JP2000330326A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

静電潜像現像用トナー

Info

Publication number
JP2000330326A
JP2000330326A JP13938499A JP13938499A JP2000330326A JP 2000330326 A JP2000330326 A JP 2000330326A JP 13938499 A JP13938499 A JP 13938499A JP 13938499 A JP13938499 A JP 13938499A JP 2000330326 A JP2000330326 A JP 2000330326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
deodorant
acid
odor
electrostatic latent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13938499A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimitoshi Yamaguchi
公利 山口
Akihiro Koban
昭宏 小番
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP13938499A priority Critical patent/JP2000330326A/ja
Publication of JP2000330326A publication Critical patent/JP2000330326A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常のトナー製造方法においてごくわずかに
残存する臭気物質や、製造後の保管環境等によってトナ
ー成分の一部が分解して生ずる微量の臭気物質を十分に
脱臭・除去した、即ちトナー自体の臭いと定着時の臭気
が少ないトナーを提供すること。 【解決手段】 少なくともトナー使用開始時点まで、消
臭剤が添加されていることを特徴とする静電潜像現像用
トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電荷像を現像す
るために用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子複写機等で使用される現像剤に含有
されるトナーは、バインダー樹脂の他、例えば磁性粉、
着色剤、帯電制御剤又は離型剤(ポリオレフィンワック
ス等)を分散含有している。バインダー樹脂には、スチ
レン−アクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂が多く用
いられるが、それらバインダー樹脂の製造に用いられる
モノマー、溶媒、重合開始剤、重合促進剤又は重合抑制
剤等が不純物としてトナー中に残存していることが多
い。帯電制御剤には第4アンモニウム塩、ニグロン系染
料又は含金属アゾ染料、極性基を有するポリマー等を用
いるが、それら帯電制御剤由来の不純物がトナー中に残
存している場合もある。例えば、帯電制御剤として第4
アンモニウム塩を用いる場合、不純物としてアミン類が
含まれる場合がある。また、バインダー樹脂への第4ア
ンモニウム塩の混練分散工程における混練温度が高すぎ
る場合も、他成分との化学反応によりアミン類が生成す
ることがある。その他、着色剤由来の残溶媒、分解生成
物等が混入している場合もある。これらの不純物、特に
低分子量の芳香を持つ成分は、使用時のトナー容器を開
封した時の臭気として不快感を感ずる等の不具合をもた
らす。
【0003】また、トナーを定着工程においてコピー紙
面に定着する方法として、加圧定着法、熱定着法等が用
いられる。更に、熱定着法としては、オーブン定着法、
フラッシュ定着法、加圧定着法、加熱ローラー定着法等
があるが、電子写真複写機等では、一般的に加熱ローラ
ー定着法が用いられている。この方法は加熱ローラーの
表面と被定着シート像を被定着シート上に融着する際の
熱効率が極めて良好で、迅速に定着することができるの
で、特に高速度の複写時における定着方法として極めて
有効である。
【0004】しかしながら、この方法ではトナー像を加
熱するためにトナー中の微量成分を大気中に放出し、使
用者にとって不快臭をもたらす場合がある。更に、近年
では複写機やプリンタの小型化に伴い、オフィス等では
それらを身近で使用することが多くなってきた。また、
一般家庭でも使用される機会が増し、結果としてトナー
から発せられる臭気が、従来に増して使用者に不快感を
与える機会が多くなっている。
【0005】また、電子写真装置から発生する悪臭原因
の一つにコロナ放電によるオゾン発生があったが、ロー
ラ帯電やブラシ帯電等の接触帯電法、或いはオゾン発生
を極力抑えたコロナ放電器等の技術革新により、オゾン
臭は劇的に低減され、そのため相対的にトナー臭がユー
ザーに不快感を与える場合が多くなった。また、本体装
置にオゾン、臭気等を吸着するためのフィルターを付設
している場合が多かったが、これは生産コスト的にも不
利であり、また、脱臭性能維持のための定期的な交換等
の煩わしさもあった。
【0006】上記のようなトナーに由来する臭気を低減
させる方法としては、従来からバインダー樹脂中の不純
物を低減する方法がある。特開昭64−70765号公
報、特開昭64−88556号公報、特開平8−328
311号公報等には、バインダー樹脂中の残存モノマー
を低減することにより臭気を低減する方法が提案されて
