JP2000313827A - 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物

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JP2000313827A
JP2000313827A JP11124336A JP12433699A JP2000313827A JP 2000313827 A JP2000313827 A JP 2000313827A JP 11124336 A JP11124336 A JP 11124336A JP 12433699 A JP12433699 A JP 12433699A JP 2000313827 A JP2000313827 A JP 2000313827A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料が有する
多方面反射によるキラキラした光輝感に加えて、立体的
な光輝感を発現することで、より高級感のある光輝感が
得られる光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物を
提供すること。 【解決手段】ビヒクル、金属酸化物被覆アルミナフレー
ク顔料および、マイカ顔料を含有する塗料組成物であっ
て、上記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料のマンセ
ル表示系における色相Hが、マンセル色相環100に対
し上記マイカ顔料の色相を0とし、左廻り+50、右廻
り−50で表示した際に+25〜+50、または−25
〜−50の色相範囲にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光輝性塗料組成
物、塗膜形成方法および該方法により塗装された塗装物
に関する。さらに詳しくは、金属酸化物被覆アルミナフ
レーク顔料の多方面反射によるキラキラした光輝感に加
えて、立体的な光輝感を示す光輝性塗膜を提供可能な光
輝性塗料組成物、塗膜形成方法および該方法により塗装
された塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体などの高い意匠性が必要とさ
れる分野においては、光輝性材料を含有する光輝性塗料
組成物を用いた塗膜が必要とされており、このような光
輝性材料の1つとして、金属酸化物被覆アルミナフレー
ク顔料が知られている。この金属酸化物被覆アルミナフ
レーク顔料は、粒子の輝度が高いために、特にハイライ
ト部において太陽光等の強い光を当てると、塗膜は強い
キラキラした光輝感を呈する。さらに、これを見る角度
を変化させた場合、それに連動してキラキラした粒子が
運動したかのように見える。このように、金属酸化物被
覆アルミナフレーク顔料は優れた光輝性を有している
が、より高級感のある光輝感を求められた場合には十分
ではなかった。一方、特開平10−183033号に
は、着色塗料、干渉塗料およびクリヤー塗料を塗装する
に際して、該干渉塗料が、金属酸化物で被覆された酸化
アルミニウム粉末および金属酸化物で被覆された雲母粉
末を含有する有機溶剤系塗料である複層塗膜形成方法が
開示されている。この塗膜形成方法は、ハイライト部分
の光輝性が優れ、シェ−ド部分の彩度が高い複層塗膜の
形成法に関するものであるが、より高級感のある光輝性
塗膜を得るための、金属酸化物で被覆された酸化アルミ
ニウム粉末と金属酸化物で被覆された雲母粉末との関係
についての記載はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料が有
する多方面反射によるキラキラした光輝感に加えて、立
体的な光輝感を発現することで、より高級感のある光輝
感が得られる塗膜を形成することができる塗料、塗膜形
成方法および塗装物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。
【0005】1.ビヒクル、金属酸化物被覆アルミナフ
レーク顔料および、マイカ顔料を含有する塗料組成物で
あって、上記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料のマ
ンセル表示系における色相Hが、マンセル色相環100
に対し前記マイカ顔料の色相を0とし、左廻り+50、
右廻り−50で表示した際に+25〜+50、または−
25〜−50の色相範囲にある光輝性塗料組成物。
【0006】2.上記金属酸化物被覆アルミナフレーク
顔料のマンセル表示系における色相Hが、マンセル色相
環100に対し前記マイカ顔料の色相を0とし、左廻り
+50、右廻り−50で表示した際に+33〜+50ま
たは−33〜−50の色相範囲にある光輝性塗料組成
物。
【0007】3.上記金属酸化物被覆アルミナフレーク
顔料と上記マイカ顔料との重量比が90/10〜10/
90である光輝性塗料組成物。
【0008】4.基材に、上記光輝性塗料組成物を用い
てベースコート層を形成した後、クリヤー塗料を用いて
トップコート層を形成する塗膜形成方法。
【0009】5.上記クリヤー塗料が、カルボキシル基
含有ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含有する
光輝性塗膜形成方法
【0010】6.上記塗膜形成方法により塗装された塗
装物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0012】ビヒクル 本発明の光輝性塗料組成物に含まれるビヒクルは、後述
する金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料およびマイカ
顔料が分散するものであって、塗膜形成用樹脂と必要に
応じて架橋剤とから構成される。
【0013】上記ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂と
しては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエス
テル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、
(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)
ポリエーテル樹脂等が挙げられ、特に、アクリル樹脂お
よびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。これら
は、2種以上を組み合わせて使用することができる。ま
た、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプと
ラッカータイプとがあるが、通常硬化性を有するタイプ
のものが使用される。硬化性を有するタイプの場合に
は、アミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート化合
物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋
剤と混合して使用に供され、加熱または常温で硬化反応
を進行させることができる。また、硬化性を有しないタ
イプの塗膜形成用樹脂を硬化性を有するタイプと併用す
ることも可能である。
【0014】(a)アクリル樹脂 上記アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他の
エチレン性不飽和モノマーとの共重合体を挙げることが
できる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーと
しては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチ
ル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、
2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、
2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエ
ステル化物、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロ
キシエチルのカプロラクトンの開環付加物、アクリルア
ミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリル
アミド、などがある。これらと共重合可能な他のエチレ
ン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルス
チレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニルなどがあ
る。
【0015】(b)ポリエステル樹脂 ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不
飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、例えば、多塩基酸
と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げ
られる。多塩基酸としては、例えば、飽和多塩基酸、不
飽和多塩基酸等が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例
えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等が挙げ
られ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。多価アルコ
ールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコー
ル等が挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げら
れ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ト
リメチロールプロパン等が挙げられる。
【0016】(c)アルキド樹脂 上記アルキド樹脂としては、前記多塩基酸と多価アルコ
ールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤ
シ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク
等)等の変性剤を反応させて変性させて得られたアルキ
ッド樹脂を用いることができる。
【0017】(d)フッ素樹脂 フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化
エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオ
ロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合およびそ
の他の共重合可能なビニル系化合物からなる単量体を共
重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂
を挙げることができる。
【0018】(e)エポキシ樹脂 上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロ
ルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げること
ができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェ
ノールA、F等が挙げられる。上記ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピ
コート1001、エピコート1004、エピコート10
07、エピコート1009(いずれも、シェルケミカル
社製)等が挙げられ、またこれらを適当な鎖延長剤を用
いて鎖延長したものも用いることができる。
【0019】(f)ポリウレタン樹脂 上記ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステ
ル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオー
ル成分とポリイソシアネート化合物とによって得られる
ウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記
ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレン
ジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレ
ンジイソシアネート(2,6−TDI)、及びその混合
物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシ
アネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−
2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、及
びその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソ
シアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’
−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリ
レンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメ
タン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネ
ート(HXDI)等を挙げることができる。
【0020】(g)ポリエーテル樹脂 上記ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する
重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポ
リエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポ
リオキシブチレン系ポリエーテルもしくはビスフェノー
ルAあるいはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロ
キシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当た
りに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂
を、または上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、
これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得ら
れるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げること
ができる。
【0021】上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形
成用樹脂と架橋剤の割合としては、固形分換算で塗膜形
成用樹脂が90〜50重量%、架橋剤が10〜50重量
