JP2000318537A - 車両のためのルーフレール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り付け前の状態で車両ルーフに装着可能
で、車両の内側から、内室被覆を取り付ける前に、従来
通りの形式で車両ルーフにおいてねじ山付きナットをね
じ固定することによって固定可能であり、しかも車両内
室被覆を取り外すことなく、かつ車両内側の固定部材を
弛めることなく取り外しができるようなルーフレールを
提供する。 【解決手段】 １つのまたは複数のねじ山付きボルト１
２と、ねじ山部分１６上にねじ止め可能なねじ山付きナ
ットとから成っている第１の固定部材１１と、第１のボ
ルト１７と第２のボルト２２とから成っている第２の固
定部材とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両のためのルー
フレールであって、バーおよび該バーを少なくとも端部
領域で車両ルーフに対して支持している支持脚部が設け
られており、ルーフ溝の底部上に載せられた下面と各支
持脚部を支持している上面とを備えた、各支持脚部に対
応配置されたアダプタが設けられており、該アダプタを
ルーフ溝の底部に固定するかもしくはルーフ溝の下に位
置する車両の支持構造部に固定するための第１の固定部
材が設けられており、アダプタを各支持脚部に固定する
ための第２の固定部材が設けられている形式のものに関
する。

【０００２】

【従来の技術】このような形式の車両のためのルーフレ
ールはドイツ連邦共和国特許第４００４８２９号明細書
により公知である。この公知のルーフレールの場合、第
１の固定部材は、雌ねじ山を備えたアダプタの孔にねじ
込み可能な第１のねじ山部分と、ルーフ溝の底部におけ
る開口部を貫通する第２のねじ山部分とを備えた１つの
または複数のねじ山付きボルトと、ねじ山部分上にねじ
止め可能なねじ山付きナットとから成っている。第２の
固定部材は第１のボルトと第２のボルトとから成ってお
り、これらのボルトは、ボルト頭と、アダプタに設けら
れた、ねじ山が設けられていない孔を貫通する、支持脚
部に設けられた、雌ねじ山を備えた孔内にねじ込み可能
なねじ山付きシャフトとをそれぞれ備えている。ボルト
のボルト頭は嵌め込まれた状態でアダプタ下側において
支持されている。

【０００３】公知のルーフレールは取り付けには容易で
あるが、取り外しにはかなり手間がかかり、実際の使用
では極めて不都合に思われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、冒頭で述べた形式の車両のためのルーフレールを改
良して、取り付け前の状態で車両ルーフ上に装着可能
で、車両の内側から、内室被覆を取り付ける前に、従来
通りの形式で車両ルーフにおいてねじ山付きナットをね
じ固定することによって固定可能であり、しかも車両内
室被覆を取り外すことなく、かつ車両内側の固定部材を
弛めることなく取り外しができるようなものを提供する
ことである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、第１の固定部材が、１つのまたは
複数のねじ山付きボルトと、ねじ山部分上にねじ止め可
能なねじ山付きナットとから成っており、前記ねじ山付
きボルトは、雌ねじ山を備えたアダプタの孔にねじ込み
可能な第１のねじ山部分と、ルーフ溝の底部における開
口部ならびにルーフ溝の下に位置する支持構造部におけ
る開口部を貫通する第２のねじ山部分とを有しており、
第２の固定部材が第１のボルトと第２のボルトとから成
っており、前記第１のボルトはボルト頭と、該ボルト頭
内に設けられたリング溝と、前記アダプタ内に設けられ
た、ねじ山が設けられていない孔を貫通する、前記支持
脚部に設けられた、雌ねじ山を備えた孔内にねじ込み可
能なねじ山付きシャフトとを有しており、前記第２のボ
ルトは雄ねじ山を備えており、かつねじ山が設けられて
いない孔に対して垂直に配置された、ルーフ溝の底部に
緊密に隣接してルーフ溝の方向に延びる、雌ねじ山を備
えた貫通孔内にねじ込み可能であり、前記第２のボルト
の自由端部は、ねじ山が設けられていない孔内に位置決
めされたボルト頭のリング溝に係合するようにした。