いる。また、特開平7−104514号公報、特開平7
−104515号公報には、樹脂中の揮発成分の低減だ
けでは十分でないとし、トナーの製造工程の間に原材料
中に微量含まれる化学的に不安定な物質発生が分解して
生ずる生成物が臭気の発生原因となることから、原料モ
ノマー及び溶剤を含む最終的なトナー製品全体の臭気成
分対策が開示されており、また、特開平8−17123
4号公報では、臭気の原因物質はトナー中に含有するベ
ンズアルデヒドの酸化生成物であるとして、ベンズアル
デヒドの含有量を低減する試みがなされている。
【0007】また、一方では特開平9−230628号
公報に見られるように、樹脂の分子量制御剤であり、ト
ナーの基本性能上欠かすことのできないアルキルメルカ
プタン(臭気発生の原因物質の一つ)の使用量を低減し
つつ、これを必要最低量含有することで、臭気改善のた
めに定着性に悪影響が現れることを防止する工夫がなさ
れている。
【0008】また、特開平3−105350号公報で
は、臭気物質を反応吸着する物質として、アルキルベタ
イン化合物をトナー中に添加する試みが開示されてい
る。しかしながら、この技術におけるベタイン化合物は
その構造上、他のトナー成分への吸着性が避けられず、
例えばトナーとしての帯電性等の基本品質に好ましい影
響を与えないという欠点があった。更に、特開平2−2
40663号公報では、製造工程において脱臭剤とトナ
ーを5時間以上接触させ、脱臭する方法がとられている
が、製造時間が長時間にわたることや、製造終了後に発
生する臭気については低減されない等の欠点があった。
【0009】更に、上記いずれの場合も、人間が知覚し
得る臭気物質の必要量は極めて微量であるため、如何に
原因物質の除去を行なっても、製造終了からユーザーに
よって開封、使用される間に、ごくわずかに揮発した臭
気物質や、製造後の保管環境によってはトナー成分の一
部が分解して生ずる微量の臭気物質もあり、これらは容
易に知覚し得るものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、通常
のトナー製造方法においてごくわずかに残存する臭気物
質や、製造後の保管環境等によってトナー成分の一部が
分解して生ずる微量の臭気物質を十分に脱臭・除去し
た、即ちトナー自体の臭いと定着時の臭気が少ないトナ
ーを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を達成すべく鋭意検討した結果、以下の手段により達成
可能なことを見い出した。すなわち、上記課題は、本発
明の(1)「少なくともトナー使用開始時点まで、消臭
剤が添加されていることを特徴とする静電潜像現像用ト
ナー」、(2)「該消臭剤が硫酸第一鉄であることを特
徴とする前記(1)項に記載の静電潜像現像用トナ
ー」、(3)「該消臭剤が人工酵素であることを特徴と
する前記(1)項に記載の静電潜像現像用トナー」、
(4)「該消臭剤が銅クロロフィリンナトリウムである
ことを特徴とする前記(3)項に記載の静電潜像現像用
トナー」、(5)「該消臭剤が鉄クロロフィリンナトリ
ウムであることを特徴とする前記(3)項に記載の静電
潜像現像用トナー」、(6)「該消臭剤が銅カルボキシ
メチルセルロースであることを特徴とする前記(3)項
に記載の静電潜像現像用トナー」、(7)「該消臭剤が
鉄フタロシアニンオクタカルボン酸であることを特徴と
する前記(3)項に記載の静電潜像現像用トナー」によ
り達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明によると、少なくともトナー使用開始時点まで、
消臭剤を添加しておくことにより、トナー自体の臭い
と、定着時の臭気を除去した静電潜像現像用トナーを提
供することができる。すなわち、本発明のトナーは、粉
砕・分級工程、或いは添加剤の混合後から少なくともト
ナー使用時点まで密封された容器内にトナーと消臭剤を
一緒に入れてトナーの臭気を除去するものであり、更
に、トナー補給装置、現像装置内にも併設すると、トナ
ー容器内での脱臭期間が短くて済む。
【0013】消臭剤の添加方法はトナー中に直接混合し
てもよいし、通気性のある袋或いはケースに入れて、密
封された容器、ボトル、袋、またカートリッジと一体と
なったトナー収納部等にトナーと一緒に入れてもよい。
消臭剤の粒径がトナーより十分に大きな場合には、トナ
ー中に分散させておくこともでき、その場合は、使用時
にトナーのみが現像領域に供給されるように、例えば、
トナー搬送経路にメッシュを設けたり、大粒径の消臭剤
が分離される場所を設ければよい。
【0014】消臭剤は、吸着機能、悪臭を分解する機能
をもつもの、いずれのタイプも使用可能である。例え
ば、活性炭は植物繊維、ヤシガラ、コーヒー豆、竹、木
片、石炭等の含炭素物質を原料として作られ、表面が複
雑な多孔性構造を持ち、膨大な細孔面積を有するもので
あり、臭気吸着能力に優れている。使用形態は粉状、粒
状のどちらでもよいが、300m2/g以上の表面積を
持つものが好ましい。
【0015】消臭剤を添加し、脱臭処理する場合、数時
間から効果が見られるが、時間は長いほど良い。常温で
保存される場合は、10日間以上がより好ましい。トナ
ーボトル、カートリッジに詰めて保存される場合は、温
度が高い方が脱臭速度は速いが、他方では吸着剤による
悪臭物の吸着過程は発熱を伴なうものであり、また、温
度が高すぎるとトナーのブロッキングや帯電特性に悪影
響が生じるので、好ましくは50℃以下で保管されるの
が適当である。
【0016】本発明によると、消臭剤として硫酸第一鉄
を使用することにより、十分な脱臭効果が得られる。ま
