JP2000003383A - 組立構造体の着装状態解析方法ならびに衣料服飾品の製造方法および製造支援装置 - Google Patents

組立構造体の着装状態解析方法ならびに衣料服飾品の製造方法および製造支援装置

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JP2000003383A
JP2000003383A JP11084180A JP8418099A JP2000003383A JP 2000003383 A JP2000003383 A JP 2000003383A JP 11084180 A JP11084180 A JP 11084180A JP 8418099 A JP8418099 A JP 8418099A JP 2000003383 A JP2000003383 A JP 2000003383A
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Hideyuki Tanaka
秀行 田中
Futoshi Tanaka
太 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】衣料服飾品類のデザイン、型紙の作成、縫製後
の立体形状の再現、人体への着装状態を現実の服を作成
することなく、幾何学的あるいは、力学的な計算方法に
基づいて予測する計算方法と、その状態を観察、評価す
るための表示方法を提供すること。 【解決手段】衣料服飾品の部品及びそれらの接合データ
および前記部品モデルと人体などとの位置関係保持デー
タ、布の物理的特性、衣料服飾品を着装する人体の形状
から組立後の着装状態を計算機により模擬実験し、表示
する。この結果に基づいてデザインの変更、型紙の修
正、生地の変更などの条件変更を行い、最適な衣料服飾
品の設計を支援する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣服などの衣料服
飾品や布団、枕やカバー類のデザイン、型紙の作成や衣
料服飾品のパーツの組立後の計算機上での立体形状の再
現、またはこれら組立構造体の人体をはじめとした被覆
物体への着装状態を実物を作成することなく、幾何学的
あるいは、力学的な計算方法に基づいて予測する解析方
法と、かかる解析方法の解析の結果に基づく組立構造物
の製造方法および組立構造物の製造支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】組立構造体の一つである衣服の着装状態
を3次元的に予測し、表示する従来の手法は特開昭63
−303106号公報や特開平8−44785号公報、
特開平8−325821号公報などに開示されている。
【0003】特開昭63−303106号公報の手法で
は、衣服の立体形状計算のために初期に設定する形状が
現実の衣服とはかけ離れたものであるために、そこから
エネルギ極小の状態を求めても望ましい着装形状が求め
られない場合もある。また、ポーズがついた人体などに
着せつけることは困難であるといった問題点を有してい
た。
【0004】特開平8−44785号公報の手法では、
衣服の立体形状作成時に、微小要素に分割された衣服構
成部品と部品同士の接合情報を用いて、人体形状や人体
などの物体に前記部品をマウスなどの外部入力装置を用
いて適当な位置に移動させ、結合情報に基づいて部品同
士を結合することにより立体形状作成を行っている。計
算の際、衣服部品をマウスなどの外部入力装置を用いて
移動させるため、計算を行う度に作業する必要がある点
や、そのときの配置の位置により同じ形態が得られると
は限らないという問題点がある。本手法でもポーズがつ
いた人体などに着せつけることは困難である問題点も有
している。
【0005】このような衣服の立体形状計算では、実際
の衣服の着せつけと同じく、着せつけた状態は様々であ
り、計算のやり方によって計算実行者の所望の形態が得
られるとは限らないという問題点がある。また、いずれ
の方法も直立姿勢の人体やマネキンモデルへの着せつけ
が可能でも、腕や足が曲がったようなあるポーズが設定
されたモデルへの着せつけは困難であった。
【0006】その他に違う体型の人体形状モデルに同じ
条件で着せつけて、体型別の着こなし比較を行う事も困
難であった。
【0007】また、従来の手法ではいわゆる正しく着こ
なした状態の計算を行うことが可能ではあるものの、そ
の衣服をわざとずらして着たり、着くずしたような個性
的な着方をした場合の着装計算を行うことは出来ないと
いった問題点もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来の手
法によると、衣料服飾品をはじめとする組立構造体の人
体形状モデルへの着装状態を求める際、たとえ組立構造
体が立体形状となっても前後にずれていたりして所望の
形態が得られるとは限らないという問題点がある。
【0009】そこで、本発明は、上記の問題を解決する
ために、組立構造体を被覆物体の所望の位置に意図通り
に精度良く着装する計算をするための組立構造体の着装
状態解析方法および組立構造体の製造支援装置を提供す
ることを第1の目的としている。たとえばこの組立構造
体を衣料服飾品とし、被覆物体を人体形状モデルとした
場合には衣料服飾品の着装状態解析方法等となる。
【0010】また、本発明は、腕や足が曲がったような
あるポーズが設定された人体形状モデルへの衣料服飾品
の着装状態をより短時間で精度良く予測するための計算
方法を提供することを第2の目的としている。
【0011】また、本発明は、基本となる人体形状モデ
ルの体型を変形させて、同じ条件で衣服の着せ付けを行
い、体型別の着こなしの比較検討を行うための計算方法
を提供することを第3の目的としている。
【0012】また、本発明は、短時間で精度良く衣料服
飾品の着装状態を予測し、この結果に基づいて短時間に
所望の衣料服飾品が得られる衣料服飾品の製造方法を提
供することを第4の目的としている。
【0013】また、本発明は、上記のごとく衣料服飾品
を製造するに際してオペレータを支援する装置を提供す
ることを第5の目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、被覆物
体とそれを覆う組立構造体との組み合わせにおいて、組
立構造体を構成する部品の少なくとも1個の要素からな
る部品モデルを作成し、前記部品モデル同士の接合部位
の接合データを作成し、前記部品モデルと前記被覆物体
モデルの位置関係保持データを作成し、前記接合デー
タ、位置関係保持データならびに前記部品からなる組立
構造体と前記被覆物体モデルとの衝突、干渉、摩擦のう
ちいずれか一つ以上および/または、部品同士の衝突、
干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/または前記
組立構造体にかかる重力による効果に基づいて前記被覆
物体モデル上の任意の位置への着装状態を予測計算する
組立構造体の着装状態解析方法が提供される。
【0015】また、本発明の別の形態によれば、被覆物
体とそれを覆う少なくとも一つ以上の組立構造体との組
み合わせにおいて、被覆物体への組立構造体の装着順序
を決定し、複数の組立構造体を構成する部品から少なく
とも1個の要素からなる部品モデルを作成し、各組立構
造体ごとの前記部品モデル同士の接合部位の接合データ
を作成し、前記部品モデルからなる組立構造体と被覆物
体モデルの位置関係保持データ、組立構造体同士の位置
関係保持データならびに、前記部品からなる組立構造体
と前記被覆物体モデルとの衝突、干渉、摩擦のうちいず
れか一つ以上および/または、複数の組立構造体同士の
衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/また
は、前記部品同士の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一
