JPH10162730A - 高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方法 - Google Patents

高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方法

Info

Publication number
JPH10162730A
JPH10162730A JP31818296A JP31818296A JPH10162730A JP H10162730 A JPH10162730 A JP H10162730A JP 31818296 A JP31818296 A JP 31818296A JP 31818296 A JP31818296 A JP 31818296A JP H10162730 A JPH10162730 A JP H10162730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
lens system
stripe
correction lens
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP31818296A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Tsunoda
達哉 角田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP31818296A priority Critical patent/JPH10162730A/ja
Publication of JPH10162730A publication Critical patent/JPH10162730A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネルガラスの熱膨張等による変形に対応し
た紫外線照射を行って、適正な位置に蛍光面を作製し、
微細ピッチで形成される蛍光体ストライプの剥離不良を
生じさせない高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方
法を提供する 【解決手段】 カーボンストライプCS形成の露光時と
蛍光体ストライプRS、GS、BS形成の露光時とにお
いて、それぞれの工程におけるパネルガラス3の熱膨張
等による変形に対応した補正レンズ系12、13を通し
て露光を行うことにより、パネルガラス3内面の適正な
位置に微細ピッチのカーボンストライプCS及び微細ピ
ッチの蛍光体ストライプRS、GS、BS、を形成する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精細度テレビジ
ョンの陰極線管の製造方法に関し、詳しくは、パネルガ
ラスの熱膨張による変形に対応して紫外線の照射位置を
決定する補正レンズを用いて蛍光面を形成し、蛍光体ス
トライプの剥離不良を抑制する高精細度テレビジョンの
陰極線管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から単銃3ビーム方式の陰極線管が
提案されている。そしてまた、高い精細度と大画面によ
る臨場感を目標として、高精細度テレビジョン(High D
efinition Television:以下、ハイビジョンという。)
が提案されている。このハイビジョンの陰極線管は、例
えば電子銃より出射された電子ビームがパネルの内側に
配設される複数列の縦縞状のスリットが微細ピッチで開
口されたアパーチャーグリル(色選別機構)を透過し、
蛍光面に照射され、所定の蛍光体が発光されることによ
り映像が映し出される。そして、この陰極線管の蛍光面
は、スクリーン面の外光からの反射率をさげコントラス
トを向上させる微細ピッチのカーボンストライプと、こ
のカーボンストライプを介し、隣り合ってストライプ状
に形成される微細ピッチの赤,緑,青の蛍光体ストライ
プとから構成される。
【0003】そして、このように構成される陰極線管
は、テレビジョン受像機に電源が投入されると、色信号
入力回路より出力された色信号が電子銃に入力され、電
子ビームが蛍光面へと出射される。そして、電子銃より
出射された電子ビームは、偏向コイルの磁界により偏向
され、アパーチャーグリルの微細なスリットを透過し、
蛍光面に照射されることにより、蛍光体ストライプが発
光し、フェース部に高画質の映像が映し出される。
【0004】ところで、この陰極線管の蛍光面を構成す
るカーボンストライプは以下のように形成される。
