JP2000319212A - threo−1,2−ジアリール−1,2−エタンジオールの製造法 - Google Patents

threo−1,2−ジアリール−1,2−エタンジオールの製造法

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JP2000319212A
JP2000319212A JP12727299A JP12727299A JP2000319212A JP 2000319212 A JP2000319212 A JP 2000319212A JP 12727299 A JP12727299 A JP 12727299A JP 12727299 A JP12727299 A JP 12727299A JP 2000319212 A JP2000319212 A JP 2000319212A
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diaryl
erythro
alkali metal
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Masatoshi Kawashima
正敏 川島
Minoru Nakayama
中山  実
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 threo−1,2−ジアリール−1,2−
エタンジオール誘導体の簡便かつ工業的規模に実施可能
な製造法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 で示されるerythro−1,2−ジアリール−1,
2−エタンジオール誘導体に、非プロトン性溶媒中、ア
ルカリ金属アルコキシドを作用させることを特徴とする
一般式(2) 【化2】 で示されるthreo−1,2−ジアリール−1,2−
エタンジオール誘導体の製造法(ここで、R1およびR2
はアリ−ル基であり、それぞれ独立して基中の水素原子
がヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキル基、アリール基またはハロゲン原子で置換してい
てもよい;R3およびR4はアシル基または水素原子であ
り;R1とR2、R1とR3、R1とR4、R2とR3、R2
4およびR 3とR4はそれぞれ独立して環をなしていて
もよい。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不斉合成反応にお
ける不斉源として有用な光学活性1,2−ジフェニルエ
タンジオールなどの光学活性1,2−ジアリール−1,
2−エタンジオールの原料などとなるthreo−1,
2−ジアリール−1,2−エタンジオール誘導体の製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】erythro−1,2−ジアリール−
1,2−エタンジオールの異性化によるthreo−
1,2−ジアリール−1,2−エタンジオールの製造法
として、例えば、erythro−1,2−ジフェニル
−1,2−エタンジオールを水酸化カリウムを塩基とし
て使用して、threo−1,2−ジフェニル−1,2
−エタンジオールへ異性化させる方法〔Synthes
is,664(1973)〕が知られている。しかしな
がら、この方法は、erythro−1,2−ジアリー
ル−1,2−エタンジオールと32倍モルの大過剰量の
水酸化カリウムを混合し、少量のメタノールを加え、急
速に100℃まで加熱し、ついで減圧下、メタノールを
留去させ、最後に160〜170℃の高温下、15分間
反応させるという反応条件が厳密で激しい反応のもので
ある。また、反応系内の発泡や固化による攪拌不能状態
に陥るため、スケールが大きくなると、反応容器内の温
度を均一にすることができず、原報どおりの厳密な反応
温度と反応時間の制御ができない。そのために、生成物
の分解反応がおこり、目的のthreo−1,2−ジア
リール−1,2−エタンジオールは得られず、原料回収
に終わってしまう。すなわち、この従来法は、数グラム
程度の実験室的な合成法であって、工業的に使用できる
製造法とは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点を解決することであり、穏和な条件下、
工業的規模で実施できる簡便なthreo−1,2−ジ
アリール−1,2−エタンジオール誘導体の製造法を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、erythro−1,2
−ジアリール−1,2−エタンジオール誘導体に、アル
カリ金属アルコキシドを非プロトン性溶媒中で作用させ
ることにより、容易にthreo−1,2−ジアリール
−1,2−エタンジオール誘導体へ異性化できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明のthreo−1,2−
ジアリール−1,2−エタンジオール誘導体の製造法
は、構成を下記に示す。 (1) 一般式(1)
【0006】一般式(1)
【化3】 (ここで、R1およびR2はアリ−ル基であり、それぞれ
