JPH11167864A - 陰極線管の製造装置 - Google Patents

陰極線管の製造装置

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JPH11167864A
JPH11167864A JP33292497A JP33292497A JPH11167864A JP H11167864 A JPH11167864 A JP H11167864A JP 33292497 A JP33292497 A JP 33292497A JP 33292497 A JP33292497 A JP 33292497A JP H11167864 A JPH11167864 A JP H11167864A
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JP
Japan
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correction lens
exposure
auxiliary correction
light source
ray tube
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JP33292497A
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English (en)
Inventor
Masanori Otomo
雅徳 大伴
Tetsuya Yamaguchi
哲也 山口
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程で発生する電子ビームのランディン
グする位置に対する蛍光体スクリーンの配置ずれを補正
可能なカラー陰極線管の露光装置を得る。 【解決手段】 カラー陰極線管の露光装置(5)におい
て、製造工程上発生する電子ビームのランディングする
位置に対する蛍光体スクリーンの配置ずれのみを補正す
る第2補正レンズ(12)を設け、蛍光体スクリーンを
露光する露光光線を製造工程上発生する蛍光体の配置ず
れの成分のみについて独立した補正を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー陰極線管
の蛍光体スクリーン及び黒色無反射膜層を製作する際に
用いられる製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、例えば特開平5−62594
号公報に示された従来のカラー陰極線管の露光装置を示
す断面図である。
【0003】図において、1はカラー陰極線管のパネル
であり、その内面には、蛍光体スクリーン2が形成され
ており、多数の小孔3aが形成されたシャドウマスク3
が蛍光体スクリーン2に対向して配置されている。5は
露光機本体、6は本体5の下方に設けられた光源、7は
摺動機構、8は上記光源6からの露光光線の方向を補正
し、電子ビームの軌跡に近似させるための補正レンズ、
9は2枚の補助補正レンズを設置する設置位置を示す。
10は露光機本体5に付設された補助補正レンズ格納庫
である。ここには、2つの収納棚10aにセンター用の
補助補正レンズ(第1の補助補正レンズ)である平行平
板型ガラス9aと左右両サイド用の補助補正レンズ(第
2の補助補正レンズ)であるくさび型ガラス9bの2枚
が格納され、それらは昇降機構10bによって出し入れ
可能に構成されている。
【0004】また、左右両サイド用の補助補正レンズで
あるくさび型ガラス9bを水平方向に180゜回転させ
るための補助補正レンズ回転駆動機構11は、くさび型
ガラス9bのくさび傾斜面を左右逆転させ、所定の位置
で停止させるものである。
【0005】次に、上記構成の露光装置による露光につ
いて説明する。
【0006】図13(a)〜(c)は、図12の従来の
露光装置による各色露光時の光学系配置を示す断面図で
ある。ここでは、従来の露光装置における一連の露光動
作中の各構成部分の位置関係を解りやすくするために、
模式的に表してある。
【0007】図13(b)は、シャドウマスク3の各透
孔を介して露光、現像される3色の蛍光体のうちのセン
