JP2000314968A - 電子写真感光体、電子写真方法及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真方法及び電子写真装置

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JP2000314968A
JP2000314968A JP2000057735A JP2000057735A JP2000314968A JP 2000314968 A JP2000314968 A JP 2000314968A JP 2000057735 A JP2000057735 A JP 2000057735A JP 2000057735 A JP2000057735 A JP 2000057735A JP 2000314968 A JP2000314968 A JP 2000314968A
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electrophotographic
layer
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charging
photoreceptor
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JP2000057735A
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Setsu Rokutanzono
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電荷輸送層と電荷発生層とを重ねる等の積層
型電子写真感光体に対し、帯電手段、像露光手段、反転
現像を行なう現像手段並びに転写手段を有する電子写真
装置、及び、帯電工程、像露光工程、反転現像を行なう
現像工程並びに転写工程を有する電子写真方法において
は、転写手段で逆極性帯電を行なうために、次の画像プ
ロセス形成時に露光後電位が低くなり、文字太り等の異
常画像が発生する場合がある。よって、次の画像プロセ
ス形成時に露光後電位が低くなることを解決し、文字太
り等の異常画像を解決し、高耐久な電子写真感光体およ
び電子写真方法を提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体に対し、帯電を行なう帯電手段、像露光を行な
う像露光像手段、反転現像を行なう現像手段、および転
写手段を有する電子写真装置において、感光層中に溶媒
を含有する感光層を有する電子写真感光体が用いられ、
該電子写真感光体の帯電極性と逆極性の繰り返し疲労を
受けた後の残留電位変化率が200%以下であることを
特徴とする電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関し、複写機、レーザープリンター、レーザーファクシ
ミリ等に好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】電子写真方法としては、カールソンプロ
セスやその種々の変形プロセスなどが知られており、複
写機やプリンターなどに広く使用されている。このよう
な電子写真方法に用いられる感光体の中でも、有機系の
感光材料を用いたものが、安価、大量生産性、無公害性
などをメリットとして、近年使用され始めている。有機
系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(P
VK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF
(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される
電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表さ
れる顔料分散型、電荷発生物質、電荷輸送物質とを組み
合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られてお
り、特に機能分離型の感光体が注目されている。この機
能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズム
は、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷
輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸
収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生
し、この電荷担体(キャリア)は電荷輸送層に注入さ
れ、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送
層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより
静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体にお
いては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に
可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用い
ることが知られており、かつ有用である。電荷輸送物質
は多くが低分子化合物として開発されているが、低分子
化合物は単独で製膜性がないため、通常、不活性高分子
に分散・混合して用いられる。しかるに低分子電荷輸送
物質と不活性高分子からなる電荷輸送層は一般に柔らか
く、カールソンプロセスにおいては繰り返し使用による
膜削れを生じやすいという欠点がある。
【0003】近年、上述したような感光体が用いられる
電子写真プロセスの発展にはめざましいものがあり、従
来のカールソンプロセスに対して様々な改良が加えられ
ている。例えば、複写履歴を残さないためのクリーニン
グ方式の改良(特開昭58−102273号公報)、オ
ゾン発生量を低減するための帯電方式の改良(特開昭5
6−104351号公報、特開昭57−178267号
公報、特開昭58−40566号公報、特開昭58−1
39156号公報、特開昭58−150975号公報、
特開昭63−149669号公報)、画像品質向上のた
めの転写方式の改良(特開平5−45916号公報、特
開平7−152217号公報)などが挙げられる。
【0004】しかし、反転現像を用いる電子写真方法に
おいては、転写で帯電と逆極性がかかるため中間層−電
荷発生層界面、電荷発生層−電荷輸送層界面、感光層−
保護層界面等にはキャリアがトラップされやすい。特
に、帯電と逆極性のキャリアが蓄積されると容易に消去
することができない。反転現像系では転写は帯電と逆極
性で行なわれるため、感光体の転写帯電を受ける部位は
キャリアがトラップされ、次の画像プロセス形成時の帯
電電位、露光後電位も低くなり、反転現像の場合、文字
太り等の問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電荷輸送層
と電荷発生層とを重ねる等の積層型電子写真感光体に対
し、帯電手段、像露光手段、反転現像を行なう現像手段
並びに転写手段を有する電子写真装置、及び、帯電工
