JP2000278711A - 立体画像表示装置 - Google Patents

立体画像表示装置

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JP2000278711A
JP2000278711A JP11075695A JP7569599A JP2000278711A JP 2000278711 A JP2000278711 A JP 2000278711A JP 11075695 A JP11075695 A JP 11075695A JP 7569599 A JP7569599 A JP 7569599A JP 2000278711 A JP2000278711 A JP 2000278711A
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screen
display device
dimensional image
image
cross
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JP11075695A
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English (en)
Inventor
Fumiya Yagi
史也 八木
Makoto Miyazaki
誠 宮崎
Ken Yoshii
謙 吉井
Manami Kuiseko
真奈美 杭迫
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクリーンを回転させつつ表示対象物の断面
画像を順次投影することにより立体画像を表示する立体
画像表示装置において、断面画像をスクリーンの表裏両
側から観察できるとともに回転軸およびスクリーンの重
心を投影面上に位置させることができず、質の高い立体
画像を表示することができない。 【解決手段】 スクリーン38の構造を主面に垂直な方
向に対して順に、硬質透明材382、光拡散材381お
よび硬質透明材383を有するものとし、光拡散材38
1により入射する光波を入射側およびその反対側にほぼ
同様に拡散放射させる。さらに、2枚の硬質透明材38
2,383の厚みおよび比重をほぼ同じにする。これに
より、投影面である光拡散材381上にスクリーン38
の重心および回転軸を位置させることができ、スクリー
ン38が撓んだり振動したりすることを防止することが
できる。その結果、質の高い立体画像の表示が実現され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は立体画像を表示する
立体画像表示装置に関し、特に、スクリーンを回転させ
ながら表示対象物の断面画像をスクリーンに表示するこ
とで立体画像を表示する立体画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スクリーンを主面に平行な軸
を中心に回転させるとともに、このスクリーンの回転に
同期して表示対象物の断面画像を順次投影することによ
り、立体画像を表示する技術が知られている。図22は
このような立体画像表示装置の表示原理を説明するため
の図である。
【0003】図22に示す方法では、スクリーン901
を主面に平行な回転軸902を中心に矢印903にて示
すように回転させるとともに、時間の経過と共に変化す
るスクリーン901の向きに同期させて表示対象物90
4(図22中、破線にて示す。)の断面画像905をス
クリーン901に投影する。これにより、観察者には断
面画像905の残像効果により、順次投影される断面画
像905の包絡面が立体画像として認識される。
【0004】図22に示すように、回転するスクリーン
901を用いて立体画像を表示する場合、断面画像90
5を投影するスクリーン901としては2次元画像の投
影装置(いわゆるプロジェクタ)のスクリーンに代表さ
れるように一般的には白い布製のスクリーンが用いられ
ることが想定されている。
【0005】その一方で、立体画像の表示の場合には不
透明なスクリーンではなくて、半透明の板材や磨りガラ
スをスクリーンとして用いても適切な立体画像の表示が
できるという提案もなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スクリーン
を回転させる場合には、断面画像を明りょうに投影する
ためにスクリーンの振動を防止する必要がある。したが
って、スクリーンにはある程度の剛性が求められ、適度
な厚みが必要となる。しかし、半透明の厚い板材をスク
リーンとして用いる場合、投影画像は板材内部にて拡散
し、不鮮明な画像となってしまう。両主面に磨り加工が
施された磨りガラスをスクリーンとして用いる場合も同
様の問題が生じる。
【0007】また、片面だけに磨り加工が施された磨り
ガラスをスクリーンとして用いる場合には、磨り加工が
施された面(以下、「磨り面」という。)を回転軸に重
ねることができない。なぜならば、磨りガラスの重心は
磨り面から離れた位置にあり、磨り面を回転軸に重ねて
回転を行うと磨りガラスを撓ませる力が大きく発生する
からである。
【0008】逆に、磨りガラスの重心を回転軸上に位置
させると、磨りガラスが360゜回転する間に磨り面が
走査する空間は図23に示すようになり、回転軸902
の近傍に欠落部906が生じる。また、図24に示すよ
うに磨りガラスの磨り面907が回転軸902を中心に
180゜回転すると磨り面907が異なった位置とな
り、位置が変わった磨り面に同様の(正確には左右が反
転された)断面画像908を投影すると不自然な立体画
像が表示されることになる。
【0009】さらに、磨りガラスをそのままスクリーン
として用いる場合には、投影された画像のコントラスト
が低下したり、ガラス表面における光の反射が投影画像
に悪影響を与えるといった問題も生じる。
【0010】この発明は、スクリーンを回転させる立体
画像表示装置において、スクリーン関する上記様々な問
題を解決することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、立体
画像表示装置であって、画像が投影されるスクリーンを
主面に平行な回転軸を中心に回転走査させる走査手段
と、前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の複
数の断面画像を前記スクリーンに順次投影する投影手段
とを備え、前記スクリーンが、主面に垂直な方向に対し
て第1の硬質透明層、光拡散層、および、第2の硬質透
明層を順に有する。
【0012】請求項2の発明は、請求項1に記載の立体
画像表示装置であって、前記第1の硬質透明層および前
記第2の硬質透明層の厚みの2乗と比重との積がほぼ等
しい。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の立体画像表示装置であって、前記光拡散層が、入射
する光波を前記第1および第2の硬質透明層のそれぞれ
の側にほぼ同程度で拡散放射する。
【0014】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかに記載の立体画像表示装置であって、前記第1お
よび第2の硬質透明層が有する複数の主面のうちの少な
くとも1つに反射防止処理が施されている。
【0015】請求項5の発明は、立体画像表示装置であ
って、画像が投影されるスクリーンを主面に平行な回転
軸を中心に回転走査させる走査手段と、前記スクリーン
の走査に同期しつつ表示対象物の複数の断面画像を前記
スクリーンに順次投影する投影手段とを備え、前記スク
リーンが、入射する光波を拡散放射する光拡散層を有
し、前記光拡散層が前記回転軸と重なる。
【0016】請求項6の発明は、立体画像表示装置であ
って、画像が投影されるスクリーンを主面に平行な回転
軸を中心に回転走査させる走査手段と、前記スクリーン
の走査に同期しつつ表示対象物の複数の断面画像を前記
スクリーンに順次投影する投影手段とを備え、前記スク
リーンが、入射する光波を拡散放射する光拡散層を有
し、前記スクリーンの重心が前記光拡散層上に位置す
る。
【0017】請求項7の発明は、立体画像表示装置であ
って、画像が投影されるスクリーンを主面に平行な回転
軸を中心に回転走査させる走査手段と、前記スクリーン
の走査に同期しつつ表示対象物の複数の断面画像を前記
スクリーンに順次投影する投影手段とを備え、前記スク
リーンが、入射する光波を拡散放射するとともに着色処
理が施された光拡散層を有する。
【0018】請求項8の発明は、請求項5ないし7のい
ずれかに記載の立体画像表示装置であって、前記スクリ
ーンが、主面に垂直な方向に対して第1の硬質透明層、
前記光拡散層、および、第2の硬質透明層を順に有す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】<A.全体のシステム構成>この
発明に係る立体画像表示システムの実施の形態として、
立体画像表示システムの全体的な構成を図1に示す。こ
の立体画像表示システム1は、体積走査法によって表示
対象物の立体表示を行う立体画像表示装置100と、立
体画像表示装置100に対して表示対象物の断面画像に
