JP2000331622A - 陰極線管およびその製造方法並びに陰極線管用色選別部材およびその製造方法 - Google Patents

陰極線管およびその製造方法並びに陰極線管用色選別部材およびその製造方法

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JP2000331622A
JP2000331622A JP11137694A JP13769499A JP2000331622A JP 2000331622 A JP2000331622 A JP 2000331622A JP 11137694 A JP11137694 A JP 11137694A JP 13769499 A JP13769499 A JP 13769499A JP 2000331622 A JP2000331622 A JP 2000331622A
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ray tube
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Atsushi Sakata
篤 左方
Katsutoshi Ono
勝利 大野
Shoichi Muraguchi
昭一 村口
Masamichi Okada
正道 岡田
Takahiro Inoue
隆博 井上
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の簡易な構造の露光装置を用いて欠陥な
く製造することができ、しかも常に良好な品質の表示を
実現可能な陰極線管および色選別部材並びにそれらの製
造方法を提供する。 【解決手段】 蛍光体層104の蛍光体パターンは、画
面の横方向(水平方向)に長いストライプ状に形成され
ている。色選別部材103のスリット106も、同様
に、画面の長手方向(水平走査線方向)に長い形状に形
成されている。色選別部材103に熱膨張が生じたり、
製造時の露光位置と実使用時の電子ビームの照射位置と
がその長手方向に大きく位置ずれしたとしても、電子ビ
ームはスリット106をその方向には自由に通過するこ
とができる。従って、電子ビームの蛍光体層104上へ
の照射精度に悪影響を与えることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビや情
報処理端末装置用の表示デバイス(ディスプレイ)等と
して用いられる陰極線管およびその製造方法、並びにそ
れに用いられて、電子ビームを蛍光体パターン上の所定
の位置に照射させるための陰極線管用色選別部材および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なカラーテレビジョン受像
機や情報処理端末装置用の表示デバイスとして用いられ
る、いわゆるCRT(Cathode Ray Tube)と呼ばれる陰
極線管には、隣り合う各色画素どうしの色の滲み等を解
消して良好な表示品質を実現するために、アパーチャグ
リルあるいはシャドウマスクなどと呼ばれる色選別部材
が用いられている。このような色選別部材を用いてセル
フアラインで各色に対応した蛍光体のパターン露光を行
い、その露光されたパターンに基づいてフォトリソグラ
フィ技術などにより各色画素ごとに対応した蛍光体のパ
ターニングを行なっている。
【0003】ところで、近年、特にカラーテレビジョン
受像機の画面は大画面化が進められてきている。また、
いわゆるHDTV(High Definition Television)方式
と呼ばれる精細度表示方式に対応したカラーテレビジョ
ン受像機の開発および実用化が進められている。そのよ
うな画面を全体的に大画面化する場合には、それに伴な
って、陰極線管も全体的に大型化しなければならない。
【0004】また、HDTV用の陰極線管の場合には、
その画面が特に横方向(水平走査線方向)にさらに横長
な形状となるので、横方向の大型化が著しいものとな
る。従って、HDTV用の陰極線管においては、特に横
方向(水平方向)の大型化に対応することが必要であ
り、また高精細な表示品質を実現するための表示デバイ
スであることから、大型化を実現しながらも、さらに高
精細な表示品質を実現しなければならない。
【0005】このような、従来の陰極線管における、特
に色選別部材および蛍光体層は、下記に述べるような製
造工程で製造されている。
【0006】図5は、従来の一般的な電子銃を1本備え
た方式の陰極線管の製造工程における、特に蛍光体層の
露光工程を表す図である。なお、ここでは、従来のスト
ライプ状の蛍光体パターンおよび色選別部材(つまりア
パーチャグリル)を用いる陰極線管の場合についてを一
例として述べる。
【0007】図5に示したように、まず前面パネル1の
内面側にレジストのような感光剤(図示省略)を塗布す
る。次いで、細いスリットあるいは矩形のスロットパタ
ーン状またはドットパターン状の多数の孔が形成されて
いる色選別部材2を前面パネル1に取り付けて、所定の
幅、位置、ピッチとなるようにカーボンストライプのパ
ターンを露光する。その後、カーボンを塗布して乾燥さ
せ、過酸化水素などの薬剤(または溶剤)で前記の感光
剤のストライプを取り除いて、カーボンストライプを形
成する。
【0008】続いて、例えばR,G,B(Red,Green,Bl
ue)のような3色の各色ごとに対応した蛍光体と感光剤
との混合物の膜を形成し、これをそれぞれ所定の幅、位
置およびピッチとなるように露光位置をずらしながら露