つ以上および/または前記組立構造体にかかる重力によ
る効果に基づいて前記被覆物体モデル上の任意の位置へ
の複数の組立構造体の着装状態を予測計算する組立構造
体の着装状態解析方法が提供される。
【0016】また、本発明の別の形態によれば、被覆物
体とそれを覆う複数の組立構造体と少なくとも一つ以上
の組立構造体との組み合わせにおいて、装着済みの第1
の組立構造体の着装状態予測計算結果の上からさらに第
2の組立構造体を構成する部品から少なくとも1個の要
素からなる部品モデルを作成し、前記部品モデル同士の
接合部位の接合データを作成し、前記部品モデルと被覆
物体モデルの位置関係保持データ、組立構造体同士の位
置関係保持データならびに前記部品からなる組立構造体
と前記被覆物体モデルとの衝突、干渉、摩擦のうちいず
れか一つ以上および/または、複数の組立構造体同士の
衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/また
は、前記部品同士の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一
つ以上および/または前記組立構造体にかかる重力によ
る効果に基づいて前記被覆物体モデル上の任意の位置へ
の複数の組立構造体の着装状態を予測計算する組立構造
体の着装状態解析方法が提供される。
【0017】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算における計算手法は、被覆物体への組立を行
う際には組立構造体を構成する部品を粗大な要素に分割
した部品モデルを作成し、前記部品モデル同士にはこれ
らを組立てるための仮想的な引力または強制的な移動量
を与え、前記部品モデルと前記被覆物体間には位置関係
を保持する引力または強制的な移動量を与えて組立計算
を行い、組立が完了した時点で前記引力または移動量を
解除し、前記部品モデルを微小な要素により再構成し、
前記組立構造体と前記被覆物体モデルとの衝突、干渉、
摩擦のうちいずれか一つ以上および/または、前記部品
同士の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および
/または前記組立構造体にかかる重力による効果に基づ
いて精密な着装状態を計算するものである組立構造体の
着装状態解析方法が提供される。
【0018】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算における計算手法は、組立構造体を構成する
部品をあらかじめ微小な要素に分割した部品モデルを作
成し、前記部品モデル同士にはこれらを組み立てるため
の仮想的な引力または強制的な移動量を与え、前記部品
モデルと前記被覆物体間には位置関係を保持する引力ま
たは強制的な移動量を与えて組立計算を行い、組立が完
了した時点で前記引力または移動量を解除し、前記組立
構造体と前記被覆物体モデルとの衝突、干渉、摩擦のう
ちいずれか一つ以上および/または、部品同士の衝突、
干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/または前記
組立構造体にかかる重力による効果に基づいて精密な着
装状態を計算するものである組立構造体の着装状態解析
方法が提供される。
【0019】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算における計算手法は、組立構造体を構成する
部品をあらかじめ微小な要素に分割した部品モデルを作
成、前記部品モデル同士には組み立てるための仮想的な
引力または強制的な移動量のみを与えて先に組立構造体
のみを組み立て、組立が完了した時点で前記組立構造体
と前記被覆物体間に位置関係を保持する引力または強制
的な移動量を与えて組立構造体と前記被覆物体モデルと
の衝突、干渉に基づいた位置計算を行い、最後に前記引
力または強制的な移動量を解除し、衝突、干渉、摩擦の
うちいずれか一つ以上および/または、前記部品同士の
衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/また
は前記組立構造体にかかる重力による効果に基づいて精
密な着装状態を計算するものである組立構造体の着装状
態解析方法が提供される。
【0020】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算するに際し、部品モデル同士に与える組み立
てるための仮想的な引力は、組立構造体と被覆物体間に
位置関係を保持するために与える引力よりも強い力を与
える組立構造体の着装状態解析方法が提供される。
【0021】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算するに際し、前記部品の材料の特性に基づい
て計算する、組立構造体の着装状態解析方法が提供され
る。
【0022】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記材料の特性は、材料の外力に対する変形特性を含む組
立構造体の着装状態解析方法が提供される。
【0023】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算するに際し、組立構造体を組み立てる際には
部品へ与える材料特性として組立構造体本来のものより
硬い物理特性を与えておき、組立計算を安定させ精密な
着装状態を計算する際には組立構造体本来の材料特性を
与えなおして計算を行う組立構造体の着装状態解析方法
が提供される。
【0024】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記予測計算により得られた組立構造体の形態を表示す
る、組立構造体の着装状態解析方法が提供される。
【0025】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記被覆物体は人体または人台形状モデルであり、組立構
造体は衣料服飾品である組立構造体の着装状態解析方法
が提供される。
【0026】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記被覆物体は人体または人台形状モデルであり、組立構
造体は衣料服飾品であり、位置関係保持データには、頸
椎点、腋点、肩峰点、肘点、手首点、膝点、足首点およ
び会陰点のうち少なくとも1つ以上を含むものである組
立構造体の着装状態解析方法が提供される。
【0027】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記被覆物体は座席形状モデルであり、組立構造体は座席
カバーである組立構造体の着装状態解析方法が提供され
る。
【0028】また、本発明の好ましい形態によれば、前
記被覆物体は車輌モデルであり、組立構造体はカバーで
ある組立構造体の着装状態解析方法が提供される。
【0029】また、本発明の別の形態によれば、人体ま
たは人台形状モデルへの衣料服飾品の着装状態の解析に
おいて、衣料服飾品を構成する部品の少なくとも1個の
要素からなる部品モデルを作成する手段と、前記部品モ
デル同士の接合部位の接合データを作成する手段と、前
記部品モデルと人体形状モデルの位置関係保持データを
作成する手段と、前記接合データと位置関係保持データ
に基づいて前記部品からなる衣料服飾品を前記人体形状
モデルと前記部品モデルとの衝突、干渉、摩擦のうち少
なくとも1つ以上および/または、前記部品同士の衝
突、干渉、摩擦のうち少なくとも1つ以上および/また
は前記衣料服飾品にかかる重力による効果に基づいて前
記人体形状モデルの任意の位置への着装状態を予測計算
する手段とを備えてなる衣料服飾品の製造支援装置が提
供される。
【0030】また、本発明の別の形態によれば、被覆物
体とそれを覆う組立構造体との組み合わせにおいて、組
立構造体を構成する部品の少なくとも1個の要素からな
