JP2000331058A - 組立構造体の製造支援装置および組立構造体の製造方法 - Google Patents

組立構造体の製造支援装置および組立構造体の製造方法

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JP2000331058A
JP2000331058A JP11141450A JP14145099A JP2000331058A JP 2000331058 A JP2000331058 A JP 2000331058A JP 11141450 A JP11141450 A JP 11141450A JP 14145099 A JP14145099 A JP 14145099A JP 2000331058 A JP2000331058 A JP 2000331058A
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Hideyuki Tanaka
秀行 田中
Futoshi Tanaka
太 田中
Junichi Takinami
純一 滝波
Mitsuaki Kato
光章 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】組立計算や変形などに必要なデータ情報を容易
に、正確に作成できる組立構造体の製造支援装置、なら
びにかかる方法により作成したモデルデータを利用した
組立構造体の製造方法を提供すること。 【解決手段】衣料・服飾品など、一つ以上の部品からな
る組立構造体の各部品の形状および部品各部の相互の位
置関係に関するCADデータなどの製造データや設計情報
を呼び出し、こうした設計情報に基づいて組立構造体の
組立状態の予測計算に用いるデータを所定のフォーマッ
トに変換して作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣服などの衣料・
服飾品や布団、枕やカバー類に代表される組立構造体の
製造方法および組立構造物の製造支援装置および製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】組立構造体の一つである衣服の着装状態
の3次元形状をコンピュータを用いて計算し、その結果
の表示に基づいて衣服の形状を修正したり、所望の生地
を組み合わせることでオリジナルの洋服を作成する衣服
の仮想試着システムや、この計算結果を用いて現物を作
成する手間を省いてコンピュータ上で衣服の試作検討を
行い、その結果に基づいて最終仕様を決定し、この最終
仕様に基づいて衣服を製造することで試作ロスを減ら
し、コスト削減をはかる衣服の製造支援システムなど、
コンピュータ上で衣服の3次元モデルを利用する技術は
近年注目されてきている。以下本発明では、上記のよう
なシステムを「衣服選択システム」と呼ぶ。
【0003】その中で、平坦で2次元的な形状を有する
衣服のパーツ(以下、便宜上型紙と呼ぶことがある)の
情報と生地の物性値をもとに、衣服の仕立てあがりの状
態を計算する手法がいくつか提案されてきている。
【0004】以下本発明では、平坦で2次元的な形状を
有する衣服のパーツ情報と生地の物性値をもとに、衣服
の3次元の仕立てあがりの形状を計算することを「衣服
の着装計算」という。
【0005】また、組立構造体の組立状態を計算する
「組立計算」や衣服の着装計算など、組立構造体の仕上
がり状態を計算機上で予測する計算のことを本発明では
「予測計算」という。
【0006】また、近年では衣服の世界においてもCA
D(コンピュータによるデザイン支援ツール)が利用さ
れるようになってきており、型紙データの管理や自動サ
イズ展開、裁断機と連携して自動的に裁断を行うなどコ
ンピュータによる自動化や効率化を図るツールとして利
用が進んでいる。
【0007】従来の着装計算の手法としては、たとえば
特開平6−248503号公報に開示されている手法が
あげられる。
【0008】特開平6−248503号公報の手法で
は、衣服の立体形状作成時に、微小要素に分割されたパ
ーツに代表される衣服構成部品を人台モデルにマウスな
どの外部入力装置を用いて適当な位置に移動させて仮止
めし、その後衣服構成部品同士を接合するために部品間
に与えられた接合情報に基づいて部品同士を接合するこ
とにより立体形状作成を行っている。しかしながら、計
算の度に衣服部品をマウスなどの外部入力装置を用いて
移動作業が発生する点や、人台モデルへの配置の位置に
より作業者によって同じ形態が得られるとは限らないと
いう問題点がある。また接合情報の設定方法は言及され
ておらず、その場で入力する場合でも人台モデル上で行
うため3次元的に配置された状態での接合情報入力は煩
雑であり作業に困難を要するという問題点があった。
【0009】衣服のような組立構造体を表す3次元的な
モデルを構築するために、型紙の外形形状データを多角
形のメッシュに分割することは広く知られている。これ
に関する従来の手法は、たとえば特開平7−21059
1号公報に記されている。この手法では操作画面上にお
いて、入力されたパーツの設計情報から仕上がり時のパ
ーツの外型形状を選んで縫い代を除去したり、ダーツや
プリーツなどを抽出する作業を含み、パタンナーなど衣
料・服飾品のパターン有知識者であるのみならず、組立
計算に関する知識についても保有している必要があり、
容易に操作できない問題点がある。
【0010】このような衣服の着装計算においては、実
際の衣服を作成するのと同様に接合情報や芯地、裏地な
どで強化された衣服の部分ごとの特性の違いを計算を行
う服種ごとに設定する必要があり、作業が複雑であっ
た。また、衣料・服飾パターン知識を十分有する者でな
いと利用できないといった問題点があった。
【0011】また、衣服の着装計算結果を利用してコン
ピュータ上で衣服や生地を選択し、コーディネートし、
デザインを修正するシステムについては本出願人による
特願平10−293966号明細書などに記載されてい
るが、このようなシステムにおいて衣服の着装計算結果
と型紙のCAD情報を保存管理し、効率よく検索でき、
かつ全体のデータ量を減らすためには、デザインとそれ
に含まれる型紙の名称や、交換可能な部品のバリエーシ
ョンの種類などのデータベースを準備する必要がある。
従来は、こうしたデータベースにデータを入力する方法
として、操作端末からデータベースに接続し、オペレー
タが対話的にデータを直接入力していた。しかし、デザ
イン数やバリエーション数が多くなると、その手間はき
わめて大きくなってしまう。
【0012】また、上記特願平10−293966号明
細書のシステムにおいては、スカート丈の上下など、個
人の好みに応じて形状の一部変形を行う場合がしばしば
ある。特に衣服のイージーオーダー販売等においては、
丈、衿幅、ポケットの位置や大きさなど、顧客の注文に
応じて衣服の形状の一部変更(変形)が必要となる場合
が多い。このような衣服の形状の一部変形も、コンピュ
ータ上で確認できることが好ましいことは言うまでもな
い。衣服の形状の一部変形をコンピュータで予測・確認
する方法としては、例えば本出願人による特願平11−
44878号明細書および本出願人による特願平11−
59320号明細書に記載の方法がある。ところで、望
み通りの変形を行うためには、あらかじめ変形範囲、変
形量、変形方向などの変形のための設定(変形情報)が
必要である。従来、変形情報の作成は、オペレータが手
作業で行っていたため、手間がかかり問題であった。ま
た、衣服のイージーオーダー販売等においては、衣服の
形状を一部変形した状態を画面で確認し、それに基づい
て衣服を製造するのであるから、衣服の形状の一部変形
は、実際に製造する衣服の形状と近いことが望ましいこ
とはいうまでもない。
【0013】しかし、これをコンピュータ上で的確に行
うためにはパタンナーなど型紙作成に関する専門知識が
必要となるため、専門知識がなくても変形情報を作成で
きる方法が求められていた。
【0014】このように、従来の衣料・服飾品をはじめ
とする組立構造体について人体形状モデルなど被覆物体
への着装状態を予測計算して表示し、その形状を修正す
る手法または装置では、組立計算や、その後に計算結果
を利用して2次元や3次元上でデザインを変更する際に
必要な情報は手動で入力、設定するなどの必要があっ
た。これらの作業は複雑で時間がかかる上、衣服に対す
る知識、着装計算に対する知識の両方が必要であり、様
々な服種に対応する際の汎用性に乏しいという問題点が
あった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題を解決するために、組立計算や変形などに必要
なデータを容易に、正確に作成できる組立構造体の製造
支援装置、ならびにかかる方法により作成したモデルデ
ータを利用した組立構造体の製造方法を提供することを
第1の目的としている。
【0016】また、本発明は、衣料・服飾品などの組立
構造体の有知識者でなくとも適切なデータを作成するこ
とのできる組立構造体の製造支援装置、ならびにかかる
方法により作成したモデルデータを利用した組立構造体
の製造方法を提供することを第2の目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の別の形態によれ
ば、一つ以上の部品からなる組立構造体の各部品の形状
および部品各部の相互の位置関係に関する製造データお
よび/または設計情報を記憶した設計情報記憶手段と、
該設計情報記憶手段に記憶された製造データおよび/ま
たは設計情報に基づいて組立構造体の組立状態の予測計
算に用いるデータを所定のフォーマットに変換して作成
する予測計算データ作成手段とを備えてなる組立構造体
の製造支援装置が提供される。
【0018】また、本発明の別の形態によれば、一つ以
上の部品からなる組立構造体の各部品の形状および部品
各部の相互の位置関係に関する製造データおよび/また
は設計情報を記憶した設計情報記憶手段と、該設計情報
記憶手段に記憶された製造データおよび/または設計情
報に基づいて組立構造体の組立状態の予測計算に用いる
データを所定のフォーマットに変換して作成する予測計
算データ作成手段と、被覆物体モデル上の所望の位置へ
の被覆状態の予測計算に用いる被覆情報データを作成す
る被覆情報作成手段とを備えてなる組立構造体の製造支
援装置が提供される。
【0019】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算データ作成手段は、各部品の前記設計情報か
ら部品各部同士の接合情報を含むデータを作成するもの
である組立構造体の製造支援装置が提供される。
【0020】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算データ作成手段は、接合情報として部品各部
同士の接合種類の情報を含むデータを作成するものであ
る組立構造体の製造支援装置が提供される。
【0021】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記設計情報記憶手段は部品の力学的特性情報を記憶する
ものであり、前記予測計算データ作成手段は、該力学的
特性情報に基づいて力学的特性データを作成するもので
ある組立構造体の製造支援装置が提供される。
【0022】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算データ作成手段は部品の組立状態の予測計算
を開始する際の各部品の初期位置の情報を含むデータを
作成するものである組立構造体の製造支援装置が提供さ
れる。
【0023】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算データ作成手段は、部品各部と被覆物体上の
所望の位置との位置合わせ情報データを作成するもので
ある組立構造体の製造支援装置が提供される。
