JP2000327644A - 置換アミノ基含有アクリレート系化合物およびその製造方法 - Google Patents

置換アミノ基含有アクリレート系化合物およびその製造方法

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JP2000327644A
JP2000327644A JP11142606A JP14260699A JP2000327644A JP 2000327644 A JP2000327644 A JP 2000327644A JP 11142606 A JP11142606 A JP 11142606A JP 14260699 A JP14260699 A JP 14260699A JP 2000327644 A JP2000327644 A JP 2000327644A
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amino group
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JP11142606A
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Koichiro Isokami
宏一郎 磯上
Hitoshi Tokuyasu
仁 徳安
Takashi Onishi
孝志 大西
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 置換アミノ基を有するα,β−不飽和カルボ
ン酸エステルであって、公知のものとは異なる性質を有
する新規なα,β−不飽和カルボン酸エステルを提供す
る。 【解決手段】 本発明は、式(1) 【化1】 で示される置換アミノ基含有アクリレート系化合物また
はその4級アンモニウム塩である。式(1)中、R
水素原子または低級アルキル基を表す。RおよびR
は、それぞれ炭素鎖中に酸素原子を含有していてもよい
1価の飽和炭化水素基もしくは炭素鎖中に酸素原子を含
有していてもよい1価の芳香族炭化水素基を表すか、ま
たは一緒になって炭素鎖中に酸素原子を含有していても
よい2価の飽和炭化水素基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な置換アミノ
基含有アクリレート系化合物(すなわちアルコール成分
中に置換アミノ基を有する新規なα,β−不飽和カルボ
ン酸エステル)またはその4級アンモニウム塩、並びに
その製造方法に関する。本発明の置換アミノ基含有アク
リレート系化合物またはその4級アンモニウム塩は、ア
クリル系樹脂、熱可塑性エラストマー、樹脂改質剤、粘
着剤、紫外線、電子線または放射線硬化型のインキ、塗
料、コーティング剤、接着剤、繊維処理剤、紙加工剤、
乳化剤、イオン交換樹脂等の原料などとして有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】アルコール成分中に置換アミノ基を有す
るα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、2−
(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−
(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3−
(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3
−(ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレートな
どが工業的に入手可能であり、その重合性、極性(親水
性、界面活性能)、塩基性等の性質を利用して、アクリ
ル系樹脂、熱可塑性エラストマー、樹脂改質剤、塗料・
インキなどの原料として用いられている。なお、本明細
書においては、用語「(メタ)アクリレート」は「アク
リレート」および「メタクリレート」の総称を意味す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】置換アミノ基を有する
公知のα,β−不飽和カルボン酸エステルは、上記のよ
うに、置換アミノ基とアクリロイルオキシ基またはメタ
クロイルオキシ基との間に介在するアルキレン基がエチ
レン基またはトリメチレン基のような特定のものに限定
されている。したがって、このような置換アミノ基を有
する公知のα,β−不飽和カルボン酸エステルにおける
極性等の性質は相互に類似しており、それを原料モノマ
ーの一部として使用して得られるアクリル系樹脂等の重
合体では発揮される性能に制限がある。
