JP2000327756A - 重合方法及び重合体 - Google Patents

重合方法及び重合体

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JP2000327756A
JP2000327756A JP11137924A JP13792499A JP2000327756A JP 2000327756 A JP2000327756 A JP 2000327756A JP 11137924 A JP11137924 A JP 11137924A JP 13792499 A JP13792499 A JP 13792499A JP 2000327756 A JP2000327756 A JP 2000327756A
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carbon atoms
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polymerization
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Akira Sasaki
昭 佐々木
Hitoshi Yamazaki
仁 山崎
Tomoaki Aoki
知明 青木
Hiromasa Kawai
宏政 河合
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シクロオレフィン類の開環重合体中に残留する
未反応物を極力低減し機械物性の向上、熱安定性の向上
並びに不快な臭気の低減する重合方法を提供する。 【解決手段】メタセシス重合可能なシクロオレフィン類
とメタセシス重合触媒を含む重合性組成物を、所定の温
度(例えば室温)で所定の時間(例えば30〜90分)
保持するA工程、所定の昇温速度(例えば2℃/分以下
で)で重合させるB工程、必要に応じてB工程の後、所
定の温度(例えば80〜140℃)で所定時間保持する
C工程を経て重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合方法及び重合
体に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネンやジシクロペンタジエンな
どのシクロオレフィン類の開環重合体は、低吸水率、低
誘電性、透明性及びその良好な機械的特性から、電気絶
縁分野や光学分野に応用が期待されている。シクロオレ
フィン類の開環重合体は、メタセシス重合触媒系を用い
て重合可能である。特開昭58−129013号公報や
特開昭59−51911号公報にはタングステンやモリ
ブデン化合物と有機金属化合物を組み合わせたメタセシ
ス重合触媒系を用て開環重合体を製造する方法が開示さ
れている。しかし、前記したメタセシス重合触媒系を使
用して開環重合体を製造すると重合反応が十分に進ま
ず、重合体中に未反応物が残留する。このため、機械物
性や熱安定性が低下したり、重合体から不快な臭気が発
生するという問題があった。この問題を解決するため、
特開昭60−79035号公報や特開昭63−1867
30号公報には、添加剤を加えて重合反応を進ませる方
法が開示されている。しかし、これらの添加剤は、環境
や人体に有害であり、取り扱いが困難である。また、得
られた重合体から発生する臭気を十分に低減することは
できなかった。一方、上記のような2成分の組み合わせ
からなるメタセシス重合触媒系とは異なり、Ruカルベ
ン触媒のような重合反応性が高いメタセシス重合触媒も
知られている(米国特許第5312940号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したRuカルベン
触媒のようなメタセシス重合触媒を用いてシクロオレフ
ィン類を開環重合する場合も、重合反応を成り行きに任
せると、必ずしも満足できる程度に重合反応が進むとは
限らなかった。本発明は、シクロオレフィン類の開環重
合体中に残留する未反応物を極力低減し機械物性の向
上、熱安定性の向上並びに不快な臭気の低減する重合方
法及び重合体を提供するものである。特に電気部品や住
宅機器として室内で使用する場合にも臭気による不快感
のない開環重合体の重合方法及び重合体を提供するもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に種々検討した結果、メタセシス重合可能なシクロオレ
フィン類とメタセシス重合触媒を含む重合性組成物を重
合させる温度条件について、所定の温度で所定の時間保
持するA工程、所定の昇温速度で重合させるB工程、必
要に応じてB工程の後、所定の温度で所定時間保持する
C工程を実施することが重要であることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0005】本発明の重合方法は、メタセシス重合可能
なシクロオレフィン類及びメタセシス重合触媒を含む重
合性組成物を所定の温度で所定の時間保持するA工程、
その後、所定の昇温速度で重合させるB工程を備えるも
のである。メタセシス重合可能なシクロオレフィン類及
びメタセシス重合触媒は、溶液であることが好ましい。
前記所定の温度は、メタセシス重合可能なシクロオレフ
ィン類の凝固点〜60℃が好ましく、メタセシス重合可
能なシクロオレフィン類の凝固点〜40℃がより好まし
く、室温が最も好ましい。前記所定の時間は、30分以
上が好ましく、30〜90分がより好ましい。前記所定
の昇温速度は、10℃/分以下が好ましく、2℃/分以
下がより好ましい。前記所定の昇温昇温速度で重合させ
るB工程の温度は、A工程の保持温度〜160℃が好ま
しく、A工程の保持温度〜140℃がより好ましい。所
定の昇温速度で重合させる工程の後、80〜160℃、
より好ましくは80〜140℃で所定の時間保持するC
工程を備えることが好ましい。C工程の所定の時間は、
0〜4時間であることができる。
【0006】メタセシス重合可能なシクロオレフィン類
としては、二環体以上のノルボルネン類、炭素数4以上