【0024】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算データ作成手段は、各部品の前記設計情報か
ら、前記組立構造体の任意の個所の変形を行うために用
いる変形情報データを作成するものである組立構造体の
製造支援装置が提供される。
【0025】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算データ作成手段により作成されたデータに基
づいて部品モデルを組み立てる組立計算手段と、該組立
計算手段により組み立てられた部品モデルの最終的な組
立状態を力学的に計算する最終状態予測計算手段と、該
最終状態予測計算手段により得られた部品モデルの最終
状態予測計算結果を表示する表示手段とを備えた組立構
造体の製造支援装置が提供される。
【0026】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記表示手段は、前記最終状態予測計算手段により得られ
た組立構造体の部品モデルの一つ以上を組み合わせて表
示することができるものである組立構造体の製造支援装
置が提供される。
【0027】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記変形情報を利用して前記最終状態予測計算手段により
得られた部品モデルを変形させる変形後予測計算手段
と、該変形後予測計算手段により得られた部品モデルの
変形後予測計算結果を表示する表示手段とを備えた組立
構造体の製造支援装置が提供される。
【0028】また、本発明の別の形態によれば、一つ以
上の部品からなる組立構造体の各部品の形状および部品
各部の相互の位置関係に関する製造データおよび/また
は設計情報を記憶した設計情報記憶手段と、該設計情報
記憶手段に記憶された製造データおよび/または設計情
報に基づいて、一つ以上の組立構造体の部品モデルを管
理するための管理用データを作成する管理用データ作成
手段を備えてなる組立構造体の製造支援装置が提供され
る。
【0029】また、本発明の別の形態によれば、一つ以
上の部品からなる組立構造体の各部品の形状および部品
各部の相互の位置関係に関する製造データおよび/また
は設計情報を記憶した設計情報記憶手段から前記製造デ
ータおよび/または設計情報を読み出し、該製造データ
および/または設計情報に基づいて組立構造体の組立状
態の予測計算に用いるデータを作成する予測計算データ
作成工程と、該予測計算データ作成工程により作成され
たデータに基づいて部品モデルを組み立てる組立計算工
程と、該組立計算工程により組み立てられた部品モデル
の形状に基づいて最終的な組立状態を表示する工程と、
表示された組立状態の基づいて組み立て構造体の最終仕
様を決定し、決定された最終仕様に基づいて組み立て構
造体を製造する工程とを備えてなる組立構造体の製造方
法が提供される。
【0030】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記組立構造体は衣料・服飾品である組立構造体の製造方
法が提供される。
【0031】また、本発明の別の形態によれば、組立構
造体の製造の方法により製造された衣料・服飾品が提供
される。
【0032】また、本発明の別の形態によれば、組立構
造体の製造装置の各手段の手順をコンピュータを用いて
実施できるようにコンピュータを動作させるソフトウェ
アを記憶した記憶媒体が提供される。
【0033】予測計算を行うためには、組立構造体の部
品の形状データそのものが必要であるが、それ以外に
も、実際に組立構造体を組み立てる際に、部品同士の接
合箇所の情報、接合方法、部品同士の組立手順、部品の
材料情報など、組立計算の自動化を容易たらしめるため
の補助的な自動予測計算補助データが用いられるのが好
ましい。特に自動予測計算補助データは、上述のように
専門家でなければ適切に設定・作成することは困難であ
り、自動化のメリットは計り知れない。それらのデータ
を、製造データや設計情報から抽出して、コンピュータ
上で組立、予測計算する際に利用するデータとして流用
するわけである。以下に、自動予測計算補助データの例
を挙げていく。
【0034】まず1つ目は、組立構造体のパーツ同士の
接合データである。接合情報とは組立てられるパーツ同
士でどの部分と、どの部分が接合するかを表した情報で
ある。また、パーツの接合は、組み立て構造体が衣料・
服飾品であり、パーツが布帛からなるときには縫製によ
り行うのが一般的であるが、接着剤、溶接あるいは超音
波等を用いた融着などの縫製によらない手段を用いても
よい。
【0035】2つ目は、組立構造体と被覆物体への着せ
付けデータである。これは組立構造体が衣料・服飾品で
あれば部品より組み立てられる衣服が、人体のどのあた
りに着せられるかということをあらわした情報である。
たとえば、衣服モデルの肩の頂点と、人体モデルの肩の
頂点との間に着せ付け情報を付与し、その両者の位置関
係を保持するようにすることで衣服モデルを所望の位置
に着せつけることができる。
【0036】3つめは、組立られる部品毎の力学的特性
データである。部品が組み立てられる際には部品同士が
互いにおよぼしあう力学的なバランスを考慮しつつ組立
が行われるため、部品が曲げなどの力を受けて変形す
る。この力に対する物理的な変形の特性をあらわすのが
力学的特性情報である。
【0037】4つめは、部品モデルを組立てやすいよう
に組立計算の初期に被覆物体周辺に配置した状態のデー
タである。これにより組立構造体や組立計算に対する知
識やノウハウが無い操作者でも所望の組立計算を行うこ
とが可能となる。
【0038】5つめは、3次元形状となった組立構造体
の形状を表示画面上で修正・変形する際の変形ルール、
変形の限界値などを設定した変形データである。このデ
ータにより、3次元の組み立て構造体の変形を2次元で
ある部品の設計形状と連動させ、かつ組立構造体自身や
その設計に対する関する知識が不足していても、画面上
で任意に形状を修正することが可能となる。
【0039】これら、予測計算そのものに用いるデータ
のほか、衣料選択システム等の組立構造体の部品選択の
支援システムにおいて部品データの管理に用いる管理デ
ータも、同様に製造データや設計情報から変換抽出して
もよい。
【0040】以下に本発明におけるその他の用語の説明
をする。
【0041】本発明における部品とは、組立構造体を構
成するひとつひとつの物体または物体データのことであ
る。本発明では部品のことをパーツということもある
が、同義である。
【0042】本発明において組立構造体とは、一つ以上
の部品から構成され、部品同士を接合及び/または組立
てることにより機能する物体となるものを指す。たとえ
ば、複数のパーツを縫い合わせて作る衣服がこれにあた
る。
【0043】本発明において、データとは計算や処理な
どに必要な文字列や数字などの情報が一まとまりになっ
ているものをいう。ファイルの形式になっているものだ
けでなく、メモリの中に記憶されている状態のものも含
まれる。
【0044】本発明における製造データとは、組立構造
体を製造するために必要な部品名、部品数、サイズや使
用される材料、どの部品とどの部品が組み合わされるか
などの情報が含まれるデータのことである。
【0045】本発明における設計情報とは、前述の組立
構造体を製造するために必要な製造データとは別に、C
ADなどの製造データを扱うソフトにおいてサイズ変更
や部品の位置座標に固有の属性などCAD上で利用する
際に付加した情報である。
【0046】本発明における部品各部とは、組合わさる
部品の一部のことをいう。ふたつの部品各部が組合わさ
れる場合には、ある部品1の凸部分Aが他の部品2の凹
部分B部に組み合わされるなど、部品同士は全体部分が
接続するとは限らない。このような場合に部品ごとの接
続されるべき部分のことを部品各部という。
【0047】本発明において被覆物体とは、組立構造体
が覆い被さる、組立構造体により包まれる、または組立
構造物体が接続する物体のことでたとえば組立構造体が
衣服である場合は人体または人台が被覆物体にあたる。
【0048】本発明において部位属性情報とは、組立構
造体の部品の形状データに付属して、特徴のある部位に
付与される記号や番号などで表された属性のことであ
る。例えば組立構造体を衣服とした場合で考えると、衣
服のパーツのうち、衣服の頚椎点にあたる点にはある決
まった番号100番を入力する。これが部位属性情報で
ある。この情報の目的は二つある。一つ目は、後で型紙
の所望の部分を特定する場合に利用することである。二
つ目は、変形してサイズ展開を行うためである。衣服は
着る人の体型によって9号、11号、13号といったサ
イズ展開を行う。しかし、サイズ展開は号数に比例して
大きくなるわけではなく人間の体型の法則に基づいて行
われるため、型紙の部位ごとに型紙を変形させていくた
めの座標の移動を計算式で与えて利用する。この計算式
は一般的な衣服の場合あらかじめ決まっており、これを
部位属性である番号と結びつけて利用することにより、
型紙を入力する作業を簡略化することが可能となる。こ
のようなサイズ展開に伴って型紙を変形させることを
「グレーディング」という。
【0049】本発明において材料区分データとは、どの
部品にどの材料を使用するかという情報である。衣服に
おいての材料区分データとはデザイン上、複数種類の生
地を使ったり、衣服の一部の剛性を上げるために芯地を
貼り付けたりするため、どの部品にどの生地をあてがう
かという情報でありこれを生地区分と呼ぶ。
【0050】本発明において位置関係保持データとは、
組立構造体を被覆物体の所望の位置に取り付けるために
組立構造体と被覆物体それぞれに存在する特徴点を表す
位置の対応関係を表すデータのことである。たとえば、
被覆物体を人体モデルとし、組立構造体を衣服モデルと
した場合には人体モデルの首の位置と、衣服モデルの首
の位置を表す点の番号を対応するものとして取り扱うこ
とを記述したデータである。
【0051】本発明において接合データとは、組立構造
体を組み立てる際に部品のどことどこが接合するかの対
応関係を表すデータのことである。たとえば組立構造体
が衣服の場合にはパーツとパーツを接合する部分の位置
を表す点の番号を登録する。
【0052】本発明において衣料・服飾品とは、ジャケ
ット、スカート、コートなどをはじめとする衣服、ネッ
クレス、時計、指輪などのアクセサリー、ブーツなどの
靴類、その他の例としてはスカーフやショールなど、鞄
などの装身具、コルセットなども含まれる。
【0053】本発明において力学的特性とは、本発明で
は組立構造体を構成する部品を組立計算する際に部品に
発生する曲げ、伸び、歪みなど、変形しやすさを表わす
ものをいう。力学的特性を定義する物性値として、たと
えば弾性率や曲げ剛性、せん断剛性を用いる。この数値
が大きいほど、材料は硬く、変形の際に大きな力が必要
になるということになる。
【0054】
【発明の実施の形態】本実施形態の装置は衣服の型紙デ
ータから衣服を仕立てた際の3次元の着装計算データを
作成するにあたり、型紙CADデータを用いることで、な
るべくオペレータによる手作業を介在させずに着装計算
を行うことを目的とした衣服の着装計算データ作成支援
装置である。
【0055】図24は、本発明のモデルデータ作成装置
の装置構成例を説明するブロック図である。本実施態様
例において、(201)はパーソナルコンピュータ、
(202)はキーボード、(203)はマウス、(20
4)はディスプレー、(205)はプリンター、(20
6)はハードディスク装置である。(203)は、マウ
スの他にタッチペンやタッチパネルなどのポインティン
グデバイスを利用することも可能である。
【0056】ハードディスク装置(206)には、CA
Dデータ記憶手段(207)、パーツ接合情報記憶手段
(208)、着せ付け情報記憶手段(209)、部品毎
の力学的特性情報記憶手段(210)、要素分割された
部品モデル記憶手段(211)、組立計算初期データ記
