JP2000334748A - マンドレル及び高圧ゴムホースの製造方法 - Google Patents

マンドレル及び高圧ゴムホースの製造方法

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JP2000334748A
JP2000334748A JP11149782A JP14978299A JP2000334748A JP 2000334748 A JP2000334748 A JP 2000334748A JP 11149782 A JP11149782 A JP 11149782A JP 14978299 A JP14978299 A JP 14978299A JP 2000334748 A JP2000334748 A JP 2000334748A
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Japan
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mandrel
thermoplastic polyester
acid
polyester elastomer
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Koji Kobayashi
幸治 小林
Nobuhiro Ide
伸弘 井出
Shoichi Gyobu
祥一 形舞
Seiji Nakayama
誠治 中山
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐水性、耐熱老化性、耐薬品性は従来と変わら
ず、より低温での柔軟性、および高温での使用に耐えう
る耐熱性、ヒートサイクル性が優れた熱可塑性ポリエス
テルエラストマーからなるマンドレル、並びにこのマン
ドレルを使用したゴムホースの製造方法を提供する。 【解決手段】芳香族ジカルボン酸、短鎖グリコール、下
記化学式で表される分子量が5000〜4000の共重合ポリエ
ーテルグリコールを構成成分として含み、全ポリエーテ
ルグリコール成分中の4級炭素を持つアルキレン単位が
10重量%未満である熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーにて形成されたマンドレルとする。 HO−〔(R1 −O)a −(R2 −O)b −(R3 −
O)c 〕n−H R1 、R2 、R3 は炭素数2〜10のアルキレン単位、
a、b、cはa+b+c≧2を満たす0以上の整数、n
は2以上の整数。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性、耐久性、
耐熱性を飛躍的に向上させたゴムホース製造用マンドレ
ル、及びこのマンドレルを使用したゴムホースの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧ゴムホースは、ロボット、土木・建
設用機械、自動車等の制御用の油圧システム等に使用さ
れる耐圧性の高い可とう性のホースであり、一般的に、
輸送する液体に直接接触し、その液体に対する耐久性を
有する内面ゴム層の膨張、変形、破壊を防止する補強繊
維材を有する層、及びこれらを保護する外層を備え、必
要に応じてさらにコイル状等の補強ワイヤー等の線材層
やその他のゴム層等が設けられた構造を有するホースで
ある。
【0003】従来、上述の高圧ゴムホースなどのゴムホ
ースは、マンドレルを芯材として上記のゴムホースを構
成する層の原材料を被覆して成形し、加硫後にホースか
らマンドレルを抜くことにより成形される。この場合の
マンドレルに対しては、長尺物の為ホース製造時おける
ドラムへの巻き付け作業性等のハンドリングに関わる柔
軟性が良いことや、ゴムホースを加硫するため耐熱性が
要求される。更にマンドレルは繰り返し使用することか
ら、寸法変化や熱老化性(ヒートサイクル性)が良好で
あることが特に要求される。
【0004】この柔軟性を有するマンドレルには、従来
ポリエステルエラストマーやポリアミドエラストマーな
どの熱可塑性樹脂が使用されている。ところが、これら
の熱可塑性樹脂では、短期の耐熱性や柔軟性は満足する
ものの、高温にて繰り返し使用されると、そのヒートサ
イクルによる寸法変化が大きく発生する場合があり、ま
た最悪の場合には、熱劣化や加水分解が発生して使用で
きなくなる等の問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐水性、耐
熱老化性、耐薬品性は従来と変わらず、より低温での柔
軟性、および高温での使用に耐えうる耐熱性、ヒートサ
イクル性が優れた熱可塑性ポリエステルエラストマーか
らなるマンドレル、並びにこのマンドレルを使用したゴ
ムホースの製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは熱可塑性ポ
リエステルエラストマーにおいて、特定のハードセグメ
ント及び特定のソフトセグメントを用いることで、上記
課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに
到った。
【0007】すなわち本発明のマンドレルは、下記A,
B,Cの構成成分を含み、かつ、条件Dを満たす熱可塑
性ポリエステルエラストマーにて形成されたことを特徴
とするものである。
【0008】A.芳香族ジカルボン酸成分 B.短鎖グリコール成分 C.下記化学式(化2)で表される分子量が500〜4
000であって、異なる2種以上のアルキレン単位から
なる共重合ポリエーテルグリコール成分
【化2】HO−〔(R1 −O)a −(R2 −O)b −
(R3 −O)c 〕n−H (1)R1 、R2 、R3 は炭素数2〜10のアルキレン
単位であって、R2 はR1 ともR3 とも異なり、R1は
R3 と同一であっても異なっても良い。
【0009】(2)a、b、cはa+b+c≧2を満た
す0以上の整数(a、b、cの少なくともいずれか2種
は1以上)、 (3)nは2以上の整数であって化合物1の分子量50
0〜4000を達成し得る数を表す。
【0010】条件D:熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーの全ポリエーテルグリコール成分の全重量中に4級炭
素を持つアルキレン単位が10重量%未満である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラスト
マーにおいて、A成分である芳香族ジカルボン酸成分と
しては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸、イソフタル酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸が例示される。重合原料としては、上
