JP2000322934A - 電 線 - Google Patents

電 線

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JP2000322934A
JP2000322934A JP11131573A JP13157399A JP2000322934A JP 2000322934 A JP2000322934 A JP 2000322934A JP 11131573 A JP11131573 A JP 11131573A JP 13157399 A JP13157399 A JP 13157399A JP 2000322934 A JP2000322934 A JP 2000322934A
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JP
Japan
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acid
component
polyester elastomer
thermoplastic polyester
bis
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JP11131573A
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English (en)
Inventor
Koji Kobayashi
幸治 小林
Shoichi Gyobu
祥一 形舞
Seiji Nakayama
誠治 中山
Nobuhiro Ide
伸弘 井出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】120℃以上の高温領域まで良好な耐熱老化性
と耐水性を有しながら、低温特性に優れた特定の構造を
有する熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いた電線
を提供する。 【解決手段】電線において、下記A,B,Cの構成成分
を含み、条件Dを満たす熱可塑性ポリエステルエラスト
マーを用いる。 A.芳香族ジカルボン酸成分 B.短鎖グリコール成分 C.特定構造の共重合ポリエーテルグリコール成分 条件D:熱可塑性ポリエステルエラストマーの全ポリエ
ーテルグリコール成分の全重量中に4級炭素を持つアル
キレン単位が10重量%未満である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物を使用した電線に関し、さらに詳しくは12
0℃以上の高温領域まで良好な耐熱老化性と耐水性を有
しながら、低温特性に優れた特定の構造を有するポリエ
ステルエラストマーを用いた電線に関する。
【0002】
【従来の技術】電線被覆材に、塩化ビニル系樹脂やオレ
フィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などからなる電線な
どは公知である。しかしながら、これらの被覆材に用い
る塩化ビニル系樹脂やオレフィン系樹脂は、融点が低
く、耐熱性に乏しい問題がある。また比較的融点の高い
ポリエステル系樹脂では、耐加水分解性が劣り、屋外や
車両に使用する場合に問題がある。これらの問題を解決
するための提案として、架橋ポリエチレン樹脂を被覆材
に用いる場合や、ポリエステルエラストマーを用いる場
合などが知られている。しかし、架橋ポリエチレン樹脂
では、架橋工程が必要であり、製造装置が煩雑で且つ高
価となる。ポリエステルエラストマーでは、熱時の変形
では満足することができるが、耐熱老化性や耐水性、低
温特性が充分ではなく、近年の市場を満足することが出
来ない問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは耐熱老化性や耐水性は従来と同じく、低温特性に
優れたゴム弾性による適用範囲を広げた熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーからなる電線を提供することを課題
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリエステ
ルエラストマーにおいて、特定のハードセグメントと特
定のソフトセグメントを用いることで、上記の課題が解
決されることを見いだし、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、下記A,B,Cの構成
成分を含み、かつ条件Dを満たす熱可塑性ポリエステル
エラストマーを用いた電線である。 A.芳香族ジカルボン酸成分 B.短鎖グリコール成分 C.下記化学式2で表される分子量が500〜4000
であって、異なる2種以上のアルキレン単位からなる共
重合ポリエーテルグリコール成分 化学式2: HO−{(R1−O)a−(R2−O)b−(R3−O)c
n−H (1)R1、R2、R3は炭素数2〜10のアルキレン単
位であって、R2はR1ともR3とも異なり、R1はR3
同一であっても異なっても良い。 (2)a、b、cはa+b+c≧2を満たす0以上の整
数(a、b、cの少なくともいずれか2種は1以上)、 (3)nは2以上の整数であって化合物1の分子量50
0〜4000を達成し得る数を表す。 条件D:熱可塑性ポリエステルエラストマーの全ポリエ
ーテルグリコール成分の全重量中に4級炭素を持つアル
キレン単位が10重量%未満である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラスト
マーにおいて、酸成分は、芳香族ジカルボン酸を主体と
するが、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸、イソフタル酸、5-ナトリウムスル
ホイソフタル酸およびそれらのエステル形成性誘導体を
用いることができる。エステル形成性誘導体としては、
例えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ニルジカルボン酸、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホ
イソフタル酸のジアルキルエステル、ジアリールエステ
ルなどが挙げられる。これら芳香族ジカルボン酸あるい
はそのエステル形成性誘導体は、一種もしくは二種以上
の組み合わせを用いることが好ましく、芳香族ジカルボ
ン酸は全酸成分の70モル%以上、好ましくは80モル%以上
である。その他の酸成分としては、脂環族ジカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸が用いられ、脂環族ジカルボン
酸としてはシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ
無水フタル酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸と
しては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添ダ
イマー酸などが挙げられる。これらは樹脂の融点を大き
く低下させない範囲で用いられ、その量は全酸成分の30
モル%未満、好ましくは20モル%未満である。
【0007】尚、融点の下限は特に限定はないが一般的
には150℃以上が好ましく、180℃以上が特に好ま
しい。
【0008】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおけるソフトセグメント、即ち長鎖ポリエ
ステルを構成する共重合ポリエーテルグリコール成分
は、分子量が500〜4000であって下記化学式3で
表されるものである。 化学式3 HO−{(R1−O)a−(R2−O)b−(R3−O)c
n−H (1)R1、R2、R3は炭素数2〜10のアルキレン単
位であって、R2はR1ともR3とも異なり、R1はR3
同一であっても異なっても良い。 (2)a、b、cはa+b+c≧2を満たす0以上の整
数(a、b、cの少なくともいずれか2種は1以上)、 (3)nは2以上の整数であって化合物1の分子量50
0〜4000を達成し得る数を表す。 さらにはnは4以上が好ましく、最も好ましくは5以上
である。
【0009】さらに、本発明で使用する熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーは化学式3以外のポリエーテルグリ
コール成分を含んでも良いが、熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーの全ポリエーテルグリコール成分の全重量中
に4級炭素を持つアルキレン単位が10重量%未満であ
ることが必要であり、好ましくは5重量%未満、さらに
好ましくは3重量%未満、最も好ましくはポリエーテル
グリコール成分中に4級炭素を持たないことである。4
級炭素を持つポリエステルエラストマーは、過酷な条件
での使用中に劣化する恐れがある。全ポリエーテルグリ
コール成分の全重量の4級炭素を持つアルキレン単位の
重量はポリエーテルグリコールの製造原料であるアルキ
レンオキサイド単位を基に算出する。すなわち、上記化
学式3で言うと(R−O)の単位である。
【0010】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに用いられる上記化学式3で表される共重合
ポリエーテルグリコールとしてはテトラヒドロフラン
(THF)とエチレンオキサイド(EO)を開環重合させた
ランダム共重合グリコールがあげられる。上記化学式3
で表される共重合ポリエーテルグリコールの含有量は全
ポリマー中、5〜95重量%が好ましい。さらに好まし
くは、その含有量が15〜80重量%であり、よりさら
に好ましくは25〜70重量%である。共重合ポリエー
テルグリコール成分が5重量%未満では相分離しやす
く、弾性性能が不十分である。また95重量%を越える
と得られるエラストマーのブロック性が低下するため、
ポリマーの融点や軟化点が低下する。
【0011】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて、共重合ポリエーテルグリコール以
外のグリコール成分としては、分子量400〜6000
のポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(プロ
ピレンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレン
オキサイド)グリコール等のポリアルキレンエーテルグ
リコール及びこれらの混合物さらにこれらのポリエーテ
ルグリコール構成成分を共重合した共重合ポリエーテル
グリコール、また炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸
と炭素数2〜10の脂肪族グリコールから製造されるポ
リエステル、例えばポリエチレンアジペート、ポリテト
ラメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリ
ネオペンチルセバゲート、ポリテトラメチレンドデカネ
ート、ポリテトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチ
レンアゼレート、ポリ−ε−カプロラクトンなどであ
る。これらのグリコールは各種特性のバランスにより適
切な組み合わせで用いられる。その量は酸成分に対して
40〜99モル%、好ましくは50〜95モル%であ
る。
【0012】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて、短鎖グリコール成分としては、炭
素数が1〜25のグリコール及びそのエステル形成性誘導
体を用いることができる。炭素数が1〜25のグリコール
とは、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-
ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサン
ジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジメチロールヘプタン、ジメチロールペンタン、ト
リシクロデカンジメタノール、ビスフェノールXのエチ
レンオキサイド誘導体(XはA,S,F)及びこれらのエステル
形成性誘導体が挙げられる。好ましくは、エチレングリ
コール、1,4-ブタンジオール及びこれらのエステル形成
性誘導体が挙げられる。
【0013】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいては、少量に限って三官能以上のポリ
カルボン酸やポリオール成分を含むこともできる。例え
ば無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、無水ピロメ
リット酸などを3モル%以下使用できる。三官能以上のポ
リカルボン酸やポリオール成分は合計量で、ポリエステ
ルの全ポリカルボン酸成分およびポリオール成分の合計
を100モル%とすると5モル%以下、好ましくは3モ
ル%以下である。
【0014】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて、還元粘度は0.5〜4.0であることが
望ましい。還元粘度が0.5以下だと機械特性に劣り、4.0
を越えると流動性が悪いため成形性に劣り、成形材料と
しての使用範囲が限られてくる。
【0015】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーの製造には、公知の任意の方法が適用でき
