JP2000320121A - 防音床構造 - Google Patents

防音床構造

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JP2000320121A
JP2000320121A JP11131409A JP13140999A JP2000320121A JP 2000320121 A JP2000320121 A JP 2000320121A JP 11131409 A JP11131409 A JP 11131409A JP 13140999 A JP13140999 A JP 13140999A JP 2000320121 A JP2000320121 A JP 2000320121A
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shock
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urethane
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Kazutoshi Yamazaki
一利 山崎
Michio Ogawa
道雄 小川
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Hayakawa Rubber Co Ltd
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Hayakawa Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 床衝撃音レベルの低減効果に優れた防音床構
造を得る。 【解決手段】 防音床構造1は、床下地2と防音材3と
木質系床仕上げ材4とを備えている。床下地2の表面に
はウレタン系接着剤からなる接着層5が形成され、該接
着剤を介して防音材3が配置されている。防音材3は、
衝撃緩衝材6と保護シート7とからなり、衝撃緩衝材6
は加硫ゴムの成形体からなる。衝撃緩衝材6の表面に
は、複数の凸部6aが形成され、各凸部6aの間には、
保護シート7で覆われた衝撃緩衝空間6bが形成されて
いる。保護シート7は、ホットメルト系接着剤等を介し
て衝撃緩衝材6の各凸部6aと接着させることができ
る。又、保護シート7は、接着層5によって床下地2と
接着する。この防音床構造1では、衝撃緩衝材6の衝撃
緩衝空間6bへのウレタン系接着剤の浸入が、保護シー
ト6によって防止されており、この衝撃緩衝空間6bが
衝撃の緩衝能を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般住宅等の床下
地上にウレタン系接着剤を介して防音材が固着・敷設さ
れた、床衝撃音レベルの低減に有効な、防音床構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般住宅等では、床衝撃音レベル
の低減のため、直貼り防音床材が用いられている。この
直貼り防音床材は、化粧合板等の木質系床仕上げ材とそ
の裏打ち材とからなるのが一般的である。
【0003】裏打ち材としては、ポリウレタン等の発泡
体や不織布等の繊維系シート等の緩衝材が用いられるこ
とが多い。あるいはまた、かかる緩衝材には、ゴム系の
スポンジ若しくはソリッドの凹凸シートが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる直貼り防音床材
は、緩衝材の面を、ウレタン系接着剤を用いて床材下地
に固着接地させる方法が通常用いられる。
【0005】本発明者は、このようにして敷設した直貼
り防音床材は、床下地に固着接地させたとき、床衝撃音
レベルの改善効果が低下することを見出した。
【0006】本発明は、床衝撃音レベルの低減効果に優
れた防音床構造を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、床下地と防音