【0005】先ず、蛍光面形成面となるパネルガラス1
4内面には、フォトレジストが塗布され熱乾燥される。
そして、図7に示すように、光源15より紫外線が、微
細ピッチで形成されたアパーチャーグリル16の縦縞状
スリット16aを透過してフォトレジストに照射され
る。そして、紫外線が照射された部分のフォトレジスト
がパネルガラス14内面に焼き付けるられる。一方、紫
外線が照射されない部分のフォトレジストは洗い落とさ
れる。このようにして、ストライプ状のフォトレジスト
膜が形成される。このとき、光源15より照射される紫
外線が、複数枚のレンズから構成される補正レンズ系1
7を透過することにより、紫外線の照射位置が決定され
る。
【0006】そして、このフォトレジスト膜が形成され
たパネルガラス14内面に、カーボンスラリーが均一に
塗布され、熱乾燥された後に反転現像されることによ
り、フォトレジストストライプの形成されない位置、即
ち、紫外線の照射されない位置に微細ピッチのカーボン
ストライプが形成される。
【0007】そして次に、陰極線管の蛍光面を構成する
蛍光体ストライプは以下のように形成される。
【0008】先ず、カーボンストライプを形成したパネ
ルガラス14内面に、赤,緑,青の何れかの蛍光体スラ
リーが塗布され、熱乾燥される。そして、この熱乾燥し
た蛍光体スラリーに、光源15より紫外線が、微細ピッ
チで形成されたアパーチャーグリル16の縦縞状スリッ
ト16aを透過して照射される。この紫外線の照射は、
カーボンストライプ形成工程において用いられた補正レ
ンズ系17を用いて行われる。そして、紫外線が照射さ
れた位置における蛍光体スラリーが露光現像されて、
赤,緑,青の何れかの蛍光体ストライプが微細ピッチで
形成される。そして、このような工程が3回繰り返され
ることによって、赤,緑,青の各色の蛍光体ストライプ
が微細ピッチで形成される。
【0009】このようにして、微細ピッチの黒色のカー
ボンストライプと、このカーボンストライプを介し、隣
り合って形成される微細ピッチの蛍光体ストライプとか
らなる蛍光面が形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、カー
ボンストライプは紫外線の照射されない位置に形成さ
れ、蛍光体ストライプは紫外線の照射される位置に形成
される。そこで、カーボンストライプ形成の露光時に用
いた補正レンズ系17を、蛍光体ストライプ形成の露光
時においても用いることにより、微細ピッチのカーボン
ストライプのストライプ間に、各色の蛍光体ストライプ
が隣り合って形成されるようにしている。
【0011】しかしながら、カーボンストライプや蛍光
体ストライプが形成されるパネルガラス14は、フォト
レジストや蛍光体スラリーを熱乾燥させる工程におい
て、熱膨張等により微妙に変形する。そして、フォトレ
ジスト熱乾燥工程においてフォトレジストを熱乾燥させ
るのに必要な熱量と、蛍光体スラリー熱乾燥工程におい
て蛍光体スラリーを熱乾燥させるのに必要な熱量とが異
なるため、フォトレジスト熱乾燥工程におけるパネルガ
ラス14の変形量と、蛍光体スラリー熱乾燥工程におけ
るパネルガラス14の変形量とに差が生じる。このた
め、カーボンストライプ形成の露光時に用いた補正レン
ズ系17を、蛍光体ストライプ形成の露光時においても
用いると、蛍光体ストライプRS,GS,BSは、図8
に示すように、所定の位置からずれた位置に形成されて
しまう。
【0012】カーボンストライプCSの表面は、パネル
ガラス14の表面よりも粗くなっている。したがって、
例えば図9に示すように、蛍光体ストライプRS,G
S,BSが所定の位置から右側にずれた位置に形成され
ると、蛍光体ストライプRS,GS,BSの右側半分
は、カーボンストライプCSの表面に接着される面積が
大となり、接着強度が低下し剥離し易くなる。
【0013】特に、ハイビジョンの陰極線管において
は、カーボンストライプCS及び蛍光体ストライプR
S,GS,BSは微細ピッチで形成されるので、蛍光体
ストライプRS,GS,BSの形成位置の位置ずれが生
じてしまうと、蛍光体ストライプRS,GS,BSの剥
離不良を招いてしまうことが多い。
【0014】陰極線管は、蛍光体ストライプRS,G
S,BSの剥離不良が発生すると、蛍光面作製工程にお
ける歩留まりが低下し、生産性が悪化する。また、陰極
線管は、蛍光体ストライプRS,GS,BSの剥離不良
が発生すると、ホワイトユニフォミティー(白均一性)
が劣化し、画質を低下させてしまう。
【0015】そこで本発明は、カーボンストライプ形成
の露光時と蛍光体ストライプ形成の露光時において、構