記のカルボン酸の他に、それらのエステル形成性誘導体
を用いることができる。エステル形成性誘導体として
は、例えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェニルジカルボン酸、イソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸のジアルキルエステル、ジアリール
エステルなどが挙げられる。これら芳香族ジカルボン酸
あるいはそのエステル形成性誘導体は、一種もしくは二
種以上の組み合わせを用いることが好ましい。
【0012】ジカルボン酸ないしポリカルボン酸成分と
しては、A成分である芳香族ジカルボン酸以外に他のジ
カルボン酸成分を使用することが可能である。このよう
なジカルボン酸成分としては、脂環族ジカルボン酸、脂
肪族ジカルボン酸が用いられ、脂環族ジカルボン酸とし
てはシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸として
は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイ
マー酸などが挙げられる。
【0013】ジカルボン酸成分においては、その他のジ
カルボン酸成分は樹脂の融点を大きく低下させない範囲
で用いられ、芳香族ジカルボン酸が全酸成分の70モル
%以上、好ましくは80モル%以上であり、その他のジ
カルボン酸成分が全酸成分の30モル%未満、好ましく
は20モル%未満である。
【0014】なお、本発明に使用するポリエステル樹脂
の融点の下限は特に限定はされないが一般的には150
℃以上が好ましく、180℃以上が特に好ましい。
【0015】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおけるソフトセグメント、即ち長鎖ポリエ
ステルを構成する共重合ポリエーテルグリコール成分で
あるC成分は、分子量が500〜4000であって下記
化学式(化3)で表されるものである。
【0016】
【化3】HO−〔(R1 −O)a −(R2 −O)b −
(R3 −O)c 〕n−H (1)R1 、R2 、R3 は炭素数2〜10のアルキレン
単位であって、R2 はR1 、R3 とは異なり、R1はR
3 と同一であっても異なっても良い。
【0017】(2)a、b、cはa+b+c≧2を満た
す0以上の整数(a、b、cの少なくともいずれか2種
は1以上)、 (3)nは2以上の整数であって化合物1の分子量50
0〜4000を達成し得る数を表す。さらにはnは4以
上が好ましく、最も好ましくは5以上である。
【0018】さらに、本発明でマンドレルとして使用す
る熱可塑性ポリエステルエラストマーは化学式(化3)
以外のポリエーテルグリコール成分を含んでも良いが、
熱可塑性ポリエステルエラストマーの全ポリエーテルグ
リコール成分の全重量中に4級炭素を持つアルキレン単
位が10重量%未満であることが必要であり、好ましく
は5重量%未満、さらに好ましくは3重量%未満、最も
好ましくはポリエーテルグリコール成分中に4級炭素を
持たないことである。4級炭素を持つポリエステルエラ
ストマーは、過酷な条件での使用中に劣化するおそれが
ある。
【0019】上記の全ポリエーテルグリコール成分の全
重量中の4級炭素を持つアルキレン単位の重量%は、4
級炭素を持つアルキレンオキサイド単位の含有量を基に
算出する。すなわち、上記化学式(化3)で言うと(R
−O)の単位を基にして算出する。
【0020】本発明でマンドレルとして使用する熱可塑
性ポリエステルエラストマーに用いられる上記化学式
(化3)で表される共重合ポリエーテルグリコールとし
てはテトラヒドロフラン(THF)とエチレンオキサイ
ド(EO)を開環重合させたランダム共重合グリコール
があげられる。
【0021】上記化学式(化3)で表される共重合ポリ
エーテルグリコールの含有量は全ポリエステルポリマー
中、5〜95重量%が好ましい。さらに好ましくは、そ
の含有量が15〜80重量%であり、よりさらに好まし
くは25〜70重量%である。共重合ポリエーテルグリ
コール成分が5重量%未満では相分離しやすく、弾性性
能が不十分である。また95重量%を越えると得られる
エラストマーのブロック性が低下するため、ポリマーの
融点や軟化点が低下する。
【0022】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて、共重合ポリエーテルグリコール以
外のグリコール成分としては、分子量400〜6000
のポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(プロ
ピレンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレン
オキサイド)グリコール等のポリアルキレンエーテルグ
リコール及びこれらの混合物さらにこれらのポリエーテ
ルグリコール構成成分を共重合した共重合ポリエーテル
グリコール、また炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸
と炭素数2〜10の脂肪族グリコールから製造されるポ
リエステル、例えばポリエチレンアジペート、ポリテト
ラメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリ
ネオペンチルセバゲート、ポリテトラメチレンドデカネ
ート、ポリテトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチ
レンアゼレート、ポリ−ε−カプロラクトンなどであ
る。これらのグリコールは各種特性のバランスにより適
切な組み合わせで用いられる。その量はジカルボン酸成
分に対して40〜99モル%、好ましくは50〜95モ
ル%である。
【0023】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおけるB成分である、短鎖グリコール成分
としては、炭素数が1〜25のグリコール及びそのエス
テル形成性誘導体を用いることができる。炭素数が1〜
25のグリコールとは、例えばエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−
ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチロー
ルヘプタン、ジメチロールペンタン、トリシクロデカン
ジメタノール、ビスフェノールXのエチレンオキサイド
誘導体(XはA,S,F)及びこれらのエステル形成性
誘導体が挙げられる。好ましくは、エチレングリコー
ル、1,4-ブタンジオール及びこれらのエステル形成性誘
導体が挙げられる。