材と木質系床仕上げ材とを備えており、前記床下地上に
ウレタン系接着剤を介して前記防音材が配置されている
防音床構造であって、前記防音材が衝撃緩衝材と保護シ
ートとを含んでおり、前記衝撃緩衝材が加硫ゴムの成形
体からなり、前記衝撃緩衝材の表面に複数の凸部が形成
されており、前記各凸部の間に前記保護シートで覆われ
た衝撃緩衝空間が形成されており、前記保護シートが前
記ウレタン系接着剤によって前記床下地と接着してお
り、前記衝撃緩衝空間への前記ウレタン系接着剤の浸入
が、前記保護シートによって防止されている、防音床構
造に係るものである。
【0008】本発明者は、床衝撃音を低減させるため、
種々の防音床構造を試作し検討した。その結果、前述し
たように、緩衝材を化粧合板の裏打ち材として敷設して
なる直貼り防音床材を、ウレタン系接着剤を用いて床下
地に固着接地させた場合、両面テープによって接着した
場合に比べて、本来の床衝撃音レベルの低減効果が劣る
ことを見出した。
【0009】本発明者は、かかる知見の下、更に詳細に
検討したところ、緩衝材として用いられるポリウレタン
等の連泡系の発泡体シートが、その表層部に空隙を有す
るため、その空隙にウレタン系接着剤が入り込み、床衝
撃音レベルの悪化を招くことを突き止めた。床下地面へ
固着させる接着剤によって、緩衝材の衝撃緩衝能が大き
く影響を受け、防音材の床衝撃音レベルの改善効果が低
下するのである。
【0010】床下地としては、コンクリート等の被着
体、例えば、スラブ等が用いられる。かかる床下地の表
面には、作業上、不陸が生じることが多い。このため、
防音材は、ウレタン系接着剤を床下地面に塗布して固着
されるが、かかる床下地表面の不陸を吸収するために
は、接着剤の量を多めに塗布する必要がある。このよう
に、床下地の不陸を吸収するためのウレタン系接着剤の
塗布量は、おのずと多くなり、前述したような、防音材
の床衝撃音レベルの改善効果の悪化を招くのである。
【0011】また、緩衝材としての繊維系シートも、同
様に床衝撃音を緩衝するための空隙を有し、接着剤を用
いて床下地へ接着・固定すると、その空隙へ接着剤が入
り込み、床衝撃音レベルを悪化させる。更に、緩衝材と
しての凹凸を有するゴムシートの場合は、接着剤で床材
を床下地へ固着させる際、接着剤の塗布によって凹部内
に接着剤が浸入し、床衝撃音レベルを著しく悪化させ
る。
【0012】更に、本発明者の研究によれば、直貼り防
音床材の緩衝材として用いられる繊維系シートやスポン
ジ系シートは、長期の裁荷重に対してへたりを生じ、そ
の特性上、接着剤の塗布の有無に関わらず、床衝撃音レ
ベルを悪化させることを見出した。そして、また、本発
明者は、かかる繊維系シート等では、前述したような接
着剤の弊害との相乗効果により、床衝撃音レベルの更な
る悪化を招くことを解明した。
【0013】本発明は、かかる欠点を解消すべく、鋭意
努力した結果、完成したものである。すなわち、本発明
者は、床下地と衝撃緩衝材とを接着するために、床下地
の表面にウレタン系接着剤からなる接着層を形成する
際、ウレタン系接着剤が塗布されている面と加硫ゴムか
らなる衝撃緩衝材の凸部との間に、ウレタン系接着剤が
衝撃緩衝材の凸部の間の衝撃緩衝空間に入り込まないよ
うにするための保護シートを設けることで、衝撃緩衝空
間へのウレタン系接着剤の浸入が防止され、衝撃緩衝空
間が衝撃の緩衝能を十分に発揮することを突き止め、本
発明に至った。
【0014】本発明では、ウレタン系接着剤と衝撃緩衝
材との間に、保護シートが設けられているため、直貼り
防音床材の固着に用いるウレタン系接着剤が衝撃緩衝材
の衝撃緩衝空間に浸入することなく、衝撃緩衝材の衝撃
緩衝能に悪影響を及ぼすことなく、床衝撃音レベルの悪
化を防止することができる。
【0015】また、本発明の防音床構造では、衝撃緩衝
材は加硫ゴムの成形体からなり、複数の凸部を有してお
り、各凸部の間に加硫ゴムの成形体等からなる保護シー