光する。この露光パターンを用いてフォトリソグラフィ
法などにより各色ごとに対応した蛍光体のストライプ
(図示省略)を形成することにより、蛍光体層が形成さ
れる。
【0009】完成品として実際に使用される際には、上
記のようにして形成された蛍光体層に対して電子銃から
出射された電子ビームが正確に当たることにより、その
部分の蛍光体の対応する色が発光し、1画素として観察
されることになる。従って、良好な表示品質を実現する
ためには、実際に電子ビームが当たる位置に正確に蛍光
体の位置が形成されていなければならない。換言すれ
ば、この位置関係がずれると、その部分で色ずれ等の表
示不良が発生して表示品質が著しく低下してしまう。そ
して、このような位置合せ精度は、近年の高精細度対応
化につれてさらに厳密なものが要求されるようになって
きている。
【0010】そこで、そのような電子ビームが当たる位
置に蛍光体の露光時の光が正確に位置合わせできるよう
に、露光装置の光源3と前面パネル1(さらに具体的に
は蛍光体層)との間に図5に一例を示したような凹凸状
の断面形状の補正レンズ系4を用いて、この補正レンズ
系4によって電子ビームの軌跡と露光時の光の軌跡との
ずれを補正している。
【0011】ところで、近年では、前述したような画面
の大型化が進む一方で、テレビジョン受像装置全体とし
ての外形の薄型化が強く要請されている。しかし、画面
の大型化に伴なって陰極線管全体としても大型化せざる
を得ない傾向にあるので、陰極線管の奥行き方向の寸法
も、より大きなものとなって行く傾向にある。すなわ
ち、外形の薄型化に反することになる。
【0012】そこで、特に、大画面化対応の陰極線管、
そのなかでも特に横方向の画面の大きさがさらに長い形
状となるHDTV用の陰極線管などの場合には、1本の
電子銃を用いた方式ではこれ以上の薄型化のほぼ限界に
あるので、図6に示したような2本あるいはさらに複数
本の電子銃5が横方向に並列配置された方式の陰極線管
が提案されている。なお、電子銃5はそれぞれ後部ファ
ンネル6の各ネック部7に収められ、各ネック部7の外
周部に各電子銃5に対応して偏向ヨーク8が設けられて
いる。
【0013】このように複数の電子銃5を並列配置して
用いることにより、1本ごとの電子銃5の分担する電子
線照射領域は画面の約半分で済む。これにより、電子銃
5と前面パネル1との間の距離を短縮させて薄型化対応
を実現しても、特に画面周辺部での電子ビーム照射角度
に無理がない。従って、大画面化に対応しつつ外形の薄
型化を実現し、なおかつ、その大画面全体に亙って良好
な表示を実現することが可能になる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の一般
的な陰極線管は、電子銃5を1本備えた方式のものであ
るため、その製造工程で用いられる露光装置も1つの前
面パネル1に1つの光源系が対応するような方式を採用
している。
【0015】しかしながら、図7にその一例を示した大
型HDTV用の陰極線管のような、極めて横長の画面を
有する大型陰極線管の蛍光体層の露光工程においては、
光源として1つだけの(1か所だけの)光源系3を備え
た従来の一般的な露光装置を用いた場合には、図7中の
符号Aを付して示した部分を拡大して図8に示すよう
に、露光時の光9の軌跡と電子ビーム10の軌跡とが互
いに大きく異なったものとなる。
【0016】すなわち、電子ビーム10を出射する電子
銃が2本である一方、光源系3が1つであるということ
に起因して、色選別部材2の同じ一つの孔11を通る電
子ビーム10の入射角度と、光9の入射角度とが、互い
に大きく異なったものとなってしまう。その結果、光9
を用いた露光工程を含むフォトリソグラフィ工程で形成
された各色ごとあるいは各画素ごとの蛍光体の位置と、
実際に電子ビーム10が照射される位置とが、大きくず
れてしまい、表示品質の低下や表示欠陥が発生するとい
う問題が起きる。
【0017】これに対して、図9に示したように、露光
装置を、複数本の電子銃を用いる方式の陰極線管の製造
に好適なものとなるように、電子銃の本数およびその配
設位置に対応したものに改造することも考えられる。
【0018】しかしながら、そのような対策を実施する
ためには、既存の露光台をそのまま用いることは実際上
不可能であって、既存の露光台の極めて大掛かりな改造
か、あるいは露光装置全体の新規作製が必要となる。従
って、製造コスト高につながるという問題がある。しか
も、敢えてそのような複数個の光源3を備えた露光装置
を作製した場合、その構造が従来よりもさらに複雑化
し、また光源3どうしの分担領域の境目の位置合せを高
精度に行わなければならず、露光装置自体の精度も厳し
く要求されることになり、その作製や露光工程の運用の
際の取り扱い等が煩雑なものとなるという問題がある。
【0019】すなわち、図9に示したような2か所の光
源3から光源光を照射して露光を行う際に、その2か所
からの光源光の照射領域どうしの境目が画面中央部12
に生じることになる。この境目の部分における露光時の
アライメント(位置合わせ)を極めて高精度に管理する
必要がある。
【0020】しかしながら、陰極線管においては、例え
ばHDTVの場合などに特に顕著なように、さらなる高
精細化や多画素化が進んでいるので、露光時の2か所か
らの光源光の照射領域どうしの境目の部分で、蛍光体の
パターンが位置ずれを生じたりそのパターンに形状不良
が生じたりする確率が極めて高くなるという問題があ
る。
【0021】その一例を述べると、光源3の位置が0.