程、像露光工程、反転現像を行なう現像工程並びに転写
工程を有する電子写真方法においては、転写手段で逆極
性帯電を行なうために、次の画像プロセス形成時に露光
後電位が低くなり、文字太り等の異常画像が発生する場
合がある。よって、次の画像プロセス形成時に露光後電
位が低くなることを解決し、文字太り等の異常画像を解
決し、高耐久な電子写真感光体および電子写真方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
点に関し検討した結果、本現像が電子写真感光体が使用
されるときの逆帯電特性に起因することが明らかになっ
た。つまり、転写で逆極性の帯電を受けることにより、
感光体の転写帯電を受ける部位は、感光体中へキャリア
が注入される。注入された電荷は、感光層に存在する中
間層−電荷発生層、電荷発生層−電荷輸送層、電荷輸送
層−保護層などの様々な界面でトラップされ、特に、感
光層に含有する溶媒の影響を受け、次の像形成の帯電時
にキャンセルされず感光層中に蓄積してしまいキャリア
がトラップされてしまう。その場合には、次の画像形成
時に露光後電位が低くなり、文字太り等の異常画像とな
る。
【0007】更に、このキャリアは転写部材が接触され
ている場合(転写ベルト、転写ローラー、中間転写ベル
ト等)には特に顕著に注入され、文字太り等の異常画像
となる。感光体の逆帯電特性を鋭意検討した結果、逆帯
電をかけた後の残留電位変化率が200%以下であれ
ば、転写で逆極性を受けたときに、キャリアの注入を抑
えることができ、次の画像形成時の露光後電位を安定さ
せることが可能となり、文字太り等の異常画像が発生し
ないことを見い出し本発明に至った。
【0008】したがって本発明によれば、(1)「導電
性支持体上に少なくとも電荷発生層および電荷輸送層を
設け、溶媒を含有する電子写真感光体に対し、帯電を行
なう帯電工程、像露光を行なう像露光工程、反転現像を
行なう現像工程、および転写工程を有する電子写真方法
において、電子写真感光体の該帯電極性と逆極性の繰り
返し疲労を受けた後の残留電位変化率が200%以下で
あることを特徴とする電子写真方法」、(2)「該転写
工程で用いられる転写手段が該電子写真感光体に接触し
ていることを特徴とする前記第(1)項記載の電子写真
方法」、(3)「該転写で用いられる転写手段がベルト
状形態を有する転写ベルトであることを特徴とする前記
第(2)項記載の電子写真方法」が提供される。
【0009】また、本発明によれば、(4)「導電性支
持体上に少なくとも電荷発生層および電荷輸送層を設
け、溶媒を含有する電子写真感光体に対し、帯電を行な
う帯電手段、像露光を行なう像露光手段、反転現像を行
なう現像手段、および転写手段を有する電子写真装置に
おいて、電子写真感光体の該帯電極性と逆極性の繰り返
し疲労を受けた後の残留電位変化率が200%以下であ
ることを特徴とする電子写真装置」、(5)「該転写手
段が該電子写真感光体に接触していることを特徴とする
前記第(4)項記載の電子写真装置」、(6)「該転写
手段がベルト状形態を有する転写ベルトであることを特
徴とする前記第(5)項記載の電子写真装置」が提供さ
れる。
【0010】さらに、本発明によれば、(7)「導電性
支持体上に感光層を有する電子写真感光体に対し、帯電
を行なう帯電工程、像露光を行なう像露光像工程、反転
現像を行なう現像工程、および転写工程を有する電子写
真方法に用いる電子写真感光体であって、感光層が溶媒
を含有し、帯電極性と逆極性の繰り返し疲労を受けた後
の残留電位変化率が200%以下であり、該電子写真感
光体が中間層を有することを特徴とする電子写真感光
体」、(8)「導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
および電荷輸送層を設け、溶媒を含有する電子写真感光
体に対し、帯電を行なう帯電手段、像露光を行なう像露
光手段、反転現像を行なう現像手段、および転写手段を
有する電子写真装置に用いる電子写真感光体であって、
感光層が溶媒を含有し、帯電極性と逆極性の繰り返し疲
労を受けた後の残留電位変化率が200%以下であり、
該電子写真感光体が中間層を有することを特徴とする電
子写真感光体」が提供される。
【0011】さらにまた、本発明によれば、(9)「該
電子写真感光体が中間層を有することを特徴とする前記
第(7)項又は第(8)項に記載の電子写真感光体」、
(10)「前記電子写真感光体が表面保護層を有するこ
とを特徴とする前記第(9)項に記載の電子写真感光
体」、(11)「前記表面保護層が、少なくとも導電性
微粒子を含有することを特徴とする前記第(10)項記
載の電子写真感光体」、(12)「該電子写真感光体に
用いられる表面保護層が、少なくともフッ素原子含有樹
脂微粒子を含有することを特徴とする前記第(10)項
に記載の電子写真感光体」、(12)「該電子写真感光
体がフタロシアニン顔料を含有することを特徴とする前
記第(9)項記載の電子写真感光体」、(13)「該電
子写真感光体に含有されるフタロシアニンが、少なくと
もCuKαの特性X線(波長1.514Å)に対するブ
ラッグ角2θのX線回折ピークが27.2±0.2°に
あるチタニルフタロシアニンであることを特徴とする前
記第(12)項記載の電子写真感光体」が提供される。
【0012】本発明を構成する手段としては、電子写真
感光体の界面に存在するトラップサイトを極力少なく
し、トラップのエネルギー準位を浅くし及び/又はトラ
ップの易動性を増加してやればよい。例えば、中間層−
電荷発生層を有する感光体においては、中間層と電荷発
生層の顔料やバインダー樹脂及び溶媒を適宜選択するこ
とにより、更にその比率を調整することで達成される。
また、電荷発生層−電荷輸送層界面を有する感光体にお
いては、電荷発生層の顔料やバインダー樹脂、電荷輸送
層の電荷輸送材料やバインダー樹脂及び溶媒を適宜選択
することにより、更にその比率を調整することで達成さ
れる。また、感光層−保護層を有する感光体において
は、電荷輸送層の電荷輸送材料やバインダー樹脂、保護
層の顔料やバインダー樹脂及び溶媒を適宜選択すること
により、更にその比率を調整することで達成される。
【0013】また、更に各層界面での粗さや塗布後の乾
燥条件を調整することでも達成される。更には、特に、
含有される溶媒量をコントロールすることでトラップサ
イトを少なくすること、トラップのエネルギー準位を浅
くし及び/又はトラップの易動性を増加させることが可
能である。含有される溶媒量としては、10〜1000
0ppm、好ましくは100〜1000ppmがよい。
10ppm以下では、膜中の残留応力が高く、膜はがれ
が起きやすい。10000ppm以上では、効果が充分
ではない。また、含有される溶媒が非ハロゲン溶媒の場
合、感光層の膜けずれ量が小さくなってよい。
【0014】本発明による逆帯電疲労特性は、逆帯電に
よるキャリア注入性を表わす一つの便法として採用した
方法でありその評価方法を図1をもって説明する。図1
は、逆帯電疲労特性を評価する測定装置の概略図であ
る。図1において、帯電用チャージャー(1)(DC
1)、イレース用LED(2)(LED1)、像露光手
段(3)(EX1)、逆帯電チャージャー(4)(DC
2)、クエンチング用LED(5)(LED2)が感光
体の周りに設置されている。まず、DC1で感光体を8
00Vに帯電し、EX1で露光し、光減衰させ、光照射