トで覆われた衝撃緩衝空間が形成されているので、床衝
撃の緩衝能に優れ、長期の裁荷重に対してへたりを生じ
ることなく、優れた床衝撃音レベルを安定して維持する
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明を詳細に
説明する。図1は、本発明の一例の防音床構造の縦断面
図である。図2は、本発明にかかる一例の衝撃緩衝材の
平面図であり、図3は、かかる衝撃緩衝材の裏面図であ
る。
【0017】図1に示すように、防音床構造1は、床下
地2と防音材3と木質系床仕上げ材4とを備えている。
床下地2の表面には、ウレタン系接着剤からなる接着層
5が形成されており、ウレタン系接着剤を介して防音材
3が配置されている。防音材3は、衝撃緩衝材6と保護
シート7とを含んでおり、衝撃緩衝材6は加硫ゴムの成
形体からなる。衝撃緩衝材6の表面には、複数の凸部6
aが形成されており、各凸部6aの間には、保護シート
7で覆われた衝撃緩衝空間6bが形成されている。
【0018】本発明では、接着層5と衝撃緩衝材6との
間に、保護シート7を配置する。この保護シート7は、
二液混合系硬化型接着剤、一液系硬化型接着剤、ホット
メルト系接着剤等を介して衝撃緩衝材6の各凸部6aと
接着させることができる。また、保護シート7は、接着
層5によって床下地2と接着している。
【0019】かかる防音床構造1では、防音材3をウレ
タン系接着剤を介して床下地2に敷設する際、衝撃緩衝
材6の衝撃緩衝空間6bへのウレタン系接着剤の浸入
が、保護シート6によって防止されており、この衝撃緩
衝空間3bが衝撃の緩衝能を発揮する。
【0020】図1に示す衝撃緩衝材6の上面6cと裏面
6dとを、それぞれ、平面図として図2に、裏面図とし
て図3に示す。図2に示すように、衝撃緩衝材6の上面
6cは平坦性を有し、楕円形の複数の接着部6eにおい
て木質系床仕上げ材4と接着する。なお、図2に示すA
−A線で切断した衝撃緩衝材6の断面が図1に示した衝
撃緩衝材の断面に相当する。
【0021】また、衝撃緩衝材6には、図3により一層
詳しく示すように、裏面6dに、複数の凸部6aが設け
られており、各凸部6aの間に衝撃緩衝空間6bが形成
されている。なお、図3に示すB−B線で切断した衝撃
緩衝材6の断面が図1に示した衝撃緩衝材の断面に相当
する。
【0022】本発明にかかる保護シートは、ウレタン系
接着剤の浸入を阻止することができるならば、材質、形
状等、特に限定されるものでなく、種々のシートを用い
ることができる。例えば、0.1mmの厚みで50g以
上の目付量の不織布からなる繊維系シート、ソリッドエ
ラストマー系シート、加硫ゴムの成形体からなるシート
等のシートを用いることができる。また、ウレタン系接
着剤を透過するシートであっても、これらのシートに、
エラストマー、繊維等の種々の材料を含ませたり、シー
トに被着させたり、積層することによって、ウレタン系
接着剤の浸入を阻止できるならば、何ら問題なく用いる
ことができる。
【0023】本発明にかかる保護シートの厚みは、でき
る限り薄くするのが好ましい。具体的には、厚みは、
0.1〜1.0mmの範囲内がよい。防音床構造では、
防音材と木質系床仕上げ材とを含む直貼り防音床材は、
複数の床面が隣接する場面では、1つの床面と他の床面
とが段差を形成しないように、所定の厚さに収まること
が要求される。かかる場合、所定の厚みの範囲内で、効
率よく床衝撃音を低減させるのが好ましいからである。
保護シートが厚いと、自ずと衝撃緩衝材が薄くなり、衝
撃緩衝材自体の衝撃緩衝作用が低下してしまう。
【0024】本発明では、保護シートの厚みをかかる範
囲内に設定すれば、衝撃緩衝材の床衝撃音レベルの改善
効果を損なうことなく、衝撃緩衝能を十分に確保するこ
とができる。かかる保護シートは、2層以上積層して用
いることもできる。なお、保護シートは、防音床構造の
表面が平坦になるように、平坦性を有する必要がある。
