JP2000324514A - 立体画像表示装置および立体画像表示システム - Google Patents

立体画像表示装置および立体画像表示システム

Info

Publication number
JP2000324514A
JP2000324514A JP11319871A JP31987199A JP2000324514A JP 2000324514 A JP2000324514 A JP 2000324514A JP 11319871 A JP11319871 A JP 11319871A JP 31987199 A JP31987199 A JP 31987199A JP 2000324514 A JP2000324514 A JP 2000324514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dimensional image
image
screen
display device
stereoscopic image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11319871A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Miyazaki
誠 宮崎
Manami Kuiseko
真奈美 杭迫
Ken Yoshii
謙 吉井
Fumiya Yagi
史也 八木
Toshio Norita
寿夫 糊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP11319871A priority Critical patent/JP2000324514A/ja
Publication of JP2000324514A publication Critical patent/JP2000324514A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人間の眼の残像効果を利用する体積走査法に
おいて表示対象物の周囲からみた立体像を観察者が移動
することなく同一視点から視認できること。 【解決手段】 スクリーン38に投影する断面画像を生
成するDMD33が設けられ、このDMD33に対して
スクリーン38の回転角度に応じた2次元画像データが
供給される。DMD33に供給される2次元画像データ
はメモリ63に格納される。そして表示対象物の立体画
像を表示するのに必要な一連の断面画像はスクリーン3
8の回転に同期して繰り返して生成される。この一連の
断面画像を生成するタイミングを一時的または継続的に
調整することによって、立体画像を任意の方向に向ける
ことができるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は立体画像を表示する
立体画像表示装置に関し、特に、スクリーン回転方式に
よる立体画像表示装置および立体画像表示システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より発明・考案されてきた立体画像
の表示方法の一つとして、人間の眼の残像効果を利用す
る体積走査法と呼ばれるものがある。
【0003】従来の体積走査法には、スクリーンをその
投影面に垂直な方向に高速で直進移動させ、投影面の位
置に応じて物体の断面の2次元像あるいは断面の輪郭を
時々刻々と変化させつつ投影するという垂直走査を行う
方法と、回転自在なスクリーンを所定の回転軸を中心に
高速回転させ、スクリーンの回転角度に応じて物体の断
面の2次元像あるいは断面の輪郭を時々刻々と変化させ
つつ投影するという回転走査を行う方法とがある。
【0004】垂直走査による体積走査法ではスクリーン
の前方側から投影像を見ることによってはじめて物体の
立体像が視認されるものであるのに対し、回転走査によ
る体積走査法ではスクリーンの周囲いずれの場所におい
ても物体の立体像を視認することができる点でメリット
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
回転走査による体積走査法を利用した装置では、静止物
体の立体表示を行うことを目的としているので、同一視
点からでは常に同一の立体像しか視認することができな
いという問題があった。つまり、従来の回転走査による
装置では、観察者が異なる視点からの立体像を視認した
い場合には観察者自らが回転スクリーンの周囲を移動し
なければならなかったのである。
【0006】そこで、この発明は、人間の眼の残像効果
を利用する体積走査法において表示対象物の周囲からみ
た立体像を観察者が移動することなく同一視点から視認
することのできる立体画像表示装置および立体画像表示
システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、残像効果を利用する体積
走査法によって立体画像を表示する立体画像表示装置で
あって、(a) 主面に平行な中心軸の回りに回転自在なス
クリーンと、(b) 表示対象物を異なる角度で放射状に切
断した断面群での一連の断面画像群を前記スクリーンの
回転に同期して順次かつ繰り返して生成する画像生成手
段と、(c) 前記一連の断面画像群を生成するタイミング
を一時的にまたは継続的に調整することにより、前記立
体画像の向きを任意の方向に向けて表示させるタイミン
グ調整手段とを備えている。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の立体画像表示装置において、前記タイミング調整手段
が、前記一連の断面画像群を生成する際における繰り返
しタイミングを所定のインターバルでシフトさせ、それ
によって前記立体画像を空間的に回転させることを特徴
としている。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の立体画像表示装置において、前記タイミング調整手段
が、(c-1) 前記一連の断面画像群を発生する際における
繰り返しタイミングを、前記スクリーンの所定の回転回
数ごとにずらしていくシフト手段を備えることを特徴と
している。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の立体画像表示装置において、前記タイミング調整手段
が、(c-2) 前記一連の断面画像群に関する2次元画像デ
ータ群を記憶する記憶手段と、(c-3) 前記2次元画像デ
ータ群の読み出しアドレスを発生して前記記憶手段に供
給することにより、前記記憶手段から前記2次元画像デ
ータを前記画像生成手段に与える制御手段とを備えてお
り、前記シフト手段が、前記スクリーンの所定の回転回
数ごとに、前記制御手段における前記読み出しアドレス
の発生タイミングを所定のシフト時間に応じてずらせる
手段を備えることを特徴としている。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項2ないし
請求項4のいずれかに記載の立体画像表示装置におい
て、(d) 操作入力手段と、(e) 前記操作入力手段からの
操作入力に応じて前記インターバルを変更する手段とを
さらに備えている。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項2ないし
請求項5のいずれかに記載の立体画像表示装置におい
て、前記タイミング調整手段が、前記所定のインターバ
ルごとに、前記一連の断面画像群の生成の繰り返しタイ
ミングを遅延させていくものであることを特徴としてい
る。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の立体画像表示装置において、(d)前記立体画像を観察
する観察者の位置する方向を特定する観察方向特定手段
をさらに備え、前記タイミング調整手段が、前記観察方
向特定手段によって特定された方向に対して、前記立体
画像の所定部分を向けて表示させるように前記タイミン
グを調整することを特徴としている。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の立体画像表示装置において、前記タイミング調整手段
が、前記観察者特定手段によって特定される方向が複数
方向である場合に、前記複数方向が含まれる領域のほぼ
中心に向かう方向に対し、前記立体画像の所定部位を向
けて表示させるように前記タイミングを調整することを
特徴としている。
【0015】請求項9に記載の発明は、請求項7に記載
の立体画像表示装置において、前記観察方向特定手段
が、前記中心軸の周囲を分割して形成された複数の領域
のうちから観察者の位置する領域を特定し、前記タイミ
ング調整手段が、前記観察方向特定手段において特定さ
れた領域のほぼ中心に向かう方向に対し、前記立体画像
の所定部位を向けて表示させるように前記タイミングを
調整することを特徴としている。
【0016】請求項10に記載の発明は、請求項1また
は請求項7に記載の立体画像表示装置において、前記タ
イミング調整手段が、前記立体画像の所定部分が向く方
向が、前記中心軸の周囲の所定区間を往復移動するよう
に、前記タイミングを調整することを特徴としている。
【0017】請求項11に記載の発明は、立体画像表示
システムであって、(A) 表示対象物の3次元画像データ
を記憶する立体データ記憶手段と、(B) 前記3次元画像
データに基づいて、前記表示対象物を異なる角度で放射
状に切断した断面群での各断面画像の集合を2次元画像
データ群として生成する断面画像演算手段と、(C) 前記
2次元画像データ群に基づいて立体画像表示を行う請求
項1ないし請求項10のいずれかに記載の立体画像表示
装置とを備えている。
【0018】
【発明の実施の形態】<<第1の実施の形態>> <A.全体のシステム構成>この発明に係る立体画像表
示システムの実施の形態として、立体画像表示システム
の全体的な構成を図1に示す。この立体画像表示システ
ム1は、回転走査の体積走査法によって表示対象物の立
体表示を行う立体画像表示装置100と、立体画像表示
装置100に対して表示対象物の断面画像に関する2次
元画像データを供給するホストコンピュータ3とから構
成されている。
【0019】立体画像表示装置100は、後述するよう
に所定の回転軸を中心に高速で回転するスクリーンに対
して表示対象物の断面画像を断続的に投影することによ
って残像効果を発生させて立体画像を表示する。そし
て、回転するスクリーンの位置(角度)に応じて投影す
る断面画像を更新していくことにより、様々な表示対象
物の立体像を表示する。
【0020】ホストコンピュータ3は、CPU3aとデ
ィスプレイ3bとキーボード3cとマウス3dとを含ん
で構成されるいわゆる一般的なコンピュータシステムで
ある。このホストコンピュータ3には、予め入力されて
いる表示対象物の3次元画像データからスクリーンが回
転する際の各角度に対応する断面画像の2次元画像デー
タを生成する処理を行うソフトウェアが組み込まれてい
る。このため、ホストコンピュータ3は、表示対象物の
3次元画像データからスクリーンの回転角度に応じてス
クリーン上に投影すべき表示対象物の断面画像に関する
2次元画像データを生成することができ、その生成され
た2次元画像データを立体画像表示装置100に供給す
る。
【0021】ホストコンピュータ3と立体画像表示装置
100との間では、オンラインによるデータの受け渡し
が可能であるとともに、可搬型の記録メディア4を介し
てのオフラインによるデータの受け渡しも可能である。
記録メディア4としては、光磁気ディスク(MO)、コ
ンパクトディスク(CD−RW)、ディジタルビデオデ
ィスク(DVD−RAM)、メモリカード等がある。
【0022】<B.立体画像表示装置>次に、立体画像
表示装置100の一実施形態について説明する。図2
は、立体画像表示装置100の概観を示す図である。こ
の立体画像表示装置100は、スクリーン38に断面画
像を投影するための光学系や各種データ処理を行うため
の制御機構が内蔵されたハウジング20と、そのハウジ
ング20の上部側に設けられて内部に回転するスクリー
ンを収容する円筒状の風防20aとを備えている。
【0023】風防20aはガラスやアクリル樹脂等の透
明な材質で形成されており、内部側で回転するスクリー
ン38に投影される断面画像を外部より視認することが
できるように構成されている。また、風防20aは内部
空間を密封しており、そのことによってスクリーン38
の回転の安定化や回転駆動するモータの消費電力の低減
を図っている。
【0024】ハウジング20の前面側には液晶ディスプ
レイ(LCD)21、着脱可能な操作スイッチ22、記
録メディア4の着脱口23が配置されており、また側面
側にはディジタル入出力端子24が設けられている。液
晶ディスプレイ21は、操作入力を行う際の操作案内画
面の表示手段及び表示対象物のインデックスのための2
次元画像の表示手段として用いられる。ディジタル入出
力端子24はSCSI端子あるいはIEEE1394端
子等である。さらにハウジング20の外周面の4箇所に
は音声出力のためのスピーカ25が配置されている。
【0025】図3は、着脱可能な操作スイッチ22の拡
大図である。この操作スイッチ22は、各種動作パラメ
ータを入力するための操作入力手段として機能させるべ
く、電源ボタン221、スタートボタン222、ストッ
プボタン223、カーソルボタン224、セレクトボタ
ン225、キャンセルボタン226、メニューボタン2
27、ズームボタン228、音量調節ボタン229等の
各種ボタンが配置されている。
【0026】スクリーン38による立体画像の表示は、
操作スイッチ22の各ボタン221〜227を操作する
ことによって記録メディア4に記録されているデータフ
ァイルから立体表示を行いたい2次元画像データを選択
したり、又はホストコンピュータ3側に保存されている
データファイルから2次元画像データを選択することに
より開始される。
【0027】次に、立体画像表示装置100においてス
クリーン38上に断面画像を投影するための光学系につ
