JP2003057865A - 静電潜像現像用トナー及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用トナー及び画像形成装置

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JP2003057865A
JP2003057865A JP2002164165A JP2002164165A JP2003057865A JP 2003057865 A JP2003057865 A JP 2003057865A JP 2002164165 A JP2002164165 A JP 2002164165A JP 2002164165 A JP2002164165 A JP 2002164165A JP 2003057865 A JP2003057865 A JP 2003057865A
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particles
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deodorant
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Takeshi Omura
大村  健
Hisahiro Hirose
尚弘 廣瀬
Hiroshi Yamazaki
弘 山崎
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最近ますます身近に使われるようになった複
写機、プリンタ等の画像形成装置が出す臭いを正確に評
価・設計し、人間が心地よい臭い(芳香)を出すものと
する。また、画像形成装置が出す臭いの最も大きな原因
を作るものは静電潜像現像用トナーであるから、予め画
像形成に当たって心地よい臭いを出すという観点からト
ナーの評価・設計を行うことが出来るようにする。 【解決手段】 スチレンとn−ブチルアクリレートで形
成される臭い空間において、スチレン臭に対するcos
θが0.990〜0.998、n−ブチルアクリレート
に対するcosθが0.986〜0.994にあること
を特徴とする静電潜像現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等に用いられる静電潜像現像用トナーとそれを用いた画
像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真等で用いられている静電潜像現
像用トナー(以降、単にトナーということがある)中に
含まれる不純物、特に低分子量の臭いをもつ成分は、ト
ナー使用の際、トナー容器を開封したとき等に不快感を
与える臭気を発するなどの不具合をもたらすことがあ
る。
【0003】又、トナー像をコピー紙面に定着する方法
として、通常、熱定着法等が用いられている。更に、熱
定着法としては、一般的に、加熱ローラー定着法が広く
用いられている。この方法は、被定着トナー像を転写材
上に融着する際の熱効率が極めて良好で、迅速に定着す
ることができるため、定着方法として極めて有効であ
る。
【0004】しかしながら、この方法ではトナー像を加
熱するために、トナー中に含まれる微量成分を大気中に
放出し、使用者にとって不快臭をもたらす場合がある。
更に近年、複写機やプリンタの小型化に伴い、オフィス
等ではそれらを身近で使用する機会が益々多くなってき
ている。また、一般家庭で使用される機会も増し、結果
として、トナーから発せられる臭気は、従来にも増して
使用者に不快感を与えるケースが多くなっている。一
方、社会的にも臭いに対する関心が高まってきており、
良い臭い(芳香)を出すものは歓迎されるが、逆に悪い
臭いの場合は極端に忌避される傾向が出てきている。
【0005】電子写真装置から発生する悪臭の原因とし
ては、コロナ放電によるオゾン発生があったが、ローラ
帯電やブラシ帯電等の接触帯電法、あるいはオゾン発生
を極力抑えたコロナ放電器等の技術革新により、オゾン
臭は劇的に低減され、相対的にトナーに起因するトナー
臭が不快感を与える場合が多くなった。
【0006】これらの防止策としては本体装置に臭気を
吸着するためのフィルター等を付設している場合もある
が、これらは生産コスト的にも不利であり、また、脱臭
性機能維持のため、定期的な交換等の煩わしさもある。
【0007】トナーに由来する臭気を低減させる方法と
しては、従来からバインダー樹脂(結着樹脂)中の不純
物を軽減する方法がある。例えば、特開昭64−707
65号公報、同64−88556号公報、特開平8−3
28311号公報等には、バインダー樹脂中の残存モノ
マーの低減による臭気の低減が提案されている。また、
特開平7−104515号公報、同7−104514号
公報等には、樹脂中に含まれる揮発成分の低減だけでは
十分でないとして、トナー製造工程の間に、原材料中に
微量含まれる化学的に不安定な物質が分解して生ずる揮
発物が、臭気発生の原因となることから、その原材料の
臭気を除去する技術が開示されている。
【0008】また、特開平8−171234号公報で
は、臭気の原因物質として、トナー中に含有するベンズ
アルデヒドの酸化生成物であるとし、ベンズアルデヒド
の含有量を低減する試みがなされている。一方、特開平
9−230628号公報では、樹脂の分子量制御剤であ
り、トナーの基本性能上欠かすことのできないアルキル
メルカプタンの使用量を低減しつつ、これを必要最低量
に抑えることにより、臭気改善を行うと同時に、定着性
に悪影響が現れることを防止する工夫がなされている。
【0009】また、特開平3−105350号公報で
は、臭気物質と反応、あるいは吸着する物質としてアル
キルベタイン化合物をトナー中に添加する試みが記載さ
れている。更に、特開平2−240663号公報には粉
砕、分級工程において、脱臭剤とトナーを5時間以上接
触させ、脱臭する方法が記載されているが、この方法で
は、製造時間が長時間にわたることや製造終了後に発生
する臭気については、低減されるものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記いずれの方法も、
人間が知覚し得る臭気物質の含有量は極めて微量である
ため、その対策には困難が伴う。
【0011】しかし、もう一つ重要なことは、臭気に対
する人間の知覚は微妙なものであり、これを良い臭い
(芳香)と感じるか、悪い臭いと感じるかの判断が付き
にくいこと、及び無臭状態にすれば心地よいと人間は感
じるかという観点から、この問題を見る必要があること
である。
【0012】この観点に立つなら、極めて微量な含有物
が発生させる臭いの質を精度良く、客観的な基準に基づ
いて評価・設計する技術と、それに基づき、どんな臭い
がどの程度出れば、人間は心地よいと感ずるかを知る必
要がある。
【0013】即ち、本発明の目的は、最近ますます身近
に使われるようになった複写機、プリンタ等の画像形成
装置が出す臭いを正確に評価・設計し、人間が心地よい
臭い(芳香)を出すものとする。また、画像形成装置が
出す臭いの最も大きな原因を作るものは静電潜像現像用
トナーであるから、予め画像形成に当たって心地よい臭
いを出すという観点からトナーの評価・設計を行うこと
が出来るようにする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、微小で微妙な臭いを客観的に評価する方法を
見出し、其れに基づいた心地よい臭いの基準を定めるこ
とが出来、本発明に至った。
【0015】即ち、本発明の目的は、下記構成の何れか
を採ることにより達成される。 〔1〕 スチレンとn−ブチルアクリレートで形成され
る臭い空間において、スチレン臭に対するcosθが
0.990〜0.998、n−ブチルアクリレートに対
するcosθが0.986〜0.994にあることを特
徴とする静電潜像現像用トナー。
【0016】〔2〕 スチレンとメルカプトカルボン酸
エステル類で形成される臭い空間において、スチレン臭
に対するcosθが0.990〜0.998、メルカプ
トカルボン酸エステル類に対するcosθが0.991
〜0.998にあることを特徴とする静電潜像現像用ト
ナー。
【0017】〔3〕 トナー像を加熱定着する画像形成
装置において、スチレンとn−ブチルアクリレートで形
成される臭い空間における、スチレン臭に対するcos
θが0.990〜0.998、n−ブチルアクリレート
に対するcosθが0.986〜0.994の芳香を発
することを特徴とする画像形成装置。
【0018】〔4〕 トナー像を加熱定着する画像形成
装置において、スチレンとメルカプトカルボン酸エステ
ル類で形成される臭い空間における、スチレン臭に対す
るcosθが0.990〜0.998、メルカプトカル
ボン酸エステル類に対するcosθが0.991〜0.