後の残留電位をV30とする。その後、逆帯電疲労をか
ける。逆帯電疲労特性は感光体を回転させ、DC1、L
D1、DC2、LD2をそれぞれONし、感光体に帯電
露光を繰り返させる。その後、DC1、LD1、DC
2、LD2をOFFし、その後、直ちにDC1で感光体
を800Vに帯電し、EX1で露光し、光減衰させ、光
照射後の残留電位をV30(疲労後)とする。V30
(初期)とV30(疲労後)の変化量をもって残留電位
変化率とする。
【0015】以下本発明を詳細に説明する。図2は、本
発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置の1例を説
明するための概略図であり、下記するような変形例も本
発明の範疇に属するものである。図2において、感光体
(6)は導電性支持体上に本発明の感光層が設けられて
なり、順に、帯電用部材(8)、イレーサ(9)、画像
露光部(10)、現像ユニット(11)、転写ベルト
(15)、分離爪(16)、クリーニングユニット(1
8)(これはファーブラシ(19a)とクリーニングブ
レード(19b)とからなる)、除電ランプ(7)が上
記感光体周囲に配置されている。また必要に応じて、転
写前チャージャ(12)、クリーニング前チャージャ
(17)が配置され、これらのユニットには、コロトロ
ン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・
チャージャー)、ローラ、ベルトを始めとする公知の手
段が用いられる。
【0016】また、画像露光部(10)、除電ランプ
(7)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハ
ロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード
(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミ
ネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることがで
きる。そして、所望の波長域の光のみを照射するため
に、シャープカットフィルター、バンドパスフィルタ
ー、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルタ
ー、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種
フィルターを用いることもできる。かかる光源等は、図
2に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除
電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程
を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0017】さて、現像ユニット(11)により感光体
(6)上に現像されたトナーは、転写紙(14)に転写
されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体
(6)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナー
は、ファーブラシ(19a)およびブレード(19b)
により、感光体より除去される。クリーニングは、クリ
ーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニ
ングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始め
とする公知のものが用いられる。かかる現像手段には、
公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の
方法が用いられる。
【0018】以上に示すような画像形成手段は、複写装
置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装
置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジと
は、感光体を内臓し、他に帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ一
つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状
等は多く挙げられるが、一般的な例として、図3に示す
ものが挙げられる。周囲に接触帯電部材(20)、画像
露光手段(21)、クリーニングブラシ(22)、現像
ローラー(24)、転写ローラー(25)を配置した感
光体(23)は、導電性支持体上に本発明の感光層を有
してなるものである。
【0019】次に、図面を用いて本発明の電子写真感光
体を説明する。図4は、本発明において使用する感光体
の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(26)上
の感光層に、電荷発生層(27)と電荷輸送層(28)
の積層タイプで構成されたものである。
【0020】図5は、別の構成例を示す断面図であり、
感光層(30)と導電性支持体(26)の間に中間層
(29)を設けたものである。この場合、感光層(3
0)は単層感光層でも積層感光層でも構わない。
【0021】図6は、更に別の構成例を示す断面図であ
り、導電性支持体(26)上に、感光層(30)および
保護層(31)が形成されたものである。この場合、感
光層(30)は単層感光層でも積層感光層でも構わな
い。
【0022】次に、電子写真感光体の構成について説明
する。導電性支持体(26)としては、体積抵抗1010
Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッ
ケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金などの金
属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着ま
たはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状の
プラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニ
ウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの
板およびそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜
きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで
表面処理した管などを使用することができる。
【0023】本発明における感光層(30)は、単層型
でも積層型でもよいが、ここでは説明の都合上、先ず積
層型について述べる。始めに電荷発生層(27)につい
て説明する。電荷発生層(27)は、電荷発生物質を主
成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用い
る。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を
