JP2000327374A - 情報記録媒体用基板の製造方法及び情報記録媒体用基板 - Google Patents

情報記録媒体用基板の製造方法及び情報記録媒体用基板

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JP2000327374A
JP2000327374A JP13713499A JP13713499A JP2000327374A JP 2000327374 A JP2000327374 A JP 2000327374A JP 13713499 A JP13713499 A JP 13713499A JP 13713499 A JP13713499 A JP 13713499A JP 2000327374 A JP2000327374 A JP 2000327374A
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polishing
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Kunihiko Yoshino
邦彦 吉野
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に研磨剤の残存等に起因する突起がない
平滑な面(或いは該突起を低減した平滑な面)を有し、
ヘッドの低浮上量化を可能とする情報記録媒体用基板と
その製造方法を提供すること。 【解決手段】 ガラス基板に仕上げ研磨加工を施して、
情報記録媒体用の基板を製造する方法において、被加工
物を化学的にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒とを混
合させた研磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッシャに
より前記ガラス基板(被加工物)の仕上げ研磨を行うこ
とを特徴とする情報記録媒体用基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録媒体(例
えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクな
ど)用基板の製造方法及び情報記録媒体用基板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】情報記録媒体用基板の一例である磁気デ
ィスク用基板として現在実用化されている基板の材料に
は、アルミニウム及びガラスの2種類がある。また、ガ
ラス基板の材料には、非晶質ガラスと結晶化ガラスがあ
る。そして、アルミニウム基板を使用するハードディス
ク(情報記録媒体の一例)の製造工程は、例えば、下記
の5工程(アルミ圧延板工程、ブランク工程、サブスト
レート工程、Ni-P めっき工程、メディア工程)により
構成される。
【0003】まず、アルミ圧延板工程では、アルミニウ
ム原料を溶解、鋳造し、これを熱間圧延して5mm程度
の板厚にした後に冷間圧延を施すことにより、所定厚さ
に仕上げる。なお、アルミ圧延板は、コイル状にしてブ
ランク工程に移す。ブランク工程では、アルミ圧延板を
所定の内外径に合わせて打ち抜くことにより作製したア
ルミニウムディスクを鉄製またはアルミ製のスペーサー
に挟んで、圧力を加えたまま焼鈍し、板の反り、うね
り、歪みを除去する。そして、内外径の寸法を合わせる
と共に内外周の形状を整えることによりブランクを作製
する。
【0004】サブストレート工程では、スポンジ砥石を
用いたブランク両面に対する粗研削・仕上げ研削を行っ
てから、焼鈍し工程を施すことにより、研削により生じ
た歪みを除去する。そして、ブランク表面に付着した砥
粒や汚れを除去するための洗浄を行ってサブストレート
を得る。Ni-P めっき工程では前処理として、脱脂(非
侵食性の脱脂剤によるサブストレート表面の油脂の除
去)、エッチング(不均一な自然保護膜の除去)、亜鉛
置換処理(置換反応を利用したサブストレート表面への
亜鉛膜の形成)をそれぞれ行う。
【0005】次に、めっき液中にサブストレートを浸漬
させ、還元反応によりサブストレート表面にNi-P めっ
き層を析出させる。ここで、めっき層の厚さが12μm
程度となるまで析出させる。そして、Ni-P めっき層が
形成されたディスクをポリウレタンの研磨布で挟み、ア
ルミナ系の研磨剤を注入しながら、めっき層の表面を1
〜2μm程度の研磨厚さにて仕上げ研磨する。
【0006】なお、磁気ディスク用基板の研磨は、例え