成を異にする補正レンズ系を用いて、それぞれのパネル
ガラスの変形量に対応して紫外線の照射位置を補正し、
微細ピッチで形成される蛍光体ストライプの剥離不良を
生じさせない高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方
法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高精細度テ
レビジョンの陰極線管の製造方法は、上記目的を達成す
るために、パネルガラスの内面にフォトレジストを塗布
し熱乾燥させる工程と、複数本のスリットが微細ピッチ
で形成された色選別機構と照射位置を決定する第1の補
正レンズ系とを介して露光を行う工程と、露光の後パネ
ルガラス内面にカーボン膜を形成する工程と、カーボン
膜を剥離し反転現像する工程とを有するカーボンストラ
イプ形成工程と、カーボンストライプを形成した後、パ
ネルガラスの内面に蛍光体スラリーを塗布し熱乾燥させ
る工程と、複数本のスリットが微細ピッチで形成された
色選別機構と熱乾燥の際のパネルガラスの変形に対応し
て照射位置を決定する第2の補正レンズ系とを介して露
光を行う工程と、蛍光体スラリーを現像する工程とを有
する蛍光体ストライプ形成工程とにより構成される。
【0017】そして、この高精細度テレビジョンの陰極
線管の製造方法は、第1の補正レンズ系及び第2の補正
レンズ系により、カーボンストライプ形成工程及び蛍光
体ストライプ形成工程における露光位置を補正し、蛍光
体ストライプの剥離不良を抑制することを特徴としてい
る。
【0018】以上のように構成された本発明に係る高精
細度テレビジョンの陰極線管の製造方法は、第1の補正
レンズ系がカーボンストライプ形成工程におけるパネル
ガラスの変形量に応じて紫外線の照射位置を補正し、第
2の補正レンズ系が蛍光体ストライプ形成工程におえる
パネルガラスの変形量に応じて紫外線の照射位置を補正
する。したがってこの製造方法により製造される高精細
度テレビジョンは、カーボンストライプと蛍光体ストラ
イプとがそれぞれ適正な位置に形成されるので、蛍光体
ストライプの剥離不良が抑制される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】ハイビジョンの陰極線管1は、例えば図1
に示すように、筒状に形成された一端部から他端部に向
け、偏向ヨークによる偏向角に合わせて略フラスコ状に
成形されたファンネル部2と、このファンネル部2の他
端部に接合されるパネル部3とから構成されるバルブ4
と、ファンネル部2の一端部に配設される電子銃5と、
パネル部3の内部に取り付けられる色選別機構であるア
パーチャーグリル6とを有している。
【0021】バルブ4は、全体として略フラスコ状を呈
して形成され、高電圧の加速による電子ビームの衝突に
対しても茶褐色とならないようにX線の遮断性に優れた
ガラスが用いられる。そして、ファンネル部2は、一端
部が筒状に形成され、この一端部側に電子銃5が配設さ
れ、筒状の一端部からパネル部3が接合される他端部に
向け、偏向ヨークによる偏向角に合わせて広口となるよ
うに形成されている。
【0022】また、パネル部(パネルガラス)3は、そ
の主面が、スクリーン面となるフェース部3aとして構
成される。フェース部3aの内面には、電子銃5から出
射される電子ビーム7の照射により発光する蛍光面8が
形成される。
【0023】蛍光面8は、フェース部3aの内面に微細
ピッチで形成される黒色のカーボンストライプCSと、
このカーボンストライプCSを介して隣り合うように微
細ピッチで形成される赤色,緑色,青色の蛍光体ストラ
イプRS,GS,BSとからなる。ここで、カーボンス
トライプCSは、パネル部3における外光からの反射率
を下げ、各色の蛍光体ストライプRS,GS,BSが発
光する際のコントラストを向上させるものである。
【0024】パネル部3の内部に取り付けられるアパー
チャグリル6は、電子銃5より出射された赤,緑,青に
対応する電子ビーム7を透過させ、この電子ビーム7
を、それぞれに対応する発光色の蛍光体ストライプに照
射させ、色選別を行うものである。アパーチャグリル6
は、厚さ寸法が0.1mm程度の軟鋼板により構成さ
れ、その主面に、複数列のストライプ状のスリット6a
が微細ピッチで形成されている。すなわち、アパーチャ
グリル6は、この微細ピッチで形成された複数列のスリ
ット6aより電子ビーム7を透過させることにより色選
別を行う。そして、このアパーチャーグリル6は、一対
の縦枠と一対の横枠とからなる枠体に支持されて、フェ