【0004】しかして、本発明の課題の一つは、置換ア
ミノ基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルであ
って、公知のものとは極性等において異なる性質を有
し、それゆえそれを用いて得られる重合体等において多
様な性質を発現させることを可能とする新規なα,β−
不飽和カルボン酸エステルを提供することにある。ま
た、本発明の他の課題は、その新規なα,β−不飽和カ
ルボン酸エステルの簡便な製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題の一つは、式(1)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、Rは水素原子または低級アルキ
ル基を表し、RおよびRはそれぞれ炭素鎖中に酸素
原子を含有していてもよい1価の飽和炭化水素基もしく
は炭素鎖中に酸素原子を含有していてもよい1価の芳香
族炭化水素基を表すか、またはRおよびRは一つに
なって炭素鎖中に酸素原子を含有していてもよい2価の
飽和炭化水素基を表す)で示される置換アミノ基含有ア
クリレート系化合物またはその4級アンモニウム塩を提
供することによって解決される。
【0008】また本発明によれば、上記の他の課題は、
式(2)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、RおよびRは上記定義のとお
りである)で示される置換アミノ基含有アルコールと式
(3)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、Rは上記定義のとおりであり、
は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す)で示さ
れるアクリレート系化合物をエステル交換し、次いで必
要に応じて4級化剤と反応させることを特徴する、上記
式(1)で示される置換アミノ基含有アクリレート系化
合物またはその4級アンモニウム塩の製造方法を提供す
ることによって解決される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の置換アミノ基含有アクリ
レート系化合物を表す上記式(1)において、Rは水
素原子または低級アルキル基を表す。該低級アルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられ
る。重合性の高さの点においては、Rは水素原子また
はメチル基であることが好ましい。
【0014】上記式(1)において、RおよびR
それぞれ、炭素鎖中に酸素原子を含有していてもよい1
価の飽和炭化水素基もしくは炭素鎖中に酸素原子を含有
していてもよい1価の芳香族炭化水素基を表すか、また
はRおよびRは一つになって、炭素鎖中に酸素原子
を含有していてもよい2価の飽和炭化水素基を表す。R
およびRが独立して炭素鎖中に酸素原子を含有して
いてもよい1価の飽和炭化水素基を表す場合、該飽和炭
化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基;メトキシエチル
基等の炭素鎖中に酸素原子を含有するアルキル基(アル
コキシアルキル基)などが挙げられる。RおよびR
が独立して炭素鎖中に酸素原子を含有していてもよい1
価の芳香族炭化水素基を表す場合、該芳香族炭化水素基
としては、フェニル基、トリル基等のアリール基;ベン
ジル基、フェネチル基等のアラルキル基;メトキシフェ
ニル基等の炭素鎖中に酸素原子を含有するアリール基な
どが挙げられる。R およびRが一つになって炭素鎖
中に酸素原子を含有していてもよい2価の飽和炭化水素
基を表す場合、該2価の飽和炭化水素基としては、例え
ば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等のアルキレ
ン基;3−オキサペンタメチレン基等のオキサアルキレ
ン基などが挙げられる。
【0015】上記式(1)で示される本発明の置換アミ
ノ基含有アクリレート系化合物の代表例としては、以下
の化合物を挙げることができる。
【0016】5−(ジメチルアミノ)−3−メチルペン
チルメタクリレート;5−(ジエチルアミノ)−3−メ
チルペンチルメタクリレート;5−(1−ピロリジニ
ル)−3−メチルペンチルメタクリレート;5−ピペリ
ジノ−3−メチルペンチルメタクリレート;5−モルホ
リノ−3−メチルペンチルメタクリレート;5−(ジメ
チルアミノ)−3−メチルペンチルアクリレート;5−
(ジエチルアミノ)−3−メチルペンチルアクリレー
ト;5−(1−ピロリジニル)−3−メチルペンチルア