の単環シクロオレフィン類から選ばれる少なくとも一種
が好ましく使用できる。メタセシス重合触媒が、式
(a)及び式(b)で示されるメタセシス重合触媒の少
なくとも一種が好ましく使用できる。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】 (式(a)(b)で、 Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1は、それぞ
れ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2
〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル
基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキシレート
基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20の
アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜2
0のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキ
ルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基、
炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜
20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のアルキルセ
レニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレノニル基
から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキル基、ハ
ロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェニル類で
置換されていても良く、前記フェニル類はハロゲン、炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
で置換されていても良い;X及びX1はアニオン性配位
子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるメタセシス重
合可能なシクロオレフィン類としては、二環体以上のノ
ルボルネン類、炭素数4以上の単環シクロオレフィン類
から選ばれる少なくとも一種が使用できる。中でも置換
又は非置換のノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジ
ヒドロジシクロペンタジエンなどのノルボルネンが好適
に用いられる。
【0010】ノルボルネン類としては、ノルボルネン、
ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノル
ボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネ
ン、ブチルノルボルネン、5−アセチル−2−ノルボル
ネン、ジメチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
キシレート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボキシイミド、5−ノルボルネン−2−カル
ボニトリル、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデ
ヒド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸モノメ
チルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸ジメチルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸ジエチルエステル、5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル、5−ノルボル
ネン−2,3−ジカルボン酸ジシクロヘキシルエステ
ル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジベンジ
ルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸
無水物、3,6ーエポキシー1,2,3,6ーテトラヒ
ドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸、5−ノルボルネン−2−メタノール、6−ト
リエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−ノルボルネ
ン−2−オールなどの二環ノルボルネン、ジシクロペン
タジエン(シクロペンタジエンの二量体)、ジヒドロジ
シクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジ
メチルジシクロペンタジエンなどの三環ノルボルネン、
テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、
ジメチルシクロテトラドデセンなどの四環ノルボルネ
ン、トリシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの三
量体)、テトラシクロペンタジエン(シクロペンタジエ
ンの四量体)などの五環以上のノルボルネンが挙げられ
る。
【0011】2個以上のノルボルネン基を有する化合
物、例えばテトラシクロドデカジエン、対称型トリシク
ロペンタジエン等を用いることもできる。ノルボルネン
系以外のシクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテ
ン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン、