る。例えば、溶融重合法、溶液重合法、固相重合法など
いずれも適宜用いられる。溶融重合法の場合、エステル
交換法でも直接重合法であってもよい。樹脂の粘度を向
上させるため、溶融重合後に固相重合を行うことはもち
ろん望ましいことである。また、ポリエステルの重合
後、イソシアネート化合物やエポキシ化合物等で鎖延長
してもよい。
【0016】反応に用いる触媒としては、アンチモン触
媒、ゲルマニウム触媒、チタン触媒が良好である。特に
チタン触媒、詳しくはテトラブチルチタネート、テトラ
メチルチタネートなどのテトラアルキルチタネート、シ
ュウ酸チタンカリなどのシュウ酸金属塩などが好まし
い。またその他の触媒としては公知の触媒であれば特に
限定はしないが、ジブチルスズオキサイド、ジブチルス
ズジラウリレートなどのスズ化合物、酢酸鉛などの鉛化
合物が挙げられる。
【0017】また得られたポリエステルエラストマーに
は公知のヒンダードフェノール系、硫黄系、燐系、など
の酸化防止剤、ヒンダートアミン系、トリアゾール系、
ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリ
チル系などの光安定剤、帯電防止剤、滑剤、過酸化物な
どの分子調整剤、金属不活性剤、有機及び無機系の核
剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、ガラス繊
維、カーボン繊維シリカ繊維、アルミナ繊維などの無機
質繊維状物質、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、
ガラスビーズ、ガラス粉、ケイ酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナイトの如き
ケイ酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナの
如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バリウムの如
き金属の炭酸塩、その他の各種金属粉などの紛粒状充填
剤、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属粉末などの板
状充填剤、難燃剤、難燃助剤、有機・無機の顔料などを
一種類以上添加することができる。
【0018】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できるヒンダードフェノール系
酸化防止剤としては、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−トルエン、n−オクタデシル−β−(4’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プ
ロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6’−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ベンゼン、カルシウム(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−モノエチル−
フォスフェート)、トリエチレングリコール−ビス〔3
−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラ
キス〔3−(3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル
−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ン、ビス〔3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t
−ブチルフェニル)酪酸〕グリコールエステル、トリフ
ェノール、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t
−ブチルフェノール)、N,N’−ビス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ニル〕ヒドラジン、2,2’−オキサミドビス〔エチル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、1,1,3−トリス(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−
S−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−ト
リオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒ
ドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレー
ト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシ
ンナミックアヒドトリエステルウイズ−1,3,5−ト
リス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン−2,
4,6(1H,3H,5H)、N,N−ヘキサメチレン
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒド
ロシンナアミド)、3,9−ビス〔2−{3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカ
ンなどを挙げることができる。
【0019】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できる硫黄系酸化防止剤として
は、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステ
ル、ジミリスチル−3,3’−チオジウロピオン酸エス
テル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エ
ステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピ
オン酸エステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジ
オクタデシルサルファイド、ペンタエリストリール−テ
トラ(β−ラウリル−チオプロピオネート)エステル等
を挙げることができる。
【0020】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できる燐系酸化防止剤として
は、トリス(ミックスド、モノ及びジノリルフェニル)