ば図1に示す概略構成を有する両面研磨加工機を使用し
て行われる。前記仕上げ研磨を行った後に、めっき層の
表面に残っている研磨剤を除去するための洗浄を行うこ
とにより、アルミニウム製の磁気ディスク用基板が得ら
れる。
【0007】最後に、メディア工程において磁気ディス
ク用基板上に磁気記録膜等が形成されることにより、ハ
ードディスクが完成する。一方、ガラス基板を使用する
ハードディスク(情報記録媒体の一例)は例えば下記の
工程により製造される。まず、ブランクと呼ばれる板素
材を所望の外径に丸め、次に内径用の孔をあけてから、
炭化珪素の微粉を用いてブランク表面をラッピング(荒
摺り、第1次ラッピング)する。
【0008】そして、内外径を所定の寸法、形状に加工
した後に、再びブランク表面をラッピング(第2次ラッ
ピング)する。また、ブランクに付着した研磨剤や汚れ
は、超音波洗浄により取り除く。次に、前記第2次のラ
ッピングを終えたブランク表面を研磨剤(酸化セリウ
ム)により両面研磨して、所定の平面度(3〜5μm)
に仕上げた後に、表面に残っている研磨剤等を除去する
ために洗浄を行う。
【0009】なお、研磨は、例えば図1に示す概略構成
を有する両面研磨加工機を使用して行われる。基材がナ
トリウム等を含有する非晶質ガラスの場合には、低温型
イオン交換処理による化学強化を施した後に洗浄を行
う。次に、表面欠陥を検査することによりガラス製の磁
気ディスク用基板(サブストレート)を得ることができ
る。
【0010】最後に、この磁気ディスク用基板上に磁気
記録膜等を形成すること(メディア工程)により、ガラ
ス基板を使用するハードディスクが完成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法により
作製された磁気ディスク用基板の表面には、研磨工程で
使用された研磨剤が完全に除去されずに突起として残存
している。また、ガラス製の磁気ディスク用基板では、
研磨工程で使用された研磨剤の残存に起因する前記突起
の存在に加えて、低温型イオン交換処理工程で発生する
基板主表面の突起も存在する。
【0012】そして、前記突起物が磁気記録膜形成時に
基板主表面に残存していると、良質な磁気記録膜を得る
ことができないので問題がある。また、10Gbit / in2
の面記録密度に対応したヘッドの浮上量は20nm程度であ
ることを考えても、基板面に前記突起が残存すること
は、基板の平滑性を著しく損なうこととなり、ヘッドと
基板との接触の可能性を大にするので問題がある。
【0013】本発明は、かかる問題に鑑みてなされたも
のであり、表面に研磨剤の残存等に起因する突起がない
平滑な面(或いは該突起を低減した平滑な面)を有し、
ヘッドの低浮上量化を可能とする情報記録媒体用基板と
その製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「ガラス基板に仕上げ研磨加工を施して、情報記録媒
体用の基板を製造する方法において、被加工物を化学的
にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒とを混合させた研
磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッシャにより前記ガ
ラス基板(被加工物)の仕上げ研磨を行うことを特徴と
する情報記録媒体用基板の製造方法(請求項1)」を提
供する。
【0015】また、本発明は第二に「少なくとも、ガラ
ス基板を用意する工程と、前記ガラス基板に低温型イオ
ン交換処理を施す工程と、被加工物を化学的にエッチングま
たは研磨する研磨液と砥粒とを混合させた研磨剤を供給
しつつ、軟質の弾性ポリッシャにより前記イオン交換処
理が施されたガラス基板(被加工物)の仕上げ研磨を行
う工程と、を有する情報記録媒体用基板の製造方法(請
求項2)」を提供する。
【0016】また、本発明は第三に「少なくとも、ガラ
ス基板を用意する工程と、被加工物を化学的にエッチングま
たは研磨する研磨液と砥粒とを混合させた研磨剤を供給
しつつ、軟質の弾性ポリッシャにより前記ガラス基板
(被加工物)の仕上げ研磨を行う工程と、前記仕上げ研
磨を行ったガラス基板に低温型イオン交換処理を施す工
程と、を有する情報記録媒体用基板の製造方法(請求項
3)」を提供する。
【0017】また、本発明は第四に「少なくとも、ガラ
ス基板を用意する工程と、被加工物を化学的にエッチングま
たは研磨する研磨液と砥粒とを混合させた研磨剤を供給
しつつ、軟質の弾性ポリッシャにより前記ガラス基板
