JP3869531B2 - ビフェニル誘導体の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は医農薬、液晶、耐熱性高分子、及び液晶性高分子等の中間体として有用であるビフェニル誘導体の製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビフェニル誘導体の製造法として、1)Ullman反応による方法(特開平4−257564)、2)有機金属化合物とハロゲン化アリール化合物をPd錯体等の触媒存在下カップリングさせる方法(特開平5−97813、6−234690)、3)ハロゲン化アリール化合物をNi触媒および金属粉の存在下カップリングさせる方法(特開平6−65153)、4)α-シアノケイ皮酸エステル類とブタジエンを環化反応させてテトラヒドロビフェニル誘導体を合成し、さらに脱水素、脱炭酸することにより合成する方法(特開平9−87238)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法は有機金属化合物等を用いる無水条件下での反応や高温・高圧条件下での反応、また高価な触媒等を必要とするなど製造上設備及びコスト面において多くの問題があった。さらに反応の選択性が必ずしも高くないことから、副生成物が多く生成し、単離精製が煩雑であるなどの問題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は安価な原料を用いた穏和な反応条件での選択的なビフェニル化合物の新規製造法を提供する。
【0005】
すなわち一般式(1)
【0006】
【化11】
【0007】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。ただしXがHでYがCO2 Me、CO2 Etの場合を除く。)で表される化合物から、一般式(2)
【0008】
【化12】
【0009】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。ただしXがHでYがCO2 Me、CO2 Etの場合を除く。)で表される化合物から、一般式(3)
【0010】
【化13】
【0011】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。ただしXがHでYがCO2 Me、CO2 Etの場合を除く。)で表されるシクロヘキセノン誘導体、一般式(4a)、(4b)
【0012】
【化14】
【0013】
で表されるシクロヘキサジエン誘導体及びそれらを中間体とする一般式(5)
【0014】
【化15】
【0015】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。)で表されるビフェニル誘導体の製造法に関する。
【0016】
本発明の一般式(1)から一般式(4)においてXとしては例えば水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、好ましくはメチル基であり、その置換位置としてはパラ位が好ましい。Yとしては例えばシアノ基、カルボン酸基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基がなど挙げられ、好ましくはシアノ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
反応工程は次に示すとおりである。
【0018】
【化16】
【0019】
(図中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示し、Zはハロゲン原子を示す。ただし一般式(1)および(2)においてはXがHでYがCO2 Me、CO2 Etの場合を除く。)
【0020】
第1工程:一般式(1)の化合物から一般式(2)の化合物製造:
一般式(2)
【0021】
【化17】
【0022】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。ただしXがHでYがCO2 Me、CO2 Etの場合を除く。)の化合物は一般式(1)
【0023】
【化18】
【0024】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。ただしXがHでYがCO2 Me、CO2 Etの場合を除く。)の化合物を溶媒中または無溶媒にて塩基存在下メチルビニルケトンと反応させることにより製造することができる。
【0025】
上記反応に用いる溶媒としては、例えばメタノール、エタノールなどの脂肪族低級アルコール、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのエーテル系炭化水素、ジクロロメタンなどの有機塩素系炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキドなどの非プロトン性極性溶媒、水及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、脂肪族低級アルコール、芳香族炭化水素、エーテル系炭化水素、水及びそれらの混合物が挙げられる。
反応温度は通常−20℃から溶媒還流温度であり、好ましくは0℃から溶媒還流温度である。
【0026】
縮合剤としては塩基、酸、遷移金属化合物などが挙げられる。