フォスファイト、トリス(2,3−ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシ
ル)フォスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチル
フェニル)ブタン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンフォスファナイト、ビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
ストール−ジ−フォスファイト、テトラキス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホ
スフォナイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニル
デシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオ
クチルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリ
オクタデシルフォスファイト、トリノニルフェニルホス
ファイト、トリドデシルトリチオホスファイト等を挙げ
ることができる。
【0021】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できるアミン系酸化防止剤とし
ては、N,N−ジフェニルエチレンジアミン、N,N−
ジフェニルアセトアミジン、N,N−ジフェニルフルム
アミジン、N−フェニルピペリジン、ジベンジルエチレ
ンジアミン、トリエタノールアミン、フェノチアジン、
N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミ
ン、4,4’−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタ
ン、P,P’−ジオクチル−ジフェニルアミン、N,
N’−ビス(1,4−ジメチル−ペンチル)−p−フェ
ニレンジアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェ
ニル−β- ナフチルアミン、4,4’−ビス(4−α,
α−ジメチル−ベンジル)ジフェニルアミン等のアミン
類及びその誘導体やアミンとアルデヒドの反応生成物、
アミンとケトンの反応生成物から挙げることができる。
【0022】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できるヒンダードアミン系光安
定剤としては、琥珀酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシ
エチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジンとの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,
3,3−テトラブチル)イミノ−1,3,5−トリアジ
ン−2,4−ジイル〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミル〕〕、2−
n−ブチルマロン酸のビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)エステル、テトラキス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−
1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,
2−ジブロモエタンとの重縮合物、ポリ〔(N,N’−
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ヘキサメチレンジアミン)−(4−モノホリノ−
1,3,5−トリアジン−2,6−ジイル)−ビス
(3,3,5,5−テトラミチルピペラジノン)〕、ト
リス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−ドデシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
キシレート、トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)−ドデシル−1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,
6,11−トリス〔{4,6−ビス(N−ブチル−N−
(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−
イル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)ア
ミノ}ウンデカン、1−〔2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−
2,2,6,6−テトロメチルピペリジン、8−ベンジ
ル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−
1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−
2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、N,N’−ビス(3−ア
ミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−
ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−ト
リアジン縮合物などを挙げることができる。
【0023】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できるベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系、トリアゾール系、ニッケル系、サリ
チル系光安定剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、p−t−ブチルフェニルサ
リシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−t−アミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−3’、5’−ビス(α,α−ジメ
チルベンジルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンアゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾチリアゾール、2,5−ビス