【０００６】

【発明の効果】本発明によれば、第２の固定部材の特別
な構成によって、つまり車両の外側から支持脚部とアダ
プタとの分離が行われ、その結果、バーに残る支持脚部
を備えたルーフレールを、車両に残るアダプタから持ち
上げて外すことができる。このためには、アダプタの横
方向穴内に嵌め込まれているねじ山付きボルトをその自
由端部が各ボルト頭のリング溝を解放するまで弛めるだ
けでよい。とくに車両の再塗装が必要である場合に、ル
ーフレールの簡単な取り外しは極めて重要である。

【０００７】本発明は簡単な取り外しおよび新たな取り
付けに有利であるだけではなく、さらに有利には、固定
部材は外からは完全に見えなくなっており、これによっ
て見た目に不利に働くことはない。アダプタにおいて支
持脚部の固定を確実にする横孔はルーフ溝内部、同時に
ルーフ溝を閉鎖するカバー条片の下方に設けられてい
る。

【０００８】本発明は、外側から見えることがなく、し
かも必要な場合には、最適な形式で外側から取り外しが
できる固定装置を提供するという、自動車生産者の要求
に答えている。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に図面につき本発明の実施例を
詳しく説明する。

【００１０】図示していない自動車のための車両ルーフ
１は側方で外側に位置する領域に、車両長手方向に延び
る凹部状のそれぞれ１つのルーフ溝２を有しており、こ
のルーフ溝２は上方に向かってカバー条片３によって閉
じられている。各ルーフ溝２は横断面はほぼＵ字形に成
形されており、底部４と、互いに間隔をあけて配置され
た２つの直立した側壁とから構成されている。

【００１１】車両ルーフ１上にルーフ積載物支持体が配
置されており、このルーフ積載物支持体は２つのルーフ
レールから形成されていて、これらのルーフレールは、
バー５と、前方のおよび後方の支持脚部６と、中央の支
持脚部７と、単に一点差線で示した、バー５に固定され
ている横方向支持体とから成っている。支持脚部６，７
はその下端部がそれぞれルーフ溝２に係合しており、ル
ーフ溝２のカバー条片３は支持脚部６，７の領域で中断
されている。

【００１２】図２に示した１つの中央の支持脚部７から
各支持脚部６，７のうちの１つの固定装置が明らかであ
る。

【００１３】支持脚部７には、ルーフ溝２の底部４上に
載せられた下面９と支持脚部７を支持している上面１０
とを備えたアダプタ８が対応配置されている。アダプタ
８をルーフ溝２の底部４に固定するかもしくはルーフ溝
２の下に位置する図示していない車両の支持構造部に固
定するために固定部材１１が設けられており、この固定
部材１１は、１つの（または複数の）ねじ山付きボルト
１２と、ねじ山部分１６にねじ止め可能なねじ山付きナ
ット（図示していない）とから成っており、前記ねじ山
付きボルト１２は、雌ねじ山を備えたアダプタ８の孔１
３にねじ込み可能な第１のねじ山部分１４と、ルーフ溝
２の底部４における開口部１５ならびにルーフ溝２の下
に位置する支持構造部における開口部を貫通する第２の
ねじ山部分１６とを有している。

【００１４】アダプタ８を支持脚部７に固定するために
固定部材が用いられ、この固定部材は、第１のボルト１
７と第２のボルト２２とから成っている。第１のボルト
１７はボルト頭１８と、ボルト頭１８内に設けられたリ
ング溝２３と、アダプタ８内に設けられた、ねじ山が設
けられていない孔１９を貫通する、支持脚部７に設けら
れた、雌ねじ山を備え孔２０内にねじ込み可能なねじ山
付きシャフト２１とを有している。第２のボルトは雄ね
じ山を備えており、かつねじ山が設けられていない孔１
９に対して垂直に配置された、雌ねじ山を備えた貫通孔
２４内にねじ込み可能である。ボルト２２をねじ込んだ
後、ボルト２２の自由端部はボルト頭１８のリング溝２
３に係合し、それによってアダプタ８は支持脚部７に固
定される。