る部品モデルを作成し、前記部品モデル同士の接合部位
の接合データを作成し、前記部品モデルと被覆物体モデ
ルの位置関係保持データを作成し、前記接合データ、位
置関係保持データならびに前記部品からなる組立構造体
と前記被覆物体モデルとの衝突、干渉、摩擦のうち少な
くとも1つ以上および/または、部品同士の衝突、干
渉、摩擦のうち少なくとも1つ以上および/または前記
組立構造体にかかる重力による効果に基づいて前記被覆
物体モデル上の任意の位置への着装状態を予測計算し、
該予測計算の結果に基づいて組立構造体の製造条件を最
終決定し、該最終決定された条件に基づいて組立構造体
を製作する組立構造体の製造方法が提供される。
【0031】また、本発明の別の形態によれば、被覆物
体とそれを覆う組立構造体との組み合わせにおいて、組
立構造体を構成する部品の少なくとも1個の要素からな
る部品モデルを作成する手段と、前記部品モデル同士の
接合部位の接合データを作成する手段と、前記部品モデ
ルと前記被覆物体モデルの位置関係保持データを作成す
る手段と、前記接合データ、位置関係保持データならび
に前記部品からなる組立構造体と前記被覆物体モデルと
の衝突、干渉、摩擦のうち少なくとも1つ以上および/
または、部品同士の衝突、干渉、摩擦のうち少なくとも
1つ以上および/または前記組立構造体にかかる重力に
よる効果に基づいて前記被覆物体モデル上の任意の位置
への着装状態を予測計算する手段とを備えてなる組立構
造体の製造支援装置が提供される。
【0032】また、本発明の別の形態によれば、組立構
造体の着装状態解析方法の各手順をコンピュータを用い
て実施できるようにコンピュータを動作させるソフトウ
ェアを記憶した記憶媒体が提供される。
【0033】以下に本発明における用語の説明をする。
【0034】本発明における組立構造体とは、ひとつ以
上の部品から構成され、部品同士を接合及びまたは組立
てることにより機能する物体となるものを指す。たとえ
ば、複数の部品を縫い合わせて作る衣服がこれにあた
る。
【0035】本発明における被覆物体とは、前記組立構
造体が覆い被さるまたは前記組立構造体により包まれる
物体のことで、たとえば組立構造体が衣服である場合は
人体または人台モデルが被覆物体にあたる。
【0036】本発明における位置関係保持データとは、
組立構造体を被覆物体の所望の位置に取り付けるために
組立構造体と被覆物体それぞれに存在する特徴点を表す
位置の対応関係を表すデータのことである。たとえば、
被覆物体を人体とし、組立構造体を衣服とした場合には
人体モデルの首の位置と、衣服の首の位置を表す点の番
号を登録する。
【0037】本発明における被覆物体への組立構造体の
装着順序とは、被覆物体と組立構造体の装着計算を行う
順番であるが、必ずしも組立構造体同士上下の位置関係
と一致している必要はない。たとえば組立構造体が衣服
である場合、これはジャケットの下にシャツを着た構造
を仮定すると計算はシャツを行い、その上にジャケット
を装着する。だがシャツの襟をジャケットの襟の上に出
したい場合は位置関係保持テ゛ータを利用して襟だけをジャ
ケットの上に出すこともあるからである。
【0038】本発明における接合データとは、組立構造
体を組み立てる際に部品のどことどこが接合するかの対
応関係を表すデータのことである。たとえば組立構造体
を衣服とした場合には布と布を縫製する部分の位置を表
す点の番号を登録する。
【0039】本発明における衣料服飾品とは、ジャケッ
ト、スカート、コートなどをはじめとする衣服、ベルト
やサスペンダー、ひもやリボンなどの衣服着装に使う付
属品、ネックレス、時計、指輪などのアクセサリー、ブ
ーツなどの靴類、その他の例としてはスカーフやショー
ルなど、鞄などの装身具、コルセットなども含まれる。
【0040】本発明における変形特性とは、本発明では
組立構造体を構成する部品を微小な要素に分割するが、
組立計算されていく際に部品が要素間のラインをはさん
で屈折する際の曲がりにくさを表すものをいう。そし
て、この曲がりにくさを表す物性値としてたとえば弾性
率や曲げ剛性、せん断応力を用いる。この数値が大きい
ほど、曲げる際に大きな力が必要になるということにな
る。
【0041】本発明における頸椎点とは、首の後ろ頸椎
棘突起の先端の点であり、腋点とは、腋の下の点であ
り、肩峰点とは肩甲骨の肩峰の外側縁のうち最も外側に
突出している点であり、会陰点とは足の付け根部分の股
の中心点である。
【0042】
【発明の実施の形態】図1は本発明の組立構造体の着装
状態解析方法及び、衣料服飾品の着装状態解析方法の一
実施形態の概略手順を示すためのフローチャートであ
る。また、図2に被覆物体を人体モデルとし組立構造体
を衣服とした場合のフローチャートに基づいた各ステッ
プでの組立構造物を構成する部品と、その状態の変化の
模式図を示す。
【0043】組立構造体の着装状態シミュレーションを
行うための工程は大きく分けて6つのステップからな
る。
【0044】まず、組立構造体を構成する部品モデルの
データ入力を行う。このデータは形状をあらわす情報
や、衣服であれば生地の縦糸方向などの情報が含まれて
いても良い(ステップ1)。
【0045】次に前記部品同士の所定の部位を接合する
情報すなわち接合データの入力を行う(ステップ2)。
【0046】次に、組立構造体の部品データを、部品の
形状を表す点や線の情報を元に少なくとも1つ以上の多
角形からなる微小な要素により構成し直す(ステップ
3)。このステップ2とステップ3の手順は入れ替わっ
ていても良い。
【0047】次に、被覆物体の形状モデルのデータ入力
を行う。この人体形状モデルは多角形からなる微小要素
から構成されているのが望ましい。また形状を表す点の
みで構成されていても良い(ステップ4)。
【0048】微小要素により構成された組立構造体の部
品と被覆物体モデルの双方に位置関係保持のための節点
番号の登録を行う。たとえば被覆物体が人体モデルの場
合は、人体形状モデルの乳頭部の点や、首の付け根の
点、肩、肘、手首の点などであり、組立構造体が衣服の
場合は、それに対応する節点番号の登録を行う。複数の
衣服を装着する場合には、人体形状モデルとの関係のみ
ならず他の衣服との位置関係も入力するとより細かい要
求にそった着せ付けが可能となる。(ステップ5)。
【0049】以上の準備のあとに微小要素から構成され
る衣服の部品モデルに布の材料物性値を付与し、組立構
造体を被覆物体に着装する計算を行う。着装計算では部
品には部品同士を組み立てるために働く接合力と、組立
構造体を被覆物体の適切な位置に着せつけるように部品
と人体形状モデル双方に設定した特徴点間の位置関係を
保持しようとする被覆物体からの仮想的な引力が同時に
働く。また組立中には部品と被覆物体の干渉チェックを
行い、部品が被覆物体の内部に入り込むような現象が起
こる際には部品を外部に押し出す力を作用させる。これ
により、部品が被覆物体の形状に合わせた形に組み立て
られて組立構造体を形成していく。すべての接合するべ
き部品同士の節点の距離があるしきい値以下になった時
点で組み立ては終わったと判断し、これら接合された節
点を同一の節点としてデータを再構成し、部品を組み立
てるために節点に発生させていた接合力と位置関係保持
力を解除する。
【0050】そして、着せ付けが完了した時点で重力を
印加、人体モデル表面と衣服モデルの接触、干渉や摩擦
も考慮して実際の着装状態シミュレーションを行う。こ
の計算結果をもとにさらに第2、必要ならばさらに第3
あるいはそれ以上の衣服モデルを第1に着装計算した衣
服の上から重ねて着せるシミュレーションを行う(ステ
ップ6)。
【0051】以下に各ステップについての詳細な説明を
行う。以下、組立構造体を衣料服飾品とし、被覆物体を
人体または人台モデルとした場合を説明する。
【0052】まず、衣料服飾品を構成する部品のデータ
の読み込みを行う。この入力方法は、点座標の手入力ま
たはデジタイザなどによる座標入力でも構わないが、ア
パレルCAD等からのデータ入力が好ましい。ここで、
