JP2000256443A - 重合方法 - Google Patents

重合方法

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JP2000256443A
JP2000256443A JP11058374A JP5837499A JP2000256443A JP 2000256443 A JP2000256443 A JP 2000256443A JP 11058374 A JP11058374 A JP 11058374A JP 5837499 A JP5837499 A JP 5837499A JP 2000256443 A JP2000256443 A JP 2000256443A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
metathesis
catalyst
alkyl
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JP11058374A
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English (en)
Inventor
Koji Maruyama
鋼志 丸山
Shigeki Katogi
茂樹 加藤木
Masami Yusa
正己 湯佐
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタセシス重合触媒の触媒活性を一時的に抑
制し、安定な触媒含有モノマ溶液を提供し重合反応での
取扱いの問題を解消する重合方法。 【解決手段】ルテニウムカルベン触媒と脱水ピリジンを
混和させトルエンを加えて完全に均一な触媒溶液とし
た。触媒溶液にジシクロペンタジエンを加えて、激しく
振とうし1時間以上室温に放置し、触媒モノマ混合液を
得た。この混合液は室温で5時間以上流動性を維持して
おり、ジシクロペンタジエンの重合は開始していない。
130℃に設定されたホットプレート上で加熱すること
により1分以内にゲル化しジシクロペンタジエンの重合
体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネンやジシクロペンタジエンな
どのシクロオレフィン類の開環重合体は、低吸水率、低
誘電性、透明性及びその良好な機械的特性から、電気絶
縁分野や光学分野に応用が期待されている。シクロオレ
フィン類がメタセシス重合触媒によって開環重合するこ
とは知られており、このようなメタセシス重合触媒とし
て例えばタングステン、モリブデン系の触媒が知られて
いる。しかしこのタングステン、モリブデン系触媒の多
くは活性が十分でなく、活性化剤(助触媒)が必要とな
る。活性化剤(助触媒)としてはアルキルアルミニウム
が使用されているがこのアルキルアルミニウムは空気中
の酸素や水分に対して不安定であり、シクロオレフィン
類の重合は密閉系で行わねばならなかった。そのためハ
ンドレイアップ、オープンモールド法等の開放系で成型
するものには適用できない問題点があった。従来の触媒
に比較して空気中の酸素や水分に対して安定であり、試
薬としての取扱いが容易なルテニウム、オスミウム錯体
のメタセシス重合によるノルボルネンの開環重合が例え
ば、USP5342909号公報に記載されている。ル
テニウム、オスミウム錯体のメタセシス重合触媒につい
ては、米国特許第5341404号公報やOrgano
metallics,vol.16,3867頁(19
97)に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ルテニウム、オスミウ
ム錯体のメタセシス重合触媒は、従来の触媒に比較して
空気中の酸素や水分に対して安定であり、試薬としての
取扱いが容易である反面、メタセシス重合性化合物に対
する触媒活性が高く、重合反応での取扱いに問題があ
る。すなわち、この触媒は粉末状であり、メタセシス重
合性化合物との均一混合が困難であるために、分散が不
十分な場合、局所的な重合が進行してしまう。また、メ
タセシス触媒とメタセシス重合性化合物を予め混合して
おき、所定の型内で成型する成型法には、混合液内で重
合が進行してしまい適用することはできない。本発明
は、メタセシス重合触媒の触媒活性を一時的に抑制し、
安定な触媒含有モノマ溶液を提供すると共に、重合反応
での取扱いの問題、またメタセシス触媒とメタセシス重
合性化合物を予め混合しておき、所定の型内で成型する
成型法にも適用できる重合方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の重合方法は、 (1)化3の一般式(A)及び/又は化4の一般式
(B)で示されるメタセシス重合触媒を不活性化する工
程、
【化3】 (ここで、Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1
は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20の
アルキニル基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキ
シレート基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2
〜20のアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素
数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20
のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォ
ニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭
素数1〜20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のア
ルキルセレニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレ
ノニル基から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキ
ル基、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェ
ニル類で置換されていても良く、前記フェニル類はハロ
ゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアル
コキシ基で置換されていても良い;X及びX1はアニオ
ン性配位子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。)