た、人工酵素がトナーの消臭剤として有効であり、鉄ク
ロロフィルや銅クロロフィルを使用することにより、更
に脱臭効果が大きくなる。銅クロロフィルは、茶葉を乾
燥してアセトンでクロロフィルを抽出した後、無機銅塩
を加えて精製することにより得られる。
【0017】また、本発明の消臭剤として用いる人工酵
素のうち、銅クロロフィリンナトリウム(C3431Cu
4Na36)が脱臭効果が大きい。銅クロロフィリン
ナトリウムは銅クロロフィルをエーテルで溶解し、5〜
10%の炭酸ソーダ水溶液で中和し、沈殿物を集めて乾
燥することにより得られる。
【0018】更にまた、本発明の消臭剤として用いる人
工酵素のうち、鉄クロロフィリンナトリウム(C3431
FeN4Na36)が十分な性能を発揮する。鉄クロロ
フィリンナトリウムは茶葉を乾燥してアセトンでクロロ
フィルを抽出した後、アルカリでクロロフィリンとし、
鉄塩溶液を加えて煮沸し、鉄クロロフィリンを得る。こ
れを炭酸ソーダで中和することにより得られる。
【0019】更にまた、本発明の消臭剤として用いる人
工酵素のうち、銅カルボキシメチルセルロースがトナー
に対する脱臭効果が良好であり、銅フタロシアニンオク
タカルボン酸及び鉄フタロシアニンテトラカルボン酸も
トナーに対する脱臭効果が顕著である。
【0020】本発明に使用される熱可塑性樹脂を作成す
るための単量体は、特に限定されるものではないが、具
体例として以下の各モノマーが挙げられる。すなわち、
スチレンおよびその誘導体、例えば、メチルスチレン、
ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレ
ン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピル
スチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチ
ルスチレン、オクチルスチレンの如きアルキルスチレ
ン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレ
ン、ジブロモスチレン、ヨードスチレンのごときハロゲ
ン化スチレン、更にニトロスチレン、アセチルスチレ
ン、メトキシスチレンなどが挙げられる。
【0021】また、付加重合性不飽和カルボン酸、すな
わち、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル
酸、クロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸、アンゲ
リカ酸のごとき付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン
酸、または、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサ
コン酸のごとき付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸が
挙げられる。また、カルボン酸の金属塩化したものも用
いることができ、この金属塩化は重合終了後に行なうこ
とができる。
【0022】また、前記付加重合性不飽和カルボン酸と
アルキルアルコール、ハロゲン化アルキルアルコール、
アルコキシアルキルアルコール、アラルキルアルコー
ル、アルケニルアルコールのごときアルコールとのエス
テル化物などが挙げられる。そして、上記アルコールの
具体例としてメチルアルコール、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコー
ル、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチ
ルアルコール、ノニルアルコール、ドデシルアルコー
ル、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール
のごときアルキルアルコール;これらアルキルアルコー
ルを一部ハロゲン化したハロゲン化アルキルアルコー
ル、;メトキシエチルアルコール、エトキシエチルアル
コール、メトキシプロピルアルコール、エトキシプロピ
ルアルコールの如きアルコキシアルキルアルコール;ベ
ンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニ
ルプロピルアルコールの如きアラルキルアルコール;ア
リルアルコール、クロトニルアルコールの如きアルケニ
ルアルコールが挙げられる。
【0023】また、前記付加重合性不飽和カルボン酸よ
り誘導されるアミドおよびニトリル;エチレン、プロピ
レン、ブテン、イソブチレンのごとき脂肪族モノオレフ
ィン;塩化ビニル、臭化ビニル、よう化ビニル、1,2
−ジクロルエチレン、1,2−ジブロムエチレン、1,
2−ジヨードエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソ
プロペニル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデ
ン、弗化ビニル、弗化ビニリデンのごときハロゲン化脂
肪族オレフィン、;1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエ
ン、3−メチル−2,4−ヘキサジエンの如き共役ジエ
ン系脂肪族ジオレフィンが挙げられる。
【0024】更に、酢酸ビニル類、ビニルエーテル
類、;ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピ
ロリドンなどの含窒素ビニル化合物が挙げられる。本発
明に使用する樹脂は、これらのモノマーを1種または2