1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、1,5,7
−シクロドデカトリエン、5,6−エポキシ−1−シク
ロオクテン、3,4−エポキシ−1−シクロオクテン、
5−メトキシ−1−シクロオクテン、5−ブロモ−1−
シクロオクテン、5−イソプロポキシ−1−シクロオク
テン、5−ホルミル−1−シクロオクテン、5−メトキ
シ−1−シクロオクテン、エチル−シクロオクト−1−
エン−5−カルボキシレート、(トリメチルシリル)シ
クロオクト−1−エン−5−カルボキシレート、テトラ
ヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなどのシ
クロオレフィン類も使用することができる。以上の化合
物は、単独でまた複数の混合物として用いることもでき
る。
【0012】本発明において、用いることのできるメタ
セシス重合触媒は、
【0013】
【化5】 (ここで、 Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1は、それぞ
れ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2
〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル
基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキシレート
基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20の
アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜2
0のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキ
ルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基又
は炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基から選ば
れ、それぞれは炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン、
炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェニル類で置換され
ていても良く、前記フェニル類はハロゲン、炭素数1〜
5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換さ
れていても良い;X及びX1はアニオン性配位子;L及
びL1は中性の電子供与基を示す。)
【0014】
【化6】 (ここで、 Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1は、それぞ
れ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2
〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル
基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキシレート
基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20の
アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜2
0のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキ
ルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基、
炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜
20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のアルキルセ
レニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレノニル基
から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキル基、ハ
ロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェニル類で
置換されていても良く、前記フェニル類はハロゲン、炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
で置換されていても良い;X及びX1はアニオン性配位
子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。)が好まし
い。
【0015】これら触媒は、従来知られているような触
媒成分と活性化剤とを組み合わせた2液系の複分解触媒
系とは異なり、空気中の酸素や水分によって容易に触媒
活性を失わずにメタセシス重合性化合物を複分解(メタ
セシス)反応で開環重合させることができる。このよう
な化合物(触媒)の具体的なものは、たとえば式(1)
〜(8)に挙げるような触媒である。
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】メタセシス触媒としては前記したようなも
のがあり、その添加量はシクロオレフィン類モノマの合
計100重量部に対して0.001〜5重量部である
が、経済性の理由から好ましくは0.01〜1重量部で
ある。また触媒としては空気中での安定性の良さから、
1成分型の金属カルベン型触媒が好ましい。
【0025】本発明の重合方法において、ポリイミド、
飽和ポリエステル、ポリエチレン、ゴム系エラストマ、
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ビニル樹脂等の樹脂を
ブレンドして使用することができる。
【0026】反応調整剤としては、トリフェニルフォス