いて説明する。図4は、立体画像表示装置100におけ
る光学系を含む構成を示す図である。図4に示すように
立体画像表示装置100における光学系は、照明光学系
40と投影光学系50とDMD(ディジタル・マイクロ
ミラー・デバイス)33とTIRプリズム44とを備え
て構成される。
【0028】まず、DMD33について説明する。DM
D33は、スクリーン38に投影する断面画像を生成す
る画像生成手段として機能するものであり、1辺が16
μm程度の矩形の金属片(例えばアルミニウム片)の極
めて小さなミラーを1画素として1チップあたり数十万
枚の規模で平面に敷き詰めた構造を有し、各画素直下に
配置されたSRAM出力の静電電界作用により各ミラー
の傾斜角を個々に±10度で制御できるデバイスであ
る。なお、ミラーの角度制御は、SRAM出力の
「1」、「0」に対応して、ON/OFFのバイナリ制
御であり、光源からの光が当たると、ON(またはOF
F)の方向を向いているミラーで反射した光だけが投影
光学系50の方向に進み、OFF(またはON)の方向
を向いているミラーで反射した光は有効な光路から外れ
投影光学系50の方向には進まない。このミラーのON
/OFF制御により、ON/OFFのミラー分布に対応
した断面画像が生成されてスクリーン38に投影される
ことになる。
【0029】なお、各ミラーの傾斜角を制御して反射す
る光の方向を切り換えるが、この切り換え時間の調整
(反射する時間の長さ)により各画素の濃淡(階調)を
表現することができ、1色につき256階調が表現でき
る。そして、光源からの白色光を周期的に切り替わるR
(赤)、G(緑)、B(青)の3色のカラーフィルター
に通し、通過した各色にDMDチップを同期させること
でカラー画像を形成したり、R、G、Bの各色ごとにD
MDチップを準備して3色の光を同時に投影することで
カラー画像を形成することができる。
【0030】このようなDMD33は、第一に光利用効
率が非常に高いこと、第二に高速応答性を有することの
2つの大きな特徴を有しており、一般にはその高い光利
用効率を活かしてビデオプロジェクタ等の用途に使用さ
れている。
【0031】この実施形態においては、DMD33のも
う一つの大きな特徴である高速応答性を利用することに
より、残像効果を発生させるような断面画像の高速生成
を行うことができるように実現される。
【0032】DMD33は一枚一枚のミラーの偏向の応
答性が約10μsecであることと、画像データの書き
込みが一般的なSRAMとほぼ同様の方法でできること
から、1枚の画像を生成するのに要する時間は1mse
cあるいはそれ以下ときわめて高速である。仮に1ms
ecであるとすると、残像効果を実現するために1/1
8secで180゜(すなわち毎秒9回転)の体積走査
を行う場合に生成できる断面画像の数は約60枚とな
る。従来の体積走査法で画像生成手段として使用されて
いたCRTや液晶ディスプレイ等と比較すると、DMD
33は単位時間当たりはるかに多くの断面画像をスクリ
ーン38上に投影することができ、非回転対称形状の立
体の表示をも行うことができるのである。
【0033】また、DMD33の特徴の1つである光の
利用効率の高さも、より明るい断面画像をスクリーン3
8上に投影することで残像効果を高めることに寄与し、
CRT方式等と比較して高品位の立体画像の表示を可能
にする。
【0034】なお、図4に示すようにDMD33の画像
生成面側には、照明光学系40からの照明光を各微小ミ
ラーに導くとともに、DMD33で生成された断面画像
を投影光学系50に導くためにTIRプリズム44が配
設されている。
【0035】照明光学系40は、白色光源41と照明レ
ンズ系42とを有しており、白色光源41からの照明光
は照明レンズ系42により平行光とされる。照明レンズ
系42はコンデンサレンズ421、インテグレータ42
2、カラーフィルタ43およびリレーレンズ423によ
り構成される。白色光源41からの照明光はコンデンサ
レンズ421により集光されてインテグレータ422に
入射する。そして、インテグレータ422によって光量
分布が均一な状態とされた照明光は、回転式のカラーフ
ィルタ43によってR,G,Bのいずれかの色成分に分
光される。分光された照明光はリレーレンズ423によ
り平行光とされた上で、TIRプリズム44に入射し、
DMD33上に照射される。
【0036】DMD33は、ホストコンピュータ3から
与えられる2次元画像データに基づいて個々の微小ミラ
ーの傾斜角度を変化させることにより照明光のうちの断
面画像を投影するのに必要な光成分のみを投影光学系5
0に向けて反射させる。
【0037】投影光学系50は投影レンズ系51とスク
リーン38とを有している。投影レンズ系51は両テレ
セントリックレンズ511と投影レンズ513と投影ミ
ラー36,37と像回転補償機構34とを備えており、
このうち投影レンズ513と投影ミラー36,37はス
クリーン38を回転軸Zのまわりに回転させる回転部材
39の内部側に配置されている。
【0038】DMD33で反射された光(断面画像)は
両テレセントリックレンズ511により平行光にされ、
断面画像の回転補償を行うために像回転補償機構34を
通過する。そして、像回転補償機構34において回転補
償が行われた光束は投影ミラー36、投影レンズ51
3、投影ミラー37を経由して最終的にスクリーン38
の主面(投影面)上に投影される。
【0039】この光学系において、投影ミラー36、投
影レンズ513、投影ミラー37及びスクリーン38は
回転部材39に固定されており、回転部材39の回転と
ともにスクリーン38の中心軸を含む垂直な回転軸Zの
回りに角速度Ωで回転する。つまり、体積走査を行うた
めにスクリーン38を回転させる際には、回転部材39
内部に配置された投影ミラー36、投影レンズ513及
び投影ミラー37もスクリーン38と一体となって回転
するため、スクリーン38がいかなる角度となっても常
にその正面側から断面画像の投影を行うことができるの
である。
【0040】なお、スクリーン38の回転角度は位置検
出器73により常に検出されている。
【0041】こうしてDMD33において生成された断
面画像がスクリーン38上に投影される。投影レンズ5
13の役割は、光束がスクリーン38上に至るところで
適切な画像サイズをなすようにすることである。また、
投影ミラー37はスクリーン38に投影される立体像を
観察する際に観察者の視線を妨げないように、スクリー
ン38の正面の斜め下方向(図4の場合は回転部材39
の内部側)から断面画像を投影するように配置されてい
る。なお、投影レンズ513の投影ミラー36及び37
に対する位置的な順序関係は必ずしも本実施形態にとら
われるものではない。
【0042】ここで、像回転補償機構34について説明
する。図4に示す像回転補償機構34は、いわゆるイメ
ージローテータの構成によって実現されている。スクリ
ーン38が取り付けられている回転部材39がある回転
角度に位置する場合に、スクリーン38上に投影されて
いる断面画像を基準像とする。もし像回転補償機構34
を用いないとすると、回転部材39が回転するにつれ投
影される断面画像はスクリーン38上で面内回転し、回
転部材39が180゜回転したところで投影される断面
画像は基準像に対し上下が逆転した像になってしまう。
この現象を防ぐものが像回転補償機構34である。
【0043】図4に示す像回転補償機構34は複数のミ
ラーを組み合わせて構成されるイメージローテータを使
用している。イメージローテータを光軸まわりに回転さ
せると、入射画像に対する出射画像がイメージローテー
タの角速度の2倍の角速度で回転して出射される性質が
ある。したがって、スクリーン38が取り付けられてい
る回転部材39の角速度の1/2の角速度でイメージロ
ーテータを回転させることによって、スクリーンの回転
にかかわらず正立した断面像を常に投影できる。
【0044】なお、像回転補償機構としてはイメージロ
ーテータ以外にダブ(タイプ)プリズムを使用しても同
様の効果が得られる。また、ここに説明した像回転補償
機構34を使用せず、DMD33の表面上に生成する断
面画像をスクリーン38の回転角度に応じて光軸まわり
に回転する像とすることで投影像の回転を打ち消すよう
にしても良い。
【0045】すなわち、DMD33の表面上で生成され
る断面画像が、体積走査の開始時では正立像(あるいは
倒立像)であり、スクリーン38の回転とともに自転し
て体積走査が完了した時点では倒立像(あるいは正立
像)となるように断面画像の生成のための2次元画像デ
ータを、DMD33に与える前の段階で補正するように
しても良い。
【0046】ここで、スクリーン38および回転部材3
9の斜視概観図の一例を図5に示す。図5に示すように
回転部材39は円盤形状をなし、その側面に回転駆動手
段となるモータ74の回転軸が接することによって回転
駆動される。なお、回転部材39の中心軸にモータを直
結したり、歯車やベルトを介して駆動させるようにして
も良い。
【0047】図5に示すようにスクリーン38がある回
転角度θ1にあるとき、θ1に対応した表示対象物の断
面画像P1(DMD33で生成)が、図4に示した投影
ミラー36と投影レンズ513と投影ミラー37とを経
由してスクリーン38上に投影される。そこから微小時
間が経過してスクリーン38が回転し、その回転角度が
θ2になったとき、今度はθ2に対応した表示対象物の
断面画像P2(DMD33で生成)が、図4に示した投
影ミラー36と投影レンズ513と投影ミラー37とを
経由してスクリーン38上に投影される。
【0048】投影ミラー36、投影レンズ513および
投影ミラー37はスクリーン38に対して一定の位置関
係を保ったまま共に回転するので、スクリーン38上に
は回転にかかわらず常に断面像が投影され続ける。そし
て回転部材39を180゜回転(若しくは360°回
転)させた時点で再び始めと同じ断面画像が現れ、1回
の体積走査が完了する。以上の動作を回転部材39の回
転の速度を残像効果が起きるように十分に速く、かつ投
影する断面像の枚数を十分に多くすることによって、観
察者は断面画像の包絡として表示対象物の立体像を視認
することができるのである。
【0049】このようにして静止した立体像を表示する
ことが可能になるのであるが、この実施形態において
は、さらにこの静止した立体像がスクリーンの回転軸を
中心に回転するような表示を行うことができるように構
成されている。なお、この立体像の回転表示を実現する
ための詳細な構成については後述する説明において明ら
かにする。
【0050】次に断面画像の大きさ(解像度)について
述べる。図6はスクリーン38に投影される断面画像の
大きさを示す図である。断面画像は256画素(水平方
向)×256画素(垂直方向)の大きさで、スクリーン
38の回転軸に対して対称に投影される。すなわち、回
転軸を中心として周方向に向かって左右128画素の大
きさとなる。投影される断面画像はスクリーン38と一
定の関係を保ったまま共に回転するので、スクリーン3
8の回転にかかわらず、投影される断面画像の大きさは
一定である。なお、図6に示す断面画像の大きさは単な
る一例であり、使用されるDMD33に設けられた微小
ミラーの数に応じて任意の大きさが設定可能である。
【0051】<C.立体画像表示システムにおける制御
機構>次に、この立体画像表示システム1において立体
画像を表示するための制御機構について説明する。
【0052】図7は、立体画像表示システム1の機能構
成を示すブロック図である。図7において実線矢印は電
気信号の流れを示しており、破線矢印は光の流れを示し
ている。なお、図7に示す照明光学系40および投影光
学系50は上述した内容のものである。
【0053】表示対象物の断面画像に関する2次元画像
データはディジタル入出力端子24を経由してホストコ
ンピュータ3からインタフェース66に入力されたり、
あるいは記録メディア4からインタフェース66に入力
される。
【0054】一般に画像データは他の種類のデータに比
べデータ量が多いため、インタフェース66に入力され
る2次元画像データにはMPEG2方式等によるデータ
圧縮が施されている場合も多い。この場合は、圧縮され
た2次元画像データを伸張(復元)する必要がある。そ
こで、図7の構成では圧縮された2次元画像データを伸
張するためのデータ伸張器65が設けられている。な
お、インタフェース66に入力される2次元画像データ
にデータ圧縮が施されていない場合ではデータ伸張器6
5を設ける必要性はない。
【0055】伸張された2次元画像データは、DMD3
3における断面画像の生成を制御するDMD駆動部60
に与えられる。DMD駆動部60はDMD33とDMD
コントローラ62とメモリ63とを備えている。メモリ
63は複数の2次元画像データを記憶する記憶手段とし
て機能する。DMDコントローラ62はDMD33に対
して階調信号を与えたり、位置検出器73で検出される
スクリーン38の回転角度に応じてカラーフィルタ43
を駆動するためのドライバ71を制御するとともにメモ
リ63における書き込み動作と読み出し動作とを制御す
る。
【0056】ここで、記憶手段となるメモリ63の構成
について説明する。上述した例示のように体積走査を行
う場合にDMD33で生成できる断面画像の数を60枚
とする。立体表示を行うには断面画像をスクリーン38
の回転角度に応じて断続的に投影するので、60枚の断
面画像群を表示対象物の立体表示を行うことができる1
シーンであるとすると、その断面画像群に含まれる2次
元画像データを順次に繰り返してDMD33にデータ転
送する必要がある。このため、DMD33に2次元画像
データを供給するためのメモリ63の記憶容量は、少な
くとも1シーンに相当する60枚分の2次元画像データ
を記憶しておくことのできるメモリサイズが必要にな
る。
【0057】つまり、2次元画像データ用のメモリサイ
ズが小さい場合、例えば60枚に満たない断面画像分の
2次元画像データしかメモリ63に記憶することができ
ない場合は、ホストコンピュータ3あるいは記録メディ