塩基としては、例えばKOH、NaOHなどのアルカリ金属水酸化物、K2 CO3 、Na2 CO3 などのアルカリ金属炭酸塩、MeONa、EtONa、t−BuOKなどの脂肪族低級アルコールのアルカリ金属塩、NaHなどのアルカリ金属水素化物、ピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基であり、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、脂肪族低級アルコールのアルカリ金属塩、有機塩基である。
また、その使用量は通常0.001から5当量であり、好ましくは0.005から3当量である。
酸としては硫酸、塩酸などの無機酸、酢酸などの有機酸などが挙げられる。
遷移金属化合物としてはYb(OTf)3 、EuCl3 、Ni(acac)2などが挙げられる。
その使用量は通常0.001から5当量であり好ましくは0.005から0.5
当量である。
【0027】
第2工程:一般式(2)の化合物から一般式(3)の化合物の製造:
一般式(3)
【0028】
【化19】
【0029】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。ただしXがHでYがCO2 Me、CO2 Etの場合を除く。)の化合物は一般式(2)
【0030】
【化20】
【0031】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。ただしXがHでYがCO2 Me、CO2 Etの場合を除く。)の化合物を溶媒中または無溶媒にて塩基または酸の存在下もしくはその混在下環化反応を行うことにより製造することができる。
【0032】
上記反応に用いる溶媒としては、例えばメタノール、エタノールなどの脂肪族低級アルコール、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのエーテル系炭化水素、ジクロロメタンなどの有機塩素系炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキドなどの非プロトン性極性溶媒、水及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、脂肪族低級アルコール、芳香族炭化水素、エーテル系炭化水素、水及びそれらの混合物が挙げられる。
反応温度は通常0℃から溶媒還流温度であり、好ましくは20℃から溶媒還流温度である。
【0033】
塩基としては、例えばKOH、NaOHなどのアルカリ金属水酸化物、K2 CO3 、Na2 CO3 などのアルカリ金属炭酸塩、MeONa、EtONa、t−BuOKなどの脂肪族低級アルコールのアルカリ金属塩、NaHなどのアルカリ金属水素化物、ピリジン、トリエチルアミン、ピロリジン、ピペリジンなどの有機塩基であり、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、脂肪族低級アルコールのアルカリ金属塩、有機塩基である。
また、その使用量は通常0.001から5当量であり、好ましくは0.01から3当量である。
酸としてはギ酸、酢酸など有機酸、塩酸、硫酸などの無機酸であり、好ましくは有機酸である。
また、その使用量は通常0.001から5当量であり、好ましくは0.01から3当量である。
上記塩基および酸を混合して使用することもでき、好ましくは有機塩基と有機酸の混在である。
【0034】
第3工程:一般式(3)の化合物から一般式(4a)または(4b)もしくはその混合物の製造:
一般式(4a)または(4b)
【0035】
【化21】
【0036】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。)もしくはその混合物は一般式(3)
【0037】
【化22】
【0038】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。)の化合物を溶媒中または無溶媒にてハロゲン化剤と反応させることにより製造することができる。
【0039】
上記反応に用いる溶媒としては、例えばトルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのエーテル系炭化水素、ジクロロメタンなどの有機塩素系炭化水素、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、芳香族炭化水素、有機塩素系炭化水素、脂肪族炭化水素及びそれらの混合物が挙げられる。
反応温度は通常−20℃から溶媒還流温度であり、好ましくは0℃から溶媒還流温度である。
ハロゲン化剤の種類としては例えばオキザリルクロド、塩化チオニル、オキシ塩化リン等が挙げられ、好ましくはオキザリルクロリドである。
また、その使用量は通常0.5から10当量であり、好ましくは1から5当量である。
【0040】
第4工程:一般式(4a)または(4b)もしくはその混合物から一般式(5)の化合物の製造:
一般式(5)
【0041】
【化23】
【0042】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。)の化合物は一般式(4a)または(4b)
【0043】
【化24】
【0044】
