) * 2003-07-14 2005-03-31 Marcel Bieri Fonduemayonnaise und verfahren zur herstellung derselben

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