ース部3aの内面と平行となるようにパネル部3の内部
に取り付けられる。
【0025】また、ファンネル部2に配設される電子銃
5は、その構造が単電子銃となっており、インラインに
配置された3個のカソードから放出される赤,緑,青に
対応する電子ビーム7を1個の主レンズ中心で交差する
ようにし、その後、3方向に離散する電子ビーム7が静
電偏光板で屈折し、蛍光面8上でコンバーゼンスするよ
うに構成されている。
【0026】陰極線管1は、上記アパーチャーグリル6
が取り付けられたパネル部3と、電子銃5が配設された
ファンネル部2とが接合されて、完成される。
【0027】このように構成されたハイビジョンの陰極
線管1は、テレビジョン受像機に電源が投入されると、
色信号入力回路より出力された色信号が電子銃5に入力
され、電子ビーム7が、偏向コイルの磁界により偏向さ
れて、電子銃5から蛍光面2へと出射される。そして、
電子銃5より出射された電子ビーム7は、アパーチャー
グリル6を透過し、蛍光面8に照射されることにより、
蛍光面8を構成する蛍光体ストライプRS,GS,BS
が発光し、パネル部3に映像が映し出される。
【0028】ところで、上記電子ビーム7が照射される
蛍光面8は、カーボンストライプCSの形成工程と、赤
色,緑色,青色の各蛍光体ストライプRS,GS,BS
の形成工程とからなる蛍光面形成工程を経てパネル部3
の内面に形成される。
【0029】カーボンストライプCSは、図2に示すよ
うに、フォトレジスト塗布工程と、フォトレジスト熱乾
燥工程と、フォトレジスト露光工程と、フォトレジスト
現像工程と、カーボンスラリー塗布乾燥・反転現像工程
とを経て形成される。
【0030】フォトレジスト塗布工程では、カーボンス
トライプCSの形成工程内に搬送されたパネル部3のフ
ェース部3aの内面に、光に反応して溶剤に対する不溶
性が付与されるフォトレジストが均等に塗布される。フ
ォトレジストは、次のフォトレジスト熱乾燥工程によ
り、熱乾燥され、水分が除去される。このとき、フェー
ス部3aは、フォトレジストの熱乾燥に伴う熱膨張等に
より微妙に変形する。
【0031】フォトレジスト熱乾燥工程を経たパネル部
3には、アパーチャーグリル6が、フォトレジストから
離間された位置に、フェース部3a内面に対し平行にな
るように装着される。アパーチャーグリル6が装着され
たパネル部3は、例えば図3に示すように、露光装置9
に位置決めされた状態で載置されて、フォトレジスト露
光工程が行われる。
【0032】露光装置9は、パネル部3を位置決め載置
するフレーム10と、パネル部3のフェース部3aの内
面に紫外線を照射する紫外線ランプ11と、紫外線ラン
プ11から照射される紫外線の照射位置を決定する為の
補正レンズ系12(13)とにより構成される。この補
正レンズ系12(13)は、図4,図5に示すように、
紫外線の照射位置の決定を適切に行う為に、複数枚の補
正レンズ12a,12b(13b),12c,12dを
組み合わせて構成される。ここで、レンズ12aは、電
子ビーム7の入射角に対応して紫外線の照射位置を設定
するレンズである。レンズ12b(13b)は、各色の
電子ビーム7の照射位置に対応して露光位置を補正する
レンズである。レンズ12cは、紫外線の照度を補正す
るレンズである。レンズ12dは、レンズ12aの予備
の働きをするレンズである。この補正レンズ系12(1
3)は、カーボンストライプ形成の露光時には第1の補
正レンズ系12が用いられ、蛍光体ストライプ形成の露
光時には第2の補正レンズ系13が用いられる。
【0033】アパーチャーグリル6が装着されたパネル
部3は、この露光装置9のフレーム10に位置決め載置
される。そして、フォトレジスト露光工程では、図4に
示すように、露光装置9の紫外線ランプ11から発せら
れる紫外線が、第1の補正レンズ系12を透過して、フ
ェース部3aの内面に塗布されたフォトレジストの所定
の位置を露光する。そして、この露光されたフォトレジ
ストがフェース部3aの内面に焼き付けられる。
【0034】各色の電子ビーム7に対応した紫外線照射
を行うには、上記第1の補正レンズ系12を構成するレ
ンズ12bを変更して各色の電子ビーム7に合わせた第
1の補正レンズ系12がそれぞれ構成される。そして、
それぞれの第1の補正レンズ系12を透過して3回の露
光が行われるようにする。例えば、緑色電子ビームに対
応したレンズ12bを使用した第1の補正レンズ系12
を透過して1回目の露光が行われ、レンズ12bを青色
電子ビーム,赤色電子ビームにそれぞれ対応させて変更
した第1の補正レンズ系12を透過して2回目,3回目
の露光が行われる。