入力される部品のデータには、部品の形状を表す数値情
報のほかに、縦糸の方向を表す情報、部品同士の接合条
件をあらわす接合データ(たとえば接合されるべき部分
の点や線の番号情報など)やI印(布の伸縮を考慮して
衣服を組み立てる際に布に記される接合すべき点を表す
印)など、部品に必要な全ての情報と接合データが含ま
れていることが望ましい。読み込んだすべての部品を移
動、回転等の幾何学的な手法により縦糸方向を平面上で
たとえばxyzいづれかの座標軸に平行になるように並
べ直すとオペレータが作業する上で好ましい。
【0053】次に、部品同士の接合データの入力を行
う。この作業は、オペレータが読み込み、または入力し
た型紙部品のデータを画面上に表示し、接合されるべき
点または線のペアを入力していく方法が好ましい。画面
上で縫製されるべき複数の点の間が点線などで表示され
れば確認しやすく好ましい。また、あらかじめ部品の形
状を表す点の番号を縫合されるもの同士は共通にしてお
いて、あらためて接合情報をも入力はぶけるようにして
おくのも良い。たとえば型紙1番の101aと型紙2番
の101bとしておいてこの共通部分の101から接合
データを作成するなどである。
【0054】部品の特定部位同士が接合するという情報
だけを与えておいて、部品の形状を表す点列データから
接合情報を自動的に計算する方法を用いるのも良い。図
3のように部品の形状から角度が急激に変化している点
を角(特徴点)と認識させて記憶し、一枚の部品で角か
ら角への区間距離8を計算しておく。隣り合う部品同士
のこの形状特徴点7間の長さを自動的に検出して距離が
近い部分同士が接合されると判断することで接合情報を
作成する方法も考えられる。
【0055】次に部品の形状を表す点列データを多角形
からなる微小な要素に分割する。微小要素への分割方法
は様々なものが提案されているが、「3次元CAD/CAMの
ための衣服型紙とその自動有限要素分割」繊維学会誌.V
ol.42.No.4.p101-109などの方法を用いるのも良い。こ
の方法は型紙の形状において接合される2枚の型紙の接
合部分の曲線のまがり具合を関数化して、曲率の大きい
ところは要素分割数を細かくすることができる。つま
り、接合部分が片方が直線で片側が曲がっている際には
曲がっている方にあわせて細かく要素分割を行うように
なっている。内部の要素は基本的に正3角形で構成され
るためなるべく均質な要素が作成できる利点を持つ。
【0056】この要素分割を行うと、部品は節点と要素
により構成される。このため点同士、または線同士の組
み合わせで構成される接合データを、新たに節点同士の
組み合わせとして再構成し直す。つまり、接合されるべ
き部品それぞれの接合されるライン上にある節点を探し
出して、節点同士の接合データとして記憶させる。(図
4) ここで作成した要素を構成する節点の定義方法は反時計
回りまたは時計回りに一貫した方向に沿った順番に番号
をつけるようにするのが好ましい(図5)。そして、要
素5の番号がたとえば反時計回りになっている時にその
面が表を表すと定義する。また、生地の縦、横糸方向を
表す情報として、構成節点のうち、例えば1番目から2
番目の節点に向かうベクトルが部品の横糸方向7となす
角度6を要素に情報として付加するのが好ましい。これ
により衣服の着装状態計算の際に布が持っている縦糸方
向と横糸方向の異方性に基づいた計算が可能となる。ま
た、衣服の着せ付け状態の計算後も布の表、裏の情報と
横糸方向の情報を認識することが出来、微小要素から形
成された衣服モデル上に生地の柄をテクスチャマッピン
グ画像を作成することで、衣服の仕上がり状態を様々な
生地の柄で確認する事が可能となる。
【0057】次のステップとして人体形状またはそれに
類するマネキンや人台の形状モデルのデータ入力を行
う。人体形状のモデルは前述の衣服の部品モデルと同様
の微小要素により構成されているのが望ましい。または
モデルの高さ方向にある一定間隔ごとに形状を表す点列
データが存在するような輪切りのデータ構成でも良い。
または、特開平10−71642号公報に記載の発明に
より、人体形状のモデルの曲面定義にBスプラインなど
を利用したCADデータを用いても良い。この手法を用
いると人体形状を表わす曲面を少ないデータ量で精度良
く表現することが可能となる。
【0058】微小要素で構成されている場合には、人体
モデルと衣服モデルとの接触を判定する際に、ある点の
周りに存在する要素から周辺の点を判断するのが容易に
なる利点がある。
【0059】そのほかのデータ入力手法としてはたとえ
ばミノルタのVIVID700のようなレーザーで形状を測
定する3次元測定器を用いて人物の3次元形状を測定し
た点群データを利用することも考えられる。これらの点
群データを衣服の部品モデルと同様に微小要素に分割す
る。この手法については、「ボリューミング手法を用い
た点群データからのポリゴン及び曲面モデル自動再構
成」(第13回NICOGRAPH/MULTIMEDIA論文コンテスト論文
集p70〜79,1997)など多数ある。
【0060】なお、前記要素分割は形状が充分再現され
る範囲で分割される要素数が少なければ少ないほど好ま
しい。このためには例えば、人体形状モデル上の緩やか
な曲面にはなるべく大きな要素を作成したりするルール
付けを行うなどの手法を取る方法が考えられる。これに
より、衣服モデルとの接触判定をする際に処理速度の向
上が期待できる。
【0061】複数の衣服を同時に着せつける場合には衣
服の人体に対する着装計算順序を入力する。
【0062】次に、要素に分割された衣服の構成部品
と、人体形状モデルの双方に適切な位置に着装計算を行
うためのガイドとなる特徴点を設定する(図6)。人体
形状モデル側への特徴点の設定としては、たとえば人体
形状モデルの中心線を表す線やワキの下の垂直線11上
の点と、バストライン10、ウエストライン12、ヒッ
プライン13上の点またはそれらの交点、バストライン
上では乳頭点、そのほかには人体形状モデルが様々なポ
ーズを取っている場合にでも適切に着せつけられるよう
に各関節部分(肩、肘、手首、股関節、ヒザなど)が考
えられる。
【0063】人体形状モデルの側には一度これらの点を
設定しておけば、様々なポーズを取った人体形状に衣服
を着せつける計算を行う場合や、様々な形状の衣服を着
せつける場合、重ね着を行う場合、わざと着くずした着
装状態を計算する場合でも人体形状モデル側あるいは衣
服側の特徴点の設定を変えることにより様々な着こなし
状態の計算を行うことが可能となる。この作業も衣服が
複数ある場合はそれぞれに行う。
【0064】また、複数の衣服を同時に重ね着する際に
は異なる衣服同士の位置関係保持情報を入力する。これ
はジャケットの下にシャツを着た構造の場合でも、シャ
ツの襟をジャケットの襟の上に出したい場合は位置関係
保持テ゛ータを利用して襟だけをジャケットの上に出せるよ
うにする。
【0065】また、人体の関節部分をモデル化して様々
な姿勢変化をさせるモデルは多数あり、たとえば「アパ
レルにおけるメタボール人体モデル」計測と制御,第3
6巻,第2号,89,1997/2月号などがある。これは人体モ
デルの基本構造は関節を結ぶ点と線であり、その点に楕
円体が設置され、それらの楕円体の表面をなめらかにつ
ないだものと考えたもので関節が曲がっても人体の形状
が比較的容易に表現できるモデルである。
【0066】また、人体形状モデルの体型の変形に関し
ては、CGのモーフィング技術のひとつであるFFD(Fr
ee Form Deformation)法を用いる方法などが考えられ
る。FFD法とは変形対象物を包含した変形対象空間に
制御点を設定し、その制御点を移動変形操作することに
より対象となる物体の形態変形を行う手法で、これにつ
いてはT.W.Sederberg,S.R.Parry:Free-Form Deformati
on of Solid Geometric Models,Proceedings of ACM SI