関する2次元画像データを供給するホストコンピュータ
3とから構成されている。
【0020】立体画像表示装置100は、後述するよう
に所定の回転軸を中心に高速で回転するスクリーンに対
して表示対象物の断面画像を断続的に投影することによ
って残像効果を発生させて立体画像を表示する。そし
て、回転するスクリーンの位置(角度)に応じて投影す
る断面画像を更新していくことにより、様々な表示対象
物の立体像を表示する。
【0021】ホストコンピュータ3は、CPU3aとデ
ィスプレイ3bとキーボード3cとマウス3dとを含ん
で構成されるいわゆる一般的なコンピュータシステムで
ある。このホストコンピュータ3には、予め入力されて
いる表示対象物の3次元画像データからスクリーンが回
転する際の各角度に対応する断面画像の2次元画像デー
タを生成する処理を行うソフトウェアが組み込まれてい
る。このため、ホストコンピュータ3は、表示対象物の
3次元画像データからスクリーンの回転角度に応じてス
クリーン上に投影すべき表示対象物の断面画像に関する
2次元画像データを生成することができ、その生成され
た2次元画像データを立体画像表示装置100に供給す
る。
【0022】ホストコンピュータ3と立体画像表示装置
100との間では、オンラインによるデータの受け渡し
が可能であるとともに、可搬型の記録メディア4を介し
てのオフラインによるデータの受け渡しも可能である。
記録メディア4としては、光磁気ディスク(MO)、コ
ンパクトディスク(CD−RW)、ディジタルビデオデ
ィスク(DVD−RAM)、メモリカード等がある。
【0023】<B.立体画像表示装置>次に、立体画像
表示装置100の一実施形態について説明する。図2
は、立体画像表示装置100の概観を示す図である。こ
の立体画像表示装置100は、スクリーン38に断面画
像を投影するための光学系や各種データ処理を行うため
の制御機構が内蔵されたハウジング20と、そのハウジ
ング20の上部側に設けられて内部に回転するスクリー
ンを収容する円筒状の風防20aとを備えている。
【0024】風防20aはガラスやアクリル樹脂等の透
明な材質で形成されており、内部側で回転するスクリー
ン38に投影される断面画像を外部より視認することが
できるように構成されている。また、風防20aは内部
空間を密封しており、そのことによってスクリーン38
の回転の安定化や回転駆動するモータの消費電力の低減
を図っている。
【0025】なお、風防20a内にて回転するスクリー
ン38の構造の詳細については後述する。
【0026】ハウジング20の前面側には液晶ディスプ
レイ(LCD)21、着脱可能な操作スイッチ22、記
録メディア4の着脱口23が配置されており、また側面
側にはディジタル入出力端子24が設けられている。液
晶ディスプレイ21は、操作入力を行う際の操作案内画
面の表示手段および表示対象物のインデックスのための
2次元画像の表示手段として用いられる。ディジタル入
出力端子24はSCSI端子あるいはIEEE1394
端子等である。さらにハウジング20の外周面の4箇所
には音声出力のためのスピーカ25が配置されている。
【0027】図3は、着脱可能な操作スイッチ22の拡
大図である。この操作スイッチ22は、各種動作パラメ
ータを入力するための操作入力手段として機能させるべ
く、電源ボタン221、スタートボタン222、ストッ
プボタン223、カーソルボタン224、セレクトボタ
ン225、キャンセルボタン226、メニューボタン2
27、ズームボタン228、音量調節ボタン229等の
各種ボタンが配置されている。
【0028】スクリーン38による立体画像の表示は、
操作スイッチ22の各ボタン221〜227を操作する
ことによって記録メディア4に記録されているデータフ
ァイルから立体表示を行いたい2次元画像データを選択
したり、またはホストコンピュータ3側に保存されてい
るデータファイルから2次元画像データを選択すること
により開始される。
【0029】次に、立体画像表示装置100においてス
クリーン38上に断面画像を投影するための光学系につ
いて説明する。図4は、立体画像表示装置100におけ
る光学系を含む構成を示す図である。図4に示すように
立体画像表示装置100における光学系は、照明光学系
40と投影光学系50とDMD(ディジタル・マイクロ
ミラー・デバイス)33とTIRプリズム44とを備え
て構成される。
【0030】まず、DMD33について説明する。DM
D33は、スクリーン38に投影する断面画像を生成す
る画像生成手段として機能するものであり、1辺が16
μm程度の矩形の金属片(例えばアルミニウム片)の極
めて小さなミラーを1画素として1チップあたり数十万
枚の規模で平面に敷き詰めた構造を有し、各画素直下に
配置されたSRAM出力の静電電界作用により各ミラー
の傾斜角を個々に±10度で制御できるデバイスであ
る。なお、ミラーの角度制御は、SRAM出力の
「1」、「0」に対応して、ON/OFFのバイナリ制
御であり、光源からの光が当たると、ON(またはOF
F)の方向を向いているミラーで反射した光だけが投影
光学系50の方向に進み、OFF(またはON)の方向
を向いているミラーで反射した光は有効な光路から外れ
投影光学系50の方向には進まない。このミラーのON
/OFF制御により、ON/OFFのミラー分布に対応
した断面画像が生成されてスクリーン38に投影される
ことになる。
【0031】なお、各ミラーの傾斜角を制御して反射す
る光の方向を切り換えるが、この切り換え時間の調整
(反射する時間の長さ)により各画素の濃淡(階調)を
表現することができ、1色につき256階調が表現でき
る。そして、光源からの白色光を周期的に切り替わるR
(赤)、G(緑)、B(青)の3色のカラーフィルター
に通し、通過した各色にDMDチップを同期させること
でカラー画像を形成したり、R、G、Bの各色ごとにD
MDチップを準備して3色の光を同時に投影することで
カラー画像を形成することができる。
【0032】このようなDMD33は、第一に光利用効
率が非常に高いこと、第二に高速応答性を有することの
2つの大きな特徴を有しており、一般にはその高い光利
用効率を活かしてビデオプロジェクタ等の用途に使用さ
れている。
【0033】この立体画像表示装置100においては、
DMD33のもう一つの大きな特徴である高速応答性を
利用することにより、残像効果を利用する体積走査法に
おいて表示対象物の動画像をも表示することができるよ
うに実現される。
【0034】DMD33は一枚一枚のミラーの偏向の応
答性が約10μsecであることと、画像データの書き
込みが一般的なSRAMとほぼ同様の方法でできること
から、1枚の画像を生成するのに要する時間は1mse
cあるいはそれ以下ときわめて高速である。仮に1ms
ecであるとすると、残像効果を実現するために1/1
8secで180゜(すなわち毎秒9回転)の体積走査
を行う場合に生成できる断面画像の数は約60枚とな
る。従来の体積走査法で画像生成手段として使用されて
いたCRTや液晶ディスプレイ等と比較すると、DMD
33は単位時間当たりはるかに多くの断面画像をスクリ
ーン38上に投影することができ、非回転対称形状の立
体の表示のみならず、動画像の表示にも対応することが
できるのである。
【0035】また、DMD33の特徴の1つである光の
利用効率の高さも、より明るい断面画像をスクリーン3
8上に投影することで残像効果を高めることに寄与し、
CRT方式等と比較して高品位の立体画像の表示を可能
にする。
【0036】なお、図4に示すようにDMD33の画像
生成面側には、照明光学系40からの照明光を各微小ミ
ラーに導くとともに、DMD33で生成された断面画像
を投影光学系50に導くためにTIRプリズム44が配
設されている。
【0037】照明光学系40は、白色光源41と照明レ
ンズ系42とを有しており、白色光源41からの照明光
は照明レンズ系42により平行光とされる。照明レンズ
系42はコンデンサレンズ421、インテグレータ42
2、カラーフィルタ43およびリレーレンズ423によ
り構成される。白色光源41からの照明光はコンデンサ
レンズ421により集光されてインテグレータ422に
入射する。そして、インテグレータ422によって光量
分布が均一な状態とされた照明光は、回転式のカラーフ
ィルタ43によってR,G,Bのいずれかの色成分に分
光される。分光された照明光はリレーレンズ423によ
り平行光とされた上で、TIRプリズム44に入射し、
DMD33上に照射される。
【0038】DMD33は、ホストコンピュータ3から
与えられる2次元画像データに基づいて個々の微小ミラ
ーの傾斜角度を変化させることにより照明光のうちの断
面画像を投影するのに必要な光成分のみを投影光学系5
0に向けて反射させる。
【0039】投影光学系50は投影レンズ系51とスク
リーン38とを有している。投影レンズ系51は両テレ
セントリックレンズ511と投影レンズ513と投影ミ
ラー36,37と像回転補償機構34とを備えており、
このうち投影レンズ513と投影ミラー36,37はス
クリーン38を回転軸Zのまわりに回転させる回転部材
39の内部側に配置されている。
【0040】DMD33で反射された光(断面画像)は
両テレセントリックレンズ511により平行光にされ、