ア4から断面画像ごとの2次元画像データを繰り返し転
送し続けないと適切に立体表示することができない。一
般にはホストコンピュータ3あるいは記録メディア4か
ら2次元画像データを転送する際の速度はメモリ63か
らDMD33に対して2次元画像データを供給する際の
速度に比べて低速であるため、高速回転するスクリーン
38の回転位置に応じた2次元画像データの供給が間に
合わないという事態が生じ、適切な立体表示ができなく
なるのである。
【0058】これに対して、60枚分以上のメモリサイ
ズがあれば、1シーンを構成する断面画像群についての
2次元画像データを全てメモリ63に格納しておくこと
ができるので、一旦メモリ63に全ての2次元画像デー
タを格納しておけば、このメモリ63からスクリーン3
8の回転位置に応じて2次元画像データを順次にDMD
33に与えることによって適切に立体画像の表示を行う
ことができるのである。
【0059】したがって、この実施形態において図7に
示すメモリ63は、1シーン分、すなわち、表示対象物
の立体画像を表示するのに必要な断面画像群の全ての2
次元画像データを記憶することができるメモリサイズを
有するように構成される。
【0060】図7の説明に戻り、システムコントローラ
64は、投影レンズ系51における像回転補償機構34
の回転動作及びモータ74の動作を制御するスクリーン
コントローラ72に対して駆動指令を与える。また、シ
ステムコントローラ64は白色光源41を駆動するドラ
イバ70の制御や、インタフェース66及びデータ伸張
器65を管理・制御してDMD駆動部60に対する2次
元画像データの供給状況等のDMDコントローラ62へ
の伝達等を行う。
【0061】また、システムコントローラ64はキャラ
クタジェネレータ69に対して液晶ディスプレイ21の
画面上に適切な文字や記号等を表示させるための指示を
与えるとともに、着脱可能な操作スイッチ22からの入
力情報をも入力することができるように構成されてい
る。操作スイッチ22と立体画像表示装置100とは赤
外線通信を行うように構成されており、立体画像表示装
置100側には赤外線通信用の送受信部75aとドライ
バ75bとを有し、操作スイッチ22側には送受信部7
6aとドライバ76bとを有している。
【0062】なお、2次元画像データに含まれる音声デ
ータは、データ伸張器65の内部に設けられた図示しな
いオーディオデコーダによって復元され、そこで得られ
た音声データはD/A変換器68aとアンプ部68bと
を経由してスピーカ25から出力される。また、電源6
7は図7に示す立体画像表示装置100の各部に対して
電源供給を行う。
【0063】図8は、図7に示した構成のうちの要部を
抜き出した図である。上述したように表示対象物の断面
画像を時々刻々と変化させて立体像の表示を行うために
メモリ63を設け、このメモリ63から2次元画像デー
タを読み出してそれをDMD33に供給するように構成
されている。メモリ63にはスクリーン38が回転する
際に表示対象物の立体画像を表示するのに必要な各角度
に対応する断面画像群を構成する全ての2次元画像デー
タがデータ伸張器65より供給されて格納される。そし
て、これら一連の断面画像群をスクリーン38の回転に
同期して順次かつ繰り返して投影することによって表示
対象物の静止画像を表示することができるのであるが、
この実施形態においては、一連の断面画像群を繰り返し
投影する際の繰り返しタイミングを所定のインターバル
でシフトさせていくことにより、回転スクリーンで表示
される立体画像を空間的に回転させていくように構成さ
れる。
【0064】DMDコントローラ62はメモリ制御部6
2aと位相時間設定部62bとを有している。メモリ制
御部62aはスクリーン38の回転に同期して読み出し
アドレスをメモリ63に送出する。つまり、メモリ制御
部62aはメモリ63の読み出し動作を制御する制御手
段として機能するのである。
【0065】位相時間設定部62bは操作スイッチ22
から予め設定入力されたシフト時間と規定回転回数とを
記憶保持しており、このシフト時間と規定回転回数とを
常にメモリ制御部62aに対して供給する。シフト時間
と規定回転回数とはそれぞれスクリーン38が所定回数
回転するごとにDMD33における断面画像の生成タイ
ミングをずらせる際のインターバルを定めるパラメータ
である。
【0066】そして、メモリ制御部62aは、位相時間
設定部62bから与えられるシフト時間と規定回転回数
とに基づいて、スクリーン38の回転角度ごとの断面画
像を生成するタイミングをずらしていくように構成され
ている。すなわち、メモリ制御部62aと位相時間設定
部62bとメモリ63とは一体となってスクリーン38
の所定回転回数ごとにDMD33における断面画像の生
成タイミングを調整するタイミング調整手段として機能
するのである。
【0067】既述したようにメモリ63にはスクリーン
38が回転する際の各角度に対応する断面画像群の2次
元画像データが格納されている。そして、スクリーン3
8の回転中においてスクリーン38の回転角度がある角
度を示すときに投影される断面画像が常に同じ断面画像
である場合には、立体像の回転は生じない。これに対し
て、タイミング調整手段の働きによってスクリーン38
の回転角度がある角度を示すときに投影される断面画像
をスクリーンの所定回転回数ごとにずらしていく(シフ
トさせていく)ように構成すれば、それによって静止す
る立体像が擬似的に回転しているかのような立体表示を
行うことができるのである。
【0068】例えば、図9および図10は立体像の回転
を説明する図である。図9および図10の(a)はこの
立体画像表示装置100の周囲の同一の位置から立体像
を見た際の概念図を示しており、(b)はこの立体画像
表示装置100の上方から見た際の概念図を示してい
る。
【0069】従来の装置では、スクリーンがある回転角
度に位置するときには常に同一の断面画像が投影されて
いたため、時間が経過してスクリーン38の回転回数が
累積していったとしても立体像は常に図9に示すような
同一の状態で表示され続ける。これに対して、立体画像
表示装置100がタイミング調整手段としての機能を有
している場合には、スクリーン38が所定回転回数を示
すごとにある回転角度に位置するときに表示する断面画
像をずらしていけば図10に示すように静止立体像が回
転するように表示することができるのである。例えば、
図10(b)に示すように最初の時刻t1において点線
で示すような状態で表示されていた立体像が時間の経過
とともに回転し、時刻t2においては時刻t1の状態か
ら幾分回転した立体像となる。なお、立体像が回転する
際の回転中心はスクリーン38の回転軸Zであることは
明らかである。
【0070】このような立体像を回転させるための詳細
な構成およびその動作について説明する。図11は、タ
イミング調整手段として機能する特徴的部分を示すもの
であり、立体像を回転させるための詳細な構成を示すブ
ロック図である。図11に示すようにメモリ制御部62
aはカウンタ81と読み出しアドレス発生部82とを備
えている。
【0071】カウンタ81は位置検出器73(図8参
照)からの回転位置情報を入力するとともに、位相時間
設定部62bからシフト時間と規定回転回数とを入力す
る。規定回転回数はスクリーン38が何回転したときに
断面画像の生成タイミングをずらせるかを示したインタ
ーバルに関するデータであり、シフト時間はスクリーン
38が規定回転回数に達したときに断面画像の生成タイ
ミングをずらせる際のシフト量を時間として示したデー
タである。
【0072】位置検出器73から得られる回転位置情報
には原点位置信号と回転位置信号とが含まれている。原
点位置信号はスクリーン38が1回転するごとに1個の
パルスを発生させる信号であり、回転位置信号はスクリ
ーン38の1回転をn分割(ただし、nは任意の自然
数)したものであって1回転ごとにn個のパルスをほぼ
等間隔で発生させる信号である。したがって、スクリー
ン38が1回転する間に回転位置信号が発生させるパル
ス数はn個として予め判っているので、カウンタ81は
回転位置信号のパルス数をカウントすることにより、ス
クリーン38の回転角度(位置)を検出することができ
る。
【0073】そして、カウンタ81はスクリーン38の
回転角度が任意の断面画像を投影するタイミングとなっ
たときに読み出しアドレス発生部82に対してアドレス
発生のタイミングを送出する。また、カウンタ81はシ
フト手段としても機能し、スクリーン38が規定回転回
数に相当する回転を行うごとに読み出しアドレス発生部
82における読み出しアドレスの発生タイミングをシフ
ト時間に応じてずらせるように構成されている。
【0074】読み出しアドレス発生部82は、カウンタ
81から送られてくるタイミングに応じて2次元画像デ
ータの読み出しアドレスを発生し、それをメモリ63に
与える。その結果、メモリ63からは読み出しアドレス
で指定される2次元画像データがDMD33に供給さ
れ、DMD33で生成される断面画像がスクリーン38
に投影されるのである。したがって、カウンタ81によ
って読み出しアドレスの発生タイミングがずらされた場
合には読み出しアドレス発生部82での読み出しアドレ
スの発生タイミングがシフトすることになり、スクリー
ンの投影される断面画像の表示タイミングも時間的にシ
フトする。
【0075】このようなタイミング調整手段としての動
作を詳細に説明する。なお、以下の説明においては説明
内容を簡単にするために、規定回転回数が1回転として
定められており、かつ、スクリーン38が1回転する間
に表示される断面画像の数が回転位置信号のパルス数と
同じn個であると仮定する。
【0076】図12は、位置検出器73から得られる回
転位置情報とメモリ63から読み出される2次元画像デ
ータの関係を示すタイミング図である。なお、図12に
おいてθ0,θ1,…は1シーンを構成する断面画像そ
れぞれの2次元画像データをスクリーン38の回転に伴
って表示される順序で示したものである。また、図12
(a)はシフト時間Δt=0の場合を、図12(b)は
シフト時間Δt>0の場合を、図12(c)はシフト時
間Δt<0の場合をそれぞれ示している。
【0077】まず、図12(a)に示すようにシフト時
間Δt=0の場合には、スクリーン38の回転回数が1
回転を示しても読み出しアドレス発生部82における読
み出しアドレスの発生タイミングはシフトしないので、
スクリーン38がある回転角度を示すときには常に同じ
断面画像が投影され、立体表示される画像は通常の静止
画像となる。つまり、シフト時間Δt=0のときは静止
表示モードとなり、従来の装置と同様に静止した立体画
像が表示されるのである。
【0078】この静止表示モードでは、カウンタ81は
位置検出器73から得られる回転位置信号をカウントし
ていき、1回転分(規定回転回数として定められた回転
数分)のn個のパルスをカウントしたときにカウント動
作をリセットし、その直後から再びカウント動作を繰り
返す。そして、カウンタ81は回転位置信号の1パルス
をカウントするごとに読み出しアドレスの発生させるタ
イミング信号を読み出しアドレス発生部82に送出する
のである。
【0079】この結果、メモリ63からは2次元画像デ
ータθ0,θ1,…,θnが順次に読み出されるととも
に、スクリーン38の回転回数が累積していったとして
もスクリーン38がある回転角度に位置するときに投影
される断面画像は常に同一であるため立体画像は静止し
た状態で表示される。
【0080】なお、カウンタ81がカウント動作をリセ
ットして次のタイミング信号を送出するときには繰り返
し表示される1シーンの最初の断面画像に対応する2次
元画像データθ0を読み出させるための強制指令も同時
に送出する。
【0081】次に、図12(b)に示すようにシフト時
間Δt>0の場合には、スクリーン38の回転回数が1
回転を示したときから、読み出しアドレス発生部82に
おける読み出しアドレスの発生タイミングはシフト時間
Δtに応じた時間だけ時間後方側にシフトされる。この
ため、スクリーン38が1回転目のある回転角度を示す
ときに投影された断面画像は、2回転目においては同じ
回転角度を示すときには投影されず、スクリーン38の
回転方向にシフト時間Δtだけ遅れた位置で投影され
る。そしてこの断面画像は、さらに3回転目では2回転
目に投影された位置からシフト時間Δtだけ遅れた位置
で投影される。以降、スクリーン38が回転を重ねても
同様に、ある断面画像は前回の回転時に投影された位置
からシフト時間Δtだけ遅れた位置で投影されることに
なる。つまり、シフト時間Δt>0のときは第1の回転
表示モードとなり、立体表示される立体画像はスクリー
ン38の回転方向に向かってしだいに回転していくこと
になる。
【0082】この第1の回転表示モードでは、カウンタ
81は位置検出器73から得られる回転位置信号をカウ
ントしていき、1回転分(規定回転回数として定められ
た回転数分)のn個のパルスをカウントしたときにカウ
ント動作をリセットし、そのときからシフト時間Δtの
間はカウント動作を停止する。そして、カウント動作の
リセットからシフト時間Δtが経過した後に再びカウン
ト動作を繰り返す。そして、静止表示モードの場合と同
様に、カウンタ81は回転位置信号の1パルスをカウン
トするごとに読み出しアドレスの発生させるタイミング
信号を読み出しアドレス発生部82に送出するのであ
る。
【0083】このためメモリ63からは2次元画像デー
タθ0,θ1,…,θnが順次に読み出されていくので
あるが、繰り返し表示される1シーンの最初の断面画像
(2次元画像データθ0に対応する断面画像)の投影さ
れるタイミングが1回転ごとにシフト時間Δtで定めら
れる一定時間ずつ遅延されていくことになる。そして、
この遅延される間もスクリーン38は回転し続けている
ため、遅延された後に表示される各断面画像は前回の回
転時において投影された位置とは異なった位置で投影さ
れることになる。この結果、立体表示される立体画像は
スクリーン38の回転方向に向かって回転するのであ
る。