(被加工物)の第1次仕上げ研磨を行う工程と、前記第
1次仕上げ研磨を行ったガラス基板に低温型イオン交換
処理を施す工程と、被加工物を化学的にエッチングまたは研
磨する研磨液と砥粒とを混合させた研磨剤を供給しつ
つ、軟質の弾性ポリッシャにより前記イオン交換処理が
施されたガラス基板の第2次仕上げ研磨を行う工程と、
を有する情報記録媒体用基板の製造方法(請求項4)」
を提供する。
【0018】また、本発明は第五に「前記弾性ポリシャ
は、人工皮革スウェードまたはポリウレタンパッドによ
り構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいず
れかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法(請求項
5)」を提供する。また、本発明は第六に「請求項1〜
5のいずれかに記載の方法により製造された情報記録媒
体用基板であり、原子間力顕微鏡により10μm□の測
定領域で測定した主表面の表面粗さがR max100Å以下、
かつRa 5Å以下である情報記録媒体用基板(請求項
6)」を提供する。
【0019】
【発明実施の形態】前述したように、従来の製造方法に
より作製された情報記録媒体用基板(例えば、磁気ディ
スク用基板)の表面には、研磨工程で使用された研磨剤
が完全に除去されずに突起として残存している。そし
て、研磨工程において基板表面に付着した前記研磨剤の
殆どは、基板洗浄することにより除去することができ
る。
【0020】しかしながら、基板洗浄でも除去しきれな
い研磨剤が基板表面に残存しており、しかもこの残存す
る研磨剤の大きさは微小であるため、目視による基板観
察では発見することは困難である。また、ガラス製の情
報記録媒体用基板では、研磨工程で使用された研磨剤の
残存に起因する前記突起の存在に加えて、前述したよう
に低温型イオン交換処理工程で発生する基板面の突起も
存在する。
【0021】一般に、低温型イオン交換処理工程の後で
も基板を洗浄するが、低温型イオン交換処理により発生
する基板面の突起を洗浄によりすべて除去することは極
めて困難である。そこで、本発明者らが鋭意研究した結
果、本発明者らは、被加工物を化学的にエッチングまたは研
磨する研磨液と砥粒とを混合させた研磨剤を供給しつ
つ、軟質の弾性ポリッシャ(例えば、人工皮革スウェー
ド)により被加工物(例えば、洗浄したガラス基板や低
温型イオン交換処理を施した基板)の仕上げ研磨を行え
ば、前記洗浄でも除去しきれずに被加工物の表面に残存
している研磨剤を除去し、かつ高精度な平面を得ること
ができることを見いだした。
【0022】そして、かかる研磨剤除去効果の原因は定
かではないが、被加工物を化学的にエッチングまたは研磨す
る研磨液と砥粒とを混合させた研磨剤を供給しつつ、軟
質の弾性ポリッシャにより被加工物の仕上げ研磨を行え
ば、研磨による機械的作用にもとづくエネルギーが研磨
液及び/または砥粒による化学反応を誘起・促進させ
て、被加工物の表面から突起した微小異物を除去するも
のと予想される。
【0023】そして、本発明にかかる仕上げ研磨によれ
ば、被加工物に直接作用する物理的な力を極力抑制しつ
つ、被加工物表面の微小異物の除去を押し進めるので、
被加工物に大きなダメージを与えることなく、被加工物
表面を更に平滑にして、表面粗さを示すR max値を良好
にすることができる。そこで、本発明(請求項1〜5)
にかかる情報記録媒体用基板の製造方法においては、被
加工物を化学的にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒と
を混合させた研磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッシ
ャにより前記ガラス基板(被加工物)の仕上げ研磨を行
うこととした。
【0024】本発明(請求項1〜5)によれば、表面に
研磨剤の残存等に起因する大きな突起がない平滑な面
(或いは該突起を低減した平滑な面)を有し、ヘッドの
低浮上量化を可能とする情報記録媒体用基板が得られ
る。本発明にかかる基板の仕上げ研磨は、低温型イオン
交換処理を施した後の情報記録媒体用基板だけでなく、
前記イオン交換処理を施す前の情報記録媒体用基板に対
しても有効である。
【0025】さらに、本発明にかかる基板の仕上げ研磨
は、イオン交換処理を行わない情報記録媒体用基板に対
しても有効である。本発明にかかる仕上げ研磨は、少な
くとも基板表面の突起を除去することを目的としてお