【0035】この露光は、パネル部3に装着されたアパ
ーチャーグリル6を介して行われる。従って、紫外線ラ
ンプ11から照射される紫外線は、微細ピッチで形成さ
れたアパーチャーグリル6のストライプ状スリット6a
に対応してフォトレジストを微細ピッチのストライプ状
に露光し、フェース部3aの内面にフォトレジストを微
細ピッチのストライプ状に焼き付ける。
【0036】フォトレジスト露光工程を経たパネル部3
は、露光装置9のフレーム10上から降ろされ、アパー
チャーグリル6が取り外される。そして、フォトレジス
ト現像工程において、露光されたフォトレジストが現像
される。一方、露光されていない部分のフォトレジスト
は洗い落とされる。これにより、フェース部3aの内面
には、ストライプ状に現像された微細ピッチのフォトレ
ジストストライプが形成される。
【0037】次に、カーボンスラリー塗布乾燥・反転現
像工程により、そのフォトレジストストライプが形成さ
れたフェース部3aの内面に、カーボンスラリーが均一
に塗布される。そして、フォトレジストストライプを分
解させることにより、フォトレジストストライプ上のカ
ーボンスラリーがフォトレジストと共に剥離される。そ
の結果、フォトレジストストライプが形成されていない
位置に塗布されたカーボンスラリーが残ることになる。
カーボンストライプCSは、この残ったカーボンスラリ
ーが現像されることによって、フェース部3aの内面に
微細ピッチに形成される。
【0038】上記フォトレジスト露光工程における紫外
線の照射位置は、第1の補正レンズ系12を用いて電子
ビーム7の照射位置と一致するようになされている。従
って、電子ビーム7の照射されない位置にカーボンスト
ライプCSが形成されることになる。一方、電子ビーム
7が照射される位置、即ち、カーボンストライプCSが
形成されない位置には、後の蛍光体ストライプ形成工程
により、各色の蛍光体ストライプRS,GS,BSが形
成される。
【0039】次に各色の蛍光体ストライプRS,GS,
BSを形成する工程について説明する。尚、本実施例に
おいては、緑色蛍光体ストライプGS,青色蛍光体スト
ライプB,赤色蛍光体ストライプRSの順に形成する例
を示すが、各色の蛍光体ストライプGS,BS,RSの
形成順序は、この例に限定されないことは勿論である。
【0040】緑色蛍光体ストライプGSは、緑色蛍光体
スラリー塗布工程と、緑色蛍光体スラリー熱乾燥工程
と、緑色蛍光体スラリー露光工程と、緑色蛍光体スラリ
ー現像工程とを経て形成される。
【0041】カーボンストライプCSが形成されたフェ
ース部3aの内面には、緑色蛍光体スラリー塗布工程S
6により、緑色蛍光体と感光剤を混合した緑色蛍光体ス
ラリーが均等に塗布される。そして、この緑色蛍光体ス
ラリーは、緑色蛍光体スラリー熱乾燥工程により、熱乾
燥され、水分が除去される。この緑色蛍光体スラリーの
熱乾燥に必要な熱量は、上記フォトレジストの熱乾燥に
必要な熱量と異なる。このため、緑色蛍光体スラリー熱
乾燥工程におけるパネル部3の変形量は、上記フォトレ
ジスト熱乾燥工程におけるパネル部3の変形量と異なる
ことになる。
【0042】緑色蛍光体スラリー熱乾燥工程を経たパネ
ル部3には、上記カーボンストライプCSの形成工程に
おいてアパーチャーグリル6が装着された位置と同じ位
置に、アパーチャーグリル6が装着される。そして、こ
のアパーチャーグリル6が装着されたパネル部3は、フ
ォトレジスト露光工程において使用された露光装置9に
位置決め載置されて、緑色蛍光体スラリー露光工程が行
われる。
【0043】緑色蛍光体スラリー露光工程では、紫外線
を、露光装置9の紫外線ランプ11からフェース部3a
の内面に塗布された緑色蛍光体スラリーの所定の位置に
照射させる。そして、紫外線が照射された位置における
緑色蛍光体スラリーがフェース部3aの内面に焼き付け
られる。
【0044】この緑色蛍光体スラリー露光工程におい
て、紫外線ランプ11から照射される紫外線の照射位置
は、第2の補正レンズ系13により決定される。そして
この紫外線は、アパーチャーグリル6を透過して照射さ
れる。これにより、カーボンストライプCSが形成され
ない位置における緑色蛍光体スラリーがストライプ状に
露光される。
【0045】第2の補正レンズ系13は、第1の補正レ
ンズ系12を構成する複数枚のレンズのうち、各色の電
子ビームに対応して紫外線の照射位置を補正するレンズ
12bを、パネル部3の変形に対応したレンズ13bに
変更して構成する。
【0046】上述したように、フォトレジストの熱乾燥
に必要な熱量と、緑色蛍光体スラリーの熱乾燥に必要な