ター位置の蛍光体(インライン型電子銃から放射される
センタービームが入射する蛍光体であり、以下、単にセ
ンター色という。)を露光するために、光源6をセンタ
ー位置に移動した状態を示している。この場合、第1の
補助補正レンズはダミー用であるので、平行平板型ガラ
ス9aを用いている。また、図13(a)はセンター色
に隣接する右サイドの蛍光体(以下、単に右サイド色と
いう。)を露光するために、光源6を左サイド位置に移
動した状態を示している。この場合、第2の補助補正レ
ンズとしてくさび型ガラス9bを用いて、露光光線がシ
ャドウマスク3の各透孔に入射する角度を制御してい
る。さらに、図13(c)はセンター色に隣接する左サ
イドの蛍光体(以下、単に左サイド色という。)を露光
するために、光源6を右サイド位置に配置した状態を示
している。この場合には、上記くさび型ガラス9bを水
平方向に180゜回転した後、固定している。
【0008】まず、蛍光体スクリーン2のセンター色を
露光する場合、図12の収納棚10a上に格納されてい
る平行平板型ガラス9aを、昇降機構10bを操作して
引き出し口10cより露光機本体5側へ引き出し、この
平行平板型ガラス9aを所定の補助補正レンズ設定位置
9に配置するとともに、図13(b)で示すように、光
源6を摺動機構7によつてセンター位置に移動し、固定
してから露光する。センター色の露光が完了すると、上
記平行平板型ガラス9aは再び、元の収納棚10aに格
納される。
【0009】次に、右サイド色を露光する場合、図12
の収納棚10a上に格納されているくさび型ガラス9b
を、昇降機構10bを操作して引き出し口10cより露
光機本体5側へ引き出し、このくさび型ガラス9bを所
定の補助補正レンズ設定位置9に設置するとともに、図
13(a)で示すように、光源6を摺動機構7によって
左サイド位置に移動し、固定してから露光する。なお、
右サイド色の露光が完了しても、上記くさび型ガラス9
bは、元の収納棚10aに収納されず次の左サイド色の
露光にそなえ待機する。
【0010】次に、左サイド色を露光する場合、補助補
正レンズ回転駆動機構11にて、くさび型ガラス9bを
水平方向に180゜回転させ、このくさび型ガラス9b
を所定の補助補正レンズ設定位置9に設置するととも
に、図13(c)で示すように、光源6を摺動機構7に
よって右サイド位置に移動し、固定してから露光する。
左サイド色の露光が完了すると、上記くさび型ガラス9
bは再び、元の収納棚10aに格納される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のカラー陰極線管
の露光装置では、上述したように、光源6から発せられ
る露光光線を補助補正レンズ9a,9b及び補正レンズ
8で屈折させて、偏向ヨークにより偏向される電子ビー
ムの軌跡に近似させることが可能である。しかし、上記
構成のカラー陰極線管の露光装置は、製造工程で発生す
る露光光線の変動等により、電子銃から発射された3色
それぞれの電子ビームのランディングする位置と、3色
の各蛍光体の露光位置とが微妙に異なってくる。露光の
位置ずれによって電子ビームの軌跡との近似の精度が低
下すれば、カラー陰極線管は良好な発光特性が得られな
い。
【0012】このような位置ずれをなくすには、3色の
電子ビームそれぞれに相当する露光光線を同時に補正す
る補正レンズ8によって対処する必要がある。しかし、
製造工程上の多様な原因によって発生する露光光線の変
動に1枚の補正レンズ8だけで対処しようとすれば、そ
のような変動が新たに生じる都度、レンズの設計をやり
なおして、新たな補正レンズを作成しなくてはならな
い。そのため、実際に位置ずれを補正するには、多大な
時間と費用がかかるという問題点があった。しかも、こ
の露光工程で生じる位置ずれの原因が解明されていない
ため、スクリーン全体にわたって均等に配列された蛍光
体ストライプが形成できないという問題もあった。
【0013】また、従来のカラー陰極線管の露光装置に
より露光が行われる蛍光体スクリーンが非対称な形状で
あったり、スクリーン自体は対称な形状であっても、補
正レンズ8の曲面型レンズ形状が適切に設計されたもの
でなかった場合には、スクリーンの水平方向周辺部に限
って蛍光体の左右両サイド色に対するセンター色の位置