【0084】次に、図12(c)に示すようにシフト時
間Δt<0の場合には、スクリーン38の回転回数が1
回転を示すときから読み出しアドレス発生部82におけ
る読み出しアドレスの発生タイミングはシフト時間Δt
に応じた時間だけ時間前方側にシフトされる。
【0085】つまり、スクリーン38が1回転目のある
回転角度を示すときに投影された断面画像は、2回転目
においては同じ回転角度を示すときには投影されず、ス
クリーン38の回転方向とは反対方向にシフト時間Δt
だけ進んだ位置で投影される。このため、スクリーン3
8が1回転する際に投影するn個の断面画像の全てを1
シーンとして投影することができない可能性が生じる。
この場合には、n個の断面画像のうちのシーン後方の断
面画像を切り捨てる。シフト時間Δtはスクリーン38
の1回転に要する時間に比べて十分に小さいのでシーン
後方の断面画像を切り捨てても大きな問題は生じないか
らである。そして、スクリーン38が1回転に要する時
間からシフト時間Δtだけ早いタイミングにおいて1シ
ーンの最初の断面画像の投影を繰り返すのである。
【0086】このようにすると、スクリーン38が回転
を重ねていくと、ある断面画像は前回の回転時に投影さ
れた位置からシフト時間Δtだけ早いタイミングとなる
位置で投影されることになる。すなわち、シフト時間Δ
t<0のときは第2の回転表示モードとなり、立体表示
される立体画像はスクリーン38の回転方向とは反対方
向に向かってしだいに回転していくことになる。
【0087】スクリーン38が等速回転を行っていると
き、スクリーン38の1回転に要する時間は予め知るこ
とができる。この第2の回転表示モードでは、カウンタ
81は位置検出器73から得られる回転位置信号をカウ
ントしていき、1回転(規定回転回数として定められた
回転数)するタイミングよりもシフト時間Δtだけ早い
タイミングとなったときにカウント動作をリセットし、
その直後から再びカウント動作を繰り返す。そして以後
同様に、カウント動作を再開したときから1回転するタ
イミングよりもシフト時間Δtだけ早いタイミングとな
ったときにカウント動作のリセットと再開とを繰り返
す。
【0088】カウンタ81は回転位置信号の1パルスを
カウントするごとに読み出しアドレスの発生させるタイ
ミング信号を読み出しアドレス発生部82に送出する。
【0089】ここで、カウンタ81はカウント動作をリ
セットして次のタイミング信号を送出するときには繰り
返し表示される1シーンの最初の断面画像に対応する2
次元画像データθ0を読み出させるための強制指令も同
時に送出するため、1シーンを構成する全ての断面画像
の投影が終了していない場合でも強制的に1シーンの最
初の断面画像(2次元画像データθ0に対応する断面画
像)がスクリーン38に投影されるのである。
【0090】このためメモリ63からは2次元画像デー
タθ0,θ1,…が順次に読み出されていくのである
が、繰り返し表示される1シーンの最初の断面画像(2
次元画像データθ0に対応する断面画像)の投影される
タイミングが1回転ごとにシフト時間Δtで定められる
一定時間ずつ早いタイミングに進められていくことにな
る。この結果、立体表示される立体画像はスクリーン3
8の回転方向とは反対方向に向かって回転するのであ
る。
【0091】このようなタイミング調整の結果、1回転
(規定回転回数として定められた回転数)ごとに各断面
画像が投影されるタイミングは図13に示すようにな
る。図13において(a)は静止表示モード、(b)は
第1の回転表示モード、(c)は第2の回転表示モード
である。
【0092】まず、図13(a)に示すようにシフト時
間Δt=0の場合には、スクリーン38の回転回数が累
積していっても、スクリーン38がある回転角度にある
ときに投影される断面画像は常に同一のものである。し
たがって、この場合は立体画像は回転せずに静止した状
態で表示される。
【0093】また、図13(b)に示すようにシフト時
間Δt>0の場合には、スクリーン38の回転回数が1
回転するごとにシフト時間Δtに相当する時間だけ繰り
返しの1シーンの最初の断面画像が投影されるタイミン
グが遅延されるので、立体画像はスクリーン38の回転
方向に向かって回転していく。
【0094】さらに、図13(c)に示すようにシフト
時間Δt<0の場合には、スクリーン38の回転回数が
1回転するごとに繰り返しの1シーンの最初の断面画像
が投影されるタイミングがシフト時間Δtに相当する時
間だけ早いタイミングとされるので、立体画像はスクリ
ーン38の回転方向とは反対方向に向かって回転してい
く。
【0095】なお、第2の回転表示モードの場合は、繰
り返しシーンの最初の断面画像を投影するタイミングを
全ての断面画像の投影が終了するタイミングよりも早い
タイミングに設定されるので、シーン後方の断面画像は
スクリーン38に投影されることがない。このため、第
2の回転表示モードでは立体表示を行う際の解像度が若
干低下する。これに対して、第1の回転表示モードの場
合は、繰り返しシーンの最初の断面画像を投影するタイ
ミングを遅延させるものであるので、立体画像を回転さ
せても1シーンに含まれる全ての断面画像群を投影させ
ることができ、立体表示を行う際の解像度の低下を招く
ことがない。このことから第1と第2の回転表示モード
を比較すると、第1の回転表示モードのように繰り返し
シーンの投影タイミングを遅延させることがより好まし
い形態である。
【0096】以上の説明においては予め設定されている
規定回転回数が「1回転」である場合を例示したが、規
定回転回数は任意の回転数を設定することができる。例
えば、規定回転回数を2回転,3回転,…として設定し
た場合には、第1および第2の回転表示モードでシフト
時間Δtに応じた時間がシフトされる周期を変更するこ
とができるので、立体画像が回転する速度を調整するこ
とが可能になる。
【0097】また、位相時間設定部62bからカウンタ
81に導かれるシフト時間は所定のパルス信号であり、
設定されるシフト時間に応じてそのパルス数を増減させ
ることによって、図12と図13とに示したシフト時間
Δtを可変させることができる。そして、このシフト時
間Δtを可変させることによっても立体画像が回転する
速度を調整することが可能になる。
【0098】したがって、操作スイッチ22からの操作
入力によって位相時間設定部62bに記憶保持されるシ
フト時間または規定回転回数を変更することによって、
スクリーン38が所定回数回転するごとにDMD33に
おける一連の断面画像の繰り返しタイミングをずらせる
際のインターバルを変更することができ、それによって
立体画像の回転速度を調整することが可能になる。
【0099】次に、断面画像に関する2次元画像データ
の生成について説明する。図14は図7のホストコンピ
ュータ3における機能構成を示すブロック図である。ホ
ストコンピュータ3のCPU3aは、立体データ記憶部
91、立体表示条件入力部92、断面画像演算部93と
して機能する。そして、表示対象物の3次元画像データ
から、スクリーン38の回転角度に対応させた断面画像
ごとに2次元画像データを導出し、当該データを立体画
像表示装置100側に供給する。
【0100】立体データ記憶部91は表示対象物の3次
元画像データを記憶する。ここで記憶される3次元画像
データは表示対象物の動画像についてのデータである。
一例を挙げると、表示対象物の初期状態から最終状態に
至るまでの各形態をそれぞれ1つの3次元画像データと
して立体データ記憶部91に格納することによって、表
示対象物の動画像に関する3次元画像データを記憶させ
ておくことができる。
【0101】また、記憶されている表示対象物をどのよ
うな大きさや姿勢で表示するかについての表示条件等を
設定する立体表示条件入力部92が設けられ、立体デー
タ記憶部91から読み出される3次元画像データと、立
体表示条件入力部92から与えられる表示条件に基づい
て、所定の角度刻みごとに表示対象物を切断した断面画
像の2次元画像データを断面画像演算部93で導出す
る。
【0102】図15は、断面画像演算部93において行
われる3次元画像データから2次元画像データへの変換
過程を示す図である。まず、図15(a)のような表示
対象物の3次元画像データに対して、回転表示を行う際
の中心軸となる回転軸を設定する。この状態が図15
(b)である。そして、3次元画像データを1回転で何
分割するかを設定し、図15(c)に示すように分割数
に応じて表示対象物をほぼ均等な角度ごとに放射状に切
断する。この切断によって導かれる表示対象物の断面像
を画像データとして表現することにより、図15(d)
に示すような所定角度ごとに切断された表示対象物の断
面画像に関する2次元画像データが生成される。
【0103】図15(d)に示すような1回転する際に
表示対象物の立体画像を表示するのに必要な断面画像群
の全ての2次元画像データが1シーン分の2次元画像デ
ータとなる。この1シーン分の2次元画像データに基づ
いて立体表示を行うことにより、表示対象物の立体画像
を投影することができるのである。
【0104】なお、導出された2次元画像データは必要
に応じてMPEG2等の方式によりデータ圧縮が行われ
る。
【0105】<D.投影像の補正>次に、投影像の補正
の必要性について説明する。投影像を補正することが必
要な点として、2つの点がある。第1には、スクリーン
38への断面画像の投影においてスクリーン38の上方
と下方との間での光路長の相違による断面画像のひずみ
を補正することである。第2には、スクリーン38を1
80゜回転させた時点で1回の体積走査が完了するよう
にした場合に、スクリーン38の投影面が観察者に対し
て前面側にあるときと裏面側にあるときとで、投影する
断面画像を左右反転させることである。
【0106】まず、第1の投影像の補正について説明す
る。立体画像表示装置100においては立体像の観察に
際して観察者の視線を防げないために、図4に示すよう
に、投影ミラー37はスクリーン38の正面よりも斜め
下方にずらした位置に配置されている。従ってスクリー
ン38の上方と下方とで光路長が異なり、スクリーン3
8の下方に比べて上方では断面像が相対的に大きく拡大
されて投影されることになる。この状態では立体像がい
びつになるので、投影像のスケールの差違を補正する必
要がある。
【0107】投影像の補正方法の一例としては、DMD
33で生成される断面画像に、予め像の上方と下方とで
スケールに差を与える補正を施す方法がある。具体的に
は、実際に投影したい断面画像P3が図16(a)に示
すような矩形環状であるとき、DMD33で生成される
断面画像P4は、図16(b)に示すように下方に比べ
上方でスケールを縮小した台形環状の像となるようにD
MD33に与える2次元画像データを補正しておく。こ
の補正を行う補正手段としては、ホストコンピュータ3
側で2次元画像データを生成する際に下方に比べて上方
のスケールを縮小するようにしてホストコンピュータ3
自体を補正手段としてもよく、また図7に示すデータ伸
張器65において伸張を行う際に補正するようにしてデ
ータ伸張器65を補正手段としてもよく、さらにはデー
タ伸張器65の後段側に上記のような補正を行う補正手
段を単体で設けてもよい。なお、スケールの縮小率は、
スクリーン38への投影の際の拡大係率を打ち消すよう
に設定することが好ましいため、補正手段は立体画像表
示装置100側に設けることが好ましい。
【0108】また、投影像の補正方法の他の例として
は、例えば、光軸に対して非対称な屈折特性を有するレ
ンズ系(上方側には倍率が小さく、下方側には倍率が大
きくなるレンズ系)を投影光学系に配置する方法があ
る。この場合、当該レンズ系は、投影ミラー36と投影
ミラー37の間、投影ミラー37とスクリーン38との
間、DMD33と像回転補償機構の間に配設することが
できる。
【0109】また、投影ミラー36と投影ミラー37の
いずれかを上方側に投影される光に対しては像を縮小
し、下方側に投影される光に対しては像を拡大するよう
な複数の曲率を有する曲面ミラーにする方法を採用して
も良い。なお、投影ミラー36と投影ミラー37をとも
に曲面ミラーにして、最終的にスクリーン38に投影す
る際に、上方側に投影される光に対しては像を縮小し、
下方側に投影される光に対しては像を拡大するようにし
ても良い。
【0110】次に、第2の投影像の補正について説明す
る。スクリーン38が360°回転する際に投影する断
面画像群の全ての2次元画像データをメモリ63に格納
し、スクリーン38の360°回転を1回の体積走査と
する場合はスクリーン38の投影面が観察者に対して前
面側と裏面側のいずれにあるときでも適切な断面画像の
投影を行うことができる。
【0111】しかしながら、スクリーン38が180°
回転する際に投影する断面画像群の2次元画像データを
メモリ63に格納し、スクリーン38の180°回転を
1回の体積走査とする場合はスクリーン38上に非回転
対称の立体像を投影する際には投影面が前面側にあると
きと裏面側にあるときとで断面画像を左右反転させるこ
とが必要になる。なぜなら、例えば表示対象物としてコ
ーヒーカップの立体像を表示させようとして左右反転を
行わない場合には表示対象物のコーヒーカップには取っ
手部分が1つしかないにもかかわらず、立体表示される
表示像には回転軸に対して対称な位置関係に2つの取っ
手部分が表示されることになるからである。
【0112】この左右反転を行う方法の一例として、メ
モリ63からDMD33に対して2次元画像データを供
給する際におけるメモリ63の読み出しアドレスをスク
リーン38の回転角度に応じて切り換える方法がある。
この方法では、スクリーン38が180°回転するごと
に断面画像を反転させるために、断面画像における水平
方向についてのデータ読み出し順序を切り換えるだけで
よく、断面画像の垂直方向については変更する必要がな
い。
【0113】例えば、断面画像の大きさが図6に示した
ような256画素(水平方向)×256画素(垂直方
向)である場合、メモリ63から2次元画像データを読
み出す際の水平アドレスは8ビットとなり、水平方向の