熱量とが異なるため、それぞれの熱乾燥により生じるパ
ネル部3の変形量は異なる。このため、第1の補正レン
ズ系12を緑色蛍光体スラリー露光工程においてそのま
ま使用すると、露光位置に部分的なずれが生じてしま
う。このように露光位置がずれると、形成される緑色蛍
光体ストライプGSは、カーボンストライプCSの表面
に接着される面積が大となる箇所ができ、この箇所の接
着強度が低下し剥離し易くなる。
【0047】特に、ハイビジョンの陰極線管において
は、カーボンストライプCS及び蛍光体ストライプR
S,GS,BSは微細ピッチで形成されるので、蛍光体
ストライプRS,GS,BSの形成位置の位置ずれが生
じてしまうと、蛍光体ストライプRS,GS,BSの剥
離不良を招いてしまうことが多い。
【0048】そこで、本実施例においては、パネル部3
の表面温度の差からパネル部3の変形量の差を算出し、
この変形量の差に対応した第2の補正レンズ系13を通
して露光を行うことにより、適切な位置に蛍光体ストラ
イプGS,BS,RSが形成されるようにしている。
【0049】例えば、蛍光面2のサイズが(X×Y)=
(194mm×145mm)のパネル部3を用いた場合
は、(X、Y)=(190mm、135mm)の座標に
おいて、パネル部3の表面温度が1℃変化することによ
り、紫外線の照射位置に約1μmの差をもたらすだけの
パネル部3の変形量の差を生じさせるが、上記のように
構成した第2の補正レンズ系13を通して露光を行うこ
とにより、この差が解消されることが確認された。
【0050】尚、この第2の補正レンズ系13は、熱膨
張等によるパネル部3の変形に対応して紫外線の照射位
置を補正できれば、カーボンストライプ形成工程で用い
た第1の補正レンズ系12を構成するレンズのうち、何
れを変更して構成するものであってもよい。また、第2
の補正レンズ系13は、上述の補正レンズ12a,12
b,12c,12dに加え、新たなレンズを加えて照射
位置を決定するようにしてもよい。
【0051】また、この緑色蛍光体ストライプ形成工程
においては、第2の補正レンズ系13を構成するレンズ
のうち、各色の電子ビーム7の照射位置に対応して露光
位置を補正するレンズ13bは、緑色電子ビーム7に対
応したレンズが用いられ、緑色電子ビーム7が照射され
る位置に対応して、紫外線の照射位置が決定される。
【0052】緑色蛍光体スラリー露光工程を経たパネル
部3は、露光装置9のフレーム10上から降ろされ、ア
パーチャーグリル6が取り外される。そして、緑色蛍光
体スラリー現像工程において、露光された緑色蛍光体ス
ラリーが現像される。これにより、微細ピッチの緑色蛍
光体ストライプGSが、フェース部3a内面のカーボン
ストライプCSの各ストライプ間に形成される。
【0053】次に、緑色蛍光体ストライプ形成工程と同
様の工程(青色蛍光体スラリー塗布・熱乾燥・露光・現
像工程)により、微細ピッチの青色蛍光体ストライプB
Sが、カーボンストライプCSを介して緑色蛍光体スト
ライプGSの右または左に位置して、フェース部3aの
内面に形成される。
【0054】この青色蛍光体ストライプ形成工程におい
ても、露光時には、第2の補正レンズ系13が用いら
れ、熱量の違いによるパネル部3の変形量の差に対応し
て、紫外線の照射位置が補正されるようにしている。
【0055】また、この青色蛍光体ストライプ形成工程
においては、第2の補正レンズ系13を構成するレンズ
のうち、各色の電子ビーム7の照射位置に対応して露光
位置を補正するレンズ13bは、青色電子ビーム7に対
応したレンズが用いられ、青色電子ビーム7が照射され
る位置に対応して、紫外線の照射位置が決定される。
【0056】次に、緑色蛍光体ストライプ形成工程及び
青色蛍光体ストライプ形成工程と同様の工程(赤色蛍光
体スラリー塗布・熱乾燥・露光・現像工程)により、微
細ピッチの赤色蛍光体ストライプRSSが、カーボンス
トライプCSを介して緑色蛍光体ストライプGSの左ま
たは右に位置して、フェース部3aの内面に形成され
る。
【0057】この赤色蛍光体ストライプ形成工程におい
ても、露光時には、第2の補正レンズ系13が用いら
れ、熱量の違いによるパネル部3の変形量の差に対応し
て紫外線の照射位置が補正されるようにしている。
【0058】また、この赤色蛍光体ストライプ形成工程
においては、第2の補正レンズ系13を構成するレンズ
のうち、各色の電子ビーム7の照射位置に対応して露光
位置を補正するレンズ13bは、赤色電子ビーム7に対
応したレンズが用いられ、赤色電子ビーム7が照射され
る位置に対応して、紫外線の照射位置が決定される。以