憶手段(212)、着装計算データ記憶手段(21
3)、衣服選択システム用データ(管理用データ)記憶
手段(214)、衣服変形データ記憶手段(223)が
含まれる。本実施態様例では、これらの記憶手段は汎用
リレーショナルデータベースを用いて実現している。
【0057】CADデータ記憶手段(207)には、衣
服のデザインとバリエーションコードをファイル名とし
た衣服のCADデータが記憶されている。
【0058】パーツ接合情報記憶手段(208)には、
衣服を構成する部品同士の接合されるべき部分のデータ
が記憶されている。ここで接合データとは部品と部品の
どの部分が接合されるかという情報と、どのような接合
方法で接合されるかという情報の二つで構成されてい
る。接合情報については後で詳しく説明する。
【0059】着せ付け情報記憶手段(209)には、衣
服を構成する部品とそれを着せ付ける人体モデルとの位
置関係を記述するデータが記憶されている。位置関係記
述データとはたとえば微小要素により構成された人体モ
デルの首の付け根部分の節点と、微小要素により構成さ
れた衣服部品の首の付け根にあたる部分の節点の番号を
記述したものである。このデータの利用に関しては後述
する。
【0060】部品毎の力学的特性情報記憶手段(21
0)には、3次元の衣服形状を作成する際に、部品に発
生する力に対する変形特性をあらわす各部品毎の力学的
特性についてのデータが記憶されている。
【0061】要素分割された部品モデル記憶手段(21
1)には、衣服を構成する部品を微小な多角形によって
構成される部品モデルに変換したデータが記憶されてい
る。
【0062】組立計算初期データ記憶手段(212)に
は、衣服の3次元形状を計算するための準備段階とし
て、要素分割された部品モデルを計算用に再配置した計
算結果が記憶されている。再配置については後述する。
【0063】着装計算データ記憶手段(213)には、
衣服の3次元形状モデルを作成するための着装計算を行
った計算結果データが記憶されている。
【0064】衣服選択システム用データ(管理用デー
タ)記憶手段(214)には、着装計算を行った衣服モ
デルを衣服選択システム上で利用できるように、衣服を
構成する構成する部品と割り当てられる生地の組み合わ
せや衣服モデルを構成する部品名称の一覧など選択シス
テムで用いる情報を一覧形式にしたデータベース用のデ
ータが記憶されている。
【0065】衣服変形データ記憶手段(223)には、
着装計算を行った衣服モデルを衣服選択システム上でデ
ザインの各部を変形させて仕様を変更する際に用いるデ
ータが記憶される。
【0066】上の各記憶手段に記憶されたデータは、装
置の使用時に記憶手段からパーソナルコンピュータ(2
01)のメモリにロードすることにより入力される。な
お、他の記憶媒体や通信装置を経由してに入力されても
よい。このように本発明においては、データを計算機に
おける処理が可能となるように計算機にロードすること
を「データの入力」という。
【0067】次にパーソナルコンピュータ(201)、
具体的には中央演算装置および汎用揮発メモリにより提
供される各種機能について説明する。
【0068】パーソナルコンピュータ(201)には、
パーツ接合情報作成支援手段(215)、着付情報作成
支援手段(216)、部品毎の力学的特性情報作成支援
手段(217)、要素分割された部品モデル作成支援手
段(218)、組立計算初期データ作成支援手段(21
9)、衣服選択システム用データ(管理データ)作成支
援手段(220)、衣服変形データ作成支援手段(22
1)および着装計算支援手段(222)とが含まれる。
【0069】パーツ接合情報作成支援手段(215)、
着付情報作成支援手段(216)と、部品毎の力学的特
性情報作成支援手段(217)、要素分割された部品モ
デル作成支援手段(218)、組立計算初期データ作成
支援手段(219)が着装計算準備手段(予測計算デー
タ作成手段)に該当する。このうち、パーツ接合情報作
成支援手段(215)、着付情報作成支援手段(21
6)と、部品毎の力学的特性情報作成支援手段(21
7)、組立計算初期データ作成支援手段(219)が自
動予測計算補助データ作成手段に該当する。これら予測
計算データ作成手段によって組立計算および着装計算に
用いられるデータが作成され、着装計算支援手段(22
2)によって着装計算が行われ組み立てられた組立構造
体のモデルデータが作成される。
【0070】図1は本発明の組立構造体の製造支援装置
および製造方法の一実施形態の概略手順を示すためのフ
ローチャートである。また、図2に被覆物体として人体
モデルを、組立構造体として衣服を用いた場合における
図1のフローチャートに対応する各ステップでの組立構
造物を構成する部品と、その状態の変化の模式図を示
す。
【0071】型紙CADデータから組立構造体の組立計算
および着装計算を行い、衣服選択システムで利用できる
ような状態のデータ作成を行う工程は大きく分けて8つ
のステップからなる。
【0072】まず、オペレーター(着装計算データ作成
者)のキーボード(202)やマウス(203)の操作
に対して、衣服を構成する部品モデルのデータ入力が行
なわれる。入力されたデータはCADデータ記憶手段
(207)に保存される。このデータは一般にCADで取
り扱われるデータで、形状をあらわす位置座標情報、部
位属性情報、衣服であれば生地の縦糸方向などの情報、
部品の材質情報、2次元の図面上で一つの基本型を持ち
様々にサイズ展開できるようなデータ形式を持っている
のが好ましい。
【0073】この作業を行う際は、CADデータ記憶手
段(207)に記憶されたデータから処理すべきデータ
を一括して入力する。(ステップ1)次に、衣服選択シ
ステム用データ(管理データ)作成支援手段(220)
が、各々のデザインの組立構造体に含まれる部品名やそ
れに割り当てられる材料区分などの情報をCADデータ
記憶手段(207)に記憶されているCADデータより
抽出し、着装計算結果を衣服選択システムなどの装置に
て表示するための所定のフォーマットのデータベース用
データを作成する。(ステップ2)。
【0074】次に、パーツ接合情報作成支援手段(21
5)が、前記CADデータの部位属性情報を利用して部品
同士の所定の部位を接合する情報すなわち所定のフォー
マットの接合データ作成を行う(ステップ3)。
【0075】次に、部品モデル要素分割支援手段(21
8)が、組立構造体の部品データを、部品の形状を表す
点や線の情報を元に少なくとも1つ以上の多角形からな
る微小な要素により構成し直す(ステップ4)。
【0076】次に、部品毎の力学的特性情報作成手段
(217)が、組立構造体の部品名称や、CADデータで
あらかじめ割り当てられた材料区分情報を利用して組立
の際の各部品の所定のフォーマットの力学的特性データ
を設定する。(ステップ5)。
【0077】次に、被覆物体の形状モデルのデータ入力
を行う。この組立構造体は衣服なので被覆物体は人台や
人体形状モデルである。このモデルは人台などの表面形
状が、多角形からなる微小要素から構成されているもの
が好ましく用いられる。また形状を表す点のみで構成さ
れていても良い(ステップ6)。
【0078】次に、着せ付け情報作成支援手段(21
6)が、微小要素により構成された組立構造体の部品と
被覆物体モデルの双方に位置関係保持のための節点番号
の登録を行う。たとえば被覆物体が人体モデルの場合
は、人体形状モデルの乳頭部の点や、首の付け根の点、
肩、肘、手首の点などであり、組立構造体が衣服の場合
は、それに対応する節点番号の登録を行う。(ステップ
7)。
【0079】以上の準備のあとに、着装計算手段(22
2)が微小要素から構成される衣服の部品モデルから組
立て構造体を被覆物体に着装する計算を行う。
【0080】着装計算は大きく分けて2つの段階に分か
れる。はじめの段階は、まず2次元のパーツ同士を接合
して3次元の立体にし、人体モデルとの位置関係を整え
る、つまり人体モデルに着せ付ける計算である。本発明
ではこれを「組立て計算」と呼ぶ次の段階は組立てられ
た構造体と人体の接触や干渉、重力をかけるなどして、
実際の着装状態を計算する。本発明ではこれを「着装計
算」という。
【0081】組立て計算を行う前に、パーツを直接接合
情報から3次元に組立てるのは困難なため、組立てやす
いように隣り合う型紙同士を近接させる組立て計算初期
状態の配置計算を行う。(ステップ8) 組立計算では、部品には部品同士を組み立てるために働
く接合力と、組立構造体を被覆物体の適切な位置に着せ
つけるように部品と人体形状モデル双方に設定した特徴
点間の位置関係を保持しようとする仮想的な引力(位置
関係保持力)が同時に働くよう計算する。また組立中に
は部品と被覆物体の干渉チェックを行い、部品が被覆物
体の内部に入り込むような現象が起こる際には部品を外
部に押し出す力を作用させる。これにより、部品が被覆
物体の形状に合わせた形に組み立てられて組立構造体を
形成していく。すべての接合するべき部品同士の節点の
距離があるしきい値以下になった時点で組み立ては終わ
ったと判断し、これら接合された節点を同一の節点とし
てデータを再構成し、部品を組み立てるために節点に発
生させていた接合力と位置関係保持力を解除する。
【0082】そして、組立て計算が完了した時点で重力
を印加、人体モデル表面と衣服モデルの接触、干渉や摩
擦も考慮して実際の着装計算を行う。(ステップ9)。
【0083】着装計算が完了した組立構造体は洋服でい
うと既製服のような状態である。この組立構造体の一部
を変形するなどして既成のものとは少し違うオリジナル
の構造体を作成することができることは、デザインの幅
が広がり組立構造体作成の支援ツールとして好ましい。
また、この変形は3次元の構造体モデルを表示し、その
画面上でオペレータが対話的に変形させることができれ
ばイメージがわきやすくより好ましい。そこで、変形デ
ータ作成支援手段(221)を用いて、そのような変形
ができるように着装状態が計算された組立構造体に対
し、3次元的に任意に変形を行うため設定を行う。これ
はCADデータの部位属性情報及びステップ2で作成した
接合情報を利用して自動的に作成するため基本的には手
作業を伴わずに作業ができるようになっている。しかし
ながら、既存の部位属性情報が利用できない特殊な組立
構造物の場合には、個別に設定を行う必要が生じること
もある。(ステップ10)。
【0084】ステップ6を除く2から10の作業をデザ
インごとに繰り返し行うことにより衣服選択システムで
利用できるデータを作成することができる。このように
して作成した着装計算データに生地画像をマッピングし
てディスプレー(204)などの表示装置に表示し、こ
れをオペレータがチェックし、画面上で入力装置を用い
て衣服の形状の変更を行ったり、生地の種類を変更した
り画面上で変更したりすることにより希望する衣服の形
状、布物性等の数値データを得ることが出来る。着装計
算データの利用については後述する。
【0085】次に各ステップについての詳細な説明を行
う。以下、組立構造体を衣料・服飾品とし、被覆物体を
人体または人台モデルとした場合を説明する。
【0086】まず、ステップ1では衣料・服飾品を構成
する部品の製造データや設計情報の読み込みを行う。こ
のデータは、衣服のパーツを取り扱うCADデータであ
ることが好ましい。ここでいうCADデータは実際の衣
服を作成するにあたり必要なデータがすべて含まれてい
ることが好ましい。CADデータは多くの場合、直接ま
たは、自動変換された後に、自動裁断機などのデータと
して生地を裁断可能にしたり、製造図面や縫製仕様書な
どの工程指示書を自動作成して製造部門へのデータ共有
化を図ることが可能になるように構成されており、そう
したデータを用いれば予測計算される衣服など(衣料・
服飾品)と、実際に製造される衣服などを一致させられ
るばかりでなく、データの作成作業の手間が少なくな
る。
【0087】型紙CADから入力される部品のデータ