り、仕上げ研磨により除去する厚みは、基板の片面につ
き100Å程度かそれ以下でも本発明の目的を達成するこ
とができる。
【0026】本発明にかかる研磨液としては例えば、被
加工物(ガラス基板)を化学的にエッチングするもので
あり、ふっ化水素酸の水溶液、けいふっ化水素酸の水溶
液、けいふっ化アンモニウムの水溶液、酸(硫酸、塩
酸、硝酸等)や酸同士の混液、アルカリ(水酸化ナトリ
ウム・水酸化カリウム等)やアルカリ同士の混液などが
挙げられる。
【0027】また、本発明にかかる砥粒としては例え
ば、酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化クロム、酸化シ
リコン、酸化チタンなどが挙げられる。本発明(請求項
1〜5)にかかる製造方法により得られた情報記録媒体
用基板の面精度の測定は、原子間力顕微鏡を用いて行う
ことができる。即ち、曲率半径が数十nmよりも小さな探
針を備えた原子間力顕微鏡を使用して、基板表面におけ
る10μm□の方形領域を走査すれば、微少な表面の凹
凸や突起等を測定できる。
【0028】なお、触針式の表面粗さ測定における針の
曲率半径は、数百nm以上もあり、微少な表面の凹凸、突
起等の測定には不向きであり、得られる測定値はかなり
の誤差を含むので好ましくない。よって、情報記録媒体
用基板の面精度の測定には、原子間力顕微鏡を使用する
ことが望ましい。
【0029】本発明(請求項1〜5)にかかる製造方法
によれば、原子間力顕微鏡により表面10μm□の測定
領域で測定した主表面の表面粗さがR max100Å以下、か
つRa5Å以下である情報記録媒体用基板(請求項6)が
得られる。以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0030】
【実施例1】本実施例の情報記録媒体用基板は、原子間
力顕微鏡により10μm□の測定領域で測定した主表面
の表面粗さがR max41.6Å、Ra2.3Åであり、表面に研磨
剤の残存等に起因する大きな突起がない平滑な面を有す
る。また、本実施例の情報記録媒体用基板を製造する方
法は、ガラス基板を用意する工程と、前記ガラス基板に
低温型イオン交換処理を施す工程と、被加工物を化学的
にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒とを混合させた研
磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッシャにより前記イ
オン交換処理が施されたガラス基板(被加工物)の仕上
げ研磨を行う工程と、を有している。
【0031】以下に、本実施例の情報記録媒体用基板を
製造する工程を具体的に示す。まず、表面が酸化セリウ
ム研磨剤により精密に研磨されたアルミノシリケートガ
ラス製の磁気ディスク用基板を用意して洗浄した。続い
て、前記磁気ディスク用基板を硝酸カリウムの溶融塩中
に浸漬して低温型イオン交換処理を施し、ガラス中のナ
トリウムイオンをカリウムイオンとイオン交換すること
により、基板表面に圧縮応力層を形成した。
【0032】次に、前記イオン交換処理を施した基板を
洗浄してから、基板の主表面を原子間力顕微鏡を用いて
表面10μm□の測定領域で観察したところ、表面粗さ
がR max128Å、かつRa 3.8Åであり、主表面に突起であ
る異物が残存していた。図3にその計測結果を示す。次
に、前記主表面に残存している突起(異物)を除去する
ための仕上げ研磨加工を施して、本実施例の情報記録媒
体用基板を作製した。
【0033】前記仕上げ研磨加工においては、両面研磨
機の鋳鉄製の上定盤及び下定盤に人工皮革スウェード製
の研磨パッドを貼り付けて上下の研磨工具とした。そし
て、この研磨工具の研磨パッド間に、洗浄を施したディ
スク用基板を密着させるとともに、研磨パッドと基板の
被研磨面に砥粒(アルミナ粉体)と加工液(水酸化カリ
ウム水溶液)を混合させた加工剤を供給して、回転、摺
動することにより、基板の両面を同時に研磨した。
【0034】このとき、前記研磨パッドには、幅5mm
の溝を10mm間隔で入れたものを使用した。図2に研
磨パッドの上面図を示す。使用した砥粒(アルミナ)の
粒径は0.1μmであり、加工液(水酸化カリウム水溶液)
の濃度は、1mol / l であった。また、研磨条件は、研
磨加工圧力30〜100g / cm2、下定盤回転数5〜40rpm、上
定盤回転数5〜40rpm、加工時間2〜8分とした。
【0035】前記仕上げ研磨加工を施したガラス製の磁
気ディスク用基板の主表面を原子間力顕微鏡を用いて、