【0025】かかる保護シートに、繊維からなる織布を
含ませ、この織布を加硫ゴムによって覆わせることがで
きる。かかる織布を含むシートは、織布が保護シートの
芯材として働き、厚みを薄くしても、ある程度の強度を
保つことができ、ウレタン系接着剤の透過を防止でき
る。
【0026】本発明では、保護シートは、ウレタン系接
着剤が衝撃緩衝材の衝撃緩衝空間に浸入するのを防止す
るように働き、防音床構造の表面の平坦性を確保させ、
衝撃緩衝材が所定の厚さの防音床構造において優れた衝
撃緩衝能を発揮させることができる。
【0027】このため、かかる保護シートは、ウレタン
系接着剤を浸透させたり透過させることなく、かつ、衝
撃緩衝材の厚さを減らすことになるような厚みを有して
おらず、衝撃緩衝材の衝撃緩衝能を低下させるような形
状でなければ、種々のシボ付け加工や凹凸加工が施され
ていてもよい。
【0028】このように、本発明では、木質系床仕上げ
材と、この床仕上げ材の裏打ち材としての衝撃緩衝材
と、衝撃緩衝材の裏打ち材としての保護シートとから、
床衝撃音レベルの改善効果が維持され得る、直貼り防音
床材が得られる。かかる直貼り防音床材によれば、一般
住宅等の床下地上にウレタン系接着剤を介して固着・敷
設されても、衝撃緩衝材の衝撃緩衝空間への接着剤の浸
入が保護シートによって防止され、床衝撃音レベルの低
減される防音床構造を得ることができる。
【0029】本発明の一例の防音床構造の製造方法を、
図1〜3を参照して、説明する。本発明では、衝撃緩衝
材6の裏打ち材として、保護シート7を衝撃緩衝材6と
接着させ、防音材3を得る。衝撃緩衝材6と保護シート
7とは、例えば、一液又は二液混合系接着剤、更にはホ
ットメルト系接着剤を介して積層させることにより、接
着することができる。
【0030】本発明では、かかる衝撃緩衝材6の上に、
化粧合板等の木質系床仕上げ材4を配置し、直貼り防音
床材8を得ることができる。また、本発明では、かかる
直貼り防音床材8の保護シート7の面を、ウレタン系接
着剤を用いて、スラブ等のコンクリート製床下地2に接
着させることで、衝撃緩衝空間6bへのウレタン系接着
剤の浸入が防止された、防音床構造1を製造することが
できる。
【0031】本発明における衝撃緩衝材は、天然ゴム及
び合成ゴムの少なくとも一種のゴム、又はこれらの二種
以上をブレンドしたゴムを主成分として、これに、補強
材、充填材、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、粘着剤、加
工助剤、着色剤、架橋剤、架橋助剤等を配してなるゴム
配合物から形成することができる。
【0032】本発明では、かかる配合物を、通常のロー
ル混練り、バンバリーミキサー、インターナルミキサ
ー、加圧ニーダー等により混練し、二本ロール、カレン
ダーロール、ローラーヘッダー、押出機等により圧延シ
ートを得、この圧延シートを、プレス加硫、ロータリー
プレス加硫、UHF連続加硫、熱空気連続加硫、ビーズ
連続加硫等の加硫設備を用いて凹凸部を有するように架
橋成形することによって、衝撃緩衝材を得ることができ
る。
【0033】かかる衝撃緩衝材の硬度は、JIS−A硬
度計によって測定して、35〜55の範囲内にあるのが
好ましい。本発明では、更に好ましくは、かかる衝撃緩
衝材の硬度を、40〜50の範囲内に設定することがで
きる。硬度が55より高い場合、その高い硬度のため、
軽量床衝撃音レベルの悪化を招くことがある。また、硬
度が35より低い場合、凹凸を有する衝撃緩衝材の凹凸
形状の保持が困難となり、その形状が有する特性である
軽量床衝撃音レベルの低減効果の悪化を招くことがあ
る。硬度が35〜55の範囲内にあれば、衝撃緩衝材が
床衝撃音レベルの低減に有効にその効力を発揮する。
【0034】本発明では、衝撃緩衝材にプライマー処
理、フレーム処理、紫外線処理、コロナ放電処理等を施
すことができる。かかる処理により、衝撃緩衝材と保護