断面画像の回転補償を行うために像回転補償機構34を
通過する。そして、像回転補償機構34において回転補
償が行われた光束は投影ミラー36、投影レンズ51
3、投影ミラー37を経由して最終的にスクリーン38
の主面(投影面)上に投影される。したがって、投影光
学系50とDMD33ととで、複数の断面画像を2次元
画像データに基づいて順次に生成し、スクリーン38の
回転走査に同期して複数のの断面画像をスクリーン上に
順次に投影する投影画像生成手段を形成する。
【0041】この光学系において、投影ミラー36、投
影レンズ513、投影ミラー37およびスクリーン38
は回転部材39に固定されており、回転部材39の回転
とともにスクリーン38の中心軸を含む垂直な回転軸Z
の回りに角速度Ωで回転する。つまり、体積走査を行う
ためにスクリーン38を回転させる際には、回転部材3
9内部に配置された投影ミラー36、投影レンズ513
および投影ミラー37もスクリーン38と一体となって
回転するため、スクリーン38がいかなる角度となって
も常にその正面側から断面画像の投影を行うことができ
るのである。
【0042】なお、スクリーン38の回転角度は位置検
出器73により常に検出されている。
【0043】こうしてDMD33において生成された断
面画像がスクリーン38上に投影される。投影レンズ5
13の役割は、光束がスクリーン38上に至るところで
適切な画像サイズをなすようにすることである。また、
投影ミラー37はスクリーン38に投影される立体像を
観察する際に観察者の視線を妨げないように、スクリー
ン38の正面の斜め下方向(図4の場合は回転部材39
の内部側)から断面画像を投影するように配置されてい
る。なお、投影レンズ513の投影ミラー36および3
7に対する位置的な順序関係は必ずしも本実施形態にと
らわれるものではない。
【0044】ここで、像回転補償機構34について説明
する。図4に示す像回転補償機構34は、いわゆるイメ
ージローテータの構成によって実現されている。スクリ
ーン38が取り付けられている回転部材39がある回転
角度に位置する場合に、スクリーン38上に投影されて
いる断面画像を基準像とする。もし像回転補償機構34
を用いないとすると、回転部材39が回転するにつれ投
影される断面画像はスクリーン38上で面内回転し、回
転部材39が180゜回転したところで投影される断面
画像は基準像に対し上下が逆転した像になってしまう。
この現象を防ぐものが像回転補償機構34である。
【0045】図4に示す像回転補償機構34は複数のミ
ラーを組み合わせて構成されるイメージローテータを使
用している。イメージローテータを光軸まわりに回転さ
せると、入射画像に対する出射画像がイメージローテー
タの角速度の2倍の角速度で回転して出射される性質が
ある。したがって、スクリーン38が取り付けられてい
る回転部材39の角速度の1/2の角速度でイメージロ
ーテータを回転させることによって、スクリーンの回転
にかかわらず正立した断面像を常に投影できる。
【0046】なお、像回転補償機構としてはイメージロ
ーテータ以外にダブ(タイプ)プリズムを使用しても同
様の効果が得られる。また、ここに説明した像回転補償
機構34を使用せず、DMD33の表面上に生成する断
面画像をスクリーン38の回転角度に応じて光軸まわり
に回転する像とすることで投影像の回転を打ち消すよう
にしてもよい。
【0047】すなわち、DMD33の表面上で生成され
る断面画像が、体積走査の開始時では正立像(あるいは
倒立像)であり、スクリーン38の回転とともに自転し
て体積走査が完了した時点では倒立像(あるいは正立
像)となるように断面画像の生成のための2次元画像デ
ータを、DMD33に与える前の段階で補正するように
してもよい。
【0048】ここで、スクリーン38および回転部材3
9の斜視概観図の一例を図5に示す。図5に示すように
回転部材39は円盤形状をなし、その側面に回転駆動手
段となるモータ74の回転軸が接することによって回転
駆動される。なお、回転部材39の中心軸にモータを直
結したり、歯車やベルトを介して駆動させるようにして
もよい。
【0049】図5に示すようにスクリーン38がある回
転角度θ1にあるとき、θ1に対応した表示対象物の断
面画像P1(DMD33で生成)が、図4に示した投影
ミラー36と投影レンズ513と投影ミラー37とを経
由してスクリーン38上に投影される。そこから微小時
間が経過してスクリーン38が回転し、その回転角度が
θ2になったとき、今度はθ2に対応した表示対象物の
断面画像P2(DMD33で生成)が、図4に示した投
影ミラー36と投影レンズ513と投影ミラー37とを
経由してスクリーン38上に投影される。
【0050】投影ミラー36、投影レンズ513および
投影ミラー37はスクリーン38に対して一定の位置関
係を保ったまま共に回転するので、スクリーン38上に
は回転にかかわらず常に断面像が投影され続ける。そし
て回転部材39を180゜回転(若しくは360°回
転)させた時点で再び始めと同じ断面画像が現れ、1回
の体積走査が完了する。以上の動作を回転部材39の回
転の速度を残像効果が起きるように十分に速く、かつ投
影する断面像の枚数を十分に多くすることによって、観
察者は断面画像の包絡として表示対象物の立体像を視認
することができるのである。図6および図7にスクリー
ン38の回転および断面画像の投影により立体画像が表
示される様子を概念的に示す。
【0051】次に断面画像の大きさ(解像度)について
述べる。図8はスクリーン38に投影される断面画像の
大きさを示す図である。断面画像は256画素(水平方
向)×256画素(垂直方向)の大きさで、スクリーン
38の回転軸に対して対称に投影される。すなわち、回
転軸を中心として周方向に向かって左右128画素の大
きさとなる。投影される断面画像はスクリーン38と一
定の関係を保ったまま共に回転するので、スクリーン3
8の回転にかかわらず、投影される断面画像の大きさは
一定である。なお、図8に示す断面画像の大きさは単な
る一例であり、使用されるDMD33に設けられた微小
ミラーの数に応じて任意の大きさが設定可能である。
【0052】<C.立体画像表示システムにおける制御
機構>次に、この立体画像表示システム1において立体
画像を表示するための制御機構について説明する。
【0053】図9は、立体画像表示システム1の機能構
成を示すブロック図である。図9において実線矢印は電
気信号の流れを示しており、破線矢印は光の流れを示し
ている。なお、図9に示す照明光学系40および投影光
学系50は上述した内容のものである。
【0054】表示対象物の断面画像に関する2次元画像
データはディジタル入出力端子24を経由してホストコ
ンピュータ3からインタフェース66に入力されたり、
あるいは記録メディア4からインタフェース66に入力
される。
【0055】一般に画像データは他の種類のデータに比
べデータ量が多いため、インタフェース66に入力され
る2次元画像データにはMPEG2方式等によるデータ
圧縮が施されている場合も多い。この場合は、圧縮され
た2次元画像データを伸張(復元)する必要がある。そ
こで、図9の構成では圧縮された2次元画像データを伸
張するためのデータ伸張器65が設けられている。な
お、インタフェース66に入力される2次元画像データ
にデータ圧縮が施されていない場合ではデータ伸張器6
5を設ける必要性はない。
【0056】伸張された2次元画像データは、DMD3
3における断面画像の生成を制御するDMD駆動部60
に与えられる。DMD駆動部60はDMD33とDMD
コントローラ62とメモリ63a,63bとを備えてい
る。メモリ63aおよび63bはそれぞれ独立に書き込
みまたは読み出しが制御されるように構成され、それぞ
れが複数の2次元画像データを記憶する記憶手段として
機能する。DMDコントローラ62はDMD33に対し
て階調信号を与えたり、位置検出器73で検出されるス
クリーン38の回転角度に応じてカラーフィルタ43を
駆動するためのドライバ71を制御するとともにメモリ
63a,63bにおける書き込み動作と読み出し動作と
を制御する。
【0057】ここで、記憶手段となるメモリの構成につ
いて説明する。この発明に係る立体画像表示装置100
では、スクリーン38は後述するように半透明のスクリ
ーンとなっており、上述した例示のようにスクリーン3
8が180゜回転する間にDMD33で生成される断面
画像の数を60枚とすると、立体表示を行うには少なく
とも60枚の断面画像をスクリーン38の回転角度に応
じて断続的に投影する必要がある。断面画像がスクリー
ン38の表裏両面から観察可能な場合には、スクリーン
38が180゜回転する間に立体画像の全体が表示され
るからである。なお、スクリーン38が次の180゜を
回転する間には投影方向が逆向きとなることから断面画
像の左右を反転する必要があるが、この処理については
後述する。
【0058】以上のことから、60枚の断面画像群を1
シーンとするとその断面画像群に含まれる2次元画像デ
ータを順次に繰り返してDMD33にデータ転送する必
要があり、DMD33に2次元画像データを供給するた
めのメモリの記憶容量は、少なくとも1シーンに相当す
る60枚分の2次元画像データを記憶しておくことので