用いることができる。無機系材料には、結晶セレン、ア
モルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル
−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シ
リコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおい
ては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子で
ターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をド
ープしたものが良好に用いられる。
【0024】一方、有機系材料としては、公知の材料を
用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
【0025】必要に応じて用いられるバインダー樹脂と
しては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポ
リケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられ
る。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の
混合物として用いることができる。また、必要に応じて
後述の電荷輸送物質を添加してもよい。
【0026】電荷発生層(27)を形成する方法には、
真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法と
が大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グ
ロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いら
れ、電荷発生層(27)として、上述した無機系材料、
有機系材料が良好に形成できる。また、後述のキャステ
ィング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無
機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ
ー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、
ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用い
てボールミル、アトライター、サンドミル等により分散
し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成
できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビード
コート法などを用いて行なうことができる。以上のよう
にして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μ
m程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmであ
る。
【0027】次に、電荷輸送層(28)について説明す
る。電荷輸送層(28)は、電荷輸送物質及びバインダ
ー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、
乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑
剤やレベリング剤を添加することもできる。電荷輸送物
質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸
送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、
テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、
2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,
5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,
5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニ
トロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−
インデノ[1,2−b]チオフェン−4オン、1,3,
7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサ
イドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子
輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いる
ことができる。正孔輸送物質としては、以下に表わされ
る電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例え
ば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1
−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、
スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニル
ヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ
ール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、
アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダ
ゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。こ
れらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物と
して用いることができる。
【0028】電荷輸送層(28)に用いられるバインダ
ー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールA
タイプ、ビスフェノールZタイプ、ビスフェノールCタ
イプ等)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹
脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチ
レン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、
ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルア
ミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。中でも、繰り
返し単位中に、ビスフェノールAおよび特にビスフェノ
ールC並びにビスフェノールZ構造を有するポリカーボ
ネート樹脂は有効に使用される。これらのバインダー
は、単独又は2種以上の混合物として用いることができ