【００１５】さらに図２によると、アダプタ８はその上
面１０で、この上面１０の載設面から突出していて、下
方に開口する切欠２５内に係合するセンタリング突起２
６を有している。原則的により長い前方の支持脚部およ
び後方の支持脚部６において、複数の切欠２５およびこ
れらの切欠２５内に係合するセンタリング突起２６を設
けるのが望まれている。また複数の固定部材１１を設け
るのが望ましい。

【００１６】各ねじ山付きボルト１２はねじ山部分１４
と１６との間にカラー２７を有しており、このカラー２
７はアダプタ８の孔拡張部２８によって受容されてい
る。カラー２７にシール２９が支持されており、このシ
ール２９はアダプタ８の下側の切欠３０内に嵌め込ま
れ、開口部１５をシールしている。

【００１７】ねじ山付きボルト１２のねじ山部分１６の
自由端部領域にねじ込み工具のための係合面３１が形成
されている。ボルト２２と同じようにボルト１７もたと
えば頭なし六角穴３２の形状の工具係合面を有してい
る。

【００１８】止めねじ、植え込みねじまたはこれに類す
るものから成るボルト２２は、セルフロッキングねじ山
を有しているので、結合部分の不都合な弛みは起こり得
ない。

【００１９】本願によるルーフレールは組み付け前の状
態で自動車工場に搬送され、バー５と、支持脚部６，７
と、固定部材を備えたアダプタ８とから取り付け完了し
たユニットが形成される。取り付けは従来の形式によっ
て、ねじ山部分１６が、開口しているルーフ溝２の底部
４における開口部１５を通って案内され、車両の内側か
らねじ山付きナットを用いて車両ルーフ１に固定される
ことによって行われる。カバー条片３の取り付けによっ
て取り付けが完了する。たとえば車両再塗装のために取
り外しの必要性が明らかになった場合は、カバー条片３
を取り外してボルト２２を弛めることだけでよい。この
場合、アダプタ８は車両に残ったままである。障害を取
り除いた後支持脚部６，７を備えたルーフレールは再び
アダプタ８上に装着され、アダプタ８においてボルト２
２が堅固に締め付けることによって固定される。カバー
条片の嵌め込み後ルーフレール取り付けが終了する。

【図面の簡単な説明】

【図１】車両のルーフ上に配置され、支持脚部によって
支持されているルーフレールである。

【図２】図１による車両のルーフの中央の支持脚部なら
びに固定装置である。

【図３】ルーフレールを矢印方向Ａで見た図である。

【符号の説明】

１ 車両ルーフ、 ２ ルーフ溝、 ３ カバー条片、
４ 底部、 ５ バー、 ６，７ 支持脚部、 ８
アダプタ、 ９ 下面、 １０ 上面、 １１固定部
材、 １２ ねじ山付きボルト、 １３ 孔、 １４
ねじ山部分、１５ 開口部、 １６ ねじ山部分、 １
７ ボルト、 １８ ボルト頭、 １９，２０ 孔、
２１ ねじ山付きシャフト、 ２２ ボルト、 ２３
リング溝、 ２４ 貫通孔、 ２５ 切欠、 ２６ セ
ンタリング突起、 ２７ カラー、 ２８ 孔拡張部、
２９ シール、 ３０ 切欠、 ３１ 係合面、 ３
２ 頭なし六角穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラインホルト ロートシュタイン ドイツ連邦共和国 ヴッパータール ブル ーフ 44