表面10μm□の測定領域で観察したところ、表面粗さ
がR max41.6Å、かつRa 2.3Åであった。図4にその計
測結果を示す。また、主表面に残存していた突起(異
物)は除去されていた。
【0036】
【実施例2】本実施例の情報記録媒体用基板は、原子間
力顕微鏡により10μm□の測定領域で測定した主表面
の表面粗さがR max43.1Å、Ra2.2Åであり、表面に研磨
剤の残存等に起因する大きな突起がない平滑な面を有す
る。また、本実施例の情報記録媒体用基板を製造する方
法は、ガラス基板を用意する工程と、被加工物を化学的
にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒とを混合させた研
磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッシャにより前記ガ
ラス基板(被加工物)の仕上げ研磨を行う工程と、を有
している。
【0037】以下に、本実施例の情報記録媒体用基板を
製造する工程を具体的に示す。まず、表面が酸化セリウ
ム研磨剤により精密に研磨された結晶化ガラス製の磁気
ディスク用基板を用意して洗浄した。洗浄した基板の主
表面を原子間力顕微鏡を用いて、表面10μm□の測定
領域で観察したところ、表面粗さがR max130Å、かつRa
4.4Åであり、主表面に突起(異物)が残存していた。
【0038】そこで、前記主表面に残存している突起
(異物)を除去するための仕上げ研磨加工を施して、本
実施例の情報記録媒体用基板を作製した。前記仕上げ研
磨加工においては、両面研磨機の鋳鉄製の上定盤及び下
定盤に人工皮革スウェード製の研磨パッドを貼り付けて
上下の研磨工具とした。そして、この研磨工具の研磨パ
ッド間に、洗浄を施したディスク用基板を密着させると
ともに、研磨パッドと基板の被研磨面に砥粒(アルミナ
粉体)と加工液(水酸化カリウム水溶液)を混合させた
加工剤を供給して、回転、摺動することにより、基板の
両面を同時に研磨した。
【0039】このとき、前記研磨パッドには、幅5mm
の溝を10mm間隔で入れたものを使用した。図2に研
磨パッドの上面図を示す。使用した砥粒(アルミナ)の
粒径は0.1μmであり、加工液(水酸化カリウム水溶液)
の濃度は、1mol / l であった。また、研磨条件は、研
磨加工圧力30〜100g / cm2、下定盤回転数5〜40rpm、上
定盤回転数5〜40rpm、加工時間2〜8分とした。
【0040】前記仕上げ研磨加工を施した結晶化ガラス
製の磁気ディスク用基板の主表面を原子間力顕微鏡を用
いて、表面10μm□の測定領域で観察したところ、表
面粗さがR max43.1Å、かつRa 2.2Åであった。また、
主表面に残存していた突起(異物)は除去されていた。
【0041】
【実施例3】本実施例の情報記録媒体用基板は、原子間
力顕微鏡により10μm□の測定領域で測定した主表面
の表面粗さがR max52.3Å、Ra2.9Åであり、表面に研磨
剤の残存等に起因する大きな突起がない平滑な面を有す
る。また、本実施例の情報記録媒体用基板を製造する方
法は、ガラス基板を用意する工程と、被加工物を化学的
にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒とを混合させた研
磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッシャにより前記ガ
ラス基板(被加工物)の仕上げ研磨を行う工程と、前記
仕上げ研磨を行ったガラス基板に低温型イオン交換処理
を施す工程と、を有している。
【0042】以下に、本実施例の情報記録媒体用基板を
製造する工程を具体的に示す。まず、表面を酸化セリウ
ム研磨剤により精密に研磨されたアルミノシリケートガ
ラス製の磁気ディスク用基板を用意して洗浄した。洗浄
した基板の主表面を原子間力顕微鏡を用いて、表面10
μm□の測定領域で観察したところ、表面粗さがR max10
1Å、かつRa 2.9Åであり、主表面に突起(異物)が残
存していた。図5にその計測結果を示す。
【0043】そこで、前記主表面に残存している突起
(異物)を除去するための仕上げ研磨加工を施した。前
記仕上げ研磨加工においては、両面研磨機の鋳鉄製の上
定盤及び下定盤に人工皮革スウェード製の研磨パッドを
貼り付けて上下の研磨工具とした。そして、この研磨工
具の研磨パッド間に、洗浄を施したディスク用基板を密
着させるとともに、研磨パッドと基板の被研磨面に砥粒
(アルミナ粉体)と加工液(水酸化カリウム水溶液)を