きるメモリサイズが必要になる。
【0059】つまり、2次元画像データ用のメモリサイ
ズが小さい場合、例えば60枚に満たない断面画像分の
2次元画像データしかメモリに記憶することができない
場合は、ホストコンピュータ3あるいは記録メディア4
から断面画像ごとの2次元画像データを繰り返し転送し
続けないと静止画像ですら適切に立体表示することがで
きない。一般にはホストコンピュータ3あるいは記録メ
ディア4から2次元画像データを転送する際の速度はメ
モリからDMD33に対して2次元画像データを供給す
る際の速度に比べて低速であるため、高速回転するスク
リーン38の回転位置に応じた2次元画像データの供給
が間に合わないという事態が生じ、適切な立体表示がで
きなくなるのである。
【0060】これに対して、60枚分以上のメモリサイ
ズがあれば、1シーンを構成する断面画像群についての
2次元画像データを全てメモリに格納しておくことがで
きるので、一旦メモリに2次元画像データを格納してお
けば、このメモリからスクリーン38の回転位置に応じ
て2次元画像データを順次にDMD33に与えることに
よって適切に立体画像の表示を行うことができるのであ
る。
【0061】以上のことは、立体表示を行う際に静止画
像を表示する場合であっても動画像を表示する場合であ
っても同様である。動画像を表示する場合、メモリ内の
2次元画像データを逐次更新する必要があることから、
読み出しおよび書き込みの制御を独立して行うメモリを
2つ設け、これらのメモリの読み出しおよび書き込み制
御が互い違いに行われる(いわゆる、トグル動作が行わ
れる。)。
【0062】ここで、ホストコンピュータ3あるいは記
録メディア4から2次元画像データを転送する際の速度
はメモリからDMD33に対して2次元画像データを供
給する際の速度に比べて低速であるため、一方のメモリ
からの2次元画像データを読み出している間に他方のメ
モリに次の2次元画像データの書き込みが完了しないこ
とも考えられる。
【0063】このような事態が発生した場合であって
も、前のシーンを繰り返し表示することにより表示が途
絶えること防止することができる。そこで、立体画像表
示装置100では2つのメモリ63a,63bを設ける
に際し、各メモリの記憶容量を少なくとも1シーン分の
複数の断面画像に対応する2次元画像データ群を記憶す
ることができるように構成している。
【0064】例えば、図10に示すようにそれぞれのメ
モリについて256×256×3×20Byte(R,
G,B各色について20枚分の画像であり、合計60枚
分の画像のデータ量に相当する。)のメモリサイズを確
保し、それぞれのメモリで1シーン分の2次元画像デー
タを記憶することができるように構成するのである。こ
のような構成を採用することによって、一方のメモリか
らの1シーン分の2次元画像データを読み出している間
に他方のメモリに次の1シーン分の2次元画像データの
書き込みが完了していない場合には、もう一度繰り返し
て前回と同じシーンを表示することができるのである。
この結果、断面画像がとぎれることなくスクリーン38
上に投影され続けるため、残像効果を維持することがで
きる。
【0065】なお、上述の説明では、1シーンの間にス
クリーン38が180゜回転するものとして説明した
が、1シーンの間にスクリーン38が360゜回転する
ものとし、2つのメモリ63a,63bのそれぞれに1
シーン分、すなわち、スクリーン38が1回転する間の
投影に利用される2画像データ群を記憶するようにして
おいてももちろんよい。
【0066】図9の説明に戻り、システムコントローラ
64は、投影レンズ系51における像回転補償機構34
の回転動作およびモータ74の動作を制御するスクリー
ンコントローラ72に対して駆動指令を与える。また、
システムコントローラ64は白色光源41を駆動するド
ライバ70の制御や、インタフェース66およびデータ
伸張器65を管理・制御してDMD駆動部60に対する
2次元画像データの供給状況等のDMDコントローラ6
2への伝達等を行う。
【0067】また、システムコントローラ64はキャラ
クタジェネレータ69に対して液晶ディスプレイ21の
画面上に適切な文字や記号等を表示させるための指示を
与えるとともに、着脱可能な操作スイッチ22からの入
力情報をも入力することができるように構成されてい
る。操作スイッチ22と立体画像表示装置100とは赤
外線通信を行うように構成されており、立体画像表示装
置100側には赤外線通信用の送受信部75aとドライ
バ75bとを有し、操作スイッチ22側には送受信部7
6aとドライバ76bとを有している。
【0068】なお、2次元画像データに含まれる音声デ
ータは、データ伸張器65の内部に設けられた図示しな
いオーディオデコーダによって復元され、そこで得られ
た音声データはD/A変換器68aとアンプ部68bと
を経由してスピーカ25から出力される。また、電源6
7は図9に示す立体画像表示装置100の各部に対して
電源供給を行う。
【0069】図11は、図9に示した構成のうちの要部
を抜き出した図である。上述したようにこの立体画像表
示装置100においては表示対象物の立体像を時々刻々
と変化させて表示対象物に関する動画像を表示させるた
めに2個のメモリ63a,63bを設け、一方のメモリ
への書き込み動作と他方のメモリからの読み出し動作と
を時間的に並行して行うような構成とされている。具体
的には、DMDコントローラ62内におけるメモリ制御
部62aが読み出し対象となるメモリと書き込み対象と
なるメモリとを切り換える制御手段として機能し、位置
検出器73によって得られるスクリーン38の回転角度
に応じてメモリ63aおよび63bの読み出し動作と書
き込み動作とを交互に切り換える。なお、このメモリ制
御部62aと2個のメモリ63a,63bが一体となっ
て表示対象物の1シーンの全体を複数の断面画像によっ
て集合的に表現した2次元画像データ群を入力した際に
バッファするバッファ手段として機能する。
【0070】データ伸張器65から供給される2次元画
像データはメモリ63a,63bの双方に供給される
が、2つのメモリのうちのメモリ制御部62aによって
書き込み指令の与えられたメモリのみが指定されたアド
レスから順次2次元画像データを書き込んでいく(また
は更新していく)。その一方で、メモリ制御部62aか
ら読み出し指令の与えられたメモリは既に格納している
複数の2次元画像データをメモリ制御部62aからの指
令に基づいて順次に出力してDMD33に与える。
【0071】メモリ制御部62aは位置検出器73から
得られる回転角度に基づいてDMD33において断面画
像の生成を行わせるべく、一方のメモリ63a(または
63b)に対して読み出しアドレスを指定することによ
って2次元画像データの読み出し動作を制御することに
より、断面画像の表示を制御する。そして、1シーン分
の断面画像群の投影を完了したときに、他方のメモリ6
3b(または63a)に対する次の1シーン分の2次元
画像データの書き込みが終了しているかどうかを調べ、
終了している場合には読み出し対象と書き込み対象との
メモリを切り換え、終了していない場合には読み出し対
象である一方のメモリ63a(または63b)から再度
繰り返して同じシーンを投影させるべく、1シーン分の
2次元画像データを順次読み出すように制御する。
【0072】このような制御を行うメモリ制御部62a
の詳細を機能ブロック図として示すと図12に示すよう
になる。すなわち、位置検出器73から得られる回転角
度に応じたパルス信号をカウンタ81がカウントしてそ
の結果を読み出しアドレス発生部82と切換部84に送
る。読み出しアドレス発生部82では、カウント結果に
基づいてスクリーン38の現在位置に適した断面画像を
特定してその2次元画像データを読み出すための読み出
しアドレスを発生させる。一方、書き込みアドレス発生
部83は、システムコントローラ64から伝達されるデ
ータ伸張器65からの2次元画像データの供給状況に基
づいて供給される2次元画像データの書き込みアドレス
を発生させる。読み出しアドレス発生部82と書き込み
アドレス発生部83とで発生するアドレスはそれぞれ切
換部84に導かれる。そして切換部84はカウンタ81
からの回転角度に基づいて1シーン分の断面画像群の投
影を完了したと判断したときに他方のメモリに対する次
の1シーン分の2次元画像データの書き込みが終了して
いるかどうかを調べて、終了している場合には読み出し
対象と書き込み対象とのメモリを切り換えて読み出しア
ドレスと書き込みアドレスとの送出先を切り換え、終了
していない場合には切り換え動作を行わない。
【0073】このような構成および制御を行うことによ
り、スクリーン38の回転に伴ってスクリーン38上に
投影される断面画像を更新していくことができ、体積走
査による立体表示において表示対象物の動画像をも表示
することが可能になる。また、読み出し対象となってい
るメモリから1シーン分の断面画像群に関する2次元画
像データの読み出しが終了したときに、ホストコンピュ
ータ3等からの入力またはデータ伸張器65における伸
張処理が未だ終了しておらず、他方のメモリに対する2
次元画像データの書き込み(更新)が完了していない場
合であっても、スクリーン38上に投影される断面画像