シートとを、二液混合系硬化型接着剤、一液系硬化型接
着剤、ホットメルト系接着剤等を用いて接着する際に、
衝撃緩衝材とホットメルト系接着剤等との接着性を向上
させることができる。
【0035】本発明にかかる木質系床仕上げ材は、床の
表面材として使用する。かかる床仕上げ材としては、化
粧合板等を用いることができる。床仕上げ材は、カーペ
ットの貼り替え等のメンテナンスの面から考慮すると、
6〜12mmの厚みが好ましい。
【0036】本発明にかかる衝撃緩衝材の厚みは、4〜
6mmが好ましい。この程度の厚みがあれば、衝撃緩衝
材は、十分な衝撃緩衝能を発揮するからである。
【0037】更に詳しくいえば、木質系床仕上げ材と衝
撃緩衝材と保護シートのそれぞれの厚みを合わせた直貼
り防音床材の総厚みは、11〜15mmが好ましい。
【0038】また、床仕上げ材は、床材としての強度を
損なわない程度において、防音性能の向上及び木質床材
の反り防止のために、長手及び/又は短手方向に10〜
50mmピッチ等の任意の間隔で、鋸溝加工を施すこと
ができる。複数の床仕上げ材を互いに接合する場合に
は、これらの床仕上げ材に雄実、雌実等の実加工を施し
たり、咬み合い式の接合方法等を採用することができ
る。
【0039】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例と比較例を挙
げ、本発明をより一層詳細に説明する。 実施例1 硬度(以下Hsと省略)55に調整したゴム配合物(天
然ゴム、SBR、ブレンド系ゴムに、カーボンブラッ
ク、炭酸カルシウム等の充填材でHs55になるように
調整した)を、凹凸形状を施した金型内に充填し、加熱
プレスを行い、図1〜3に示すような所望する凹凸形状
の架橋体とし、厚み5mmの衝撃緩衝材を作製した。
【0040】保護シートには、目付量が100g/m2
で、厚みが0.1mmとなる平坦性を有する不織布(ポ
リエステル/パイプ系)を使用した。
【0041】衝撃緩衝材の凸部の上面に、ホットメルト
系接着剤を用いて、保護シートを貼り合わせ、衝撃緩衝
材の他の面に、鋸溝加工を施した厚み9mmの突き板貼
り化粧合板を敷設して、図1に示す直貼り防音床材を形
成した。直貼り防音床材の総厚みは14.1mmであ
る。
【0042】この直貼り防音床材を、ウレタン系一液性
硬化型接着剤を介して、残響音試験スラブ上へ貼り合わ
せ、固着させ、図1に示す防音床構造を製造し、床衝撃
音レベル用の試験体とした。ウレタン系接着剤の塗布
は、500〜700g/m2とした。
【0043】得られた試験体を、JIS−A−1418
「建物の現場における床衝撃音レベル測定方法」及びJ
IS−A−1440に準じて、床衝撃音レベルの測定を
行った。結果を表1に示す。
【0044】実施例2 Hs35の衝撃緩衝材と0.5mm厚の保護シートを用
いた以外は、実施例1と同様にして、直貼り防音床材を
作製した。この直貼り防音床材の総厚みは14.5mm
である。この直貼り防音床材を、実施例1と同様に残響
試験室に敷設して、防音床構造を製造し、試験体の床衝
撃音レベル試験を行った。その結果を表1に示す。
【0045】実施例3 Hs45の衝撃緩衝材を用いた以外は、実施例1と同様
にして、直貼り防音床材を作製した。この直貼り防音床
材の総厚みは14.1mmである。この直貼り防音床材
を、実施例1と同様に残響試験室に敷設し、防音床構造
を製造し、試験体の床衝撃音レベル試験を行った。その
結果を表1に示す。
【0046】実施例4 Hs45の衝撃緩衝材と平坦性を有する0.5mm厚の
ゴムシートからなる保護シートを用いた以外は、実施例
1と同様にして、直貼り防音床材を作製した。このよう
にして得られた直貼り防音床材の総厚みは14.5mm
であり、この直貼り防音床材を、実施例1と同様に残響
試験室に敷設して、防音床構造を製造し、試験体の床衝
撃音レベル試験を行った。その結果を表1に示す。
【0047】この例の保護シートはゴムシートからな
り、実施例1の衝撃緩衝材と同様のゴム配合物(天然ゴ