独立して基中の水素原子がヒドロキシ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキル基、アリール基または
ハロゲン原子で置換していてもよい;R3およびR4は、
アシル基または水素原子であり;R1とR2、R1とR3
1とR4、R2とR3、R2とR4およびR3とR4はそれぞ
れ独立に結合した環状構造であってもよい。)で示され
るerythro−1,2−ジアリール−1,2−エタ
ンジオール誘導体に、非プロトン性溶媒中、アルカリ金
属アルコキシドを作用させることを特徴とする一般式
(2)
【0007】
【化4】 (ここで、R1、R2、R3およびR4は、上記と同義であ
る。)で示されるthreo−1,2−ジアリール−
1,2−エタンジオール誘導体の製造法。
【0008】(2) アルカリ金属アルコキシドが、ア
ルカリ金属t−アルコキシドである前記(1)項に記載
のthreo−1,2−ジアリール−1,2−エタンジ
オール誘導体の製造法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において示される一般式
(1)および(2)におけるR1およびR2で示されるア
リール基としては、フェニル、ナフチル、アンスリル、
フェナンスリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、
アクリジニル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、ピ
ロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チ
アゾリル、フリル、ベンゾフラニル、カルバゾリル、イ
ンドリル、チエニル、ピレニル、イソキサゾリル、イソ
チアゾリル、フラザニル、ベンズイミダゾリル、インダ
ゾリル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニ
ル、シンノリニル、フタラジニル、プリニル、プテリジ
ニル、ペリミジニル、フェナンスロリニル、チアンスレ
ニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フェノ
チアジニル、フェナジニル、アセナフテニル、インダニ
ル、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イ
ソクロマニル、トリフェニレニル、フルオレニル、アセ
ナフチレニル、クリセニル、ペリレニル、ナフタセニ
ル、ペンタセニル、ペンタフェニル、ピセニル、コロネ
ニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、インデニ
ル、ビフェニレニル、アズレニルなどをあげることがで
きる。好ましくはフェニル、ナフチル、アンスリル、フ
ェナンスリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ア
クリジニル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、ピロ
リル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チア
ゾリル、フリル、ベンゾフラニル、カルバゾリル、イン
ドリル、チエニルである。
【0010】本発明において示される一般式(1)およ
び(2)におけるR3およびR4は、アシル基または水素
原子である。そのアシル基としては、ベンゾイル、ナフ
トイル、ピバロイル、アダマンタノイル、フタロイルな
どのα水素を持たないアシル基をあげることができる。
好ましくは、ベンゾイル、ピバロイルである。
【0011】R1とR2、R1とR3、R1とR4、R2
3、R2とR4またはR3とR4が環をなしていてもよ
い。
【0012】R1およびR2で示されるアリール基ならび
にR3およびR4におけるアシル基は、置換基を有してい
てもよく、置換基の具体例としては、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、デシル、シクロプロピル、シクロヘキ
シル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのアルキル
基;フェニル、ナフチル、ピリジル、フリルなどのアリ
ール基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、
シクロヘキシルオキシ、シクロオクチルオキシなどのア
ルコキシ基;フェノキシ、ナフトキシ、ピリジルオキ
シ、フリルオキシなどのアリールオキシ基;アセチル、
ベンゾイル、ナフトイルなどのアシル基;アミノ、ジメ
チルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノなどのアミノ
基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など
のハロゲン原子;メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、フ
ェノキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基;ベ
ンズアミドなどのアミド基;N,N−ジメチルカルバモ
イル、N,N−ジフェニルカルバモイルなどのカルバモ