998の芳香を発することを特徴とする画像形成装置。
【0019】尚、トナー中の臭気原因物質とサンプル間
の各ベクトルの角度を求め、その余弦(cosθ)を求
める。この時、ベクトルの角度が小さいほど、つまり、
cosθの値が大きいほど、そのサンプルは臭気原因物
質に類似した臭いということが出来る。
【0020】例えば、トナーa、bのベクトルを標準物
質のベクトルと共に示すと、図1のごとくなったとす
る。この場合には、cosθb>cosθaであるか
ら、トナーbの方がより標準物質の臭いに近いことにな
る。
【0021】標準物質として使用する物質は、スチレ
ン、メルカプトカルボン酸エステル類、n−ブチルアク
リレートであるが、これらの物質と同一の臭気ではな
く、若干離れた臭気が心地よい臭気源となり、作業効率
を向上させることができることを見出した。さらに、驚
くべきことに標準物質よりも大きく離れた臭気である場
合にも作業効率が低下することが判明した。この理由と
しては明確ではないが、通常の環境で使用されている複
写機やプリンタで馴れた臭いからあまりに異なった臭気
を感じるとそれにより違和感を感じ、作業効率が低下し
てしまうものと思われる。また、若干離れた臭いとする
ことで、感覚的な差違を感じさせずに作業効率が向上さ
せうるものと推察される。このため、標準物質に対する
傾き、cosθが特定の範囲となるようにトナーの臭気
を制御することが重要であることを見出し、本発明を完
成するに至ったものである。この特定範囲外となると、
作業効率が低下する。
【0022】本発明における臭い空間における特定物質
に対するcosθの測定方法は、下記の如くである。
【0023】測定試料としてトナー0.1gをポリエチ
レンテレフタレート製の2リットルサンプルバッグに入
れる。
【0024】窒素ガスを充填後、サンプルバッグごと1
60℃のホットプレートで30秒の加熱を行う。
【0025】標準試料の調製 スチレン臭用標準試料:2リットルサンプルバッグにス
チレン飽和ガス0.2mlを入れ窒素ガスで希釈する。
【0026】ここで飽和ガスとしては、常温で密閉保存
した試薬ビンの液面付近からマイクロシリンジで採取し
たガスをいう。
【0027】n−ブチルアクリレート臭用標準試料:2
リットルサンプルバッグにn−ブチルアクリレート飽和
ガス0.2mlを入れ窒素ガスで希釈する。
【0028】メルカプトカルボン酸エステル類臭用標準
試料:標準試料としてn−オクチル−3−メルカプトプ
ロピオン酸エステルを使用する。2リットルサンプルバ
ッグにn−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エス
テル飽和ガス0.5mlを入れ窒素ガスで希釈し1時間
放置する。
【0029】測定条件 測定装置:臭い識別装置 FF−1(島津製作所社製) センサ室温度 60℃ サンプリング流量:165ml/分 予備サンプリング時間:10秒 サンプリング時間:45秒 捕集管温度:40℃ ドライパージ 温度:40℃、流量:500ml/分、時間:45秒 デソープション 捕集管温度:220℃、時間:90秒、流量:20ml
/分 1サンプルあたりの測定回数:5回
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に用いることの出来
る素材、トナーの造り方、画像形成装置等につき詳細に
説明する。
【0031】本発明におけるトナーの製造法について
は、特に限定はされないが、いわゆる重合法にて造られ
たものが好ましい。この件については後に詳しく説明す
る。
【0032】又、本発明の臭気を達成するためには、消
臭剤などを使用し、標準物質を含む臭気を減少させ、特
定の範囲にする方法をあげることができる。トナー自体
の製造方法としては限定されるものではないが、樹脂と
着色剤等を溶融、混練、粉砕して得るいわゆる粉砕法よ
り、重合法トナーが樹脂を水溶媒中で合成する手法であ
り、臭気を消去することも容易であることから好まし
い。
【0033】次に、不快な臭い不要な臭いを消すための
消臭剤について記載する。 (植物抽出成分)植物抽出成分とは、植物に由来する抽
出物、抽出成分、あるいは植物抽出成分と同等の構造を
有する合成物を水等に分散させたものを指す。本発明に
おいて、植物抽出成分に係る消臭性物質としては、硫黄
系の悪臭成分を無臭化するものが好ましく、例えば、緑
茶エキス、柿縮合タンニンや竹エキスなどの植物抽出物
が好ましく、これらは硫化水素やメチルメルカプタン等
を化学的に分解して無臭分子に変えたり、あるいはこれ
らの悪臭分子を包み込んで(包接して)無臭化させる効
果を有する。
【0034】本発明で好ましく使用できる植物抽出成分
を含有する消臭剤を緑茶から製造する場合には、茶葉の
生葉粉砕物をエタノールに浸し、次いでこれにより得ら
れたカテキン類、ビタミン類、糖類及び酵素類を含むエ
タノール抽出溶液を濾過、濃縮することで本発明に係る
植物抽出成分を含有する消臭剤を得ることができる。
【0035】より具体的には、茶葉の生葉を80℃以下
のエタノール、例えば50〜70℃のエタノールで抽出
して製造されたものであり、この溶液には、茶葉の生葉
に含まれるエタノール可溶性の成分及び水溶性成分を包
含する。茶葉の生葉のエタノールでの抽出において、そ
のエタノール抽出液には、(−)−エピカテキン(E
C)、(−)−エピガロカテキン(EgC)、(−)−
エピカテキンガレート(ECg)及び(−)−エピガロ
カテキンガレート(EGCg)等のフラバノール類、酸
化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素及び異性化酵素等
の酵素類、フラボノール類、例えば、フラボン、イソフ
ラボン、フラボノール、フラバノン、フラバリール、オ
ーロン、アントアニジン、カルコン、ジヒドロカルコン
等とフラボノール類のグリコシド、カフェイン、アミノ
酸類、フラバンジオール類、多糖類及び蛋白質類、ビタ
ミン類等を含む緑茶エキスと略同様の抽出成分が含まれ
ている。茶葉の生葉成分は、天候、気温、収穫時及び収
穫地により変動するので、消臭剤として均一で安定した
消臭持続時間をもたらすと共に、消臭剤の消臭効果及び
消臭力を補強するために、合成、精製されたビタミンC
及びビタミンB1を、エタノール抽出液に、その固形分
の1乃至2質量%添加することが好ましい。
【0036】本発明に係る消臭剤は、カテキン類、ビタ
ミン類、糖類及び酵素類を含むエタノールなどのアルコ
ール溶液であり、さらに、茶葉の生葉のアルコールの抽
出残渣を含ませることができる。したがって、本発明に
係る消臭剤は、茶葉の生葉の粉砕物をアルコールに浸し
て、生葉に含まれる茶葉の成分を抽出することにより製
造することができる。
【0037】植物抽出成分を含有する消臭剤の他の具体
例としては、ヒノキ、青森ヒバ、ブナ、スギ、クスノ
キ、ユーカリなどの樹木、香草、カラシ、ワサビ、レモ
ン、カリン、ハッカ、チョウジ、セイロンニッケイ、
竹、イリオモテアザミ根茎、あるいはヤエヤマヤシ根な
どであり、これらの植物体を、粉砕、圧搾、煮沸、ある
いは水蒸気蒸留などにより処理することで、抽出物や抽
出成分を得ることができる。植物由来の抽出成分、ある
いは植物抽出成分と同等の構造を有する合成物の具体的
な例としては、ヒノキチオールなどのトロポロン類、α
−ピネン、β−ピネン、カンファ、メントール、リモネ
ン、ボルネオール、α−テルピネン、γ−テルピネン、
α−テルピネオール、テルピネン−4−オール、シネオ
ールなどのモノテルペン類、α−カジノール、t−ムロ
ールなどのセスキテルペン類、カテキン、タンニンなど
のポリフェノール類、2,3,5−トリメチルナフタレ
ンなどのナフタレン誘導体、シトロネロールなどの長鎖
脂肪族アルコール、シンナムアルデヒド、シトラール、
ペリラアルデヒドなどのアルデヒド類、アリルイソチオ
シアネートなどのアリル化合物などが挙げられる。ま
た、樹木を蒸し焼きにすることで得られる木酢液も本発
明においては使用可能である。植物由来の抽出成分、あ
るいは植物抽出成分と同等の構造を有する合成物が水に
不溶の場合は、界面活性剤など分散剤をもちいて、水に
分散して用いることができる。
【0038】市販の植物抽出成分消臭剤としては、例え
ば、F118(ファイン2社製)、デルセン(有恒薬品
工業社製)などが好ましく用いられる。
【0039】植物抽出成分の少なくとも1つが、フィト
ンチッド類であることを特徴とするフィトンチッド系脱
臭剤とは、フィトンチッドを含有する植物抽出物を主成
分とするもので、針葉樹より抽出した分子量15,00
0〜2,300,000の天然高分子物質にアニオン活
性剤、グリコール類、特殊活性剤、ホスト化合物等を添
加して製造され、その効果は、中和包接法により臭気成
分を完全に化学的に分解し、他の物質に変える作用を有
する。市販の商品としては、バイオダッシュD−200
(ダイソー社製)が好ましく用いられる。
【0040】(酵素系消臭剤)酵素を含有する消臭剤と
しては、生体酸化酵素、とりわけ、ある種の金属含有酵
素類のなかに、アンモニア、アミン、硫化水素、メルカ
プタン類、インドール、カルボニル化合物等を酸化分解
する機能を持つものが多い。すなわち、臭気分子の多く
は移動性水素を有するため、これを脱水素酸化し、ダイ
マー化、水溶性化及び不揮発化させることにより消臭が
可能となる。
【0041】消臭効果を有する酵素の具体例としては、
タカラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、パ
パイン、キモパパイン、ペプシン等の酵素を挙げること
ができる。タカラーゼ酵素は、ヘマトポルフィリンを含
み、アポ蛋白質と結合し、鉄が3価スピンの電子状態
で、蛋白質のヒスチジンイミダゾール窒素が第5配位座
に配位している。また、市販の酵素系消臭剤としては、
バイオC(コンソルコーポレーション製)、バイオダッ
シュP−500(ダイソー社製)が好ましく用いられ
る。
【0042】(金属フタロシアニン類及びそれを用いた
人工酵素系消臭剤)金属フタロシアニン系消臭剤として
は、金属フタロシアニン類を含有する人工酵素系消臭剤
がある。
【0043】天然酵素であるタカラーゼと類似の触媒活
性を有する金属フタロシアニン誘導体、好ましくはカル
ボキシフタロシアニン鉄錯体、特に好ましくはオクタカ
ルボキシフタロシアニン鉄錯体は、タカラーゼと類似の
反応機構で臭気分子を分解する効果を有する。
【0044】金属フタロシアニンを消臭剤として用いた
場合、 1:反応速度が速く分解効率がよい 2:常温で反応が進行する 3:水系反応であるために環境汚染の心配がない 4:サイクル反応であるため、触媒寿命が長いなどの悪
臭を分解する上に有利等の条件を具備している。
【0045】また、金属フタロシアニン誘導体と高分子
化合物とをイオン結合させた人工酵素を消臭剤として用
いることも出来る。高分子化合物の具体例としては、シ
クロデキストリンが好ましく用いられる。
【0046】(微生物消臭剤)微生物系消臭剤として
は、微生物培養液を用いた消臭剤が使用される。微生物
としては、例えば、バチルス属、エンテロバクター属、
ストレプトコッカス属、リゾープス属、アスペルギルス
属から選ばれる1種以上の微生物を挙げることができ
る。更には、ニトロソモナス属、ニトロバクター属及び
シュードモナス属の微生物が好ましく使用される。微生
物消臭剤は、これらの微生物10質量部に対して、糖類
5〜100質量部、水溶性窒素化合物0.1〜50質量
部及び水1000〜50000質量部からなる混合物
を、温度20〜40℃、酸素供給量0.02〜2.0リ
ットル/分の条件下で15〜40時間培養後、遠心分離
により得られた上澄み液または培養液を乾燥して得られ
る。培養液には、必要に応じ微生物を担持するためにオ
ガクズなどの多孔性粉末20〜300質量部を加えても
よい。また、これら微生物系消臭剤には、液状アルデヒ
ド、具体的にはグルタルアルデヒドを併せて使用しても
良い。液状アルデヒドとの混合により、その消臭効果が
一層高まり好ましい。
【0047】本発明に好ましく使用される微生物の具体
例としては、バチルス(Bacillus)属の微生物
としては、特にバチルス・サブチルス(B.subti
lis)[IAM(Institute of App
lied Microbiology;東京大学応用微
生物研究所有用菌株保存施設の略称;以下同様にこの略
称で示す)1168]、バチルス・ナットウ(B.na
tto)[IFO(Institute for Fe
rmentation Osaka:財団法人発酵研究
所:の略称;以下同様にこの略称で示す)3009]が
好適であるが、この他に、バルチス・コアギュラス
(B.coagulans)[IAM 1115]、バ
チルス・マセランス(B.macerans)[IAM
1243]も利用できる。
【0048】エンテロバクター(Enterobact
er)属の微生物としては、エンテロバクター・サカザ
キ(E.sakazaki)[IAM 12660]、
エンテロバクター・アグロネランス(E.agglon
erans)[IAM 12659]などを用いること
ができる。
【0049】ストレプトコッカス(Streptoco
ccus)属の微生物としては、ストレプトコッカス・