%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60重量
%であり、架橋剤が15〜40重量%である。架橋剤が
10重量%未満では(塗膜形成用樹脂が90重量%を超
えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が
50重量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50重量%未
満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに
硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0022】金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料 本発明の光輝性塗料組成物に含まれる金属酸化物被覆ア
ルミナフレーク顔料は、マンセル表示系におけるその色
相Hが、マンセル色相環100に対し後述するマイカ顔
料の色相を0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示
した際に+25〜+50、または−25〜−50の色相
範囲にある金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料であ
る。上記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料は、酸化
アルミニウム(A123)をFe23、TiO2、Sn
2、ZrO2等の金属酸化物により被覆したもので、平
均粒度が3〜60μm、好ましくは5〜30μm、厚み
が0.1〜0.8μm、好ましくは0.2〜0.4μm
のものである。また、表面平滑性が高く、粒度分布がシ
ャープなものは反射した光による散乱を少なくすること
ができる。さらに、アスペクト比(粒子径/厚み)が20
以上の薄片状アルミナフレーク顔料の表面を金属酸化物
で被覆した場合には、パール感(真珠光沢)を呈する顔料
となり、これを用いた塗膜は、ハイライトおよびシェー
ドの位置からともに、従来のマイカ粉では得られなかっ
た強い輝きを呈し、透明感があって立体的な印象を表現
できる。このような金属酸化物被覆アルミナフレーク顔
料としては、例えば、メルク・ジャパン社より販売され
ている、「SDA−GOLD W−3」(商品名)等のS
DAシリーズが、挙げられる。
【0023】本発明の光輝性塗料組成物に含まれる金属
酸化物被覆アルミナフレーク顔料は、被覆する金属酸化
物の種類・量(被覆厚)を調整することで、所望の色相
を得ることができる。金属酸化物被覆アルミナフレーク
顔料の色相を、マンセル表示系における色相で、マンセ
ル色相環100に対し併用するマイカ顔料の色相を0と
し、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に+25
〜+50、または−25〜−50、好ましくは+33〜
+50、または−33〜−50の色相範囲に設定するこ
とにより、併用するマイカ顔料との相互の発色が生じ、
立体的な光輝感を発現することが可能となる。この立体
的な光輝感とは、本発明の光輝性塗料組成物から得られ
る塗膜において、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料
とマイカ顔料とのうち、金属酸化物被覆アルミナフレー
ク顔料の色相が浮き上がったかのような立体感が視認さ
れる現象をいう。金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料
の光輝性塗料組成物における含有量(塗料固形分100
重量部に対する顔料の固形分重量部割合:PWC)は、
0.01%〜20%が好ましく、1%〜15%がより好
ましく、3%〜10%がさらに好ましい。20%を超え
ると塗膜外観が低下し、0.01%を下回るとキラキラ
した光輝感が低下する。
【0024】マイカ顔料 本発明の光輝性塗料組成物に含まれるマイカ顔料として
は、天然の白雲母や合成雲母の表面に二酸化チタン、酸
化鉄その他クロム、コバルト、錫、ジルコニウム等の金
属酸化物の薄膜をコーティングしたパールマイカ顔料で
あることが好ましい。このようなパールマイカ顔料とし
ては、粒径範囲が1〜60μm、好ましくは1〜40μ
mで、平均粒径15〜25μmの範囲の鱗片状のものを
用いることができる。上記マイカ顔料の色は、被覆する
金属酸化物の種類・量(被覆厚)を調整することで、所
望の色を得ることができる。本発明の光輝性塗料組成物
における金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料/マイカ
顔料の重量比は、90/10〜10/90、好ましくは
70/30〜10/90の範囲である。上記比率が90
/10を上回ると立体的な光輝感が減退し、10/90
を下回るとキラキラした光輝感が不十分となる。また、
本発明の光輝性塗料組成物における金属酸化物被覆アル
ミナフレーク顔料およびマイカ顔料の総含有量(PWC)
は、20%未満が好ましく15%未満がより好ましい。
20%を超えると塗膜外観が低下する
【0025】その他の光輝性顔料 本発明の光輝性塗料組成物は、上記金属酸化物被覆アル
ミナフレーク顔料およびマイカ顔料以外のその他の光輝
性顔料として、従来から塗料用として常用されているも
のを含有することができる。このようなものとして、例
えば、金属チタンフレーク、ステンレスフレーク、板状
酸化鉄、フタロシアニンフレークまたは金属めっきガラ
スフレーク等を挙げることができる。上記その他の光輝
性顔料は、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および
マイカ顔料の効果を妨げない範囲の任意の添加量で、含
有することができる。
【0026】着色顔料 本発明の光輝性塗料組成物は、着色顔料を含有すること
ができる。このようなものとして、従来から塗料用とし
て常用されているものが挙げることができ、例えば、有
機顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシ
アニン系顔料、インジコ系顔料、ベリレン系顔料、キノ
フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系
顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げ
られ、また、無機顔料としては、例えば、黄鉛、黄色酸
化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が
挙げられる。着色顔料の添加量は、金属酸化物被覆アル
ミナフレーク顔料およびマイカ顔料との効果を妨げない
限り、色相に合わせて任意に設定できる。また各種体質
顔料等を併用することができる。なお、上記その他の光
輝性顔料および着色顔料を用いる場合、上記顔料、金属
酸化物被覆アルミナフレーク顔料と上記マイカ顔料とを
含めた顔料全体としての総含有量(PWC)は、50%未
満が好ましく、30%未満がより好ましい。50%を超
えると塗膜外観が低下する。また各種体質顔料等を併用
することができる。
【0027】上記以外の成分 本発明の光輝性塗料組成物は、上記成分の他に、脂肪族
アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポ
リエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエ
チレンワックスである沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコンや有機高分