ずれが発生する。このようなスクリーン周辺部での位置
ずれを補正して、蛍光体スクリーン全面で均等な配列に
3色の蛍光体を形成することは容易でなかった。
【0014】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、迅速且つ低コストで製造工程上
で発生する位置ずれ成分を補正可能とする製造装置を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、シャドウマスクの各透孔を介して3色の蛍光体を露
光、現像して陰極線管のパネル内面にスクリーンを形成
する陰極線管の製造装置において、蛍光体を露光するた
めの露光光線を発生する光源と、この光源をシャドウマ
スクの透孔に対するセンター及び左右両サイドの位置の
3カ所に水平移動させるための摺動機構と、光源がセン
ター位置に位置する場合に光源と被露光体の間に配置さ
れ、露光光線の方向を補正する第1の補助補正レンズ
と、光源が左右両サイド位置に位置する場合に光源と被
露光体の間に配置され、露光光線の方向を補正する第2
の補助補正レンズと、光源と被露光体の間に配置され、
スクリーン上で露光される各色蛍光体の配置ずれをなく
すように露光光線の方向を補正する補正レンズと、各補
助補正レンズを補助補正レンズ設置位置まで出し入れ可
能に収納する格納庫とを備え、補正レンズを、第1補正
レンズ、及び第2補正レンズの少なくとも2種類によっ
て構成したものである。
【0016】請求項2に記載した発明は、第2補正レン
ズを、少なくとも数枚のレンズの組み合わせによって構
成したものである。
【0017】請求項3に記載した発明は、第2の補助補
正レンズをくさび型ガラスで構成し、補助補正レンズ回
転駆動機構によって、第2の補助補正レンズのくさび傾
斜面の向きを左右逆転状態にセットするようにしたもの
である。
【0018】請求項4に記載した発明は、第2の補助補
正レンズを曲面型ガラスで構成し、補助補正レンズ回転
駆動機構によって、第2の補助補正レンズの向きを左右
逆転状態にセットするようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】発明者の分析によると、カラー陰
極線管の製造工程上で発生する原因不明の蛍光体ストラ
イプの配置ずれは、ある非対称のパターンが数種類あ
り、周期的にこの非対称パターンが非法則的に繰り返さ
れているものである。
【0020】そこで、以下に説明するこの発明の製造装
置では、迅速且つ低コストで位置ずれ成分の補正が可能
であるだけでなく、3色の蛍光体を露光するために共通
に使用される補正レンズとは別に使用される補助補正レ
ンズによって、左右両サイド色が左右対称位置であっ
て、且つセンター色だけが不均等な位置ずれを有する蛍
光体の配列を補正し、左右両サイド色に対して対称な向
きに露光光線を補正するような露光装置を得ることがで
きる。
【0021】以下、この発明に係わる陰極線管の製造装
置を、その実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明
する。なお、図において、同一符号は従来のものと同一
または相当のものを示す。
【0022】実施の形態1 最初に、一般的な陰極線管のカラー画像形成原理につい
て説明する。図1は、カラー陰極線管の主要部分の断面
に到達する電子ビーム軌跡を示す図である。
【0023】カラー陰極線管のパネル1の内面には蛍光
体スクリーン2が形成されており、この蛍光体スクリー
ン2は、具体的には、シャドウマスク3に多数形成され
た小孔3a群のうちの1個に対応して設けられた、左サ
イドに位置する蛍光体2a(左サイド色)、センターに
位置する蛍光体2b(センター色)、右サイドに位置す
る蛍光体2c(右サイド色)の3色の蛍光体、例えば赤
(R)、緑(G)、青(B)と、各色蛍光体相互間に配
設された黒色無反射膜層2dから構成されている。
【0024】電子銃4から発射された3本の電子ビーム
4a,4b,4cはシャドウマスク3の小孔3aで色選
別され、それぞれ特定の蛍光体2a,2b,2cにラン
ディングし、それらを発光させる。すなわち、電子銃4
の右サイドから発射された電子ビーム4aはシャドウマ