【化4】 (ここで、Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1
は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20の
アルキニル基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキ
シレート基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2
〜20のアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素
数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20
のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォ
ニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭
素数1〜20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のア
ルキルセレニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレ
ノニル基から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキ
ル基、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェ
ニル類で置換されていても良く、前記フェニル類はハロ
ゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアル
コキシ基で置換されていても良い;X及びX1はアニオ
ン性配位子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。) (2)前記不活性化されたメタセシス重合触媒をメタセ
シス重合性化合物と混合する工程、 (3)前記不活性化されたメタセシス重合触媒をメタセ
シス重合性化合物との混合系中で再活性化する工程、 (4)メタセシス重合性化合物を重合する工程を備える
ことを特徴とする。メタセシス重合触媒を不活性化する
には、メタセシス重合触媒と窒素原子を有す配位性の化
合物を混合することにより行うことができる。また本発
明の重合方法は、 (1)一般式(A)及び/又は一般式(B)で示される
メタセシス重合触媒と窒素原子を有す配位性の化合物と
を混合し混合液(a)を調製する工程 (2)前記混合液(a)にメタセシス重合性化合物を混
合し混合液(b)を調製する工程、 (3)加熱によりメタセシス重合性化合物を重合する工
程を備えることを特徴とする。窒素原子を有す配位性の
化合物が、ピリジン、4ービニルピリジン、アセトニト
リル、エチレンジアミン及びNーベンジリデンメチルア
ミンから選ばれる少なくとも一種が好ましい。加熱が、
50℃以上でメタセシス重合性化合物の分解する温度以
下で行うことが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるメタセシス重
合性化合物は、メタセシス重合可能なシクロオレフィン
系モノマーが使用できる。中でも置換又は非置換のノル
ボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペ
ンタジエンなどのノルボルネン系モノマーが好適に用い
られる。
【0006】ノルボルネン系モノマーとしては、ノルボ
ルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメ
チルノルボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノ
ルボルネン、ブチルノルボルネン、5−アセチル−2−
ノルボルネン、ジメチル−5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボキシレート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネ
ン−2,3−ジカルボキシイミド、5−ノルボルネン−
2−カルボニトリル、5−ノルボルネン−2−カルボキ
シアルデヒド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸モノメチルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボン酸ジメチルエステル、5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボン酸ジエチルエステル、5−ノルボルネン
−2,3−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル、5−
ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジシクロヘキシル
エステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジ
ベンジルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカル
ボン酸無水物、3,6ーエポキシー1,2,3,6ーテ
トラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボン酸、5−ノルボルネン−2−メタノール、
6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−ノル
ボルネン−2−オールなどの二環ノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン(シクロペンタジエンの二量体)、ジヒ
ドロジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエ
ン、ジメチルジシクロペンタジエン、などの三環ノルボ
ルネン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロド
デセン、ジメチルシクロテトラドデセンなどの四環ノル
ボルネン、トリシクロペンタジエン(シクロペンタジエ
ンの三量体)、テトラシクロペンタジエン(シクロペン
タジエンの四量体)などの五環以上のノルボルネンが挙
げられる。
【0007】2個以上のノルボルネン基を有する化合
物、例えばテトラシクロドデカジエン、対称型トリシク
ロペンタジエン等を用いることもできる。ノルボルネン