フィン、トリシクロヘキシルフォスフィン、トリシクロ
ベンチルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリ
イソプロピルフォスフィン等の反応抑制剤があり、通
常、DCPD樹脂液に100重量部に対し0.001〜
10重量部を加えることができる。
【0027】樹脂組成物には、フィラー、ガラス繊維等
を混入することができる。また、シランカップリング
剤、酸化防止剤等の添加剤を混入することができる。本
発明で得られた重合体は、電気絶縁材料、フィルム、強
化プラスチック、注型品、モールド成型品、コーティン
グ材の分野で使用することができる。
【0028】本発明で使用するメタセシス重合触媒は、
通常は個体粉末状であり、この粉末状の触媒をメタセシ
ス重合可能なシクロオレフィン類に溶解し、重合性組成
物とする。本発明で使用する触媒はシクロオレフィン類
に溶解すると直ちにシクロオレフィン類の重合反応を開
始する(開始反応)。本発明において、重合性組成物を
所定の温度で所定の時間保持するA工程は、添加した全
てのメタセシス重合触媒が重合反応を開始するようにす
る上で重要である。重合性組成物の温度を上げすぎる
と、触媒の添加を開始した直後に重合反応が進み過ぎ、
後半で添加した触媒の溶解性が悪くなったり、重合反応
を開始できなくなったりして、添加した全ての触媒を十
分に重合に寄与させることができなくなる。
【0029】また、シクロオレフィン類の重合反応にお
いて反応を十分に進め、未反応物を低減するためには、
架橋反応が起こる前に鎖状のポリマーを形成させること
が重要である。本発明におけるA工程は、前記した鎖状
ポリマーを形成させる上で重要な工程である。重合組成
物を所定の温度より上げると反応による発熱が起こり、
鎖状ポリマーの形成とともに架橋反応が進行する。この
結果、重合反応が十分に進まずに未反応物が多くなる。
本発明におけるA行程は、前記した2つの作用のために
重要である。
【0030】次に本発明において、所定の昇温速度で重
合させるB工程は、架橋反応を進める上で重要である。
架橋反応は、鎖状ポリマーを形成する反応に比べると、
より高温で進行する。そのため、重合性組成物を高温に
する必要がある。ここで重合組成物の温度を上げるため
に過度に加熱を行うと、反応による発熱で、重合組成物
の温度が急激に上昇する。このような場合は架橋反応の
途中でメタセシス重合触媒の作用が失われ、重合反応が
十分に進行しない。架橋反応を十分に進行させるために
は、反応による発熱を抑制しながら重合組成物の温度を
所定の昇温速度で上昇させることが重要である。
【0031】さらに、限りなく重合反応を進め、未反応
物を低減するためには、B工程終了後、所定の時間温度
を保持するC工程を行うのが好ましい。本発明における
B工程を行えば、C工程においてもメタセシス重合触媒
の活性を十分に維持することが可能であり、重合反応を
低減し得る。
【0032】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。なお、
実施例中、部とは特に限定しない限り重量部を意味す
る。なお実施例、比較例で得られた硬化物は、以下の方
法で試験片を評価した。 (a)成形物の硬化度の評価法 真空理工製TG−DTA(熱天秤分析装置)を用い、窒
素雰囲気下で室温〜500℃まで10℃/minで昇温
し、250℃の加熱減量分を測定し、以下の計算式で供
試試料の硬化度を計算した。 硬化度%=100−重量減少率(%) (b)温度の評価法 1)発熱温度を測定するために、上記試験片の中心部
(底面から40mmの位置)に熱電対を設定した。 2)恒温器の温度を測定するために、炉内中央部に熱伝
対を設定した。熱電対は記録計に接続し、温度を記録し
た。
【0033】実施例1 (DCPD樹脂液)市販の純度約99重量%のジシクロ
ペンタジエン(DCPDとする)100重量部に、トリ
フェニルホスフィン0.125重量部を添加してDCP
D樹脂液を作製した。 (試験片の作製)23℃の室内で上記DCPD樹脂液
に、Ruカルベン触媒(前記の(3))を添加し、2分
間撹拌して触媒を完全に溶解させた。この樹脂液を直径
12mmの試験管(底面70mmの高さまで)に注入し
た。表1に示す所定の硬化条件に従って、硬化物を得
た。
【0034】
【表1】 A工程 25℃/1h B工程 0.6(℃/min)/2h C工程 100℃/2h ここで、表1中の25℃/1hとは、25℃で1h保持
したことを示す。または0.6(℃/min)/2hと
は、1分間あたり0.6℃の昇温速度を2h維持したこ
とを示す(以下同じ)。
【0035】実施例2 (共重合系樹脂液)市販の純度約97重量%以上のシク
ロオクタジエン(CODとする)50重量部と市販の純
度約99重量%のジシクロペンタジエン(DCPDとす
る)50重量部に、トリフェニルホスフィン0.05重
量部を添加して共重合系樹脂液を作製した。 (試験片の作製)表2に示す所定の硬化条件に従って、
硬化物を得た。その他は、実施例1のDCPD樹脂液と
同様に行った。
【0036】
【表2】 A工程 40℃/1h B工程 0.5(℃/min)/2h C工程 100℃/2h
【0037】比較例1 (DCPD樹脂液)実施例1と同様に調整した。 (試験片の作製)表3に示す所定の硬化条件に従って、
硬化物を得た。その他は、実施例1のDCPD樹脂液と
同様に実施した。
【0038】
【表3】 A工程 60℃/5min B工程 125℃/15min
【0039】比較例2 (共重合系樹脂)実施例2と同様に調整した。 (試験片の作製)表4に示す所定の硬化条件に従って、
硬化物を得た。その他は、実施例1のDCPD樹脂液と
同様に実施した。
【0040】
【表4】 A工程 25℃/1h B工程 125℃/3h 上記で得られた各硬化物の評価結果を表5に示す。
【0041】
【表5】 表5中の発熱温度は最高発熱温度を示す。
【0042】
【発明の効果】本発明の重合方法によれば、メタセシス
重合可能なシクロオレフィン類及びメタセシス重合触媒
を含む重合性組成物から臭気の発生がない、完全硬化に