上のようにして、図6に示すように、パネル部3のフェ
ース部3aの内面に、微細ピッチのカーボンストライプ
CSを介して微細ピッチの緑色蛍光体ストライプGS,
青色蛍光体ストライプBS,赤色蛍光体ストライプRS
がそれぞれ隣接して形成され、蛍光面8が形成される。
そして、本例においては、カーボンストライプ形成工程
と、蛍光体ストライプ形成工程において、それぞれの工
程におけるパネル部3の変形量に応じた補正レンズ系1
2,13を使用して紫外線の照射位置を補正するように
していることから、各色の蛍光体ストライプRS,G
S,BSは、図6に示すように、適正な位置に形成され
る。その結果、製造される陰極線管1は、蛍光体ストラ
イプRS,GS,BSの剥離不良を生じることがなく、
蛍光面作製工程における歩留まりが向上する。また、製
造される陰極線管1は、ホワイトユニフォミティー(白
均一性)が劣化することもなく、高画質の映像を映し出
すことができる。
【0059】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、パネル
ガラスの熱膨張等による変形に対応した補正レンズ系を
通して紫外線を照射させることにより、適切な位置にカ
ーボンストライプ及び各色の蛍光体ストライプが形成さ
れる。従って、製造される陰極線管は、各色の蛍光体ス
トライプの剥離不良が抑制されるので、蛍光面作製工程
における歩留まりが向上するとともに、ホワイトユニフ
ォミティー(白均一性)の劣化させることなく、高画質
の映像を映し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】陰極線管の内部構造を説明する概略斜視図であ
る。
【図2】蛍光面を形成する工程を説明する工程説明図で
ある。
【図3】露光装置の概略縦断面図である。
【図4】フォトレジスト露光工程における露光システム
を模式的に示す模式図である。
【図5】蛍光体スラリー露光工程における露光システム
を模式的に示す模式図である。
【図6】本発明に係る高精細度テレビジョンの陰極線管
の製造方法により形成される蛍光面の要部拡大断面図で
ある。
【図7】従来の陰極線管の製造方法における露光システ
ムを模式的に表した模式図である。
【図8】従来の陰極線管の製造方法により形成される蛍
光面の要部拡大断面図である。
【図9】従来の陰極線管の製造方法により形成される蛍
光面をさらに拡大して示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 陰極線管、3 パネル部(パネルガラス)、6 ア
パーチャーグリル(色選別機構)、8 蛍光面、9 露
光装置、12 第1の補正レンズ系、13 第2の補正
レンズ系、CS カーボンストライプ、RS 赤色蛍光
体ストライプ、GS 緑色蛍光体ストライプ、BS 青
色蛍光体ストライプ、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルガラスの内面に蛍光体ストライプ
    とカーボンストライプが微細ピッチで隣り合って形成さ
    れた蛍光面を有する高精細度テレビジョンの陰極線管の
    製造方法において、 上記パネルガラスの内面にフォトレジストを塗布し熱乾
    燥させる工程と、複数本のスリットが微細ピッチで形成
    された色選別機構と照射位置を決定する第1の補正レン
    ズ系とを介して露光を行う工程と、パネルガラス内面に
    カーボン膜を形成する工程と、カーボン膜を剥離し反転
    現像する工程とを有するカーボンストライプ形成工程
    と、 上記カーボンストライプを形成した後、パネルガラスの
    内面に蛍光体スラリーを塗布し熱乾燥させる工程と、複
    数本のスリットが微細ピッチで形成された色選別機構と
    熱乾燥の際のパネルガラスの変形に対応して照射位置を
    決定する第2の補正レンズ系とを介して露光を行う工程
    と、蛍光体スラリーを現像する工程とを有する蛍光体ス
    トライプ形成工程とを有し、 上記第1の補正レンズ系及び第2の補正レンズ系により
    上記カーボンストライプ形成工程及び蛍光体ストライプ
    形成工程における露光位置を補正し、蛍光体ストライプ
    の剥離不良を抑制することを特徴とする高精細度テレビ
    ジョンの陰極線管の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記第1及び第2の補正レンズ系は、共
    に複数枚のレンズから構成され、 第2の補正レンズ系は、第1の補正レンズ系を構成する