スク3の小孔3aを通過し、蛍光体スクリーン2の左サ
イドに位置する蛍光体2aに当り、同じくセンターから
発射された電子ビーム4bはセンターに位置する蛍光体
2bに当り、左サイドから発射された電子ビーム4cは
右サイドの蛍光体2cに当る。
【0025】また、それぞれの電子ビーム4a,4b,
4cの強さを適当に調整することによって、各色蛍光体
の発光量をコントロールし、所望の色彩を発生させるこ
とになる。このため、電子ビーム4a,4b,4cのラ
ンディングする位置に精度良く3色の蛍光体2a,2
b,2cを形成しておく必要がある。そこで、本発明の
実施の形態1では、このような蛍光体スクリーン2を以
下の装置によって製作するようにしている。
【0026】図2は、この発明の実施形態1であるカラ
ー陰極線管の露光装置を示す側面断面図である。図にお
いて、1は内面に蛍光体スクリーンが形成されるカラー
陰極線管のパネル、3はシャドウマスク、5は装置本
体、7は露光光線を発生する光源6を3カ所に移動させ
る摺動機構、8は上記光源6からの光線を補正し、電子
ビームの軌跡に近似させるための第1補正レンズ、9は
2枚の補助補正レンズを設置する設置位置を示す。
【0027】露光機本体5には補助補正レンズ格納庫1
0が付設されており、10aは収納棚、10bは昇降機
構、10cは引き出し口である。この収納棚10aに
は、センター用の補助補正レンズ(第1の補助補正レン
ズ)として平行平板型ガラス9a、及び左右両サイド用
の補助補正レンズ(第2の補助補正レンズ)としてくさ
び型ガラス9bがそれぞれ出し入れ可能に格納されてい
る。このうち、くさび型ガラス9bは、第1補正レンズ
8によって露光光線の充分な補正が得られない両サイド
色の露光に用いられる高透過率の補助補正レンズであ
り、平行平板型ガラス9aは従来のものと同じである。
【0028】また、11は両サイド用の補助補正レンズ
であるくさび型ガラス9bを水平方向に180゜回転さ
せ、停止させるための補助補正レンズ回転駆動機構、1
2は第1補正レンズ8のカラー陰極線管のパネル1側に
配置された第2補正レンズである。この第2補正レンズ
12は、第1補正レンズ8とともにスクリーン上に形成
される各色蛍光体の配置ずれをなくすように露光光線の
方向を補正するレンズであるが、特に、製造工程上で発
生する光学的条件の変動によって生じる光源6からの露
光光線の軌跡変化を補正し、電子ビームの軌跡に近似さ
せるために設けられている。
【0029】次に、上記構成の露光装置による露光動作
を説明する。
【0030】図3(a)〜(c)は、図2に示す露光装
置による各色露光時の光学系配置断面図であって、上記
一連の露光動作中の各構成部分の位置関係を解りやすく
するために、模式的な等価図として表している。
【0031】図3(b)はセンター色を露光する場合に
平行平板型ガラス9aを用い、光源6をセンター位置に
移動した状態を示している。
【0032】また、図3(a)は右サイド色を露光する
場合にくさび型ガラス9bを用い、光源6を左サイド位
置に移動した状態を示し、さらに、図3(c)は左サイ
ド色を露光する場合に、上記くさび型ガラス9bを水平
方向に180゜回転した後、固定して用いており、光源
6を右サイド位置に配置した状態を示している。
【0033】まず、蛍光体スクリーンのセンター色を露
光する場合、図2の収納棚10a上に格納されている平
行平板型ガラス9aを、昇降機構10bを操作して引き
出し口10cより露光機本体5側へ引き出し、この平行
平板型ガラス9aを所定の補助補正レンズ設定位置9に
設置するとともに、図3(b)で示すように、光源6を
摺動機構7によってセンター位置に移動し、固定する。
そして、露光光線を平行平板型ガラス9a、第1補正レ
ンズ8、第2補正レンズ12及びシャドウマスク3の各
透孔を介して、パネル1内面の所定の位置にランディン
グさせて、センター色を露光する。
【0034】なお、センター色の露光が完了すると、上
記平行平板型ガラス9aは再び、元の収納棚10aに格
納される。
【0035】次に、右サイド色を露光する場合、図2の
収納棚10a上に格納されているくさび型ガラス9b
を、昇降機構10bを操作して引き出し口10cより露
光機本体5側へ引き出し、このくさび型ガラス9bを所
