JPH10144219A - カラーブラウン管の蛍光面形成用露光装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一なホワイトユニフォーミティが得られ、
部分的な色むらが生じないカラーブラウン管の蛍光面形
成用露光装置を構成することを目的とする。 【解決手段】 パネル5 の内面に形成された感光性蛍光
面形成層31にシャドウマスク4 の開孔に対応するパター
ンを焼付ける光を放出する光源部19を有し、この光源部
とシャドウマスクとの間にパネルの内面の光量分布を補
正する配光フィルター30が配置されてなるカラーブラウ
ン管の蛍光面形成用露光装置において、配光フィルター
を透過型液晶パネルで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、カラーブラウン
管の蛍光面形成用露光装置に係り、特に配光フィルター
を透過型液晶パネルで構成したカラーブラウン管の蛍光
面形成用露光装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にカラーブラウン管は、図４に示す
ように、電子銃１から放出される３電子ビーム２を偏向
装置３により偏向し、シャドウマスク４を介して、パネ
ル５の内面に形成された蛍光面６を水平、垂直走査する
ことにより、カラー画像を表示する構造に形成されてい
る。

【０００３】その蛍光面６として、図５に示すように、
マトリクス状の非発光層８の円形状の間隙部（マトリク
スホール）に、青、緑、赤に発光するドット状の３色蛍
光体層９B ，９G ，９R が埋込まれるように設けられた
ブラックマトリクス型蛍光面、図６に示すように、スト
ライプ状の非発光層８の隙間部に、ストライプ状の３色
蛍光体層９B ，９G ，９R が埋込まれるように設けられ
たブラックストライプ型蛍光面、および図７に示すよう
に、非発光層をもたず、ドット状の３色蛍光体層９B ，
９G ，９R が互いに接するように設けられたドット型蛍
光面、図８に示すように、非発光層をもたず、ストライ
プ状の３色蛍光体層９B ，９G ，９R が互いに接するよ
うに設けられたストライプ型蛍光面などがある。

【０００４】従来よりこれら蛍光面６は、写真印刷法に
より形成されている。

【０００５】すなわち、マトリクス状またはストライプ
状の非発光層８を備える蛍光面については、図９（ａ）
に示すように、パネル５の内面にフォトレジスト１１を
形成し、後述する露光装置によりシャドウマスク４を介
して露光し、フォトレジスト１１にシャドウマスク４の
開孔１２に対応するパターンを焼付ける。つぎにこのパ
ターンの焼付けられたフォトレジスト１１を現像して未
感光部分を除去し、同（ｂ）に示すように、上記シャド
ウマスクの開孔に対応するパターンからなるレジスト１
３を形成する。つぎに同（ｃ）に示すように、このレジ
スト１３の形成されたパネル５の内面に黒色物質を塗布
して黒色物質層１４を形成する。そしてレジスト１３と
ともに、このレジスト１３上の黒色物質層１４を剥離除
去して、同（ｄ）に示すように、マトリクス状またはス
トライプ状の非発光層８を形成する。

【０００６】その後、上記非発光層８の形成されたパネ
ル５の内面に、感光剤と蛍光体を主成分とする感光性蛍
光体スラリを塗布して、同（ｅ）に示すように、感光性
蛍光体スラリ層１６を形成し、後述する露光装置により
シャドウマスク４を介して露光し、上記感光性蛍光体ス
ラリ層１６にシャドウマスク４の開孔１２に対応するパ
ターンを焼付ける。つぎにこのパターンの焼付けられた
感光性蛍光体スラリ層１６を現像して未感光部分を除去
し、同（ｆ）に示すように、上記マトリクス状またはス
トライプ状の非発光層８の所定の間隙部にドット状また
はストライプ状の蛍光体層、たとえば青蛍光体層９B を
形成する。つぎに上記蛍光体層形成工程を緑蛍光体およ
び赤蛍光体について繰返すことにより、同（ｇ）に示す
ように、マトリクス状またはストライプ状の非発光層８
の所定の間隙部に、ドット状またはストライプ状の緑お
よび赤蛍光体層９G ，９R を形成する。