0番目〜255番目までの画素を指定することができ
る。そして、図8に示したメモリ制御部62aが位置検
出器73から得られるスクリーン38の回転角度に応じ
てメモリ63からDMD33に与える2次元画像データ
の水平方向の読み出し順序を切り換える。
【0114】図17は、スクリーン38の回転角度θに
応じてメモリ63からの読み出し順序を示す図である。
図17に示すように、メモリ63にはスクリーン38が
180°回転する際に投影する断面画像群としてn枚分
の2次元画像データが格納される。そして図17(a)
に示すようにスクリーン38の回転角度θが0°≦θ<
180°の範囲内である場合には、n枚分の2次元画像
データはそれぞれ水平方向の右方向に順次1画素ずつの
画像データD0、D1、D2、…、D255が読み出さ
れてDMD33に供給される。これに対し、図17
(b)に示すようにスクリーン38の回転角度θが18
0°≦θ<360°の範囲内である場合には、n枚分の
2次元画像データはそれぞれ水平方向の左方向に順次1
画素ずつの画像データD255、D254、D253、
…、D0が読み出されてDMD33に供給される。
【0115】つまり、スクリーン38の回転角度θが0
°≦θ<180°の範囲内である場合には第1の読み出
しモードとして2次元画像データのそれぞれの画像デー
タを回転軸Zに直交する水平方向の右方向に順次読み出
していくのに対し、スクリーン38の回転角度θが18
0°≦θ<360°の範囲内である場合には第2の読み
出しモードとして2次元画像データのそれぞれの画像デ
ータを回転軸Zに直交する水平方向の左方向に順次読み
出していくのである。
【0116】このような読み出し順序を切り換えるため
の制御機構の一例を図18に示す。図18には図11に
示した読み出しアドレス発生部82の詳細構成を示して
いる。図18に示すように読み出しアドレス発生部82
は第1アドレス発生部82aと第2アドレス発生部82
bとアドレス選択部82cと閾値格納部82dと比較部
82eとを備える。第1アドレス発生部82aはスクリ
ーン38の回転角度θが0°≦θ<180°の範囲内に
あるときの読み出しアドレスを発生し、第2アドレス発
生部82bはスクリーン38の回転角度θが180°≦
θ<360°の範囲内にあるときの読み出しアドレス
(すなわち第1アドレス発生部82aで発生される水平
方向の読み出し順序を逆順序に設定した読み出しアドレ
ス)を発生する。第1アドレス発生部82aおよび第2
アドレス発生部82bは双方ともカウンタ81から得ら
れるタイミング信号に基づいてスクリーン38の現在位
置に適した断面画像を特定してその2次元画像データを
読み出すための読み出しアドレスを常時発生させる。
【0117】図19はこれらのアドレス発生部82a,
82bで発生される8ビットの水平アドレス信号の一例
を示す図である。図19において、(a)は第1アドレ
ス発生部82aで発生されるアドレス信号を示してお
り、(b)は第2アドレス発生部82bで発生されるア
ドレス信号を示している。なお、図19(a),(b)
においてA0〜A7はビット単位ごとの信号を示してい
る。
【0118】図19に示すように、スクリーン38の回
転角度が0°≦θ<180°の範囲内にあるときと18
0°≦θ<360°の範囲内にあるときとでは各ビット
信号A0〜A7はレベル反転した関係にある。この結
果、0°≦θ<180°の範囲内にあるときには図17
(a)に示した順序で1画素ごとのデータが読み出され
ていき、180°≦θ<360°の範囲内にあるときに
は図17(b)に示した順序で1画素ごとのデータが読
み出されていく。なお、図19に示すように2次元画像
データの2ライン目以降についても1ライン目と同様の
読み出し手順(方向)で読み出しアドレスを設定する。
【0119】このようにして第1アドレス発生部82a
と第2アドレス発生部82bとの双方で発生された読み
出しアドレスはアドレス選択部82cに導かれる。
【0120】一方、カウンタ81は位置検出器73から
得られる回転位置信号をそのまま比較部82eに送出す
る。また、閾値格納部82dにはスクリーン38が18
0°回転するときに発生される回転位置信号のパルス数
が閾値として格納されている。例えば、スクリーン38
が1回転するときに回転位置信号がn個のパルスを発生
させる場合には、閾値格納部82dには「n/2」が閾
値として格納されている。そして、この閾値は比較部8
2eに送出される。
【0121】比較部82eは、カウンタ81から得られ
る回転位置信号のパルスをカウントし、カウント数と閾
値格納部82dから送られてくる閾値とを比較する。そ
して、カウント数が閾値と一致したときにはスクリーン
38が180°回転したことになるので、比較部82e
はアドレス選択部82cに対して第1と第2とのアドレ
ス発生部82a,82bで発生される読み出しアドレス
の選択を切り換えるように選択指令を送出する。
【0122】そして、アドレス選択部82cでは比較部
82eからの選択指令に応じてメモリ63に与える読み
出しアドレスを第1アドレス発生部82aで発生された
ものと第2アドレス発生部82bで発生されたものとで
交互に切り換える。
【0123】この結果、スクリーン38の回転角度θが
0°≦θ<180°の範囲内にある場合には第1アドレ
ス発生部82aで発生されたアドレス信号(図19
(a)参照)がメモリ63に与えられ、また、180°
≦θ<360°の範囲内にある場合には第2アドレス発
生部82bで発生されたアドレス信号(図19(b)参
照)がメモリ63に与えられる。
【0124】以上のような構成を採用することにより、
メモリから2次元画像データを読み出す際に断面画像の
水平方向に相当する読み出し順序をスクリーン38の回
転角度に応じて反転させる(切り換える)ことが可能に
なる。この結果、DMD33に与えられる2次元画像デ
ータはスクリーン38の180°回転ごとに左右の反転
されたデータとなり、スクリーン38上に投影される断
面画像も180°回転ごとに左右反転が行われる。この
結果、スクリーン38の180°回転を1回の体積走査
とする場合における断面画像の左右反転を実現すること
が可能になり、投影像の補正が良好に行えるのである。
【0125】<E.特徴的作用効果>以上説明したよう
に、この実施形態における立体画像表示装置において
は、表示対象物を異なる角度で放射状に切断した断面群
での一連の断面画像群をスクリーン38の回転に同期し
て順次かつ繰り返して生成するにあたって、一連の断面
画像群を生成するタイミングを継続的に調整することに
より、立体画像の向きを任意の方向に向けて回転表示さ
せるように構成されているため、表示対象物の周囲から
みた立体像を観察者が移動することなく同一視点から視
認することが可能になる。
【0126】より具体的には、表示対象物を異なる角度
で放射状に切断した断面群での一連の断面画像群をスク
リーン38の回転に同期して繰り返して生成する際にお
ける繰り返しタイミングを所定のインターバルでシフト
させ、それによって立体画像を空間的に回転させること
で、立体画像表示装置の周囲の一点から立体像を観察し
ていても、立体画像が空間的に回転するので、観察者が
移動することなく同一視点から立体像の全周を視認する
ことが可能になる。
【0127】また、一連の断面画像群を発生する際にお
ける繰り返しタイミングを、スクリーン38の所定の回
転回数ごとにずらしていくように構成されているため、
適切な立体画像の表示を維持しつつその立体画像を回転
させることができる。
【0128】また、タイミング調整手段として、一連の
断面画像群に関する2次元画像データ群を記憶するメモ
リ63と、2次元画像データ群の読み出しアドレスを発
生してメモリ63に供給することにより、メモリ63か
ら2次元画像データをDMD33に与えるメモリ制御部
62aとを備えており、スクリーン38の所定の回転回
数ごとに、メモリ制御部62aにおける読み出しアドレ
スの発生タイミングを所定のシフト時間に応じてずらせ
るように構成されているので、立体画像の回転を行わせ
るための特別な機構部を設けることなく、比較的簡単な
構成で立体画像の回転を行うことが可能になる。
【0129】さらに、操作スイッチ22からの操作入力
に応じて上記のインターバルを変更するように構成され
ているので、立体画像の回転する速度調整を行うことも
可能である。
【0130】<<第2の実施の形態>>次に、第2の実
施の形態について説明する。上記第1の実施の形態にお
いては、シフト時間Δtに基づいて立体像を回転させる
形態について説明したが、このシフト時間Δtに基づい
て立体像の回転表示を行う技術を適用すれば、立体像を
任意の方向に向けて表示することが可能になる。
【0131】この実施の形態では、位相時間設定部62
bに設定されるΔtを、立体像の表示中に、手動操作に
応じて変更するいくつかの構成例について説明する。な
お、基本となる動作概念等は第1の実施の形態で説明し
たものと同様である。また、以下の構成例においては、
システムコントローラ64もタイミング調整手段の一部
として機能することになる。
【0132】<A.第1の構成例>まず、第1の構成例
について説明する。操作スイッチ22における複数のボ
タンのうち少なくとも2つのボタンに対して、それぞれ
右方向回転ボタンとしての機能および左方向回転ボタン
としての機能を設定する。そして、立体像の表示中に、
観察者が操作スイッチ22における回転ボタンを操作
し、そのボタン操作が行われている間だけ立体像を回転
させる一方、ボタン操作が停止されると立体像の回転を
停止させるというように立体画像表示装置100を構成
することができる。具体的には、システムコントローラ
64が操作スイッチ22における右方向回転ボタンまた
は左方向回転ボタンのいずれのボタンが操作されたかを
判断し、その方向に応じて位相時間設定部62bのシフ
ト時間Δtに所定時間Tまたは−Tを設定するのであ
る。
【0133】図20は、このシステムコントローラ64
の動作手順を示すフローチャートであり、システムコン
トローラ64の動作中において定期的に実行される処理
シーケンスである。ステップS101においてシステム
コントローラ64が操作スイッチのうちの右方向回転ボ
タンまたは左方向回転ボタンのいずれかがボタン操作さ
れたか否かを判断し、「YES」であればステップS1
02にて、いずれの回転ボタンが操作されたかを判断す
ることによって回転方向を特定する。そして、左方向回
転であれば、ステップS103にてシフト時間Δtに対
して所定時間Tを設定する。一方、右方向回転であれ
ば、ステップS104にてシフト時間Δtに対して所定
時間−Tを設定する。ステップS103,S104にお
けるシフト時間Δtの設定により、立体像が回転を開始
する。そしてその後、ボタン操作が停止されると、ステ
ップS105にてシフト時間Δtが0に設定されること
になり、立体像の回転が停止するのである。つまり、こ
のような構成にすることで、観察者が希望する任意の方
向に立体像の所定部分を向けることが可能になるのであ
る。なお、右方向回転ボタンおよび左方向回転ボタンと
しての機能をジョイスティック等によって実現してもよ
い。
【0134】<B.第2の構成例>次に、第2の構成例
について説明する。この構成例では、観察者が操作スイ
ッチ22より直接的に回転角を入力し、システムコント
ローラ64がその回転角からシフト時間Δtを演算によ
って求め、そのシフト時間Δtを位相時間設定部62b
に設定するように構成される。上記第1の構成例では、
観察者が操作スイッチ22を操作している間、立体像が
徐々に回転していき、立体像の向きが観察者の希望する
方向に達したときに観察者が操作を停止すれば、立体像
の回転も停止する。これに対して、この第2の構成例で
は、立体像の向きを瞬時に切り換えることが可能になる
のである。
【0135】具体的には、位相時間設定部62bはシス
テムコントローラ64から与えられるシフト時間Δtの
値をスクリーン38が1回転する時間だけ有効な値とし
て保持し、スクリーン38が2回転目に入るとシフト時
間Δtを0に初期化するのである。つまり、この構成例
においては、シフト時間Δtに基づく立体像の回転は、
回転するスクリーン38の1回転(1周期)のみに対し
て行われ、その回転時に立体像の向きが瞬時に変更され
るのである。そしてその直後、シフト時間Δtは位相時
間設定部62bにおいて0に初期化され、立体像の向き
は変更された状態で静止する。
【0136】図21は、このシステムコントローラ64
の動作手順を示すフローチャートであり、観察者によっ
て回転角の入力が行われた場合に実行される処理シーケ
ンスである。観察者によって回転角が入力されると、シ
ステムコントローラ64は入力された回転角を時間Tに
変換する(ステップS110)。この時間Tは、スクリ
ーン38が所定の回転速度で回転するときに、入力され
た回転角だけ回転するのに要する時間である。そして、
システムコントローラ64はステップS110で得られ
た時間Tを位相時間設定部62bのシフト時間Δtとし
て設定する(ステップS112)。以上のような処理を
システムコントローラ64が行うとともに、位相時間設
定部62bが1回転した後にシフト時間Δtを0に初期
化するように構成することで、立体像の向きを瞬時に切
り換えることが可能になるのである。
【0137】<C.第3の構成例>次に、第3の構成例
について説明する。この構成例では、表示される立体像
の正面方向が予め設定されている。また、図22に示す
ように立体画像表示装置100におけるハウジング20
の周囲には全周にわたって、ほぼ等間隔に複数の操作ボ
タン22a〜22eが配置されている。この構成例で
は、観察者が操作ボタン22a〜22eのうちの任意の
ボタンを操作することにより、そのボタンの配置された
方向に立体像の正面方向が一致するように構成される。
具体的には、操作ボタン22aには方向F1が、操作ボ
タン22bには方向F2が、操作ボタン22cには方向
F3が、操作ボタン22dには方向F4が、操作ボタン
22eには方向F5がそれぞれ対応づけられており、例