−〔5’−t−ブチルベンゾキサゾリル−(2)〕−チ
オフェン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル燐酸モノエチルエステル)ニッケル塩、2
−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキサリッ
クアシッド−ビス−アニリド85〜90%と2−エトキ
シ−5−t−ブチル−2’−エチル−4’−t−ブチル
オキサリックアシッド−ビス−アニリド10〜15%の
混合物、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α
−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−エトキシ−2’−エチルオキサザリックア
シッドビスアニリド、2−〔2’−ヒドロオキシ−5’
−メチル−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−
テトラヒドロフタルイミド−メチル)フェニル〕ベンゾ
トリアゾール、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ
−2−メトキシフェニル)メタン、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−ヒドロキシ−4−i−オクトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフ
ェノン、サリチル酸フェニル等の光安定剤を挙げること
ができる。
【0024】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できる滑剤として炭化水素系、
脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール
系、金属石鹸系、天然ワックス系、シリコーン系、フッ
素系化合物が挙げられる。具体的には、流動パラフィ
ン、合成パラフィン、合成硬質パラフィン、合成イソパ
ラフィン石油炭化水素、塩素化パラフィン、パラフィン
ワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレン、フ
ルオロカルボン油、炭素数12以上のラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン
酸、ベヘニン酸等の脂肪酸化合物、ヘキシルアミド、オ
クチルアミド、ステアリルアミド、パルミチルアミド、
オレイルアミド、エルシルアミド、エチレンビスステア
リルアミド、ラウリルアミド、ベヘニルアミド、メチレ
ンビスステアリルアミド、リシノールアミド等の炭素数
3〜30の飽和或いは不飽和脂肪族アミド及びその誘導
体、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価ア
ルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、
脂肪酸の脂肪アルコールエステルであるブチルステアレ
ート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレ
ート等、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エ
チレングリコール、分子量200ないし10000以上
のポリエチレングリコール、ポリグリセロール、カルナ
ウバロウ、カンデリラロウ、、モンタンロウ、ジメチル
シリコーン、シリコンガム、四フッ化エチレンなどの滑
剤が挙げられる。また、直鎖飽和脂肪酸、側鎖酸、シノ
ール酸を有する化合物からなる金属塩で金属が(Li,
Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Al,Sn,P
b)から選ばれた金属石鹸も挙げることができる。
【0025】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できる充填剤としては、酸化マ
グネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシ
ウム、酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)、酸化ク
ロム(三価)、酸化鉄、酸化亜鉛、シリカ、珪藻土、ア
ルミナ繊維、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ス
トロンチウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石
バルーン等の酸化物や水酸化マウネシウム、水酸化アル
ミニウム、塩基性炭酸マグネシウム等の塩基性物又は水
酸化物又は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウウム、炭
酸バリウム、炭酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、ド
ロマイト、ドーソナイト等の炭酸塩又は、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウ
ム、塩基性硫酸マグネシウム等の(亜)硫酸塩又は、珪
酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、
珪酸カリウム、珪酸カルシウム、タルク、クレー、マイ
カ、アスベスト、ガラス繊維、モンモリナイト、ガラス
バルーン、ガラスビーズ、ペントナイト等の珪酸塩又
は、カオリン(陶土)、パーライト、鉄粉、銅粉、鉛
粉、アルミニウム粉、タングステン粉、硫化モリブデ
ン、カーボンブラック、ボロン繊維、炭化珪素繊維、黄
銅繊維、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、硼
酸亜鉛、硼酸アルミニウム、メタ硼酸バリウム、硼酸カ
ルシウム、硼酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0026】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できるエポキシ基を有する化合
物としては、ソルビオール−ポリグリシジル−エーテ
ル、ポリグリセロール−ポリグリシジル−エーテル、ト
リグリシジル−トリス(2−ハイドロキシエチル)イソ
シアヌレート等のポリエポキシ化合物、ジエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル、ヘキサヒドロオフタル酸ジグリシジルエステ
ル、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、
