JP2000325684A - ミシン針 - Google Patents

ミシン針

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JP2000325684A
JP2000325684A JP2000136279A JP2000136279A JP2000325684A JP 2000325684 A JP2000325684 A JP 2000325684A JP 2000136279 A JP2000136279 A JP 2000136279A JP 2000136279 A JP2000136279 A JP 2000136279A JP 2000325684 A JP2000325684 A JP 2000325684A
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eye
sewing
needle
central axis
sewing needle
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JP2000136279A
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English (en)
Inventor
Harry Vornholt
フォルンホルト ハリー
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Groz Beckert KG
Original Assignee
Groz Beckert KG
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B85/00Needles

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 針の細長いスリムさに基づいて穿刺穴を比較
的緩慢に開放し、従って穿刺回数が著しく高い場合で
も、縫製物をいたわりつつ縫製すると共に、ほぼ完全に
防護された糸走行を可能にするようなミシン針を提供す
る。 【解決手段】 チャック部に接続し、中心軸線4に沿っ
て延在しかつステム尖端3で終わる実質的に真直ぐに形
成されたステム2と、前記中心軸線4の方向で相互に隔
てられた2つの目穴ウェブ12,14によって画成され
た目穴11とから成り、前記の両目穴ウェブが、前記中
心軸線4に対して直角な横方向に互いにずらされてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に高速度ミシン
用のミシン針に関する。
【0002】
【従来の技術】当今の産業用ミシンでは、毎分当り50
00穿刺以上の穿刺回数が標準になっている。特定の適
用例では穿刺回数は、毎分当り8000穿刺以上に及ぶ
ことすらある。
【0003】縫製物内へミシン針が刺し込まれる際に該
ミシン針は穿刺穴を開放して糸(縫製用加撚糸)を前記
穿刺穴内へ引き込む。穿刺回数が著しく高い場合、穿刺
穴を開放するためには、いずれにしても約0.5ms以
下という著しく微小な時間間隔が与えられるにすぎな
い。穿刺穴開放時間はその場合、針先端が縫製物に最初
に接触する時点から、目穴が通過する時点に至るまでの
継続時間である。穿刺穴のほぼ炸裂状の開放によって、
ミシン針と縫製物との間には、過度に高い摩擦力が生じ
る。それ故に比較的大きな刺し込み力が必要になり、そ
の結果、ミシン針刺し込みのために要するエネルギ需用
量も高くなる。
【0004】ミシン針と縫製物との間の高い摩擦力によ
って穿刺穴の開放時に、該縫製物を熱的に損傷させる熱
が発生する。例えば合成繊維は刺し込み域において融着
又は溶断されることがある。更には繊維又は繊維複合体
が、穿刺穴の炸裂的な開放によって機械的な損傷を受け
ることもある。その結果として、縫製用加撚糸の糸切れ
が頻発する。
【0005】また縫製物に応じてラミネート及びコーテ
ィング層の融着並びに染料成分又は装備部品の融着によ