1mmずれると蛍光体のパターンの位置は約5μmずれ
ることが知られている。すなわち、近年の細密化が進ん
でいる1画素の寸法に対するこの5μmのずれは、実使
用時に画面中で1画素寸法と比較してかなり大きな寸法
の表示不良として観察されてしまうことになる。しか
も、そのような蛍光体のパターンの位置ずれや形状不良
が露光時の境目の部分つまり画面中央部に発生すると、
それが目立ちやすい画面中央部であるだけになおさらの
こと、陰極線管としての表示品質を顕著に低下させるこ
とになり、表示デバイスとして致命的な欠陥になるとい
う問題がある。
【0022】また、そのような露光時の境目における欠
陥の発生を防ぐためには、光源3の設置位置精度や補正
レンズ4の加工精度のさらなる高精度化をはじめとし
て、露光装置全体の寸法精度のさらなる厳密な管理対応
が必要となる。従って、露光装置の作製や、その運用の
際の取り扱い等が、極めて煩雑なものとなるという問題
がある。
【0023】更に、境目部分では2つの光源の両方から
の光9が照射されることになるので、この部分のレジス
トのような感光剤は他の部分と比較して2重露光された
ような状態となり、他の部分とは異なった形状や寸法精
度としてパターニングされる確率が極めて高くなる。そ
の結果、境目部分の画素が他の部分とは異なった表示不
良あるいは表示欠陥として観察されることになるという
問題がある。
【0024】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、既存の簡易な構造の露光装置を用い
て欠陥なく製造することができ、しかも電子ビームの照
射角度と色選別部材の孔(又はスリット)と蛍光体との
相対的な位置のずれに起因した表示不良や表示欠陥の発
生の問題を解消して、常に良好な表示品質の表示を実現
することが可能な、陰極線管およびその製造方法並びに
それに用いられる陰極線管用色選別部材およびその製造
方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管は、電
子ビームを走査しつつ出射する電子銃と、電子銃に対し
て裏面が対向するように配置されたパネルと、パネルの
裏面側と電子銃との間に配置されると共に、パネルの外
形形状の長手方向と同方向のスリットを有し、走査され
る電子ビームをスリットにて通過させる色選別部材と、
パネルの裏面側に設けられると共に、色選別部材のスリ
ットを通過した電子ビームが照射されるように色選別部
材のスリットの形状に対応したストライプ状パターンを
有する蛍光体層とを備えている。
【0026】本発明の陰極線管の製造方法は、画像が表
示されるパネルの裏面側に蛍光体材料層を形成する工程
と、蛍光体材料層の上に感光体層を形成する工程と、パ
ネルの外形形状の長手方向と同方向のスリットが形成さ
れた色選別部材をパネルの裏面側に配置すると共に、色
選別部材をマスクとして用い、蛍光体材料層をパネルの
外形形状の長手方向と同方向のストライプ状にパターニ
ングして蛍光体層を形成する工程とを含むものである。
【0027】本発明の陰極線管用色選別部材は、そのス
リットが外形形状の長手方向と同方向に長い形状を有し
ている。
【0028】本発明の陰極線管用色選別部材の製造方法
は、陰極線管用色選別部材を形成するための素材の上
に、感光体層を形成する工程と、感光体層に対して1か
所の光源から光を照射して感光体層を露光し、陰極線管
用色選別部材としての外形形状の長手方向と同方向に長
い形状のスリットパターンの潜像を前記感光体層に形成
する工程と、スリットパターンの潜像を現像した後、ス
リットパターンに基づいて素材をパターニングすること
により、外形形状の長手方向と同方向に長い形状のスリ
ットを形成する工程とを含んでいる。
【0029】本発明による陰極線管またはその製造方法
では、色選別部材のスリット形状が、その色選別部材自
体の長手方向つまり一般的に横長な形状の表示パネルの
長手方向に長い形状に形成されると共に、蛍光体層のス
トライプ状パターンが色選別部材のスリットの形状に対
応させるように形成される。
【0030】従って、特に、電子ビームを出射する電子
銃が複数本である一方で、蛍光体の露光時に照射される
光の光源系が1つであっても、従来のような蛍光体の位
置と実際に電子ビームが照射される位置とがずれてしま
うということがなくなる。これにより、1つ(1箇所)
の光源のみを用いた露光を行なうことができ、露光時の
光源どうしの境目などが存在しなくなり、位置ずれ等の
問題が生じることがなくなる。
【0031】また、色選別部材にはその外形形状の長手
方向と同方向に長いスリットが形成されているだけであ
り、そのスリットの画面の右端から左端までの間には電
子ビームの通過を実質的に妨げる垂直方向のパターンは
形成されていない。従って、仮に色選別部材が熱膨張な
どに起因して水平方向にどのように大きな位置ずれ現象
を引き起こしたとしても、電子ビームはその水平方向の
スリットを通過し、電子ビームの蛍光体上に対する照射
精度には何らの悪影響も与えない。よって、色選別部材
がどのように熱膨張しても、周辺部の色ずれや中央部と
周辺部とでの表示の不均一が発生することがなくなる。
特に、画面の縦横比が9:16と横長の形状であるHD
TV用の陰極線管をはじめとして、大画面の陰極線管な
ど、その画面の水平方向の色ずれ等の問題が生じやすい
陰極線管において、その色ずれ等の表示不良や表示欠陥
の発生を完全に解消して、極めて良好な表示品質を実現
することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0033】図1は本発明の一実施の形態に係る陰極線
管の構成の主要部、図2はこの陰極線管の特に前面パネ
ル部分の構造の主要部を一部拡大して模式的にそれぞれ
表したものである。また、図3は陰極線管に用いられる
蛍光体層のパターン、図4は特に蛍光体層の露光工程で
用いられる露光装置およびそれを用いた露光方法を模式
的に示す図である。
【0034】この陰極線管は、複数本、例えば2本の電
子銃101a,101bと、この2本の電子銃101
a,101bに対して裏面が対向するように配置された
前面パネル102と、前面パネル102に対して数mm
〜数十mm程度の間隙を保持して配置された色選別部材
103と、前面パネル102と共に組み合わされて密閉
容器構造を形成する後部ファンネル105とを備えてい
る。後部ファンネル105には、外周部にそれぞれ偏向
ヨーク107a,107bが付設された2つのネック部
110a,110bが設けられ、電子銃101a,10
1bはこれらネック部110a,110b内に収められ
ている。
【0035】2本の電子銃101a,101bは、それ
ぞれR(Red ),G(Green ),B(Blue)の3原色に
対応した3本の電子ビームを、符号400で示すような
水平方向(画面の横方向)に走査しながら出射するよう
にしてもよく、あるいは垂直方向に走査しながら出射す
るようにしてもよい。但し、水平方向に走査する場合に
は、その水平方向に隣り合う画素どうしの輝点が互いに
滲むことのないようにすることが必要となる場合もある
ので注意を要することは言うまでもない。
【0036】ここで、前記の「水平方向」および「垂直
方向」とは、いわゆるテレビジョンすなわち一般的なC
RTを用いた画像表示装置において「水平走査線方向」
と呼ばれているような画面の長手方向が「水平方向」で
あり、その水平方向に対して直交する方向(あるいは鉛
直方向とも換言できる)が「垂直方向」である。そして
このような「水平方向」および「垂直方向」の定義付け
に基づくならば、テレビジョンなどの表示装置の画面の
外形形状は、一般的に水平方向に横長の形状となってい
る。このように視座が定義付けられるのは、陰極線管が
用いられる用途先がいわゆるテレビジョンのように人間
の視覚に対して何らかの画像として認識される画面を表
示する表示装置であり、人間の視覚領域は一般的に通常
の姿勢で生活している状態で水平方向に横長なので、そ
のような人間の視覚領域の外形形状に適合するようにテ
レビジョンなどの画面の外形形状が形成されているから
である。ただし、本発明による陰極線管および陰極線管
用色選別部材においては、電子ビームの実際の走査方向
は必ずしもいわゆる「水平走査方向」つまり上記の定義
で「水平方向」のみには限定されず、「垂直方向」に走
査することも可能であることは既述の通りである。
【0037】本実施の形態では、上記の電子銃101
a,101bは水平方向に間隔を有して並列配置されて
いる。これら電子銃101a,101bとしては、コン
バーゼンス調整がほとんど不要で構造も簡易でありなが
ら高精度な電子ビーム照射が可能であるといった利点を
有している、いわゆる単管インライン3電子ビーム方式
のものが好適に用いられる。但し、本実施の形態では、
3本の電子ビームを出射する3つの銃口のインライン配
列の方向は、従来の水平方向のインライン配列に対して
直交するように、つまり垂直方向にインライン配置とな
るように用いる。なお、3つの銃口のインライン配列は
水平方向のままで、後述の色選別部材103の水平方向
のスリット106に対応できるように、各電子銃の3つ
の銃口から出射される3本の電子ビームを、水平方向に
長いスリット形状に適合するように偏向させるようにし
てもよい。
【0038】前面パネル102と電子銃101a,10
1bとの間、さらに詳細には前面パネル102の裏面側
には、その前面パネル102の裏面から数mm〜数十m
m間隔を隔てて色選別部材103が配置されている。色
選別部材103はバネ構造支持体108によってその縦
横4辺がそれぞれ前面パネル102の外周枠内に弾性的
に支持されている。この色選別部材103には、色選別
部材103自体の長手方向と同方向に長い形状のスリッ
ト106が形成されており、電子銃101a,101b
によって走査される電子ビームをスリット106にて通
過させる。
【0039】前面パネル102と電子銃101a,10
1bとの間、さらに詳細には前面パネル102の裏面に
は蛍光体層104が形成されている。この蛍光体層10
4に電子ビームが照射されると、その部分から光が前面
パネル102の表面側に出射されるようになっている。
この蛍光体層104は、図3に拡大して示したように、
色選別部材103のスリット106の形状に対応して、
長手方向が水平方向に向いたストライプ状の蛍光体のパ
ターンとして形成されている。これにより色選別部材1
03のスリット106を通過した電子ビームが蛍光体層
104のパターンに照射されるようになっている。蛍光
体層104を構成する水平方向に長い形状の蛍光体のス
トライプ104aは、例えば図2において、()内にそ
れぞれ(R),(G),(B)…のように書き込んで示
したように、上下方向に順にR,G,B,R,G,B,
R,G,B…のように規則的な順列で配列されている。
【0040】このように、本実施の形態では、蛍光体層
104のストライプ状の蛍光体パターンは、画面の横方
向つまり水平方向に長く形成されている。また、色選別
部材103も、そのスリット106が画面の長手方向つ