る。
【0029】また、バインダー樹脂と電荷輸送物質のい
ずれの機能をも持つ高分子電荷輸送物質をバインダー樹
脂として用いることもできる。この場合に用いられる高
分子電荷輸送物質の例として、以下のものが挙げられ
る。 (a)主鎖及び/又は側鎖にカルバゾール環を有する重
合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−183719号
公報等に記載の化合物が例示される。 (b)主鎖及び/又は側鎖にヒドラゾン構造を有する重
合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−5
0555号公報等に記載の化合物が例示される。 (c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−
19497号公報、特開平5−70595号公報等に記
載の化合物が例示される。 (d)主鎖及び/又は側鎖に第3級アミン構造を有する
重合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開
平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、
特開平1−105260号公報、特開平2−16733
5号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−4
0350号公報等に記載の化合物が例示される。 (e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報等に記載の化合物が例示される。本発明に使用
される高分子電荷輸送物質は、上記重合体だけでなく、
公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重
合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−10
9406号公報に開示されているような電子供与性基を
有する架橋重合体等を用いることも可能である。
【0030】電荷輸送層(28)の膜厚は、5〜100
μm程度が適当である。また、本発明において電荷輸送
層(28)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよ
い。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチル
フタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されてい
るものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー
樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリ
ング剤としては、側鎖にパーフルオロアルキル基を有す
るポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量
は、バインダー樹脂に対して0〜1重量%程度が適当で
ある。
【0031】次に、感光層(30)が単層構成の場合に
ついて述べる。キャスティング法で単層感光層を設ける
場合、多くは電荷発生物質と電荷輸送物質よりなる機能
分離型のものが挙げられる。すなわち、電荷発生物質な
らびに電荷輸送物質には、前出の材料を用いることがで
きる。単層感光層は、電荷発生物質及び電荷輸送物質及
びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、こ
れを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要
により可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。
バインダー樹脂としては、先に電荷輸送層(28)で挙
げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層
(27)で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよ
い。
【0032】単層感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物
質及びバインダー樹脂をテトラヒドロフラン、シクロヘ
キサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の
溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等
により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することに
より、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコー
ト、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
ピリリウム系染料、ビスフェノールA系ポリカーボネー
トから形成される共晶錯体に、電荷輸送物質を添加した
感光体も、適当な溶媒から同様な塗工法で形成できる。
単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当であ
る。
【0033】本発明に用いられる電子写真感光体には、
導電性支持体(26)と感光層(30)(積層タイプの
場合には、電荷発生層(27))との間に中間層(2
9)を設けることができる。中間層(29)は、接着性
を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改
良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
中間層(29)は一般に樹脂を主成分とするが、これら
の樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布することを
考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂
であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリ
ビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウ
ム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化
ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メ
ラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂
等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げら
れる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジル
コニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金
属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉
末を加えてもよい。これらの中間層は、前述の感光層の
場合と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成すること
ができる。
【0034】さらに、本発明の中間層として、シランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリ
ング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成
した金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の中
間層にはAl23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパ
ラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、Sn
2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜
作製法にて設けたものも良好に使用できる。中間層の膜
厚は0〜5μmが適当である。
【0035】保護層(31)は、感光体表面保護の目的
で設けられる層である。保護層(31)は、高分子電荷
輸送物質を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、トルエン、モノクロルベンゼン、ジクロル
エタン、塩化メチレン、シクロヘキサノン等に溶解ない
し分散し、塗布・乾燥することにより形成できる。ま
た、保護層には先述の高分子電荷輸送物質を用いること
ができるし、この他に電気的に不活性なバインダー樹脂
を用いることができる。これに使用される材料としては
ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー
共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、ポリアセ
タール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレ
ート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルス
ルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリ
プロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、
ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合
体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂な
ど、またこれらの内、硬化可能な材料と硬化剤との硬化
物が挙げられる。中でも、繰り返し単位中に、上に示し
たようなポリカーボネート樹脂は有効に使用される。
【0036】保護層には、その他、耐摩耗性/表面抵抗
/表面エネルギーを向上する目的で、目的に応じた有機
或いは無機フィラー材料を添加することもできる。有機
性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレン
のようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カ
ーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料として
は、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉
末、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、
酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープし
た酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化
物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。こ
れらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用
いられる。これらフィラー材料は、保護層用塗工液に適
当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィ
ラーの平均粒径は、0.5μm以下、好ましくは0.2
μm以下にあることが保護層の透過率の点から好まし
い。
【0037】また、本発明において保護層(31)中に
可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤やレベ
リング剤としては、電荷輸送層のところに明記した材料
がそのまま使用できる。保護層の形成法としては通常の
塗布法が採用される。なお、膜厚は0.5〜10μm程
度が適当である。本発明の電子写真感光体に添加される
シリコーンオイルは、少なくとも保護層に添加される。
このことにより、最表層の表面エネルギーを低下させ耐
摩耗性を向上させるものである。また、先述のように保
護層およびそれより支持体に近い層に添加することも可
能であり、有効である。
【0038】また、本発明においては、耐環境性の改善
のため、とりわけ、感度低下を防止する目的で、酸化防
止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を
含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質
に含む層に添加すると良好な結果が得られる。本発明に
用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙
げられる。
【0039】モノフェノール系化合物 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒ
ドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートな
ど。
【0040】ビスフェノール系化合物 2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)など。
【0041】高分子フェノール系化合物 1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メ
チレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス
[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチ
ルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステ
ル、トコフェノール類など。
【0042】パラフェニレンジアミン類 N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−
フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p
−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’