がとぎれることを回避することができ、常に適切な立体
表示を維持することが可能になる。
【0074】次に、断面画像に関する2次元画像データ
の生成について説明する。図13は図9のホストコンピ
ュータ3における機能構成を示すブロック図である。ホ
ストコンピュータ3のCPU3aは、立体データ記憶部
91、立体表示条件入力部92、断面画像演算部93と
して機能する。そして、表示対象物の3次元画像データ
から、スクリーン38の回転角度に対応させた断面画像
ごとに2次元画像データを導出し、当該データを立体画
像表示装置100側に供給する。
【0075】立体データ記憶部91は表示対象物の3次
元画像データを記憶する。ここで記憶される3次元画像
データは表示対象物の動画像についてのデータである。
一例を挙げると、表示対象物の初期状態から最終状態に
至るまでの各形態をそれぞれ1つの3次元画像データと
して立体データ記憶部91に格納することによって、表
示対象物の動画像に関する3次元画像データを記憶させ
ておくことができる。
【0076】また、記憶されている表示対象物をどのよ
うな大きさや姿勢で表示するかについての表示条件等を
設定する立体表示条件入力部92が設けられ、立体デー
タ記憶部91から読み出される3次元画像データと、立
体表示条件入力部92から与えられる表示条件に基づい
て、所定の角度刻みごとに表示対象物を切断した断面画
像の2次元画像データを断面画像演算部93で導出す
る。
【0077】図14は、断面画像演算部93において行
われる3次元画像データから2次元画像データへの変換
過程を示す図である。まず、図14(a)のような表示
対象物の3次元画像データに対して、回転表示を行う際
の中心軸となる回転軸を設定する。この状態が図14
(b)である。そして、3次元画像データを1回転で何
分割するかを設定し、図14(c)に示すように分割数
に応じて表示対象物をほぼ均等な角度ごとの放射面状に
切断する。この切断によって導かれる表示対象物の断面
像を画像データとして表現することにより、図14
(d)に示すような所定角度ごとに切断された表示対象
物の断面画像に関する2次元画像データが生成される。
【0078】図14(d)に示すような1回転する際に
表示対象物の立体画像を表示するのに必要な断面画像群
の全ての2次元画像データが1シーン分の2次元画像デ
ータとなる。この1シーン分の2次元画像データに基づ
いて立体表示を行うことにより、表示対象物がある一つ
の状態にあるときの立体画像を投影することができるの
である。そして、動画像の場合は、断面画像演算部93
において表示対象物の初期状態から最終状態に至るまで
の各形態のそれぞれについて、1シーンを1つのまとま
りとする2次元画像データが順次に導出されていき、そ
れらデータが順次に立体画像表示装置100側に供給さ
れていくのである。
【0079】なお、導出された2次元画像データは必要
に応じてMPEG2等の方式によりデータ圧縮が行われ
る。
【0080】<D.投影像の補正>次に、投影像の補正
の必要性について説明する。投影像を補正することが必
要な点として、2つの点がある。第1には、スクリーン
38への断面画像の投影においてスクリーン38の上方
と下方との間での光路長の相違による断面画像のひずみ
を補正することである。第2には、スクリーン38を1
80゜回転させた時点で1回の体積走査が完了するよう
にした場合に、スクリーン38の投影面が観察者に対し
て前面側にあるときと裏面側にあるときとで、投影する
断面画像を左右反転させることである。
【0081】まず、第1の投影像の補正について説明す
る。立体画像表示装置100においては立体像の観察に
際して観察者の視線を防げないために、図4に示すよう
に、投影ミラー37はスクリーン38の正面よりも斜め
下方にずらした位置に配置されている。従ってスクリー
ン38の上方と下方とで光路長が異なり、スクリーン3
8の下方に比べて上方では断面像が相対的に大きく拡大
されて投影されることになる。この状態では立体像がい
びつになるので、投影像のスケールの差違を補正する必
要がある。
【0082】投影像の補正方法の一例としては、DMD
33で生成される断面画像に、予め像の上方と下方とで
スケールに差を与える補正を施す方法がある。具体的に
は、実際に投影したい断面画像P3が図15(a)に示
すような矩形環状であるとき、DMD33で生成される
断面画像P4は、図15(b)に示すように下方に比べ
上方でスケールを縮小した台形環状の像となるようにD
MD33に与える2次元画像データを補正しておく。こ
の補正を行う補正手段としては、ホストコンピュータ3
側で2次元画像データを生成する際に下方に比べて上方
のスケールを縮小するようにしてホストコンピュータ3
自体を補正手段としてもよく、また図9に示すデータ伸
張器65において伸張を行う際に補正するようにしてデ
ータ伸張器65を補正手段としてもよく、さらにはデー
タ伸張器65の後段側に上記のような補正を行う補正手
段を単体で設けてもよい。なお、スケールの縮小率は、
スクリーン38への投影の際の拡大係率を打ち消すよう
に設定することが好ましいため、補正手段は立体画像表
示装置100側に設けることが好ましい。
【0083】また、投影像の補正方法の他の例として
は、例えば、光軸に対して非対称な屈折特性を有するレ
ンズ系(上方側には倍率が小さく、下方側には倍率が大
きくなるレンズ系)を投影光学系に配置する方法があ
る。この場合、当該レンズ系は、投影ミラー36と投影
ミラー37の間、投影ミラー37とスクリーン38との
間、DMD33と像回転補償機構の間に配設することが
できる。
【0084】また、投影ミラー36と投影ミラー37の
いずれかを上方側に投影される光に対しては像を縮小
し、下方側に投影される光に対しては像を拡大するよう
な複数の曲率を有する曲面ミラーにする方法を採用して
もよい。なお、投影ミラー36と投影ミラー37をとも
に曲面ミラーにして、最終的にスクリーン38に投影す
る際に、上方側に投影される光に対しては像を縮小し、
下方側に投影される光に対しては像を拡大するようにし
てもよい。
【0085】次に、第2の投影像の補正について説明す
る。スクリーン38が360°回転する際に投影する断
面画像群の全ての2次元画像データをメモリ63a,6
3bに格納し、スクリーン38の360°回転を1回の
体積走査とする場合はスクリーン38の投影面が観察者
に対して前面側と裏面側のいずれにあるときでも適切な
断面画像の投影を行うことができる。
【0086】しかしながら、スクリーン38が180°
回転する際に投影する断面画像群の2次元画像データを
メモリ63a,63bに格納し、スクリーン38の18
0°回転を1回の体積走査とする場合はスクリーン38
上に非回転対称の立体像を投影する際には投影面が前面
側にあるときと裏面側にあるときとで断面画像を左右反
転させることが必要になる。なぜなら、例えば表示対象
物としてコーヒーカップの立体像を表示させようとして
左右反転を行わない場合には表示対象物のコーヒーカッ
プには取っ手部分が1つしかないにもかかわらず、立体
表示される表示像には回転軸に対して対称な位置関係に
2つの取っ手部分が表示されることになるからである。
【0087】この左右反転を行う方法の一例として、メ
モリ63a,63bからDMD33に対して2次元画像
データを供給する際におけるメモリ63a,63bの読
み出しアドレスをスクリーン38の回転角度に応じて切
り換える方法がある。この方法では、スクリーン38が
180°回転するごとに断面画像を反転させるために、
断面画像における水平方向についてのデータ読み出し順
序を切り換えるだけでよく、断面画像の垂直方向につい
ては変更する必要がない。
【0088】例えば、断面画像の大きさが図8に示した
ような256画素(水平方向)×256画素(垂直方
向)である場合、各メモリ63a,63bから2次元画
像データを読み出す際の水平アドレスは8ビットとな
り、水平方向の0番目〜255番目までの画素を指定す
ることができる。そして、図11に示したメモリ制御部
62aが位置検出器73から得られるスクリーン38の
回転角度に応じてメモリ63a,63bからDMD33
に与える2次元画像データの水平方向の読み出し順序を
切り換える。
【0089】図16は、スクリーン38の回転角度θに
応じてメモリ63a,63bからの読み出し順序を示す
図である。図16に示すように、メモリ63a,63b
にはスクリーン38が180°回転する際に投影する断
面画像群としてn枚分の2次元画像データが格納され
る。そして図16(a)に示すようにスクリーン38の
回転角度θが0°≦θ<180°の範囲内である場合に
は、n枚分の2次元画像データはそれぞれ水平方向の右
方向に順次1画素ずつの画像データD0、D1、D2、
…、D255が読み出されてDMD33に供給される。
これに対し、図16(b)に示すようにスクリーン38
の回転角度θが180°≦θ<360°の範囲内である
場合には、n枚分の2次元画像データはそれぞれ水平方
向の左方向に順次1画素ずつの画像データD255、D
254、D253、…、D0が読み出されてDMD33
に供給される。
【0090】つまり、スクリーン38の回転角度θが0
°≦θ<180°の範囲内である場合には第1の読み出