えば予め設定されている立体像の正面方向がF2方向で
あるとすると、観察者が操作ボタン22cを操作したと
きには、立体像の正面方向がF3方向に瞬時に変更され
るのである。
【0138】具体的には、観察者によって操作ボタン2
2a〜22eのいずれかが操作されると、システムコン
トローラ64が操作された操作ボタンの方向と現在の立
体像の正面方向との角度差を計算し、その角度差を時間
に変換してシフト時間Δtとして位相時間設定部62b
に与える。位相時間設定部62bはシステムコントロー
ラ64から与えられるシフト時間Δtの値をスクリーン
38が1回転する時間だけ有効な値として保持し、スク
リーン38が2回転目に入るとシフト時間Δtを0に初
期化するのである。つまり、この構成例においても、シ
フト時間Δtに基づく立体像の回転は、回転するスクリ
ーン38の1回転(1周期)のみに対して行われ、その
回転時に立体像の向きが瞬時に変更されるのである。そ
してその1回転の後、シフト時間Δtは位相時間設定部
62bにおいて0に初期化され、立体像の向きは変更さ
れた状態で静止する。
【0139】図23は、この構成例におけるシステムコ
ントローラ64の動作手順を示すフローチャートであ
り、観察者によって操作ボタン22a〜22eの操作が
行われた場合に実行される処理シーケンスである。観察
者によって操作ボタンが操作されると、システムコント
ローラ64は操作された操作ボタンの位置から観察者の
位置する方向と現在の立体像の正面方向との角度差を算
出する(ステップS120)。そして、この角度差を時
間Tに変換する(ステップS121)。そして、ステッ
プS121で得られた時間Tを位相時間設定部62bの
シフト時間Δtとして設定する(ステップS122)。
以上のような処理をシステムコントローラ64が行うと
ともに、位相時間設定部62bが1回転した後にシフト
時間Δtを0に初期化するように構成することで、立体
像の向きを瞬時に切り換えることが可能になるのであ
る。
【0140】以上のような各構成例を適用することで、
立体像を観察者の希望する方向に向けて表示することが
可能になるのである。
【0141】<D.特徴的作用効果>以上説明したよう
に、この実施形態における立体画像表示装置において
は、操作スイッチ22や立体画像表示装置100のハウ
ジング20周囲全周にほぼ等間隔で設けられた複数の操
作ボタン22a〜22e等の操作入力手段からの入力に
基づいて、立体像を観察者の希望する方向に向けて表示
することが可能なように実現される。また、タイミング
調整手段が、操作入力手段からの入力に基づいて、一連
の断面画像群を生成するタイミングを一時的に調整する
(上記構成例においては、スクリーン38が1回転する
時間だけ有効にする)ことにより、立体画像の向きを任
意の方向に向けて表示させるように構成されているの
で、観察者の希望する方向に立体像を瞬時に向けること
が可能になっている。
【0142】<<第3の実施の形態>>次に、第3の実
施の形態について説明する。上記第2の実施の形態で
は、観察者が操作入力手段を介して、手動操作で立体像
を任意の方向に向ける実施形態について説明したが、こ
の実施の形態では立体画像表示装置100にて立体画像
を観察する観察者の位置する方向を自動的に特定し、そ
の特定された方向に対して立体像を任意の方向に向ける
ことで、観察者による手動操作を必要としない実施形態
について説明する。なお、この実施の形態においても基
本となる動作概念等は第1の実施の形態で説明したもの
と同様である。
【0143】<A.観察者の位置する方向を特定するた
めの構成>まず、この実施の形態における観察者の位置
する方向を特定するための構成について説明する。この
実施の形態の立体画像表示システム1では、上述の立体
画像表示装置100に対して、観察者の位置を検出する
検出手段として機能するカメラが設けられる。
【0144】図24は、カメラ10と立体画像表示装置
100との設置関係の一例を示す図である。カメラ10
は、立体画像表示装置100が設置される部屋5の天井
部分5aに設置される。立体画像表示装置100は部屋
5の中央に設置され、カメラ10はその視野範囲のほぼ
中心に立体画像表示装置100を撮像することができる
ように設置される。カメラ10の視野範囲は、部屋5内
の任意の位置の観察者を撮像することができるように設
定することが望ましい。そして、カメラ10によって得
られる画像データは伝送線11を介して立体画像表示装
置100に導かれる。なお、ホストコンピュータ3は部
屋5内に設置されてもよいし、外部に配置されてもよ
い。
【0145】図25は、この実施の形態における立体画
像表示システム1の機能構成を示すブロック図であり、
図7にて説明したものと同一符号を付しているものにつ
いては、既述した内容と同様であるので、ここではそれ
らについての説明を省略する。
【0146】システムコントローラ64は、カメラ10
から得られる画像に基づいて立体画像表示装置100に
対する観察者の位置する方向を特定し、それによって立
体画像の特定部分(例えば正面部分)をスクリーン38
の周囲のどの方向に向けて立体表示を行うかを特定す
る。したがって、カメラ10とシステムコントローラ6
4とは、一体となって、立体画像を観察する観察者の位
置する方向を特定する観察方向特定手段として機能する
ことになる。
【0147】<B.立体表示>上記のような構成での立
体画像の表示形態を説明する。図26は、カメラ10と
システムコントローラ64とが観察方向特定手段として
機能する際の観察者の位置を特定するための概念を示す
図である。図26(a)は部屋5内に観察者がいない状
態でカメラ10が取り込んだ画像G10を示しており、
その中央部分には立体画像表示装置100を上方側から
撮像した画像が含まれる。また、図26(b)は複数の
観察者が部屋5内に存在する状態でカメラ10が取り込
んだ画像G20を示しており、図26(c)はシステム
コントローラ64によって生成される観察者特定のため
の画像G30を示している。
【0148】まず、図26(a)に示すようにシステム
コントローラ64は観察者のいない状態で部屋5内を撮
像した画像G10を記憶しておく。そして、観察者Bが
部屋5内に存在する状態で得られた画像G20を入力す
ると、システムコントローラ64は画像G10と画像G
20との画像成分の差分を求めることによって画像G3
0を生成する。すなわち、画像G30=画像G20−画
像G10となる。この演算によって、部屋5内に存在す
る固定配置されたものについては画像G30からは除去
されるため、観察者Bの分布状態のみが画像G30の構
成要素となる。
【0149】したがって、システムコントローラ64は
画像G30に基づいて、観察者Bが立体画像表示装置1
00に対してどのような位置に位置するかを特定するこ
とが可能になる。そして、システムコントローラ64は
そのような観察者Bの位置する方向に向けて立体像を表
示するようにシフト時間Δtを一時的に設定し、立体像
が観察者Bの位置する方向に向いた状態で立体像の静止
表示を行う。
【0150】ここで、立体画像表示装置100の周囲に
一人の観察者Bが存在だけであれば、その一人の観察者
の位置する方向に向けて立体像を表示すればよいが、複
数の観察者Bが存在する場合には、立体像をどのような
方向に向けるかという点に関していくつかの実施例が考
えられる。
【0151】第1の表示形態について説明する。図27
は、観察者が複数の場合の第1の表示形態の概念を示す
図であり、立体画像表示装置100を上方側から見た図
である。例えば、図27(a)に示すように、立体画像
表示装置100において立体画像150の正面部分等の
ような特定部分150aが方向F8を向いて表示されて
いるとする。この表示状態では、特定部分150aが4
人の観察者Bの方向に向いていないため、特定部分15
0aの表示方向を観察者Bの位置する方向に向けること
になる。
【0152】このとき、システムコントローラ64は、
図27(b)に示すようにスクリーン38の中心軸を基
準とし、この基準点から観察者Bを見る角度位置α1,
α2を特定する。つまり、角度位置α1,α2で挟まれ
る領域に、全ての観察者Bが含まれるように、角度位置
α1,α2を特定する。
【0153】そして、システムコントローラ64は、角
度位置α1,α2で張る角度を求め、その中心位置(平
均位置)を求める。すなわち、システムコントローラ6
4は角度位置α1,α2に基づいて、(α1+α2)/
2の演算を行うことにより、複数の観察者が位置する領
域の中心位置を特定する。そして、この中心位置方向に
向けて立体像の特定部分を表示するようにすれば、複数
の観察者Bの分布する中心方向に向けて立体像を表示す
ることができる。立体像の特定部分が、例えば立体像の
正面部分である場合には、その正面部分を観察者に対し
て向けることが可能になる。具体的な手法としては、図
27(b)に示すように複数の観察者の分布する中心方
向F9と現在の表示方向F8との角度差βを求め、この
角度差β分だけ、立体像を回転させればよい。
【0154】図28は、このような第1の表示形態にお
けるシステムコントローラ64の動作手順を示すフロー
チャートである。システムコントローラ64は、カメラ
10から得られる画像に基づいて観察者の位置する方向
に応じた立体像の表示すべき方向を特定する(ステップ
S130)。このとき、複数の観察者が特定された場合
には、上記のように複数の観察者の分布する中心方向を
求め、その方向を表示すべき方向として特定する。そし
て、現在の立体像の表示方向と、ステップS130にて
特定された表示すべき方向との角度差を算出する(ステ
ップS131)。そして、この角度差を時間Tに変換し
(ステップS132)、ステップS132で得られた時
間Tを位相時間設定部62bのシフト時間Δtとして設
定する(ステップS134)。以上のような処理をシス
テムコントローラ64が行うとともに、位相時間設定部
62bが1回転した後にシフト時間Δtを0に初期化す
るように構成することで、立体像の向きを瞬時に切り換
えることが可能になるのである。
【0155】次に、第2の表示形態について説明する。
この表示形態では、立体画像表示装置100の周囲(す
なわち、スクリーン38の中心軸の周囲)をほぼ等間隔
で複数の領域に分割し、観察者が位置する領域を特定し
て、その領域に立体像の特定部分を向けて表示する。
【0156】図29は、カメラ10から得られる画像に
基づいて観察者の位置を特定するための概念を示す図で
ある。図29(a)は部屋5内に観察者がいない状態で
カメラ10が取り込んだ画像G11を示しており、その
中央部分には立体画像表示装置100を上方側から撮像
した画像が含まれる。また、図29(b)は複数の観察
者が部屋5内に存在する状態でカメラ10が取り込んだ
画像G21を示しており、図29(c)はシステムコン
トローラ64によって生成される観察者特定のための画
像G31を示している。
【0157】まず、図29(a)に示すようにシステム
コントローラ64は観察者のいない状態で部屋5内を撮
像した画像G11を記憶し、画像G11に対して、立体
画像表示装置100の中心位置、すなわちスクリーン3
8の中心軸(回転軸)を基準にして、その周囲を所定角
度幅ごとに放射状に分割された複数の領域R1〜R4を
設定する。
【0158】そして、観察者Bが部屋5内に存在する状
態で得られた画像G21を入力すると、システムコント
ローラ64は画像G11と画像G21との画像成分の差
分を求めることによって画像G31を生成する。
【0159】そして、システムコントローラ64は画像
G31における複数の領域R1〜R4のうちのどの領域
に観察者Bが位置するかを特定し、立体像の特定部分を
その特定された領域の方向に向けて立体表示する。
【0160】ここで、特定された領域が一つである場合
には、その領域に向けて立体表示を行うのであるが、領
域はある程度の角度幅を有しているので、立体像を向け
る方向は特定された領域の中心方向とすることが好まし
い。なぜなら、特定された領域の中心方向に向けて表示
することによって、特定された領域内のどの位置に観察
者がいるかが判らずとも、およそ観察者の方向に立体像
の特定部分が向けられることになるからである。
【0161】例えば、図30は一つの領域が特定された
場合の表示形態の一例を示す図である。図30(a)に
示すように、観察者が位置する領域が領域R2であり、
現在の立体像150の表示方向がF11である場合に
は、システムコントローラ64は現在の表示方向F11
と領域R2の中心方向F12との角度差を計算し、その
角度差を時間Tに変換し、それを一時的にシフト時間Δ
tとして位相時間設定部62bに設定する。この結果、
図30(b)に示すように、立体像150の特定部分1
50aが領域R2の中心方向F12を向いた状態で立体
表示されることになる。
【0162】また、特定された領域が複数である場合、
すなわち複数の領域に観察者Bが分布している場合に
は、それら複数の領域の中心方向に立体像の特定部分を
向けて立体表示を行う。
【0163】例えば、図31は複数の領域が特定された
場合の表示形態の一例を示す図である。図31(a)に
示すように、観察者が位置する領域が領域R2と領域R
3との複数であり、現在の立体像150の表示方向がF
11である場合には、システムコントローラ64は現在
の表示方向F11と領域R2およびR3の中心方向F1
3との角度差を計算し、その角度差を時間Tに変換し、
それを一時的にシフト時間Δtとして位相時間設定部6
2bに設定する。この結果、図31(b)に示すよう
に、立体像150の特定部分150aが領域R2および
R3の中心方向F13を向いた状態で立体表示され、領
域R2に位置する観察者からも立体像150の特定部分
150aが視認できることになる。
【0164】また、特定された領域が複数である場合に
は、立体像の特定部分の表示方向をそれら複数の領域間
で往復回転移動させることも可能である。
【0165】例えば、図32は立体像の特定部分の表示
方向を複数の領域間で往復回転移動させる場合の表示形