定の補助補正レンズ設定位置9に設置するとともに、図
3(a)で示すように、光源6を摺動機構7によって左
サイド位置に移動し、固定してから露光する。なお、右
サイド色の露光が完了しても、上記くさび型ガラス9b
は、元の収納棚10aに収納されず次の左サイド色の露
光に備え待機する。
【0036】次に、左サイド色を露光する場合、補助補
正レンズ回転駆動機構11にて、くさび型ガラス9bを
水平方向に180゜回転させ、このくさび型ガラス9b
を所定の補助補正レンズ設置位置9に設定するととも
に、図3(c)で示すように、光源6を摺動機構7によ
って右サイド位置に移動し、固定してから露光する。な
お、左サイド色の露光が完了すると、上記くさび型ガラ
ス9bは再び、元の収納棚10aに収納される。
【0037】図4(a)は、スクリーン全体についての
蛍光体の配置ずれを示す図である。同図(b)は、第2
補正レンズ12が露光光線に対して有する補正成分を示
す図である。いずれの図でも、ベクトル(矢印)によっ
て配置ずれ又は補正成分の大きさと方向を示している。
また同図(c)は、第2補正レンズ12によって補正さ
れた状態を示す図である。ここでは○印によって、上記
ベクトルが零ベクトルとなったことを示す。
【0038】すなわち、電子ビームのランディング位置
に対して、図4(a)に示すように、製造工程上で左右
非対称に蛍光体の配置ずれが発生した場合に、その成分
を、図4(b)に示す補正成分を有する曲面型ガラスに
よって構成された第2補正レンズ12によって独立して
補正できる。このように蛍光体スクリーンを露光する露
光光線を補正すれば、図2(c)に示すように画面全体
で電子ビームの軌跡に近似した蛍光体スクリーンを、簡
単に得ることができる。
【0039】以上、従来のカラー陰極線管の露光装置
は、左右非対称に発生する位置ずれの補正には多大の時
間と費用を要するものであったが、上述したカラー陰極
線管の露光装置においては、蛍光体スクリーンの配置ず
れが、製造工程上で周期的に、或いは非法則的に繰り返
して発生した場合でも、2枚の補正レンズ8,12を組
み合わせることで、そのような配置ずれの成分のみを迅
速且つ低コストで除去できる。したがって、カラー陰極
線管の画面全体で電子ビームの軌跡に近似した蛍光体ス
クリーンが実現でき、画面全体に白色均一性が良好な発
光特性が得られる。また、表示デバイスであるカラー陰
極線管の最も重要な表示性能も継続維持できることにな
る。
【0040】実施の形態2.実施形態1では、図2に示
すように、2枚の補正レンズ8,12によって露光光線
の方向を補正して、スクリーン上に形成される各色蛍光
体の配置ずれをなくすようにしていた。これに対して、
実施の形態3では、図5に示すように第2補正レンズ1
2a、第3補正レンズ12bを組み合わせて、製造工程
上発生する電子ビームのランディングする位置に対する
蛍光体の配置ずれを補正するようにしている。
【0041】図6(a)〜(c)は、図5に示す露光装
置による各色露光時の光学系配置断面図であって、一連
の露光動作中の各構成部分の位置関係を解りやすくする
ために、模式的な等価図として表している。
【0042】図5、図6の構成において、実施の形態1
(図2)における補正レンズ12に代えて2枚のレンズ
12a,12bを用いている点を除くと、その他の構成
は同一である。
【0043】図7(a),(b)は、それぞれ第2補正
レンズ12a、第3補正レンズ12bが露光光線に対し
て有する補正成分を示す図である。同図(c)には、こ
れらのレンズ12a,12bの補正成分を加算したもの
を示している。
【0044】また、図8(a)〜(c)には、図7(c)
の加算された補正成分、第1補正レンズ8だけを使用し
た場合のスクリーン全体についての蛍光体の配置ずれ、
及び3枚の補正レンズ8,12a,12bによる補正結
果をそれぞれ示す。これらの図は、実施の形態1の図4
に相当するものであって、矢印及び○印は蛍光体の位置
ずれのベクトル及び零ベクトルを表している。
【0045】このように構成されたカラー陰極線管の露
光装置においては、実施の形態1の1枚の補正レンズ8
だけでは補正が困難な、図8(b)に示すような製造工
程上発生する蛍光体スクリーンの配置ずれであっても、