クリレート;5−ピペリジノ−3−メチルペンチルアク
リレート;5−モルホリノ−3−メチルペンチルアクリ
レート。
【0017】また、本発明の置換アミノ基含有アクリレ
ート系化合物の4級アンモニウム塩は、上記式(1)で
示される置換アミノ基含有アクリレート系化合物の置換
アミノ基(−NR)の部分(3級アミンの形態)
が4級アンモニウム塩の形態に誘導されてなる化合物で
ある。4級アンモニウム塩において窒素原子に結合する
第4の置換基の構造は特に限定されるものではなく、代
表例を挙げるならば、メチル基、エチル基等の置換基
(例:水酸基、アルコキシル基)を有していてもよいア
ルキル基;ベンジル基、フェネチル基等の置換基を有し
ていてもよいアラルキル基などが挙げられる。これらの
場合、4級アンモニウム陽イオンの対となる陰イオンと
しては、メチル硫酸陰イオン、塩素陰イオン、臭素陰イ
オン、ヨウ素陰イオン、酢酸陰イオン、p−トルエンス
ルホン酸陰イオンなどが例示される。
【0018】本発明の4級アンモニウム塩は、同一分子
内に4級アンモニウム陽イオン部分と陰イオン部分とを
有する塩(いわゆるベタイン構造の塩)であってもよ
い。その場合における窒素原子に結合する第4の置換基
としては、式:−CHCOO で示される基、式:−
(CHSO で示される基等が例示される。
【0019】本発明の4級アンモニウム塩の代表例とし
ては、式(1)で示される置換アミノ基含有アクリレー
ト系化合物の上記代表例からそれぞれ誘導されるp−ト
ルエンスルホン酸メチル4級化物、ジメチル硫酸4級化
物、プロパン−1,3−スルトン4級化物、塩化メタン
4級化物、塩化ベンジル4級化物、クロロ酢酸4級化
物、エチレンオキサイド4級化物、プロピレンオキサイ
ド4級化物、1,2−ブチレンオキサイド4級化物、
1,2−ペンチレンオキサイド4級化物、1,2−オク
チレンオキサイド4級化物、スチレンオキサイド4級化
物、グリシドール4級化物、グリシジル(メタ)アクリ
レート4級化物、酢酸グリシジル4級化物、ラウリン酸
グリシジル4級化物、メチルグリシジルエーテル4級化
物、エチルグリシジルエーテル4級化物、ブチルグリシ
ジルエーテル4級化物、オクチルグリシジルエーテル4
級化物、フェニルグリシジルエーテル4級化物、p−t
ert−ブチルフェニルグリシジルエーテル4級化物、
アリルグリシジルエーテル4級化物、エピクロロヒドリ
ン4級化物、エピブロモヒドリン4級化物、エピヨウド
ヒドリン4級化物等が挙げられる。
【0020】上記式(1)で示される本発明の置換アミ
ノ基含有アクリレート系化合物は、上記式(2)で示さ
れる置換アミノ基含有アルコールと上記式(3)で示さ
れるアクリレート系化合物をエステル交換反応に供する
ことによって製造することができる。
【0021】上記式(2)で示される置換アミノ基含有
アルコールのうち5−(ジメチルアミノ)−3−メチル
−1−ペンタノールは、例えば、Collection Czechoslo
v. Chem. Commun. vol.39, pp.3538-3547 (1974)に記載
された方法に従う5−(ジメチルアミノ)−3−メチル
−1−ペンテンのヒドロホウ素化によって製造すること
ができる。また、他の置換アミノ基含有アルコールはそ
の方法に準じて製造することができる。
【0022】上記エステル交換反応において使用するア
クリレート系化合物を表す式(3)中のRは炭素数1
〜4の1価の炭化水素基である。該炭化水素基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t
−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基などが挙げら
れる。これらの中でも、エステル交換反応により副生す
る低級アルコール(R−OH)の除去のし易さから、
メチル基、エチル基などが好ましい。
【0023】上記エステル交換反応における置換アミノ
基含有アルコールとアクリレート系化合物の使用割合は
特に制限されるものではないが、アクリレート系化合物
は、通常、置換アミノ基含有アルコール1モルに対し
0.5〜20モルの範囲内の割合で使用され、好ましく
は0.8〜10モルの範囲内で使用される。
【0024】上記のエステル交換反応においては、エス
テル交換反応触媒として公知の触媒を使用することが好
ましい。
【0025】上記の触媒としては、例えば、硫酸、塩酸
等の鉱酸;硫酸水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウ
ム、リン酸二水素カリウム等の鉱酸の塩;メタンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;ピリジニウ