しモードとして2次元画像データのそれぞれの画像デー
タを回転軸Zに直交する水平方向の右方向に順次読み出
していくのに対し、スクリーン38の回転角度θが18
0°≦θ<360°の範囲内である場合には第2の読み
出しモードとして2次元画像データのそれぞれの画像デ
ータを回転軸Zに直交する水平方向の左方向に順次読み
出していくのである。
【0091】このような読み出し順序を切り換えるため
の制御機構の一例を図17に示す。図17には図12に
示した読み出しアドレス発生部82の詳細構成を示して
いる。図17に示すように読み出しアドレス発生部82
は第1アドレス発生部82aと第2アドレス発生部82
bとアドレス選択部82cとを備える。第1アドレス発
生部82aはスクリーン38の回転角度θが0°≦θ<
180°の範囲内にあるときの読み出しアドレスを発生
し、第2アドレス発生部82bはスクリーン38の回転
角度θが180°≦θ<360°の範囲内にあるときの
読み出しアドレス(すなわち第1アドレス発生部82a
で発生される水平方向の読み出し順序を逆順序に設定し
た読み出しアドレス)を発生する。第1アドレス発生部
82aおよび第2アドレス発生部82bは双方ともカウ
ンタ81から得られるカウント結果に基づいてスクリー
ン38の現在位置に適した断面画像を特定してその2次
元画像データを読み出すための読み出しアドレスを常時
発生させる。
【0092】図18はこれらのアドレス発生部82a,
82bで発生される8ビットの水平アドレス信号の一例
を示す図である。図18において、(a)は第1アドレ
ス発生部82aで発生されるアドレス信号を示してお
り、(b)は第2アドレス発生部82bで発生されるア
ドレス信号を示している。なお、図18(a),(b)
においてA0〜A7はビット単位ごとの信号を示してい
る。
【0093】図18に示すように、スクリーン38の回
転角度が0°≦θ<180°の範囲内にあるときと18
0°≦θ<360°の範囲内にあるときとでは各ビット
信号A0〜A7はレベル反転した関係にある。この結
果、0°≦θ<180°の範囲内にあるときには図16
(a)に示した順序で1画素ごとのデータが読み出され
ていき、180°≦θ<360°の範囲内にあるときに
は図16(b)に示した順序で1画素ごとのデータが読
み出されていく。なお、図18に示すように2次元画像
データの2ライン目以降についても1ライン目と同様の
読み出し手順(方向)で読み出しアドレスを設定する。
【0094】このようにして第1アドレス発生部82a
と第2アドレス発生部82bとの双方で発生された読み
出しアドレスはアドレス選択部82cに導かれる。アド
レス選択部82cではカウンタ81から得られる回転角
度θが0°≦θ<180°の範囲と180°≦θ<36
0°の範囲とのいずれの範囲内にあるかを調べ、0°≦
θ<180°の範囲内にある場合には第1アドレス発生
部82aで発生されたアドレス信号(図18(a)参
照)を上述した切換部84に供給し、また、180°≦
θ<360°の範囲内にある場合には第2アドレス発生
部82bで発生されたアドレス信号(図18(b)参
照)を上述した切換部84に供給する。
【0095】以上のような構成を採用することにより、
メモリ63aまたは63bから2次元画像データを読み
出す際に断面画像の水平方向に相当する読み出し順序を
スクリーン38の回転角度に応じて反転させる(切り換
える)ことが可能になる。この結果、DMD33に与え
られる2次元画像データはスクリーン38の180°回
転ごとに左右の反転されたデータとなり、スクリーン3
8上に投影される断面画像も180°回転ごとに左右反
転が行われる。この結果、スクリーン38の180°回
転を1回の体積走査とする場合における断面画像の左右
反転を実現することが可能になり、投影像の補正が良好
に行えるのである。
【0096】<E.スクリーンの構造>以上、この発明
に係る立体画像表示装置100の構成および機能につい
て説明してきたが、次に、立体画像表示装置100にお
けるスクリーン38の構造について詳説する。
【0097】スクリーン38は半透明とされており、投
影光学系50から投影される側のみならず反対側からも
投影画像を見ることができるようになっている。図19
はスクリーン38の主面に垂直な面によるスクリーン3
8の縦断面図(すなわち、スクリーン38の厚み方向の
縦断面図)であり、厚み方向に強調して示している。な
お、「スクリーンの主面」とはスクリーンが広がる面を
概念的に示す言葉として以下の説明において用いるが、
断面画像が投影される面やスクリーン38表面を構成す
る面のうち最も大きな面を指す言葉として捉えてもよ
い。
【0098】図19に示すように、スクリーン38は半
透過性を有する光拡散材381が2枚の高剛性の硬質透
明材382,383により両側から挟まれる構造となっ
ている。光拡散材381は断面画像が投影される投影面
としての役割を果たすために十分に薄く形成されてお
り、入射する光波を入射側に拡散放射すると同時に、反
対側にも入射側とほぼ同量の光波を拡散放射する特性を
有する。光拡散材381としては、光拡散加工された薄
い樹脂シートや紙等の繊維質の材料から形成されるシー
トが利用される。
【0099】硬質透明材382,383は、入射する光
波を透過するとともにある程度の剛性を有しており、例
えば、透明ガラス、アクリル、ポリカーボネート等の透
明樹脂材料が利用される。2枚の硬質透明材382,3
83は共に同じ材料で形成されていてもよく、互いに異
なる材料で形成されていてもよい。なお、2枚の硬質透
明材382,383が同じ材料または比重がほぼ等しい
材料にて形成される場合にはほぼ同じ厚みであることが
好ましく、互いに比重が大きく異なる材料にて形成され
る場合には、厚みの2乗と比重との積が互いに等しくな
るような厚みが硬質透明材382,383に与えられる
ことが好ましい。このような条件がスクリーン38に対
して好ましい理由については後述する。
【0100】また、スクリーン38に入射する光波ある
いは光拡散材381にて拡散放射される光波の一部が硬
質透明材の表面で反射されて投影画像がにじんだりゴー
ストが発生することを避けるために、2枚の硬質透明材
382,383のそれぞれの両主面382a,382
b,383a,383bにはコーティング等の反射防止
処理が施される。なお、硬質透明材の主面とは硬質透明
材が有する最も大きな面をいい、光拡散材381に面す
る面および反対側の面をいう。
【0101】2枚の硬質透明材382,383は光拡散
材381を介して互いに固く結合される。これらの硬質
透明材382,383に間にズレが生じる場合にはスク
リーン38全体の剛性を適切に維持することができず、
硬質透明材382,383の厚みを不必要に厚くする必
要が生じるからである。具体的には、光拡散材381を
挟んだ状態で、2枚の硬質透明材382,383をネジ
を用いて結合する方法、接着剤を用いて接着する方法、
熱により融着させる方法等がある。また、一方の硬質透
明材382に光拡散材381を接着した後で、光拡散材
381と他方の硬質透明材383とを接着するようにし
てもよい。
【0102】このように、スクリーン38は主面に垂直
な方向に硬質透明材382、光拡散材381および硬質
透明材383を順に有する構造となっているのであるな
らば、これらの部材が分離可能に結合されても分離不可
能に一体的に結合されていてもよい。すなわち、スクリ
ーン38において硬質透明材382、光拡散材381お
よび硬質透明材383は3つの部材として把握できる必
要はなく、これら3つの部材のそれぞれに相当する3つ
の層を有する一体的構造であってもよい。スクリーン3
8を層構造を有する部材とみなした場合の光拡散層38
a、硬質透明層38bおよび硬質透明層38cのそれぞ
れを図19中に符号を付して示す。
【0103】図20はスクリーン38の他の構造を示す
図であり、図19と同様、スクリーン38の主面に垂直
な面による縦断面図であり、厚み方向に強調して示して
いる。
【0104】図20に示すスクリーン38は2枚の硬質
透明材384,385を結合した構造となっており、一
方の硬質透明材385における他方の硬質透明材384
側の主面385aには入射する光波を拡散放射する拡散
反射処理(すなわち、拡散放射を生じる処理)が施され
ている。拡散反射処理の具体的方法としては、例えば、
微小な拡散粒子をバインダとともに硬質透明材385の
主面385aに塗布する方法がある。このとき、できる
だけ薄く均一に塗布を行うことにより、入射する光波を
入射側に十分拡散放射するとと同時に反対側にも入射側
とほぼ同量の光波を拡散放射する特性を持たせることが
できる。
【0105】また、別の方法としては、硬質透明材38
5の主面385aに微小な凹凸を緊密かつ一様に形成
し、いわゆるマット状に表面加工を施す方法もある。
【0106】硬質透明材384,385としては、図1
9に示したものと同様に、透明ガラス、アクリル、ポリ
カーボネート等の透明樹脂材料が利用可能であり、2枚
の硬質透明材384,385は共に同じ材料で形成され
ていてもよく、互いに異なる材料で形成されていてもよ
い。また、2枚の硬質透明材384,385が同じ材料
または比重がほぼ等しい材料にて形成される場合にはほ