ム、SBR、ブレンド系ゴムに、カーボンブラック、炭
酸カルシウム等の充填材でHs45になるように調整し
た)を用いて作製した。
【0048】
【表1】
【0049】比較例1 保護シートを用いずに、衝撃緩衝材として厚みが5mm
の繊維系シートを用いた以外は、実施例1と同様にし
て、突き板貼り化粧合板と衝撃緩衝材とからなる床材を
作製した。このようにして得られた直貼り床材の総厚み
は14mmであり、この床材を、実施例1と同様にして
残響試験室に敷設して、床構造を作製し、試験体の床衝
撃音レベル試験を行った。その結果を表2に示す。
【0050】この例の衝撃緩衝材としての繊維系シート
には、厚みが5mm、目付量が500g/m2のポリエ
ステル系不織布を用いた。
【0051】比較例2 保護シートを用いずに、衝撃緩衝材として、厚みが5m
mのウレタン系スポンジシートを用いた以外は、実施例
1と同様にして、床材を作製した。この床材の総厚みは
14mmであり、この床材を、実施例1と同様に残響試
験室に敷設して、床構造を作製し、試験体の床衝撃音レ
ベル試験を行った。その結果を表2に示す。
【0052】この例の衝撃緩衝材としてのウレタン系ス
ポンジシートには、発泡倍率50倍に調整した、厚みが
5mmのウレタン系スポンジシートを用いた。
【0053】比較例3 保護シートを用いずに、衝撃緩衝材として、厚みを5m
mとした凹凸を有するウレタン系スポンジシートを用い
た以外は、実施例1と同様にして、床材を作製した。こ
のようにして得られた床材の総厚みは14mmであり、
この床材を、実施例1と同様にして残響試験室に敷設し
て、床構造を作製し、試験体の床衝撃音レベル試験を行
った。その結果を表2に示す。
【0054】この例のスポンジシートの組成は、比較例
2と同組成であり、凹凸形状には、床下地側に、深さ2
mm、面積20mmφの突起が、10mm間隔で整列し
た形状のものを採用した。
【0055】比較例4 保護シートを用いずに、Hs55に調整したソリッドの
凹凸を有するゴムシートを厚み5mmの衝撃緩衝材とし
て用いた以外は、実施例1と同様にして、床材を作製し
た。この床材の総厚みは14mmであり、この床材を、
実施例1と同様に残響試験室に敷設して、床構造を作製
し、試験体の床衝撃音レベル試験を行った。その結果を
表2に示す。
【0056】なお、この例のゴムシートの組成、凹凸形
状は、実施例1と同様とした。
【0057】比較例5 保護シートを用いずに、Hs70に調整したソリッドの
凹凸を有するゴムシートを厚み5mmの衝撃緩衝材とし
て用いた以外は、実施例1と同様にして、床材を作製し
た。この床材の総厚みは14mmであり、この床材を、
実施例1と同様に残響試験室に敷設して、床構造を作製
し、試験体の床衝撃音レベル試験を行った。その結果を
表2に示す。
【0058】なお、この例のゴムシートの組成、凹凸形
状は、実施例1と同様とした。
【0059】
【表2】
【0060】表1及び表2に示すように、本発明の実施
例1〜4の防音床構造は、比較例1〜5の床構造に比べ
て、保護シートによって、ウレタン系接着剤による悪影
響が低減され、軽量床衝撃音レベルは、LL40〜45
等級を維持し、良好な床衝撃音レベルの改善効果が認め
られた。
【0061】比較例1〜5については、軽量床衝撃音レ
ベルは、LL50等級となる。これらの例では保護シー
トが用いられていないため、衝撃緩衝材内部にウレタン
系接着剤が浸透・硬化し、衝撃緩衝材の本来持つ衝撃力
の緩衝効果を損なってしまう。
【0062】なお、比較例5については、ソリッドの凹
凸を有するゴムシートの硬度が高すぎるため、床衝撃音
の衝撃力を吸収できず、LL55等級となり、改善効果
は他の実施例・比較例よりも劣る結果となっている。こ
の例では、更に、ソリッドの凹凸を有するゴムシートの
凹部にウレタン系接着剤が入り込み固化するために、ソ
リッドの凹凸を有するゴムシートが床衝撃音の衝撃力を
吸収緩和することが阻害され、床衝撃音レベルLL60