って縫製生産が妨げられることもある。この問題によっ
て縫製品質は著しく低下され、かつ既製の製織品の場合
の支持特性が著しく害なわれることになる。
【0006】その結果、穿刺穴を縮小させる努力が払わ
れている。しかしながら、縫製糸の太さ及び、該縫製糸
をガイドするために必要なミシン針のサイズは大抵の場
合規定されているので、前記の穿刺穴の縮小化には限界
がある。所定の縫製糸番手は最低限の針太さを前提とし
ている。更にまたミシン針目穴の大きさは、針太さに相
応して増大する。
【0007】ミシン針において発生する更なる問題は、
特に比較的高いミシン速度の場合、ミシン針にかかる機
械的負荷の問題である。ミシンにおける回転質量は振動
を惹起し、該振動は、一端をチャックされたミシン針に
対して特に作用する。そればかりでなく、糸張力の作用
及び、縫製物に対するミシン針の衝突時の振れに基づい
て、並びに操作力の影響に基づいて、ミシン針には別の
力が作用する。その結果、充分な曲げ剛さを有する可能
な限り太いミシン針を使用しようとする試みが生じる。
縫製物をいたわるため、かつミシン針の過度な加熱を避
けるためには可能な限り細いミシン針を使用すべきだと
する要求と、高い縫製速度の場合に必要な安定性を得る
ためには可能な限り太いミシン針を使用すべきだとする
要求とは互いに矛盾している。
【0008】ステム尖端近傍でステム中心軸線に対して
直角な横方向に貫通する目穴を有する形式の真直ぐなス
テムを備えたミシン針は、米国特許第4037641号
明細書に基づいて公知である。前記目穴は軸方向で、互
いに対置する2つの目穴ウェブによって画成され、両方
の目穴ウェブは実質的にミシン針の中心軸線上に位置し
ている。前記目穴には、ステムのチャック部の方向寄り
に糸溝が接続している。ミシン針の反対側には、針先端
の方に向かって延びる別の短い溝が設けられており、該
溝は、目穴の直ぐ近くで扁平に終わっている。ミシン針
の同じ側で目穴には、前記チャック部の方に向かって凹
みが接続している。糸溝と凹みとの間に配置された目穴
ウェブは、目穴側で丸く面取りされており、かつ開放さ
れた穿刺穴内へ糸を引き込むために作用する。
【0009】ステムに対して目穴ウェブをほぼ中央に配
置したことによって、縫製物内へのミシン針の刺し込み
時に糸は、ミシン針の一方の側で糸溝内を走行する一
方、ミシン針の他方の側では実質的に凹み内に位置す
る。ミシン針の目穴域はその場合、ステムの中心軸線に
対して直角な横方向及び目穴の開放方向で、開放穴が比
較的大きくなるように設計されている。その結果、前記
の関係が生じる。
【0010】ミシン針が戻りストローク時に縫製物から
引き出されると、目穴を通る糸は、S字カーブを描いて
目穴を通走する。ここで発生する摩擦によって、ミシン
針と糸との間に相応の力が生じ、かつ相応の加熱作用が
生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ミシ
ン針を前記の問題の点で改良することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の構成手段は、請求項1の特徴部に記載した通り、チ
ャック部に接続し、中心軸線に沿って延在しかつステム
尖端で終わる実質的に真直ぐに形成されたステムと、前
記中心軸線の方向で相互に隔てられた2つの目穴ウェブ
によって画成された目穴とから成り、前記の両目穴ウェ
ブが、前記中心軸線に対して直角な横方向に互いにずら
されている点にある。
【0013】
【発明の効果】本発明のミシン針は、実質的に真直ぐな
ステムを有している。ステムは、ステム部分が該ステム
のシンニング加工の施されていない輪郭を超えて側方に
張出するようなシフト域を有していない。従って縫製物
内へ侵入するミシン針が、発生する穿刺穴のフランクを
側方に偏位させないことが可能になり、これによって横
方向での縫製物の加速、ひいては又、場合によって生じ
る摩擦が回避される。
【0014】本発明のミシン針は、相互に隔てられた2
つの目穴ウェブを有し、両目穴ウェブはミシン針の中心