子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑
剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加する
ことができる。これらの添加剤は、通常、上記ビヒクル
100重量部(固形分基準)に対して15重量部以下の
割合で配合することにより、塗料や塗膜の性能を改善す
ることができる。
【0028】本発明の光輝性塗料組成物は、上記構成成
分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供され
る。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するもの
であればよく、有機溶剤および/または水を使用し得
る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられ
るものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシ
レン等の炭化水素類、アセトン、メチルエテルケトン等
のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチ
ルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示で
きる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されてい
る場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適
量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0029】塗膜形成方法 本発明の塗膜形成方法は、上記光輝性塗料組成物を基材
上に塗布して、ベースコート層としての光輝性塗膜を形
成した後、このようにして得られた光輝性塗膜上にトッ
プコート層として少なくとも一層のクリヤー塗料を塗布
して、トップコート層を形成するものである。上記基材
としては、限定されるものでなく、鉄、アルミニウム、
銅またはこれらの合金等の金属類;ガラス、セメント、
コンクリート等の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポ
リアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂
等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料;木
材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等が
挙げられる。
【0030】本発明の塗膜形成方法においては、上記基
材に直接または下地塗膜を介して本発明の光輝性塗料組
成物を塗装するが、本発明の塗膜形成方法により塗装さ
れた塗装物が自動車車体および部品の場合は、予め化成
処理、電着塗装等による下塗り塗装、中塗り塗装等を施
しておくのが好ましい。上記中塗り塗装は、下地の隠
蔽、耐チッピング性の付与および上塗りとの密着性確保
の他、必要に応じて、上塗りとの複合色を発現し、意匠
性を高めるために行われるもので、グレー色系の中塗塗
料またはカラー中塗塗料等を用いて、塗膜を形成するも
のである。
【0031】本発明の塗膜形成方法においては、まず上
記基材に上記光輝性塗料組成物をベースコート層として
塗装する。上記基材が下塗り、中塗り塗料等により下地
塗装をした物である場合には、下地塗膜の上にウェット
オンウェット(W/W)法、またはウェットオンドライ
(W/D)法により上記光輝性塗料組成物を塗装するこ
とができる。上記W/W法とは下地塗装をした後、風乾
等により乾燥し、未硬化状態または半硬化状態の下地塗
膜に塗装する方法であり、これに対して、上記W/D法
とは下地塗膜を焼付けて硬化させた下地塗膜に塗装する
方法である。ここで、上記光輝性塗料組成物として、隠
蔽性が低いものを用いることにより、下地塗膜との複合
色を発現することが可能となる。光輝性塗料組成物を基
材上に塗装する方法は特に限定されないが、スプレー
法、ロールコーター法等が好ましく、また、複数回塗装
することも可能である。上記光輝性塗料組成物を塗装し
たベースコート層の乾燥膜厚は、1コートにつき5〜5
0μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0032】このようにして形成されたベースコート層
上にトップコート層として、クリヤー塗膜を少なくとも
1層形成する。上記ベースコート層中に光輝性顔料が多
い場合に、クリヤー塗料を2層以上塗装すると、表面の
光輝感を向上させることができる。
【0033】本発明の塗膜形成方法で用いられるクリヤ
ー塗料としては、上塗り用として一般に使用されている
ものを用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの変性樹脂等か
ら選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と前述の架橋
剤とを混合したものを用いることができるが、特公平8
−19315号公報に記載されたカルボシキル基含有ポ
リマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー
塗料が、耐酸性雨対策およびW/W法でベースコート層
との溶解性の差を大きくすると塗装した際にベースコー
ト層における光輝剤の配向を乱さないという観点から好
ましく用いられる。また、これらのクリヤー塗料は、必
要に応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔
料、体質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、
分散剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能であ
る。
【0034】本発明の塗膜上へのクリヤー塗料の塗装
は、上記ベースコート層、および必要に応じて中塗り塗
料から形成された層を同時に硬化させてから行うことが
できるが、未硬化状態または半硬化状態の上記ベースコ
ート層に対して、先のW/W法を用いることが好まし
い。また、クリヤー塗料を複数回塗装する場合には、最
終のクリヤー塗料を塗装した後で同時に焼き付ければよ
く、初期にクリヤー塗料を塗装した段階では完全に硬化
させなくてもよい。このようにクリヤー塗料を用いてW
/W法により形成したトップコート層は、ベースコート
層、および必要に応じて、下地塗膜とともに120〜1
60℃で所定時間焼き付けられ、塗膜を得ることができ
る。なお、トップコート層の乾燥膜厚は1コートにつき
10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ま
しい。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり重量部を表す。
【0036】実施例1〜11、比較例1〜4基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2
000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した
後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日
本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電
着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付けた