ぼ同じ厚みであることが好ましく、互いに比重が大きく
異なる材料にて形成される場合には、厚みの2乗と比重
との積が互いにほぼ等しくなるような厚みが硬質透明材
384,385に与えられることが好ましい。
【0107】さらに、投影画像がにじんだりゴーストが
発生することを避けるために、2枚の硬質透明材38
4,385の表面加工が施されていない主面384a,
384b,385bにはコーティング等の反射防止処理
が施される。2枚の硬質透明材384,385の結合も
図19のスクリーン38と同様に、ネジ結合、接着剤に
よる接着、熱による融着等により行われる。
【0108】以上説明したように、図20に示すスクリ
ーン38は2枚の硬質透明材384,385を結合した
構造を有するが、図19に示したスクリーン38と同
様、3層構造を有する。すなわち、硬質透明材384が
硬質透明層38bに相当し、硬質透明材385の主面3
85aが光拡散層38aに相当し、硬質透明材385の
他の部分が硬質透明層38cに相当する。
【0109】ところで、図19および図20に示すスク
リーン38では、入射する光波をスクリーン38の両側
へと拡散放射する光拡散層38aが設けられるが、光拡
散層38aは投影される断面画像の光波のみならず照明
等の外部から進入する不要な光も拡散放射する。その結
果、スクリーン38全体が白っぽく見えることとなり、
断面画像のコントラストを低下させる。
【0110】そこで、この発明に係る立体画像表示装置
100では、光拡散層38aに着色処理が施される。す
なわち、図19に示す光拡散材381や図20に示す拡
散反射処理が施された主面385aに若干の着色処理が
施され、好ましくは、淡い灰色に着色される。これによ
り、不要な外部光の散乱によりスクリーン38の白っぽ
い輝きが抑えられ、観察者の視覚において立体画像のコ
ントラストが改善されてより鮮明な立体画像が観察でき
るようになる。
【0111】以上、立体画像表示装置100に用いられ
るスクリーン38の構造について説明してきたが、立体
画像表示装置100ではスクリーン38に光拡散層38
aを設けることにより、スクリーン38が不透明である
場合に比べて高精細な立体画像の表示を実現している。
【0112】すなわち、スクリーンが不透明な材質で構
成されている場合には、断面画像が投影される投影面が
観察者から見てスクリーンの背後に位置する間は断面画
像を視認することができない。したがって、観察者には
スクリーンが360゜回転する間にスクリーンの各位置
に対応する断面画像が1回しか観察されない。しかし、
半透明のスクリーン38の場合、スクリーン38に投影
される断面画像は投影側のみならず反対側からも観察す
ることができ、スクリーン38が360゜回転する間に
スクリーン38の各位置に対応する断面画像を2回観察
することができる。
【0113】これにより、スクリーンが不透明な場合に
比べ、スクリーン38の回転速度およびスクリーン38
が1回転する間の断面画像の投影回数が同じであっても
観察者が観察することができる断面画像の数を2倍とす
ることができる。その結果、スクリーン38が不透明な
場合に比べて図19および図20に示すスクリーン38
では断面画像が観察者の視界に入るデューティ比を2倍
とすることができ、高精細な立体画像の表示が実現され
る。
【0114】また、光拡散層38aは入射する光波を入
射側およびその反対側にほぼ同程度で拡散放射するの
で、表示される立体画像にはちらつきが生じない。
【0115】次に、スクリーン38の取付位置について
説明する。
【0116】立体画像表示装置100ではスクリーン3
8を取り付けるに際し、スクリーン38の主面が回転部
材39の回転軸と平行となることが前提となるが、図1
9および図20に例示したスクリーン38では、さら
に、その薄い光拡散層38aが回転部材39の回転軸に
ほぼ一致するように回転部材39上に取り付けられる。
すなわち、回転軸が光拡散層38aの内部または表面に
沿って伸び、実質的に光拡散層38aと回転軸とが重な
る位置関係とされる。これにより、スクリーン38の投
影面である光拡散層38aが回転により体積走査する空
間は図21に示すように中実円柱となる。ここで、光拡
散層38aは両側から2つの硬質透明層38b,38c
により挟まれているので、回転によりスクリーン38に
撓む力が生じたとしても回転軸Zを挟むようにして2つ
の硬質透明層38b,38cがこの撓む力に抵抗する。
【0117】さらに、既述のように、立体画像表示装置
100では2つの硬質透明層38b,38cである2枚
の硬質透明材382,383(または、硬質透明材38
4、385)が同じ材料で形成される場合には、その厚
みがほぼ等しくされ、比重が大きく異なる材料で形成さ
れる場合には、2枚の硬質透明材において、厚みの2乗
と比重との積がほぼ等しくなるように厚みが調整され
る。
【0118】2枚の硬質透明材において厚みの2乗と比
重との積がほぼ等しくするのは、スクリーン38の重心
を光拡散層38a上(すなわち、光拡散層38aの内部
または表面)に位置させることを目的としている。各硬
質透明材における重心は光拡散層38aから厚みの半分
の距離に位置する。また、各硬質透明材の質量は比重と
厚みとの積に比例する。スクリーン38の重心を光拡散
層38aに位置させるにはスクリーン38の重心から硬
質透明層の重心までの距離と硬質透明層の質量との積が
両硬質透明層に関して等しくすればよいので、最終的に
は各硬質透明材間で厚みの2乗と比重との積が等しくな
るように各硬質透明材の厚みを調整すればよい。
【0119】スクリーン38の重心が光拡散層38a上
に位置すると、スクリーン38の光拡散層38aを回転
軸Zに重ねるという配置はスクリーン38の重心をほぼ
回転軸Z上に位置させる配置となる。そして、スクリー
ン38の回転走査時にスクリーン38に作用する遠心力
は光拡散層38aを中心に対称となって相殺され、スク
リーン38を撓ませる力の発生が効果的に防止される。
その結果、スクリーン38は平面の状態を維持しつつ安
定して回転することができ、順次投影される断面画像に
より形成される立体画像を適切に表示することができ
る。
【0120】これに対し、単に片面にのみ磨り加工が施
された磨りガラスをスクリーンとして用いる場合には、
スクリーンの回転による振動を防止するために磨りガラ
スの厚み方向の中央に回転軸を位置させることが必要と
なる。この場合、投影面である磨り面と回転軸とが一致
せず、磨り面が走査する空間は図23に示すようにな
る。その結果、回転軸902近傍には欠落部906が生
じ、表示される立体画像に欠落が生じる。また、磨り面
である投影面が回転軸と一致しないことから、図24に
示すようにある位置から180゜だけスクリーンが回転
すると、投影面にオフセットが生じて観察される立体画
像にぶれが生じ、不鮮明になるという問題も生じる。
【0121】一方、片面だけ磨り加工が施された磨りガ
ラスをスクリーンとして用いる場合に、磨り面と回転軸
とを強制的に一致させようとするとスクリーンの重心は
回転軸と一致しない上に、回転軸はスクリーンの内部で
はなくてスクリーンの表面に位置してしまう。これによ
り、スクリーンが回転するとスクリーン全体に同じ方向
に撓ませようとする力が作用し、回転するスクリーンが
大きく撓んだり振動したりすることとなる。その結果、
表示される立体画像が二重にあるいは不鮮明となり、場
合によってはスクリーンに破損が発生する。
【0122】以上のように、図19および図20に例示
したスクリーン38では、まず、断面画像を表示するた
めに入射する光波を入射側およびその反対側へとほぼ同
程度で拡散放射することができ、高精細な立体画像を表
示することができる。また、スクリーン38を3層構造
とすることによりスクリーン38に十分な剛性を持たせ
ることができるとともにスクリーン38の回転中に生じ
る撓みや振動を効果的に防止することができる。さら
に、2つの硬質透明層38b,38cの厚みを比重に応
じて調整して光拡散層38aと回転軸とを重ねることに
より、光拡散層38aの走査空間の欠落を防ぐことがで
きる。そして、スクリーン38の重心を回転軸上に位置
させることにより、鮮明な立体画像の表示を行うことが
できる。これらの効果により、この発明に係る立体画像
表示装置100では質の高い立体画像の表示が実現され
る。
【0123】<F.変形例>以上、この発明に係る立体
画像表示装置および立体画像表示システムについての一
実施形態を詳細に説明したが、この発明は上記説明した
ものに限定されるものではない。
【0124】例えば、上記説明においては記憶手段とし
てのメモリは2個の場合を例示したが2個に限定される
べき技術的制限は伴わないので2個以上の複数個であっ
てもよい。この場合、読み出し対象となる一のメモリと
書き込み対象となる一のメモリとを切り換える際には、
複数のメモリ間で循環的に切り換えが行われるように構
成すればよい。なお、静止画像のみを表示する場合には
メモリは1つであってもよい。
【0125】また、読み出し対象となるメモリから与え
られる2次元画像データに基づいてスクリーン38に投
影する断面画像を生成する画像生成手段の一例としてD
MD33を例示したが、DMD33以外の素子を使用し
てもよい。
【0126】また、上記実施の形態では、図19に示す