態の一例を示す図である。図32に示すように、特定さ
れた領域が領域R2と領域R3との複数である場合に
は、領域R2の中心方向F12と領域R3の中心方向F
11との間を立体像150の特定部分150aが往復移
動するように立体表示することで、いずれの領域に位置
する観察者も立体像150の特定部分150aを定期的
に視認することが可能になる。
【0166】図33は複数領域間で往復回転移動表示を
行う場合のシステムコントローラ64の動作手順を示す
フローチャートである。システムコントローラ64は予
め図32に示すように往復移動させる移動領域を求めて
おく。そして、ステップS140においてシステムコン
トローラ64は、回転表示を開始させるべく位相時間設
定部62bのシフト時間Δtとして所定時間T(または
−Tでもよい。)を設定する。これにより、立体画像表
示装置100にて表示される立体画像は左方向(または
右方向)に向かって回転を開始する。そして、ステップ
S141にて、立体像150の特定部分150aが目標
位置(すなわち移動領域の端部)に達したかどうかを判
定し、「YES」であればステップS142に進み、
「NO」であれば、ステップS141の判定を繰り返
す。ステップS142に進むと、現在の回転方向の特定
が行われる。この判定は、現在設定されているシフト時
間Δtの正負を判断すればよい。つまり、シフト時間Δ
tが時間Tであれば、現在左方向に回転しており、ま
た、シフト時間Δtが時間−Tであれば、現在右方向に
回転していることになる。したがって、右方向回転であ
ると判定された場合には、ステップS143にて回転方
向を左方向に切り換えるべくシフト時間Δtを所定時間
Tに設定する一方、左方向回転であると判定された場合
には、ステップS144にて回転方向を右方向に切り換
えるべくシフト時間Δtを所定時間−Tに設定する。そ
して、その後ステップS141からの処理を繰り返すこ
とで、図32に示すように領域R2の中心方向F12
と、領域R3の中心方向F11との間の領域を立体像1
50の特定部分150aが往復回転移動することにな
る。
【0167】また、特定された領域が複数である場合に
は、立体像の特定部分の表示方向をゆっくりと回転移動
させることも可能である。このような回転移動表示は、
複数の領域のうちの多数(例えば、半数以上)の領域に
観察者が位置するとして特定された場合に有効である。
【0168】例えば、図34は立体像の特定部分の表示
方向を一定方向にゆっくりと回転移動させる場合の表示
形態の一例を示す図である。図34(a)に示すよう
に、観察者Bが位置する領域が複数の領域R1〜R4の
全ての領域である場合、システムコントローラ64は第
1の実施の形態で詳細に説明したように継続的なシフト
時間Δtとして所定時間Tを位相時間設定部62bに設
定することによって、図34(b)に示すように、立体
像150の特定部分150aは一定速度で一定方向に回
転移動することになる。この結果、各領域に位置する観
察者Bは定期的に立体像150の特定部分150aを視
認することが可能になる。
【0169】<C.他の構成例>なお、上記説明におい
ては、観察者の位置を特定するための方法として、立体
画像表示装置100の上方位置にカメラ10を設置し、
このカメラ10から得られる画像に対して所定の画像処
理を行うことによってシステムコントローラ64が観察
者の位置を特定する構成について説明したが、他の構成
を採用してもよい。以下に、立体画像を観察する観察者
の位置を特定するためのいくつかの構成について説明す
る。
【0170】まず、第1には、立体画像表示装置の周囲
に複数のカメラを配置することで装置周囲の観察者を検
出することができるため、それによって観察者の位置を
特定することができる。図35は、このような立体画像
表示装置100を示す図である。なお、(a)は斜視図
であり、(b)は上方側から見た図である。図35
(a)に示すように立体画像表示装置100のハウジン
グの側面部にほぼ等間隔で複数のカメラ10a,10
b,10c,10dを配置する。なお、図35において
は側面部の全周にカメラ10a〜10dが4台設置され
る場合を例示している。各カメラは、図35(b)に示
すように立体画像表示装置100の周囲を所定角度幅で
分割して得られた複数の領域R1〜R4のうちの1つの
領域を撮影するように設置されている。そして、各カメ
ラの撮影した画像をシステムコントローラ64に入力す
れば、観察者の位置を特定することが可能になる。
【0171】例えば、図35の立体画像表示装置100
の周囲に設けられた複数のカメラ10a〜10dで、図
29(b)に示すように観察者Bが分布する状態を撮影
すると、各カメラで得られる画像は図36に示すように
なる。図36(a)〜(d)に示すような各画像に対し
て周知の画像認識処理等を施せば、いずれの画像に観察
者Bが含まれているかを容易に判定することができ、観
察者の位置する方向を特定することが可能になる。
【0172】次に、第2には、立体画像表示装置周囲の
観察者を光ビームや赤外線等を用いて検出し、それによ
って観察者の位置を特定することもできる。例えば、図
35に示した複数のカメラ10a〜10dの代わりに、
立体画像表示装置の側面部に複数の光センサを設置する
のである。そして、各光センサから放射状に光ビームや
赤外線光等を投射すれば、その光路上に観察者が位置す
る場合に反射光を検出することができる。したがって、
複数の光センサのうち反射光を検出した光センサに対向
する位置に観察者が位置すると判定することができ、観
察者の位置する方向を特定することが可能になる。ま
た、光センサ以外に熱センサ等を用いても同様に観察者
の位置を特定することが可能になる。このようにセンサ
からの出力を用いて観察者の位置を特定するように構成
すれば、画像処理を行う場合に比べて比較的高速に特定
を行うことができる。
【0173】このように、上記構成のいずれを採用して
も立体画像表示装置のシステムコントローラ64におい
て観察者の位置を特定することが可能であるため、立体
画像表示装置100の周囲における観察者Bを検出する
ための構成(検出手段等)は上記のうちのいずれを採用
してもよい。したがって、観察方向特定手段も、カメラ
以外の検出手段を備えて構成されてもよい。また、立体
画像表示装置100の周囲において、観察者Bの位置す
る方向が特定できれば十分であるため、上記以外の他の
形態を採用してもよいことは明らかである。
【0174】<D.特徴的作用効果>以上説明したよう
に、この実施の形態の立体画像表示装置100では、カ
メラ10等の検出手段での検出結果に基づいて、観察方
向特定手段が観察者の位置する方向を特定するように構
成されており、その特定された方向に対して自動的に、
立体画像の所定部分が向けられるように立体表示する構
成となっている。このため、観察者が移動したり、特定
の操作を行ったりする必要がなく、観察者が立体画像表
示装置100の周囲のどの位置にいたとしても、立体画
像の所定部分を視認することが可能になる。
【0175】<<変形例>>以上、この発明に係る立体
画像表示装置および立体画像表示システムについてのい
くつかの実施の形態を詳細に説明したが、この発明は上
記説明したものに限定されるものではない。
【0176】例えば、読み出し対象となるメモリから与
えられる2次元画像データに基づいてスクリーン38に
投影する断面画像を生成する画像生成手段の一例として
DMD33を例示したが、DMD33以外の素子を使用
してもよい。
【0177】なお、上記説明においてはスクリーン38
の材質については特に言及しなかったが、スクリーン3
8の材質を工夫することで立体画像が表示されているデ
ューティー比を倍増させることができる。
【0178】すなわち、スクリーン38を180゜回転
させることで体積走査が完了するが、スクリーン38が
不透明な材質で構成されている場合、断面画像が投影さ
れているスクリーンの投影面が観察者から見て裏面側
(反対側)に向いている間は断面像を視認することがで
きない。従って、立体画像が表示されているデューティ
ー比は1/2となる。このため、体積走査終了後、観察
者の眼に残像があるうちにさらにスクリーン38を回転
させて、結果的に360゜回転させる必要がある。
【0179】しかし、スクリーン38の材質として、投
影像が投影側から十分に視認できるだけの拡散反射性能
を有すると同時に、その像をスクリーン38の裏側の方
向からも視認できるような光透過性を有する材質を採用
することで、スクリーン38の表裏両方から投影像を視
認することが可能となる。したがって、スクリーン38
の角度にかかわらず断面画像を視認することができ、立
体画像表示のデューティー比は1となる。このため、残
像効果を維持できる時間内にスクリーン38を回転させ
なければならない角度は180゜で済む。これにより、
スクリーン38の回転数を1/2に抑えることが可能と
なり、その分だけ投影する断面画像の角度刻みを細かく
でき、断面画像の数を増して表示される立体画像の品位
を向上させることができる。
【0180】スクリーン38の材質としては、例えば、
すりガラスや、透明樹脂板の表面をすりガラス状に加工
して白く曇らせたものや、薄い紙などのように半透明の
材質を利用すれば良い。
【0181】
【発明の効果】本発明に係る請求項1に記載の立体画像
表示装置によれば、表示対象物を異なる角度で放射状に
切断した断面群での一連の断面画像群をスクリーンの回
転に同期して繰り返して生成する際におけるタイミング
を一時的にまたは継続的に調整することにより、立体画
像の向きを任意の方向に向けて表示させるように構成さ
れているため、立体画像の向きを瞬時にまたはゆくっり
と変更することができ、立体画像を任意の方向に向ける
ことが可能になる。
【0182】請求項2に記載の立体画像表示装置によれ
ば、一連の断面画像群を生成する際における繰り返しタ
イミングを所定のインターバルでシフトさせ、それによ
って立体画像を空間的に回転させるように構成されてい
るため、表示対象物の周囲からみた立体像を観察者が移
動することなく同一視点から視認することが可能にな
る。
【0183】請求項3に記載の立体画像表示装置によれ
ば、タイミング調整手段は、一連の断面画像群を発生す
る際における繰り返しタイミングを、スクリーンの所定
の回転回数ごとにずらしていくように構成されているた
め、適切な立体画像の表示を維持しつつその立体画像を
回転させることができる。
【0184】請求項4に記載の立体画像表示装置によれ
ば、スクリーンの所定の回転回数ごとに、制御手段にお
ける読み出しアドレスの発生タイミングを所定のシフト
時間に応じてずらせるため、立体画像の回転を行わせる
ための特別な機構部を設けることなく、比較的簡単な構
成で立体画像の回転を行うことが可能になる。
【0185】請求項5に記載の立体画像表示装置によれ
ば、操作入力手段からの操作入力に応じてインターバル
を変更するように構成されるため、立体画像の回転する
速度調整を行うことができる。
【0186】請求項6に記載の立体画像表示装置によれ
ば、タイミング調整手段は、所定のインターバルごと
に、一連の断面画像群の生成の繰り返しタイミングを遅
延させていくものであるため、一連の断面画像群を全て
スクリーンに投影することができるので、立体表示を行
う際の解像度の低下を招くことがない。
【0187】請求項7に記載の立体画像表示装置によれ
ば、立体画像を観察する観察者の位置する方向を特定す
る観察方向特定手段をさらに備えており、その観察方向
特定手段によって特定された方向に対して、立体画像の
所定部分を向けて表示させるように構成されているた
め、観察者が移動したり、操作を行ったりする必要がな
く、観察者がどのような位置にいても立体画像の特定部
分を視認することが可能になる。
【0188】請求項8に記載の立体画像表示装置によれ
ば、タイミング調整手段は、観察者特定手段によって特
定される方向が複数方向である場合に、複数方向が含ま
れる領域のほぼ中心に向かう方向に対し、立体画像の所
定部位を向けて表示させるように構成されているため、
複数観察者の分布状態に対する平均的な位置に向けて立
体画像の所定部位を立体表示させることが可能になる。
【0189】請求項9に記載の立体画像表示装置によれ
ば、観察方向特定手段は、中心軸の周囲を分割して形成
された複数の領域のうちから観察者の位置する領域を特
定し、タイミング調整手段は、観察方向特定手段におい
て特定された領域のほぼ中心に向かう方向に対し、立体
画像の所定部位を向けて表示させるように構成されてい
るため、観察方向特定手段においては領域を特定するだ
けでよいので効率的に特定を行うことができるととも
に、複数観察者の分布状態に対する平均的な位置に向け
て立体画像の所定部位を立体表示させることが可能にな
る。
【0190】請求項10に記載の立体画像表示装置によ
れば、タイミング調整手段は、立体画像の所定部分が向
く方向が、中心軸の周囲の所定区間を往復移動するよう
に構成されているため、観察者は移動することなく、定
期的に立体画像の所定部分を視認することが可能にな
る。
【0191】請求項11に記載の立体画像表示システム
によれば、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載
の立体画像表示装置による立体画像表示を実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る立体画像表示シス
テムの全体的な構成を示す図である。
【図2】立体画像表示装置の概観を示す図である。
【図3】着脱可能な操作スイッチの拡大図である。
【図4】立体画像表示装置における光学系を含む構成を
示す図である。
【図5】スクリーンおよび回転部材の斜視概観図であ
る。
【図6】スクリーンに投影される断面画像の大きさ(解
像度)を示す図である。
【図7】立体画像表示システムの機能構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】図7に示した構成のうちの要部を抜き出した図
である。