−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0043】ハイドロキノン類 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジ
ドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t
−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オ
クタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0044】有機硫黄化合物類 ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステ
アリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデ
シル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0045】有機燐化合物類 トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリク
レジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキ
シ)ホスフィンなど。
【0046】これら化合物は、ゴム、プラスチック、油
脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品とし
て容易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加
量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜10
0重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0047】
【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表
わす。
【0048】実施例1 直径30mmのアルミ円筒状支持体上に、下記組成の、
電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布
・乾燥して約0.5μmの中間層、約0.3μmの電荷
発生層、約20μmの電荷輸送層を作成した後、120
℃で20minアニールし、本発明の電子写真感光体を
作製した。 (電荷発生層用塗工液) 下記構造の電荷発生物質 2.5部
【0049】
【化1】
【0050】 X型H2−Pc 2.5部 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 2部 シクロヘキサノン 200部 テトラヒドロフラン 200部 (電荷輸送層用塗工液) ポリアリレート樹脂(ユニチカ製 Uポリマー U−100) 10部 下記構造の電荷輸送物質 7部
【0051】
【化2】
【0052】 塩化メチレン 90部 <乾燥条件> 電荷発生層乾燥温度 110℃ 20min 電荷輸送層乾燥温度 100℃ 20min
【0053】実施例2 直径30mmのアルミ円筒状支持体上に、塗工後の中間
層表面粗さがRz=0.6μmになるように、下記組成
の中間層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用
塗工液を順次、塗布・乾燥して約3.5μmの中間層、
約0.3μmの電荷発生層、約20μmの電荷輸送層を
形成して、本発明の電子写真感光体を作製した。 (中間層用塗工液) アルキッド樹脂溶液 375部 (大日本インキ化学工業:ベッコライト M−6401−50) メラミン樹脂溶液 210部 (大日本インキ化学工業:スーパーベッカミン G821−60) 二酸化チタン(石原産業:タイペークCR−EL) 1250部 2−ブタノン 7800部 (電荷発生層用塗工液) 下記構造の電荷発生物質 5部
【0054】
【化3】
【0055】 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 2部 シクロヘキサノン 200部 テトラヒドロフラン 200部 (電荷輸送層用塗工液) ポリアリレート樹脂(ユニチカ製 Uポリマー U−100) 10部 下記構造の電荷輸送物質 7部
【0056】
【化4】
【0057】 塩化メチレン 90部
【0058】実施例3 直径30mmのアルミ円筒状支持体上に、下記組成の電
荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液、保護層用塗工
液を順次、塗布・乾燥して約0.3μmの電荷発生層、
約20μmの電荷輸送層を浸漬塗工により形成し、更に
その上に約3μmの保護層をスプレー塗工により形成し
て、本発明の電子写真感光体を作製した。 (電荷発生層用塗工液) 下記構造の電荷発生物質 5部
【0059】
【化5】
【0060】 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 2部 シクロヘキサノン 200部 テトラヒドロフラン 200部 (電荷輸送層用塗工液) ポリアリレート樹脂(ユニチカ製 Uポリマー U−100) 10部 下記構造の電荷輸送物質 7部
【0061】
【化6】
【0062】 塩化メチレン 90部 (保護層用塗工液) ビスフェノールC型ポリカーボネート 10部 下記構造の電荷輸送物質 5部
【0063】
【化7】
【0064】 塩化メチレン 500部
【0065】実施例4 保護層塗工液を下記に代えた他は実施例3と全く同様に
して本発明の感光体を作製した。 (保護層用塗工液) ビスフェノールC型ポリカーボネート 10部 酸化スズ 5部 塩化メチレン 500部
【0066】実施例5 保護層塗工液を下記に代えた他は実施例3と全く同様に
して本発明の感光体を作製した。 (保護層用塗工液) ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部 ポリフルオロエチレン微粒子 6部 下記構造の電荷輸送物質 5部
【0067】
【化8】
【0068】 塩化メチレン 500部
【0069】実施例6 実施例1の電荷発生層塗工液を下記組成の電荷発生層塗
工液に代えた他は実施例1と全く同様にして感光体を作
製した。 (電荷発生層用塗工液) X型Pc顔料粉末 3部 ポリビニルブチラール 2部 テトラヒドロフラン 50部 4−メチル−2−ペンタノン 90部
【0070】実施例7 実施例1の電荷発生層塗工液を下記組成の電荷発生層塗
工液に代えた他は実施例1と全く同様にして感光体を作
製した。 (電荷発生層用塗工液) TiOPc顔料粉末(X線回折ピーク図7) 3部 ポリビニルブチラール 2部 テトラヒドロフラン 50部 4−メチル−2−ペンタノン 90部
【0071】実施例8 実施例1の電荷輸送層用塗工液の塩化メチレンをテトラ
ヒドロフランに代えた他は実施例1と全く同様にして実
施例8の感光体を作製した。
【0072】実施例9 実施例1の電荷輸送層用塗工液の塩化メチレンをジオキ
サンに代えた他は実施例1と全く同様にして実施例9の
感光体を作製した。
【0073】比較例1 電荷輸送層塗工液を下記に代え、アニールを実施しなか
った他は実施例1と全く同様にして比較例1の感光体を