    レンズのうち何れか1枚が異なることを特徴とする請求
    項1記載の高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記第1及び第2の補正レンズ系は、共
    に複数枚のレンズから構成され、 第2の補正レンズ系は、第1の補正レンズ系に他の1枚
    のレンズを加えたことを特徴とする請求項1記載の高精
    細度テレビジョンの陰極線管の製造方法。
JP31818296A 1996-11-28 1996-11-28 高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方法 Withdrawn JPH10162730A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31818296A JPH10162730A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31818296A JPH10162730A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10162730A true JPH10162730A (ja) 1998-06-19

Family

ID=18096379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31818296A Withdrawn JPH10162730A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10162730A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09265916A (ja) シャドウマスクとその製造方法
JPH10162730A (ja) 高精細度テレビジョンの陰極線管の製造方法
JPH1092311A (ja) カラー陰極線管の製造方法
US4778738A (en) Method for producing a luminescent viewing screen in a focus mask cathode-ray tube
US2989398A (en) Method of manufacturing electrical apparatus
US3043975A (en) Image display device
US20020018945A1 (en) Exposure apparatus for multi-neck cathode ray tube and exposure method using the same
US6559575B1 (en) Cathode ray tube and method of manufacturing the same, and color selecting member for cathode ray tube and method of manufacturing the same
JPH0622096B2 (ja) カラ−陰極線管の製法
KR100225435B1 (ko) 이중노광장치에 의한 녹색 형광체 노광방법
JPH1050214A (ja) カラー陰極線管の露光方法および装置
JPH10255655A (ja) カラー受像管の蛍光面形成方法および露光装置
KR100209649B1 (ko) 칼라 음극선관의 스크린 제조방법
JPH10172429A (ja) カラー陰極線管の蛍光面形成方法
JPH09199024A (ja) カラー陰極線管の蛍光面形成用露光装置
JPH1097826A (ja) 陰極線管の製造方法
KR100227676B1 (ko) 브라운관의 제조방법
JPH0817342A (ja) カラーブラウン管用露光装置
JPH11204030A (ja) カラー陰極線管の蛍光面形成用の光量補正フィルター、およびこれを備えた露光装置
JPH08329839A (ja) カラーブラウン管用シャドウマスクの製造方法
JP2003187718A (ja) カラー陰極線管及びカラー陰極線管用蛍光面の形成方法
JP2003031122A (ja) 露光装置及び蛍光体スクリーン形成方法
JP2001068021A (ja) 蛍光面の形成方法および装置
JP2000164128A (ja) 陰極線管螢光面の形成方法
JP2003162969A (ja) カラー陰極線管及びカラー陰極線管の蛍光体スクリーン形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040203