イル基;ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基などを
挙げることができる。
【0013】本発明の製造法に用いられる一般式(1)
で示されるerythro−1,2−ジアリール−1,
2−エタンジオール誘導体(以下、erythro誘導
体と略すことがある)は、具体的には、1,2−ジフェ
ニル−1,2−エタンジオール、1,2−ジ(4−メチ
ルフェニル)−1,2−エタンジオール、1,2−ジ
(4−メトキシフェニル)−1,2−エタンジオール、
1,2−ジ(4−クロロフェニル)−1,2−エタンジ
オール、1,2−ジ(3−メチルフェニル)−1,2−
エタンジオール、1,2−ジ(3−メトキシフェニル)
−1,2−エタンジオール、1,2−ジ(3−クロロフ
ェニル)−1,2−エタンジオール、1,2−ジ(2−
メチルフェニル)−1,2−エタンジオール、1,2−
ジ(2−メトキシフェニル)−1,2−エタンジオー
ル、1,2−ジ(2−クロロフェニル)−1,2−エタ
ンジオール、1,2−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,2−エタンジオール、1,2−ビス(2,4
−ジメトキシフェニル)−1,2−エタンジオール、
1,2−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−1,2−
エタンジオール、1,2−ビス(3,5−ジメチルフェ
ニル)−1,2−エタンジオール、1,2−ビス(3,
5−ジメトキシフェニル)−1,2−エタンジオール、
1,2−ビス(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−
エタンジオール、
【0014】1,2−ビス(2,4,6−トリメチルフ
ェニル)−1,2−エタンジオール、1,2−ビス
(2,4,6−トリメトキシフェニル)−1,2−エタ
ンジオール、1,2−ビス(2,4,6−トリクロロフ
ェニル)−1,2−エタンジオール、1,2−ジ(1−
ナフチル)−1,2−エタンジオール、1,2−ジ(2
−ナフチル)−1,2−エタンジオール、1−(1−ナ
フチル)−2−(2−ナフチル)−1,2−エタンジオ
ール、1−フェニル−2−(1−ナフチル)−1,2−
エタンジオール、1−フェニル−2−(2−ナフチル)
−1,2−エタンジオール、1−フェニル−2−(2−
フリル)−1,2−エタンジオール、1−フェニル−2
−(3−フリル)−1,2−エタンジオール、1−フェ
ニル−2−(2−チエニル)−1,2−エタンジオー
ル、1−フェニル−2−(3−チエニル)−1,2−エ
タンジオールなどを挙げることができる。
【0015】一般式(1)において、R1とR3が環をな
しているerythro誘導体としては、3−(1−ヒ
ドロキシ−1−フェニルメチル)フタリド、3−(1−
ヒドロキシ−1−(1−ナフチル)メチル)フタリド;
1とR4が環をなしているerythro誘導体として
は、4−ヒドロキシ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ
イソクマリン、4−ヒドロキシ−3−(1−ナフチル)
−3,4−ジヒドロイソクマリン;R1とR2が環をなし
ているerythro誘導体としては、9,10−ジヒ
ドロ−9,10−ジヒドロキシフェナンスレン、1,2
−ジヒドロキシアセナフテン、4,5−ジヒドロ−4,
5−ジヒドロキシピレン、5,6−ジヒドロ−5,6−
ジヒドロキシクリセン、5,6−ジヒドロ−5,6−ジ
ヒドロキシベンゾ[c]フェナンスレン、5,6−ジヒ
ドロ−5,6−ジヒドロキシベンズ[a]アントラセ
ン、4,5−ジヒドロ−4,5−ジヒドロキシベンゾ
[a]ピレン、6−フルオロ−4,5−ジヒドロ−4,
5−ジヒドロキシベンゾ[a]ピレン、5,6−ジヒド
ロ−5,6−ジヒドロキシジベンズ[c,h]アクリジ
ン、5,6−ジヒドロ−5,6−ジヒドロキシ−7,1
2−ジメチルベンズ[a]アントラセンなどを挙げるこ
とができる。
【0016】さらに本発明の製造法に用いられる一般式
(1)で示されるerythro誘導体としては、上記
ジオールとカルボン酸とのモノエステルおよびジエステ
ルを挙げることができる。これらのモノエステルおよび
ジエステルとしては、安息香酸、2−クロロ安息香酸、
4−クロロ安息香酸、2,4−ジクロロ安息香酸、2,
4,6−トリクロロ安息香酸、ナフタレン−1−カルボ
ン酸、ナフタレン−2−カルボン酸、2,2−ジメチル
プロパン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,2−ジエ
チルブタン酸、1−メチル−1−シクロヘキサンカルボ
ン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、1−アダマ
ンタンカルボン酸、2−メトキシ−2−フェニルプロパ
ン酸、(R)−2−メトキシ−2−フェニル−3,3,
3−トリフルオロプロパン酸、(S)−2−メトキシ−
2−フェニル−3,3,3−トリフルオロプロパン酸な
どのカルボン酸と前述のジオールとのモノエステルおよ
びジエステルをあげることができる。さらにR3とR4
が環をなしている1,1’−ビナフタレン−2,2’−