軸線に対してずらされている。この場合のずれは有利
に、チャック部寄りの目穴ウェブが、目穴への障害のな
い推移を解放するように構成されている。従ってこのチ
ャック部寄りの目穴ウェブは、糸溝から離反した方のミ
シン針側に配置されている。これに対して、ミシン針の
ステム尖端寄りの目穴ウェブは、目穴の他側の方へずら
されている。このステム尖端寄りの目穴ウェブは、糸溝
のほぼ仮想延長線上に配置されている。この構成手段に
よって全体としてミシン針に接する糸摩擦の低下並び
に、縫製物内への穿刺時におけるミシン針の摩擦の低下
が可能になる。両目穴ウェブ相互のずれは、針曲げ剛さ
に関する基本的な損失無しに、ミシン針の定格サイズに
対比して目穴領域におけるミシン針の高さの減少化を可
能にする。この場合ミシン針の高さは、中心軸線に対し
て垂直に、かつ目穴を通過する方向で計測されている。
【0015】縫製物とのミシン針の摩擦減少化は特に、
縫製部内へのミシン針の穿刺時に生じる。戻りストロー
ク時に両目穴ウェブのずれは、目穴領域における変向の
少ない糸走行を可能にするので、此処でも過度に大きな
摩擦が発生することはない。
【0016】全体として、より小さな穿刺力が生じるの
で、ミシン針を駆動するための電力需要量もより低くな
る。更にまた摩擦の減少化に基づいて、針に及ぼされる
加熱も一層僅かになる。同時に、材料をいたわりつつ穿
刺穴が開放される一方、高い糸保護が得られる。穿刺エ
ラー及び糸切れの確率も著しく減少する。
【0017】本発明の有利な実施形態では両目穴ウェブ
は丸く面取りされかつエッジ無く形成されており、その
場合、上位の、つまりチャック部寄りの目穴ウェブの丸
味曲率半径は、公称針番手(公称針太さ)の50%の目
穴ウェブを得た場合、公称針番手の20%の曲率半径を
有しているのが有利である。これによって特に良好な糸
走行が得られる。
【0018】両目穴ウェブは、公称針番手の最小40%
〜最大50%に相当する距離分だけ、中心軸線に対して
直角な横方向に相互にずらされているのが有利である。
これによって、糸を伸直した状態で長手方向に目穴を通
走させることによって糸保護を最適化することが可能で
ある。
【0019】各目穴ウェブは、ミシン針の公称定格針番
手の約半分の肉厚を有しているのが有利である。これに
よってミシン針の目穴域をスリムに形成することが可能
になると共に良好な安定性及び曲げ剛さが得られる。
【0020】ミシン針のステム尖端は、目穴のほぼ中点
を通る中心軸線上に位置することができる。しかし必要
に応じてミシン針のステム尖端を、中心軸線に対してず
らして配置することも可能である。これとは無関係に、
目穴を通って目穴ウェブの内面に接する仮想直線が、中
心軸線と20゜よりも小さい鋭角を形成するように、両
目穴ウェブを配置するのが有利である。両目穴ウェブを
ずらし、かつこのように特定された、目穴ウェブを通っ
て延びる接線と中心軸線との間に僅かな鋭角を形成する
ことによって、目穴が軸方向(中心軸線の方向)で比較
的狭い場合でもミシン針における糸摩擦を僅かにするこ
とが可能になる。
【0021】この場合の摩擦は、目穴ウェブを凹面状に
形成することによって、なお一層低下される。
【0022】ミシン針は比較的短い目穴を有しており、
その場合、軸方向に計測された両目穴ウェブ間の間隔が
公称針番手の約1.0倍〜1.1倍であるのが有利であ
る。これによって糸の正確な案内が得られ、かつ場合に
よっては所要穿刺深さの減少化が得られる。
【0023】両目穴壁は目穴側で扁平な壁面を有してい
ず、しかも両目穴壁が目穴の両開口の方へ向かって発散
しているのが有利である。更にまた、両目穴壁間に形成
された(中心軸線に対して直角な横方向に計測された)
角度は、中心軸線に沿って変化することができる。これ
によって目穴を通走する糸走行が改善され、かつ糸摩擦
が低下される。同時に又、ステッチ絡みのために必要な
糸ループの両側支持が保証される。
【0024】目穴の近傍で、糸溝から離反した方のミシ
ン針側には凹みを設けることが可能である。該凹みは、