種以上を重合したものを用いることができる。
【0025】また、ポリエステル系樹脂としては、一般
公知のアルコールと酸との重縮合反応によって得られる
ものを全て用いることができる。また、一般公知の方法
により酸価の制御を行なうことができる。例えばアルコ
ールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4
−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビ
ス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノー
ルA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン
化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェ
ノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを
炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置
換した二価のアルコール単位体、その他の二価のアルコ
ール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサン
テトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトー
ル、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、
蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペ
ンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパン
トリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以
上の高アルコール単量体を挙げることができる。
【0026】また、ポリエステル樹脂を得るために用い
られるカルボン酸としては、例えばパルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸などのモノカルボン酸、マレイン
酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタ
ル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22
の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価の有
機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステ
ルとリノレイン酸の二量体、1,2,4−ベンゼントリ
カルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、
2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−
ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカ
ルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,
3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボ
キシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタ
ン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボ
ール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価
カルボン酸単量体を挙げることができる。
【0027】トナーが良好な画像を得るためには十分な
流動性を付与し、転写抜けなどの異常のない良好な画像
を得ることが肝要である。これには一般に流動性向上材
として疎水化された金属酸化物の微粒子や、滑剤などの
微粒子を外添することが公知であり、金属酸化物、有機
樹脂微粒子、金属石鹸など下記のものを用いることが可
能である。例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛のごとき
滑剤或いは酸化セリウム、炭化ケイ素などの研磨剤、あ
るいは例えば表面を疎水化したSiO2、TiO2等の無
機酸化物などの流動性付与剤、ケーキング防止剤として
知られるもの、および、それらの表面処理物などであ
る。特に従来、流動性の向上効果においては疎水性シリ
カが好ましく用いられる。
【0028】本発明に使用される着色剤としては、カー
ボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシ
ン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6
G、レーキ、カルコオイルブルー、フロムイエロー、キ
ナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、ト
リアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、染顔
料など、従来公知の染顔料を単独あるいは混合して使用
し得る。
【0029】また、トナーの摩擦帯電性を十分に制御す
る目的で、いわゆる極性制御剤、例えばモノアゾ染料の
金属錯塩、ニトロフミン酸およびその塩、サリチル酸、
ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo、Cr、Fe等の金属
錯体アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物、有機染
料等を含有させることができる。
【0030】さらにまた、本発明のトナーは、必要に応
じて離形剤を添加してもよい。本発明で使用される離型
材料としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリ
エチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン
酸ワックス等を単独または混合して用いることができる
がこれらに限定されるものではない。特に、脱遊離脂肪
酸型カルナウバワックス、モンタンワックス、酸化ライ
スワックス、フィッシャートロプシュワックスから選ば
れる離型剤を用いた場合、離形性に優れ、熱ローラー、
熱フィルムなどの接触型定着を使用した場合、定着部材
温度の広い温度範囲で使用が可能となる。
【0031】本発明のトナーは一成分現像方式、二成分
現像方式のいずれの現像方式においても使用できる。二
成分現像剤の場合には、本発明に使用し得るキャリアと
しては、公知のものが使用可能である。被覆用樹脂とし
ては、表面エネルギーが小さく、且つ耐熱性の良好なも
のであれば、単独又は混合して使用することも可能であ
り、例えば、ポリ四弗化エチレン(PTFE)、パーフ
ルオロアルコキシ・フッ素樹脂(PFA)、四弗化エチ
レン・六弗化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン
・四弗化エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロ三
弗化エチレン(PCTFE)、弗化ビニリデン(PVD
F)、弗化ビニル(PVF)、ポリイミド樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等が挙げられる。また、シリコーン樹脂
としては下記一般式で表わされる繰り返し単位を含むシ
リコーン樹脂が挙げられる。
【0032】
【化1】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、
メトキシ基またはC1〜C4の低級アルキル基又はフェニ
ル基を表わす。)
【0033】また、ストレートシリコーン樹脂として
は、例えば、KR271、KR272、KR282、K
R252、KR255、KR152(信越化学工業社
製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニン
グシリコーン社製)等が挙げられる。
【0034】また、変性シリコーンとしては、エポキシ
変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール
変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステ
ル変性シリコーン、アルキッド変性シリコーンなどが挙
げられ、変性シリコーンの例としては、エポキシ変性:
ES−1001N、アクリル変性:KR5208、ポリ
エステル変性:KR−5203、アルキッド変性:KR
−206、ウレタン変性:KR−305(以上、信越化
学工業社製)、エポキシ変性:SR−2115、アルキ
ッド変性:SR2110(以上、東レダウコーニングシ
リコーン社製)等が挙げられる。
【0035】更にシリコーン樹脂と添加物の分散性、相
溶性を向上させるために、一般公知のシランカップリン
グ剤を含めることができる。シランカップリング剤とし
ては、下記一般式
【0036】
【化2】X−Si(OR)n (但し、nは1〜3の整数を表わす。)で表わされ、X
は有機物、無機物との反応性、吸着性を有する各種の官
能基、および官能基を有する飽和、不飽和の炭化水素鎖
を意味する。ORはアルコキシ基を意味する。特にXに
アミノ基を有する、所謂アミノシランカップリング剤は
好ましく用いられる。
【0037】また、コート層に抵抗調整、被膜強度アッ
プ等のため、導電性ZnO、Al等の金属粉、各種の方
法で作られたSnO2、MoB2、炭化けい素、及び導電
性高分子、カーボンブラック等を含有させることができ
る。
【0038】キャリア芯材としては、例えば従来より公
知の、鉄、コバルト等の強磁性体、マグネタイト、ヘマ
タイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、
Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、B
aフェライト等が挙げられる。
【0039】本発明の被覆樹脂の形成方法は、スプレー
ドライ法、浸漬法、或いはパウダーコーティング法等の
公知の方法を用いることができる。
【0040】
【実施例】[製造例1]撹拌機、コンデンサー、温度計
を備えた加圧可能な反応器に水300部、部分鹸化ポリ
ビニルアルコール(日本合成化学工業製ゴーセノール
GH−20)1.0部を入れ、回転速度200rpmで
撹拌しながら、スチレン65部、n−ブチルアクリレー
ト25部、2−エチルヘキシルアクリレート6部、過酸
化ベンゾイルを開始剤として、3部を溶解した溶液を投
入し、温度80℃に加温して、6時間保持し、重合を完
結させた。生成物を冷却し、十分に水洗いし、遠心脱水
機で脱水した後、熱風循環乾燥機を用いて50℃で24
時間乾燥し、粒状のポリマーAを得た。