フェカリス(S.faecalis)[IAM 111
9]、ストレプトコッカス・クレモリス(S.crem
oris)[IAM 1150]及びストレプトコッカ
ス・ラクチス(S.lactis)[IFO 1254
6]などを用いることができる。
【0050】リゾープス(Rhizopus)属の微生
物(カビ)としては、リゾープス・ホーモサエンシス
(R.formosaensis)[IAM 625
0]、リゾープス・オリザエ(R.oryzae)[I
AM6006]などを用いることができる。
【0051】アスペルギルス(Aspergillu
s)属の微生物としては、アスペルギルス・オリザエ
(A.oryzae)[IFO 4176]、アスペル
ギルス・ニガー(A.niger)[IFO 406
6]などを用いることができる。
【0052】ニトロソモナス(Nitrosomona
s)属の微生物としては、ニトロソモナス・ユーロパエ
ア(N.europaea)[IFO 14298]な
どを用いることができる。
【0053】ニトロバクター(Nitrobacte
r)属の微生物としては、ニトロバクター・アギリス
(N.agilis)[IFO 14297]などを用
いることができる。
【0054】シュードモナス(Pseudomona
s)属としては、シュードモナス・キャリオフィリ
(P.caryophilli)[IFO 1295
0]、シュードモナス・スタッチェリ(P.statz
eri)[IFO 3773]などを用いることができ
る。
【0055】微生物消臭剤は、休眠中の微生物、消臭に
有効な有機酸、有機物を分解する酵素を含む。すなわ
ち、微生物が糖類やアルコールを乳酸、クエン酸、リン
ゴ酸等の有機酸に変換したり、酵素(アミラーゼ、プロ
テアーゼ、リパーゼなど)を産出して、悪臭源(有機
物)を分解する作用を奏する。
【0056】(トナー粒子表面への消臭剤の吸着)本発
明において、乾燥時または密封包装後、トナー臭気成分
がトナー内部より滲出しても、消臭作用を持続させる観
点から、消臭剤は表面に吸着した状態とするとよい。
【0057】吸着させる方法としては、特に限定されな
いが、トナーを重合法で造り、塩析凝集させる場合に
は、水系媒体に消臭剤を溶解または分散させることが好
ましく、後述するトナー濾過洗浄工程で、界面活性剤や
塩析剤などの付着物を除去した後に、消臭剤液で処理す
ることが特に好ましい。吸着させる消臭剤濃度は、トナ
ーに対して、0.01〜10ppmであることが好まし
い。0.01ppm以下では消臭作用の持続性が低く、
10ppm以上では帯電特性が安定しない。
【0058】次に、本発明の静電潜像現像用トナーの製
造方法について説明する。 (トナー製造方法)本発明に係るトナーの製造方法にお
いては、特に限定はない。しかし、消臭と香りを付加す
る処理に自由度があるため、いわゆる重合法、すなわ
ち、重合性単量体を水系媒体中で重合してトナー粒子を
造る方法が好ましい。
【0059】本発明でいう水系媒体とは、水50〜10
0質量%と水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる
媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、
アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等
を例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアル
コール系有機溶媒が好ましい。
【0060】本発明に係るトナーの製造方法の一例を以
下に示す。トナーの製造工程は、主に、以下に示す工程
より構成されている。
【0061】1:離型剤及び/又は結晶性ポリエステル
が最外層以外の領域(中心部または中間層)に含有され
ている複合樹脂粒子を得るための多段重合工程(I) 2:複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させてト
ナー粒子を得る塩析/融着工程(II) 3:トナー粒子の分散液系から当該トナー粒子を濾別
し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過
・洗浄工程 4:洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程、 5:乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程
から構成される。
【0062】以下、各工程について、詳細に説明する。 〔多段重合工程(I)〕多段重合工程(I)は、多段重
合法により、樹脂粒子の表面に、単量体の重合体からな
る被覆層を形成することにより、複合樹脂粒子を製造す
る工程である。
【0063】本発明においては、製造の安定性および得
られるトナーの破砕強度の観点から三段重合以上の多段
重合法を採用することが好ましい。
【0064】以下に、多段重合法の代表例である二段重
合法および三段重合法について説明する。
【0065】〈二段重合法〉二段重合法は、離型剤を含
有する高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、低
分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成され
る複合樹脂粒子を製造する方法である。すなわち、二段
重合法で得られる複合樹脂粒子は、核と1層の被覆層よ
り構成されるものである。
【0066】この方法を具体的に説明すると、先ず、離
型剤を単量体Lに溶解させて単量体溶液を調製し、この
単量体溶液を水系媒体(例えば、界面活性剤水溶液)中
に油滴分散させた後、この系を重合処理(第1段重合)
することにより、離型剤を含む高分子量の樹脂粒子の分
散液を調製するものである。
【0067】次いで、この樹脂粒子の分散液に、重合開
始剤と低分子量樹脂を得るための単量体Lとを添加し、
樹脂粒子の存在下で単量体Lを重合処理(第2段重合)
を行うことにより、樹脂粒子の表面に、低分子量の樹脂
(単量体Lの重合体)からなる被覆層を形成する方法で
ある。
【0068】〈三段重合法〉三段重合法は、高分子量樹
脂から形成される中心部(核)、離型剤を含有する中間
層及び低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより
構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。すなわ
ち、三段重合法で得られる複合樹脂粒子は、核と2層の
被覆層から構成されるものである。
【0069】この方法を具体的に説明すると、先ず、常
法に従った重合処理(第1段重合)により得られた樹脂
粒子の分散液を、水系媒体(例えば、界面活性剤の水溶
液)に添加するとともに、上記水系媒体中に、離型剤を
単量体Mに溶解させてなる単量体溶液を油滴分散させた
後、この系を重合処理(第2段重合)することにより、
樹脂粒子(核粒子)の表面に、離型剤を含有する樹脂
(単量体Mの重合体)からなる被覆層(中間層)を形成
して、複合樹脂粒子(高分子量樹脂−中間分子量樹脂)
の分散液を調製する。
【0070】次いで、得られた複合樹脂粒子の分散液
に、重合開始剤と低分子量樹脂を得るための単量体Lと
を添加し、複合樹脂粒子の存在下で単量体Lを重合処理
(第3段重合)することにより、複合樹脂粒子の表面
に、低分子量の樹脂(単量体Lの重合体)からなる被覆
層を形成する。上記方法において、第2段重合を組み入
れることにより、離型剤を微細かつ均一に分散すること
ができ好ましい。
【0071】離型剤を含有する樹脂粒子または被覆層を
形成するために好適な重合法としては、臨界ミセル濃度
以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、
離型剤を単量体に溶解した単量体溶液を、機械的エネル
ギーを利用して油滴分散させて分散液を調製し、得られ
た分散液に水溶性重合開始剤を添加して、油滴内でラジ
カル重合させる方法(以下、本発明では「ミニエマルジ
ョン法」という。)を挙げることができ、本発明の効果
をより発揮することができ好ましい。なお、上記方法に
おいて、水溶性重合開始剤に代えて、あるいは水溶性重
合開始剤と共に、油溶性重合開始剤を用いても良い。
【0072】機械的に油滴を形成するミニエマルジョン
法によれば、通常の乳化重合法とは異なり、油相に溶解
させた離型剤が脱離することがなく、形成される樹脂粒
子または被覆層内に十分な量の離型剤を導入することが
できる。
【0073】ここで、機械的エネルギーによる油滴分散
を行うための分散機としては、特に限定されるものでは
なく、例えば、高速回転するローターを備えた撹拌装置
「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム−テク
ニック社製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、
マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙
げることができる。また、分散粒子径としては、10〜
1000nmとされ、好ましくは50〜1000nm、
更に好ましくは30〜300nmである。
【0074】なお、離型剤を含有する樹脂粒子または被
覆層を形成するための他の重合法として、乳化重合法、
懸濁重合法、シード重合法などの公知の方法を採用する
こともできる。また、これらの重合法は、複合樹脂粒子
を構成する樹脂粒子(核粒子)または被覆層であって、
離型剤及び結晶性ポリエステルを含有しないものを得る
ためにも採用することができる。
【0075】この重合工程(I)で得られる複合樹脂粒
子の粒子径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−80
0」(大塚電子社製)を用いて測定される質量平均粒径
で10〜1000nmの範囲にあることが好ましい。
【0076】また、複合樹脂粒子のガラス転移温度(T
g)は48〜74℃の範囲にあることが好ましく、更に
好ましくは52〜64℃である。
【0077】また、複合樹脂粒子の軟化点は95〜14
0℃の範囲にあることが好ましい。 〔塩析/融着工程(II)〕この塩析/融着工程(II)
は、前記多段重合工程(I)によって得られた複合樹脂
粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる(塩析と融着と
を同時に起こさせる)ことによって、不定形(非球形)
のトナー粒子を得る工程である。
【0078】本発明でいう塩析とは、水性媒体中に分散
した状態にある複合樹脂粒子を塩の作用を利用して凝集
させることをいう。また、融着とは、上記塩析によって
凝集した樹脂粒子同士の粒子間界面を消失させることを
いう。本発明の塩析/融着とは、塩析と融着の2つの工
程が順次に起こること、または順次におこさせる行為を
さす。塩析と融着とを同時に行わせるためには、複合樹
脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の
温度条件下において粒子(複合樹脂粒子、着色剤粒子)
を凝集させる必要がある。
【0079】この塩析/融着工程(II)では、複合樹脂
粒子および着色剤粒子とともに、荷電制御剤などの内添
剤粒子(数平均一次粒子径が10〜1000nm程度の
微粒子)を塩析/融着させてもよい。また、着色剤粒子
は、表面改質されていてもよく、表面改質剤としては、
従来公知のものを使用することができる。
【0080】着色剤粒子は、水性媒体中に分散された状
態で塩析/融着処理が施される。着色剤粒子が分散され
る水性媒体は、臨界ミセル濃度(CMC)以上の濃度で
界面活性剤が溶解されている水溶液が好ましい。
【0081】着色剤粒子の分散処理に使用する分散機
は、特に限定されないが、好ましくは、高速回転するロ
ーターを備えた撹拌装置「クレアミックス(CLEAR
MIX)」(エム−テクニック社製)、超音波分散機、
機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモ
ジナイザー等の加圧分散機、ゲッツマンミル、ダイヤモ
ンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
【0082】複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着
させるためには、複合樹脂粒子および着色剤粒子が分散
している分散液中に、臨界凝集濃度以上の塩析剤(凝集
剤)を添加するとともに、この分散液を、複合樹脂粒子
のガラス転移温度(Tg)以上に加熱することが必要で
ある。
【0083】塩析/融着させるために好適な温度範囲と
しては、(Tg+10℃)〜(Tg+50℃)とされ、
特に好ましくは(Tg+15℃)〜(Tg+40℃)と
される。また、融着を効果的に行なわせるために、水に
無限溶解する有機溶媒を添加してもよい。
【0084】〔濾過・洗浄工程〕この濾過・洗浄工程で
は、上記の工程で得られたトナー粒子の分散系から当該
トナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒
子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤などの
付着物を除去する洗浄処理とが施される。
【0085】ここに、濾過処理方法としては、遠心分離
法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルター
プレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるもの
ではない。
【0086】〔乾燥工程〕この工程は、洗浄処理された
トナー粒子を乾燥処理する工程である。
【0087】この工程で使用される乾燥機としては、ス
プレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを
挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流
動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用す
ることが好ましい。
【0088】乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質
量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量
%以下とされる。
【0089】なお、乾燥処理されたトナー粒子同士が、
弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を
解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、
ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フ
ードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用すること
ができる。
【0090】本発明のトナーは、着色剤の不存在下にお
いて複合樹脂粒子を形成し、当該複合樹脂粒子の分散液
に着色剤粒子の分散液を加え、当該複合樹脂粒子と着色
剤粒子とを塩析/融着させることにより調製されること
が好ましい。
【0091】このように、複合樹脂粒子の調製を着色剤
の存在しない系で行うことにより、複合樹脂粒子を得る
ための重合反応が阻害されることない。このため、本発
明のトナーによれば、優れた耐オフセット性が損なわれ
ることはなく、トナーの蓄積による定着装置の汚染や画
像汚れを発生させることはない。
【0092】また、複合樹脂粒子を得るための重合反応
が確実に行われる結果、得られるトナー粒子中に単量体
やオリゴマーが残留するようなことはなく、当該トナー
を使用する画像形成方法の熱定着工程において、異臭を
発生させることはない。
【0093】さらに、得られるトナー粒子の表面特性は
均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性
に優れた画像を長期にわたり形成することができる。こ
のようなトナー粒子間における組成・分子量・表面特性
が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着
工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する
良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフ
セット性および巻き付き防止特性の向上を図ることがで
き、適度の光沢を有する画像を得ることができる。
【0094】次に、トナー製造工程で用いられる各構成
因子について、詳細に説明する。 (重合性単量体)本発明に用いられる樹脂(バインダ
ー)を造るための重合性単量体としては、疎水性単量体
を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋性単量体が用
いられる。また、下記するごとく酸性極性基を有する単
量体又は塩基性極性基を有するモノマーを少なくとも1
種類含有するのが望ましい。
【0095】(1)疎水性単量体 単量体成分を構成する疎水性単量体としては、特に限定
されるものではなく従来公知の単量体を用いることがで
きる。また、要求される特性を満たすように、1種また
は2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0096】具体的には、モノビニル芳香族系単量体、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル
系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系
単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン
系単量体等を用いることができる。
【0097】ビニル芳香族系単量体としては、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単
量体およびその誘導体が挙げられる。
【0098】アクリル系単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ア
ミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチル等が挙げられる。
【0099】ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げ
られる。
【0100】ビニルエーテル系単量体としては、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブ
チルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられ
る。
【0101】モノオレフィン系単量体としては、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペン
テン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0102】ジオレフィン系単量体としては、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0103】(2)架橋性単量体 樹脂粒子の特性を改良するために架橋性単量体を添加し
ても良い。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベ
ンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエ
チレングリコールメタクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有
するものが挙げられる。
【0104】(3)酸性極性基を有する単量体 酸性極性基を有する単量体としては、(a)カルボキシ
ル基(−COOH)を有するα,β−エチレン性不飽和
化合物及び(b)スルホン基(−SO3H)を有する
α,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができ
る。
【0105】(a)の−COOH基を有するα,β−エ
チレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタ
アクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケ
イ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モ
ノオクチルエステル、およびこれらのNa、Zn等の金
属塩類等を挙げることができる。
【0106】(b)の−SO3H基を有するα,β−エ
チレン性不飽和化合物の例としてはスルホン化スチレ
ン、そのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホ
コハク酸オクチル、そのNa塩等を挙げることができ
る。
【0107】(4)塩基性極性基を有するモノマー 塩基性極性基を有するモノマーとしては、(i)アミン
基或いは4級アンモニウム基を有する炭素原子数1〜1
2、好ましくは2〜8、特に好ましくは2の脂肪族アル
コールの(メタ)アクリル酸エステル、(ii)(メタ)
アクリル酸アミド或いは随意N上で炭素原子数1〜18
のアルキル基でモノ又はジ置換された(メタ)アクリル
酸アミド、(iii)Nを環員として有する複素環基で置
換されたビニール化合物及び(iv)N,N−ジアリル−
アルキルアミン或いはその四級アンモニウム塩を例示す
ることができる。中でも、(i)のアミン基或いは四級
アンモニウム基を有する脂肪族アルコールの(メタ)ア
クリル酸エステルが塩基性極性基を有するモノマーとし
て好ましい。
【0108】(i)のアミン基或いは四級アンモニウム
基を有する脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エス
テルの例としては、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタク
リレート、上記4化合物の四級アンモニウム塩、3−ジ
メチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−
3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム
塩等を挙げることができる。
【0109】(ii)の(メタ)アクリル酸アミド或いは
N上で随意モノ又はジアルキル置換された(メタ)アク
リル酸アミドとしては、アクリルアミド、N−ブチルア
クリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペ
リジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチル
メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N−オクタデシルアクリルアミド等を挙げることができ
る。
【0110】(iii)のNを環員として有する複素環基
で置換されたビニル化合物としては、ビニルピリジン、
ビニルピロリドン、ビニル−N−メチルピリジニウムク
ロリド、ビニル−N−エチルピリジニウムクロリド等を
挙げることができる。
【0111】(iv)のN,N−ジアリル−アルキルアミ
ンの例としては、N,N−ジアリルメチルアンモニウム
クロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリ
ド等を挙げることができる。
【0112】(重合開始剤)本発明に用いられるラジカ
ル重合開始剤は、水溶性であれば適宜使用が可能であ
る。例えば、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(例えば、4,4′
−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド
化合物等が挙げられる。更に、上記ラジカル性重合開始
剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開
始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用い
ることにより、重合活性が上昇し、重合温度の低下が図
れ、更に重合時間の短縮が達成でき好ましい。
【0113】重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生
成温度以上であればどの温度を選択しても良いが例えば
50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始
の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビ
ン酸等)の組み合わせを用いる事で、室温またはそれ以
上の温度で重合する事も可能である。
【0114】(連鎖移動剤:メルカプト基を有する化合
物)分子量を調整することを目的として、公知の連鎖移
動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、特に
限定されるものではないが、特にはメルカプト基を有す
る化合物は、分子量分布がシャープであるトナーが得ら
れ、保存性、定着強度、耐オフセット性に優れるため好
ましく用いられる。例えば、オクチルメルカプタン、ド
デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン
等のメルカプト基を有する化合物を挙げることができ、
好ましいものとしては、例えば、チオグリコール酸エチ
ル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸プロ
ピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−
ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグ
リコール酸オクチル、チオグリコール酸デシル、チオグ
リコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコ
ール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコ
ール酸エステル、ペンタエリストールのチオグリコール
酸エステル等を挙げることができる。このうち、トナー
加熱定着時の臭気を抑制する観点で、n−オクチル−3
−メルカプトプロピオン酸エステルが、特に好ましい。
【0115】(界面活性剤)前述の重合性単量体を使用
して、特にミニエマルジョン重合を行うためには、界面
活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行うことが好
ましい。この際に使用することのできる界面活性剤とし
ては、特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性
界面活性剤を好適な化合物の例として挙げることができ
る。
【0116】イオン性界面活性剤としては、例えば、ス
ルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、
3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−
ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリ
ウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルア
ニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニル
メタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−
スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル
硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタ
デシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、
脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カ
プロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン
酸カルシウム等)が挙げられる。
【0117】また、ノニオン性界面活性剤も使用するこ
とができる。具体的には、例えば、ポリエチレンオキサ
イド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキ
サイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエ
チレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキル
フェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリ
エチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロ
ピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を
あげることができる。
【0118】本発明において、これら界面活性剤は、主
に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程ま
たは他の目的で使用してもよい。
【0119】(樹脂粒子、トナーの分子量分布)本発明
のトナーは、ピークまたは肩が100,000〜1,0
00,000、および1,000〜50,000に存在
することが好ましく、さらにピークまたは肩が100,
000〜1,000,000、25,000〜150,
000及び1,000〜50,000に存在することが
さらに好ましい。
【0120】樹脂粒子の分子量は、100,000〜
1,000,000の領域にピークもしくは肩を有する
高分子量成分と、1,000から50,000未満の領
域にピークもしくは肩を有する低分子量成分の両成分を
少なくとも含有する樹脂が好ましい。さらに好ましく
は、ピーク分子量で15,000〜100,000の部
分にピーク又は肩を有する中間分子量体の樹脂を使用す
ることが好ましい。
【0121】トナーあるいは樹脂の分子量測定方法は、
THF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPC(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定が
よい。すなわち、測定試料0.5〜5mg、より具体的
には1mgに対してTHFを1.0ml加え、室温にて
マグネチックスターラーなどを用いて撹拌を行い、充分
に溶解させる。ついで、ポアサイズ0.45〜0.50
μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPCへ
注入する。GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安
定化させ、THFを毎分1.0mlの流速で流し、1m
g/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定す
る。カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み
合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社
製のShodex GPC KF−801、802、8
03、804、805、806、807の組合せや、東
ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、
G3000H、G4000H、G5000H、G600
0H、G7000H、TSKguard column
の組合せなどを挙げることができる。又、検出器として
は、屈折率検出器(IR検出器)、あるいはUV検出器
を用いるとよい。試料の分子量測定では、試料の有する
分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作
成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリス
チレンとしては10点程度用いるとよい。
【0122】(凝集剤)本発明で用いられる凝集剤は、
金属塩の中から選択されるものが好ましい。
【0123】金属塩としては、一価の金属、例えばナト
リウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二
価の金属、例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカ
リ土類金属の塩、マンガン、銅等の二価の金属塩、鉄、
アルミニウム等の三価の金属塩等が挙げられる。
【0124】これら金属塩の具体的な例を以下に示す。
一価の金属の金属塩の具体例として、塩化ナトリウム、
塩化カリウム、塩化リチウム、二価の金属の金属塩とし
て塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウ
ム、硫酸マンガン等が挙げられる。三価の金属塩として
は、塩化アルミニウム、塩化鉄等が挙げられる。これら
は、目的に応じて適宜選択される。一般的には一価の金
属塩より二価の金属塩のほうが臨界凝集濃度(凝析値或
いは凝析点)が小さく、更に三価の金属塩の臨界凝集濃
度は小さい。
【0125】本発明で言う臨界凝集濃度とは、水性分散
液中の分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添
加し、凝集が起こる点の濃度を示している。この臨界凝
集濃度は、ラテックス自身及び分散剤により大きく変化
する。例えば、岡村誠三他著高分子化学17,601
(1960)等に記述されており、これらの記載に従え
ば、その値を知ることが出来る。又、別の方法として、
目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加
し、その分散液のζ電位を測定し、ζ電位が変化し出す
点の塩濃度を臨界凝集濃度とすることも可能である。
【0126】本発明では、金属塩を用いて臨界凝集濃度
以上の濃度になるように重合体微粒子分散液を処理す
る。この時、当然の事ながら、金属塩を直接加えるか、
水溶液として加えるかは、その目的に応じて任意に選択
される。水溶液として加える場合には、重合体粒子分散
液の容量と金属塩水溶液の総容量に対し、添加した金属
塩が重合体粒子の臨界凝集濃度以上になる必要がある。
【0127】本発明における凝集剤たる金属塩の濃度
は、臨界凝集濃度以上であれば良いが、好ましくは臨界
凝集濃度の1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上
添加される。
【0128】(着色剤)本発明のトナーは、上記の複合
樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析/融着して得られる。
【0129】本発明のトナーを構成する着色剤(複合樹
脂粒子との塩析/融着に供される着色剤粒子)として
は、各種の無機顔料、有機顔料、染料を挙げることがで
きる。無機顔料としては、従来公知のものを用いること
ができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0130】黒色の顔料としては、例えば、ファーネス
ブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、
サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラッ
ク、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いら
れる。
【0131】これらの無機顔料は所望に応じて単独また
は複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加
量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは
3〜15質量%が選択される。
【0132】磁性トナーとして使用する際には、前述の
マグネタイトを添加することができる。この場合には所
定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜6
0質量%添加することが好ましい。
【0133】有機顔料及び染料としても従来公知のもの
を用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以
下に例示する。
【0134】マゼンタまたはレッド用の顔料としては、
例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメ
ントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.
ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、
C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレ
ッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.
I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレ
ッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.
I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッ
ド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.
ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド1
66、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグ
メントレッド178、C.I.ピグメントレッド222
等が挙げられる。
【0135】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.
I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエ
ロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.
ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー
15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグ
メントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー9
4、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグ
メントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー1
85、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピ
グメントイエロー156等が挙げられる。
【0136】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグ
メントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー1
5:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグ
メントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が
挙げられる。
【0137】また、染料としては、例えば、C.I.ソ
ルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、
同111、同122、C.I.ソルベントイエロー1
9、同44、同77、同79、同81、同82、同9
3、同98、同103、同104、同112、同16
2、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、
同70、同93、同95等を用いることができ、またこ
れらの混合物も用いることができる。
【0138】これらの有機顔料及び染料は、所望に応じ
て、単独または複数を選択併用することが可能である。
また、顔料の添加量は、重合体に対して2〜20質量%
であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0139】本発明のトナーを構成する着色剤(着色剤
粒子)は、表面改質されていてもよい。表面改質剤とし
ては、従来公知のものを使用することができ、具体的に
はシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アル
ミニウムカップリング剤等を好ましく用いることができ
る。シランカップリング剤としては、例えば、メチルト
リメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチ
ルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン
等のシロキサン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ
る。チタンカップリング剤としては、例えば、味の素社
製の「プレンアクト」と称する商品名で市販されている
TTS、9S、38S、41B、46B、55、138
S、238S等、日本曹達社製の市販品A−1、B−
1、TOT、TST、TAA、TAT、TLA、TO
G、TBSTA、A−10、TBT、B−2、B−4、
B−7、B−10、TBSTA−400、TTS、TO
A−30、TSDMA、TTAB、TTOP等が挙げら
れる。アルミニウムカップリング剤としては、例えば、
味の素社製の「プレンアクトAL−M」等が挙げられ
る。
【0140】これらの表面改質剤の添加量は、着色剤に
対して0.01〜20質量%であることが好ましく、更
に好ましくは0.1〜5質量%とされる。
【0141】着色剤粒子の表面改質法としては、着色剤
粒子の分散液中に表面改質剤を添加し、この系を加熱し
て反応させる方法を挙げることができる。
【0142】表面改質された着色剤粒子は、濾過により
採取され、同一の溶媒による洗浄処理と濾過処理が繰り
返された後、乾燥処理される。
【0143】(離型剤)本発明に使用されるトナーは、
離型剤を内包した樹脂粒子を水系媒体中に於いて融着さ
せたトナーであることが好ましい。この様に樹脂粒子中
に離型剤を内包させた樹脂粒子を着色剤粒子と水系媒体
中で塩析/融着させることで、微細に離型剤が分散され
たトナーを得ることができる。
【0144】本発明のトナーでは、離型剤として、低分
子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜900
0)や低分子量ポリエチレン等が好ましく、特に好まし
くは、下記式で表されるエステル系化合物である。
【0145】R1−(OCO−R2n 式中、nは1〜4の整数、好ましくは2〜4、さらに好
ましくは3〜4、特に好ましくは4である。R1、R
2は、各々置換基を有しても良い炭化水素基を示す。R1
は、炭素数1〜40、好ましくは1〜20、さらに好ま
しくは2〜5がよい。R2は、炭素数1〜40、好まし
くは16〜30、さらに好ましくは18〜26がよい。
【0146】次に代表的な化合物の例を以下に示す。
【0147】
【化1】
【0148】
【化2】
【0149】上記化合物の添加量は、トナー全体に対し
1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、さらに好
ましくは3〜15質量%である。
【0150】本発明のトナーでは、ミニエマルジョン重
合法により樹脂粒子中に上記離型剤を内包させ、トナー
粒子とともに塩析、融着させて調製することが好まし
い。
【0151】(荷電制御剤)トナーは、着色剤、離型剤
以外にトナー用材料として種々の機能を付与することの
できる材料を添加することができる。具体的には、荷電
制御剤等が挙げられる。これらの成分は前述の塩析/融
着段階で樹脂粒子と着色剤粒子と同時に添加し、トナー
中に包含する方法、樹脂粒子自体に添加する方法等種々
の方法で添加することができる。
【0152】荷電制御剤は、種々の公知のもので、且つ
水中に分散することができるものを使用することができ
る。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または
高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級ア
ンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属
塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0153】(外添剤)本発明のトナーには、流動性の
改良やクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外
添剤を添加して使用することができる。これら外添剤と
しては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒
子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0154】外添剤として使用できる無機微粒子として
は、従来公知のものを挙げることができる。具体的に
は、シリカ微粒子、チタン微粒子、アルミナ微粒子等を
好ましく用いることができる。これら無機微粒子は疎水
性であることが好ましい。
【0155】シリカ微粒子の具体例としては、日本アエ
ロジル社製の市販品R−805、R−976、R−97
4、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社
製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の
市販品TS−720、TS−530、TS−610、H
−5、MS−5等が挙げられる。
【0156】チタン微粒子の具体例としては、例えば、
日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、
テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、
MT−500BS、MT−600、MT−600SS、
JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、
TA−500、TAF−130、TAF−510、TA
F−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−
OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0157】アルミナ微粒子の具体例としては、例え
ば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−60
4、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられ
る。
【0158】外添剤として使用できる有機微粒子として
は、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形
の微粒子を挙げることができる。かかる有機微粒子の構
成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレ
ート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの
を挙げることができる。
【0159】外添剤として使用できる滑剤としては、高
級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂
肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリ
ン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オ
レイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等
のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸
銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウ
ム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール
酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜
鉛、リシノール酸カルシウムなどのリシノール酸金属塩
等が挙げられる。
【0160】外添剤の添加量としては、トナーに対して
0.1〜5質量%程度であることが好ましい。
【0161】〈外添剤の添加工程〉この工程は、乾燥処
理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程である。
【0162】外添剤を添加するために使用される装置と
しては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、
ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合
装置を挙げることができる。
【0163】(トナー粒子)本発明のトナーの粒径は、
個数平均粒径で3〜10μmであることが好ましく、更
に好ましくは3〜8μmとされる。この粒径は、トナー
の製造方法において、凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶
媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御する
ことができる。
【0164】個数平均粒径が3〜10μmであることに
より、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着しオ
フセットを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少
なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの
画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0165】トナーの個数平均粒径は、コールターカウ
ンターTA−II、コールターマルチサイザー、SLAD
1100(島津製作所社製レーザー回折式粒径測定装
置)等を用いて測定することができる。
【0166】本発明においては、コールターマルチサイ
ザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日
科機社製)、パーソナルコンピューターを接続して使用
した。前記コールターマルチサイザーにおけるアパーチ
ャーとしては、100μmのものを用いて、2μm以上
(例えば2〜40μm)のトナーの体積分布を測定して
粒度分布および平均粒径を算出した。
【0167】〈トナー粒子の好ましい形状係数の範囲〉
本発明のトナーの形状係数は、1.0〜1.6のものが
65個数%以上、好ましくは1.2〜1.6のものが6
5個数%以上、特に好ましくは1.2〜1.6のものが
70個数%以上のものである。
【0168】本発明のトナーの形状係数は、下記式によ
り示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示
す。
【0169】 形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積 ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を
2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大
となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒
子の平面上への投影像の面積をいう。本発明では、この
形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナ
ー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づ
いて「SCANNING IMAGE ANALYZE
R」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行う
ことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を
使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定したも
のである。
【0170】本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒
径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にと
り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数
基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級
に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻
階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対
度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーで
あることが好ましい。
【0171】相対度数(m1)と相対度数(m2)との
和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の
粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成
工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制す
ることができる。
【0172】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュー
タにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成された
ものである。
【0173】〔測定条件〕 1:アパーチャー:100μm 2:サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11
(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕5
0〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて
撹拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この
系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調
製する。
【0174】(現像剤)本発明のトナーは、一成分現像
剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
【0175】一成分現像剤として用いる場合は、非磁性
一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm
程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたもの
があげられ、いずれも使用することができる。
【0176】また、キャリアと混合して二成分現像剤と
して用いることができる。この場合は、キャリアの磁性
粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、
それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の
従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェラ
イト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒
径としては15〜100μm、より好ましくは25〜8
0μmのものがよい。
【0177】キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的
には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置
「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMP
ATEC)社製)により測定することができる。
【0178】キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被
覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散さ
せたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティ
ング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例え
ば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ア
クリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或い
はフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂
分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限
定されず公知のものを使用することができ、例えば、ス
チレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系
樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0179】(画像形成方法)本発明の画像形成装置の
一例をまず説明する。
【0180】図2は本発明の一実施態様例を示した画像
形成装置の概略構成図である。4は感光体であり、本発
明における静電潜像形成体の代表例である。アルミニウ
ム製のドラム基体の外周面に感光体層である有機光導電
体(OPC)を形成してなるもので、矢印方向に所定の
速度で回転する。本実施態様例において、感光体4は外
径60mmである。
【0181】図2において、図示しない原稿読み取り装
置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源1か
ら露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2によ
り、図2の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補
正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静
電潜像を作る。感光体は、あらかじめ帯電器5により一
様帯電され、像露光のタイミングにあわせて時計方向に
回転を開始している。
【0182】感光体面上の静電潜像は、現像器6により
現像され、形成された現像像はタイミングを合わせて搬
送されてきた記録材8に転写器7の作用により転写され
る。さらに感光体4と記録材8は分離器(分離極)9に
より分離されるが、トナー現像像は記録材8に転写担持
されて、定着器10へと導かれ定着される。
【0183】感光体面に残留した未転写のトナー等は、
クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて清
掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除
き、次の画像形成のため再び帯電器5により、一様帯電
される。
【0184】尚、記録材は代表的には普通紙であるが、
現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定され
ず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0185】又、クリーニングブレード13は、厚さ1
〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウ
レタンゴムが最もよく用いられる。これは感光体に圧接
して用いられるため熱を伝え易く、画像形成動作を行っ
ていない時には感光体から離しておくのが望ましい。
【0186】近年、感光体上に静電潜像を形成し、この
潜像を現像して可視画像を得る電子写真等の分野におい
て、画質の改善、変換、編集等が容易で高品質の画像形
成が可能なデジタル方式を採用した画像形成方法の研究
開発が盛んになされている。
【0187】この画像形成方法及び装置に採用されるコ
ンピュータまたは複写原稿からのデジタル画像信号によ
り光変調する走査光学系として、レーザ光学系に音響
光学変調器を介在させ、当該音響光学変調器により光変
調する装置、半導体レーザを用い、レーザ強度を直接
変調する装置がある。これらの走査光学系から一様に帯
電した感光体上にスポット露光してドット状の画像を形
成する。
【0188】前述の走査光学系から照射されるビーム
は、裾が左右に広がった正規分布状に近似した丸状や楕
円状の輝度分布となり、例えばレーザビームの場合、通
常、感光体上で主走査方向あるいは副走査方向の一方あ
るいは両者が20〜100μmという極めて小さい円状
あるいは楕円状である。
【0189】又、上記画像形成装置は、感光体4と、帯
電器5、現像器6、クリーニング器11あるいは転写器
7等の少なくとも一つを含むプロセスカートリッジを搭
載する形態にすることもできる。
【0190】本発明のトナーは、トナー像が形成された
転写材を、定着器を構成する加熱ローラーと加圧ローラ
ーとの間に通過させて定着する工程を含む画像形成方法
に好適に使用される。
【0191】図3は、本発明のトナーを用いた画像形成
装置において使用する定着器の一例を示す断面図であ
り、図3に示す定着器は、加熱ローラー80と、これに
当接する加圧ローラー70とを備えている。なお、図3
において、Tは転写材(画像形成支持体)8上に形成さ
れたトナー像である。
【0192】加熱ローラー80は、フッ素樹脂または弾
性体からなる被覆層82が芯金81の表面に形成されて
なり、線状ヒーターよりなる加熱部材75を内包してい
る。
【0193】芯金81は、金属から構成され、その内径
は10〜70mmとされる。芯金81を構成する金属と
しては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アル
ミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げるこ
とができる。
【0194】芯金81の肉厚は0.1〜15mmとさ
れ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料
に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、
0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミ
ニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を
0.8mmとする必要がある。
【0195】被覆層82の表面層71を構成するフッ素
樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)およびPFA(テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示する
ことができる。
【0196】フッ素樹脂からなる被覆層71の厚みは1
0〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmと
される。
【0197】フッ素樹脂からなる被覆層の表面層71の
厚みが10μm未満であると、表面層としての機能を十
分に発揮することができず、定着器としての耐久性を確
保することができない。一方、500μmを超えると表
面には紙粉によるキズがつきやすく、当該キズ部にトナ
ーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問
題がある。
【0198】また、被覆層82を構成する弾性体として
は、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリ
コーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムなどを用いる
ことが好ましい。
【0199】被覆層82を構成する弾性体のアスカーC
硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とさ
れる。
【0200】また、弾性体からなる被覆層82の厚みは
0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mm
とされる。
【0201】被覆層82を構成する弾性体のアスカーC
硬度が80°を超える場合、および当該被覆層82の厚
みが0.1mm未満である場合には、定着のニップを大
きくすることができず、ソフト定着の効果(例えば、平
滑化された界面のトナー層による色再現性の向上効果)
を発揮することができない。
【0202】加熱部材75としては、ハロゲンヒーター
を好適に使用することができる。加圧ローラー70は、
弾性体からなる被覆層84が芯金83の表面に形成され
てなる。被覆層22を構成する弾性体としては特に限定
されるものではなく、ウレタンゴム、シリコーンゴムな
どの各種軟質ゴムおよびスポンジゴムを挙げることがで
き、被覆層84を構成するものとして例示したシリコー
ンゴムおよびシリコーンスポンジゴムを用いることが好
ましい。
【0203】被覆層84を構成する弾性体のアスカーC
硬度は、80°未満とされ、好ましくは70°未満、更
に好ましくは60°未満とされる。
【0204】また、被覆層84の厚みは0.1〜30m
mとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
【0205】被覆層84を構成する弾性体のアスカーC
硬度が80°を超える場合、および被覆層84の厚みが
0.1mm未満である場合には、定着のニップを大きく
することができず、ソフト定着の効果を発揮することが
できない。
【0206】芯金83を構成する材料としては特に限定
されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金
属またはそれらの合金を挙げることができる。
【0207】加熱ローラー80と加圧ローラー70との
当接荷重(総荷重)としては、通常40〜350Nとさ
れ、好ましくは50〜300N、さらに好ましくは50
〜250Nとされる。この当接荷重は、加熱ローラー1
0の強度(芯金81の肉厚)を考慮して規定され、例え
ば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ローラーに
あっては、250N以下とすることが好ましい。
【0208】また、耐オフセット性および定着性の観点
から、ニップ幅としては4〜10mmであることが好ま
しく、当該ニップの面圧は0.6×105〜1.5×1
5Paであることが好ましい。
【0209】図3に示した定着器による定着条件の一例
を示せば、定着温度(加熱ローラー10の表面温度)が
150〜210℃とされ、定着線速が80〜640mm
/secとされる。
【0210】本発明において使用する定着装置には、必
要に応じてクリーニング機構を付与してもよい。この場
合には、シリコーンオイルを定着部の上ローラー(加熱
ローラー)に供給する方式として、シリコーンオイルを
含浸したパッド、ローラー、ウェッブ等で供給し、クリ
ーニングする方法が使用できる。
【0211】シリコーンオイルとしては耐熱性の高いも
のが使用され、ポリジメチルシリコーン、ポリフェニル
メチルシリコーン、ポリジフェニルシリコーン等が使用
される。粘度の低いものは使用時に流出量が大きくなる
ことから、20℃における粘度が1〜100Pa・sの
ものが好適に使用される。
【0212】但し、本発明による効果は、シリコーンオ
イルを供給しない、または、シリコーンオイルの供給量
がきわめて低い定着装置により、画像を形成する工程を
含む場合に特に顕著に発揮される。従って、シリコーン
オイルを供給する場合であっても、その供給量はA4用
紙1枚当たり2mg以下とすることが好ましい。
【0213】シリコーンオイルの供給量をA4用紙1枚
当たり2mg以下とすることにより、定着後の転写紙
(画像支持体)に対するシリコーンオイルの付着量が少
なくなり、転写紙へ付着したシリコーンオイルによるボ
ールペン等の油性ペンの記入しずらさがなく、加筆性が
損なわれることはない。
【0214】また、シリコーンオイルの変質による耐オ
フセット性の経時的な低下、シリコーンオイルによる光
学系や帯電極の汚染などの問題を回避することができ
る。
【0215】ここに、シリコーンオイルの供給量は、所
定温度に加熱した定着装置(ローラー間)に転写紙(A
4サイズの白紙)を連続して100枚通過させ、通紙前
後における定着装置の質量変化(Δw)を測定して算出
される(Δw/100)。
【0216】
【実施例】次に、本発明を実施例にて具体的に説明する
が、無論、本発明はこの態様に限定されるものではな
い。
【0217】《トナー、現像剤の調製》 1.ラテックスの調製 〔ラテックス1HMLの調製〕 1:核粒子の調製(第1段重合) 撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り
付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン
系界面活性剤A(C1021(OCH2CH22OSO3
a)7.08gをイオン交換水3010gに溶解した界
面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230
rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温
した。
【0218】この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫
酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200g
に溶解した開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした
後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート1
9.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合
液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間に
わたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を
行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分
散液)を調製した。これをラテックス1Hとする。
【0219】2:中間層の形成(第2段重合) 撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン1
05.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタ
クリル酸6.4g、n−オクチル−3−メルカプトプロ
ピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に、離
型剤として例示化合物19)を72.0g添加し、80
℃で加温、溶解して単量体溶液1を調製した。
【0220】次いで、上記アニオン系界面活性剤A1.
6gを、イオン交換水2700mlに溶解した界面活性
剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒
子の分散液である前記ラテックス1Hを固形分換算で2
8g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレ
アミックス(CLEARMIX)」(エム−テクニック
社製)により、上記調製した単量体溶液1を混合分散
し、均一な分散粒子径(284nm)を有する乳化粒子
を含む乳化液を調製した。
【0221】次いで、この乳化液に重合開始剤(KP
S)5.1gをイオン交換水240mlに溶解した開始
剤溶液とイオン交換水750mlとを添加し、この系を
80℃にて3時間にわたり加熱撹拌することにより重合
(第2段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂から
なる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された
構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。これをラテック
ス(1HM)とする。
【0222】3:外層の形成(第3段重合) 上記調製したラテックス1HMに、重合開始剤(KP
S)7.4gをイオン交換水200mlに溶解した開始
剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、スチレン30
0g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸1
5.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸
エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけ
て滴下した。
【0223】滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌する
ことにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで
冷却し、ラテックス(中心部、中層部、外層部とを有す
る樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスをラテッ
クス1HMLとする。
【0224】このラテックス1HMLを構成する複合樹
脂粒子は、138,000、80,000および13,
000にピーク分子量を有するものであり、また、この
複合樹脂粒子の重量平均粒径は122nmであった。
【0225】〔ラテックス2HMLの調製〕上記ラテッ
クス1HMLの調製において、アニオン系界面活性剤A
に代えて、アニオン系界面活性剤B(ドデシルスルホン
酸ナトリウム:SDS)を使用した以外は同様にして、
ラテックスを得た。このラテックスをラテックス2HM
Lとする。
【0226】このラテックス2HMLを構成する複合樹
脂粒子は、138,000、80,000および12,
000にピーク分子量を有するものであり、また、この
複合樹脂粒子の重量平均粒径は110nmであった。
【0227】(トナーの調製) 〔トナー粒子の調製〕 〈トナー1の調製〉アニオン系界面活性剤Aを59.0
g、イオン交換水1600mlに撹拌、溶解した。この
溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル33
0」(キャボット社製)420.0gを徐々に添加し、
次いで、「クレアミックス」(エム−テクニック社製)
を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液
(以下、着色剤分散液1という。)を調製した。この着
色剤分散液1における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動
光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用
いて測定したところ、重量平均粒径で98nmであっ
た。
【0228】前記調製したラテックス1HMLを42
0.7g(固形分換算)と、イオン交換水を900g
と、着色剤分散液1を166gとを、温度センサー、冷
却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器
(四つ口フラスコ)に入れ撹拌した。内温を30℃に調
整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリ
ウム水溶液を加えてpHを9.0に調整した。
【0229】次いで、塩化マグネシウム6水和物12.