ムp−トルエンスルホネート等の有機酸の塩;アルミニ
ウムトリイソプロポキシド、チタンアセチルアセトナー
ト、バナジウムアセチルアセトナート等のルイス酸;け
いモリブデン酸、リンタングステン酸等のヘテロポリ酸
類;シリカ、シリカ−アルミナ、活性白土、酸性型イオ
ン交換樹脂等の固体酸;ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウム
t−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸
塩または炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等
のアルカリ金属の酢酸塩;ジブチルスズオキサイド等の
スズ系化合物;鉄化合物;鉛化合物;モリブデン化合
物;タリウム化合物;亜鉛化合物などが挙げられる。こ
れらの触媒は単独で用いてもよいし、2種以上を併用し
てもよい。これらの触媒に加えて、各種金属化合物に対
するキレート配位子等のエステル交換反応を阻害しない
別の成分を添加してもよい。キレート配位子を有する金
属錯体触媒としては、例えば、式(4)
【0026】
【化8】
【0027】で示される鉄錯体等の特公昭61−459
71号公報に記載されている鉄錯体などが挙げられる。
【0028】上記のエステル交換反応触媒の使用量は特
に制限されるものではないが、置換アミノ基含有アルコ
ールに対し、通常10ppm〜20重量%の範囲内、好
ましくは0.05〜5重量%の範囲内である。
【0029】上記のエステル交換反応は、重合禁止剤の
存在下に実施することが好ましい。使用可能な重合禁止
剤としては、例えば、ハイドロキノン、ジ−t−ブチル
ハイドロキノン等のハイドロキノン類;α−ナフトー
ル、β−ナフトール等のナフトール類;カテコール、ジ
−t−ブチルカテコール等のカテコール類;p−ベンゾ
キノン;ピロガロール、フェニルエチルピロガロール等
のピロガロール類;2,6−ジ−t−ブチルアニソール
等のアニソール類;p−ヒドロキシジフェニルアミン、
フェノチアジン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミ
ン類などが挙げられる。重合禁止剤の使用量は特に制限
されるものではないが、使用するアクリレート系化合物
に対し、通常0.1〜20モル%の範囲内、好ましくは
1〜10モル%の範囲内である。
【0030】上記のエステル交換反応に際しては、反応
を阻害しないものである限り、溶媒を使用することがで
きる。使用可能な溶媒としては、例えば、ヘキサン、オ
クタン等の飽和脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、ブタノー
ル等のアルコール類;1,2−ジクロロエタン、1,
1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素など
が挙げられる。溶媒は1種類を単独で使用してもよい
し、2種類以上を混合して使用してもよい。溶媒を使用
する場合、その使用量は、使用する置換アミノ基含有ア
ルコールに対して、通常0.01〜50倍重量の範囲内
であり、好ましくは0.1〜10倍重量の範囲内であ
る。
【0031】上記のエステル交換反応は、通常20〜3
00℃の範囲内、好ましくは40〜200℃の範囲内の
温度で実施される。また、上記のエステル交換反応は空
気等の酸素を含有する雰囲気下で行うことができるが、
窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下に行うこともで
きる。
【0032】上記のエステル交換反応においては、式:
−OHで示される低級アルコールが副生するので、
目的とする式(1)で示される置換アミノ基含有アクリ
レート系化合物を収率よく得るためには、副生する低級
アルコールを除去しながら反応を行うことが好ましい。
低級アルコールを除去する方法としては、必ずしも限ら
れるものではないが、共沸によって低級アルコールを反
応系外に留出させる方法などが挙げられる。共沸によっ
て低級アルコールを反応系外に留出させる場合には、低
級アルコールを式(3)で示されるアクリレート系化合
物との共沸混合物として留出させる方法(例えば、式
(3)で示されるアクリレート系化合物としてメチルメ
タクリレートを使用する場合、副生するメタノールをメ
チルメタクリレートとの共沸混合物として留出させるこ
とができる)が簡便であるが、四塩化炭素などの低級ア
ルコールと共沸し得る溶媒を使用して低級アルコールを
該溶媒と共に反応系外に留出させることもできる。