【０００７】上記パネル５の内面のフォトレジスト１１
や感光性蛍光体スラリ層１６などの感光性蛍光面形成層
にシャドウマスク４の開孔１２に対応するパターンを焼
付ける露光装置は、図１０に示すように、パネル５を位
置決め支持する支持台１８を有し、この支持台１８の下
部に光源部１９が設置され、さらにこの光源部１９と支
持台１８に位置きめ支持されたパネル５に装着されたシ
ャドウマスク４との間に、光源部１９からの光２０を遮
断するシャッター２１、光源部１９から放射される光２
０の軌道を、カラーブラウン管の電子銃から放出される
電子ビームの軌道に近似させる補正レンズなどからなる
光学レンズ系２２、およびパネル５内面に対する光源部
１９から放射される光２０の光量分布を補正する配光フ
ィルター２３が配置された構造に形成されている。

【０００８】従来、その配光フィルター２３は、パネル
５内面での照度がパネル５の中央部で高く、周辺部にな
るにしたがって低くなり、そのままでシャドウマスク４
の開孔に対応するパターンを焼付けると、パネル５周辺
部のパターンが不所望に小さくなり、カラーブラウン管
完成後、画像を表示した場合、画面周辺部での輝度が大
幅に低下するため、これを補正するためのものであり、
パネル５の中央部での光量を低下させ、かつパネル５の
中央部から周辺部にかけて所定の光量分布が得られるよ
うに形成されている。具体的には、透明基板に金属を蒸
着した蒸着型フィルターや、不透明ドットを粗密に設け
たドット型フィルターがある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、カラー
ブラウン管の蛍光面形成方法において、パネルの内面に
形成されたフォトレジストや感光性蛍光体スラリ層など
の感光性蛍光面形成層にシャドウマスクの開孔に対応す
るパターンの焼付けには、パネル内面に対する光源部か
らの光の光量分布を補正する配光フィルターが配置され
た露光装置が用いられる。従来、この配光フィルターに
は、透明基板に金属を蒸着した蒸着型フィルターや不透
明ドットを粗密に設けたドット型フィルターがある。

【００１０】しかしこのような配光フィルターを用い
て、シャドウマスクの開孔に対応するパターンを焼付け
ると、マトリクス状またはストライプ状の非発光層の３
色蛍光体層を設けるための間隙部やドット状またはスト
ライプ状の３色蛍光体層の大きさが不所望に相違し、画
面全面のホワイトユニフォーミティが均一とならず、ま
た部分的に色むらが生ずるという問題がある。

【００１１】すなわち、パネルの内面に形成された感光
性蛍光面形成層にシャドウマスクの開孔に対応するパタ
ーンを焼付ける場合は、カラーブラウン管の電子銃から
放出される３電子ビームに対応する位置に光源部を移動
するとともに、光学レンズ系や配光フィルターも光源部
との相対位置が変化しないように移動しておこなわれ
る。しかし図１１に、緑蛍光体層を形成するときの光源
部の位置を２４G として実線で、青蛍光体層を形成する
ときの光源部の位置を２４B として破線で示したよう
に、光源部１９とともに配光フィルター２３を移動する
と、パネル５内面の照度分布が２５G ，２５B で示した
ようにずれ、パネル５の内面の各位置における非発光部
の間隙部や３色蛍光体層の大きさが異なるようになる。

【００１２】また、シャドウマスクの開孔のグレードな
ど、シャドウマスクの仕様が変わるときは、配光フィル
ターの仕様も変えなければならず、この場合、従来の構
成の配光フィルターでは、所要の配光フィルターが得ら
れるまでに長時間かかり、それまで所望の蛍光面を形成
することができないという問題がある。

【００１３】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、画面のホワイトユニフォーミティ
を均一にし、かつ部分的な色むらが生じないカラーブラ
ウン管の蛍光面形成用露光装置を構成することを目的と
する。

【００１４】

【課題を解決するための手段】パネルの内面に形成され
た感光性蛍光面形成層にシャドウマスクの開孔に対応す
るパターンを焼付ける光を放出する光源部とシャドウマ
スクとの間にパネルの内面の光量分布を補正する配光フ
ィルターが配置されてなるカラーブラウン管の蛍光面形
成用露光装置において、配光フィルターを透過型液晶パ
ネルで構成した。

【００１５】また、配光フィルターを透過型液晶パネル
で構成し、この液晶パネルの駆動を制御する制御部に光
源部からの光に対する液晶パネルの非透過パターンを時
間的に変化させる制御手段を設けた。

【００１６】さらに、透過型液晶パネルが光源部からの
光を遮断するシャッターを兼ねる構成とした。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。