等級という結果を招き、更なる床衝撃音レベルの悪化を
きたす。
【0063】以上述べたように、本発明の防音床構造
は、直貼り防音床材を固定させるために通常使用される
ウレタン系接着剤の硬化固化に伴う床衝撃力の阻害作用
を受けることなく、直貼り木質系防音床材の本来持つ床
衝撃音レベルの改善効果を発揮できる。
【0064】
【発明の効果】本発明では、ウレタン系接着剤と衝撃緩
衝材との間に、保護シートが設けられているため、直貼
り防音床材の固着に用いるウレタン系接着剤が衝撃緩衝
材の衝撃緩衝空間に浸入することなく、衝撃緩衝材の衝
撃緩衝能に悪影響を及ぼすことなく、床衝撃音レベルの
悪化を防止することができる。
【0065】また、本発明の防音床構造では、衝撃緩衝
材は、ゴム配合物からなり、複数の凸部を有しており、
各凸部の間に保護シートによって覆われた衝撃緩衝空間
が形成されているので、床衝撃の緩衝能に優れ、長期の
裁荷重に対してへたりを生じることなく、優れた床衝撃
音レベルを安定して維持することができる。特に、集合
住宅の防音床を考慮した場合、床衝撃音レベルの低減と
いう目的に対して、直貼り木質系防音床材の衝撃緩衝材
の裏打ち材として用いる本発明にかかる保護シートは、
最適な材料であり、その働きは大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例の防音床構造の縦断面図であ
る。
【図2】 本発明にかかる一例の衝撃緩衝材の平面図で
ある。
【図3】 本発明にかかる一例の衝撃緩衝材の裏面図で
ある。
【符号の説明】
1 防音床構造 2 床下地 3 防音材 4 床仕上げ材 5 ウレタン接着層 6 衝撃緩衝材 6a 凸部 6b 衝撃緩衝空間 6c 衝撃緩衝材の上面 6d 衝撃緩衝材の裏面 6e 接着部 7 保護シート 8 直貼り防音床材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床下地と防音材と木質系床仕上げ材とを
    備えており、前記床下地上にウレタン系接着剤を介して
    前記防音材が配置されている防音床構造であって、 前記防音材が衝撃緩衝材と保護シートとを含んでおり、
    前記衝撃緩衝材が加硫ゴムの成形体からなり、前記衝撃
    緩衝材の表面に複数の凸部が形成されており、前記各凸
    部の間に前記保護シートで覆われた衝撃緩衝空間が形成
    されており、前記保護シートが前記ウレタン系接着剤に
    よって前記床下地と接着しており、前記衝撃緩衝空間へ
    の前記ウレタン系接着剤の浸入が、前記保護シートによ
    って防止されていることを特徴とする、防音床構造。
JP11131409A 1999-05-12 1999-05-12 防音床構造 Pending JP2000320121A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012202085A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Eidai Co Ltd 木質床構造体
JP2012237178A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Eidai Co Ltd 木質床構造体

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JP2012202085A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Eidai Co Ltd 木質床構造体
JP2012237178A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Eidai Co Ltd 木質床構造体

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