【0041】 [製造例2] ポリマーA 100部 カルナウバワックス1号品 5部 磁性体(マグネタイト:平均粒径0.2ミクロン) 45部 カーボンブラック(キャボット社製 モーガルL) 1部 含クロムアゾ染料 2部 をブレンダーにて十分に混合した後、2軸式押出し機に
て溶融混練し、放冷後カッターミルで粗粉砕し、ついで
ジェット気流式微粉砕機で微粉砕した。さらに風力分級
機で分級を行ないトナー母粒子Bを得た。
【0042】つづいて、トナー母粒子B100部に対し
て、日本アエロジル(株)製、疎水性シリカ微粉末 R9
72の0.7部を加え、ヘンシェルミキサーで5分間の
撹拌を行ない、得られた粉体を目開き100μmのメッ
シュにより篩い、粗大粒子を取り除いてトナーBを得
た。トナーBの粒径をコールター株式会社製 コールタ
ーマルチサイザーIIで測定したところ、体積平均粒径
7.4μmであった。また、(株)島津製作所製、フロ
ーテスターCFT−500Cで測定したところ、軟化温
度83℃、流出開始温度125℃を示した。このトナー
B60gをポリエチレン製の補給ケースに充填し密封し
た。
【0043】[製造例3]トナーB60gに対して、活
性炭(ヤシガラから製造された粒径約2mm、表面積1
000m2/g以上のもの)12gを通気性のよい布袋
に入れて、ポリエチレン製のトナー補給ケース内にトナ
ーBと共に密封した。この状態にあるケース内のトナー
Bを、改めてトナーCと呼ぶことにする。
【0044】[実施例1]トナーと活性炭の入った袋が
ポリエチレン製のケースに一緒に密封された状態(製造
例3)で20日経過したトナーCについて、開封したと
きの臭気の有無を10人のパネラーに確認させた。更
に、このトナーCを排気フィルターを取り外した(株)
リコー製レーザープリンター(一成分現像方式)に入
れ、画像面積7%のチャートを連続100枚プリント
し、このときの定着臭気の有無を同じく10人のパネラ
ーに回答させた。パネラー10人中、トナーC容器の開
封時は3人、プリント時は3人が不快臭を感じた。
【0045】[比較例1]トナーB(製造例2)をポリ
エチレン製のケースに一緒に密封された状態で20日経
過した後、ボトルを開封したときの臭気の有無を10人
のパネラーに確認させた。更に、このトナーBを排気フ
ィルターを取り外した(株)リコー製レーザープリンタ
ー(一成分現像方式)に入れ、画像面積7%のチャート
を連続100枚プリントし、このときの定着臭気の有無
を同じく10人のパネラーに回答させた。パネラー10
人中、トナーB容器の開封時は8人、プリント時は9人
が不快臭を感じた。
【0046】[実施例2]実施例1において、活性炭1
2gの代りに硫化第一鉄(FeSO4・7H2O)30g
を使用する以外は、実施例1と全く同じ方法でパネラー
による臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
【0047】[実施例3]実施例1において、活性炭1
2gの代りに人工酵素である銅クロロフィル5gを使用
する以外は、実施例1と全く同じ方法でパネラーによる
臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
【0048】[実施例4]実施例3において、銅クロロ
フィル5gの代りに下記式で表わされる銅クロロフィリ
ンナトリウム(C3431CuN4Na36)5gを使用
する以外は、実施例3と全く同じ方法でパネラーによる
臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
【0049】
【化3】
【0050】[実施例5]実施例3において、銅クロロ
フィル5gの代りに下記式で表わされる鉄クロロフィリ
ンナトリウム(C3431FeN4Na36)5gを使用
する以外は、実施例3と全く同じ方法でパネラーによる
臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
【0051】
【化4】
【0052】[実施例6]実施例3において、銅クロロ
フィル5gの代りに銅カルボキシメチルセルロース30
gを使用する以外は、実施例3と全く同じ方法でパネラ
ーによる臭気テストを実施した。結果を表1に示す。
【0053】[実施例7]実施例3において、銅クロロ
フィル5gの代りに下記式で表わされる鉄フタロシアニ
ンオクタカルボン酸30gを使用する以外は、実施例3
と全く同じ方法でパネラーによる臭気テストを実施し
た。結果を表1に示す。
【0054】
【化5】
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】以上、詳細且つ具体的な説明より明らか
なように、本発明は、通常のトナー製造方法においてご
くわずかに残存する臭気物質や、製造後の保管環境等に
よってトナー成分の一部が分解して生ずる微量の臭気物
質を十分に脱臭・除去した、即ち、使用前のトナー自体
の臭いと定着時の臭気が少ないトナーを提供することが
可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA08 CA20 CA25 CB02 2H077 EA01 EA11 4C080 AA03 BB02 BB04 CC12 MM02 MM19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともトナー使用開始時点まで、消
    臭剤が添加されていることを特徴とする静電潜像現像用
    トナー。
  2. 【請求項2】 該消臭剤が硫酸第一鉄であることを特徴
    とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該消臭剤が人工酵素であることを特徴と