(式中XはH、C1 〜C4 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基を示し、YはCO2 R又はCNを示し、RはH又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。)もしくはその混合物を溶媒中または無溶媒にて塩基で処理することにより製造することができる。
【0045】
上記反応に用いる溶媒としては、例えばメタノール、エタノールなどの脂肪族低級アルコール、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのエーテル系炭化水素、ジクロロメタンなどの有機塩素系炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキド、水及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、脂肪族低級アルコール、芳香族炭化水素、エーテル系炭化水素、水及びそれらの混合物が挙げられる。
反応温度は通常−20℃から溶媒還流温度であり、好ましくは0℃から溶媒還流温度である。
【0046】
塩基としては、例えばKOH、NaOHなどのアルカリ金属水酸化物、K2 CO3 、Na2 CO3 などのアルカリ金属炭酸塩、MeONa、EtONa、t−BuOKなどの脂肪族低級アルコールのアルカリ金属塩、NaHなどのアルカリ金属水素化物、ピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基であり、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、脂肪族低級アルコールのアルカリ金属塩である。
また、その使用量は通常0.5から20当量であり、好ましくは1から10当量である。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
2−((4−メチルフェニル)カルボニル)−5−オキソヘキサン酸エチルエステルの製造
4′−メチルベンゾイル酢酸エチルエステル2.28g(11.1mmol)のエタノール溶液(10ml)にナトリウムエトキシド11mg(0.16mmol)を添加し、メチルビニルケトン2.0g(27.8mmol)を冷却下、25℃以下でゆっくり滴下した。同温で4時間撹拌した。エタノールを減圧下留去後、希塩酸を加え酸性とした後、酢酸エチルにより抽出した。有機層を飽和食塩水により洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。次いで無水硫酸マグネシウムを濾過し、減圧下溶媒を留去することにより残留物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンー酢酸エチル系)により精製し目的物を淡黄色オイルとして得た。(2.73g、収率89.0%)
【0048】
1H−NMR(ppm,300MHz,CDCl3 )
δ7.92(2H,d,J=8.0Hz)、7.28(2H,d,J=8.0Hz)、4.41(1H,t,J=7.0Hz)、4.14(2H,q,J=6.9Hz)、2.55〜2.60(2H,m)、2.42(3H,s)、2.20〜2.25(2H,m)、2.13(3H,s)、1.17(3H,t,J=6.9Hz)
【0049】
実施例2
2−((4−メチルフェニル)カルボニル)−5−オキソヘキサンニトリルの製造
4′−メチルベンゾイルアセトニトリル1.0g(6.29mmol)のトルエン溶液(20ml)にメチルビニルケトン1.0ml(12.6mmol)、トリエチルアミン0.088ml(0.63mmol)を加え室温にて24時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンー酢酸エチル系)により精製し目的物を淡黄色オイルとして得た。(1.0g、収率69.4%)
【0050】
1H−NMR(ppm,300MHz,CDCl3 )
δ7.95(2H,d,J=8.0Hz)、7.33(2H,d,J=8.0Hz)、4.64(1H,dd,J=9.1,5.1Hz)、2.78〜2.89(2H)、2.44(3H,s)、2.30〜2.40(1H,m)、2.21(3H,s)、2.03〜2.16(1H,m)
【0051】
実施例3
2−(4−メチルフェニル)−4−オキソシクロヘキシ−2−エンカルボン酸エチルエステルの製造
2−((4−メチルフェニル)カルボニル)−5−オキソヘキサン酸エチルエステル4.19g(15.2mmol)のトルエン溶液(10ml)に酢酸137mg(2.28mmol)及びピペリジン129mg(1.52mmol)を添加し、110℃で9時間加熱した。室温まで冷却し酢酸エチルを加え、希塩酸及び飽和食塩水により洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムにより乾燥、次いで濾過し、減圧下溶媒を留去することにより残留物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンー酢酸エチル系)により精製し目的物を褐色オイルとして得た。(3.46g、収率88.0%)
【0052】
1H−NMR(ppm,300MHz,CDCl3 )