まり水平方向と同方向に長い形状に形成されている。す
なわち、色選別部材103においてはそのスリットの画
面の右端から左端までの間に電子ビームの通過を実質的
に妨げる垂直方向のパターンは形成されていない。
【0041】従って、仮に、色選別部材103が熱膨張
などに起因してその外形形状の長手方向にどのように大
きな位置ずれ現象を引き起こしたとしても、電子ビーム
はその方向には自由に通過することができるのであるか
ら、電子ビームの蛍光体層104上への照射精度には全
く何らの悪影響も与えない。このように、本実施の形態
の色選別部材103は、陰極線管に組み込まれて使用さ
れる際にどのように熱膨張しても、周辺部の色ずれや中
央部と周辺部とでの表示の不均一を全く発生しないよう
にすることができる。なお、このことは、電子ビームを
いわゆる水平走査線方向に実際に水平走査する場合に
も、あるいはそのような水平走査線方向に対して直交す
る垂直方向に走査する(垂直走査する)場合にも、いず
れの場合でも同様に言えることである。
【0042】ところで、例えばHDTVに用いられる陰
極線管の場合などには、特に画面が横方向(水平方向)
にさらに長い形状となる。また、従来のNTSC方式の
テレビジョン受像装置においても、一般的に大画面であ
ることや、高精細で表示品質の高い表示が可能であるこ
とが要請される傾向にあるので、やはり横方向の画面の
長さは絶対値としても長くなる傾向にある。つまりHD
TV用の陰極線管の場合などには、その外形形状はさら
に横長化することになる。
【0043】このように、画面が特に横方向にさらに大
型化(長尺化)すると、これに伴なって色選別部材の熱
膨脹に起因した横方向での累積位置ずれの問題がさらに
顕著なものとなる。その結果、従来は特に画面の左右両
端領域と中央部とで表示輝度やコントラストに顕著な差
が生じるなどの表示不良や、左右端部周辺領域で画面が
発光しない暗点欠陥などの表示欠陥を引き起こしてい
た。
【0044】すなわち、例えばドット状の孔が多数穿設
されたいわゆるシャドウマスクを用いた陰極線管の場合
を一例にとると、大型のシャドウマスク、特に横方向に
さらに長い形状のシャドウマスクにおいては、それが実
際に陰極線管内で用いられる際に電子ビームの照射エネ
ルギーや、蛍光体あるいはシャドウマスクから発せられ
る2次光のエネルギー等に起因して、陰極線管内の温度
が上昇する。この温度上昇に起因して、シャドウマスク
が全体的に膨脹し、温度上昇の前後でのシャドウマスク
のドットパターン(孔)と蛍光体のドットパターンとの
位置ずれが従来は生じていた。このような位置ずれが、
前記の画面の左右両端領域と中央部とで表示輝度やコン
トラストに顕著な差が生じるといった表示不良や、左右
端部周辺領域で画面が発光しない暗点欠陥などの表示欠
陥を引き起こすことになる。
【0045】このような熱膨張に起因した位置ずれの問
題は、ドット状の孔が形成されたシャドウマスク以外に
も、スロット状の孔が形成されたものや、ストライプ状
のパターンおよびスリットが形成されたものなどについ
ても、程度の差はあるものの、一般的な傾向として発生
する問題である。そこで従来から、シャドウマスクの形
成材料としてアンバー材と呼ばれるようなキルド加工さ
れた金属材料を用いるなど、できるだけ膨脹しないよう
な材料を用いてシャドウマスクを形成したり、シャドウ
マスクのドットの断面形状を工夫するなどして、温度上
昇に対するシャドウマスクの熱膨張をできるだけ抑える
ようにするとともに位置ずれが少しでも少なくなるよう
な対策が試みられてきた。
【0046】しかし、このような熱膨脹に対する技術的
対策については、既にその技術的限界に近付いている。
またその上、高精細化に対応するためにシャドウマスク
のような色選別部材における孔やスリットなどの寸法が
微細化し、またさらなる寸法精度の高精度化が要求され
る傾向にある。しかも画面のさらなる大型化もさらに進
んでいる。このため、上記のような熱膨張に起因した電
子ビームの照射位置の累積的なずれがさらに顕著なもの
となる。その結果、特に画面の左右両端領域と中央部と
で表示輝度やコントラストに顕著な差が生じたり、いわ
ゆる色ずれが発生するなどの、表示不良を引き起こすと
いう問題がさらに顕著なものとなる。あるいは、電子ビ
ームが孔やスリットを通らず色選別部材に当たって遮ら
れてしまい、その部分の画素(蛍光体)が発光しないと
いった表示欠陥を引き起こすという問題があることが、
従来の陰極線管の技術を種々解析しているうちに確認さ
れた。
【0047】あるいは、画面サイズは大型化しない場合
でも、例えばHDTV用CRTのように高精細表示を行
う陰極線管の場合には、画面の寸法が従来型の画面の寸
法よりも長くなり、かつその長い横方向の画面寸法内に
配設される画素数が従来型の倍以上であるため、1画素
ごとの画素寸法のさらなる微細化および高精度化が要求
されることになる。一般に画面の外形は横長形状である
から、その外形寸法の絶対値は縦方向よりも横方向の方
が長い。従って、このような場合にも、色選別部材の熱
膨張に起因して、特に横方向に位置ずれが発生しやす
い。また、このように色選別部材の孔(あるいはスリッ
ト)の位置ずれが発生すると、そのずれの寸法が微小で
あっても、その悪影響は微細な寸法の画素にとっては顕
著なものとなる。このため、従来の陰極線管の技術で
は、画面サイズは大型ではなくとも高精細対応の陰極線
管の場合にも、特に横方向両端部での表示不良や表示欠
陥が発生しやすいという問題があった。
【0048】また、上記と同様の問題は、他の要因によ