系以外のシクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテ
ン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン、
1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、1,5,7
−シクロドデカトリエン、5,6−エポキシ−1−シク
ロオクテン、3,4−エポキシ−1−シクロオクテン、
5−メトキシ−1−シクロオクテン、5−ブロモ−1−
シクロオクテン、5−イソプロポキシ−1−シクロオク
テン、5−ホルミル−1−シクロオクテン、5−メトキ
シ−1−シクロオクテン、エチル シクロオクト−1−
エン−5−カルボキシレート、(トリメチルシリル)
シクロオクト−1−エン−5−カルボキシレート、テト
ラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなどの
シクロオレフィン類も使用することができる。以上のメ
タセシス重合性化合物は、単独でまた複数のモノマーの
混合物として用いることもできる。メタセシス重合性化
合物の分解する温度は、熱天秤(TGA)測定で重量減
少が開始する温度である。
【0008】本発明において、用いることのできるメタ
セシス重合触媒は、
【化5】 (ここで、Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1
は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20の
アルキニル基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキ
シレート基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2
〜20のアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素
数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20
のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォ
ニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭
素数1〜20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のア
ルキルセレニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレ
ノニル基から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキ
ル基、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェ
ニル類で置換されていても良く、前記フェニル類はハロ
ゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアル
コキシ基で置換されていても良い;X及びX1はアニオ
ン性配位子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。)
【0009】
【化6】 (ここで、Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1
は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20の
アルキニル基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキ
シレート基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2
〜20のアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素
数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20
のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォ
ニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭
素数1〜20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のア
ルキルセレニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレ
ノニル基から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキ
ル基、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェ
ニル類で置換されていても良く、前記フェニル類はハロ
ゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアル
コキシ基で置換されていても良い;X及びX1はアニオ
ン性配位子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。)
が好ましい。
【0010】これら触媒は、従来知られているような触
媒成分と活性化剤とを組み合わせた2液系の複分解触媒
系とは異なり、空気中の酸素や水分によって容易に触媒
活性を失わずにメタセシス重合性化合物を複分解(メタ
セシス)反応で開環重合させることができる。このよう
な化合物(触媒)の具体的なものは、たとえば式(1)
〜(8)に挙げるような触媒である。
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】メタセシス重合触媒を不活性化するには、
メタセシス重合触媒と窒素原子を有す配位性の化合物を
混合することにより行うことができる。窒素原子を有す
配位性の化合物は、金属原子であるルテニウム又はオス
ミウムに対して配位子となり得る化合物である。窒素を
有す配位性の化合物としては、配位原子である窒素の回
りに立体的に障害となるような置換基を持たず、配位が
効率的に起こり得るものが好ましい。窒素を有す配位性
の化合物の沸点は、50℃以上でメタセシス重合性化合
物の沸点又は分解点の範囲が好ましい。また窒素を有す
配位性の化合物の沸点は、50℃〜300℃が好まし
く、70℃〜200℃がより好ましい。窒素を有す配位
性の化合物はピリジン、4ービニルピリジン、アセトニ
トリル、エチレンジアミン及びNーベンジリデンメチル
アミンから選ばれる少なくとも一種が好ましい。