鋭いエッジ無しに目穴へ移行するのが有利であり、これ
によって糸が保護される。
【0025】ミシン針の有利な実施形態は、チャック部
寄りの目穴ウェブを超えて張出さない目穴壁を有してい
る。これによって比較的小さな針横断面積が得られ、か
つ穿刺穴の比較的緩慢な開放と、それに相応した縫製物
のいたわりが得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に図面に基づいて本発明の実施
例を詳説する。
【0027】図1に示したミシン針1のステム2は、図
1では図示を省いた該ステム2の左手に接続するチャッ
ク部を起点としてステム尖端3まで中心軸線4に沿って
延在している。ステム尖端3は有利には前記中心軸線4
上に位置している。ステム2はこの場合、図3に示した
ように、図面で見て上位側5と下位側6に沿って実質的
に扁平に面取りして形成されている。上位側5と下位側
6との間に配置された側面7,8は凸面状に湾曲されて
いる。ミシン針1の横断面は、ステム2のこのシンニン
グ加工の施されていない区域では、両側面7,8の凸面
状湾曲部を無視すれば、ほぼ正方形である。チャック部
の方向で凹みより上位のステム域における針の公称肉厚
は、ミシン針1の直径によって決定される。
【0028】ステム尖端3から過度に隔たらない部位に
目穴11が配置されており、該目穴は図1及び図2から
判るように、中心軸線4に対して直角な横方向にステム
2を貫通している。目穴11の高さは上位側5と下位側
6との相互距離によって決定される。この領域(目穴1
1)ではミシン針1は、図1の左手に図示したステム2
のシンニング加工の施されていない区域よりも幾分肉細
に形成されているのが有利である。目穴域におけるステ
ム2の肉厚減少分は本実施例では、シンニング加工の施
されていない区域の上位側5と下位側6との間の距離を
基準として約5%〜20%、殊に有利には約10%減で
ある。
【0029】目穴11は、中心軸線4によって示した軸
方向で見て、2つの目穴ウェブ12,14によって画成
され、両目穴ウェブは中心軸線4に対して糸溝21もし
くは凹み34の方向にずらされている。両目穴ウェブ1
2,14は、目穴11に面した方の端部を夫々ほぼ半円
形に丸く面取りされており、しかも丸め曲率半径は夫々
比較的正確に各目穴ウェブ12,14の肉厚の半分に等
しい。両目穴ウェブ12,14間を横方向に測定したず
れ量、すなわち図1で見て鉛直方向に測定したずれ量
は、殊に有利には針の公称肉厚の約40%〜50%であ
る。これによって目穴ウェブ12,14の底面16,1
7は夫々、中心軸線4にほぼ接して位置している。目穴
ウェブ12の丸められた目穴側の端部は、その円弧形状
から移行点15において折曲すること無くかつ段を形成
すること無く、図1から判るように中心軸線4に対して
凹面状に湾曲された伸直した底面16へ移行している。
目穴ウェブ12の底面16と丸められた端部との間の移
行域には、中心軸線4上に位置する接線、又は前記中心
軸線と僅か数度の著しく鋭角的な角度を形成する接線が
接することができる。
【0030】同等の事項は、やはり凹面状に丸められた
糸走行側の底面17を有する目穴ウェブ14についても
当て嵌まる。目穴ウェブ14の底面17と丸められた端
部との間の移行点18はほぼ中心軸線4上に位置し、か
つ該移行点に接する接線は、ほぼ前記中心軸線4と合致
している。底面16,17の適当な部位で接線として接
する、目穴11を通ってできるだけフラットに導かれる
直線は、従って中心軸線4に対して、僅か数度の角度オ
ーダー、殊に有利には20゜より小さな角度オーダーの
鋭角を形成している。
【0031】目穴11は比較的狭く形成されている。中
心軸線4によって特定される軸方向で見て、目穴ウェブ
12,14の両端の軸方向隔たりによって規定された目
穴の長さは殊に有利には、ミシン針1の公称針番手の約
1.0倍〜1.1倍である。この寸法によって優れた糸
ガイドが可能になる。従って目穴11が比較的短いにも
拘わらず、両方の目穴ウェブ12,14のずれに基づい