は、線に関する情報、点に関する情報、型紙の属性情報
などにより構成されている。
【0088】線に関する情報としては部品の形状を表す
仕上がり線情報のほかに、縦糸の方向を表す情報、ポケ
ットを取り付けるための補助線や、芯地や見返しを張り
つけるためのガイドライン、縫い代や実際に衣服に仕上
がった際に衣服の表面に現れる生地の外形をあらわした
仕上がり線、布の伸縮を考慮して衣服を組み立てる際に
布に記される接合すべき点を表す合い印、布の折り返し
線、バスト、ウエスト、ヒップライン、プリンセスライ
ンや、ステッチ線などが含まれている。
【0089】パーツの属性情報としては、パーツの名
称、衣服によっては複数種類の生地を使う際はどの部品
にどの生地をあてがうかの生地区分情報などがある。
【0090】これらの情報のうち本発明において、特に
重要であるのが点に関する情報のひとつである部位属性
情報である。これは、組立構造体の部品の形状データに
付属して、特徴のある点につける部位をあらわす記号や
番号のことであり、衣服の場合にはサイズ展開を行う際
に形状が変化していくため、パーツ上の角部分やバス
ト、ウエスト、ヒップラインと仕上がり線の交点など特
徴ある点に付けられる。その部位属性情報の番号にはサ
イズ展開の際の移動法則(グレーディングルール)を記
した計算式がリンクしていることが望ましい。
【0091】たとえば衣服の前見頃の肩口にあたる点に
はある決まった番号119番を入力するというルールを
付けておき、サイズの号数が9号から1号ごと大きくな
るごとに、その点が10mmずつ見頃センターラインか
ら幅方向に外側に向かって大きくなるといった具合に番
号と計算式を関連付けて利用する。計算式はCADデー
タの内部に関数として持たせておいてもよいし、あらか
じめCADソフトの内部に番号と関連付けて持たせてお
いても良い。後者の場合には、一般的に型紙上であらか
じめ利用頻度の高い点についてはID番号と計算式を決
めておくと、既製服のようなデザインの型紙を入力する
際にいちいち計算式を入力しなくても利用できるID番
号を型紙上の点に割り振っていけば型紙データ入力作業
が終わるので、作業が大幅に簡略化できるため好まし
い。
【0092】このデータ読み込み作業を行う際は、CA
Dから多数のデザインのデータを一括して入力する。こ
の際ステップ2として、各々のデザインの組立構造体に
含まれる部品名やそれに割り当てられる材料区分などの
情報を抽出して衣服選択システム用のデータベースとし
て利用できるデータ形式にしておく必要がある。
【0093】図3に衣服選択システム用データベースの
データの一例を示す。このデータは、デザインに使われ
ている型紙の名前と、その型紙がどの生地区分に属する
かの対応関係を表しており、左から順にデザインコー
ド、パーツ名、生地区分番号の順番に並んでいる。この
ようなデータにデータを登録する際には、デザインコー
ドとパーツコード及び生地区分コードをカンマやスペー
スなどにより区切り、全てのパーツに関して羅列したデ
ータファイルを用意し一括して登録を行うことが好まし
い。
【0094】今回取り扱うデータベース用のデータ形式
はデータとデータの間をカンマやスペースなどにより区
切ることにより、データの利用が容易となり、また市販
の表計算ソフトなどを利用して内容を編集することも可
能な形式とした。
【0095】一般的な型紙CADデータは、図4のよう
にデザインコードに基づいたファイル名を持ち、各型紙
ごとに型紙コード、型紙の属性に関する情報、生地区分
コードや、形状を構成する外周線や内部線などの座標デ
ータ等を持っている。ここで、JK01-S1というファイル
名は、デザインコードがJK01であり、ハイフンの後のS
が袖のバリエーションコードが存在することを示し、そ
の種類が1であることを示している。袖以外にも変更可
能な部分がある場合には、バリエーションコードの桁数
を増やすことにより必要な情報を抜き出すことが可能に
なる。たとえば、袖のバリエーションが1で襟のバリエ
ーションが2のときには、この二つを組み合わせたJK01
-S1E2をバリエーションコードとする。
【0096】このCADデータを読込み、型紙コードな
どの必要な情報を抜き出すことにより前述した登録用デ
ータファイルを作成することが出来る。
【0097】衣服選択システムでデザインの襟や袖など
を交換可能にするためには、バリエーションの組み合わ
せのすべてについて衣服形状を用意しておく方法があ
る。このシステムにおいてたとえば衣服選択システムで
袖を交換する場合には、袖の形状だけが異なる衣服形状
を呼び出して表示する方法を用いる。これを実現するた
めには、CADデータは一つのデザインに対しバリエー
ションごとの複数のデータを持っていることが好まし
い。
【0098】図5に、袖が3種類ある場合のデザインに
ついて、3つのCADデータからそれぞれ型紙コードと
パーツ属性と生地区分コードを抜き出したデータを示
す。このようなデータに対して、前述したデザインコー
ドとパーツ名と生地区分のデータを作成する場合には、
図5の3つのデータJK01-S1、JK01-S2、JK01-S3を読
み込み、型紙コードについて重複しているものを取り除
いて、ある一つのデザインで使用される型紙の一覧デー
タの作成を行う。図6に登録用データファイルの一例を
示す。
【0099】また、衣服選択システムでデザインの襟や
袖などの交換可能なバリエーションにどんな種類が何個
づつ存在するかを検索できるようにするために図7のよ
うなデザインとバリエーションの関係を表すデータが必
要である。このデータは、読み込んだすべてのCADデ
ータのファイル名を参照することにより、登録用データ
を作成できる。すなわち、ファイル名からデザインコー
ド、交換可能な部分のコード、およびバリエーションコ
ードを抜き出すことにより、登録用データファイルが作
成できる。
【0100】以上のように、CADデータから型紙コー
ドなどの必要な情報を抜き出して登録用データファイル
を出力するプログラムを作成し、使用することにより、
オペレータによる手入力やテキストエディタや表計算ソ
フトによる手作業の編集作業を行わずに、登録用データ
ファイルが自動で作成できる。
【0101】次に、ステップ3として部品同士の接合デ
ータの作成を行う。接合情報の自動作成方法は以下の方
法の組み合わせで行う。
【0102】まず一つ目は、型紙データの部位属性情報
の特性を利用した方法である。部位属性情報は型紙の中
の場所ごとにユニークなID番号であり、たとえば図8の
ように前見頃と脇見頃を例に取ると、肩口に付ける番号
は前見頃では150番、後ろ身頃では250番が付けら
れている。これは同じCADを使用する限りはどの衣服
のデータでも基本的に普遍的であるため、このような関
係にある部位属性情報の組み合わせをあらかじめ型紙同
士の接合情報の組み合わせマスタデータとして保存して
おけば、接合情報の自動作成が可能となる。図9に接合
情報マスタデータの一例を示す。たとえば一番目のデー
タを見ると120番と220番は通常接合するべき部位
属性情報の組み合わせであるということがわかる。複数
の部品が組み合わさる衣服などの場合、接合される点は
一つとは限らない。この場合は2番目のデータのように
たとえば4つの部品の組み合わせになることもある。
【0103】2番目の方法としては同じ部位属性番号か
ら接合情報を作成する方法である。たとえば前見頃と脇
見頃の接合部分のように2つの型紙で同じ式を用いてサ
イズ展開すればいい場合、衣服の設計時にCADのオペレ
ータが2枚の型紙のその部分に同じ部位属性番号を付け
ることが多い。これを利用し、複数の別の型紙上で同じ
部位属性番号がついている場合には、その部分が接合さ
れると判定するわけである。
【0104】衣服にはいろいろな形状のものがあり、上
記のふたつの方法だけでは対応できない部位属性情報も
数多く存在する。その場合はCAD側に準備しておいた
既存の番号を利用せずに、別途サイズ展開用の計算式と
ともに番号を定義する必要がある。
【0105】型紙CADにデータを入力する作業者はパタ
ーン有知識者であるためどこが縫製されるべきか理解し
ながら作業を行っている。
【0106】そこで部位属性情報を入力する際に、同時
に接合情報を抽出できるように番号を指定する方法を用
いるのもよい。たとえば図10のように接合されるべき
パーツが2枚以上に及ぶ場合は部位属性情報の番号を接
合される部分においては405a、405b、405
c、405dという記号を付けておく。これをすべて同
じ405番にしないのは、それぞれが別の型紙でなおか
つサイズ展開に用いる計算式が別々だからである。しか
しながら、4つはすべて405系の番号がついているた
めに先ほど二つ目に説明した別型紙で同じ部位属性情報
が着いている部分から接合情報を作成する方法を用いる
ことができる。
【0107】接合情報を作成する際に注意すべきは、上
記いずれの方法も衣服型紙は左右対称形であり、右と左
の部品では同じ番号が存在する点である。このため違う
部品同士で同じ部位属性番号をもっている部分を探し出
すだけでは、本来接合されるべきではない左右同形状の
パーツ間にも誤って接合情報をつけてしまう可能性があ
る。そこで型紙名称を利用して左右の判別を行い、隣り
合う型紙同士で、なおかつ同じ部位属性情報を持つ部分
が接合すると判断し、接合情報を自動取得するようにす
る。
【0108】たとえば、型紙名称は図11のように左右
をわけて定義する。右側なら前見頃から脇にいくに従
い、A1、A2...A10のような付け方をし、後ろ身
頃は後ろ脇方向へからAA1、AA2...AA10のよ
うに名称を定義する。また、左側は前見頃から脇にいく
に従い、B1、B2...B10のような付け方をし、後
ろ身頃は後ろ脇方向へからBB1、BB2...BB10
とする。
【0109】このように前後左右はアルファベットで定
義し、その順番を数字で定義することにより型紙名称か
ら隣り合う型紙名称が判断でき、隣り合う型紙で、かつ
部位属性情報が同じである、またはマスタデータの組み
合わせに該当する場合には接合されると判断して、接合
情報を作成することが可能となる。
【0110】上記の方法ではどうしても接合情報を自動
的に取得できないような場合も存在する。たとえば衣服
のデザインが左右非対称形状で、パーツもすべて左右が
共通でないような場合や、他のCADデータを利用して着
装計算を行う場合などである。このように自動で取得で
きない接合情報に関しては手動で入力する。この作業
は、オペレータが読み込み、または入力したパーツのデ
ータを画面上に表示し、接合されるべき点または線のペ
アを入力していく方法が好ましい。操作画面上で接合さ
れるべき複数の点の間が点線などで表示されれば確認し
やすく好ましい。
【0111】なお、衣服の場合、縫製方法として、縫い
代を糸で縫う、のりで接着後糸縫いするなど多様な方法
が存在する。さらに縫い方についても様々な方法が存在
するが、こうした縫製方法の違いは衣服の出来上りに大
きく影響を与える。したがって、接合情報を定義する際
にも、接合の方法により接合情報を区別する必要があ
る。接合情報を区別するためには、接合される点同士あ
るいはライン同士でペアリングされたペア(以下接合ペ
ア)毎に接合方法1、接合方法2などのように接合属性
を与える方法が望ましい。
【0112】また、ボタン留めについてもボタンとボタ
ンホールのペアを接合ペアとして接合情報を与え、接合
させる方法が一般的であるが、この場合もパーツ同士の
接合情報とは区別するため接合属性をボタン接合として
登録することが望ましい。
【0113】次に、部品の形状を表す点列データを多角
形からなる微小な要素に分割する。
【0114】CADから得た型紙形状の線に関する情報と
しては前述の通り、部品の形状を表す線情報の他に、縦
糸の方向を表す情報、ポケットを取り付けるための補助
線や、芯地や見返しを張りつけるためのガイドライン、
縫い代や実際に衣服に仕上がった際に衣服の表面に現れ