作製した。 (電荷輸送層用塗工液) ポリアリレート樹脂 10部 下記構造の電荷輸送物質 15部
【0074】
【化9】
【0075】 塩化メチレン 90部
【0076】比較例2 分散時間を調整し、塗工後の中間層表面粗さがRz=
3.0μmになるように、中間層塗工液を下記に代えた
他は実施例2と全く同様にして比較例2の感光体を作製
した。 (中間層用塗工液) アルキッド樹脂溶液 375部 (大日本インキ化学工業:ベッコライト M−6401−50) メラミン樹脂溶液 210部 (大日本インキ化学工業:スーパーベッカミン G821−60) 二酸化チタン(石原産業:タイペークCR−EL) 2500部 2−ブタノン 7800部
【0077】比較例3 保護層用塗工液を下記に代えた他は実施例2と全く同様
にして比較例3の感光体を作製した。 (保護層用塗工液) ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部 下記構造の電荷輸送物質 15部
【0078】
【化10】
【0079】 塩化メチレン 90部 <乾燥条件> 電荷発生層乾燥温度 110℃ 20min 電荷輸送層乾燥温度 100℃ 20min 保護層乾燥温度 120℃ 20min
【0080】以上のように作製した実施例1〜9および
比較例1〜3の感光体を、第1図に示す逆帯電疲労特性
装置を用いて繰り返し疲労を行ないその後、残留電位を
測定し残留電位変化率を評価した。また、実施例1〜9
および比較例1〜3の感光体を、第2図に示す電子写真
装置に装着し、帯電電位を850V、露光部電位を15
0Vに設定した。その状態で100枚連続コピー後、文
字の太りを目視にて評価した。また、実施例1〜9およ
び比較例1〜3の感光体を、第3図に示す電子写真用プ
ロセスカートリッジに装着した後、反転現像のレーザー
プリンターに装着して10000枚の耐久性評価を行な
い、そのときの画像を評価した。また、10万枚の印刷
を行ない、実施例1、8、9の電荷輸送層摩耗量を測定
した。以上の結果をあわせて表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】以上詳細且つ具体的な説明から明らかな
ように、本願の発明によれば、逆帯電極性に起因する文
字太りの異常画像を解消した高耐久な感光体が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における逆帯電疲労特性を評価する測定
装置の概略図である。
【図2】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置
の1例を説明するための概略図である。
【図3】本発明の電子写真用プロセスカートリッジの1
例を示す図である。
【図4】本発明において使用する感光体の構成例を示す
断面図である。
【図5】本発明において使用する感光体の別の構成例を
示す断面図である。
【図6】本発明において使用する感光体の更に別の構成
例を示す断面図である。
【図7】本発明の電荷発生層用塗工液に用いる顔料粉末
X線回折ピークを示す図である。
【符号の説明】
1 帯電チャージャー 2 イレース光源 3 像露光手段 4 逆帯電チャージャー 5 クエンチング光源 6 感光体 7 除電ランプ 8 接触帯電部材 9 イレーサ 10 画像露光部 11 現像ユニット 12 転写前チャージャ 13 レジストローラ 14 転写紙 15 転写ベルト 16 分離爪 17 クリーニング前チャージャ 18 クリーニングユニット 19a ファーブラシ 19b クリーニングブレード 20 接触帯電部材 21 画像露光手段 22 クリーニングブラシ 23 感光体 24 現像ローラー 25 転写ローラー 26 導電性支持体 27 電荷発生層 28 電荷輸送層 29 中間層 30 感光層 31 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/147 504 G03G 5/147 504 15/16 15/16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体に対し、帯電を行なう帯電手段、像露光を行な
    う像露光像手段、反転現像を行なう現像手段、および転
    写手段を有する電子写真装置において、感光層中に溶媒
    を含有する感光層を有する電子写真感光体が用いられ、
    該電子写真感光体の帯電極性と逆極性の繰り返し疲労を
    受けた後の残留電位変化率が200%以下であることを
    特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 該転写手段が該電子写真感光体に接触し
    ていることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 該転写手段がベルト状形態を有する転写
    ベルトであることを特徴とする請求項2記載の電子写真
    装置。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体に対し、帯電を行なう帯電工程、像露光を行な
    う像露光像工程、反転現像を行なう現像工程、および転
    写工程を有する電子写真方法に用いる電子写真感光体で
    あって、感光層が溶媒を含有し、帯電極性と逆極性の繰
    り返し疲労を受けた後の残留電位変化率が200%以下
    であり、該電子写真感光体が中間層を有することを特徴
    とする電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 該電子写真感光体が表面保護層を有する
    ことを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 該電子写真感光体の表面保護層が、少な
    くとも導電性微粒子を含有することを特徴とする請求項
    5記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 該電子写真感光体の表面保護層が、少な
    くともフッ素原子含有樹脂微粒子を含有することを特徴
    とする請求項6記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 該電子写真感光体がフタロシアニン顔料
    を含有することを特徴とする請求項4に記載の電子写真
    感光体。
  9. 【請求項9】 該電子写真感光体に含有されるフタロシ
    アニンが、少なくともCuKαの特性X線(波長1.5
    14Å)に対するブラッグ角2θの回折ピークが27.
    2±0.2°にあるチタニルフタロシアニンであること
    を特徴とする請求項8記載の電子写真感光体。
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JP2002221810A (ja) * 2001-01-25 2002-08-09 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、これを用いた画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ

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