JP2000328519A - アーチ橋基礎の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アーチ橋基礎の機能を向上させ、
しかもグラウンドアンカーの数量を減らすことができる
アーチ橋基礎の構造を提供することを課題とする。 【解決手段】 上記課題を解決するための手段として本
発明は、アーチアバットと橋台を梁で連結し、前記アー
チアバットに作用するアーチリブの水平反力の一部を、
前記梁を介して橋台に伝えるよう構成した、アーチ橋基
礎の構造を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、アーチ橋基礎の構
造に関するものである。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】アーチ橋は、その構造
特性から上部工に作用する鉛直荷重を、アーチリブの軸
力に置き換えて、橋全体を支持する構造である。従っ
て、スプリンギング部（アーチリブ付け根）が変位しや
すいと、アーチリブへの負担が大きくなる。よって、景
観上アーチ橋が望ましいＶ字谷であっても、良好でない
地盤においては、アーチ橋を採用することが困難であっ
た。

【０００３】大口径深礎基礎を斜めに構築し、基礎も含
めてアーチ構造とすることも一方策ではあるが、斜めに
深礎基礎を構築することは、設備が特殊であり、施工も
困難である。しかも工期、工費も多くなってしまう。

【０００４】アーチ橋をピロン工法やトラス工法で張出
し架設する場合、バックステイの反力台を必ず設けなけ
ればならない。通常の場合、コンクリートで製作された
反力台は、底面の摩擦及びグラウンドアンカーでバック
ステイの反力に抵抗する。しかし、地盤条件が良くない
場所においては、反力台底面の摩擦を期待することは危
険であるため、水平力は全てグラウンドアンカーにより
支持することとなる。また、このような場合、支持層が
深いため、グラウンドアンカーの延長が長くなる傾向に
ある。

【０００５】

【発明の目的】本発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、アーチ橋基礎の機能を向上さ
せ、しかもグラウンドアンカーの数量を減らすことがで
きるアーチ橋基礎の構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として本発明は、アーチアバットと橋台を梁で連
結し、前記アーチアバットに作用するアーチリブの水平
反力の一部を、前記梁を介して橋台に伝えるよう構成し
た、アーチ橋基礎の構造を提供する。

【０００７】また、上記アーチ橋基礎の構造において、
梁は、アーチアバット及び橋台と回動可能に連結した、
アーチ橋基礎の構造を提供する。以下、図１を参照しな
がら、本発明の実施の形態について説明する。

【０００８】

【発明の実施の形態】＜イ＞バックストラット アーチアバット１からアーチリブ２を順に張出して架設
するに際して、アーチアバット１とその後方の橋台３の
フーチング３１とを、梁（バックストラット４）で連結
する。

【０００９】これによって、アーチアバット１に作用す
るアーチリブ２の水平反力の一部を、スプリンギング部
２１（アーチリブ２の付け根）、バックストラット４を
介して橋台３に伝えることができる。即ち、アーチリブ
２の軸力は、アーチアバット１内でバックストラット４
方向と鉛直に近い方向に分解される。

【００１０】そのため、アーチアバット１が負担する水
平反力は少なくなる。従って、アーチアバット１の水平
変位は小さくなる。また、鉛直反力が増加するため、杭
が有効に働くこととなる。

【００１１】さらに、橋台３に伝達された水平力は山側
に作用するため、橋台３背面の受動土圧が抵抗する。従
って、橋台３背面の主動土圧と反対方向に作用するの
で、橋台３に作用するモーメントが小さくなり、基礎も
小さくすることが可能である。

【００１２】＜ロ＞バックストラットを回動可能な構造
とする場合 バックストラット４の両端をピン構造とし、アーチアバ
ット１及び橋台３のフーチング３１に回動可能に連結す
る場合もある。回動方向は、水平軸を中心に上下方向の
場合と、鉛直軸を中心に水平方向の場合とがある。

【００１３】これによって、曲げモーメントが作用しな
い軸力部材となり、過大な曲げモーメントによるバック
ストラット４の損傷を防止できる。但し、バックストラ
ット４を接地する地盤の反力は別途考慮しなければなら
ない。

【００１４】＜ハ＞バックステイ反力を橋台にとる場合 アーチリブ２の張出し架設時に、バックステイ５を橋台
３のフーチング３１に連結し、その反力を橋台３にとる
場合もある。この場合、バックステイ５の水平反力を、
バックストラット４の軸力がキャンセルする方向にあ
る。

【００１５】よって、バックステイ５の水平反力に対し
て、グラウンドアンカー６とバックストラット４が共同
して負担するため、バックストラット４がない場合より
もグラウンドアンカー６の数量を減少させることでき
る。

【００１６】アーチリブ２の張出し架設が完了したら、
補剛桁７を橋台３上に架設し施工を終了する。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、アーチア
バットと橋台を梁で連結するため、アーチ橋基礎の機能
を向上させることができる。そのため、地盤条件の悪い
場所でも、アーチ橋の施工が可能となる。また、グラウ
ンドアンカーの数量を減らすことができるため、経済性
も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施の形態の説明図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アーチアバットと橋台を梁で連結し、 前記アーチアバットに作用するアーチリブの水平反力の
   一部を、前記梁を介して橋台に伝えるよう構成した、 アーチ橋基礎の構造。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のアーチ橋基礎の構造に
   おいて、梁は、アーチアバット及び橋台と回動可能に連
   結した、アーチ橋基礎の構造。