第2補正レンズ12aによる配置ずれの補正量(図7
(a))と、第3補正レンズ12bによる配置ずれの補
正量(図7(b))を組み合わせた補正量(図7
(c))により補正すれば、図8(c)に示すような、
画面全体で電子ビームの軌跡に近似した蛍光体スクリー
ンを得ることができる。
【0046】実施の形態3.実施の形態1及び実施の形
態2では、図3(a),(c)及び図6(a),(c)
に示すように両サイド色補正用の補助補正レンズにはく
さび型ガラス9bを用いていた。これに対して、図9に
示す実施の形態3の露光装置では、図10(a),
(c)に示すように曲面型ガラス9eによって左右両サ
イド用の補助補正レンズを構成している。
【0047】このように構成されたカラー陰極線管の露
光装置においては、実施の形態1及び実施形態2では補
正が困難な、スクリーン周辺部での配置ずれを補正でき
る。すなわち、図11(a)に示す蛍光体スクリーンの
ように、画面中央では3色の蛍光体が均等に配置されて
いるが、画面両端ではサイド色B(青色蛍光体)の露光
位置が不均等、且つ対称に配置される位置ずれが生じて
いる場合には、両サイド色B,Rを露光する時に用いら
れる補助補正レンズとして曲面型ガラス9eを使用して
いる。図9に示すように、この曲面型ガラス9eを用い
ることによって、画面両端を露光する場合に、図10
(a),(c)に示すような光線となって、画面両端で
異なった方向に補正ができる。その結果、図11(b)
に示すように、画面中央及び画面両端のいずれでも、均
等に3色の蛍光体が配置された蛍光体スクリーンを得る
ことができる。
【0048】以上、この実施の形態の装置によれば、画
面中央では均等に配置された蛍光体スクリーンが、画面
両端ではサイド色が不均等、且つ対称に配置されている
状態であっても、両サイド色を露光する時に用いられる
補助補正レンズである曲面型レンズ9eによって画面両
端を露光する露光光線を画面両端で異なった方向に補正
を行うことができる。このため、画面中央及び画面両端
で均等に配置された蛍光体スクリーンを得ることができ
る。画面全体に均等に配置された蛍光体スクリーンは画
面全体に白色均一性が良好な発光特性が得られ、表示デ
バイスであるカラー陰極線管の最も重要な表示性能の向
上が計れる。
【0049】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0050】請求項1に記載した発明によれば、カラー
陰極線管の製造装置において露光光線の軌跡を偏向ヨー
クによる電子ビームの軌跡に第1補正レンズにて近似補
正させ、製造工程上発生する3色の各蛍光体ストライプ
の配置ずれの成分のみを補正する第2補正レンズを設け
たので、低コストで製造工程上で発生する位置ずれ成分
を補正可能とする製造装置を提供できる。
【0051】請求項2に記載した発明によれば、製造工
程上発生する3色蛍光体ストライプの配置ずれの成分の
みを補正するために、数枚のレンズを組み合わせて第2
補正レンズを構成したので、位置ずれ成分の補正を更に
迅速に実行できる。
【0052】請求項3に記載した発明によれば、第2の
補助補正レンズをくさび型ガラスで構成し、補助補正レ
ンズ回転駆動機構によって、第2の補助補正レンズのく
さび傾斜面の向きを左右逆転状態にセットするように構
成したので、補助補正レンズの枚数を減らしてコストを
低減することができる。
【0053】請求項4に記載した発明によれば、第2の
補助補正レンズを曲面型ガラスで構成したので、スクリ
ーン周辺部での位置ずれを容易に補正して、蛍光体スク
リーン全面で均等な配列に3色の蛍光体を形成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カラー陰極線管の主要部分の断面に到達する
電子ビーム軌跡を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1を示すカラー陰極線
管の露光装置の断面図である。
【図3】 図2の露光装置における露光時の各構成部分
の位置関係を模式的に表した等価光学系配置断面図であ
る。
【図4】 この発明の実施の形態1における効果を説明
するための蛍光体スクリーン配置図である。