ジカルボン酸などのモノエステルおよびジエステルを挙
げることができる。
【0017】また、本発明の製造法で用いられる原料
は、純粋のerythro−1,2−ジアリール−1,
2−エタンジオール誘導体(erythro誘導体)で
ある必要はなく、threo−1,2−ジアリール−
1,2−エタンジオール誘導体(以下、threo誘導
体ということがある)が任意の割合で混合していてもよ
い。
【0018】erythro誘導体とthreo誘導体
との混合物の製造法は、R3およびR4の種類によって異
なる。例えば、R3およびR4が共に水素原子の場合は、
1,2−ジアリール−1,2−エタンジオンまたは1,
2−ジアリール−2−ヒドロキシエタノンの水素化ホウ
素ナトリウムまたは水素化アルミニウムリチウムなどに
よる還元などによって製造することができる(Acta
Chemica Scandinavica, 44
617 (1990))。またアルデヒドのカップリン
グによっても製造することができる(Journal
of Organic Chemistry, 55, 2
981 (1990))。R3およびR4がアシル基と水素
原子の場合は、1,2−ジアリール−2−アシルオキシ
エタノンの水素化ホウ素ナトリウムなどによる還元など
によって製造することができる。R3およびR4が共にア
シル基の場合は、1,2−ジアリール−1,2−エタン
ジオールのジアシル化などによって製造することができ
る。
【0019】本発明の製造法に用いられるアルカリ金属
アルコキシドは、アルカリ金属n−アルコキシド、アル
カリ金属s−アルコキシドおよびアルカリ金属t−アル
コキシドのいずれを用いることができるが、好ましくは
アルカリ金属t−アルコキシドであり、具体的には、カ
リウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リ
チウムt−ブトキシドなどを挙げることができる。ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカ
リ金属n−アルコキシドおよびナトリウムイソプロポキ
シドなどのアルカリ金属s−アルコキシドを用いた場合
には、erythro体からthreo体への異性化速
度が遅く、また、R3またはR4がアシルの場合には、エ
ステル交換反応が起こる場合がある。
【0020】本発明の製造法に用いられる非プロトン性
溶媒は、好ましくは、テトラヒドロフラン、ジブチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、
1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、およびこれ
らとベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶
媒との混合溶媒を挙げることができる。
【0021】erythro誘導体に対するアルカリ金
属アルコキシドの使用量は、好ましくは、1倍モルない
し10倍モル、更に好ましくは2倍モルないし4倍モル
である。1倍モルより少ないと反応速度が遅く、またe
rythro誘導体がエステルの場合には、エポキシ化
や脱離反応などの副反応が起る場合がある。一方、10
倍モルより多くても反応は、進行するが、経済的でな
い。
【0022】本発明の製造法における反応温度は、好ま
しくは、0℃ないし150℃であり、更に好ましくは2
0℃ないし130℃である。反応時間は、使用したer
ythro誘導体、アルカリ金属アルコキシドの量、お
よび反応温度によって大きく変化する。erythro
誘導体は、ジオールよりもモノエステルの方が、モノエ
ステルよりもジエステルの方が、また反応温度が高い方
が、反応速度は速くて、反応時間も短い。一般的には、
30分ないし24時間で異性化は平衡状態に達する。
【0023】本発明における反応操作手順は任意であ
り、溶媒、アルカリ金属アルコキシド、およびeryt
hro誘導体をいかなる順序で添加してもよい。
【0024】更に、前述の方法、すなわち1,2−ジア
リール−1,2−エタンジオンまたは1,2−ジアリー
ル−2−ヒドロキシエタノンの水素化ホウ素ナトリウム
または水素化アルミニウムリチウム等による還元等を非
プロトン性溶媒中で行い、erythro誘導体を単離
精製することなく、その還元反応溶液に、アルカリ金属
アルコキシドを添加し、1ポットで異性化反応を続けて
行うことができる。
【0025】本発明の製造法を具体的に説明すると、非
プロトン性溶媒に、erythro誘導体とアルカリ金
属アルコキシドを加え、室温で攪拌する。反応終了後、
水を加え、適当な有機溶媒で、反応生成物を抽出し、抽
出液を水洗、乾燥後、濃縮する。濃縮残さを、蒸留、再
結晶またはクロマトグラフィーなどにより精製し、th
reo−1,2−ジアリール−1,2−エタンジオール
誘導体を得ることができる。
【0026】得られたthreo−1,2−ジアリール
−1,2−エタンジオール誘導体が、エステルの場合に
は、異性化反応終了後、当量の水を反応系内に添加する
ことにより、加水分解を行わせ、容易にthreo−
1,2−ジアリール−1,2−エタンジオールを生成す
ることができる。またエステルのまま単離したい場合に
は、異性化反応終了後、大量の水を反応系内に一度に添