っても発生していることが確認されている。すなわち、
図10(A),(B)にその一例を示したように、アパ
ーチャグリルのような色選別部材2と前面パネル1との
間の距離(これをグリルハイトと呼ぶ。以下同様)GH
が設計値よりもずれた場合にも、特に画面中央付近で顕
著に、左右の電子銃からの電子ビーム1000a,10
00bの照射位置にずれが生じやすいという問題があっ
た。ここで、図10(A)はグリルハイトGHが設計値
通りの場合、一方、図10(B)はグリルハイトGHが
設計値よりも小さくなった場合の状態を表している。こ
のようなグリルハイトGHの設計値からのずれは以下の
ような理由から生ずると考えられる。
【0049】例えば、色選別部材2をマスクとして用い
た蛍光体層1001の露光工程では熱による影響は少な
く、図10(A)に示した状態となったとしても、陰極
線管が実際に用いられる際には、照射される電子ビーム
1000のエネルギーによって熱せられることで色選別
部材2が熱膨張する。そのため、図10(B)に示した
ように色選別部材2が前面寄りにせり出し、グリルハイ
トGHが設計値からずれてしまう。このようなグリルハ
イトGHの誤差やずれに起因して左右の電子ビーム10
00a,1000bの照射位置にずれが生じ、色ずれが
発生しやすい。なお、蛍光面に対してストライプを形成
する際においても、色選別部材2を精度良く設置しない
と、グリルハイトGHが設計値からずれてしまうことが
ある。このようなことから、従来の技術ではグリルハイ
トGHの管理をさらに厳密にしなければならず、極めて
煩雑であった。
【0050】これに対して、本実施の形態では、上記の
ような問題も解消することが可能である。すなわち、上
記のように色選別部材103が熱膨張して特に長手方向
つまり水平方向にどのように大きな位置ずれ現象を引き
起こしたとしても、本実施の形態では、色選別部材10
3のスリットは電子ビームを水平方向に自由に通過させ
ることができるので、電子ビームの蛍光体層104上へ
の照射精度には何らの悪影響も与えることはない。
【0051】すなわち、図11(A),(B)に示した
ように、左右の電子銃からの電子ビーム1000a,1
000bの照射位置にずれが生じることはない。従っ
て、熱膨張などに起因して色選別部材103が全面にせ
り出し、グリルハイトdが設計値からずれたとしても、
その影響を受けることはなく、画面周辺部の色ずれや中
央部と周辺部とで表示が不均一となるという表示不良や
表示欠陥を全く発生させないようにすることができる。
なお、図11(A)は色選別部材2のスリットに対して
直交する方向から見た図、図11(B)は同じくスリッ
トの長手方向から見た図をそれぞれ表している。
【0052】次に、図1乃至図4を参照して、上記のよ
うな構造の陰極線管の製造工程のうち、特に蛍光体層1
04を水平方向に向いたストライプ状のパターンに形成
する工程およびそれに用いられる色選別部材103の製
造工程について説明する。
【0053】まず、前面パネル102の内面側にレジス
トのような感光剤(図示省略)を塗布する。次に、上述
したような水平方向のスリットパターンが形成されてい
る色選別部材103を前面パネル102に取り付けて、
その色選別部材103によるセルフアラインで、所定の
幅、位置、ピッチの水平方向のスリットパターンとなる
ように、カーボンストライプのパターンを前記の感光剤
上から露光する。本実施の形態では、この露光時の光源
として、前面パネル1のほぼ中心部の1か所に位置する
1つの光源300のみを用いる。
【0054】続いて、カーボンを塗布して乾燥させ、過
酸化水素などの反転剤で前記の感光剤のストライプを取
り除いて、水平方向のカーボンストライプを形成する。
次いで、例えばR,G,B(Red,Green,Blue)のような
3色の各色ごとに対応した蛍光体と感光剤との混合物の
膜を形成し、その上にレジストのような感光剤(図示省
略)を塗布する。次に、この感光剤を、それぞれ所定の
幅、位置、ピッチとなるように露光位置をずらしながら
色選別部材103によるセルフアラインで露光する。こ
の露光されたパターンの像を用いたフォトリソグラフィ
法などによって前記の各色ごとに対応した蛍光体のスト
ライプを形成することにより、本実施の形態の蛍光体層
104が完成する。
【0055】本実施の形態では、この蛍光体層104を
形成する際の工程においても、露光時の光源として、前
面パネル1のほぼ中心部の1か所に位置する1つの光源
300のみを用いる。なお、このときさらに微細な露光
位置の調整については、従来と同様の光学的な加工精度
や配置精度の補正レンズ系500を用いて行うことがで
きる。
【0056】こうして蛍光体層104を完成した後、色
選別部材103を所定の正確な位置に設置し、ネック部
110a,110bの部分に各々電子銃101a,10
1bが組み込まれた後部ファンネル105を、前面パネ
ル102の後部に接合させて密閉容器構造とすることに
より、陰極線管の主要部が完成する。
【0057】このような本実施の形態の製造方法では、
色選別部材103のスリット106が横長の画面の長手
方向つまり水平方向に長い形状であるため、電子ビーム
を出射する電子銃101a,101bが水平方向に間隔
を隔てて2本並列配置されている一方、蛍光体の露光時
に照射される光の光源系が1つであっても、従来のよう
な蛍光体の位置と実際に電子ビームが照射される位置と
がずれてしまうということが全くなくなる。
【0058】すなわち、1つ(1か所)の光源300の