δ7.41(2H,d,J=8.2Hz)、7.21(2H,d,J=8.2Hz)、5.47(1H,s)、4.11(2H,q,J=7.0Hz)、3.96(1H,dd,J=4.8,4.8Hz)、2.55〜2.65(1H,m)、2.40〜2.55(3H)、2.38(3H,s)、1.14(3H,t,J=7.0Hz)
【0053】
実施例4
2−フェニル−4−オキソシクロヘキシ−2−エンカルボン酸エチルエステルの製造
2−フェニルカルボニル−5−オキソヘキサン酸エチルエステル3.87g(14.8mmol)のトルエン溶液(5ml)に酢酸130mg(2.17mmol)及びピペリジン127mg(1.49mmol)を添加し、110℃で5時間加熱した。室温まで冷却し酢酸エチルを加え、希塩酸及び飽和食塩水により洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムにより乾燥、次いで濾過し、減圧下溶媒を留去することにより残留物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンー酢酸エチル系)により精製し目的物を褐色オイルとして得た。(4.02g、収率94.7%)
【0054】
1H−NMR(ppm,300MHz,CDCl3 )
δ7.50(2H,d,J=3.0,6.4Hz)、7.40〜7.48(3H)、6.47(1H,s)、4.11(2H,q,J=7.0Hz)、3.96(1H,dd,J=3.7,3.7Hz)、2.60〜2.70(1H,m)、2.35〜2.55(3H)、1.12(3H,t,J=7.0Hz)
【0055】
実施例5
4−クロロ−2−フェニルシクロヘキサ−2,4−ジエンカルボン酸エチルエステル及び4−クロロ−2−フェニルシクロヘキサ−1,3−ジエンカルボン酸エチルエステルの混合物の製造
2−フェニル−4−オキソシクロヘキシ−2−エンカルボン酸エチルエステル1.24g(5.1mmol)のトルエン溶液(10ml)にオギサリルクロリド2.58mg(20.4mmol)を加え、70〜75℃で2時間加熱撹拌した。次いで室温まで冷却し酢酸エチルを加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水により順次洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムにより乾燥、次いで濾過し、減圧下溶媒を留去することにより目的物を淡い黄色オイルとして得た。(1.24g、収率93.0%)
【0056】
1H−NMR(ppm,300MHz,CDCl3 )
δ7.25〜7.45(8H)、7.13〜7.16(2H)、6.35(1H,s)、6.19(1H,s)、5.87(1H,brs)、4.09(2H,q,J=7.3Hz)、3.93(2H,q,J=7.3Hz)、3.64(1H,dd,J=3.3,8.6Hz)、2.90〜3.05(1H,m)、2.60〜2.85(5H)、1.34(3H,t,J=7.3Hz)、0.89(3H,t,J=7.3Hz)
【0057】
実施例6
2−ビフェニルカルボン酸エチルエステル及び2−ビフェニルカルボン酸の製造4−クロロ−2−フェニルシクロヘキサ−2,4−ジエンカルボン酸エチルエステル及び4−クロロ−2−フェニルシクロヘキサ−1,3−ジエンカルボン酸エチルエステルの混合物0.62g(2.54mmol)のメタノール溶液(5ml)にナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)1.98g(10.1mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。減圧下メタノールを留去した後希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後減圧下で溶媒を留去することによりクルード目的物を得た。次いでシルカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル系)で精製、分離することにより目的物である2−ビフェニルカルボン酸エチルエステル(136mg、収率23.7%)及び2−ビフェニルカルボン酸(236mg、53.8%)を得た。
【0058】
2−ビフェニルカルボン酸エチルエステル
1H−NMR(ppm,300MHz,CDCl3 )
δ7.79(1H,d,J=8.3Hz)、7.35〜7.40(5H)、7.26〜7.30(3H)、4.07(2H,d,J=7.0Hz)、0.98(3H,t,J=7.0Hz)
【0059】
2−ビフェニルカルボン酸
1H−NMR(ppm,300MHz,CDCl3 )
δ7.91(1H,d,J=8.2Hz)、7.17〜7.42(8H)
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば医農薬、液晶、耐熱性高分子、及び液晶性高分子等の中間体として有用であるビフェニル誘導体の選択的に製造できる。本合成法は安価な原料を用い、特殊な設備や反応条件を必要としない選択的なビフェニル誘導体の工業的製造法を提供することができる。
Claims (4)
- 一般式(1)
- 一般式(3)
- XがメチルでありYがCNである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
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