【００１８】図１にその一形態であるカラーブラウン管
の蛍光面形成用露光装置を示す。この露光装置は、パネ
ル５を位置決め支持する支持台１８を有し、この支持台
１８の下部に光源部１９が設置され、この光源部１９と
支持台１８に位置きめ支持されたパネル５に装着された
シャドウマスク４との間に、光源部１９から放射される
光２０の軌道を、カラーブラウン管の電子銃から放出さ
れる電子ビームの軌道に近似させる補正レンズなどから
なる光学レンズ系２２、およびパネル５内面に対する光
源部１９から放射される光の光量分布を補正する配光フ
ィルター３０が配置されている。なお、図１において、
３１は、パネル５の内面に形成されたフォトレジストや
感光性蛍光体スラリ層などの感光性蛍光面形成層であ
る。

【００１９】その配光フィルター３０は、透過型液晶パ
ネルからなり、好ましくは、図２に示すように、相対向
するアレイ基板３２と対向基板３３とを有し、これら基
板３２，３３間に液晶３４が封入るされたアクティブマ
トリクス型に形成されている。

【００２０】そのアレイ基板３２は、透明絶縁基板３６
a の対向基板３３との対向面に、互いに交差する方向に
複数本の信号線３７と走査線３８とが設けられ、これら
信号線３７と走査線３８とに囲まれた複数の領域に、そ
れぞれＩＴＯ（Indium Tin Oxide）などの透明導電膜か
らなる画素電極３９およびその各画素電極３６に供給さ
れる信号をオン・オフする薄膜トランジスタ（ＴＦＴ）
などからなるスイッチング素子４０が設けられ、さらに
これら信号線３７、走査線３８、画素電極３６およびス
イッチング素子４０を覆うように、ポリイミド樹脂など
からなる配向膜４１a が設けられた構造に形成されてい
る。また対向基板３３は、透明絶縁基板３６b のアレイ
基板３２との対向面に、ＩＴＯなどの透明導電膜からな
る共通電極４２が設けられ、この共通電極４２を覆うよ
うにポリイミド樹脂などからなる配向膜４１b が設けら
れた構造に形成されている。さらにアレイ基板３２およ
び対向基板３３の外面には、偏光板４３a ，４３b が貼
着されている。

【００２１】そしてこの液晶パネルからなる配光フィル
ター３０は、駆動回路に接続され、制御部に設定された
プログラムにより、その駆動すなわち表示パターンを適
性に制御するようになっている。

【００２２】このように配光フィルター３０を透過型液
晶パネルで構成し、その駆動を制御部に設けられたプロ
グラムにより制御すると、つぎの作用、効果が得られ
る。

【００２３】すなわち、従来の露光装置では、パネルの
内面に形成された感光性蛍光面形成層に対するシャドウ
マスクの開孔に対応するパターンの焼付けは、パネル内
面の全面が同じ時間に終了するように、パネル内面の各
点の光量を調整する配光フィルターを用いておこなわれ
ていた。

【００２４】これに対して、この実施の形態の露光装置
では、露光を開始しても、図３（ａ）に示すように、照
度が最も高いパネルの中央部が所定の光量（積算光量）
に達するまで配光フィルター３０を駆動することなく、
液晶パネルの全面を透過パターン４５として、シャドウ
マスクの開孔に対応するパターンの焼付けを続行し、パ
ネルの中央部が所定の光量に達したのちに、液晶パネル
を駆動して、同（ｂ）および（ｃ）に示すように、パネ
ルの中央部を遮光する非透過パターン４６を中央部に表
示し、この非透過パターン４６が中央部から周辺部に向
かって徐々に拡大させる。そして照度が最も低いパネル
の周辺部が所定の光量（積算光量）に達したとき、液晶
パネルの全面を非透過パターン４６として、パネルの内
面に形成された感光性蛍光面形成層に対する光源からの
光を遮断する。

【００２５】この場合、非透過パターン４６の位置、形
状、その拡大速度などを制御部に設けられたプログラム
により、青、緑、赤のそれぞれで異なるように制御し
て、非発光部の間隙部や３色蛍光体層を形成することに
より画面全面のホワイトユニフォーミティを均一にし、
また部分的に色むらが生じない蛍光面を形成することが
できる。またシャドウマスクの仕様の変更に対しても、
制御部のプログラムを変更するのみで簡単かつ迅速に対
処でき、従来、管種やシャドウマスクの仕様変更などに
より必要とした多数の配光フィルターを一種類の配光フ
ィルター３０でまかなうことができる。