GGRAPH'86 in ComputerGraphics,Vol 20,No.4,p151-16
0,1986に詳しく記載されている。
【0067】また、人体形状モデルの変形手法としては
本出願人による特願平9−335871号明細書の「物
体の形状変更方法および物体の形状変更装置」の手法を
用いてもよい。この手法は変形対象である人体モデルの
特徴点たとえば頭頂部や肩、肘、乳頭点により構成され
る制御用簡易人体形状モデルを作成し、その特徴点を移
動変形操作することにより人体モデルの形態変形を行う
ものである。
【0068】このような体型変形手法を用いて様々な体
型の人体形状モデルを用意して着装計算を行えば、同じ
サイズの衣服で体型別の着こなし具合の比較検討を行う
ことも可能である。
【0069】人体形状モデルの側に特徴点の設定が終わ
ったら、衣服の部品モデル上に対応する特徴点の作成を
行う。人体のポーズが直立姿勢に近い場合などは、衣服
側の特徴点の設定は人体形状モデル側への特徴点の設定
より少なくてもかまわない。
【0070】この人体形状モデルと衣服の部品モデルの
特徴点の間に衣服の組立計算を行う際にこの点同士の位
置関係を保持する引力や点同士を近づけるような強制変
位を与えることにより、ポーズに合わせた衣服の着せ付
けや着くずした位置への着せ付けなど任意の位置への着
せ付けを行うことが出来る。
【0071】衣服を構成する部品同士の接合と人体形状
モデルへの着せ付けは、衣服の部品モデル同士の接合情
報や衣服の部品モデルと人体形状モデルの位置関係保持
情報と、先に入力された材料の特性情報、特に外力に対
する変形特性の情報を用いて行う。ここで用いる特性情
報すなわち物性値は、部品が要素間のラインをはさんで
屈折する際の曲がりにくさを表すものを含んでおり、た
とえば弾性率や曲げ剛性、せん断応力を用いるのが好ま
しい。まず、部品間の接合のために前記屈折ラインを含
む部品群の接合されるべき全節点について、接合される
複数の部品の節点のペアに、互いに近づくような力を付
与するか、ペア同士を近づける方向に強制変位を与え
る。これと同時に、ステップ5で作成した部品と人体形
状モデルとの対応する特徴点のペアリングデータによ
り、人体形状の特徴点に近づくような力をペアリングさ
れた部品の特徴点に付与するか、人体形状の特徴点に近
づく方向に、ペアリングされた部品の特徴点に強制変位
を与える。この時与える位置関係保持力を部品同士の接
合力より弱めに設定しておくと、接合されるべき部品同
士が離れたままになることを防ぐことが出来るが、この
力の関係は衣服の形状によって適切なものを選択するの
が好ましい。たとえば腕の部分に袖をつける場合、腕が
まっすぐの場合は位置関係保持力は接合力の1/10く
らいで弱くてもかまわないが、腕が曲がっていてそれに
着せつける場合には位置関係保持力を接合力の1/3に
するなどである。
【0072】なお、この着せ付けに使用する人体形状モ
デルの特徴点の選択では、入力の簡易化、および組立て
られる衣服形状を必要以上に拘束しないために、必要最
小限に止めることが好ましい。また、選択される人体形
状モデルの特徴点は、通常ジャケット、ドレス、スカー
ト、パンツなど服種毎に異なる。例えば、ジャケットや
ベストなどトップスの身頃の位置合せには、頸椎点(首
の後ろ付け根の点、ネックポイント)と左右の腋点(腋
の下の点)の3点が好適である。また、袖の位置合せで
は、長袖の場合、両腕の肘点と手首点の4点が好適であ
る。ただし、半袖、七分袖の場合には別途腕に特徴点を
設けるとより好ましいことが多い。また、例えばドレス
の場合は、頸椎点が設定できる場合は、トップスと同様
であるが、キャミソールなどドレス側にネックポイント
に対応する特徴点が設定できない場合には、ネックポイ
ントのかわりに肩紐がかかる肩峰点などに特徴点を設定
する。また、例えばスカートの場合には、ウェストの前
後左右の4点が好適である。また、例えばパンツの場合
には、スカート同様、ウェストの4点に加え、会陰点
(股下の点)、両足の膝点、足首点の4点が好適であ
る。ただし、半ズボンなどの場合には、袖同様、別途特
徴点を設ける必要がある。以上は、特徴点による着せ付
け情報の付与について述べたが、ウェストライン、バス
トライン、サイドラインなど、ラインでの設定も可能で
ある。
【0073】部品が接合していく段階で、各部品は要素
間に存在するライン、及び接合される節点と節点の間の
接合ラインで屈折しながら組み立てられていく。同時
に、衣服は人体の所望の位置に移動する。この際、屈折
ライン23をはさんだ2つの領域の間には曲げ回復力2
4を、接合ライン21をはさんだ2つの領域には接合屈
折反力20をそれぞれ屈折の角度に応じて、前記物性値
に応じて仮想的に生じさせる(図7)。この反力は角度
により異なるがたとえば衣料服飾品の場合では0.1[gf
/cm2]ほどであった。この曲げ回復力または接合屈折
反力が大きい場合は、それぞれの要素の法線ベクトルは
同じ向き、すなわち2つの要素は同一平面上に存在しよ
うとする。これらの力の源となる物性値を含む接合部位
または屈折部位の力学的特性とよぶ。さらにこの曲げ回
復力等の他に組み立て計算時には、各部品を構成する全
要素について法線方向に成分を有する仮想的な力を付与
するのが好ましい。これにより、部分的につぶれたりせ
ず、ばらばらに配置された部品が効率よく空間内で組み
立てられる。前記外力や内力、強制変位などを考慮しつ
つ、全部品に存在する節点に関して成立する次のような
運動方程式を解くような着せ付け手法を用いて行うのが
好ましい。
【0074】
【数1】
【0075】式から時刻tにおける各節点の加速度を求
める。この時得られた加速度aは変位uの時間tによる
2回微分であるので、加速度を2回時間積分することに
より、微小時間Δt秒後の変位Δuを求めることができ
る。ここで用いる時間積分法は中央差分法が好ましい。
【0076】上記手法により求めたΔt秒後の部品のモ
デルを構成する全節点の変位から全体の変形を求めるこ
とができる。この操作を繰り返し行うことにより接合さ
れた立体形状を求める。式の中で、剛性マトリックス
[K]、質量マトリックス[M]を部品の材料特性を考
慮して組み立てることにより計算に材料特性を考慮する
ことが可能になる。
【0077】この衣服部品モデルの人体への着せ付け計
算の段階までは、部品モデルに重力をかけず、部品に与
える屈折しやすさを表す材料の物性値は布の物性、もし
くは本来の布よりも硬いものとした物性を与えることが
好ましい。曲げ剛性の倍率は、元となる布の物性により
異なるが5倍から100倍ほどとなる。これにより着せ
付け後の立体形状を安定して求めることが出来る。
【0078】すべての接合するべき部品同士の節点の距
離があるしきい値以下になった時点で組み立ては終わっ
たと判断し、これら接合された節点を同一の節点として
記憶し直すと、計算で扱う節点数が減少し計算速度の向
上の点で望ましい。また、この処理を行うことにより部
品を組み立てるために節点に発生させていた接合力が不
要となる。
【0079】そして、着せ付けが完了した時点で衣服を
構成する微小要素には布本来の材料特性を与え、重力を
印加することにより実際の着装状態の衣服モデルのドレ
ープ等の質感表現のための着装状態シミュレーションを
行う。
【0080】この時点からは、衣服モデルを人体モデル
の所望の位置に着せつけるために仮想的に与えていた位
置関係保持力を解除し、人体モデル表面と衣服モデルの
接触、干渉や摩擦も考慮した計算を行う。この場合、衣
服の形状モデルが人体形状モデルの内側に一部または全
部入り込んだときにこの部分を人体形状モデルの外に押
し出すような力を発生させたり、強制変位を与えて計算
を行うことにより自然な着装計算ができ、好ましい。衣
服の重ね着計算を行う際は内部の衣服と、その上から重
ねて着せる衣服間に生じる摩擦や干渉に基づいた計算を
行うこととなる。
【0081】この計算の際、衣服の部品群に生じる曲げ
回復力の計算のために、物体に与える材料特性は前記の