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両のためのルーフレールであって、バ
   ー（５）および該バー（５）を少なくとも端部領域で車
   両ルーフ（１）に対して支持している支持脚部（６，
   ７）が設けられており、ルーフ溝（２）の底部（４）上
   に載せられた下面（９）と各支持脚部（６，７）を支持
   している上面（１０）とを備えた、各支持脚部（６，
   ７）に対応配置されたアダプタ（８）が設けられてお
   り、該アダプタ（８）をルーフ溝（２）の底部（４）に
   固定するかもしくはルーフ溝（２）の下に位置する車両
   の支持構造部に固定するための第１の固定部材（１１）
   が設けられており、アダプタ（８）を各支持脚部（６，
   ７）に固定するための第２の固定部材が設けられている
   形式のものにおいて、 前記第１の固定部材（１１）は、１つのまたは複数のね
   じ山付きボルト（１２）と、ねじ山部分（１６）上にね
   じ止め可能なねじ山付きナットとから成っており、前記
   ねじ山付きボルト（１２）は、雌ねじ山を備えたアダプ
   タ（８）の孔（１３）にねじ込み可能な第１のねじ山部
   分（１４）と、ルーフ溝（２）の底部（４）における開
   口部（１５）ならびにルーフ溝（２）の下に位置する支
   持構造部における開口部を貫通する第２のねじ山部分
   （１６）とを有しており、 前記第２の固定部材は第１のボルト（１７）と第２のボ
   ルト（２２）とから成っており、前記第１のボルト（１
   ７）はボルト頭（１８）と、該ボルト頭（１８）内に設
   けられたリング溝（２３）と、前記アダプタ（８）内に
   設けられた、ねじ山が設けられていない孔（１９）を貫
   通する、前記支持脚部（６，７）に設けられた、雌ねじ
   山を備えた孔（２０）内にねじ込み可能なねじ山付きシ
   ャフト（２１）とを有しており、前記第２のボルト（２
   ２）は雄ねじ山を備えており、かつねじ山が設けられて
   いない孔（１９）に対して垂直に配置された、ルーフ溝
   （２）の底部（４）に緊密に隣接してルーフ溝の方向に
   延びる、雌ねじ山を備えた貫通孔（２４）内にねじ込み
   可能であり、前記第２のボルト（２２）の自由端部は、
   ねじ山が設けられていない孔（１９）内に位置決めされ
   たボルト頭（１８）のリング溝（２３）に係合すること
   を特徴とする車両のためのルーフレール。
2. 【請求項２】 前記アダプタ（８）がその上面（１０）
   で、この上面（１０）の載設面から突出していて、下方
   に開口する支持脚部（６，７）の切欠（２５）内に係合
   する少なくとも１つのセンタリング突起（２６）を有し
   ている、請求項１記載のルーフレール。
3. 【請求項３】 前記各第１の固定部材（１１）が、第１
   のねじ山部分（１４）と第２のねじ山部分（１６）との
   間に形成されたカラー（２７）を備えたねじ山付きボル
   ト（１２）を有しており、このカラー（２７）はアダプ
   タ（８）の孔拡張部分（２８）によって受容されてい
   る、請求項１または２記載のルーフレール。
4. 【請求項４】 前記アダプタ（８）が、前記各第１の固
   定部材（１１）の領域で下側に切欠（３０）を有してお
   り、該切欠（３０）内にシール（２９）が嵌め込み可能
   である、請求項１から３までのいずれか１項記載のルー
   フレール。
5. 【請求項５】 前記各第１の固定部材（１１）が第２の
   ねじ山部分（１６）を備えたねじ山付きボルト（１２）
   を有しており、該ねじ山付きボルト（１２）にねじ込み
   工具のための係合面（３１）が設けられている、請求項
   １から４までのいずれか１項記載のルーフレール。
6. 【請求項６】 前記第２の固定部材がボルト頭（１８）
   を備えた第１のボルト（１７）を有しており、ボルト頭
   （１８）はその自由端部領域にねじ込み工具のための頭
   なし六角穴（３２）またはそれに類するものが形成され
   ている、請求項１から５までのいずれか１項記載のルー
   フレール。
7. 【請求項７】 前記第２の固定エレメントが第２のボル
   ト（２２）を有しており、該第２のボルト（２２）が植
   え込みねじから成っている、請求項１から６までのいず
   れか１項記載のルーフレール。
8. 【請求項８】 ルーフ溝（２）内に設けられた固定エレ
   メントがルーフ溝（２）を閉鎖しているカバー条片
   （３）の下方に配置されている、請求項１から７までの
   いずれか１項記載のルーフレール。