て、伸直した糸走行が得られる。目穴の長さを、公称針
番手の1.0倍〜1.1倍よりも大又は小であるような
実施形態も当然考えられる。
【0032】目穴11に接続して下位側6に沿ってステ
ム尖端3から離間する方向に糸溝21が形成されてお
り、該糸溝は2つの側壁22,23(図3)によって画
成される。両側壁は、実質的に扁平な、互いに平行な2
つのフランクを有し、両フランクは、下位側6寄りで部
分的に斜め面取りされている。また前記糸溝21は、実
質的に扁平な溝ボトム24を有し、該溝ボトムは、中心
軸線4に対して平行な間隔をおいて延びている。その場
合、目穴11からほぼ針太さに相当する間隔をおいた部
位で溝ボトム24は始まり、目穴ウェブ12の底面16
へ移行する。該底面16は次いで中心軸線4の方へ鋭角
を成して延びている。
【0033】目穴11は、特に図2から判るように、2
つの目穴壁26,27によって画成されており、両目穴
壁の各肉厚は、目穴11に対して直角な横方向に測定す
れば(図2の鎖線28参照)中心軸線4を通る前記鎖線
28の領域における目穴の内法幅よりもやや小さい。糸
溝21の両フランクは、目穴11への糸溝21の合流口
で継目なしに目穴壁26,27の内面29,30へ移行
する。その場合、糸溝21の両フランク間もしくは両内
面29,30間に形成される(中心軸線4に対して直角
な横方向に計測された)角度は、中心軸線4に沿って変
化することができる。III−III断面線に沿った横
断面領域(図3)では、糸溝21の両フランクは互いに
平行であるのに対して、II−II断面線に沿った横断
面領域(図2)における内面29,30は、互いに鋭角
を成すように配置されている。しかしながら両内面2
9,30は、図1及び図2に示した下位側6及び上位側
5へ向かって互いに発散しているので、目穴11はウエ
スト状に絞られている。目穴11を起点として、フラッ
トに終わる短い溝32がステム尖端3へ向かって延びて
いるが、該ステム尖端に達してはいない。底面17によ
って制限された溝32は、目穴11を起点としてステム
尖端3の手前のほぼ半分の距離のところで終わってい
る。この領域でミシン針1は、ほぼ円形状の肉細横断面
を有している。この横断面はステム尖端3の方向に円錐
形状に減少している。
【0034】ステム尖端3から離反した方の目穴11の
側でステム2内には凹み34が設けられている。該凹み
34は糸溝21の反対側に対向して位置している。凹み
34は、図3から判るように丸められて両側面7,8へ
移行する背部35を有している。丸められた移行部は、
縫製物の負荷を軽減し、いたわりつつガイドするために
役立つ。同じく又、図1から判るように凹み34から目
穴11への移行域36も丸められている。該移行域36
は目穴ウェブ12によって形成され、しかも該移行域の
丸められた端部からミシン針の外面への移行部位は、エ
ッジ無く形成されている。ミシン針1の外面もしくは上
位側5への目穴ウェブ12の丸められた端部の移行部位
から、目穴壁26,27は等しい高さで延びており、し
かも側方に或いは図1で見て目穴ウェブ12を超えて上
向きに張出すことはない。図1で見て目穴11の下端部
が、ミシン針1の下位側6全体と同じ高さに位置してい
るのに対して、目穴11の上端部は、少なくともシンニ
ングされていないステム領域では上位側5よりも幾分低
く配置されている。換言すれば、図2から判るように鎖
線9に対して平行に測定される目穴壁26,27の高さ
は、公称針番手よりも幾分小さい。
【0035】以上説明したミシン針1は、次のように作
業する。すなわち:ミシン針1は、高速度で縫製する場
合、周期的にミシン針の中心軸線4に沿って往復振動さ
せられる。ミシン針1が先ず、ステム尖端3の手前で中
心軸線4に対してほぼ直角に配置された縫製物から離間
運動すると、目穴11を通って走行する糸38(縫製用
加撚糸)は、差し当たって伸直した状態で糸溝21及び
溝32を通ってガイドされる。糸38はその際、張力下
にあるので、目穴ウェブ12,14の底面16,17に
点接触する。前記底面の凹面状形成によって、面接触は