【0020】メタセシス重合触媒と窒素を有す配位性の
化合物の混合は、1重量部のメタセシス重合触媒に対
し、5〜300重量部の窒素を有す配位性の化合物を混
和させることが好ましい。上記配合比で混和しない場合
は、混和させるに必要最小限のトルエン、アセトン、ベ
ンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、γ
ーブチロラクトン、N,Nージメチルホルムアミド、
N,Nージメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、クロロ
ホルム、塩化メチレン、1,2ージクロロエタン、nー
ペンタン、シクロペンタン、シクロペンテン、nーヘキ
サン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、nーヘプタ
ン、シクロヘプタン、シクロヘプテン、nーオクタン、
シクロオクタン、シクロオクテン、ジエチルエーテル等
を溶剤として添加することによって均一な溶液を調製す
ることができる。調製は、0〜50℃で1秒〜3時間の
条件で行うことができる。
【0021】本発明でルテニウムカルベン触媒を不活性
化するとは、ルテニウムカルベン触媒によって重合可能
な化合物が重合する反応条件において、重合可能な化合
物の重合が進行しないことを意味する。具体的には、メ
タセシス重合可能モノマ1000モルに対して不活性に
したルテニウムカルベン触媒1モルの混合系で30分後
にモノマの30量体以上の化合物が生成しないことを意
味する。すなわち、例えば室温においてメタセシス重合
可能モノマ1000モルに対して、前記ルテニウムカル
ベン触媒1モルと500モル以下の塩基性物質とからな
る混合物を添加し、30分後にモノマの30量体以上の
化合物が生成しないことを示す。また例えば、均一溶液
状態でメタセシス重合可能なモノマ1000モルに対し
て、ルテニウムカルベン触媒1モルと500モル以下の
塩基性物質とからなる混合物を添加し、前記塩基性化合
物が未添加の場合の未反応モノマ残存率が90%となる
重合時間の10倍時間反応させた場合に、90%以上の
未反応モノマが残存することを示す。本発明で、不活性
にしたルテニウムカルベン触媒を再活性化するとは、ル
テニウムカルベン触媒によって重合可能な化合物の重合
が開始することを意味する。重合が開始するとは、重合
可能な化合物とメタセシス触媒が化学反応することで具
体的には、メタセシス重合可能モノマ1000モルに対
して再活性化したルテニウムカルベン触媒1モルの混合
系で30分後にモノマの100量体以上の化合物が生成
することを意味する。すなわち再活性化とは、例えば不
活性化されている状態のモノマとルテニウムカルベン触
媒およびその不活性化剤との混合物に、第4成分を添加
するかもしくは接触させることで重合が開始することで
ある。また再活性化とは、例えば反応率から得られる重
合開始段階における反応速度が、不活性化されていない
場合の同一段階での反応速度の50%以上に回復するこ
とである。
【0022】再活性化の方法には、不活性化剤である配
位性塩基性含窒素化合物の酸添加による塩としての触媒
からの解離による方法、光酸発生剤共存下での光照射に
よる活性化の方法、不活性化された混合物の強酸性イオ
ン交換樹脂充填カラムへの送液もしくは樹脂とのバッチ
処理による活性化の方法、不活性化剤と安定な金属錯体
を生成するような金属イオン塩の添加による活性化の方
法がある。このように、再活性化剤としては、濃塩酸、
トリフルオロ酢酸、酢酸、p‐トルエンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸、強酸性イオン交換樹脂、
光酸発生剤等が使用できる。
【0023】メタセシス重合触媒と窒素原子を有す配位
性の化合物とを混合し混合液(a)を調製し、混合液
(a)とメタセシス重合性化合物を混合し混合液(b)
を調製する工程では、前記混合液(a)100重量部に
1から100000重量部のメタセシス重合性化合物を
混合することが好ましい。25℃で液体状態のメタセシ
ス重合性化合物との混合の際、冷却しながら行うことが
望ましい。この場合溶剤を適宜使用することができる。
また、25℃で固体状態であるメタセシス重合性化合物
では、その融点付近の温度で双方を溶液状態で迅速に混
合し混合液(b)を調製することが望ましい。25℃で
固体状態であるメタセシス重合性化合物では、適宜溶媒
に溶解させた溶液として使用することができる。混合液
(b)の段階では、メタセシス重合性化合物の重合を進
行しない状態で維持することができる。混合液(b)の
段階では、メタセシス重合性化合物の重合を進行しない
状態で維持することができる。本発明でメタセシス重合
性化合物の重合が進行しないとは、メタセシス重合性化
合物の重合が実質的に起こらないことを意味し、具体的
にはメタセシス重合性化合物の30量体以上の化合物が
生成しない、または90%(数)以上の未反応メタセシ
ス重合性化合物が残存することを意味する。混合液
(b)は、25℃で10分〜7日の間、メタセシス重合
性化合物の重合は進行しない状態を維持することができ
る。すなわち、25℃で10分から7日間配合物はゲル
化することなく流動性を保っている。配合物がすぐゲル
化してしまう場合は、成形物を作製するたびに配合を行
う必要があるが、本発明の配合物はそのような手間が省
け、また低粘度液体を維持しているため、複雑な形状の
成形物や種々の成形方法を使用する際の取り扱い性が良
い。
【0024】混合液(b)を加熱する工程では、前記混
合液(b)を開放系で、50℃以上メタセシス重合性化
合物の分解する温度以下の温度範囲で加熱することが好
ましく、混合液(b)のメタセシス重合性化合物は加熱
により重合が進行する。メタセシス重合性化合物の重合
を効率的に行うため、混合液(b)の気液界面の面積を
大きくすることが望ましい。
【0025】本発明の重合方法において、混合液(b)
を加熱する段階で及び/又は加熱した後に、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリエステル、ポリ
エチレン、ゴム系エラストマ、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、ビニル樹脂等の樹脂をブレンドして樹脂組成と
することができる。樹脂組成には、フィラー、ガラス繊
維等を混入することができる。また、シランカップリン
グ剤、酸化防止剤等の添加剤を混入することができる。
本発明で得られたメタセシス重合体は、フィルム、強化
プラスチック、注型品、モールド成型品、コーティング
材の分野で使用することができる。
【0026】
【実施例】実施例1 ルテニウムカルベン触媒(前記(1)の化合物)17.