みを用いて露光を行なうことができるので、従来、露光
時に生じていた複数個(複数箇所)の光源どうしの境目
などは全く存在しなくなる。従って、そのような複数個
の光源どうしのアライメントや位置ずれ等の問題が生じ
ることが全く無くなる。その結果、極めて簡易な露光装
置および露光方法によって、高精度に欠陥の無い蛍光体
層104を作製することができる。
【0059】次に、本実施の形態に係る色選別部材10
3の製造方法について説明する。
【0060】まず、その陰極線管用の色選別部材103
を形成するための薄板状の素材の上に感光体層を塗布す
る。続いて、スリット106の形状に対応したパターン
を有するフォトマスクを用いて、感光体層に対して図4
に示した露光装置と同様に1か所の光源のみからの光を
照射して、感光体層を露光する。このとき露光されるパ
ターンは、色選別部材103の外形つまりほぼ矩形状の
形状における、その長手方向と同方向に長い形状のスリ
ット状のパターンが多数本配列したパターンである。
【0061】続いて、露光された潜像を現像してスリッ
トパターンを得た後、このスリットパターンに基づいて
ストライプ状のスリット106をフォトリソグラフィ法
によってパターニングする。これにより、水平方向のス
リット106を有する色選別部材103を形成すること
ができる。
【0062】このように本実施の形態では、1つ(1箇
所)の光源300のみを用いて露光を行なうことができ
るので、露光時における複数個(複数か所)の光源どう
しの境目などは全く存在しなくなる。従って、そのよう
な複数個の光源どうしのアライメントや位置ずれ等の問
題が生じることが全く無くなる。その結果、極めて簡易
な露光装置および露光方法によって、高精度に欠陥の無
い色選別部材103を作製することができる。
【0063】以上実施の形態を挙げて本発明を説明した
が、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく
種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、コ
ンバーゼンス調整がほとんど不要で、構造も簡易であり
ながら高精度な電子ビーム照射が可能であるといった利
点を備えていることから、電子銃110a,110bの
種類として、いわゆる単管インライン3電子ビーム方式
のものを用いたが、この他にも、例えば3管インライン
配置方式の電子銃や、3管電子銃デルタ配置方式の電子
銃を用いることなども可能である。
【0064】また、上記実施の形態においては、電子銃
110a,110bを2本用いる場合について述べた
が、電子銃の本数はさらに多数本用いてもよいことは言
うまでもない。この他にも、3本、あるいはさらに10
本以上など、多数本の電子銃を画面の水平方向に列設し
て用いるようにしてもよい。あるいは逆に、その構造と
しては、電子銃を1本のみ用いた構造にしても良いこと
は言うまでもない。但し、その場合には、電子銃を複数
本水平方向に配列して用いる場合よりも陰極線管の奥行
き方向の寸法の薄型化が困難であるという傾向があるこ
とは言うまでもない。この意味では、複数本の電子銃を
用いる方が、本発明の要旨に対して、より適合している
ものといえる。
【0065】更に、本実施の形態においては、色選別部
材103のスリット106がその長手方向の左右端から
端まで完全にスリット状で、その途中に全く縦方向の桁
形状パターンが存在しない場合について説明したが、こ
のような完全にスリット状の色選別部材のみには限定さ
れないことは言うまでもない。
【0066】すなわち、色選別部材の材質や外形寸法お
よび板厚等によっては、ストライプ状の色選別部材10
3の金属パターン111の形状を保つために、その機械
的な強度を補強することが必要となる場合もある。その
ような場合には、色選別部材103における縦方向に隣
り合うストライプ状の金属パターン111どうしを繋ぐ
極細のブリッジパターンであって、それら縦方向に隣り
合う金属パターン111どうしの形状の機械的強度を効
果的に補強することができ、かつ電子ビームの通過に対
しては殆ど悪影響を与えないような幅およびピッチのブ
リッジパターンを設ける場合がある。このようなブリッ
ジパターンを有する色選別部材やそれを用いた陰極線管
においても、本発明が適用可能であることは言うまでも
ない。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように請求項1乃至4のい
ずれか1に記載の陰極線管または請求項5記載の陰極線
管の製造方法によれば、色選別部材のスリット形状をそ
の長手方向つまり前面パネルの長手方向と同方向に長く
すると共に、蛍光体層のストライプ状パターンを色選別
部材のスリットの形状に対応させるようにしたので、既
存の簡易な構造の露光装置を用いて、欠陥無く高精度に
作製することができ、電子ビームの照射角度と色選別部
材のスリットと蛍光体との相対的な位置ずれに起因した
表示不良や表示欠陥の発生の問題を解消して、良好な表
示品質の表示が実現可能となる。
【0068】また、請求項6に記載の陰極線管用色選別
部材あるいは請求項7記載の陰極線管用色選別部材の製
造方法によれば、陰極線管の実使用時にその色選別部材
がどのように熱膨張しても、周辺部の色ずれや中央部と
周辺部とでの表示の不均一を全く発生することなく、常
に良好な表示品質の表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る陰極線管の構成の
主要部を表す図である。