回避される。
【0036】ところでミシン針1がその運動方向を反転
して縫製物に穿刺すると、図4に示した状態が得られ
る。その穿刺時にステム尖端3は1ミリ秒の数分の一で
1つの穿刺穴を開放し、該穿刺穴内へミシン針1は、該
穿刺穴を拡径しつつ目穴11に達するまで侵入する。こ
の拡径はその際、比較的徐々に行われ、これによってミ
シン針1と縫製物との間の摩擦は、高い縫製速度(穿刺
回数)の場合でも可成りの割合で減少される。
【0037】ミシン針1は目穴11と共に縫製物を通っ
て穿刺され、その際糸38は目穴上部12に巻掛けられ
る。その場合、図4に示した糸38の上位区分は、縫製
物に対して極く僅かな相対速度しか有せず、かつ程度の
差こそあれ静止した状態にある。侵入するミシン針1
は、図4に矢印で示したように、糸溝21内に位置する
糸38の区分を、著しく高い速度で引きずる。糸38と
縫製物との間の過度に大きな摩擦は、糸溝21の著しい
深さによって大幅に低下される。目穴ウェブ12におけ
る過度に大きな摩擦は、該目穴ウェブの丸味とその著し
い肉厚とによって低下され、この場合前記肉厚は例え
ば、糸38の直径にほぼ合致している。
【0038】縫製工程の更なる経過においてミシン針1
はその運動方向を、図5に示したように再び反転する。
ミシン針1によって縫製物内へ刺し込まれた糸38は今
度は目穴ウェブ12から離反する。差し当たってなお目
穴11内に残留するループは、図5で見てミシン針1と
共に左手へ運動する目穴ウェブ14によって、目穴11
から所望の方向に(図5で見て垂直上方へ)押し退けら
れる。この状態が図6に図示されている。縫い目形成の
ためにグリッパ40によって受け取られるループ39が
形成される。このループ39の正確な形成は、機能的な
縫製工程にとって決定的に重要である。ミシン針1は次
いで戻りストローク中にやはり穿刺穴を通過する。その
際に糸は高速度でボビン釜に巻掛けるために針運動の反
対方向に引き出される。ミシン針1が穿刺穴から引き出
され、かつ糸38が引き締められると、前記の工程が改
めて反復される。
【0039】ミシン針1は、軸方向で2つの目穴ウェブ
12,14によって画成された目穴11を有し、該目穴
は、軸方向(中心軸線4の方向)で見て比較的短く形成
されている。該目穴の長さは、ミシン針1の公称太さよ
りも実質的に大きくない。両目穴ウェブ12,14は互
いに逆向きにずらされており、しかも各目穴ウェブ1
2,14は目穴11の領域においてミシン針1の約半分
の肉厚である。従って安定した細長くスリムなミシン針
1が形成され、該ミシン針は、その細長いスリムさに基
づいて穿刺穴を比較的ゆっくり開放し、従って穿刺回数
が著しく高い場合でも、縫製物をいたわりつつ縫製する
と共に、ほぼ完全に防護された糸走行を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】伸長した状態で目穴を通走する糸を併合して概
略的に図示した、ミシン針の縦断面図である。
【図2】糸を省いて示した図1のII−II断面線に沿
ったミシン針の断面図である。
【図3】糸を省いて示した図1のIII−III断面線
に沿ったミシン針の断面図である。
【図4】刺し込み動作時に目穴を通走する糸を併合して
概略的に図示した、図1のミシン針の縦断面図である。
【図5】刺し込み動作後の戻りストローク時に目穴を通
走する糸を併合して概略的に図示した、図1のミシン針
の縦断面図である。
【図6】戻しストローク時に目穴を通走する糸並びにル
ープ捕捉部によって受容するために理想的に形成された
糸ループを併合して概略的に図示した、図1のミシン針
の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ミシン針、 2 ステム、 3 ステム尖端、 4
中心軸線、 5 上位側、 6 下位側、 7,8
側面、 9 鎖線、 11 目穴、 12,14 目穴
ウェブ、 15 移行点、 16,17 底面、 18
移行点、 21 糸溝、 22,23 側壁、 24