ビスフェノールFとエピクロルヒドリンの縮合物、ビス
フェノールFとエピクロルヒドリンの縮合物等のジエポ
キシ化合物、高級アルコールグリシジルエーテル、ブチ
ルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ス
テアリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリ
レート、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル等
のモノエポキシ化合物等が挙げられる。
【0027】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できるハロゲン置換されたフェ
ニル基を有する化合物としては、テトラブロムビスフェ
ノールA(TBA)、テトラブロムビスフェノールS
(TBS)、ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビ
スフェノールAエーテル、TBAエポキシ、TBAエチ
ルエーテルオリゴマー、TBAビス(2,3−ジブロモ
プロピルエーテル)、TBA(アリルエーテル)、TB
Aビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)、TBAカー
ボネートオリゴマー、TBSビス(2,3−ジブロモプ
ロピルエーテル)、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロ
モ無水フタル酸、デカブロモジフェニンオキサイド、ト
リス(トリブロモフェノキシ)トリアジン、ビス(ペン
タブロモフェニル)エタン、ビス(トリブロモフェノキ
シ)エタン、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、
ブロム化フェノキシ、エチレンビス(テトラブロモフタ
ル)イミド、臭素化ジフェニルオキサイド、ブロム化ポ
リスチレン等が挙げられる。
【0028】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できる難燃助剤としては、三酸
化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、
ピロアンチモン酸ソーダ、二酸化錫、メタ硼酸亜鉛、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化モリブデン、赤燐系化合物、ポリリン酸アン
モニウム塩、メラミンシアヌレート、四フッ化エチレン
等が挙げられる。
【0029】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できるトリアジン基を有する化
合物及び/又はその誘導体としては、メラミン、メラミ
ンシアヌレート、燐酸メラメン、スルファミン酸グアニ
ジン等が挙げられる。
【0030】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて配合できる燐化合物の無機系燐化合
物としては、赤燐系化合物、ポリリン酸アンモニウム塩
等が挙げられる。赤燐系化合物としては、赤燐に樹脂を
コートしたもの、アルミニウムとの複合化合物等が挙げ
られる。有機系燐化合物としては、燐酸エステル、燐酸
メラミン等が挙げられる。燐酸エステルとしては、ホス
フェート類、ホスホネート類、ホスフィネート類のトリ
メチルホスフェート、トリエチルフォスフェート、トリ
ブチルフォスフェート、トリオクチルホスフェート、ト
リオクチルフォスフィート、トリブトキシエチルフォス
フェート、オクチルジフェニルフォスフェート、トリク
レジルホスフェート、クレジルジフェニルフォスフェー
ト、トリフェニルフォスフェート、トリキシレニルフォ
スフェート、トリス・イソプロピルフェニルフォスフェ
ート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノメチルホスホネート、ビス(1,3−フェニ
レンジフェニル)フォスフェート、芳香族縮合燐酸エス
テルの1,3−〔ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)
ホスフェニルオキシ〕ベンゼン、1,4−〔ビス(2,
6−ジメチルフェノキシ)ホスフェニルオキシ〕ベンゼ
ン等が耐加水分解や熱安定性、難燃性から好ましい。
【0031】これらの添加物の配合方法としては、加熱
ロール、押出機、バンバリミキサー等の混練機を用いて
配合することができる。また、熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー樹脂組成物を製造する際のエステル交換反応
の前又は重縮合反応前のオリゴマー中に、添加及び混合
することができる。
【0032】上記記載のポリエステルエラストマーは、
本発明の電線において、単層又は二層以上の構成からな
る電線でも特に問題はなく、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂などと上記記載のポ
リエステルエラストマーの組合せを任意に選ぶこともで
きる。本発明の硬さの異なったポリエステルエラストマ
ー同士を内層、外層と用いても良い。これらの内層と外
層の接着性改良にアロイ材やイソシアネート系、フェノ
ール樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン系などの接着剤
を用いても問題はない。
【0033】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの
実施例に制約されるものではない。なお、これらの実施
例において各測定項目は、以下の方法に従って測定し、
評価した。また得られたポリマー中のポリブチレンテレ
フタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエ
ーテルグリコールなどの重量%はプロトンNMRによっ
て測定した値である。 還元粘度:ポリマー0.05gを25mlの混合溶媒
(フェノール/テトラクロロエタン=60/40(wt
/wt))に溶かして、オストワルド粘度計を用いて3
0℃で測定した。 結晶融点:結晶融点はDSCにて室温から20℃/分
で昇温し測定した。 引張強さ、切断時伸び:JIS K6251により測
定した。 貯蔵弾性係数:ヒートプレス機を用いて、厚さ100
〜500μmのフィルムを作製し、その試料フィルムを
東洋ボールドウィン社製のレオバイブロンDDV−II
にて−100℃〜200℃まで昇温速度2℃/分、周波
数110Hzで測定した。 耐熱性:200mm長の電線を150℃のギアー式老
化試験機で1時間加熱処理を行い、その後取り出し、亀