【図9】立体像の回転を説明する図である。
【図10】立体像の回転を説明する図である。
【図11】立体像を回転させるための詳細な構成を示す
ブロック図である。
【図12】回転位置情報と2次元画像データの関係を示
すタイミング図である。
【図13】各断面画像が投影されるタイミングを示す図
である。
【図14】ホストコンピュータにおける機能構成を示す
ブロック図である。
【図15】3次元画像データから2次元画像データへの
変換過程を示す図である。
【図16】断面画像(投影像)の補正の一例を示す図で
ある。
【図17】スクリーンの回転角度θに応じたメモリから
の読み出し順序を示す図である。
【図18】2次元画像データの読み出し順序を切り換え
るための制御機構の一例を示す図である。
【図19】アドレス発生部で発生される8ビットの水平
アドレス信号の一例を示す図である。
【図20】システムコントローラの動作手順の一例を示
すフローチャートである。
【図21】システムコントローラの動作手順の一例を示
すフローチャートである。
【図22】立体画像表示装置におけるハウジング周囲に
複数の操作ボタンを配置した例を示す図である。
【図23】システムコントローラの動作手順の一例を示
すフローチャートである。
【図24】第3の実施の形態におけるカメラと立体画像
表示装置との設置関係の一例を示す図である。
【図25】第3の実施の形態における立体画像表示シス
テムの機能構成を示すブロック図である。
【図26】観察者の位置を特定するための概念を示す図
である。
【図27】観察者が複数の場合の第1の表示形態の概念
を示す図である。
【図28】第1の表示形態におけるシステムコントロー
ラの動作手順を示すフローチャートである。
【図29】観察者の位置を特定するための概念を示す図
である。
【図30】一つの領域が特定された場合の表示形態の一
例を示す図である。
【図31】複数の領域が特定された場合の表示形態の一
例を示す図である。
【図32】立体像の特定部分の表示方向を往復回転移動
させる場合の表示形態の一例を示す図である。
【図33】往復回転移動表示を行う場合のシステムコン
トローラの動作手順を示すフローチャートである。
【図34】立体像の特定部分の表示方向を回転移動させ
る場合の表示形態の一例を示す図である。
【図35】立体画像表示装置の周囲に複数のカメラが配
置された構成例を示す図である。
【図36】図35の各カメラで得られる画像を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 立体画像表示システム 10,10a〜10d カメラ 33 DMD(ディジタル・マイクロミラー・デバイ
ス)(画像生成手段) 38 スクリーン 62 DMDコントローラ 62a メモリ制御部(制御手段) 62b 位相時間設定部 63 メモリ(記憶手段) 64 システムコントローラ(観察方向特定手段) 91 立体画像データ記憶部(立体画像データ記憶手
段) 93 断面画像演算部(断面画像演算手段) 100 立体画像表示装置 Δt シフト時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉井 謙 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 八木 史也 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 糊田 寿夫 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 残像効果を利用する体積走査法によって
    立体画像を表示する立体画像表示装置であって、 (a) 主面に平行な中心軸の回りに回転自在なスクリーン
    と、 (b) 表示対象物を異なる角度で放射状に切断した断面群
    での一連の断面画像群を前記スクリーンの回転に同期し
    て順次かつ繰り返して生成する画像生成手段と、 (c) 前記一連の断面画像群を生成するタイミングを一時
    的にまたは継続的に調整することにより、前記立体画像
    の向きを任意の方向に向けて表示させるタイミング調整
    手段と、を備えることを特徴とする立体画像表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の立体画像表示装置にお
    いて、 前記タイミング調整手段は、前記一連の断面画像群を生
    成する際における繰り返しタイミングを所定のインター
    バルでシフトさせ、それによって前記立体画像を空間的
    に回転させることを特徴とする立体画像表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の立体画像表示装置にお
    いて、 前記タイミング調整手段は、 (c-1) 前記一連の断面画像群を発生する際における繰り
    返しタイミングを、前記スクリーンの所定の回転回数ご
    とにずらしていくシフト手段、を備えることを特徴とす
    る立体画像表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の立体画像表示装置にお
    いて、 前記タイミング調整手段は、 (c-2) 前記一連の断面画像群に関する2次元画像データ
    群を記憶する記憶手段と、 (c-3) 前記2次元画像データ群の読み出しアドレスを発
    生して前記記憶手段に供給することにより、前記記憶手
    段から前記2次元画像データを前記画像生成手段に与え
    る制御手段と、を備え、 前記シフト手段は、 前記スクリーンの所定の回転回数ごとに、前記制御手段
    における前記読み出しアドレスの発生タイミングを所定
    のシフト時間に応じてずらせる手段、を備えることを特
    徴とする立体画像表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし請求項4のいずれかに記
    載の立体画像表示装置において、 (d) 操作入力手段と、 (e) 前記操作入力手段からの操作入力に応じて前記イン
    ターバルを変更する手段と、をさらに備えることを特徴
    とする立体画像表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし請求項5のいずれかに記
    載の立体画像表示装置において、 前記タイミング調整手段は、前記所定のインターバルご
    とに、前記一連の断面画像群の生成の繰り返しタイミン
    グを遅延させていくものであることを特徴とする立体画
    像表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の立体画像表示装置にお
    いて、 (d) 前記立体画像を観察する観察者の位置する方向を特
    定する観察方向特定手段をさらに備え、 前記タイミング調整手段は、前記観察方向特定手段によ
    って特定された方向に対して、前記立体画像の所定部分
    を向けて表示させるように前記タイミングを調整するこ
    とを特徴とする立体画像表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の立体画像表示装置にお
    いて、 前記タイミング調整手段は、前記観察者特定手段によっ
    て特定される方向が複数方向である場合に、前記複数方
    向が含まれる領域のほぼ中心に向かう方向に対し、前記
    立体画像の所定部位を向けて表示させるように前記タイ
    ミングを調整することを特徴とする立体画像表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の立体画像表示装置にお
    いて、 前記観察方向特定手段は、前記中心軸の周囲を分割して
    形成された複数の領域のうちから観察者の位置する領域
    を特定し、 前記タイミング調整手段は、前記観察方向特定手段にお
    いて特定された領域のほぼ中心に向かう方向に対し、前
    記立体画像の所定部位を向けて表示させるように前記タ
    イミングを調整することを特徴とする立体画像表示装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1または請求項7に記載の立体
    画像表示装置において、 前記タイミング調整手段は、前記立体画像の所定部分が
    向く方向が、前記中心軸の周囲の所定区間を往復移動す
    るように、前記タイミングを調整することを特徴とする
    立体画像表示装置。
  11. 【請求項11】 立体画像表示システムであって、 (A) 表示対象物の3次元画像データを記憶する立体デー
    タ記憶手段と、 (B) 前記3次元画像データに基づいて、前記表示対象物
    を異なる角度で放射状に切断した断面群での各断面画像
    の集合を2次元画像データ群として生成する断面画像演
    算手段と、 (C) 前記2次元画像データ群に基づいて立体画像表示を
    行う請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の立体
    画像表示装置と、を備えることを特徴とする立体画像表
    示システム。
JP11319871A 1999-03-10 1999-11-10 立体画像表示装置および立体画像表示システム Pending JP2000324514A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11319871A JP2000324514A (ja) 1999-03-10 1999-11-10 立体画像表示装置および立体画像表示システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6306499 1999-03-10
JP11-63064 1999-03-10
JP11319871A JP2000324514A (ja) 1999-03-10 1999-11-10 立体画像表示装置および立体画像表示システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000324514A true JP2000324514A (ja) 2000-11-24

Family

ID=26404138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11319871A Pending JP2000324514A (ja) 1999-03-10 1999-11-10 立体画像表示装置および立体画像表示システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000324514A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020008676A1 (en) Three-dimensional image display apparatus, three-dimensional image display method and data file format
CN101989028B (zh) 投影机及其控制方法
EP3383032B1 (en) Mems laser scanning projector and method for projecting an image with a mems laser scanning projector
US20040252187A1 (en) Processes and apparatuses for efficient multiple program and 3D display
JP4827783B2 (ja) 画像表示装置
JP2007523360A (ja) アドレス能力を向上するために光学インターレースを行う画素シフト投影レンズアセンブリ
TW200526987A (en) Display device and display method
US10798354B2 (en) Projection display apparatus and method for controlling the same
US20060023065A1 (en) Multiple program and 3D display with high resolution display and recording applications
WO2020110760A1 (ja) 画像表示装置
JP2001197524A (ja) 立体画像表示装置
JP2001103515A (ja) 立体画像表示装置および立体画像表示システム
JP2000324514A (ja) 立体画像表示装置および立体画像表示システム
JP2001352565A (ja) 立体画像表示装置
JP2001119724A (ja) 立体画像表示システム、断面画像生成方法および断面画像生成装置
JP2001142419A (ja) 立体画像表示システムおよび立体画像表示用のデータファイル
JP2004126465A (ja) マルチディスプレイ装置
JP2000278715A (ja) 立体画像表示データ生成方法、立体画像表示データ生成装置および立体画像表示データを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JPH07306471A (ja) 液晶映像表示装置
JP2000253423A (ja) 立体画像表示装置および立体画像表示システム
KR20050092882A (ko) 입체 영상 표시 장치
JP2000278711A (ja) 立体画像表示装置
KR101049115B1 (ko) 다중 화면 투사 장치
JP2000261831A (ja) 立体画像表示装置および立体画像表示システム
JP2006146104A (ja) 三次元表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050613