る生地の外形をあらわした仕上がり線、布の伸縮を考慮
して衣服を組み立てる際に布に記される接合すべき点を
表す合印、布の折り返し線などが含まれている。
【0115】はじめに、上記線データから最終的に衣服
形状として作成するのに必要な線の選択を行う。これは
CADに含まれる線種により自動的に選択することが可能
である。主に選択に必要な線種は仕上がり線:16、折
れ線:11、ダーツ線:15、パンツやプリーツスカー
トのプレスライン、ポケット取り付け線:13などが考
えられる。一例を図12に示す。
【0116】特に折れ線は、そこで布が折れ曲がるため
に微小要素の節点が折れ線上にあることが必要となる。
これらの線群は形状をあらわす一番外側の線が閉じた領
域になっていれば、内部に独立した線分や領域をもって
いてもかまわない。線が自動選択された状態の型紙の例
を図13に示す。この図はジャケットの前身頃:17と
脇の身頃:18だが前身頃型紙の外形形状を表す線の内
部には折れ線とダーツ線が含まれていることがわかる。
【0117】次に、ステップ4として、選択された型紙
の形状をあらわす線群を、メッシュ作成のために細かい
線分に分割する。ここで、前述の作成した部品同士の接
合情報と、この中で合印とを利用する。合印とは布と布
を縫い合わせる部分をいくつかの区間にわけるための印
である。縫合される布同士は必ずしも長さが一致してい
るわけではなく、ある区間は一方の布の方だけわざと長
さを変えておくことがある。この長さの違う区間では短
いほうの布を伸ばしながら縫合することで、その部分に
立体感を出す‘いせ込み’を作ることが可能となる。こ
のように縫合部分を区間分けするのが合印である。
【0118】メッシュ作成のための細かい線分への分割
は、接合される2枚の型紙の接合部分の曲線のまがり具
合を判断し、曲率の大きいところは要素分割数を細かく
する。つまり、接合部分において、片方が直線で片側が
曲がっている際には曲がっている方にあわせて細かく要
素分割を行う。また、前述の‘いせ込み’部分は合印に
より判断し、長さが違っていても分割数が同じになるよ
うにする。
【0119】最後に型紙内部を多角形の微小要素に分割
する。微小要素を構成する節点の定義方法は反時計回り
または時計回りに一貫した方向に沿った順番に番号をつ
けるようにするのが好ましい。図14に3角形の微小要
素の例を示す。ここで、要素18の番号がたとえば反時
計回りになっている時にその面が表を表すと定義する。
また、生地の縦、横糸方向を表す情報として、構成節点
のうち、例えば1番目から2番目の節点に向かうベクト
ルが部品の横糸方向21となす角度20を要素に情報と
して付加するのが好ましい。これにより衣服の着装状態
計算の際に布が持っている縦糸方向と横糸方向の異方性
に基づいた計算が可能となる。また、衣服の着装状態の
計算後も布の表、裏の情報と横糸方向の情報を認識する
ことが出来、微小要素から形成された衣服モデル上に生
地の柄をテクスチャマッピング画像を作成することで、
衣服の仕上がり状態を様々な生地の柄で確認する事が可
能となる。
【0120】微小要素への分割方法は様々なものが提案
されているが、「3次元CAD/CAMのための衣服型紙とそ
の自動有限要素分割」繊維学会誌.Vol.42.No.4.p101-10
9などに記載の方法を用いるのも良い。この方法は型紙
の形状においてようになっている。内部の要素は基本的
に正3角形で構成されるためなるべく均質な要素が作成
できる利点を持つ。
【0121】この要素分割を行うと、部品は節点と要素
により構成された部品モデルとなる。図15はその模式
図である。図15(a)ではパーツは点と、線で構成され
た状態でパーツ同士の接合情報:24は点と点をつなぐ
情報である。これを新たに節点同士の組み合わせとして
再構成し直す。つまり、接合されるべき部品それぞれの
接合されるライン上にある節点を探し出して、節点同士
の接合データとして記憶させる。節点と要素に分割され
たパーツモデルが図15(b)である。部品は微小要素
と、節点で構成されるため、接合情報も再構成しなおし
て節点と節点の接合情報:25となる。
【0122】次にステップ5として、衣服の着装計算を
行うにあたり、部品群に生じる曲げ、引張り、せん断回
復力の計算のため、物体に力学的特性を与える。着装計
算においては組立てる際や、人体との接触や干渉の際に
人体や外部から受ける重力などの力学的バランスを、力
学的に計算する。その力に対して部品が変形する特性と
して力学的特性を与える。この特性値が大きいと力に対
して部品の曲がりや変形が生じにくくなり、いわゆる硬
めの生地となる。着装形状でもしわなどの少ない、はり
のある形状となる。逆に特性値が小さい場合には細かい
しわなども再現されるようになるが、計算時の人体の衣
服モデルに対する位置などの違いにより着装計算で求め
られる形態が非常に多様になる。
【0123】この特性を利用して衣服の場合は場所ごと
に生地の強度の違いをつけてシルエットが美しく見える
ように工夫されている。たとえば、襟や見頃の肩周り部
分などに芯地や裏地を貼るなどである。
【0124】これらの芯地や裏地の情報はパターン有知
識者である型紙CAD操作者が判断し、CADにあらか
じめ入力してある情報である。また、着装計算を行う際
には、実際に表布に裏地を貼るようなことは行わず、そ
のパーツの力学的特性を、裏地を張った際と同等の値に
する方が簡便であり好ましい。そこで、この情報を利用
して、衣服の部品のうち生地の物性が強くなる部分を自
動的に抽出し、布の物性値をパーツごとに自動的に定義
する。
【0125】具体的に利用するCADデータ中の情報
は、前述の生地区分情報、型紙名称(衿、前見返し、裏
地)、型紙上の裏芯地貼り付け線などがある。
【0126】例としてジャケットの衿部品を考えてみ
る。CADデータ中の衿部品が図16のように地襟:2
6と芯地:27、台襟:28の3枚が入っている場合、
これらは接着や縫製により一枚になると判断することが
できる。さらに部品ごとにどの生地が使われているかは
生地区分データによりわかる。生地区分データは部品ご
とに使われる布の種類が定義してある。この例では地
襟:26と台襟:28の物性値が同じaで芯地:27が
bであることが生地区分データからわかる。よって、こ
の部分の物性を2×a+bとすることにより、部分ごと
の強度の違いを自動的に設定できる。CADデータ中の襟
パーツの有無判定はパーツ名称から容易に判断が可能で
ある。あとは布の物性値aと芯地の物性値bを入力する
だけで着装計算が可能となる。
【0127】また、芯地は表地の一部にしか貼られない
場合も存在する。この時は型紙上の裏芯貼付け線も含め
て先の要素分割をしておいて、芯地の部品モデルと重ね
合わせて、芯地が当てはまるところだけ上記の方法で特
性値の設定をする。
【0128】これらの力学的特性の入力に関しては手動
で入力することも可能である。他のCADデータを利用す
る場合や、芯地などを使わない場合のシルエットの違い
を確認するケースも存在するからである。この場合の作
業は、オペレータが読み込み、または入力した型紙部品
のデータを画面上に表示し、力学的特性の違いにより色
分けされて画面に表示されると作業者が判断しやすく好
ましい。作業者は画面上で特性を変更すべき型紙を指定
し、加えられる芯地や裏地などの情報を型紙上に追加す
れば良い。
【0129】計算時に与える力学的特性は前記の要素定
義法を利用することで、縦糸と横糸の物性値を別々に与
えることが可能である。この時与える物性値は布本来の
布の力学特性として、繊維業界に広く利用されているK
ES(Kawabata's Evaluation System for fabri
c)特性を利用するのが一般的であり、好ましい。これ
により布の異方性に基づいた着装状態の予測が可能とな
り、より現実の布に近い仕上がり形状の予測が可能とな
る。
【0130】次のステップ6として人体形状またはそれ
に類するマネキンや人台の形状モデルのデータ入力を行
う。人体形状のモデルは前述の衣服の部品モデルと同様
の微小要素により構成されているのが望ましい。または
モデルの高さ方向にある一定間隔ごとに形状を表す点列
データが存在するような輪切りのデータ構成である場合
には、微小要素で構成しなおす。微小要素により構成さ
れた人体モデルの例を図17に示す。
【0131】そのほかのデータ入力手法としてはたとえ
ばミノルタ株式会社製のVIVID700のようなレーザー
で形状を測定する3次元測定器を用いて人物の3次元形
状を測定した点群データを利用することも考えられる。
これらの点群データを衣服の部品モデルと同様に微小要
素に分割する。この手法については、「ボリューミング
手法を用いた点群データからのポリゴン及び曲面モデル
自動再構成」(第13回NICOGRAPH/MULTIMEDIA論文コンテ
スト論文集p70〜79,1997)など多数ある。
【0132】着装計算を行う場合、人体モデルと衣服モ
デルとの接触を判定する必要がある。このとき、人体モ
デルの要素と衣服モデルの要素が干渉していないかどう
かを確認する。その際に衣服上のある点と、接触してい
る可能性のある人体側の要素を探索し、交差している場
合は衣服モデルの要素を人体モデルの外に押し出す計算
を行う。これを‘干渉チェック‘という。
【0133】干渉チェックを行う観点から、人体モデル
と衣服の干渉を計算する際に正確に判定するために人体
モデルは関節部分などの要素分割数がなるべく細かいこ
とが好ましい。これはわきの下などの部分では身頃と袖
の部品が、腕と胸の間にはさまれているため正確な干渉
チェックが必要になるからである。
【0134】しかしながら前記要素分割は上記の条件が
充分再現される範囲で分割される要素数が少なければ少
ないほど好ましい。このためには例えば、人体形状モデ
ル上の緩やかな曲面にはなるべく大きな要素を作成した
りするルール付けを行うなどの手法を取る方法が考えら
れる。これにより、衣服モデルとの接触判定をする際に
処理速度の向上が期待できる。
【0135】次に要素に分割された衣服を人体形状モデ
ル上の適切な位置に着装計算を行うためのガイドとなる
特徴点を設定する(図18)。人体形状モデル側への特
徴点の設定としては、たとえば人体形状モデルの中心線
を表す線や脇の下の垂直線26上の点と、バストライン
25、ウエストライン27、ヒップライン28上の点ま
たはそれらの交点、バストライン上では乳頭点、頸椎点
(首の後ろ付け根の点、ネックポイント)、人体形状モ
デルが様々なポーズを取っている場合にでも適切に着せ
つけられるように各関節部分(肘29、手首30、ヒザ
31など)が考えられる。
【0136】頸椎点とは、首の後ろ頸椎棘突起の先端の
点であり、腋点とは、腋の下の点であり、肩峰点とは肩
甲骨の肩峰の外側縁のうち最も外側に突出している点で
あり、会陰点とは足の付け根部分の股の中心点である。
【0137】人体形状モデルの側には一度これらの点を
設定しておけば、様々なポーズを取った人体形状に衣服
を着せつける計算を行う場合や、様々な形状の衣服を着
せつける場合、重ね着を行う場合、わざと着くずした着
装状態を計算する場合でも人体形状モデル側あるいは衣
服側の特徴点の設定を変えることにより様々な着こなし
状態の計算を行うことが可能となる。
【0138】次にステップ7として、人体モデル上に設
定した特徴点と衣服の部品上に対応する特徴点との対応
関係の作成を行う。衣服の部品上には前述の通り部位属
性情報が含まれているため、たとえば型紙上の頚椎点な
どの判別は自動で可能である。そこで、人体の側の頚椎
点と衣服の側の頚椎点を着装計算の際、位置関係を保持
するために使うかどうかの対応付けを行う。
【0139】この対応関係は、衣服を人体モデル上の所
望の位置に組立て計算し、その後の着装計算のシルエッ
トを作る上で重要な点に設定する必要がある。
【0140】また、設定すべき対応関係は、通常ジャケ
ット、ドレス、スカート、パンツなど服種毎に異なる。
例えば、ジャケットやベストなどトップスの身頃の位置