【図2】図1に示した陰極線管の特に前面パネル部分の
構造の主要部を一部拡大して表す図である。
【図3】図1の陰極線管に形成された蛍光体層の構成を
説明するための図である。
【図4】図3に示した蛍光体層の露光工程で用いられる
露光装置およびそれを用いた露光方法を模式的に説明す
るための図である。
【図5】従来の一般的な電子銃を1本備えた方式の陰極
線管の製造工程における、特に蛍光体層の露光工程を説
明するための図である。
【図6】2本の電子銃を特に横方向に並列配置した方式
の陰極線管の一例を表す図である。
【図7】光源系として1つだけの光源系を備えた従来の
一般的な露光装置を用いる場合の一例を説明するための
図である。
【図8】図7中の符号Aを付して示した部分を拡大して
模式的に示す図である。
【図9】電子銃の本数およびその配設位置に対応した複
数の光源を用いて露光を行う方法の一例を説明するため
の図である。
【図10】従来の陰極線管においての電子ビームの位置
ずれの一例を説明するための図である。
【図11】本発明の陰極線管における電子ビームの照射
状態を説明するための図である。
【符号の説明】
101a,101b…電子銃、102…前面パネル、1
03…色選別部材、104…蛍光体層、105…後部フ
ァンネル、106…スリット、107…偏向ヨーク、1
10a,110b…ネック部、111…ストライプ状の
金属パターン
フロントページの続き (72)発明者 村口 昭一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 岡田 正道 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 井上 隆博 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C027 HH07 HH13 5C028 GG13 GG16 5C031 EE01 EE15 EF05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを走査しつつ出射する電子銃
    と、 前記電子銃に対して裏面が対向するように配置されたパ
    ネルと、 前記パネルの裏面側と前記電子銃との間に配置されると
    共に、前記パネルの外形形状の長手方向と同方向のスリ
    ットを有し、前記走査される電子ビームを前記スリット
    にて通過させる色選別部材と、 前記パネルの裏面側に設けられると共に、前記色選別部
    材のスリットを通過した電子ビームが照射されるように
    前記色選別部材のスリットの形状に対応したストライプ
    状パターンを有する蛍光体層とを備えたことを特徴とす
    る陰極線管。
  2. 【請求項2】 前記電子銃が、前記長手方向に沿って直
    線状に複数本配列されていることを特徴とする請求項1
    記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記電子銃が、1本中に3原色に対応し
    てインライン状に配列された3つの電子ビーム出射手段
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の陰極線
    管。
  4. 【請求項4】 前記電子銃による電子ビームの走査方向
    が、前記色選別部材のスリットの長手方向に対して直交
    する方向であることを特徴とする請求項1記載の陰極線
    管。
  5. 【請求項5】 画像が表示されるパネルの裏面側に蛍光
    体材料層を形成する工程と、 前記パネルの外形形状の長手方向と同方向のスリットが
    形成された色選別部材を前記パネルの裏面側に配置する
    と共に、前記色選別部材をマスクとして用い、前記蛍光
    体材料層を前記パネルの外形形状の長手方向と同方向の
    ストライプ状にパターニングして蛍光体層を形成する工
    程とを含むことを特徴とする陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】 陰極線管に組み込まれて用いられ、前記
    陰極線管の電子銃から出射される電子ビームをパネルの
    裏面に形成された蛍光体層に向けて通過させるためのス
    リットを有する陰極線管用色選別部材であって、 前記スリットが外形形状の長手方向と同方向に長い形状
    を有することを特徴とする陰極線管用色選別部材。
  7. 【請求項7】 陰極線管に組み込まれて用いられ、前記
    陰極線管の電子銃から出射される電子ビームを画像が表
    示されるパネルの裏面に形成された蛍光体層に向けて通
    過させるためのスリットを有する陰極線管用色選別部材
    の製造方法であって、 陰極線管用色選別部材を形成するための素材の上に、感
    光体層を形成する工程と、 前記感光体層に対して1か所の光源から光を照射して前
    記感光体層を露光し、前記陰極線管用色選別部材として
    の外形形状の長手方向と同方向に長い形状のスリットパ
    ターンの潜像を前記感光体層に形成する工程と、 前記スリットパターンの潜像を現像した後、前記スリッ
    トパターンに基づいて前記素材をパターニングすること
    により、前記外形形状の長手方向と同方向に長い形状の
    スリットを形成する工程とを含むことを特徴とする陰極
    線管用色選別部材の製造方法。
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