溝ボトム、 26,27 目穴壁、28 鎖線、 2
9,30 内面、 32 溝、 34 凹み、 35
背部、36 移行域、 38 糸、 39 ループ、
40 グリッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 393020339 Groz−BeckertKG (72)発明者 ハリー フォルンホルト ドイツ連邦共和国 ビッツ ベルクシュト ラーセ 73

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシン針(1)において、 チャック部に接続し、中心軸線(4)に沿って延在しか
    つステム尖端(3)で終わる実質的に真直ぐに形成され
    たステム(2)と、前記中心軸線(4)の方向で相互に
    隔てられた2つの目穴ウェブ(12,14)によって画
    成された目穴(11)とから成り、前記の両目穴ウェブ
    が、前記中心軸線(4)に対して直角な横方向に互いに
    ずらされていることを特徴とする、ミシン針。
  2. 【請求項2】 両目穴ウェブ(12,14)が丸く面取
    りされて形成されており、しかも該目穴ウェブの丸味曲
    率半径が、前記目穴ウェブ(12,14)の半分の肉厚
    に合致している、請求項1記載のミシン針。
  3. 【請求項3】 両目穴ウェブ(12,14)が、公称針
    番手の最小40%〜最大50%に相当する距離分だけ、
    中心軸線(4)に対して直角な横方向に相互にずらされ
    ている、請求項1記載のミシン針。
  4. 【請求項4】 各目穴ウェブ(12,14)が、中心軸
    線(4)に対して直角な横方向に測定すれば、公称針番
    手の少なくとも40%〜50%に相当する肉厚を有して
    いる、請求項1記載のミシン針。
  5. 【請求項5】 各目穴ウェブ(12,14)の、端面側
    の丸められた端部と糸側の底面(16,17)との間の
    移行点(15,18)が、中心軸線(4)上に位置して
    いる、請求項1記載のミシン針。
  6. 【請求項6】 目穴(11)を通って目穴ウェブ(1
    2,14)の糸側底面(16,17)に接する仮想直線
    が、中心軸線(4)と20゜よりも小さい鋭角を形成す
    るように、両目穴ウェブ(12,14)が配置・構成さ
    れている、請求項1記載のミシン針。
  7. 【請求項7】 両目穴ウェブ(12,14)がそれぞれ
    糸側底面(16,17)を有しており、しかも少なくと
    も一方の底面(16,17)が凹面状に形成されてい
    る、請求項1記載のミシン針。
  8. 【請求項8】 中心軸線(4)の方向に計測された目穴
    (11)の長さが、公称針番手の2倍よりも小さい、請
    求項1記載のミシン針。
  9. 【請求項9】 中心軸線(4)の方向に計測された目穴
    (11)の長さが、公称針番手の1.0倍〜1.1倍で
    ある、請求項1記載のミシン針。
  10. 【請求項10】 各目穴ウェブ(12,14)がその糸
    側底面によって糸溝(21,32)を画成している、請
    求項1記載のミシン針。
  11. 【請求項11】 両目穴壁(26,27)が、軸方向で
    相互に隔てられた部位で、互いに異なった角度を形成す
    る内面(29,30)を有している、請求項1記載のミ
    シン針。
  12. 【請求項12】 目穴(11)において該目穴(11)
    を通る方向(9)で中心軸線(4)に対して垂直に計測
    されたミシン針(1)の高さが、公称針番手よりも小さ
    い、請求項1記載のミシン針。
  13. 【請求項13】 目穴(11)が、チャック部寄りの目
    穴ウェブ(12)に接続して、該目穴ウェブ(12)を
    超えて側方に張出さない目穴壁(26,27)を有して
    いる、請求項1記載のミシン針。
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