合せには、頸椎点と左右の腋点(腋の下の点)の3点が
好適である。また、袖の位置合せでは、長袖の場合、両
腕の肘点と手首点の4点が好適である。ただし、半袖、
七分袖の場合には別途腕に特徴点を設けるとより好まし
いことが多い。また、例えばドレスの場合は、頸椎点が
設定できる場合は、トップスと同様であるが、キャミソ
ールなどドレス側にネックポイントに対応する特徴点が
設定できない場合には、ネックポイントのかわりに肩紐
がかかる肩峰点などに特徴点を設定する。また、例えば
スカートの場合には、ウェストの前後左右の4点が好適
である。また、例えばパンツの場合には、スカート同
様、ウェストの4点に加え、会陰点(股下の点)、両足
の膝点、足首点の4点が好適である。ただし、半ズボン
などの場合には、袖同様、別途特徴点を設ける必要があ
る。以上は、特徴点による着せ付け情報の付与について
述べたが、ウェストライン、バストライン、サイドライ
ンなど、ラインでの設定も可能である。
【0141】人体のポーズが直立姿勢に近い場合など
は、対応関係の設定を少なくしてもかまわない。
【0142】この人体形状モデルと衣服の部品モデルの
特徴点の間に衣服の組立計算を行う際にこの点同士の位
置関係を保持する引力や点同士を近づけるような強制変
位を与えることにより、ポーズに合わせた衣服の着せ付
けや着くずした位置への着せ付けなど任意の位置への着
せ付けを行うことが出来る。この技術に関しては本出願
人による特願平10−84064号明細書に詳しく記述
されている。
【0143】次はステップ8である。要素分割された2
次元の部品モデルを部品どうし接合して、かつ人体モデ
ルに着せ付ける「組立て計算」を行うには、部品モデル
を人体の周りの3次元空間中に適切に配置する作業が必
要となる。これは、着装計算の時間短縮や、計算結果の
衣服形状の状態が所望の形状になるかどうかに大きく影
響するためである。
【0144】パーツの自動配置に関しては、パーツに付
けられた名称と、パーツ間の接合情報、パーツに設定さ
れた部位属性情報、人体モデルに設定した特徴点の情報
を利用して行う。本発明では部品が配置されたこの状態
を「初期形状」と呼ぶこととする。
【0145】まず、部品が人体モデルに対して前後左右
のどの位置にあるかと、前中心、後ろ中心からどういう
順序で並んでいるかということを部品名称から判断す
る。
【0146】この時同時に、見頃部分、袖、衿、ベル
ト、ポケットなどをパーツ名から分類する。パーツ名称
により判断し型紙を順序にならべた状態を図19に示
す。衣服の前中心と後ろ中心から外に向かって順番に部
品が配置されていることがわかる。
【0147】次に、ステップ3で作成した接合情報を利
用して、部品同士の初期配置を決定する。接合しあう部
品同士は近傍に隣接させておくことにより計算時間の短
縮できることと、組上がる際に部品同士が引っ張り合っ
て余計な変形やひずみを発生させない利点もある。
【0148】最後に部品の部位属性情報と人体モデルの
特徴点との関係を用いて型紙を人体周りに配置する。こ
の状態を図20に示す。衣服形状になった段階で人体に
対して前方に位置する部品:36は前方に配置し、後方
に位置する部品:37は後方に配置される。
【0149】衣料・服飾品の場合、同じ袖に見えても裁
断位置は様々であり、部品構成枚数や部品形状は様々な
形状が存在するため、部品初期配置方法は衣服のケース
ごとに最適なものを選択して行うのが好ましい。
【0150】たとえば袖の場合、1枚袖や2枚袖などデ
ザインによって部品の構成が異なる場合でも、部品の枚
数と部品についた部位属性情報を利用することで腕に対
する袖の部品の配置を自動的に設定できる。
【0151】ステップ9は組立て計算と着装計算であ
る。衣服を構成する部品同士の接合と人体形状モデルへ
の着せ付けを行う組立て計算は、前述の方法により自動
的に作成された上記データ群すなわち、衣服の部品モデ
ル同士の接合情報や衣服の部品モデルと人体形状モデル
の位置関係保持情報と、先に入力された材料の特性情報
を用いて行われる。ここでいう力学的特性は、部品が要
素間のラインをはさんで屈折する際の曲がりにくさを表
す曲げ剛性、要素の伸びにくさ、歪みにくさを表わす弾
性率やせん断剛性など外力に対する変形特性の情報であ
る。
【0152】部品には部品同士を組み立てるために接合
されるべき複数の部品の節点のペアに働く接合力と、組
立構造体を被覆物体の適切な位置に着せつけるように部
品と人体形状モデル双方に設定した特徴点間の位置関係
を保持しようとする仮想的な引力が同時に働くようにす
る。
【0153】この時、与える位置関係保持力を部品同士
の接合力より弱めに設定しておくと、接合されるべき部
品同士が離れたままになることを防ぐことが出来るが、
この力の関係は衣服の形状によって適切なものを選択す
るのが好ましい。たとえば腕の部分に袖をつける場合を
考える。袖単体では組立てられた際、円筒形になるのが
一つの安定した形である。腕がまっすぐの場合は袖形状
と腕がほぼ一致するために位置関係保持力は接合力の1
/10くらいで弱くてもかまわないが、腕が曲がってい
てそれに着せつける場合には腕の湾曲にあわせて袖を曲
げた状態にする必要がある。この場合には位置関係保持
力を接合力の1/3にするなど強めの力を与えるわけで
ある。こうすることにより袖が湾曲した腕にフィットし
ながら組立てられることになる。
【0154】この衣服部品モデルの人体への着せ付け計
算の段階までは、部品モデルに重力をかけず、部品に与
える屈折しやすさを表す材料の物性値である曲げ剛性は
布の物性、もしくは本来の布よりも硬いものとした物性
を与えることが好ましい。曲げ剛性の倍率は、元となる
布の物性により異なるが5倍から100倍ほどとなる。
これにより着せ付け後の立体形状を安定して求めること
が出来る。
【0155】すべての接合するべき部品同士の節点の距
離があるしきい値以下になった時点で組み立ては終わっ
たと判断し、これら接合された節点を同一の節点として
記憶し直すと、計算で扱う節点数が減少し計算速度の向
上の点で望ましい。また、この処理を行うことにより部
品を組み立てるために節点に発生させていた接合力が不
要となる。
【0156】そして、組立て計算が完了した時点で衣服
を構成する微小要素には布本来の力学的特性を与え、重
力を印加することにより実際の着装状態の衣服モデルの
ドレープ等の質感表現のための着装計算を行う。
【0157】この時点からは、衣服モデルを人体モデル
の所望の位置に着せつけるために仮想的に与えていた位
置関係保持力を解除し、人体モデル表面と衣服モデルの
接触、干渉や摩擦も考慮した計算を行う。この場合、衣
服の形状モデルが人体形状モデルの内側に一部または全
部入り込んだときにこの部分を人体形状モデルの外に押
し出すような力を発生させたり、強制変位を与えて計算
を行うことにより自然な着装計算ができ、好ましい。衣
服の重ね着計算を行う際は第1に着装計算した衣服と、
その上から重ねて着せる第2の衣服間に生じる摩擦や干
渉に基づいた計算を行うこととなる。
【0158】また、これらの着装計算(最終状態予測の
計算)は、はじめから重力を与え、衣服の部品にも布本
来の物性を与えて直接の着装状態計算を求めるのも良
い。
【0159】この着せ付け情報を付加した着装計算に関
しては本出願人による特願平10−84064号明細書
に詳しく記述されている。
【0160】また、この着装計算は本出願人による特開
平10−134095号公報の「組立構造体の組立状態
解析方法、衣服の着装状態解析方法ならびに衣服の製造
方法および製造支援装置」の手法を用いて、いったん粗
い面要素に分割し、着せ付け計算を行い、その後微小要
素に分割し直してから着装状態の計算を行う手法を用い
て計算しても良い。
【0161】最後のステップとなるのがステップ10で
ある。人体モデルに着せ付けられた3次元空間中の衣服
モデルと2次元空間中に定義された部品との対応関係か
ら、衣服選択システムの画面上で変形を行うための変形
情報を作成する。部品の各部分には部位属性情報がつけ
られており、号数によるサイズ展開(グレーディング)
や個別の体型にあった型紙を作成する際の変形のルール
が計算式により番号に対応してつけられている。このル
ールを利用することにより、3次元の衣服モデル上での
変形ルールを規定する。これにより、3次元モデル上で
の変形操作が、実際に製造するための型紙と連動し、変
形後の衣服の形状についても実際の衣服作成が不可能な
形状になってしまうような問題を回避できる。
【0162】変形情報の作成方法を、スカート丈の変形
情報の作成を例に、図21のフローチャートを用いて説
明する。
【0163】図22は、スカートの型紙CADデータの
表すパーツ情報の一部を示している。図22において、
300番〜911番は、部位属性つまり変形のためのル
ールをもった点のID番号である。この例において、5
00番、510番、600番および610番はヒップラ
イン上の点を表しており、700番、710番、800
番および810番はスカートの裾上の点を表している。
図23は、図22の型紙CADデータの表すパーツ情報
をもとに微小要素に分割した衣服の部品モデル(物品2
次元形状データ)である。
【0164】ステップA01において、変形情報作成の
対象となる衣服の部品モデルをコンピュータのメモリに
ロードする。変形箇所と変形情報作成の対象となる衣服
の部品モデルの対応ルールはあらかじめ衣服変形データ
記憶手段(223)に記憶しておき、この対応ルールに
基づいて、部品モデルがメモリにロードされる。対応ル
ールは、変形箇所と衣服の部品コード(パーツコード)
の対応関係で表すことができる。例えばスカート丈の変
形対象となる部品コードがS1,S2,S3,S4の場
合、衣服の部品モデルの中から該当する部品コードを持
つ部品データをロードすれば良い。図23の場合、S
1、S2の部品データがメモリにロードされる。
【0165】ステップA02において、変形情報を作成
するために必要な部位情報を、型紙データから抽出し、
メモリにロードする。変形箇所と変形情報を作成するた
めに必要な部位の対応ルールはあらかじめ手動で衣服変
形データ記憶手段(223)に記憶しておき、この対応
ルールに基づいて、部位情報がロードされる。スカート
丈変更の場合、ヒップ位置の情報と裾位置の情報が必要
である。型紙データ上でヒップ位置を表す部位属性情報
を持った点のID番号が510番、610番、裾位置を
表すID番号が710番、810番の場合、図22にお
いてヒップ位置を表す点として510番、610番のI
D番号をもった点が、裾位置を表す点として710番、
810番のIDをもった点が抽出される。そして、抽出
した点に対応する部品データ上の点がメモリにロードさ
れる。例えば、図22の510番に対応する点として図
23の510'番が、図22の610番に対応する点と
して図23の610'番がロードされる。
【0166】ステップA03において、ステップA02
で抽出した部位情報に基づいて、変形情報を作成する。
変形情報は、部品データを構成する微小要素の各節点の
移動の方向と大きさを表すベクトルデータとして設定さ
れる。スカート丈変更の場合、ヒップ位置をH(Hx,Hy)、
裾位置をS(Sx,Sy)とした時、節点P(Px,Py)に対する変形
情報D(Dx,Dy)は、例えば Hy≧ Py ≧ Syの場合、 Dx = 0 …(式イ) Dy = (Hy - Py) / (Hy - Sy) …(式ロ) Py≧ Hy の場合 D(Dx, Dy) = (0, 0) …(式ハ) で求めることができる。αは係数で、本実施態様例では
1とした。なお、(式イ)(式ロ)は、型紙作成のルー
ル(型紙作成の知識)に基づいて設定されるべきもので
あり、部位属性情報が登録されている型紙CADデータ
を使用して着装計算結果を行い、その衣服モデルの変形
ルールを、使用する型紙CADのグレーディングルール
と対応したものにすれば、画面で確認した衣服変形の結