【0024】上述のエステル形成性誘導体としては、芳
香族ジカルボン酸(A成分)において例示したテレフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
とグリコールのエステル、具体的には、ビス(ヒドロキ
シエチル)テレフタレート(BHET)等が例示され
る。
【0025】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいては、少量に限って3官能以上のポリ
カルボン酸やポリオール成分を構成成分として使用する
ことが可能である。3官能以上のポリカルボン酸成分と
しては、例えば無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、無水ピロメリット酸等が例示でき、3
官能以上のポリオール成分としては、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどが例示
される。これらの3官能以上のポリカルボン酸やポリオ
ール成分は合計量で、ポリエステルの全ポリカルボン酸
成分およびポリオール成分の合計を100モル%とする
と5モル%以下、好ましくは3モル%以下である。
【0026】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーにおいて、還元粘度は0.5〜4.0である
ことが望ましい。還元粘度が0.5以下だと機械特性に
劣り、4.0を越えると流動性が悪いため成形性に劣
り、成形材料としての使用範囲が限られてくる。
【0027】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーの製造には、公知の任意の方法が適用でき
る。例えば、溶融重合法、溶液重合法、固相重合法など
いずれも適宜用いられる。溶融重合法の場合、エステル
交換法でも直接重合法であってもよい。樹脂の粘度を向
上させるため、溶融重合後に固相重合を行うことはもち
ろん望ましいことである。また、ポリエステルの重合
後、イソシアネート化合物やエポキシ化合物等で鎖延長
してもよい。
【0028】反応に用いる触媒としては、アンチモン触
媒、ゲルマニウム触媒、チタン触媒が良好である。特に
チタン触媒、詳しくはテトラブチルチタネート、テトラ
メチルチタネートなどのテトラアルキルチタネート、シ
ュウ酸チタンカリなどのシュウ酸金属塩などが好まし
い。またその他の触媒としては公知の触媒であれば特に
限定はしないが、ジブチルスズオキサイド、ジブチルス
ズジラウレートなどのスズ化合物、酢酸鉛などの鉛化合
物が挙げられる。
【0029】また得られた熱可塑性ポリエステルエラス
トマーには公知のヒンダードフェノール系、硫黄系、燐
系、などの酸化防止剤、ヒンダートアミン系、トリアゾ
ール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル
系、サリチル酸系などの光安定剤、帯電防止剤、滑剤、
過酸化物などの分子量調整剤、金属不活性剤、有機及び
無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、
ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維
などの無機質繊維状物質、カーボンブラック、シリカ、
石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ケイ酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナ
イトの如きケイ酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、
アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バ
リウムの如き金属の炭酸塩、その他の各種金属粉などの
粉粒状充填剤、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属粉
末などの板状充填剤、難燃剤、難燃助剤、有機・無機の
顔料などを一種類以上添加することができる。
【0030】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できるヒンダードフェノール系酸化防
止剤としては、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−トルエン、n−オクタデシル−β−(4' −ヒドロ
キシ−3' ,5' −ジ−t−ブチルフェニル)プロピオ
ネート、テトラキス〔メチレン−3−(3' ,5' −ジ
−t−ブチル−4' −ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6'
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン、カルシウム(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ベンジル−モノエチル−フォスフ
ェート)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3
−(3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−
トリアジン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−
{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕2,4,8,
10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ビス
〔3,3−ビス(4' −ヒドロキシ−3' −t−ブチル
フェニル)酪酸〕グリコールエステル、トリフェノー
ル、2,2' −エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール)、N,N' −ビス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕
ヒドラジン、2,2' −オキサミドビス〔エチル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、1,1,3−トリス(3' ,5' −
ジ−t−ブチル−4' −ヒドロキシベンジル)−S−ト
リアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオ
ン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナ
ミックアシッドと1,3,5−トリス(2−ヒドロキシ