要素定義法により、縦糸と横糸の物性値を別々に与える
ことが可能である。この時与える物性値は布本来の布の
力学特性として、繊維業界に広く利用されているKES
(Kawabata's Evaluation System for fabric)特
性を利用するのが好ましい。これにより布の異方性に基
づいた着装状態の予測が可能となり、より現実の布に近
い仕上がり形状の予測が可能となる。
【0082】また、これらの着装計算は、はじめから重
力を与え、衣服の部品にも布本来の物性を与えて直接の
着装状態計算を求めるのも良い。
【0083】また、この着装計算は特開平10−124
538号公報の「組立構造体の組立状態解析方法、衣服
の着装状態解析方法ならびに衣服の製造方法および製造
支援装置」の手法を用いて、いったん粗い面要素に分割
し、着せ付け計算を行い、その後微小要素に分割し直し
てから着装状態の計算を行う手法を用いて計算しても良
い。
【0084】この着装計算結果を被覆物体とし、第2、
必要ならさらに第3またはそれ以上の衣料服飾品を着せ
つけるのもよい。たとえば、ワンピースに着装計算結果
のウエスト部分にベルトを装着したり、上からさらにジ
ャケットを着せつけたりなどである。
【0085】かかる衣服の着装状態の予測計算結果に基
づいて衣服のパーツの形状や材料等を修正し、この結果
に基づいて再び予測計算することにより所望の着装状態
が得られる。これに基づいて、衣服のパーツ形状や材料
あるいは縫製方法、接合方法等の製造条件を最終決定
し、得られた条件に基づいて衣服を製造することができ
る。この場合、実際に衣服を製造することなく仕上がり
が予測できるので、衣服の設計等が著しく容易となる。
【0086】また、前記特願平9-335871号明細書の「物
体の形状変更方法および物体の形状変更装置」などの手
法を用いてもよい。この手法は変形対象である人体モデ
ルの特徴点たとえば頭頂部や肩、肘、乳頭点により構成
される制御用簡易人体形状モデルを作成し、その特徴点
を移動変形操作することにより人体モデルの形態変形を
行うものである。この手法を用いて体型変更を行い、様
々な体型での予測計算を行うことによりその衣服に似合
う体型をみつける事も可能である。また、この手法は衣
服を着た人体モデル全体を変形させることも可能である
ので、この特性を用いて、着装計算は一度だけ行い、様
々な体型での着装状態を変形のみで作成することも可能
である。
【0087】また、店頭で顧客の体型を3次元測定器な
どにより測定、あるいは人体形状モデルを変形させて顧
客体型の再現して着装計算を行い、その予測計算結果を
表示し、顧客の体型と希望に合わせて衣服の形状やドレ
ープ等を変更して、型紙等の設計に反映させて顧客の望
む衣服を製造するということも可能である。
【0088】この表示の際に、別途撮影した顧客の顔な
どの画像データを衣服の表示データと合成し、顧客に似
合うかどうかを判定できるようにしても良い。顧客の体
型の表示への反映は、少なくとも人台のデータにあらか
じめ反映させておけば比較的容易に実現する。衣服のパ
ーツの形状データもあらかじめその顧客の体型に合わせ
て反映させておいても良い。
【0089】また、着装時に衣服の各部や人体に不当な
応力等がかからないかどうかを確認するために、着装時
の再構成立体形状モデルや人体形状モデルの応力、モー
メント等の力学的状態を含む物理状態を着装時の状態と
合わせて可視化したり、任意の断面を表示して衣服と人
体の干渉具合や隙間の確認をすると衣服の設計に有用で
ある。これは、着装すべき個別の顧客の体型に基づいて
衣服を作成する場合に特に有効である。
【0090】また、上記の例では衣服の安定状態として
静的な着装状態を求めたが、人体形状モデルとして人体
の運動をシミュレートする動的人体形状モデルを用い、
それに合わせて運動する衣服の動的な変形等を予測計算
しても良い。したがって、本発明における安定状態と
は、動的シミュレーションの場合にはかかる運動中の人
体および/または衣服のそれぞれの瞬間の状態も含んだ
概念である。
【0091】また、前述の例とは別の利用法としては被
覆物体を自動車、座席、枕や布団などの物体とし、組立
構造体をカバーとして、様々な形状の被覆物体に対する
カバーの型紙を設計するために利用したりすることも考
えられる。
【0092】
【実施例】本発明の衣服の立体形状作成方法を実現する
衣服の着装状態計算装置について説明する。装置の概略
構成図を図8に示す。コンピュータ101に入力装置1
03、表示装置104および補助記憶装置102が接続
されている。入力装置103により、例えば解析する部
品の形状データ、材料物性データ、接合データなどの入
力が受け入れられ、こうしたデータは補助記憶装置10
2に格納される。オペレータの指示によりコンピュータ
101がこのデータを内部のRAM(ランダムアクセス
可能な揮発性メモリ)に読み込み、解析を行う。得られ
た解析結果は例えば表示装置104により表示される。
必要に応じて、オペレータが部品の形状や材料特性、接
合条件を変更し、再び解析を行うことができる。
【0093】また、解析結果の出力はプリンタ装置など
に対して行ってもよく、補助記憶装置102に格納して
も良い。この場合は例えば別の解析装置の入力データと
してこの出力結果を利用することもできる。なお、本実
施例の装置はCD-ROMやフロッピディスク、光ディスクな
どの記録媒体やネットワークなどの有線または無線の流
通経路で流通されるコンピュータソフトウエアとコンピ
ュータ装置の組み合わせとして実現されている。
【0094】本装置を用いて、着装状態シミュレーショ
ンを行う基本的な操作方法についてワンピースの着装状
態の計算例とあわせて説明する。
【0095】まず始めに、シミュレーションを行う衣服
の部品データを入力装置から入力し、補助記憶装置に記
憶する。このデータは今回東レ株式会社のアパレルCAD
パトリエのデータを使用した。形状データに関しては、
デジタイザなどからの形状情報入力でもかまわない。こ
のCADデータが部品の形状情報のみで部品の接合情報が
入力済みでない場合には接合情報を入力する。
【0096】次に、演算装置により衣服の部品形状デー
タを前記の手法などを用いて微小な要素に分割する。こ
の計算と同時に接合情報は、部品間の節点同士の接合情
報として再構成され保存される。
【0097】次に、3次元の数値データからなる人体形
状モデルのデータを入力装置から入力し、補助記憶装置
に記憶する。本実施例の場合、この人体データは3角形
の微小要素により構成されたデータを用いている。そし
て、この人体モデル上に衣服との位置関係を保持するた
めの特徴点を配置する。また、これら人体形状モデルと
衣服の部品モデルそれぞれに位置関係保持情報を付与す
る。本実施例の場合は、位置関係保持データとして人体
の側にはネックポイントと左右両側の脇の下の垂直線上
の点、肘と手首の部分について点の番号を登録し、衣服
の側にも同じ部位にあたる点の番号を登録した。そし
て、これらの対応する点の間に位置関係を保持するため
の仮想的な引力を与えて計算した。次に、衣服の部品モ
デルへ着せ付けのための材料物性を与える。本実施例で
は、弾性率:1GPa、曲げ剛性:1MPa、せん断剛
性:0.1GPa、密度:1g/cm3、部品厚さ1mmと
して計算を行った。
【0098】そして、衣服の部品モデルを人体形状モデ
ルの適切な位置に配置し、着せ付け形状を計算により求
める。部品が組みあがっていることを接合点間の距離か
ら判定し、その後、衣服モデルへの重力を印加し、衣服
と人体の摩擦、干渉を考慮し、着装計算を行った。計算
により得られたワンピースの着装状態の図を図9に示
す。
【0099】この計算結果をディスプレーなどの出力装
置に出力する。あるいは、ネットワークなどの通信装置
を通じてデータを転送し、離れた場所の出力装置に出力
を行う事も可能である。この他に記憶装置に格納しても
良い。
【0100】表示された着装状態の衣服を操作者がチェ
ックし、画面上で入力装置を用いて衣服の一端を摘んで