硬質透明材382,383(すなわち、硬質透明層38
b,38c)の4つの主面382a,382b,383
a,383b(または、図20に示す硬質透明材38
4,385(すなわち、硬質透明層38b,38c)の
3つの主面384a,384b,385b)について、
全ての主面に反射防止処理が施されると説明したが、こ
れらの反射防止処理は4つの主面(または、3つの主
面)の少なくとも1つに施されるのみであっても立体画
像の質の向上を図ることができる。
【0127】
【発明の効果】請求項1ないし4に記載の発明では、回
転するスクリーンに生じる撓みや振動を効果的に防止す
ることができる。これにより質の高い立体画像の表示が
実現される。
【0128】また、請求項2に記載の発明では、回転す
るスクリーンに生じる撓みや振動を一層効果的に防止す
ることができる。
【0129】また、請求項3に記載の発明では、ちらつ
きのない高精細な立体画像を表示することができる。
【0130】また、請求項4に記載の発明では、立体画
像を鮮明に表示することができる。
【0131】請求項5に記載の発明では、表示される立
体画像の回転軸近傍の欠落を防止することができる。
【0132】請求項6に記載の発明では、回転するスク
リーンに生じる撓みや振動を防止することができる。
【0133】請求項7に記載の発明では、立体画像のコ
ントラストを向上することができる。
【0134】また、請求項8に記載の発明では、回転す
るスクリーンに生じる撓みや振動を効果的に防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る立体画像表示シス
テムの全体的な構成を示す図である。
【図2】立体画像表示装置の概観を示す図である。
【図3】着脱可能な操作スイッチの拡大図である。
【図4】立体画像表示装置における光学系を含む構成を
示す図である。
【図5】スクリーンおよび回転部材の斜視概観図であ
る。
【図6】立体画像が表示される様子の一例を示す概念図
である。
【図7】立体画像が表示される様子の他の例を示す概念
図である。
【図8】スクリーンに投影される断面画像の大きさ(解
像度)を示す図である。
【図9】立体画像表示システムの機能構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】この発明の実施の形態におけるメモリの構成
例を示す図である。
【図11】図9に示した構成のうちの要部を抜き出した
図である。
【図12】メモリ制御部の詳細を示すブロック図であ
る。
【図13】ホストコンピュータにおける機能構成を示す
ブロック図である。
【図14】3次元画像データから2次元画像データへの
変換過程を示す図である。
【図15】断面画像(投影像)の補正の一例を示す図で
ある。
【図16】スクリーンの回転角度θに応じたメモリから
の読み出し順序を示す図である。
【図17】2次元画像データの読み出し順序を切り換え
るための制御機構の一例を示す図である。
【図18】アドレス発生部で発生される8ビットの水平
アドレス信号の一例を示す図である。
【図19】スクリーンの構造の一例を示す縦断面図であ
る。
【図20】スクリーンの構造の他の例を示す縦断面図で
ある。
【図21】回転軸と投影面とが一致する場合の投影面が
走査する空間を示す図である。
【図22】スクリーンを主面に平行な軸を中心に回転さ
せながら立体画像を表示する原理を示す概念図である。
【図23】回転軸と投影面とが一致しない場合の投影面
が走査する空間を示す図である。
【図24】回転軸と投影面とが一致しない場合において
スクリーンが180゜回転した際の断面画像の表示位置
のずれを示す概念図である。
【符号の説明】
38 スクリーン 38a 光拡散層 38b,38c 硬質透明層 39 回転部材 50 投影光学系 60 DMD駆動部 74 モータ 100 立体画像表示装置 382a,382b,383a,383b,384a,
384b,385b(硬質透明材の)主面 Z 回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/34 G09G 3/34 D (72)発明者 吉井 謙 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 杭迫 真奈美 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H021 AA07 BA27 2H059 AA32 AA35 5C061 AA06 AA29 AB12 AB16 AB17 AB24 5C080 AA18 BB05 CC03 CC04 DD01 DD21 EE17 EE29 EE30 FF07 FF09 GG02 GG12 JJ01 JJ02 JJ04 JJ06 JJ07 5G435 AA00 AA09 BB17 CC11 CC12 DD02 DD05 EE16 EE30 GG01 GG02 GG03 GG10 GG12 GG28 GG46

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体画像表示装置であって、 画像が投影されるスクリーンを主面に平行な回転軸を中
    心に回転走査させる走査手段と、 前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の複数の
    断面画像を前記スクリーンに順次投影する投影手段と、
    を備え、 前記スクリーンが、主面に垂直な方向に対して第1の硬
    質透明層、光拡散層、および、第2の硬質透明層を順に
    有することを特徴とする立体画像表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の立体画像表示装置であ
    って、 前記第1の硬質透明層および前記第2の硬質透明層の厚
    みの2乗と比重との積がほぼ等しいことを特徴とする立
    体画像表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の立体画像表示
    装置であって、 前記光拡散層が、入射する光波を前記第1および第2の
    硬質透明層のそれぞれの側にほぼ同程度で拡散放射する
    ことを特徴とする立体画像表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の立
    体画像表示装置であって、 前記第1および第2の硬質透明層が有する複数の主面の
    うちの少なくとも1つに反射防止処理が施されているこ
    とを特徴とする立体画像表示装置。
  5. 【請求項5】 立体画像表示装置であって、 画像が投影されるスクリーンを主面に平行な回転軸を中
    心に回転走査させる走査手段と、 前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の複数の
    断面画像を前記スクリーンに順次投影する投影手段と、
    を備え、 前記スクリーンが、入射する光波を拡散放射する光拡散
    層を有し、 前記光拡散層が前記回転軸と重なることを特徴とする立
    体画像表示装置。
  6. 【請求項6】 立体画像表示装置であって、 画像が投影されるスクリーンを主面に平行な回転軸を中
    心に回転走査させる走査手段と、 前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の複数の
    断面画像を前記スクリーンに順次投影する投影手段と、
    を備え、 前記スクリーンが、入射する光波を拡散放射する光拡散
    層を有し、 前記スクリーンの重心が前記光拡散層上に位置すること
    を特徴とする立体画像表示装置。
  7. 【請求項7】 立体画像表示装置であって、 画像が投影されるスクリーンを主面に平行な回転軸を中
    心に回転走査させる走査手段と、 前記スクリーンの走査に同期しつつ表示対象物の複数の
    断面画像を前記スクリーンに順次投影する投影手段と、
    を備え、 前記スクリーンが、入射する光波を拡散放射するととも
    に着色処理が施された光拡散層を有することを特徴とす
    る立体画像表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれかに記載の立
    体画像表示装置であって、 前記スクリーンが、主面に垂直な方向に対して第1の硬
    質透明層、前記光拡散層、および、第2の硬質透明層を
    順に有することを特徴とする立体画像表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006243450A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Osaka Univ 三次元画像表示方法及び装置
JP2011107283A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Jvc Kenwood Holdings Inc プロジェクタ

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