    する請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該消臭剤が銅クロロフィリンナトリウム
    であることを特徴とする請求項3に記載の静電潜像現像
    用トナー。
  5. 【請求項5】 該消臭剤が鉄クロロフィリンナトリウム
    であることを特徴とする請求項3に記載の静電潜像現像
    用トナー。
  6. 【請求項6】 該消臭剤が銅カルボキシメチルセルロー
    スであることを特徴とする請求項3に記載の静電潜像現
    像用トナー。
  7. 【請求項7】 該消臭剤が鉄フタロシアニンオクタカル
    ボン酸であることを特徴とする請求項3に記載の静電潜
    像現像用トナー。
JP13938499A 1999-05-20 1999-05-20 静電潜像現像用トナー Pending JP2000330326A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13938499A JP2000330326A (ja) 1999-05-20 1999-05-20 静電潜像現像用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13938499A JP2000330326A (ja) 1999-05-20 1999-05-20 静電潜像現像用トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000330326A true JP2000330326A (ja) 2000-11-30

Family

ID=15244067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13938499A Pending JP2000330326A (ja) 1999-05-20 1999-05-20 静電潜像現像用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000330326A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022071306A1 (ja) * 2020-09-29 2022-04-07 日本製紙株式会社 銅担持カルボキシメチル化セルロース繊維及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022071306A1 (ja) * 2020-09-29 2022-04-07 日本製紙株式会社 銅担持カルボキシメチル化セルロース繊維及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007004086A (ja) 静電荷現像用トナー、及びその製造方法
JP2017058604A (ja) トナーおよびその製造方法
JP2000330326A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2005227306A (ja) 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
JPH08129272A (ja) 静電荷像現像用キャリア及び静電荷像現像剤
JPS5811954A (ja) 静電荷像現像用トナ−
JP2000047431A (ja) 静電潜像現像用トナー及び現像剤の製造方法
JP2000029237A (ja) 静電荷像現像用トナー
US7399567B2 (en) Toner for electrostatic latent image development, electrostatic latent image developer containing the toner, and image formation method using the developer
JP5304028B2 (ja) 現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジ
JP3918425B2 (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法
JP2008281883A (ja) トナー、並びに現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JPH04250464A (ja) フラッシュ定着用トナー
JP2000029236A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH01223469A (ja) 画像形成方法
JPS60123852A (ja) 加熱定着用トナ−
JP5949580B2 (ja) 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JPS60123849A (ja) 加熱定着用トナ−
JP2636303B2 (ja) 静電像現像剤
JPH04190240A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2017227698A (ja) 2成分現像剤及びその製造方法
JP2003057865A (ja) 静電潜像現像用トナー及び画像形成装置
JP2009137616A (ja) 樹脂収容容器、現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジ
JP2009288607A (ja) 現像剤用カートリッジ
JPS5880651A (ja) 現像剤