エチル)−S−トリアジン−2,4,6(1H,3H,
5H)のトリエステル、N,N−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナアミド)、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンな
どを挙げることができる。
【0031】本発明のマンドレル構成材料として使用す
る熱可塑性ポリエステルエラストマーに配合できる硫黄
系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3' −チオジ
プロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3' −チオ
ジウロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3' −チ
オジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,
3' −チオジプロピオン酸エステル、ジラウリルチオジ
プロピオネート、ジオクタデシルサルファイド、ペンタ
エリストリール−テトラ(β−ラウリル−チオプロピオ
ネート)エステル等を挙げることができる。
【0032】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できる燐系酸化防止剤としては、トリ
ス(ミックスド、モノ及びジノニルフェニル)フォスフ
ァイト、トリス(2,3−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイト、4,4' −ブチリデン−ビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)フォス
ファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−
トリデシルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル)
ブタン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、テト
ラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'
−ビフェニレンフォスファイト、ビス(2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストール−
ジ−フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)4,4' −ビフェニレンジホスフォナイ
ト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホス
ファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホス
ファイト、トリドデシルホスファイト、トリオクタデシ
ルフォスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、
トリドデシルトリチオホスファイト等を挙げることがで
きる。
【0033】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できるアミン系酸化防止剤としては、
N,N−ジフェニルエチレンジアミン、N,N−ジフェ
ニルアセトアミジン、N,N−ジフェニルホルムアミジ
ン、N−フェニルピペリジン、ジベンジルエチレンジア
ミン、トリエタノールアミン、フェノチアジン、N,
N' −ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、
4,4' −テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン、
P,P' −ジオクチル−ジフェニルアミン、N,N' −
ビス(1,4−ジメチル−ペンチル)−p−フェニレン
ジアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−
β- ナフチルアミン、4,4' −ビス(4−α,α−ジ
メチル−ベンジル)ジフェニルアミン等のアミン類及び
その誘導体やアミンとアルデヒドの反応生成物、アミン
とケトンの反応生成物から挙げることができる。
【0034】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できるヒンダードアミン系光安定剤と
しては、琥珀酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジンとの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,
3−テトラブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミル〕〕、2−n−
ブチルマロン酸のビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)エステル、テトラキス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,
2−ジブロモエタンとの重縮合物、ポリ〔(N,N' −
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ヘキサメチレンジアミン)−(4−モノホリノ−
1,3,5−トリアジン−2,6−ジイル)−ビス
(3,3,5,5−テトラミチルピペラジノン)〕、ト
リス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−ドデシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
キシレート、トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)−ドデシル−1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,
6,11−トリス〔{4,6−ビス(N−ブチル−N−
(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−
イル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)ア
ミノ}ウンデカン、1−〔2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−
2,2,6,6−テトロメチルピペリジン、8−ベンジ
ル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−