【0033】上記のエステル交換反応終了後、目的化合
物である置換アミノ基含有アクリレート系化合物は、使
用したエステル交換触媒に応じ、適宜、水酸化ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基性物質または硫酸、
塩酸などの酸性物質による中和処理、ろ過やデカンテー
ションによる物理的処理などにより触媒成分を除去した
後、蒸留、有機溶媒による抽出などの常法に従って分離
取得することができる。この際、抽出に使用される有機
溶媒としては、酢酸エチル等のエステル類;塩化メチレ
ン等のハロゲン化炭化水素;ヘキサン、トルエン等の炭
化水素類などが例示される。
【0034】かくして反応混合物から分離取得された式
(1)で示される置換アミノ基含有アクリレート系化合
物は、所望により、減圧蒸留などの公知の方法に準じて
さらに純度を高めることができる。
【0035】式(1)で示される置換アミノ基含有アク
リレート系化合物から誘導される本発明の4級アンモニ
ウム塩は、上記方法で得られた置換アミノ基含有アクリ
レート系化合物に4級化剤を反応させることによって製
造することができる。
【0036】上記の4級化剤としては、3級アミンを4
級アンモニウム塩に変換するために使用し得る4級化剤
として公知の化合物を使用することができる。代表的な
4級化剤としては、例えば、ジメチル硫酸のジアルキル
サルフェート;p−トルエンスルホン酸メチル、プロパ
ン−1,3−スルトン等のスルホン酸エステル;塩化メ
タン、塩化ベンジル、クロロ酢酸等の有機ハロゲン化
物;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,
2−ブチレンオキサイド、1,2−ペンチレンオキサイ
ド、1,2−オクチレンオキサイド、スチレンオキサイ
ド、グリシドール、メチルグリシジルエーテル、エチル
グリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、オク
チルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)ア
クリレート、酢酸グリシジル、ラウリン酸グリシジル、
エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨウド
ヒドリン等のエポキシ化合物と塩酸、硫酸、酢酸、プロ
ピオン酸等の酸との組み合わせなどが挙げられる。
【0037】上記の4級アンモニウム塩の製造方法で
は、使用する4級化剤の種類に応じ、通常採用される4
級化反応条件および後処理条件に準じた条件を適宜採用
することができる。例えば、4級化剤の使用量は、使用
する置換アミノ基含有アクリレート系化合物に対して等
モル程度である。
【0038】本発明の置換アミノ基含有アクリレート系
化合物およびその4級アンモニウム塩は、通常の(メ
タ)アクリレートモノマーと同様にモノマーとして重合
反応に供することができ、単独重合体または他のモノマ
ーとの共重合体を与える。なお、本発明の置換アミノ基
含有アクリレート系化合物を重合反応に付した後、得ら
れた重合体に4級化反応を施すことにより、4級アンモ
ニウム塩構造含有重合体に変換することも可能である。
【0039】本発明の置換アミノ基含有アクリレート系
化合物またはその4級アンモニウム塩は、α,β−不飽
和カルボン酸エステルの構造に由来して重合性を有し、
3級アミンまたは4級アンモニウム塩の構造に由来し
て、誘導される重合体に親水性、帯電防止性、粘・接着
性、酸成分に対する吸着性等の性質を付与することがで
き、またα,β−不飽和カルボン酸エステル構造と3級
アミンまたは4級アンモニウム塩の構造との間に適度な
長さの分岐炭素鎖が存在していることに由来して、誘導
される重合体に低温特性、界面活性能(適度な親油性)
等の性質を付与することができる。したがって、本発明
の置換アミノ基含有アクリレート系化合物またはその4
級アンモニウム塩は、それをモノマーとして使用するこ
とによって多様な性質の重合体を製造することが可能と
なるため、アクリル系樹脂、熱可塑性エラストマー、樹
脂改質剤、粘着剤、紫外線、電子線または放射線硬化型
のインキ、塗料、コーティング剤、接着剤、繊維処理
剤、紙加工剤、乳化剤、イオン交換樹脂等の原料などと
して極めて有用である。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はかかる実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0041】実施例1 蒸留塔を備えた内容積2リットルの三口フラスコに、5