混合させた加工剤を供給して、回転、摺動することによ
り、基板の両面を同時に研磨した。
【0044】このとき、前記研磨パッドには、幅5mm
の溝を10mm間隔で入れたものを使用した。図2に研
磨パッドの上面図を示す。使用した砥粒(アルミナ)の
粒径は0.1μmであり、加工液(水酸化カリウム水溶液)
の濃度は、1mol / l であった。また、研磨条件は、研
磨加工圧力30〜100g / cm2、下定盤回転数5〜40rpm、上
定盤回転数5〜40rpm、加工時間2〜8分とした。
【0045】前記仕上げ研磨加工を施した基板の主表面
を原子間力顕微鏡を用いて、表面10μm□の測定領域
で観察したところ、表面粗さがR max30Å、かつRa 2.3
Åであった。図6にその計測結果を示す。また、主表面
に残存していた突起(異物)は除去されていた。なお、
仕上げ研磨加工前の基板表面と、仕上げ研磨加工後の基
板表面を全反射蛍光X線により分析したところ、仕上げ
研磨加工前の基板表面において検出されたセリウムは、
仕上げ研磨加工後の基板表面では検出されず、原子間力
顕微鏡により観察された突起物である研磨剤の酸化セリ
ウムは、本仕上げ研磨加工によって除去されていること
が明らかになった。
【0046】次に、前記仕上げ研磨加工を施した基板を
再度洗浄した後に、硝酸カリウムの溶融塩中に浸漬して
低温型イオン交換処理を施し、ガラス中のナトリウムイ
オンをカリウムイオンとイオン交換することにより、基
板表面に圧縮応力層を形成して、本実施例の情報記録媒
体用基板を作製した。続いて、前記イオン交換処理を施
した基板を洗浄してから、基板の主表面を原子間力顕微
鏡を用いて、表面10μm□の測定領域で観察したとこ
ろ、表面粗さがR max52.3Å、かつRa 2.9Åであった。
図7にその計測結果を示す。
【0047】このことから、低温型イオン交換処理を施
すことにより、処理前の表面粗さの値よりも、処理後の
表面粗さの値が大となっていることがわかる。即ち、低
温型イオン交換処理工程においても、基板主表面の突起
が発生することを示唆している。しかしながら、本実施
例にかかる仕上げ研磨加工をディスク用基板に対して施
さないで、低温イオン交換処理を行った場合には、基板
の表面粗さは、表面10μm□の測定領域における原子
間力顕微鏡を用いた観察の結果、R max128Å、かつRa
3.8Åであり、明らかに本実施例による仕上げ研磨加工
がディスク用基板の平滑化に効果があることがわかる。
【0048】なお、更なるディスク用基板の平滑化を求
めるならば、前記低温型イオン交換処理工程の後に、さ
らに仕上げ研磨加工を施しても良い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、 本発明(請求項
1〜5)によれば、表面に研磨剤の残存等に起因する大
きな突起がない平滑な面(或いは該突起を低減した平滑
な面)を有し、ヘッドの低浮上量化を可能とする情報記
録媒体用基板が得られる。本発明にかかる基板の仕上げ
研磨は、低温型イオン交換処理を施した後の情報記録媒
体用基板だけでなく、前記イオン交換処理を施す前の情
報記録媒体用基板に対しても有効である。
【0050】さらに、本発明にかかる基板の仕上げ研磨
は、イオン交換処理を行わない情報記録媒体用基板に対
しても有効である。また、本発明(請求項1〜5)にか
かる製造方法によれば、原子間力顕微鏡により表面10
μm□の測定領域で測定した主表面の表面粗さがR max10
0Å以下、かつRa 5Å以下である情報記録媒体用基板
(請求項6)が得られる。
【0051】例えば、本発明(請求項1〜5)にかかる
製造方法によれば、原子間力顕微鏡による表面10μm
□の測定領域での測定において、主表面の表面粗さがR
max100Å以下、かつRa 5Å以下である磁気ディスク用基
板を容易に得ることができる。また、本発明にかかる平
滑な表面を有する基板を情報記録媒体用基板とし、該基
板上に記録媒体を形成すれば、ヘッドの浮上量を低く抑
えることができるので、情報記録の高密度化に対応する
ことができる。
【0052】即ち、本発明によれば、ヘッド(例えば、
磁気ヘッド)の低浮上量化が可能となり、情報記録媒体
(例えば、磁気ディスク)の高密度化(特に線記録密度
の増大化)を実現できる。また、情報記録媒体(例え
ば、磁気ディスク)の高密度化が実現でき、ディスク装
置(ハードディスクドライブ装置、例えば磁気ディスク
ドライブ装置)に搭載されるディスクの枚数削減や、デ
ィスク径のサイズダウンが可能となり、装置を小型化す