1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、
撹拌下で30℃にて10分間かけて添加した。3分間放
置した後に昇温を開始し、この水溶液を6分間かけて9
0℃まで昇温した(昇温速度:10℃/分)。
【0230】その状態で、「コールターカウンターTA
−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定
し、個数平均粒径が5.5μmになった時点で、塩化ナ
トリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解
した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟
成処理として液温度85℃にて2時間にわたり加熱撹拌
することにより融着を継続させた。
【0231】その後、8℃/分の条件で30℃まで冷却
し、表1の組み合わせの香料1を20μl及び香料2を
10μl添加した。さらに塩酸を添加してpHを2.0
に調整し、撹拌を停止した。生成した会合粒子をヌッチ
ェで濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、
表1の消臭剤10gを、40℃のイオン交換水2kgに
溶解してヌッチェ上に注いで濾過した後、40℃の温風
で乾燥した。疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チ
タン1.0質量部を添加した。10リットルのヘンシェ
ルミキサーの回転翼の周速を30m/sに設定し、25
分間混合することによりトナー1を得た。
【0232】同様にして、後述する表1に記載の構成か
らなる本発明のトナー2〜9及び比較用トナー1〜12
を調製した。
【0233】〈消臭剤1:植物抽出成分の消臭剤〉市販
の植物抽出成分の消臭剤であるF118(ファイン2社
製)10gを、40℃のイオン交換水2kgに溶解し
て、消臭剤1を調製した。
【0234】〈消臭剤2:植物抽出成分としてフィトン
チッドを含有する消臭剤〉市販の植物抽出成分の消臭剤
であるバイオダッシュD−200(ダイソー社製)10
gを、40℃のイオン交換水2kgに溶解して、消臭剤
2を調製した。
【0235】〈消臭剤3:植物抽出成分としてカテキ
ン、フラボノイドを含有する消臭剤〉茶葉の生葉50g
を粒度1mm以下に粉砕し、この生葉粉砕物を、60℃
の温度下で、50%エタノール水溶液200mlで抽出
したエタノール抽出液1は、有効成分含有量が2質量%
であり、エタノール含有量が50質量%であり、水分含
有量は48質量%であった。
【0236】ついで、フラボノイド高含有率の植物とし
て、もやし及び未熟林檎を使用してエタノール抽出液2
を調製した。具体的には、もやし30g、未熟林檎50
gを水100mlに浸して、植物エキスの抽出を行なっ
た。この抽出で得られた植物エキス100mlに、前記
エタノール抽出液1を200ml加えて、植物エキスを
配合し、カテキン、フラボノイドを含有するエタノール
抽出液2を得た。該エタノール抽出液2において、有効
成分は6質量%であり、エタノール含有量は36質量%
であり、水分は58質量%であった。このエタノール抽
出液2を40℃のイオン交換水2kgに溶解し、消臭液
を調製した。得られた消臭液を消臭剤3とした。
【0237】〈消臭剤4:酵素系の消臭剤〉市販の消臭
剤であるバイオダッシュP−500(ダイソー社製)5
gを、40℃のイオン交換水2kgに溶解して、消臭剤
4を調製した。
【0238】〈消臭剤5:植物抽出成分を含む酵素系消
臭剤〉市販の消臭剤であるバイオC(コンソルコーポレ
ーション社製 酵素系の消臭剤で植物抽出成分を含んで
いる)5gを、40℃のイオン交換水2kgに溶解し
て、消臭剤5を調製した。
【0239】〈消臭剤6:金属フタロシアニン系消臭
剤〉アルカリ水溶液に1質量%のオクタカルボキシフタ
ロシアニン鉄を溶解して、消臭剤6を調製した。
【0240】〈消臭剤7:人工酵素消臭剤〉β−シクロ
デキストリン10gと3−クロロ−2−ヒドロキシプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド25gとを混合
し、pH9.0、70℃の条件で反応させ、β−シクロ
デキストリンにカチオン性基を導入した。
【0241】次いで、オクタカルボキシル鉄フタロシア
ニン3gを0.1%の水酸性ナトリウム水溶液100m
lに溶解し、酢酸でpH8.0に調整した後、上記のカ
チオン性基を導入したβ−シクロデキストリンを加え、
均一に混合した後、90℃に昇温し、60分間反応さ
せ、目的の人工酵素液を調製した。
【0242】得られた人工酵素液100mlを2kgの
イオン交換水で希釈して、消臭剤7を調製した。
【0243】 〈消臭剤8:微生物消臭剤1〉 塩化アンモニウム 0.5g グルコース 5.0g 水 2.5リットル 微生物粉末:バチルス−ズブチルス 5.0g を混合し、30℃にて24hr撹拌した。この培養液を
遠心分離して、得られた上澄液を消臭剤8とした。
【0244】
【表1】
【0245】評価 現像剤の製造 外部添加剤が添加された着色粒子(トナー)の各々とキ
ャリアとを混合し、トナー濃度が6質量%の現像剤を調
製した。
【0246】評価機として、図2に記載の画像形成プロ
セスを有するデジタル複写機(コロナ帯電、レーザ露
光、反転現像、静電転写、爪分離、クリーニングブレー
ドを有する)に、感光体及び各現像剤を搭載し評価し
た。
【0247】上記デジタル複写機は以下の条件に設定し
評価を行った。 帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0248】現像条件 DCバイアス;−550V 転写極;コロナ帯電方式 又、定着装置としては、芯金として鉄を使用し、表面を
厚さ25μmのPFA(テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で被覆され
た表面粗さRaが0.8μmの加熱ローラーを使用し、
加圧ローラーとして鉄の芯金を使用し、HTVシリコー
ンゴムの上に厚み120μmのPFAチューブを被覆し
た表面粗さRaが0.8μmの加圧ローラーを用いた。
【0249】なお、ニップ幅は3.8mmであり、線速
は420mm/secである。また、定着装置のクリー
ニング機構及びシリコーンオイル供給機構は装着してい
ない。定着の温度は加熱ローラーの表面温度で制御し、
165℃の設定温度とした。
【0250】複写条件は、広さ19.8m2の閉ざされ
た部屋に、被験者10人が脳波を測定しながらクレペリ
ンテストを実施した。
【0251】リラクセーションの指標となるアルファ波
放出は後頭部を中心に出現する8〜13Hzの脳波を測
定した。
【0252】クレペリンテストによる加算作業進捗率
は、作業開始30分後、10人の平均値にて評価した。
【0253】尚、計算作業の能率度を測る方法として知
られるクレペリンテストは、一桁の数字をたし算する
「連続第一加算作業」と呼ばれている。
【0254】間に休憩5分間をはさみ、前後半15分ず
つ合計30分間計算作業を行う方法で、作業能率を評価
する精神的作業負荷試験としてもっとも一般的に行われ
ている試験である。
【0255】
【表2】
【0256】
【表3】
【0257】本発明内の実施例1〜9においては、本発
明外の比較例1〜12に比して、アルファ波を出す比率
が高く、計算作業の能率が向上することが認められる。
【0258】
【発明の効果】本発明により、最近ますます身近に使わ
れるようになった複写機、プリンタ等の画像形成装置が
出す臭いを正確に評価・設計し、人間が心地よい臭い
(芳香)を出すものとすることが出来る。また、画像形
成装置が出す臭いの最も大きな原因を作るものは静電潜
像現像用トナーであるから、予め画像形成に当たって心
地よい臭いを出すという観点からトナーの評価・設計を
行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの臭いのベクトルを標準物質のベクトル
と共に示した図。
【図2】本発明の一実施態様例を示した画像形成装置の
概略構成図。
【図3】本発明において使用する定着器の一例を示す断
面図。
【符号の説明】
1 半導体レーザ光源 2 ポリゴンミラー 3 fθレンズ 4 感光体 5 帯電器 6 現像器 7 転写器 8 記録材(画像支持体) 9 分離器(分離極) 10 定着器 11 クリーニング器 12 帯電前露光(PCL) 13 クリーニングブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 CA04 EA10 FB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレンとn−ブチルアクリレートで形
    成される臭い空間において、スチレン臭に対するcos
    θが0.990〜0.998、n−ブチルアクリレート
    に対するcosθが0.986〜0.994にあること
    を特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 スチレンとメルカプトカルボン酸エステ
    ル類で形成される臭い空間において、スチレン臭に対す
    るcosθが0.990〜0.998、メルカプトカル
    ボン酸エステル類に対するcosθが0.991〜0.
    998にあることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 トナー像を加熱定着する画像形成装置に
    おいて、スチレンとn−ブチルアクリレートで形成され
    る臭い空間における、スチレン臭に対するcosθが
    0.990〜0.998、n−ブチルアクリレートに対
    するcosθが0.986〜0.994の芳香を発する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 トナー像を加熱定着する画像形成装置に
    おいて、スチレンとメルカプトカルボン酸エステル類で
    形成される臭い空間における、スチレン臭に対するco
    sθが0.990〜0.998、メルカプトカルボン酸
    エステル類に対するcosθが0.991〜0.998
    の芳香を発することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009046169A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Fuji Xerox Co Ltd 樹脂収容容器、現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジ
JP2009286448A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Fuji Xerox Co Ltd 樹脂収容容器、現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジ
US8372574B2 (en) 2006-11-30 2013-02-12 Fuji Xerox Co., Ltd. Method of producing electrostatic latent image developing toner
JP2016538577A (ja) * 2014-06-26 2016-12-08 セルレシン テクノロジーズ, エルエルシー シクロデキストリン組成物の静電印刷

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