形状の変更を行ったり、生地の種類を変更したり、ゆと
り量や丈の変更を数値で入力したり画面上で変更したり
することにより、直ちにそれらの修正に基づいた計算を
行い、その結果が画面上の衣服の着装形状と部品の形状
の変更に反映される。これを試行錯誤的に繰り返すこと
により、希望する衣服の形状、布物性等の数値データを
得ることが出来る。これらの変更情報はアパレルCAD
と1対1で対応しており、この情報により個人用型紙や
縫製仕様書を作成できる。また、この数値データをネッ
トワークなどの通信装置により、生地問屋では作成され
た個人用の型紙に基づいて生地の裁断を行い、縫製工場
には縫製仕様書を転送することにより、顧客のための衣
服または試作服を短時間でこのデータを元に作成するこ
とも可能である。
【0101】
【発明の効果】上述のように本発明を用いることによる
利点は以下のものが挙げられる。
【0102】まず一つ目は、上記のごとく着装状態を予
測計算を行うことにより衣服モデルを人体形状モデルの
所望の位置に精度良く着せつける計算ができる点であ
る。
【0103】2つめは、上記特性を生かすことにより、
あらかじめ腕や足がまがったポーズのついた人体形状モ
デルへの精度よい衣服の着装状態の計算ができる点であ
る。
【0104】3つめは、上記特性を生かすことにより、
正しく着こなした状態の計算のみならず、その衣服をわ
ざとずらして着たり、着くずしたような個性的な着方を
した場合の着装計算を行うことが出来る点である。
【0105】また、4つめは、基本となる人体形状モデ
ルの体型を変形させて、同じ条件で衣服の着せ付けを行
い、体型別の着こなしの比較検討を行うことができる点
である。
【0106】また、前述のような計算結果を生かして修
正変更を加えながら衣服の製造設計を行うことにより効
率よく所望の衣服を製造できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組立構造体の着装状態解析方法の実施
形態の一例を表すフローチャートである。
【図2】本発明の組立構造体の着装状態解析方法の実施
形態の一例の流れを表す模式図である。
【図3】部品の形状から接合情報を作成する様子を説明
する図である。
【図4】部品を微小要素に分割した際の部品間の接合情
報の再構成を説明する図である。
【図5】部品上に設定された例えば3角形要素に関する
ルールを説明する図である。
【図6】人体形状モデルと特徴点の位置の一例を説明す
る図である。
【図7】要素の接合部分に発生する接合屈折反力を説明
する図である。
【図8】本発明を実施するための装置の概略構成図の一
例を説明する図である。
【図9】ワンピースでの着装計算結果例の図である。
【符号の説明】
1:入力した衣服形状 2:要素分割された衣服部品 3:袖部品 4:人体形状モデル側に設定された特徴点 5:衣服モデル側に設定された特徴点 6:部品 7:部品形状から抽出された特徴点 8:特徴点間の区間距離 9:部品間に設定された接合データ 10:要素分割したあとの節点間の接合データ 11:3角形要素 12:横糸とのなす角θ 13:布の横糸方向を表すベクトル 14:1番目の節点 15:2番目の節点 16:人体モデル上のバストライン 17:人体モデル上のワキの下ライン 18:人体モデル上のウエストライン 19:人体モデル上のヒップライン 20:衣服部品との接合データとなる手首の特徴点 21:衣服部品との接合データとなるひじの特徴点 22:衣服部品との接合データとなるひざの特徴点 23:要素1 24:要素2 25:各要素の放線ベクトル 26:接合屈折反力 27:接合ライン 28:接合屈折角 29:屈折ライン 30:曲げ回復力 101:コンピュータ 102:補助記憶装置 103:入力装置 104:出力装置

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被覆物体とそれを覆う組立構造体との組み
    合わせにおいて、組立構造体を構成する部品の少なくと
    も1個の要素からなる部品モデルを作成し、前記部品モ
    デル同士の接合部位の接合データを作成し、前記部品モ
    デルと前記被覆物体モデルの位置関係保持データを作成
    し、前記接合データ、位置関係保持データならびに前記
    部品からなる組立構造体と前記被覆物体モデルとの衝
    突、干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/また
    は、部品同士の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一つ以
    上および/または前記組立構造体にかかる重力による効
    果に基づいて前記被覆物体モデル上の任意の位置への着
    装状態を予測計算する組立構造体の着装状態解析方法。
  2. 【請求項2】被覆物体とそれを覆う少なくとも一つ以上
    の組立構造体との組み合わせにおいて、被覆物体への組
    立構造体の装着順序を決定し、複数の組立構造体を構成
    する部品から少なくとも1個の要素からなる部品モデル
    を作成し、各組立構造体ごとの前記部品モデル同士の接
    合部位の接合データを作成し、前記部品モデルからなる
    組立構造体と被覆物体モデルの位置関係保持データ、組
    立構造体同士の位置関係保持データならびに、前記部品
    からなる組立構造体と前記被覆物体モデルとの衝突、干
    渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/または、複数
    の組立構造体同士の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一
    つ以上および/または、前記部品同士の衝突、干渉、摩
    擦のうちいずれか一つ以上および/または前記組立構造
    体にかかる重力による効果に基づいて前記被覆物体モデ
    ル上の任意の位置への複数の組立構造体の着装状態を予
    測計算する組立構造体の着装状態解析方法。
  3. 【請求項3】被覆物体とそれを覆う複数の組立構造体と
    少なくとも一つ以上の組立構造体との組み合わせにおい
    て、装着済みの第1の組立構造体の着装状態予測計算結
    果の上からさらに第2の組立構造体を構成する部品から
    少なくとも1個の要素からなる部品モデルを作成し、前
    記部品モデル同士の接合部位の接合データを作成し、前
    記部品モデルと被覆物体モデルの位置関係保持データ、
    組立構造体同士の位置関係保持データならびに前記部品
    からなる組立構造体と前記被覆物体モデルとの衝突、干
    渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/または、複数
    の組立構造体同士の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一
    つ以上および/または、前記部品同士の衝突、干渉、摩
    擦のうちいずれか一つ以上および/または前記組立構造
    体にかかる重力による効果に基づいて前記被覆物体モデ
    ル上の任意の位置への複数の組立構造体の着装状態を予
    測計算する組立構造体の着装状態解析方法。
  4. 【請求項4】前記予測計算における計算手法は、被覆物
    体への組立を行う際には組立構造体を構成する部品を粗
    大な要素に分割した部品モデルを作成し、前記部品モデ
    ル同士にはこれらを組立てるための仮想的な引力または
    強制的な移動量を与え、前記部品モデルと前記被覆物体
    間には位置関係を保持する引力または強制的な移動量を
    与えて組立計算を行い、組立が完了した時点で前記引力
    または移動量を解除し、前記部品モデルを微小な要素に
    より再構成し、前記組立構造体と前記被覆物体モデルと