1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−
2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、N,N' −ビス(3−ア
ミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−
ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−ト
リアジン縮合物などを挙げることができる。
【0035】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できるベンゾフェノン系、ベンゾトリ
アゾール系、トリアゾール系、ニッケル系、サリチル系
光安定剤としては、2,2' −ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクト
キシベンゾフェノン、p−t−ブチルフェニルサリシレ
ート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2'
−ヒドロキシ−5' −メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−t−
アミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2' −
ヒドロキシ−3' ,5' −ビス(α,α−ジメチルベン
ジルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒド
ロキシ−3' −t−ブチル−5' −メチルフェニル)−
5−クロロベンアゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロ
キシ−3' ,5' −ジ−t−ブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾチリアゾール、2,5−ビス−〔5' −t−
ブチルベンゾキサゾリル−(2)〕−チオフェン、ビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル燐
酸モノエチルエステル)ニッケル塩、2−エトキシ−5
−t−ブチル−2'−エチルオキサリックアシッド−ビ
ス−アニリド85〜90%と2−エトキシ−5−t−ブ
チル−2' −エチル−4' −t−ブチルオキサリックア
シッド−ビス−アニリド10〜15%の混合物、2−
〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベ
ンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−
エトキシ−2' −エチルオキサザリックアシッドビスア
ニリド、2−〔2' −ヒドロキシ−5' −メチル−3'
−(3'',4'',5'',6''−テトラヒドロフタルイミ
ド−メチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、ビス(5
−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニ
ル)メタン、2−(2' −ヒドロキシ−5' −t−オク
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−
4−i−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、サリチル酸フ
ェニル等の光安定剤を挙げることができる。
【0036】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できる滑剤として炭化水素系、脂肪酸
系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属
石鹸系、天然ワックス系、シリコーン系、フッ素系化合
物が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、合成パ
ラフィン、合成硬質パラフィン、合成イソパラフィン石
油炭化水素、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、
マイクロワックス、低重合ポリエチレン、フルオロカル
ボン油、炭素数12以上のラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン
等の脂肪酸化合物、ヘキシルアミド、オクチルアミド、
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミ
ド、エルシルアミド、エチレンビスステアリルアミド、
ラウリルアミド、ベヘニルアミド、メチレンビスステア
リルアミド、リシノールアミド等の炭素数3〜30の飽
和或いは不飽和脂肪族アミド及びその誘導体、脂肪酸の
低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエス
テル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪
アルコールエステルであるブチルステアレート、硬化ヒ
マシ油、エチレングリコールモノステアレート等、セチ
ルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコ
ール、分子量200ないし10000以上のポリエチレ
ングリコール、ポリグリセロール、カルナウバロウ、カ
ンデリラロウ、、モンタンロウ、ジメチルシリコーン、
シリコンガム、ポリ四フッ化エチレンなどの滑剤が挙げ
られる。
【0037】また、直鎖飽和脂肪酸、側鎖酸、シノール
酸を有する化合物からなる金属塩で金属が(Li,M
g,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Al,Sn,P
b)から選ばれた金属石鹸も挙げることができる。
【0038】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できる充填剤としては、酸化マグネシ
ウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウム、
酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)、酸化クロム
(三価)、酸化鉄、酸化亜鉛、シリカ、珪藻土、アルミ
ナ繊維、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロ
ンチウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バル