果と、実際に型紙CADでサイズ展開して作成した型紙
に基づいて製造した衣服とが対応したものとすることが
できる。例えば上述したスカート丈の場合、型紙CAD
によっては、裾部のシルエットを崩さない為に、裾部の
変形量を小さくする場合がある。このような場合、(式
ロ)の係数αの値を、裾付近では0または0に近い値に
し、裾付近より上部で1より大きな値にすれば、画面で
確認した衣服変形結果は、型紙CADによって作ったC
ADデータに基づいて製造したスカートのシルエットと
対応したものにできる。
【0167】ステップA04において、ステップA03
で設定した変形情報を出力する。このように、あらかじ
め型紙作成の知識に基づいて設定した変形情報作成ルー
ルを衣服変形データ記憶手段(223)に記憶させてお
き、それらの知識と型紙データに含まれる部位属性に基
づいて変形情報を自動的に作成するので、専門知識がな
くても簡単に変形情報を作成することができる。また、
変形情報は型紙作成のルールに基づいて作成されるの
で、コンピュータ上で衣服の形状を変形した予測結果
と、実際に製造する衣服とが対応とれたものにすること
ができる。
【0168】この着装計算結果をもとに、必要なら第
2、第3またはそれ以上の衣料・服飾品を着せつけるの
もよい。たとえば、ワンピースに着装計算結果のウエス
ト部分にベルトを装着したり、上からさらにジャケット
を着せつけたりなどである。
【0169】かかる衣服の着装状態の予測計算結果に基
づいて衣服のパーツの形状や材料等を修正し、この結果
に基づいて再び予測計算することにより所望の着装状態
が得られる。この結果に基づいて、衣服のパーツ形状や
材料あるいは縫製方法、接合方法等の製造条件を最終決
定し、得られた条件に基づいて衣服を製造することがで
きる。この場合、実際に衣服を製造することなく仕上が
りが予測できるので、衣服の設計等が著しく容易とな
る。
【0170】また、上記操作を経て作成された衣服デー
タを前述の衣服選択システムにおいて利用すると、所望
の衣服と所望の生地を選択し、それらを組み合わせるこ
とにより顧客オリジナルの衣服を作成することが可能と
なる。また、上下のコーディネートを行うことで様々な
組み合わせの衣服を試すことができ、選択の幅が広がる
効果が期待できる。
【0171】衣服選択システムでは、自分が着ている状
態をさらにイメージすることができるように衣服を着用
している人体モデルを顧客体型に変形したり、顧客自身
の体型を3次元測定技術などにより測定し、その人体形
状に対して衣服モデルを着せた状態を再現することがで
きると、より好ましい。そのうえで、顧客の体型に合
い、なおかつ衣服の形状やドレープ等を顧客の希望に合
わせて変更した自分だけのオリジナルの衣服を作成する
ことが可能となる。ここで、システム上で行ったデザイ
ンの変更は型紙と連動しているため、変更結果を型紙に
反映させて顧客の望む衣服を製造するということも当然
可能となる。
【0172】さらにリアルな表現を追求する方法とし
て、別途撮影した顧客の顔などの画像データを衣服の表
示データと合成し、顧客に似合うかどうかをよりリアル
に判定できるようにしても良い。
【0173】顧客の体型を反映させた人体モデルを作
成、利用する方法については様々な方法が考えられる
が、たとえばあらかじめ背丈を高い、標準、低いの3種
類、体型を太め、標準、痩せ型の3種類でこれらを組み
合わせた9体型を準備しておく方法も考えられるし、あ
らかじめ標準的な人体モデルを用意しておき、身長、バ
ストやウエスト、ヒップなどの数値を入力して標準的な
モデルを変形させて顧客の体型を再現する方法もある。
この体型変形については、特願平9−335671号明
細書の「物体の形状データの作成方法および物体の形状
データの作成装置ならびに物品の製造方法」などの手法
を用いるのが好ましい。この手法は変形対象である人体
モデルの特徴点たとえば頭頂部や肩、肘、乳頭点により
構成される制御用簡易人体形状モデルを作成し、その特
徴点を移動変形操作することにより人体モデルの形態変
形を行うものである。
【0174】また、着装時に衣服の各部や人体に不当な
応力等がかからないかどうかを確認するために、着装時
の再構成立体形状モデルや人体形状モデルの応力、モー
メント等の力学的状態を含む物理状態を着装時の状態と
合わせて可視化したり、任意の断面を表示して衣服と人
体の干渉具合や隙間の確認をすると衣服の設計に有用で
ある。これは、着装すべき個別の顧客の体型に基づいて
衣服を作成する場合に特に有効である。
【0175】このような衣服の選択システムについては
本出願人による特願平11−59879号明細書に詳し
く説明されている。
【0176】また、上記の例では衣服の安定状態として
静的な着装状態を求めたが、人体形状モデルとして人体
の運動をシミュレートする動的人体形状モデルを用い、
それに合わせて運動する衣服の動的な変形等を予測計算
しても良い。したがって、本発明において安定状態と
は、動的シミュレーションの場合にはかかる運動中の人
体および/または衣服のそれぞれの瞬間の状態も含んだ
概念である。
【0177】このようにして組立計算あるいはさらにこ
れに基づいて着装計算された衣服モデルをディスプレー
(204)に表示する。表示された様子に基づいてさら
にパーツ形状や素材の変更などといった仕様変更を経て
最終仕様が決定される。決定された最終仕様データは、
そのまま衣服の製造部門に伝送されるか、衣服選択シス
テムが「最終決定」の入力を受けて、その最終決定デー
タを製造部門の端末へ転送される。データを受け取った
製造部門では、たとえば自動裁断機用のデータとして処
理し生地を裁断したり、製造図面や縫製仕様書などの工
程指示書を自動作成して製造部門へのデータ共有化を行
うなどして、裁断−縫製などの衣服製造プロセスを経て
実際の衣服を製造する。このとき同時に、同じ衣服の製
造データをCADから入力することになるので着装計算
などの結果は製造時に利用されるデータと常に一致し、
データの精度の保証され、販売から製造現場までの情報
共有化を図ることが可能となるわけである。
【0178】上記実施態様例の衣服の形状データの作成
方法は、コンピュータとこれを動作させるプログラム等
によって実現されている。上記のごときプログラムおよ
び各種記憶手段のデータはフロッピー(登録商標)ディ
スク、CD−ROM等の有形記憶媒体あるいは有線もし
くは無線のネットワーク等の伝送手段等によって流通さ
れる。
【0179】
【実施例】本発明の衣服の立体形状作成方法を実現する
衣服の着装状態計算手段を用いて衣服の着装計算を行う
基本的な操作方法についてワンピースの着装計算例とあ
わせて説明する。
【0180】まず始めに、着装計算を行う衣服の部品デ
ータを入力装置から入力し、CADデータ記憶装置(2
07)に記憶する。このデータは東レ株式会社の型紙C
ADパトリエのエクスポート機能により出力されるデー
タを使用した。図27にCADデータの一部を示す。デ
ータは部品ごとに記述されており、部品名、生地区分や
枚数、部品の形状を表す点の座標データが記述されてい
る。
【0181】本発明による着装計算データ作成手段を用
いることで、型紙CAD情報の部位属性情報を利用し
て、衣服を構成する部品同士の接合情報が自動的に作成
される。
【0182】次に、演算装置により衣服の部品形状デー
タを前記の手法などを用いて微小な要素に分割する。こ
の計算と同時に接合情報は、部品間の節点同士の接合情
報として再構成され保存される。
【0183】次に、3次元の数値データからなる人体形
状モデルのデータを入力装置から入力し、補助記憶装置
に記憶する。本実施例の場合、この人体データは3角形
の微小要素により構成されたデータを用いている。そし
て、この人体モデル上に衣服との位置関係を保持するた
めの特徴点を配置する。
【0184】また、これら人体形状モデルと衣服の部品
モデルそれぞれに位置関係保持情報を付与する。本実施
例の場合は、位置関係保持データとして人体の側には首
の後ろの点と左右両側の脇の下の垂直線上の点、肘と手
首の部分について点の番号を登録し、衣服の側にも同じ
部位にあたる点の番号を登録した。そして、これらの対
応する点の間に位置関係を保持するための仮想的な引力
を与えて計算した。次に、衣服の部品モデルへ着せ付け
のための材料物性を与える。本実施例では、弾性率:1
GPa、曲げ剛性:1MPa、せん断剛性:0.1GP
a、密度:1g/cm3、部品厚さ1mmとして計算を行っ
た。
【0185】そして、前述の方法を用いて衣服の部品モ
デルを人体形状モデルの適切な位置に配置し、着せ付け
形状を計算により求める。部品が組みあがっていること
を接合点間の距離から判定し、その後、衣服モデルへの
重力を印加し、衣服と人体の摩擦、干渉を考慮し、着装
計算を行った。
【0186】この着装計算の後、前述の方法によりスカ
ートの丈の変更、UVゾーンの上下などについて変形必要
情報を設定を行った。
【0187】これらの計算により得られたワンピースの
着装状態の図を図25に示す。また、図25の状態から
袖の丈変更を行ったワンピースの着装状態の図を図26
に示す。
【0188】この計算結果に対して生地の柄をマッピン
グした状態の図を衣服選択システム上でディスプレーな
どの出力装置に出力することにより好みの衣服の選択を
行うことができる。衣服モデルは3次元モデルであるた
め、確認やデザインの変形も3次元的に可能である。ま
た、衣服選択システムでは、人体モデルに顧客の体型を
反映させ、顧客に似合う衣服をみつける事も可能である
し、別途撮影した顧客の顔などの画像データを衣服の表
示データと合成し、顧客に似合うかどうかをよりリアル
に判定できるようになっていても良い。
【0189】生地のマッピング時には、衣服の状態で生
地の柄が連続するように生地上に衣服部品を配置して生
地取りを行うマーキングという作業を行う。計算機上で
仮想的に行う場合には、連続した生地画像上に衣服部品
を適切に配置することが、マーキングにあたる。このマ
ーキングについては本出願人による特願平10−113
013号明細書に記載の方法を用いることも可能であ
る。
【0190】また、計算した衣服をよりリアルに見せる
技術として衣服の部品同士が縫製される部分にCG的に陰
影与えて縫製部分を表現する加工を施すと、表示される
衣服も出るがよりリアルになって好ましい。この手法に
ついては本出願人による特願平11−35482号明細
書に記載されている。
【0191】あるいは、ネットワークなどの通信装置を
通じてデータを転送し、離れた場所の出力装置に出力を
行う事も可能である。この他に記憶装置に格納しても良
い。
【0192】表示された着装状態の衣服を操作者がチェ
ックし、画面上で入力装置を用いて衣服の一端を摘んで
形状の変更を行ったり、生地の種類を変更したり、ゆと
り量や丈の変更を数値で入力したり画面上で変更したり
することにより、直ちにそれらの修正に基づいた計算を
行い、その結果が画面上の衣服の着装形状と部品の形状
の変更に反映される。これを試行錯誤的に繰り返すこと
により、希望する衣服の形状、布物性等の数値データを
得ることが出来る。これらの変更情報は前述の方法によ
り型紙CADと1対1で対応しており、この変更情報に
よりただちに個人用型紙や縫製仕様書を作成できる。ま
た、この数値データをネットワークなどの通信装置によ
り、生地問屋では作成された個人用の型紙に基づいて生
地の裁断を行い、縫製工場には縫製仕様書を転送するこ
とにより、顧客のための衣服または試作服を短時間でこ
のデータを元に作成することも可能である。
【0193】
【発明の効果】上述のように本発明の各形態による主な
利点としては以下のものが挙げられる。
【0194】まず一つ目は、既存型紙CADデータに存在
する実際の衣料・服飾品をはじめとする組立構造体の製
造用のデータを活用し、たとえば組立計算や着装計算用
に必要なデータを自動的に作成することにより、容易
に、正確に予測計算することができる点である。
【0195】二つ目は、衣服や型紙有知識者であるCAD