5mg(0.021ミリモル)のトルエン溶液30ml
(赤紫色)にピリジン200ml(触媒1モル部に対し
て120モル部)を添加した溶液(黄緑色)を0℃で1
時間攪拌した後、モノマとしてノルボルネン1.21g
(13ミリモル)を加え、さらに1時間攪拌した後、反
応溶液の一部分をメタノールに注いで生じた沈殿物の1
HNMRスペクトルを測定したところ、原料モノマであ
ることが確認された。反応溶液に添加したピリジン1モ
ル部に対し8モル部の35%濃塩酸を添加したところ、
溶液の色は瞬時に橙色に変化し、1.5時間攪拌後に反
応溶液をメタノール80mlに注いだところ透明重合物
が得られた。テトラヒドロフランを溶離液として用いた
GPC測定より、重合物の数平均分子量Mnは1100
00,分子量分布(PDI)は1.65であった。尚、
0.5時間後の段階では分子量Mnは100000、分
子量分布(PDI)は1.60であった。
【0027】実施例2 混合液(a)の調製法は以下に示される。ガラス容器に
実施例1のルテニウムカルベン触媒1重量部を秤量し、
30重量部の脱水ピリジンを加えて氷浴上で混和させ、
50重量部のトルエンを加えて完全に均一な触媒溶液と
した。混合液(b)の調製法は以下に示される。氷浴上
の前記混合液(a)に1000重量部のジシクロペンタ
ジエン(純度99%)を加えて、ガラス容器にふたをし
て、激しく振とうし1時間以上室温に放置し、触媒モノ
マ混合液(混合液(b))を得た。この混合液は室温で
5時間以上流動性を維持しており、ジシクロペンタジエ
ンの重合は開始していない。130℃に設定されたホッ
トプレート上で前記混合液(b)を加熱したところ、そ
れが非流体ゲルを形成するまでの時間を測定し、それを
ゲル化時間として記録したところ、1分以内にゲル化
し、ジシクロペンタジエンの重合が起こった。
【0028】実施例3 混合液(a)の調製法は以下に示される。ガラス容器に
ルテニウムカルベン触媒(前記(3)の化合物)1重量
部を秤量し、1重量部の4−ビニルピリジンを加えて混
和させ、2重量部のトルエンを加えて完全に均一な触媒
溶液とした。混合液(b)の調製法は以下に示される。
前記混合液(a)に1000重量部のジシクロペンタジ
エン(純度99%)を加えて、ガラス容器にふたをし
て、激しく振とうし19℃で1時間以上放置したが、非
流体ゲルの生成は見られなかった。この間ジシクロペン
タジエンの重合は開始していない。82℃の油浴中で前
記混合液(b)を加熱したところ、2分以内にゲル化が
起こり、ジシクロペンタジエンの重合が起こった。
【0029】
【発明の効果】本発明の重合方法により、メタセシス重
合触媒の触媒活性を一時的に抑制し、安定な触媒含有モ
ノマ溶液を提供することができ、重合反応での取扱いの
問題が解消する。またメタセシス触媒とメタセシス重合
性化合物を予め混合しておき1液で、所定の型内で成型
する方法やオープンモールド、ハンドレイアップ等の開
放系の成型法の適用が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯佐 正己 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 Fターム(参考) 4J032 CA23 CA24 CA27 CA28 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA68 CB01 CB03 CD02 CD07 CE17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)化1の一般式(A)及び/又は化2
    の一般式(B)で示されるメタセシス重合触媒を不活性
    化する工程、 【化1】 (ここで、 Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1は、それぞ
    れ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2
    〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル
    基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキシレート
    基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20の
    アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜2
    0のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキ
    ルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基、
    炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜
    20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のアルキルセ
    レニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレノニル基
    から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキル基、ハ
    ロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェニル類で
    置換されていても良く、前記フェニル類はハロゲン、炭
    素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
    で置換されていても良い;X及びX1はアニオン性配位
    子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。) 【化2】 (ここで、 Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1は、それぞ
    れ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2
    〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル
    基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキシレート
    基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20の
    アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜2
    0のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキ
    ルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基、
    炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜
    20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のアルキルセ
    レニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレノニル基
    から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキル基、ハ
    ロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェニル類で
    置換されていても良く、前記フェニル類はハロゲン、炭
    素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
    で置換されていても良い;X及びX1はアニオン性配位
    子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。) (2)前記不活性化されたメタセシス重合触媒をメタセ
    シス重合性化合物と混合する工程、 (3)前記不活性化されたメタセシス重合触媒をメタセ
    シス重合性化合物との混合系中で再活性化する工程、 (4)メタセシス重合性化合物を重合する工程を備える
    ことを特徴とする重合方法。
  2. 【請求項2】 メタセシス重合触媒を不活性化する工程
    が、前記メタセシス重合触媒と窒素原子を有す配位性の
    化合物を混合する工程である請求項1記載の重合方法。
  3. 【請求項3】(1)一般式(A)及び/又は一般式
    (B)で示されるメタセシス重合触媒と窒素原子を有す
    配位性の化合物とを混合し混合液(a)を調製する工
    程、(2)前記混合液(a)にメタセシス重合性化合物
    を混合し混合液(b)を調製する工程、(3)加熱によ
    りメタセシス重合性化合物を重合する工程を備えること
    を特徴とする重合方法。
  4. 【請求項4】 窒素原子を有す配位性の化合物が、ピリ
    ジン、4ービニルピリジン、アセトニトリル、エチレン
    ジアミン及びNーベンジリデンメチルアミンから選ばれ
    る少なくとも一種である請求項2又は3記載の重合方
    法。
  5. 【請求項5】 加熱が、50℃以上でメタセシス重合性
    化合物の分解する温度以下である請求項3又は4記載の
    重合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363265A (ja) * 2001-04-02 2002-12-18 Hitachi Chem Co Ltd 新規なブロック共重合体、その製造法及び用途

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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