ーン等の酸化物や水酸化マウネシウム、水酸化アルミニ
ウム、塩基性炭酸マグネシウム等の塩基性物又は水酸化
物又は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリ
ウム、炭酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、ドロマイ
ト、ドーソナイト等の炭酸塩又は、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、塩
基性硫酸マグネシウム等の(亜)硫酸塩又は、珪酸ナト
リウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カ
リウム、珪酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ア
スベスト、ガラス繊維、モンモリロナイト、ガラスバル
ーン、ガラスビーズ、ペントナイト等の珪酸塩又は、カ
オリン(陶土)、パーライト、鉄粉、銅粉、鉛粉、アル
ミニウム粉、タングステン粉、硫化モリブデン、カーボ
ンブラック、ボロン繊維、炭化珪素繊維、黄銅繊維、チ
タン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、硼酸亜鉛、硼
酸アルミニウム、メタ硼酸バリウム、硼酸カルシウム、
硼酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0039】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できるエポキシ基を有する化合物とし
ては、ソルビトール−ポリグリシジル−エーテル、ポリ
グリセロール−ポリグリシジル−エーテル、トリグリシ
ジル−トリス(2−ハイドロキシエチル)イソシアヌレ
ート等のポリエポキシ化合物、ジエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジル
エーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ビスフェ
ノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、ビスフェノー
ルFとエピクロルヒドリンの縮合物、ビスフェノールS
とエピクロルヒドリンの縮合物等のジエポキシ化合物、
高級アルコールグリシジルエーテル、ブチルグリシジル
エーテル、アリルグリシジルエーテル、ステアリルグリ
シジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、p−
t−ブチルフェニルグリシジルエーテル等のモノエポキ
シ化合物等が挙げられる。
【0040】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できるハロゲン置換されたフェニル基
を有する化合物としては、テトラブロムビスフェノール
A(TBA)、テトラブロムビスフェノールS(TB
S)、ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビスフェ
ノールAエーテル、TBAエポキシ、TBAエチルエー
テルオリゴマー、TBAビス(2,3−ジブロモプロピ
ルエーテル)、TBAビス(アリルエーテル)、TBA
ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)、TBAカーボ
ネートオリゴマー、TBSビス(2,3−ジブロモプロ
ピルエーテル)、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモ
無水フタル酸、デカブロモジフェニルオキサイド、トリ
ス(トリブロモフェノキシ)トリアジン、ビス(ペンタ
ブロモフェニル)エタン、ビス(トリブロモフェノキ
シ)エタン、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、
ブロム化フェノキシ、エチレンビス(テトラブロモフタ
ル)イミド、臭素化ジフェニルオキサイド、ブロム化ポ
リスチレン等が挙げられる。
【0041】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できる難燃助剤としては、三酸化アン
チモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロア
ンチモン酸ソーダ、二酸化錫、メタ硼酸亜鉛、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、
酸化モリブデン、赤燐系化合物、ポリリン酸アンモニウ
ム塩、メラミンシアヌレート、ポリ四フッ化エチレン等
が挙げられる。
【0042】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーに配合できるトリアジン基を有する化合物及
び/又はその誘導体としては、メラミン、メラミンシア
ヌレート、燐酸メラメン、スルファミン酸グアニジン等
が挙げられる。
【0043】本発明のマンドレルに使用する熱可塑性ポ
リエステルエラストマーに配合できる燐化合物の無機系
燐化合物としては、赤燐系化合物、ポリリン酸アンモニ
ウム塩等が挙げられる。赤燐系化合物としては、赤燐に
樹脂をコートしたもの、アルミニウムとの複合化合物等
が挙げられる。有機系燐化合物としては、燐酸エステ
ル、燐酸メラミン等が挙げられる。燐酸エステルとして
は、ホスフェート類、ホスホネート類、ホスフィネート
類のトリメチルホスフェート、トリエチルフォスフェー
ト、トリブチルフォスフェート、トリオクチルホスフェ
ート、トリオクチルフォスフェート、トリブトキシエチ
ルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルフ
ォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリキシ
レニルフォスフェート、トリス・イソプロピルフェニル
フォスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)アミノメチルホスホネート、ビス(1,3
−フェニレンジフェニル)フォスフェート、芳香族縮合
燐酸エステルの1,3−〔ビス(2,6−ジメチルフェ
ノキシ)ホスフェニルオキシ〕ベンゼン、1,4−〔ビ
ス(2,6−ジメチルフェノキシ)ホスフェニルオキ
シ〕ベンゼン等が耐加水分解や熱安定性、難燃性から好
ましい。
【0044】これらの添加物を熱可塑性エラストマーへ
の配合方法としては、加熱ロール、押出機、バンバリミ
キサー等の混練機を用いて配合することができる。ま
た、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物を製