オペレータの知識が無い操作者でもそのノウハウを意識
せず衣服などの組立構造体の組立計算や着装計算といっ
た予測計算を行うことができる点である。
【0196】三つ目は従来手動作業により設定していた
予測計算用の各種データが自動で入力されることによる
作業工数の低減である。これにより大量の衣服データを
処理する場合でも短時間での処理が可能である。
【0197】四つ目は衣服の着装計算などのの予測計算
結果を用いて衣服選択システムにおいて様々な衣服を選
択、表示する際に利用する衣服データ管理用データの作
成を自動的に行うことができる点である。
【0198】これら主な四つの利点のいくつかをいかす
ことにより、衣服用のCADデータを元にして、前記着装
計算用データ作成、着装計算、3次元形状となった衣服
モデルを選択システム上で取り扱うまでに必要であった
データ作成作業を大幅に省力化できることが利点であ
る。もちろん、前述のような計算結果を生かして適宜仕
様の修正変更を加えながら衣服の製造設計を行うことに
より効率よく所望の衣服を製造できることも利点である
ことはいうまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組立構造体の着装状態解析方法の実施
形態の一例を表すフローチャートである。
【図2】本発明の組立構造体の着装状態解析方法の実施
形態の一例の流れを表す模式図である。
【図3】本発明の衣服選択システム用データベースのテ
ーブルの一例を表す図である。
【図4】本発明の型紙CADのデータ構造を説明する図
である。
【図5】本発明の3種類のバリエーションを持つ衣服デ
ータを説明する図である。
【図6】本発明においてバリエーションを持つデザイン
の1デザインに含まれる型紙一覧表を例を説明図であ
る。
【図7】本発明においてデザインに含まれるバリエーシ
ョン変更箇所とその数をあらわす一覧表の例の説明図で
ある。
【図8】型紙の部位属性情報を説明する図である。
【図9】接合情報ファイルの一例を説明する図である。
【図10】型紙の部位属性情報を説明する図である。
【図11】型紙の名称の付け方を説明する図である。
【図12】複数の種類の線を含んだ型紙の例を説明する
図である。
【図13】メッシュ作成用に必要な線が自動選択された
状態の型紙を説明する図である。
【図14】部品上に設定された例えば3角形要素に関す
るルールを説明する図である。
【図15】部品を微小要素に分割した際の部品間の接合
情報の再構成を説明する図である。
【図16】ジャケットの衿型紙を説明する図である。
【図17】メッシュ分割された人体形状モデルの一例を
説明する図である。
【図18】人体形状モデルと特徴点の位置の一例を説明
する図である。
【図19】ジャケットの前見頃と後見頃をそれぞれ配列
した例を説明する図である。
【図20】ジャケットの前見頃と後見頃を人体まわりに
配置した例を説明する図である。
【図21】テ゛サ゛イン変形のフローチャートである。
【図22】衣服の形状と各部の部位属性情報をあらわす
図である。
【図23】図22に対応した衣服のポリゴンモデルをあ
らわす図である。
【図24】本発明を実施するための装置の概略構成図の
一例を説明する図である。
【図25】長袖ワンピースの着装計算結果例の図であ
る。
【図26】七分、半袖ワンピースの着装計算結果例の図
である。
【図27】着装計算結果例におけるCADデータの一部
を示す図である。
【符号の説明】
1:入力した衣服形状 2:要素分割された衣服部品 3:袖部品 4:人体形状モデル側に設定された特徴点 5:衣服モデル側に設定された特徴点 6:2次元の部品の変形設定 7:3次元の部品の変形設定 8:衣服の前見頃部品 9:衣服の後ろ身頃部品 10:部位属性情報 11:折れ線 12:見返し縫い付け線 13:ポケット取付線 14:合印 15:ダーツ線 16:仕上がり線 17:ジャケット前身頃 18:ジャケット脇身頃 19:3角形要素 20:横糸とのなす角θ 21:布の横糸方向を表すベクトル 22:1番目の節点 23:2番目の節点 24:部品間に設定された接合データ 25:要素分割したあとの節点間の接合データ 26:地衿 27:芯地 28:台衿 29:人体モデル上のバストライン 30:人体モデル上のワキの下ライン 31:人体モデル上のウエストライン 32:人体モデル上のヒップライン 33:衣服部品との接合データとなる手首の特徴点 34:衣服部品との接合データとなるひじの特徴点 35:衣服部品との接合データとなるひざの特徴点 36:人体モデルに対し前方に配置される衣服部品 37:人体モデルに対し後方に配置される衣服部品 201:コンピュータ 202:キーボード 203:マウス 204:ディスプレー 205:プリンタ 206:ハードディスク装置 207:CADデータ記憶手段 208:パーツ接合情報記憶手段 209:着せ付け情報記憶手段 210:部品毎の力学的特性情報記憶手段 211:要素分割された部品モデル記憶手段 212:組立計算初期データ記憶手段 213:衣服着装計算データ記憶手段 214:衣服選択システム用データ(管理用データ)記
憶手段 215:パーツ接合情報作成支援手段 216:着せ付け情報作成支援手段 217:部品毎の力学的特性情報作成支援手段 218:部品モデル要素分割支援手段 219:組立計算初期データ作成支援手段 220:衣服選択システム用データ(管理データ)作成
支援手段 221:変形データ作成支援手段 222:着装計算手段 223:衣服変形データ記憶手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 光章 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 5B046 AA10 DA02 DA03 FA04 FA06 FA18 GA01 JA04 KA07

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つ以上の部品からなる組立構造体の各部
    品の形状および部品各部の相互の位置関係に関する製造
    データおよび/または設計情報を記憶した設計情報記憶
    手段と、該設計情報記憶手段に記憶された製造データお
    よび/または設計情報に基づいて組立構造体の組立状態
    の予測計算に用いるデータを所定のフォーマットに変換
    して作成する予測計算データ作成手段とを備えてなる組
    立構造体の製造支援装置。
  2. 【請求項2】一つ以上の部品からなる組立構造体の各部
    品の形状および部品各部の相互の位置関係に関する製造
    データおよび/または設計情報を記憶した設計情報記憶
    手段と、該設計情報記憶手段に記憶された製造データお
    よび/または設計情報に基づいて組立構造体の組立状態
    の予測計算に用いるデータを所定のフォーマットに変換
    して作成する予測計算データ作成手段と、被覆物体モデ
    ル上の所望の位置への被覆状態の予測計算に用いる被覆
    情報データを作成する被覆情報作成手段とを備えてなる
    組立構造体の製造支援装置。
  3. 【請求項3】前記予測計算データ作成手段は、各部品の
    前記設計情報から部品各部同士の接合情報を含むデータ
    を作成するものである請求項1または2に記載の組立構
    造体の製造支援装置。
  4. 【請求項4】前記予測計算データ作成手段は、接合情報
    として部品各部同士の接合種類の情報を含むデータを作
    成するものである請求項3に記載の組立構造体の製造支
    援装置。
  5. 【請求項5】前記設計情報記憶手段は部品の力学的特性
    情報を記憶するものであり、前記予測計算データ作成手
    段は、該力学的特性情報に基づいて力学的特性データを
    作成するものである請求項1〜4のいずれかに記載の組
    立構造体の製造支援装置。
  6. 【請求項6】前記予測計算データ作成手段は部品の組立
    状態の予測計算を開始する際の各部品の初期位置の情報
    を含むデータを作成するものである請求項1〜5のいず
    れかに記載の組立構造体の製造支援装置。
  7. 【請求項7】前記予測計算データ作成手段は、部品各部
    と被覆物体上の所望の位置との位置合わせ情報データを
    作成するものである請求項2に記載の組立構造体の製造
    支援装置。
  8. 【請求項8】前記予測計算データ作成手段は、各部品の
    前記設計情報から、前記組立構造体の任意の個所の変形
    を行うために用いる変形情報データを作成するものであ
    る請求項1〜7のいずれかに記載の組立構造体の製造支
    援装置。
  9. 【請求項9】前記予測計算データ作成手段により作成さ
    れたデータに基づいて部品モデルを組み立てる組立計算
    手段と、該組立計算手段により組み立てられた部品モデ
    ルの最終的な組立状態を力学的に計算する最終状態予測
    計算手段と、該最終状態予測計算手段により得られた部
    品モデルの最終状態予測計算結果を表示する表示手段と
    を備えた請求項1〜8のいずれかに記載の組立構造体の
    製造支援装置。
  10. 【請求項10】前記表示手段は、前記最終状態予測計算
    手段により得られた組立構造体の部品モデルの一つ以上
    を組み合わせて表示することができるものである請求項
    9に記載の組立構造体の製造支援装置。
  11. 【請求項11】前記変形情報を利用して前記最終状態予
    測計算手段により得られた部品モデルを変形させる変形
    後予測計算手段と、該変形後予測計算手段により得られ
    た部品モデルの変形後予測計算結果を表示する表示手段
    とを備えた請求項1〜11のいずれかに記載の組立構造
    体の製造支援装置。
  12. 【請求項12】一つ以上の部品からなる組立構造体の各
    部品の形状および部品各部の相互の位置関係に関する製
    造データおよび/または設計情報を記憶した設計情報記
    憶手段と、該設計情報記憶手段に記憶された製造データ
    および/または設計情報に基づいて、一つ以上の組立構
    造体の部品モデルを管理するための管理用データを作成
    する管理用データ作成手段を備えてなる組立構造体の製
    造支援装置。
  13. 【請求項13】一つ以上の部品からなる組立構造体の各
    部品の形状および部品各部の相互の位置関係に関する製
    造データおよび/または設計情報を記憶した設計情報記
    憶手段から前記製造データおよび/または設計情報を読
    み出し、該製造データおよび/または設計情報に基づい
    て組立構造体の組立状態の予測計算に用いるデータを作
    成する予測計算データ作成工程と、該予測計算データ作
    成工程により作成されたデータに基づいて部品モデルを
    組み立てる組立計算工程と、該組立計算工程により組み
    立てられた部品モデルの形状に基づいて最終的な組立状
    態を表示する工程と、表示された組立状態の基づいて組
    み立て構造体の最終仕様を決定し、決定された最終仕様
    に基づいて組み立て構造体を製造する工程とを備えてな
    る組立構造体の製造方法。
  14. 【請求項14】前記組立構造体は衣料・服飾品である請
    求項13に記載の組立構造体の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の組立構造体の製造の
    方法により製造された衣料・服飾品。
  16. 【請求項16】請求項1〜12のいずれかに記載の組立
    構造体の製造装置の各手段の手順をコンピュータを用い
    て実施できるようにコンピュータを動作させるソフトウ
    ェアを記憶した記憶媒体。
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