【図5】 この発明の実施形態2を示すカラー陰極線管
の露光装置の断面図である。
【図6】 図5の露光装置における露光時の各構成部分
の位置関係を模式的に表した等価光学系配置断面図であ
る。
【図7】 図5の露光装置の補正レンズの作用を示す配
置図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における効果を説明
するための蛍光体スクリーン配置図である。
【図9】 この発明の実施形態3を示すカラー陰極線管
の露光装置の断面図である。
【図10】 図9の露光装置における露光時の各構成部
分の位置関係を模式的に表した等価光学系配置断面図で
ある。
【図11】 この発明の実施の形態3における効果を説
明するための蛍光体スクリーン配置図である。
【図12】 従来のカラー陰極線管の露光装置の断面図
である。
【図13】 図12の露光装置における露光時の各構成
部分の位置関係を模式的に表した等価光学系配置断面図
である。
【符号の説明】
2 蛍光体スクリーン、 8 第1補正レンズ、 9a
センター色用の平行平板型ガラス(第1の補助補正レ
ンズ)、 9b 両サイド色用のくさび型ガラス(第2
の補助補正レンズ)、 9e 両サイド色用の曲面型ガ
ラス(第2の補助補正レンズ)、 12a 第2補正レ
ンズ、 12b 第3補正レンズ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャドウマスクの各透孔を介して3色の
    蛍光体を露光、現像して陰極線管のパネル内面にスクリ
    ーンを形成する陰極線管の製造装置において、 前記蛍光体を露光するための露光光線を発生する光源
    と、 この光源を前記シャドウマスクの透孔に対するセンター
    及び左右両サイドの位置の3カ所に水平移動させるため
    の摺動機構と、 前記光源がセンター位置に位置する場合に前記光源と被
    露光体の間に配置され、露光光線の方向を補正する第1
    の補助補正レンズと、 前記光源が左右両サイド位置に位置する場合に前記光源
    と被露光体の間に配置され、露光光線の方向を補正する
    第2の補助補正レンズと、 前記光源と被露光体の間に配置され、前記スクリーン上
    で露光される各色蛍光体の配置ずれをなくすように露光
    光線の方向を補正する補正レンズと、 前記各補助補正レンズを補助補正レンズ設置位置まで出
    し入れ可能に収納する格納庫とを備え、 前記補正レンズを、第1補正レンズ、及び第2補正レン
    ズの少なくとも2種類によって構成したことを特徴とす
    る陰極線管の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記第2補正レンズを、少なくとも数枚
    のレンズの組み合わせによって構成したことを特徴とす
    る請求項1に記載の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の補助補正レンズをくさび型ガ
    ラスで構成し、補助補正レンズ回転駆動機構によって、
    前記第2の補助補正レンズのくさび傾斜面の向きを左右
    逆転状態にセットするようにしたことを特徴とする請求
    項1または2に記載の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の補助補正レンズを曲面型ガラ
    スで構成し、補助補正レンズ回転駆動機構によって、前
    記第2の補助補正レンズの向きを左右逆転状態にセット
    するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記
    載の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100344150B1 (ko) * 1999-12-07 2002-07-24 세향산업 주식회사 전자빔을 이용한 음극선관의 연속노광장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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