−(ジメチルアミノ)−3−メチル−1−ペンタノール
436g(3.0モル)、メタクリル酸メチル750g
(7.5モル)およびフェノチアジン9gを室温、常圧
下に仕込み、次いで式(4)
【0042】
【化9】
【0043】で示される鉄錯体(特公昭61−4597
1号公報の実施例2に記載された方法に従って製造した
触媒;結晶)3gを加えた。減圧度を調整することによ
って生成するメタノールをメタクリル酸メチルとの共沸
混合物の形で系外に留出させながら、95℃で8.5時
間攪拌下に反応させた。得られた反応混合液を室温まで
冷却した後、1リットルのヘキサンに注ぎ込み、触媒成
分をろ別した。ろ液を水300mlで3回、飽和食塩水
300mlで1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムによ
って乾燥し、次いで減圧下にヘキサンおよびメタクリル
酸メチルを留去した。得られた残渣を減圧蒸留すること
により、5−(ジメチルアミノ)−3−メチルペンチル
メタクリレート(無色液体、沸点83℃/3mmHg)
を524g(2.5モル、収率:82%)得た。得られ
た5−(ジメチルアミノ)−3−メチルペンチルメタク
リレートの物性値を以下に示す。
【0044】低分解能マススペクトル(EIMS) m/z: 213(M
【0045】実施例2 実施例1で得られた5−(ジメチルアミノ)−3−メチ
ルペンチルメタクリレート21.3g(0.10モル)
をトルエン150mlに溶かし、水浴冷却下に、内温が
40℃を超えないようにp−トルエンスルホン酸メチル
18.6g(0.10モル)を滴下した。滴下終了後、
生成した白色の沈殿物を集め、トルエンで洗浄した後、
減圧乾燥することによって、5−(ジメチルアミノ)−
3−メチルペンチルメタクリレート p−トルエンスル
ホン酸メチル4級化物38g(白色結晶、収率:95
%)を得た。
【0046】
【発明の効果】本発明の置換アミノ基含有アクリレート
系化合物またはその4級アンモニウム塩は、α,β−不
飽和カルボン酸エステルの構造および3級アミンまたは
4級アンモニウム塩の構造を有し、かつ両構造間に分岐
を有する特定の飽和脂肪族炭素骨格が介在しているとい
う独特の化学構造を有する。したがって、本発明の置換
アミノ基含有アクリレート系化合物またはその4級アン
モニウム塩をモノマーとして使用することによって、多
様な性質の重合体を製造することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB46 AB99 AC48 AC59 BS10 BT12 BU32 BU50 KA03 4J100 AL08P BA02P BA16P BA31P BA32P BA56P BB01P BB03P BB05P BC43P BC54P BC65P BC79P CA01 JA01 JA03 JA07 JA11 JA13 JA16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基を表し、
    およびRはそれぞれ炭素鎖中に酸素原子を含有し
    ていてもよい1価の飽和炭化水素基もしくは炭素鎖中に
    酸素原子を含有していてもよい1価の芳香族炭化水素基
    を表すか、またはRおよびRは一つになって炭素鎖
    中に酸素原子を含有していてもよい2価の飽和炭化水素
    基を表す)で示される置換アミノ基含有アクリレート系
    化合物またはその4級アンモニウム塩。
  2. 【請求項2】 式(2) 【化2】 (式中、RおよびRはそれぞれ炭素鎖中に酸素原子
    を含有していてもよい1価の飽和炭化水素基もしくは炭
    素鎖中に酸素原子を含有していてもよい1価の芳香族炭
    化水素基を表すか、またはRおよびRは一つになっ
    て炭素鎖中に酸素原子を含有していてもよい2価の飽和
    炭化水素基を表す。)で示される置換アミノ基含有アル
    コールと式(3) 【化3】 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基を表し、
    は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す)で示さ
    れるアクリレート系化合物をエステル交換し、次いで必
    要に応じて4級化剤と反応させることを特徴する、式
    (1) 【化4】 (式中、R、RおよびRは上記定義のとおりであ
    る)で示される置換アミノ基含有アクリレート系化合物
    またはその4級アンモニウム塩の製造方法。
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