【００２６】さらに、上記のように露光終了と同時に液
晶パネルの全面を不透過パターン４６とすることによ
り、配光フィルター３０を光源部１９からの光を遮断す
るシャッターとした兼用でき、従来光源部上に設置した
遮光用のシャッターをなくすことができる。

【００２７】

【発明の効果】パネルの内面に形成された感光性蛍光面
形成層にシャドウマスクの開孔に対応するパターンを焼
付ける光を放出する光源部とシャドウマスクとの間にパ
ネルの内面の光量分布を補正する配光フィルターが配置
されてなるカラーブラウン管の蛍光面形成用露光装置に
おいて、配光フィルターを透過型液晶パネルで構成し、
また、配光フィルターを透過型液晶パネルで構成し、こ
の液晶パネルの駆動を制御する制御部に光源部からの光
に対する液晶パネルの非透過パターンを時間的に変化さ
せる制御手段を設けることにより、パネルの内面に形成
された感光性蛍光面形成層に対するシャドウマスクの開
孔に対応するパターンを焼付ける場合、従来の露光装置
で発生した画面全体のホワイトユニフォーミティの劣化
や部分的な色むらを軽減することができる。またシャド
ウマスクの仕様の変更に対しても、制御部のプログラム
を変更するのみで簡単かつ迅速に対応でき、従来、管種
やシャドウマスクの仕様変更などにより必要とした多数
の配光フィルターを一種類の配光フィルターで済ますこ
とができる。さらに、上記のように露光終了と同時に液
晶パネルの全面を不透過パターンとすることにより、配
光フィルターを光源部からの光を遮断するシャッターと
した兼用することができ、従来光源部上に設置したシャ
ッターをなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の一形態であるカラーブラウン
管の蛍光面形成用露光装置の構成を示す図である。

【図２】図２（ａ）および（ｂ）はそれぞれ上記露光装
置の配光フィルターの構成を示す図である。

【図３】図３（ａ）乃至（ｄ）はそれぞれ上記配光フィ
ルターの作用を説明するための図である。

【図４】カラーブラウン管の構成を示す図である。

【図５】図５（ａ）はカラーブラウン管のブラックマト
リクス型蛍光面の構成を示す平面図、図５（ｂ）はその
断面図である。

【図６】図６（ａ）は同じくブラックストライプ型蛍光
面の構成を示す平面図、図６（ｂ）はその断面図であ
る。

【図７】図７（ａ）は同じく非発光層をもたないドット
型蛍光面の構成を示す平面図、図７（ｂ）はその断面図
である。

【図８】図８（ａ）は同じく非発光層をもたないストラ
イプ型蛍光面の構成を示す平面図、図８（ｂ）はその断
面図である。

【図９】図９（ａ）乃至（ｇ）はそれぞれブラックマト
リクス型またはブラックストライプ型蛍光面の形成方法
を説明するための図である。

【図１０】従来のカラーブラウン管の蛍光面形成用露光
装置の構成を示す図である。

【図１１】従来のカラーブラウン管の蛍光面形成用露光
装置の問題点を説明するための図である。

【符号の説明】

４…シャドウマスク ５…パネル １９…光源部 ３０…配光フィルター ３１…感光性蛍光面形成層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネルの内面に形成された感光性蛍光面
   形成層にシャドウマスクの開孔に対応するパターンを焼
   付ける光を放出する光源部と上記シャドウマスクとの間
   に上記パネルの内面の光量分布を補正する配光フィルタ
   ーが配置されてなるカラーブラウン管の蛍光面形成用露
   光装置において、 上記配光フィルターは透過型液晶パネルで構成されてい
   ることを特徴とするカラーブラウン管の蛍光面形成用露
   光装置。
2. 【請求項２】 パネルの内面に形成された感光性蛍光面
   形成層にシャドウマスクの開孔に対応するパターンを焼
   付ける光を放出する光源部を有し、この光源部と上記シ
   ャドウマスクとの間に上記パネルの内面の光量分布を補
   正する配光フィルターが配置されてなるカラーブラウン
   管の蛍光面形成用露光装置において、 上記配光フィルターは透過型液晶パネルで構成され、こ
   の液晶パネルの駆動を制御する制御部に上記光源部から
   の光に対する上記液晶パネルの非透過パターンを時間的
   に変化させる制御手段が設けられていることを特徴とす
   るカラーブラウン管の蛍光面形成用露光装置。
3. 【請求項３】 透過型液晶パネルが光源部からの光を遮
   断するシャッターを兼ねていることを特徴とする請求項
   ２記載のカラーブラウン管の蛍光面形成用露光装置。