    の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/ま
    たは、前記部品同士の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか
    一つ以上および/または前記組立構造体にかかる重力に
    よる効果に基づいて精密な着装状態を計算するものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の組立構造体の着装状
    態解析方法。
  5. 【請求項5】前記予測計算における計算手法は、組立構
    造体を構成する部品をあらかじめ微小な要素に分割した
    部品モデルを作成し、前記部品モデル同士にはこれらを
    組み立てるための仮想的な引力または強制的な移動量を
    与え、前記部品モデルと前記被覆物体間には位置関係を
    保持する引力または強制的な移動量を与えて組立計算を
    行い、組立が完了した時点で前記引力または移動量を解
    除し、前記組立構造体と前記被覆物体モデルとの衝突、
    干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/または、部
    品同士の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上およ
    び/または前記組立構造体にかかる重力による効果に基
    づいて精密な着装状態を計算するものである請求項1〜
    4のいずれかに記載の組立構造体の着装状態解析方法。
  6. 【請求項6】前記予測計算における計算手法は、組立構
    造体を構成する部品をあらかじめ微小な要素に分割した
    部品モデルを作成、前記部品モデル同士には組み立てる
    ための仮想的な引力または強制的な移動量のみを与えて
    先に組立構造体のみを組み立て、組立が完了した時点で
    前記組立構造体と前記被覆物体間に位置関係を保持する
    引力または強制的な移動量を与えて組立構造体と前記被
    覆物体モデルとの衝突、干渉に基づいた位置計算を行
    い、最後に前記引力または強制的な移動量を解除し、衝
    突、干渉、摩擦のうちいずれか一つ以上および/また
    は、前記部品同士の衝突、干渉、摩擦のうちいずれか一
    つ以上および/または前記組立構造体にかかる重力によ
    る効果に基づいて精密な着装状態を計算するものである
    請求項1〜5のいずれかに記載の組立構造体の着装状態
    解析方法。
  7. 【請求項7】前記予測計算するに際し、部品モデル同士
    に与える組み立てるための仮想的な引力は、組立構造体
    と被覆物体間に位置関係を保持するために与える引力よ
    りも強い力を与える請求項4〜6のいずれかに記載の組
    立構造体の着装状態解析方法。
  8. 【請求項8】前記予測計算するに際し、前記部品の材料
    の特性に基づいて計算する、請求項1〜7のいずれかに
    記載の組立構造体の着装状態解析方法。
  9. 【請求項9】前記材料の特性は、材料の外力に対する変
    形特性を含む請求項9に記載の組立構造体の着装状態解
    析方法。
  10. 【請求項10】前記予測計算するに際し、組立構造体を
    組み立てる際には部品へ与える材料特性として組立構造
    体本来のものより硬い物理特性を与えておき、組立計算
    を安定させ精密な着装状態を計算する際には組立構造体
    本来の材料特性を与えなおして計算を行う請求項1〜8
    のいずれかに記載の組立構造体の着装状態解析方法。
  11. 【請求項11】前記予測計算により得られた組立構造体
    の形態を表示する、請求項1〜10のいずれかに記載の
    組立構造体の着装状態解析方法。
  12. 【請求項12】前記被覆物体は人体または人台形状モデ
    ルであり、組立構造体は衣料服飾品である請求項1〜1
    1のいずれかに記載の組立構造体の着装状態解析方法。
  13. 【請求項13】前記被覆物体は人体または人台形状モデ
    ルであり、組立構造体は衣料服飾品であり、位置関係保
    持データには、頸椎点、腋点、肩峰点、肘点、手首点、
    膝点、足首点および会陰点のうち少なくとも1つ以上を
    含むものである請求項1〜12のいずれかの記載の組立
    構造体の着装状態解析方法。
  14. 【請求項14】前記被覆物体は座席形状モデルであり、
    組立構造体は座席カバーである請求項1〜13のいずれ
    かに記載の組立構造体の着装状態解析方法。
  15. 【請求項15】前記被覆物体は車輌モデルであり、組立
    構造体はカバーである請求項1〜13のいずれかに記載
    の組立構造体の着装状態解析方法。
  16. 【請求項16】人体または人台形状モデルへの衣料服飾
    品の着装状態の解析において、衣料服飾品を構成する部
    品の少なくとも1個の要素からなる部品モデルを作成す
    る手段と、前記部品モデル同士の接合部位の接合データ
    を作成する手段と、前記部品モデルと人体形状モデルの
    位置関係保持データを作成する手段と、前記接合データ
    と位置関係保持データに基づいて前記部品からなる衣料
    服飾品を前記人体形状モデルと前記部品モデルとの衝
    突、干渉、摩擦のうち少なくとも1つ以上および/また
    は、前記部品同士の衝突、干渉、摩擦のうち少なくとも
    1つ以上および/または前記衣料服飾品にかかる重力に
    よる効果に基づいて前記人体形状モデルの任意の位置へ
    の着装状態を予測計算する手段とを備えてなる衣料服飾
    品の製造支援装置。
  17. 【請求項17】被覆物体とそれを覆う組立構造体との組
    み合わせにおいて、組立構造体を構成する部品の少なく
    とも1個の要素からなる部品モデルを作成し、前記部品
    モデル同士の接合部位の接合データを作成し、前記部品
    モデルと被覆物体モデルの位置関係保持データを作成
    し、前記接合データ、位置関係保持データならびに前記
    部品からなる組立構造体と前記被覆物体モデルとの衝
    突、干渉、摩擦のうち少なくとも1つ以上および/また
    は、部品同士の衝突、干渉、摩擦のうち少なくとも1つ
    以上および/または前記組立構造体にかかる重力による
    効果に基づいて前記被覆物体モデル上の任意の位置への
    着装状態を予測計算し、該予測計算の結果に基づいて組
    立構造体の製造条件を最終決定し、該最終決定された条
    件に基づいて組立構造体を製作する組立構造体の製造方
    法。
  18. 【請求項18】被覆物体とそれを覆う組立構造体との組
    み合わせにおいて、組立構造体を構成する部品の少なく
    とも1個の要素からなる部品モデルを作成する手段と、
    前記部品モデル同士の接合部位の接合データを作成する
    手段と、前記部品モデルと前記被覆物体モデルの位置関
    係保持データを作成する手段と、前記接合データ、位置
    関係保持データならびに前記部品からなる組立構造体と
    前記被覆物体モデルとの衝突、干渉、摩擦のうち少なく
    とも1つ以上および/または、部品同士の衝突、干渉、
    摩擦のうち少なくとも1つ以上および/または前記組立
    構造体にかかる重力による効果に基づいて前記被覆物体
    モデル上の任意の位置への着装状態を予測計算する手段
    とを備えてなる組立構造体の製造支援装置。
  19. 【請求項19】請求項1〜13のいずれかの組立構造体
    の着装状態解析方法の各手順をコンピュータを用いて実
    施できるようにコンピュータを動作させるソフトウェア
    を記憶した記憶媒体。
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