限りなく近い重合硬化物を製造できる。本発明の重合硬
化物は、良好な電気特性、熱安定性から電絶材、配線
板、封止材などに好適に利用可能である。また本発明の
重合硬化物は、不快な臭気の発生がないため、浴槽、キ
ッチン天板、ユニットバス、壁パネルなど室内で使用す
る成形品にも好適に利用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 知明 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 河合 宏政 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 Fターム(参考) 4J032 CA34 CA38 CB01 CC03 CD01 CE03 CE21 CE22 CG01 CG07 CG08

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタセシス重合可能なシクロオレフィン類
    及びメタセシス重合触媒を含む重合性組成物を所定の温
    度で所定の時間保持するA工程、 その後、 所定の昇温速度で重合させるB工程を備える重合方法。
  2. 【請求項2】メタセシス重合可能なシクロオレフィン類
    及びメタセシス重合触媒を含む重合性組成物が溶液であ
    る請求項1記載の重合方法。
  3. 【請求項3】所定の温度が、メタセシス重合可能なシク
    ロオレフィン類の凝固点〜60℃である請求項1又は2
    記載の重合方法。
  4. 【請求項4】所定の温度が、メタセシス重合可能なシク
    ロオレフィン類の凝固点〜40℃である請求項1又は2
    記載の重合方法。
  5. 【請求項5】所定の温度が、室温である請求項1又は2
    記載の重合方法。
  6. 【請求項6】所定の時間が、30分以上である請求項1
    〜5各項記載の重合方法。
  7. 【請求項7】所定の時間が、30〜90分である請求項
    1〜5各項記載の重合方法。
  8. 【請求項8】所定の昇温速度が、10℃/分以下である
    請求項1〜7各項記載の重合方法。
  9. 【請求項9】所定の昇温速度が、2℃/分以下である請
    求項1〜7各項記載の重合方法。
  10. 【請求項10】所定の昇温速度で重合させるB工程の温
    度が、A工程の保持温度〜160℃である請求項1〜9
    各項記載の重合方法。
  11. 【請求項11】所定の昇温速度で重合させるB工程の温
    度が、A工程の保持温度〜140℃である請求項1〜9
    各項記載の重合方法。
  12. 【請求項12】所定の昇温速度で重合させる工程の後、
    80〜160℃で所定の時間保持するC工程を備える請
    求項1〜11各項記載の重合方法。
  13. 【請求項13】所定の昇温速度で重合させる工程の後、
    80〜140℃で所定の時間保持するC工程を備える請
    求項1〜11各項記載の重合方法。
  14. 【請求項14】C工程の所定の時間が0〜4時間である
    請求項12又は13記載の重合方法。
  15. 【請求項15】メタセシス重合可能なシクロオレフィン
    類が二環体以上のノルボルネン類、炭素数4以上の単環
    シクロオレフィン類から選ばれる少なくとも一種である
    請求項1〜14各項記載の重合方法。
  16. 【請求項16】メタセシス重合触媒が、式(a)及び式
    (b)で示されるメタセシス重合触媒の少なくとも一種
    である請求項1〜15各項記載の重合方法。 【化1】 【化2】 (式(a)(b)で、 Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1は、それぞ
    れ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2
    〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル
    基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキシレート
    基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20の
    アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜2
    0のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキ
    ルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基、
    炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜
    20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のアルキルセ
    レニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレノニル基
    から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキル基、ハ
    ロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェニル類で
    置換されていても良く、前記フェニル類はハロゲン、炭
    素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
    で置換されていても良い;X及びX1はアニオン性配位
    子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。)
  17. 【請求項17】請求項1〜16各項記載の重合方法で得
    られた重合体。
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