加する。
【0027】本発明の製造法に用いたerythro誘
導体がエステルの場合であって、更に溶媒またはery
thro誘導体に微量の水が含まれている場合には、対
応する量のエステルが加水分解されて、ジオールが生成
し、これも異性化反応を起こす。
【0028】
【実施例】つぎに実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。 なお、実施例における(erythro:thr
eo)の値は、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)〔(株)住化分析センター製”SUMICHIRA
L OA−2000”〕〔溶媒(Hexane:2−P
ropanol=93:7)、流速、1cm3/mi
n〕による分析結果である。
【0029】実施例1 1,2−ジフェニル−1,2−エタンジオール〔(er
ythro:threo=83:17)〕の3.0g
(14mmol)およびテトラヒドロフラン15cm3
からなる懸濁液に、カリウムt−ブトキシドの3.2g
(28mmol)を一度に加えた。加熱還流させながら
2時間攪拌後、室温まで冷却し、水15cm3および酢
酸エチル30cm3を加え、分液し、水層を酢酸エチル
5cm3×3回で抽出した。得られた酢酸エチル層を合
わせて、飽和食塩水10cm3×3回で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、ろ過により乾燥剤を除去し、ろ
液を濃縮して、erythro:threo=0.4:
99.6の1,2−ジフェニル−1,2−エタンジオー
ル2.6g(12mmol)を得た。
【0030】実施例2 1,2−ジフェニル−1.2−エタンジオール(ery
thro:threo=41:59)のモノ安息香酸エ
ステル321g(1.01mol)およびテトラヒドロ
フラン1600cm3からなる溶液に、カリウムt−ブ
トキシド454g(4.04mmol)を一度に加え
た。20℃で22時間攪拌後、水18.2cm3(1.
01mol)を加え、更に1時間攪拌してエステルを加
水分解した。ついで水500cm3および酢酸エチル1
500cm3を加え、分液し、水層を酢酸エチル500
cm3×3回で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、飽和
食塩水600cm3×2回で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、乾燥剤をろ過して除き、ろ液を濃縮して、
erythro:threo=3:97の1,2−ジフ
ェニル−1,2−エタンジオール88.3g(412m
mol)を得た。
【0031】実施例3〜13 原料(erythro誘導体)、塩基(アルカリ金属ア
ルコキシド)、原料と塩基のモル比、溶媒、反応温度、
または反応時間を変えて行った結果を表1に示す。な
お、原料がジオールの場合に、反応終了後の処理は実施
例1と同様にして行い、原料がエステルの場合に、反応
終了後の処理は実施例2と同様にして行った。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の製造法により、従来の製造法に
くらべて、穏和な条件下で、簡便にthreo−1,2
−ジアリール−1,2−エタンジオール誘導体をえるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 67/333 C07C 67/333 69/78 69/78 // C07M 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (ここで、R1およびR2はアリ−ル基であり、それぞれ
    独立して基中の水素原子がヒドロキシ基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、アルキル基、アリール基または
    ハロゲン原子で置換していてもよい;R3およびR4はア
    シル基または水素原子であり;R1とR2、R1とR3、R
    1とR4、R2とR3、R2とR4およびR3とR4はそれぞれ
    独立に結合した環状構造であってもよい。)で示される
    erythro−1,2−ジアリール−1,2−エタン
    ジオール誘導体に、非プロトン性溶媒中、アルカリ金属
    アルコキシドを作用させることを特徴とする一般式
    (2) 【化2】 (ここで、R1、R2、R3およびR4は、上記と同義であ
    る。)で示されるthreo−1,2−ジアリール−
    1,2−エタンジオール誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属アルコキシドが、アルカリ
    金属t−アルコキシドである請求項1に記載のthre
    o−1,2−ジアリール−1,2−エタンジオール誘導
    体の製造法。
JP12727299A 1999-05-07 1999-05-07 threo−1,2−ジアリール−1,2−エタンジオールの製造法 Pending JP2000319212A (ja)

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