造する際のエステル交換反応の前、又は重縮合反応前の
オリゴマー中に、添加及び混合することができる。
【0045】本発明のマンドレルは、単層や二層以上か
らなる構成でも特に問題はなく、二層以上の場合には、
上記記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を
内管、外管のいずれに使用してもよい。内管、外管の組
み合わせとしては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
熱可塑性エラストマー樹脂などと上記記載の熱可塑性ポ
リエステルエラストマーの組合せを任意に選ぶこともで
きる。本発明の硬さの異なったポリエステルエラストマ
ー同士を内管、外管と用いても良い。これらの内管と外
管の接着性改良にアロイ材やイソシアネート系、フェノ
ール樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン系などの接着剤
を用いても問題はない。
【0046】本発明のマンドレルにおいては、補強材の
有無は特に限定されない。補強剤としては、ブレード状
で形成されたものでもスパイラル状で形成されたもので
もいずれでもよく、用いる材料は糸でもワイヤでもよ
い。補強糸としては、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ポ
リエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維
などで製造された糸が例示される。補強ワイヤとして
は、硬鋼線が例示され、さらに具体的には防錆および接
着性付与のため真鍮や亜鉛などのメッキを施した鋼線が
挙げられる。これらの補強材に接着性を改良する目的
で、接着剤も用いても特に問題はなく、接着剤としてイ
ソシアネート系、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、
ウレタン系などの接着剤を挙げることができる。
【0047】マンドレルは、上記の熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーを使用して公知の方法、最も好ましくは
押出成形法により製造される。
【0048】本発明のゴムホースの製造方法は、請求項
1に記載のマンドレルを使用し、公知の方法により行わ
れる。具体的な製造方法としては、以下の方法が例示さ
れる。
【0049】所定配合にて混練された内面ゴム層形成材
料である未加硫ゴム組成物を、好ましくはクロスヘッド
を備えた押出機に供給し、クロスヘッドには、押出方向
に直角に本発明のマンドレルを供給し、マンドレルを移
動させつつその周囲に未加硫ゴム組成物を所定厚さに、
均一に被覆する。次いでスチール繊維(コード、モノフ
ィラメント等)をこの未加硫ゴム層の外側に好ましくは
相互に交叉するように2層巻き付け、好ましくは、さら
に別個の押出機により外層形成ゴム材料を被覆する。そ
の後連続オーブン、加硫缶等の適宜の加熱装置により加
硫反応を行って、ゴムホースを製造する。
【0050】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの
実施例に制約されるものではない。なお、これらの実施
例において各測定項目は、以下の方法に従って測定し、
評価した。また得られたポリマー中のポリブチレンテレ
フタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエ
ーテルグリコールなどの重量%はプロトンNMRによっ
て測定した値である。
【0051】1)還元粘度:ポリマー0.05gを25m
lの混合溶媒(フェノール/テトラクロロエタン=60
/40(wt/wt))に溶かして、オストワルド粘度
計を用いて30℃で測定した。
【0052】2)結晶融点:結晶融点はDSCにて室温か
ら20℃/分で昇温し測定した。
【0053】3)引張強さ、切断時伸び:JIS K62
51により測定した。
【0054】4)貯蔵弾性係数:ヒートプレス機を用い
て、厚さ100〜500μmのフィルムを作製し、その
試料フィルムを東洋ボールドウィン社製のレオバイブロ
ンDDV− にて−100℃〜200℃まで昇温速度2
℃/分、周波数110Hzで測定した。
【0055】5)柔軟性:φ9mmマンドレルをその直径
Dの4倍の曲げ半径(4D)に曲げるのに要する力(k
gf)を測定した。
【0056】6)耐久性:製造1,2で得られたマンドレ
ルを用いてスチールワイヤー編組(2W/B)、200
m長のホースを成形、加硫後、下記によりマンドレルブ
ロー試験を行い、このマンドレルを10回連続で繰り返
し使用し、径の変動を測定した。
【0057】 マンドレル径変動 無し…○(径変化 ±0.12mm未満) 有り…×(径変化 ±0.12mm以上) (ポリエステル合成例1)ジメチルテレフタレート(D
MT)310.2g、1,4−ブタンジオール(BD)
239.3g、THFとEOのランダム共重合体(分子
量2000,THF/EO=70/30( mol比) )
440g、イルガノックス−1330( 日本チバガイギ
ー社製) 1.60g、テトラブチルチタネート(TB
T)0.80gを4Lのオートクレーブに仕込み、室温
から200℃まで3時間かけて昇温しエステル交換反応
を行った。次いで缶内を徐々に減圧すると共に更に昇温
し、45分かけて245℃、1torr以下にして初期
縮合反応を行った。さらに245℃、1torr以下の
状態で2時間重合反応を行い、ポリマーをペレット状に
取り出しポリマーAを得た。得られたポリマーAの還元
粘度は1.47であり、ポリマー中のポリブチレンテレ
フタレート成分、共重合ポリエーテルグリコール成分の
重量%はそれぞれ45%、55%であった。得られた共
重合ポリエステルに関し、所定の試験を行った。
【0058】(ポリエステル合成例2)ジメチルナフタ
レート(DMN)319.4g、BD192.3g、T
HFとEOのランダム共重合体(分子量2000,TH
F/EO=70/30( mol比) )440g、イルガ
ノックス−1330を1.60g、TBT0.80gを
4Lのオートクレーブに仕込み、室温から220℃まで
3時間かけて昇温してエステル交換反応を行った。次い
で缶内を徐々に減圧すると共に更に昇温し、45分かけ
て250℃、1torr以下にして初期縮合反応を行っ
た。さらに250℃、1torr以下の状態で2時間重
合反応を行い、ポリマーをペレット状に取り出しポリマ
ーBを得た。得られたポリマーBの還元粘度は1.56
であり、ポリマー中のポリブチレンナフタレート成分、
共重合ポリエーテルグリコール成分の重量%はそれぞれ
45%、55%であった。
【0059】(ポリエステル合成例3)DMT310.