裂や破断の有無を観察した。 耐水性:200mm長の電線を100℃の沸水に20
日間浸漬させ、その後取り出し直径80mmの曲げ試験
を行い、亀裂や破断の有無を観察した。
【0034】ポリエステル合成例1 ジメチルテレフタレート(DMT) 310.2g、1,
4−ブタンジオール(BD)239.3g、THFとEO
のランダム共重合体(分子量2000,THF/EO=
70/30(mol比))440g、イルガノックス−1
330(日本チバガイギー社製) 1.60g、テトラブ
チルチタネート(TBT)0.80gを4Lのオートク
レーブに仕込み、室温から200℃まで3時間かけて昇
温しエステル交換反応を行った。次いで缶内を徐々に減
圧すると共に更に昇温し、45分かけて245℃、1t
orr以下にして初期縮合反応を行った。さらに245
℃、1torr以下の状態で2時間重合反応を行い、ポ
リマーをペレット状に取り出しポリマーAを得た。得ら
れたポリマーの還元粘度は1.47であり、ポリマー中
のポリブチレンテレフタレート成分、共重合ポリエーテ
ルグリコール成分の重量%はそれぞれ45%、55%で
あった。得られた共重合ポリエステルに関し、所定の試
験を行った。
【0035】ポリエステル合成例2 ジメチルナフタレート(DMN) 319.4g、BD1
92.3g、THFとEOのランダム共重合体(分子量
2000,THF/EO=70/30(mol比))44
0g、イルガノックス−13301.60g、TBT
0.80gを4Lのオートクレーブに仕込み、室温から
220℃まで3時間かけて昇温しエステル交換反応を行
った。次いで缶内を徐々に減圧すると共に更に昇温し、
45分かけて250℃、1torr以下にして初期縮合
反応を行った。さらに250℃、1torr以下の状態
で2時間重合反応を行い、ポリマーをペレット状に取り
出しポリマーBを得た。得られたポリマーの還元粘度は
1.56であり、ポリマー中のポリブチレンナフタレー
ト成分、共重合ポリエーテルグリコール成分の重量%は
それぞれ45%、55%であった。
【0036】ポリエステル合成例3 DMT 310.2g、BD 239.4g、ポリテト
ラメチレングリコール(PTMG,分子量2000)4
40.0g、イルガノックス-13301.60g、T
BT0.80gを4Lのオートクレーブに仕込み、室温
から200℃まで3時間かけて昇温し、45分かけて2
45℃、1torr以下にして初期縮合反応を行った。
さらに245℃、1torr以下の状態で2時間重合反
応を行い、ポリマーをペレット状に取り出しポリマーC
を得た。得られたポリマーの還元粘度は2.12であ
り、ポリマー中のポリブチレンテレフタレート成分、ポ
リテトラメチレングリコール成分の重量%はそれぞれ4
5%、55%であった。
【0037】ポリエステル合成例4 DMT310.2g、BD 239.4g、ポリテトラ
メチレングリコール(PTMG,分子量1000)44
0.0g、イルガノックス-13301.60g、TB
T0.80gを4Lのオートクレーブに仕込み、室温か
ら200℃まで3時間かけて昇温し、45分かけて24
5℃、1torr以下にして初期縮合反応を行った。さ
らに245℃、1torr以下の状態で2時間重合反応
を行い、ポリマーをペレット状に取り出しポリマーDを
得た。得られたポリマーの還元粘度は2.12であり、
ポリマー中のポリブチレンテレフタレート成分、ポリテ
トラメチレングリコール成分の重量%はそれぞれ45
%、55%であった。
【0038】実施例1〜2、比較例1〜2 ポリエステル合成例1〜4で得られた熱可塑性ポリエス
テルエラストマーA〜Dそれぞれ100重量部に対し
て、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕を0.5重量部、ペンタエリスリトールテトラキ
スー(3−ラウリルチオプロピオネート)を0.3重量
部、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾールを0.5重量部、ビス
フェノールAを0.5重量部、トリフェニルフォスフィ
ンを0.3重量部配合し、押出機を用いて、ペレット状
に取り出し、熱風乾燥機にて水分率0.1%以下に乾燥
を行った。上記において得られた熱可塑性ポリエステル
エラストマーを使用し、0.5mm 2の断面積を有する
銅撚線導体に0.2mmの被覆を40φ単軸押出機を用
いて電線を成形し、評価を行った。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】表1からも明らかなように、従来の熱可
塑性ポリエステルエラストマーを用いた比較例2では、
耐熱性に劣る。比較例1では耐熱性は満足するものの、
―30℃と23℃での貯蔵弾性率の相対比が非常に大き
く、低温特性に劣る。すなわち、本発明の電線は、特定
の構造を有する熱可塑性ポリエステルエラストマーを用
いる設計を行うことで、―30℃付近の低温から120
℃付近の高温にかけて安定した特性を保つ電線を提供す
ることが可能となり、産業界に寄与すること大である。
フロントページの続き (72)発明者 井出 伸弘 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4J002 CF041 CF061 CF071 CF081 CF101 FD060 GQ01 4J038 DD061 MA12 MA15 NA02 NA04 NA13 NA21 PB09 PC02 5G305 AA02 AB19 AB24 AB26 BA12 BA25 CA11 CA47

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A,B,Cの構成成分を含み、かつ、
    条件Dを満たす熱可塑性ポリエステルエラストマーを用
    いた電線。 A.芳香族ジカルボン酸成分 B.短鎖グリコール成分 C.下記化学式1で表される分子量が500〜4000
    であって、異なる2種以上のアルキレン単位からなる共
    重合ポリエーテルグリコール成分 化学式1: HO−{(R1−O)a−(R2−O)b−(R3−O)c
    n−H (1)R1、R2、R3は炭素数2〜10のアルキレン単
    位であって、R2はR1ともR3とも異なり、R1はR3
    同一であっても異なっても良い。 (2)a、b、cはa+b+c≧2を満たす0以上の整
    数(a、b、cの少なくともいずれか2種は1以上)、 (3)nは2以上の整数であって化合物1の分子量50
    0〜4000を達成し得る数を表す。 条件D:熱可塑性ポリエステルエラストマーの全ポリエ
    ーテルグリコール成分の全重量中に4級炭素を持つアル
    キレン単位が10重量%未満である。
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