後、中塗塗料(「オルガS−90シーラーグレー(N−
6)」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が40μmとな
るようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼
き付けて中塗塗膜を形成し、基材1とした。一方、下地
塗膜と上塗りとの複合色を発現するための基材として、
上記基材1の調整において、中塗塗料を「オルガS−9
0シーラーグレー(N−4)」(日本ペイント社製)に代
えて得られたものを、基材2とした。
【0037】光輝性塗料組成物の調製 アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチ
ルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/
メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、
水酸基価45、酸価15、固形分50重量%)と、メラ
ミン樹脂(商品名,「ユーバン20SE」、三井化学社
製、固形分60重量%)とを80:20の固形分重量比
で配合して得たビヒクルに対し、アルミナフレーク顔
料、マイカ顔料、および必要によりカーボンブラックを
表1に示す種類および割合で配合した。次いで、有機溶
剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの重
量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗
装適正粘度になるように攪拌混合し、光輝性塗料組成物
を調製した。
【0038】光輝性塗膜の形成 基材の被塗面に、先に得た光輝性塗料組成物を乾燥膜厚
が15μmになるように塗装した。塗装は静電塗装機
(「Auto REA」、ABBインダストリー社製)
を用い、霧化圧2.8kg/cm2で行った。塗装中の
ブースの雰囲気は温度25℃、湿度75%に保持した。
塗装後3分間セッティングし、クリヤー塗料を乾燥膜厚
が35μmになるように塗装し、室温で10分間セッテ
ィングし、140℃の温度で30分間焼き付けた。得ら
れた塗膜のキラキラ感および立体感を下記評価方法で評
価した。結果を表1に示す。使用したクリヤー塗料は、
アクリル/メラミン樹脂系クリヤー塗料1(商品名:
「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント
社製)または、カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ
基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料2(「マック
フローO−520クリヤー」、日本ペイント社製)の2
種類である。評価結果を表1に示す。
【0039】評価方法 キラキラ感…試験板をほぼ真正面(ハイライト部)から
見たときの金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料粒子の
キラキラした感じと見る角度を動かしたときのキラキラ
した粒子の連動した動きを目視で評価した。 3…キラキラした感じおよびキラキラした粒子の連動し
た動きが顕著にある 2…キラキラした感じおよびキラキラした粒子の連動し
た動きが少しある 1…キラキラした感じおよびキラキラした粒子の連動し
た動きがない 立体感…塗膜形成後の塗膜中の金属酸化物被覆アルミナ
フレーク顔料とマイカ顔料のうち、金属酸化物被覆アル
ミナフレーク顔料の色相が浮き上がったかのような立体
感として視認される現象を目視で評価した。 3…立体感が顕著にある 2…立体感がある 1…立体感がない
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明においては、金属酸化物被覆アル
ミナフレーク顔料とマイカ顔料の色相との色相差を規定
することによって、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔
料が有する多方面反射によるキラキラした光輝感に加え
て、立体的な光輝感を発現させることが可能となり、そ
の結果より高級感のある光輝感が得られる塗膜を形成す
ることができるようになった。なお、本発明により得ら
れる塗膜は強く、透明感のある立体感に優れた独特のキ
ラキラ感を呈するため、自動車、二輪車等の乗物外板、
容器外面、コイルコーティング、家電業界等の光輝性が
要求される塗装物において好ましく使用される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビヒクル、金属酸化物被覆アルミナフレー
    ク顔料および、マイカ顔料を含有する塗料組成物であっ
    て、前記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料のマンセ
    ル表示系における色相Hが、マンセル色相環100に対
    し前記マイカ顔料の色相を0とし、左廻り+50、右廻
    り−50で表示した際に+25〜+50、または−25
    〜−50の色相範囲にあることを特徴とする光輝性塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】前記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料
    のマンセル表示系における色相Hが、+33〜+50、
    または−33〜+50の色相範囲にあることを特徴とす
    る請求項1記載の光輝性塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料
    と前記マイカ顔料との重量比が90/10〜10/90
    であることを特徴とする請求項1または2記載の光輝性
    塗料組成物。
  4. 【請求項4】基材に、請求項1乃至3いずれか1つに記
    載の光輝性塗料組成物を用いてベースコート層を形成し
    た後、クリヤー塗料を用いてトップコート層を形成する
    ことを特徴とする塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】前記クリヤー塗料が、カルボキシル基含有
    ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含有すること
    を特徴とする請求項4記載の塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の塗膜形成方法によ
    り塗装されたことを特徴とする塗装物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002273333A (ja) * 2001-03-21 2002-09-24 Nippon Paint Co Ltd 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2002275424A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Nippon Paint Co Ltd 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および複層塗膜
JP2009247606A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Sri Sports Ltd ゴルフボール

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