2g、BD239.4g、ポリテトラメチレングリコー
ル(PTMG,分子量2000)440.0g、イルガ
ノックス−1330 1.60g、TBT0.80gを
4Lのオートクレーブに仕込み、室温から200℃まで
3時間かけて昇温し、45分かけて245℃、1tor
r以下にして初期縮合反応を行った。さらに245℃、
1torr以下の状態で2時間重合反応を行い、ポリマ
ーをペレット状に取り出しポリマーCを得た。得られた
ポリマーCの還元粘度は2.12であり、ポリマー中の
ポリブチレンテレフタレート成分、ポリテトラメチレン
グリコール成分の重量%はそれぞれ45%、55%であ
った。
【0060】(ポリエステル合成例4)DMT310.
2g、BD 239.4g、ポリテトラメチレングリコ
ール(PTMG,分子量1000)440.0g、イル
ガノックス−1330 1.60g、TBT0.80g
を4Lのオートクレーブに仕込み、室温から200℃ま
で3時間かけて昇温し、45分かけて245℃、1to
rr以下にして初期縮合反応を行った。さらに245
℃、1torr以下の状態で2時間重合反応を行い、ポ
リマーをペレット状に取り出しポリマーDを得た。得ら
れたポリマーDの還元粘度は2.12であり、ポリマー
中のポリブチレンテレフタレート成分、ポリテトラメチ
レングリコール成分の重量%はそれぞれ45%、55%
であった。
【0061】(実施例1〜2、比較例1〜2)ポリエス
テル合成例1〜4で得られた熱可塑性ポリエステルエラ
ストマーA〜Dそれぞれ100重量部に対して、ペンタ
エリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を
0.5重量部、ペンタエリスリトールテトラキスー(3
−ラウリルチオプロピオネート)を0.3重量部、2−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾールを0.5重量部、ビスフェノー
ルAを0.5重量部、トリフェニルフォスフィンを0.
3重量部配合し、押出機を用いて、ペレット状に取り出
し、熱風乾燥機にて水分率0.1%以下に乾燥を行っ
た。
【0062】上記において得られた熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーを使用し、単軸押出機により直径9mm
のマンドレルを成形し、評価を行った。熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーAを使用したマンドレルが実施例
1、熱可塑性ポリエステルエラストマーBを使用したマ
ンドレルが実施例2、熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーCを使用したマンドレルが比較例1、熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーDを使用したマンドレルが比較例2
である。
【0063】
【表1】
【発明の効果】表1からも明らかなように、従来の熱可
塑性ポリエステルエラストマーを用いた比較例1,2で
は、柔軟性、耐久性に劣る。以上かかる構成よりなる本
発明のマンドレルは、耐水性、耐熱老化性、耐薬品性は
従来と変わらず、より低温での柔軟性、および高温での
使用に耐えうる耐熱性、ヒートサイクル性が優れたマン
ドレル、並びにこのマンドレルを使用したゴムホースの
製造方法を提供することが可能となり、産業界に寄与す
ること大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:24 B29L 23:00 (72)発明者 形舞 祥一 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 中山 誠治 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA13 CB04 CB11 CC03 EA04 EA12 4F202 AA45 AG08 AJ05 AJ09 CA27 CD01 CD22 4F213 AA45 AG08 AJ05 AJ09 WA06 WA87 WE06 WE07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記A,B,Cの構成成分を含み、か
    つ、条件Dを満たす熱可塑性ポリエステルエラストマー
    にて形成されたマンドレル。 A.芳香族ジカルボン酸成分 B.短鎖グリコール成分 C.下記化学式(化1)で表される分子量が500〜4
    000であって、異なる2種以上のアルキレン単位から
    なる共重合ポリエーテルグリコール成分 【化1】HO−〔(R1 −O)a −(R2 −O)b −
    (R3 −O)c 〕n−H (1)R1 、R2 、R3 は炭素数2〜10のアルキレン
    単位であって、R2 はR1 ともR3 とも異なり、R1は
    R3 と同一であっても異なっても良い。 (2)a、b、cはa+b+c≧2を満たす0以上の整
    数(a、b、cの少なくとも2種は1以上)、 (3)nは2以上の整数であって共重合ポリエーテルグ
    リコール成分の分子量が500〜4000を達成し得る
    数を表す。 条件D:熱可塑性ポリエステルエラストマーの全ポリエ
    ーテルグリコール成分の全重量中、4級炭素を持つアル
    キレン単位が10重量%未満である。
  2. 【請求項2】 マンドレル表面に少なくとも内面ゴム層
    形成原料と補強繊維材層構成原料とを被覆・成形し、加
    熱加硫するゴムホースの製造方法であって、請求項1に
    記載のマンドレルを使用することを特徴とする高圧ゴム
    ホースの製造方法。
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