ることもできる。
【0053】特に、ハードディスクドライブ装置の高性
能化、小型化、省スペース化が進めば、ハードディスク
ドライブ装置が搭載されるパソコン等の性能を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、両面研磨加工機の概略構成図である。
【図2】は、本発明にかかる研磨パッドの上面図であ
る。
【図3】は、AFM測定結果を示すデータ図である。
【図4】は、AFM測定結果を示すデータ図である。
【図5】は、AFM測定結果を示すデータ図である。
【図6】は、AFM測定結果を示すデータ図である。
【図7】は、AFM測定結果を示すデータ図である。 1・・磁気ディスク用基板 2・・研磨液 3・・上定盤 4・・下定盤 以上

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板に仕上げ研磨加工を施して、
    情報記録媒体用の基板を製造する方法において、 被加工物を化学的にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒
    とを混合させた研磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッ
    シャにより前記ガラス基板(被加工物)の仕上げ研磨を
    行うことを特徴とする情報記録媒体用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも、 ガラス基板を用意する工程と、 前記ガラス基板に低温型イオン交換処理を施す工程と、 被加工物を化学的にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒
    とを混合させた研磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッ
    シャにより前記イオン交換処理が施されたガラス基板
    (被加工物)の仕上げ研磨を行う工程と、を有する情報
    記録媒体用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも、 ガラス基板を用意する工程と、 被加工物を化学的にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒
    とを混合させた研磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッ
    シャにより前記ガラス基板(被加工物)の仕上げ研磨を
    行う工程と、 前記仕上げ研磨を行ったガラス基板に低温型イオン交換
    処理を施す工程と、を有する情報記録媒体用基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも、 ガラス基板を用意する工程と、 被加工物を化学的にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒
    とを混合させた研磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッ
    シャにより前記ガラス基板(被加工物)の第1次仕上げ
    研磨を行う工程と、 前記第1次仕上げ研磨を行ったガラス基板に低温型イオ
    ン交換処理を施す工程と、 被加工物を化学的にエッチングまたは研磨する研磨液と砥粒
    とを混合させた研磨剤を供給しつつ、軟質の弾性ポリッ
    シャにより前記イオン交換処理が施されたガラス基板の
    第2次仕上げ研磨を行う工程と、を有する情報記録媒体
    用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記弾性ポリシャは、人工皮革スウェー
    ドまたはポリウレタンパッドにより構成されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報記録
    媒体用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の方法に
    より製造された情報記録媒体用基板であり、原子間力顕
    微鏡により10μm□の測定領域で測定した主表面の表
    面粗さがR max100Å以下、かつRa 5Å以下である情報記
    録媒体用基板。
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